JP6512947B2 - 電動ステアリングロック装置 - Google Patents
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特許文献1には、駆動機構として、電動モータ(14)(特許文献中の符号、以下同様)の出力軸に設けられたウォーム(15)と、外周面にウォーム(15)に噛み合うウォームホイール(12a)を備えて内周面に雌ネジ部(12b)を備えた円筒状のギア部材(12)と、外周面に雌ネジ部(12b)と噛み合う雄ネジ部(7a)を備えてロックボルト(8)が連結されたドライバ(7)とによって構成されている。
ギア部材(12)は、ギア部材収納部に設けられたギア保持筒部(2A、4C)に回動可能に保持され、また、ギア部材保持部に設けられた規制部(2Aに設けられた段部)によって軸方向への移動が規制されている。
このような時に、アンロック作動を行うと、電動モータの駆動によって回転するギア部材は、ロックボルトが動かないため、逆に、ネジ機構の作用によってロックボルトの突出方向側に移動し、その端面がハウジングに設けられた規制部に圧接され、その摺動抵抗によりギア部材の回転力は弱められる。
しかし、規制部は、ドライバ保持部の径よりもギア部材保持部の径を大きくすることで形成される段差を利用して構成されるため、規制部に合わせて設定する必要があるギア部材の外径を、ドライバ保持部の径、すなわち、ドライバの外径より小さくすることができなかった。
請求項1の発明は、電動モータ(61)と、該電動モータによって正逆転駆動される円筒状のギア部材(40,240,340)と、該ギア部材内で進退作動するドライバ(32)と、該ギア部材と該ドライバとの間に介設され回転運動を直進運動に変換して前記ドライバを進退作動させる変換機構(32a,40b)と、該ドライバに連結されて車両のステアリングシャフトに対して係合するロック位置とその係合が解除されるアンロック位置との間を移動可能なロックボルト(31)と、該ロックボルトを外部に露出させるロックボルト挿通孔(10b)、前記ドライバを進退可能に保持するドライバ保持部(10c,210c,310c)、及び、前記ギア部材を収容するギア部材収納部(10d,210d,310d)を備えたハウジング(10,210,310)と、を備えた電動ステアリングロック装置において、前記ドライバ保持部のギア部材収納部側、又は、前記ギア部材収納部のドライバ保持部側に、前記ギア部材の軸方向への移動を規制する規制部材(50,250,350)を設け、該規制部材には、前記ドライバ保持部の内側形状よりも内側に張り出して、前記ギア部材の軸方向端面に当接可能な規制部(50a,250a,350a)を設けたこと、を特徴とする電動ステアリングロック装置(1,2,3)である。
図1は、本発明による電動ステアリングロック装置1の第1実施形態を示す分解斜視図である。
図2は、第1実施形態の電動ステアリングロック装置1を上方のステアリングシャフト側から見た図である。
図3は、第1実施形態の電動ステアリングロック装置1のロック状態を図2中の矢印A−A部で切断した縦断面図である。
図4は、規制部材50を取り外して並べた状態でハウジング10を図1の下方から見た斜視図である。
図5は、規制部材50のみを組み付けた状態でハウジング10を図1の下方から見た斜視図である。
なお、図1から図5を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
さらに、以下の説明中において、特に説明しない限り、上下等の向きを示す記載は、図1及び図3中における向きを指すものとする。
本実施形態のギア部材収納部10dは、全体としてみると略円筒内面形状に形成されており、その円筒内面形状の内径寸法は、ドライバ保持部10cの円筒内面形状の内径寸法よりも大きくなっている。したがって、ドライバ保持部10cとギア部材収納部10dとの境界部分には、段部10iが形成されている。
第1実施形態では、この凹部10eと、後述の規制部材50の凸部50cとにより、ギア部材収納部10dとドライバ保持部10cとの間で少なくともドライバ保持部10c側への規制部材50移動を規制する位置決め部が構成されている。
支持部10gは、電動モータ61の出力軸61aの先端を支持するように形成されている。
基板収納部10hには、プリント基板70がドライバ32の移動方向に沿って収容されている。
