JP6512579B2 - 燃料電池の製造方法および燃料電池の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の製造方法および燃料電池の製造装置に関する。
複数の工程を連続的に行うインライン式の燃料電池の製造方法が提案されている。例えば特許文献1に記載の発明は、セパレータとなる長尺な基材をロールから引き出して搬送し、複数の工程を連続的に行う。特許文献1に記載の発明は、まず成形工程において基材に形状を付与した後、基材を止めることなくそのまま搬送しつつ、表面処理工程において基材表面に膜を形成する。
セパレータの表面に形成する膜の材料として、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)が注目されている。DLCは、一般的に、真空下でCVD法(化学気相蒸着法)またはPVD法(物理気相蒸着法)によって成膜される。
真空下で成膜する表面処理を特許文献1に記載の発明のように基材を搬送しつつ成形工程後に連続的に行うとすると、基材の搬送経路に真空炉を設け、そこに基材を通過させつつ成膜しなければならない。このため、基材を通過させるための開口部を真空炉に設ける必要がある。
特許第4529439号公報
しかしながら、そのような開口部と基材との間の隙間管理は難しく、その隙間を通じ外部から真空炉内に空気が流入するため、所望の真空度を得るまでに非常に多くの時間が費やされる。従って、生産性が低下する。特にDLCの成膜のように高い真空度が要求される場合、そのことが顕著になる。一方、時間短縮のため低い真空度のまま成膜すると、膜の品質が低下する虞がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、真空下での成膜をともなう燃料電池の製造において、膜の品質低下を防ぎつつ生産性向上を図り得る燃料電池の製造方法および燃料電池の製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池の製造方法は、長尺な基材が巻回された一のロールと一のロールから基材を巻き取る他のロールとの間で搬送される基材に膜を形成する表面処理工程と、基材に形状を付与する成形工程と、を有する。表面処理工程は成形工程前に行われ、表面処理工程において、膜の形成は、一のロールおよび他のロール、ならびにこれらの間で搬送される基材が真空炉内に収容された状態で連続的に行われる。
上記目的を達成するための本発明の燃料電池の製造装置は、長尺な基材が巻回された一のロールと一のロールから基材を巻き取る他のロールとの間で基材を搬送しつつ、基材に膜を形成する表面処理装置と、基材に形状を付与する成形装置と、を有する。表面処理装置は、真空炉を有し、真空炉内に、一のロールおよび他のロール、ならびにこれらの間で搬送される基材を収容した状態で連続的に膜を形成し、成形装置は、表面処理装置によって成膜された基材に形状を付与する。
本発明によれば、一のロールおよび他のロール、ならびにこれらの間で搬送される基材が真空炉内に収容された状態で成膜される。このため、特許文献1のように一のロールおよび他のロールが真空炉の外に配置され、これらの間で搬送される基材が真空炉を通過するための開口部を真空炉に設ける必要がない。従って、真空炉の気密性が確保され、真空引きの時間を短縮できる。また、ロールおよび基材が真空炉内に収容される成膜を成形前に済ませておくため、成形以後の処理の途中で成膜のためにロールおよび基材を真空炉へ収容する手間がなく、成形以後の複数の処理を連続して行える。これらのことから生産性を向上できる。また、前述のように真空炉の気密性が確保され、高い真空状態が維持されるので、膜の品質低下を防止できる。
実施形態の燃料電池の製造装置の概略構成を示す図である。 実施形態の燃料電池の製造方法の概略を示すフローチャートである。 実施形態の表面処理工程の概略を示すフローチャートである。 膜厚計測を示す斜視図である。 膜厚の計測軌跡を示す基材の平面図である。 膜厚の計測結果に基づく装置の制御を示すフローチャートである。 図5の計測軌跡に沿った膜厚の変化を示す図である。 長尺な基材に成形されたセパレータを示す斜視図である。 図1の9−9線に沿う断面図である。 長尺なセパレータが重ね合わされて接合されたセパレータ接合体が切断された状態を示す斜視図である。 交互に積層されるセパレータ接合体および膜電極接合体の斜視図である。 燃料電池本体の斜視図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる。
図1に示すように、実施形態の燃料電池の製造装置10は、表面処理装置100と、成形装置140と、溶接装置150と、洗浄装置160と、接着剤塗布装置170と、モジュール化装置180と、乾燥炉190と、を有する。