また、ギア部材40の軸方向のロックボルト側(上端側)端部の外形形状は、その外径寸法がドライバ保持部10cの内側形状の内径寸法よりも極僅かに(寸法公差分)小さくなっており、ドライバ保持部10cに嵌合している。ギア部材40のロックボルト側端部は、このドライバ保持部10cとの嵌合によって、径方向の位置決めが行われている。
規制部材50には、ドライバ保持部10cの内側形状(径方向輪郭)よりも内側に張り出して、ギア部材40の軸方向端面に当接可能な規制部50aが設けられている。
先に説明したように、ギア部材40のロックボルト側(上端側)端部の外形形状は、ドライバ保持部10cの内側形状よりも内側となるように小さくなっている。したがって、ギア部材40のロックボルト側(上端側)の端部は、規制部材50のドライバ保持部10cの内側形状よりも内側に張り出した規制部50aに当接するようになっており、規制部50aは、ギア部材40の軸方向への移動を規制する。
また、規制部材50は、規制部50aを本体部として径方向に突出した凸部50cを有している。この凸部50cは、ハウジング10の凹部10eに嵌まり込むようになっており、先に説明したように位置決め部を構成している。
このとき、規制部材50は、ギア部材40とドライバ32の大径部32cとの間に配置されて、ドライバ32に対して脱落不能に組み付けられている。したがって、前記ユニットをハウジング10に組み付ける際に、規制部材50が前記ユニットから脱落することがなく、また、前記ユニットごとハウジング10に組み付け可能であるため、容易に組み付けることができる。
(ロック動作:アンロック状態からロック状態への動作)
1.エンジン作動状態で、ユーザーがエンジンスタートSWを操作すると、車両の制御部が電動ステアリングロック装置1に対してロック信号を送信する。
2.電動ステアリングロック装置1のステアリングロックECU(electronic control unit)は、制御部からのロック信号を受信すると、電動モータ61をロック側に駆動させる。
3.電動モータ61の出力軸61aの回転により、ウォーム62、及び、ウォーム62に噛み合うウォームホイール40aが設けられたギア部材40が回転する。
4.ギア部材40が回転すると、ギア部材40の内部に設けられたネジ機構(変換機構)により、ドライバ32及びロックボルト31が突出方向(図1、3中の上方)に移動する。
5.ロックボルト31がロック位置まで移動すると、第1ホールIC71によってロックボルト31のロック位置への移動が検出され、ステアリングロックECUは、電動モータ61を停止して、車両の制御部にロック完了信号を送信し、ロック動作が終了する。
1.エンジン停止状態(ステアリングロックはロック状態)で、ユーザーがエンジンスタートSWを操作すると、車両の制御部が電動ステアリングロック装置1に対してアンロック信号を送信する。
2.電動ステアリングロック装置1のプリント基板70に設けられたステアリングロックECUは、制御部からのアンロック信号を受信すると、電動モータ61をアンロック側に駆動させる。
3.電動モータ61の出力軸61aの回転により、ウォーム62、及び、ウォーム62に噛み合うウォームホイール40aが設けられたギア部材40が回転する。
4.ギア部材40が回転すると、ギア部材40の内部に設けられたネジ機構(変換機構)により、ドライバ32及びロックボルト31が後退方向(図1、3中の下方)に移動する。
5.ロックボルト31がアンロック位置まで移動すると、第2ホールIC72によってロックボルト31のアンロック位置への移動が検出され、ステアリングロックECUは、電動モータ61を停止して、車両の制御部にアンロック完了信号を送信し、アンロック動作が終了する。
さらに、上述の位置決め部は、ギア部材収納部10dに連通して軸方向に窪む凹部10eと、規制部材50の本体部としての規制部50aから径方向に突出して設けられ凹部10eに嵌まり込む凸部50cとによって構成されている。よって、本実施形態の電動ステアリングロック装置1は、従来のようにドライバ保持部とギア部材収納部との径を変えて形成した段部によってギア部材の移動を規制する必要がない。そして、規制部材50をドライバ保持部10cとギア部材収納部10dとの間に配置することが可能となる。これにより、本実施形態の電動ステアリングロック装置1は、ギア部材収納部10dの径を小さくすることが可能となり、さらに、ギア部材40の端部の外径を小さくすることが可能となる。