表面処理装置100は、真空炉101を有する。表面処理装置100は、真空炉101と連通するポンプ102を有する。表面処理装置100は、真空炉101と連通するボンベ103を有する。
表面処理装置100は、長尺な基材104が巻回された一のロール105と、基材104を巻き取る他のロール106と、を有する。基材104はロール105とロール106との間で搬送される。ロール106は例えばモータによって回転される。表面処理装置100は、基材104を引き出すローラ107と、基材104の曲がりを取るローラ108と、基材104を送るローラ109と、を有する。
表面処理装置100は、基材104に対向する電極110を有する。表面処理装置100は、電極110よりも基材104の搬送方向下流側に設けられたスパッタ源111を有する。表面処理装置100は、スパッタ源111よりも基材104の搬送方向下流側に設けられたスパッタ源112を有する。表面処理装置100は、スパッタ源112よりも搬送方向下流側に設けられた分光計113を有する。表面処理装置100は、基材104に電圧を印加する電源114および電源115を有する。表面処理装置100は、構成要素の動作を制御する制御装置116を有する。
真空炉101は、ロール105およびロール106、ならびにこれらの間で搬送される基材104を収容する。真空炉101は、電極110、スパッタ源111、スパッタ源112、および分光計113を収容する。電極110、スパッタ源111、スパッタ源112、および分光計113は、それぞれ仕切られている。
ポンプ102は真空炉101内から気体を排出する。真空炉101内の真空度は、例えば10−3Pa程度である。ボンベ103は、例えばアルゴン等の不活性ガスを真空炉101内に供給する。
電極110は、平板形状を有する。電極110は、電源(不図示)と電気的に接続している。不活性ガス中において電極110に電圧が印加されることによって、電極110と基材104との間でプラズマが発生し、不活性ガスがイオン化される。
スパッタ源111は、クロムによって形成されたターゲットを含む。スパッタ源111は、不活性ガス中においてこのターゲットに電圧(以下、スパッタ電圧と称す)を印加し、基材104に向かってターゲットから粒子をはじき飛ばして成膜する。
スパッタ源111に含まれるターゲットを形成する材料は、クロムに限定されず、ニッケル、亜鉛、銅、タングステン、チタン、コバルト、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム及びバナジウム等であってもよい。
スパッタ源112は、炭素によって形成されたターゲットを含む。スパッタ源112は、不活性ガス中において炭素からなるターゲットにスパッタ電圧を印加し、基材104に向かってターゲットから粒子をはじき飛ばして成膜する。
分光計113は、基材104に向かって光を出射する投光部と、基材104から反射した光を受ける受光部と、を含む。分光計113は、投光部に光学的に接続する光源を含む。光源は、例えばハロゲンランプおよび青色LEDである。分光計113は、受光部で受けた光を分光する。分光計113は、例えばフォトダイオードや光電子倍増管等を含み、分光した光の強度に応じた出力信号を制御装置116へ出力する。分光計113と制御装置116とは電気的に接続している。
制御装置116は、例えばパーソナルコンピュータおよびエンジニアリングワークステーション等のコンピュータである。
制御装置116は、ロール106の回転を制御することによって、基材104の搬送速度を制御する。制御装置116は、電極110に印加される電圧を制御する。制御装置116は、スパッタ源111のスパッタ電圧を制御する。これによって、基材104上に形成される中間層の性状が制御される。制御装置116は、スパッタ源112のスパッタ電圧を制御する。これによって、中間層の上に形成される被膜の性状が制御される。
制御装置116は、分光計113が受ける基材104からの反射光に基づき、基材104の上に形成された被膜の膜厚を算出する。膜厚の算出方法は、基材104への入射光と基材104からの反射光との間の偏光状態の変化から膜厚を算出する分光エリプソメトリである。
成形装置140は、成膜された基材121を挟んで押圧するローラ141を含む。ローラ141の外周面には、燃料電池で用いられるセパレータの外面形状に対応する凹凸形状が設けられている。
溶接装置150は、レーザ151を照射して溶接する。
洗浄装置160は、溶媒161を溜めた容器162を有する。溶媒161として、例えば、エタノール、エーテル、アセトン、イソプロピルアルコール、トリクロロエチレン、および苛性アルカリ剤が挙げられる。洗浄装置160は、超音波洗浄を行う。