図6は、本発明の第2実施形態による電動ステアリングロック装置2のロック状態を要部のみ示す縦断面図である。
図7は、第2実施形態の規制部材250とハウジング210との関係を図6の下方から見た状態で示す図である。
規制部材250の外径寸法は、ギア部材収納部210dの内径寸法と略等しく、ギア部材収納部210dの内壁に嵌合するようになっている。
貫通孔250bの内径寸法は、第1実施形態の貫通孔50bと同様に、小径部32bの外径よりも大きく、かつ、大径部32cの外径よりも小さく形成されている。
円筒外周部240cは、ギア部材収納部210dの内径寸法と略等しい外径寸法に形成されており、ギア部材収納部210dの内壁と嵌合して、ギア部材240の径方向の位置を規制する。
摺動凸部240dは、ギア部材240の上側の端部に円筒状に突出して設けられている。摺動凸部240dは、ドライバ保持部210cの内径よりも小さくその径が形成されており、規制部250aに軸方向において当接する。したがって、ギア部材240は、規制部材250の規制部250aとリッド20との間に挟持されて、軸方向で移動しないように位置規制された状態で保持されている。
さらに、第2実施形態の電動ステアリングロック装置2は、ギア部材240の径方向の位置をドライバ保持部210cの内径により規制する構成ではないことから、第1実施形態よりも、さらに小さい径に摺動凸部240dを構成することが可能であり、ロックボルト31の引き抜き力をさらに向上できる。
図8は、本発明の第3実施形態による電動ステアリングロック装置3のロック状態を要部のみ示す縦断面図である。
図9は、第3実施形態の規制部材350とハウジング310との関係を図8の下方から見た状態で示す図である。
規制部材350の外径寸法は、ギア部材収納部310dの内径寸法と略等しく、ギア部材収納部310dの内壁に嵌合するようになっている。
貫通孔350bの内径寸法は、第1実施形態の貫通孔50bと同様に、小径部32bの外径よりも大きく、かつ、大径部32cの外径よりも小さく形成され、ドライバ保持部10cの内側形状よりも孔形状が内側となるように小さく形成されている。
また、第3実施形態の規制部材350は、ギア部材340の軸方向端部を径方向において保持する円筒状のギア部材保持部350dを有している。ギア部材保持部350dは、規制部材350の規制部350aの径方向外側の部分が下方に向けて円筒状に突出して形成されている。
第3実施形態のギア部材340は、軸方向のロックボルト側端部の径方向における外形形状(外径)がドライバ保持部310cの内側形状よりも内側となるように小さく形成され、その軸方向端面が規制部材350の規制部350aに軸方向に当接して、軸方向の位置が規制されている。
また、ギア部材340は、その上端が規制部材350のギア部材保持部350dに回転可能な状態で嵌合しており、径方向の位置が規制されている。
そこで、第3実施形態では、上述したように、規制部材350に、ギア部材保持部350dを設け、ギア部材保持部350dの内側形状がドライバ保持部310cの内側形状よりも内側になるようにギア部材保持部350dの内径を小さく形成することで、ギア部材340のロックボルト側端部の外径をより小さくすることを可能としている。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
10 ハウジング
10a 装着凹部
10b ロックボルト挿通孔
10c ドライバ保持部
10d ギア部材収納部
10e 凹部
10f モータ収納部
10g 支持部
10h 基板収納部
10i 段部
10j ピン孔
10k 係合溝
20 リッド
21 ピン留め部
21a ピン挿通孔
22 ギア保持筒部
23 スプリング受け
30 ロックユニット
31 ロックボルト
31a 長孔
32 ドライバ
32a 雄ネジ部
32b 小径部(幅小部)
32c 大径部(幅大部)
32d 磁石保持アーム
32e 回り止め部
32f ピン挿通孔
33 磁石
34 ピン
40 ギア部材
40a ウォームホイール
40b 雌ネジ部
50 規制部材
50a 規制部
50b 貫通孔
50c 凸部
60 保持カバー
61 電動モータ
61a 出力軸
62 ウォーム
70 プリント基板
71 第1ホールIC