接着剤塗布装置170は、外周に接着剤が付着したローラ171を備える。ローラ171の外周に付着した接着剤は、図示しない転写ローラからローラ171に転写される。
モジュール化装置180は、シャー方式のさい断機181を有する。また、モジュール化装置180は、さい断機181によって切断された切断物と膜電極接合体124(以下、MEA124と称す)とを交互に積層するロボットアーム(不図示)を有する。
次に、燃料電池の製造方法について述べる。
図2に示すように、実施形態の燃料電池の製造方法は、表面処理工程S1と、成形工程S2と、溶接工程S3と、洗浄工程S4と、接着剤塗布工程S5と、モジュール化工程S7と、を有する。燃料電池の製造方法は、モジュール化工程S7の前に、MEA124に備わるフレームを粗面化するMEAフレーム粗面化工程S6を有する。燃料電池の製造方法は、接着剤硬化工程S8と、リーク検査工程S9と、スタック化工程S10と、荷重調整スペーサ選択工程S11と、本体組立工程S12と、性能測定工程S13と、を有する。
図3に示すように、表面処理工程S1は、ロールセット工程S101と、真空引き工程S102と、加熱工程S103と、を有する。また、表面処理工程S1は、ボンバード工程S104と、中間層形成工程S105と、被膜形成工程S106と、膜厚計測工程S107と、大気戻し工程S108と、ロール取出し工程S109と、を有する。表面処理工程S1は、表面処理装置100によって実行される。
ロールセット工程S101では、作業者はロール105を真空炉101内にセットする。真空引き工程S102では、真空炉101が密閉された状態で、ポンプ102が真空炉101内を真空引きする。加熱工程S103では、基材104が、ロール105から引き出されて電極110と対向する位置に達するまでの間に加熱される。基材104は、例えば輻射によって加熱される。または、基材104は、例えばヒータを内蔵するローラが接することによって加熱される。
ボンバード工程S104では、電極110への電圧印加によってイオン化された不活性ガスが、基材104を叩き、基材104の表面の酸化膜を除去する。このとき、電源114から基材104に電圧が印加される。電源114からの電圧は、ローラ109を介して基材104に印加される。基材104を形成する材料は、例えばステンレス鋼板、もしくは、鉄、ニッケル、クロムの主成分組成を適宜変更した改良鋼板である。
中間層形成工程S105では、物理気相蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)によって基材104の表面に中間層が形成される。基材104がスパッタ源111と対向しつつ搬送される際、スパッタ源111内のターゲットからはじき出された粒子が基材104に衝突し、中間層が形成される。
被膜形成工程S106では、物理気相蒸着法(PVD)によって基材104の上に被膜が形成される。基材104がスパッタ源112と対向しつつ搬送される際、スパッタ源112内のターゲットからはじき出された粒子が基材104の上に衝突し、被膜が形成される。被膜は中間層の上に形成される。被膜を形成する材料は、ダイアモンドライクカーボン(DLC:Diamond Like Carbon)である。被膜は導電性および耐食性を有する。基材104がスパッタ源112と対向する際、電源115から基材104に電圧が印加される。これによって、スパッタ源112からはじき出された粒子が、基材104に向かって引き寄せられる。
中間層形成工程S105および被膜形成工程S106で行われる物理気相蒸着法は、高出力インパルス・マグネトロン・スパッタリング(HIPIMS:High Power Impulse Magnetron Sputtering)である。物理気相蒸着法は、HIPIMSに限定されず、他のスパッタリング法またはイオンビームデポジッション等であってもよい。
図4に示すように、膜厚計測工程S107では、長手方向に搬送される基材104に対し分光計113が短手方向に移動することによって、長手方向に対し斜めに膜厚が計測される。短手方向は、長手方向と直交する方向である。計測される膜厚は、中間層の上に形成されたDLC被膜の膜厚である。
基材104の上に設けられた駆動装置117が分光計113を短手方向に移動させる。駆動装置117は、例えば分光計113に連結したボールネジをモータによって回転させて分光計113を移動させる。
分光計113は、基材104の短手方向で往復する。分光計113が短手方向に移動し、基材104に当っている光が短手方向における基材104の縁に達すると、分光計113は折り返して反対方向に移動する。基材104に当った光のスポット径は、例えば約500nmである。
長手方向に搬送される基材104に対し分光計113が短手方向に往復する結果、図5に示すように、膜厚の計測軌跡118はジグザグ状になる。
駆動装置117による分光計113の移動は、制御装置116によって制御される。また、制御装置116は、計測された膜厚を判別し、その結果に基づきスパッタ源112のスパッタ電圧を制御する。
図6に示すように、被膜の形成S1001、および膜厚計測S1002の後、膜厚が規格内か否か判別される(S1003)。その後、膜厚が修正不要な範囲内にあるか否か判別される(S1004)。被膜の形成S1001は、図3の被膜形成工程S106に相当し、膜厚計測S1002は、図3の膜厚計測工程S107に相当する。
膜厚が規格内か否かの判別S1003では、図7に示すように、計測された被膜の膜厚が、上限規格値V1と下限規格値V2との間にあるか否かが判別される。計測された膜厚が規格外の場合、具体的には、計測された膜厚が厚く上限規格値V1より大きい場合、または、計測された膜厚が薄く下限規格値V2より小さい場合、制御装置116は、表面処理装置100の動作を停止させ、成膜を中止する(図6のS1005)。
膜厚が修正不要な範囲内にあるか否かの判別S1004では、計測された膜厚が、修正不要上限値V3と修正不要下限値V4との間にあるか否かが判別される。
計測された膜厚が、修正不要上限値V3と修正不要下限値V4との間の修正不要な範囲にある場合、制御装置116は、スパッタ源112のスパッタ電圧(成膜条件)を維持する。
計測された膜厚が修正不要上限値V3より大きく、修正不要上限値V3と上限規格値V1との間の修正範囲内にある場合、制御装置116は、スパッタ源112のスパッタ電圧を調整し、計測される膜厚が修正不要上限値V3以下になるようにする(図6のS1006)。
計測された膜厚が修正不要下限値V4より小さく、修正不要下限値V4と下限規格値V2との間の修正範囲内にある場合、制御装置116は、スパッタ源112のスパッタ電圧を調整し、膜厚が修正不要下限値V4以上になるようにする(図6のS1006)。
被膜の形成S1001、膜厚計測S1002、および膜厚の判別S1003、S1004は、所定の長さの基材104がロール106に巻き取られるまで連続的に行われる(図6のS1007)。所定の長さの基材104がロール106に巻き取られた後、次の工程である大気戻し工程S108(図3)が行われる。
大気戻し工程S108では、真空状態の真空炉101内にガスが導入され、真空炉101内の真空状態が解除される。
ロール取出し工程S109では、作業者は真空炉101からロール106を取り出す。取り出されたロール106は、成膜された基材121を成形装置140へ供給するロール120として用いられる(図1)。成形装置140は、成形工程S2を実行する(図2)。
図8に示すように、成形工程S2では、溝状の流路122aおよび貫通孔であるマニホールド122b、122cが設けられたセパレータ122が成形される。ローラ141(図1)が基材121をプレスすることによって、流路122aおよびマニホールド122b、122cが形成される。複数のマニホールド122bのうちのいずれか1つは、流路122aと連通する。複数のマニホールド122cのうちのいずれか1つは、流路122aと連通する。
成形工程S2の後、セパレータ122とセパレータ122とが重ね合わされ、溶接工程S3において溶接される(図1、図2)。
図9に示すように、溶接工程S3では、流路122a同士が合わさった部分122eにレーザ151(図1)が照射され、セパレータ122同士が溶接される。
セパレータ122同士の接合したセパレータ接合体123は、洗浄工程S4において、洗浄装置160の溶媒161内を搬送され、連続的に脱脂および洗浄される(図1、図2)。
その後、セパレータ接合体123は、接着剤塗布工程S5において、回転するローラ171(図1)の外周と接しつつ搬送され、接着剤をローラ171から転写される。
図10に示すように、モジュール化工程S7において、セパレータ接合体123は、さい断機181(図1)によって矩形形状に切断される。
また、モジュール化工程S7では、図11に示すように、切断されたセパレータ接合体123とMEA124とが交互に積層される。燃料電池の最小単位である単セル126は、MEA124をセパレータ接合体123によって挟んだ構成を有する。モジュール125(図1)は、複数の単セル126が積層されるとともに電気的に接続した構成を有する。
MEA124は、電解質膜124aと、電解質膜124aの両面に形成される電極124bと、電解質膜124aの両面で電極124bのまわりに配置されたフレーム124cと、を有する。