72 第2ホールIC
73 カバー
81 第1スプリング
82 第2スプリング
210 ハウジング
210c ドライバ保持部
210d ギア部材収納部
210i 段部
240 ギア部材
240a ウォームホイール
240b 雌ネジ部
240c 円筒外周部
240d 摺動凸部
250 規制部材
250a 規制部
250b 貫通孔
310 ハウジング
310c ドライバ保持部
310d ギア部材収納部
310i 段部
340 ギア部材
340a ウォームホイール
340b 雌ネジ部
350 規制部材
350a 規制部
350b 貫通孔
350d ギア部材保持部
Claims (7)
- 電動モータと、
該電動モータによって正逆転駆動される円筒状のギア部材と、
該ギア部材内で進退作動するドライバと、
該ギア部材と該ドライバとの間に介設され回転運動を直進運動に変換して前記ドライバを進退作動させる変換機構と、
該ドライバに連結されて車両のステアリングシャフトに対して係合するロック位置とその係合が解除されるアンロック位置との間を移動可能なロックボルトと、
該ロックボルトを外部に露出させるロックボルト挿通孔、前記ドライバを進退可能に保持するドライバ保持部、及び、前記ギア部材を収容するギア部材収納部を備えたハウジングと、
を備えた電動ステアリングロック装置において、
前記ドライバ保持部のギア部材収納部側、又は、前記ギア部材収納部のドライバ保持部側に、前記ギア部材の軸方向への移動を規制する規制部材を設け、
該規制部材には、前記ドライバ保持部の内側形状よりも内側に張り出して、前記ギア部材の軸方向端面に当接可能な規制部を設けたこと、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項1に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記ギア部材のロックボルト側端部の径方向における外形形状を前記ドライバ保持部の内側形状よりも内側となるようにしたこと、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記規制部材には、前記ドライバが進退可能に貫通可能であり、かつ、前記ドライバ保持部の内側形状よりも孔形状が内側となる貫通孔を設け、該貫通孔の縁部分を前記規制部として構成したこと、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項3に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記ドライバには、前記変換機構の一部が設けられた幅小部と、前記ロックボルトが連結される幅大部とが設けられ、
前記規制部材の貫通孔は、前記幅小部が挿通可能で、かつ、前記幅大部が挿通不能な大きさ及び/又は形状に形成され、
該規制部材は、前記ドライバの幅小部が前記貫通孔に貫通した状態で、前記ドライバの幅大部と前記ギア部材との間に配設されること、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項1に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記規制部材は、前記ギア部材収納部側から装着可能で、かつ、前記ギア部材収納部と前記ドライバ保持部との間で少なくとも前記ドライバ保持部側への移動を規制する位置決め部によって位置決めされていること、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項5に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記位置決め部は、前記ギア部材収納部に連通して軸方向に窪む凹部と、前記規制部材の本体部から径方向に突出して設けられ前記凹部に嵌まり込む凸部と、
によって構成されていること、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の電動ステアリングロック装置において、
前記規制部材には、前記ギア部材のロックボルト側端部を径方向において保持する円筒状のギア部材保持部を設けたこと、
を特徴とする電動ステアリングロック装置。
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