電解質膜124aは、固体高分子材料、例えば、フッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電気伝導性を呈する。電極124bは、触媒層の上にガス拡散層が形成された構成を有する。電解質膜124aの一方の面に形成された電極124bの触媒層は、酸素の還元反応に触媒作用を有する触媒成分を含む。電解質膜124aの他方の面に形成された電極124bの触媒層は、水素の酸化反応に触媒作用を有する触媒成分を含む。触媒層の上に設けられるガス拡散層は、導電性およびガス拡散性を有する。ガス拡散層は例えば金網からなる。
フレーム124cは、MEAフレーム粗面化工程S6(図2)において、モジュール化工程S7の前に予め粗面化される。フレーム124cは、表面にレーザまたはプラズマが照射されることによって、粗面化される。フレーム124cを形成する材料は例えば樹脂である。
モジュール125(図1)は、接着剤硬化工程S8において、乾燥炉190に所定の温度で所定の時間収容され、セパレータ接合体123に塗布された接着剤が乾燥される。接着剤の乾燥によって、互いに隣接するセパレータ接合体123とMEA124とが接着する。乾燥後、モジュール125は乾燥炉190から取り出される。
リーク検査工程S9(図2)において、作業者は、モジュール125にガスを流し、ガス漏れを検査する。
図12に示すように、スタック化工程S10では、モジュール125が複数積層され、スタック127が形成される。積層された複数のモジュール125同士は電気的に接続する。
導電性を有する集電板131が、モジュール125の積層方向におけるスタック127の両端外側に配置される。集電板131はスタック127と電気的に接続する。集電板131の外側に、集電板131と絶縁されたエンドプレート130が配置される。一対のエンドプレート130はスタック127を挟む。これら一対のエンドプレート130は、スタック127のまわりを覆う側板134によって締結され、スタック127を保持する。
エンドプレート130には、スタック127に燃料ガスを供給する供給口130a、およびスタック127内を通った燃料ガスが排出される排出口130bが設けられている。
エンドプレート130には、スタック127に酸化剤ガスを供給する供給口130c、およびスタック127内を通過した酸化剤ガスが排出される排出口130dが設けられている。
エンドプレート130には、スタック127に冷却流体を供給する供給口130e、およびスタック127内を通過した冷却流体が排出される排出口130fが設けられている。
スタック127からの電力を取り出す出力端子133が、エンドプレート130から突出している。出力端子133は、集電板131と電気的に接続している。
荷重調整スペーサ選択工程S11(図2)において、エンドプレート130と集電板131との間に配置されるスペーサ132が選択される。一対のエンドプレート130が側板134によって締結された際にスタック127に積層方向から加わる荷重は、スペーサ132の厚みによって調整される。
本体組立工程S12(図2)では、一対のエンドプレート130が側板134によって締結され、燃料電池本体が出来上がる。
その後、性能測定工程S13(図2)において、作製された燃料電池本体の発電性能が測定される。発電性能の測定は、作製された燃料電池本体に例えば水素ガスおよび窒素ガスを流して発電運転と同一条件でしばらく作動させるエージングの後、窒素ガスを空気等の酸化剤ガスに代えて行われる。
本実施形態の作用効果を述べる。
本実施形態によれば、ロール105およびロール106、ならびに基材104の全体が真空炉101内に収容された状態で成膜される。このため、本実施形態と異なり例えばロール105およびロール106が真空炉101の外に配置され、これらの間で搬送される基材104が真空炉101を通過する場合のように、基材104を通過させるための開口部を真空炉101に設ける必要がない。従って真空炉101の気密性が確保され、真空引きの時間を短縮できる。また、ロール105、106および基材104が真空炉101内に収容される成膜を成形前に済ませておくため、成形以後の処理の途中でロール105、106および基材104を真空炉101内へ収容する手間がなく、成形以後の処理を連続して行える。これらのことから生産性を向上できる。また、前述のように真空炉101の気密性が確保され、高い真空状態が維持されるので、膜の品質低下を防止できる。
本実施形態では、分光計113が真空炉101内で膜厚を計測する。真空炉101内は大気の対流がなく、温度変化が抑えられる。このため、分光計113による計測精度がばらつき難い。その結果、安定した計測が連続で可能となり、適正な膜厚確保に寄与する。適正な膜厚が確保されることによって、燃料電池の使用中の異常な性能低下が防止され、品質が維持される。
本実施形態では、長手方向に搬送される基材104に対し、分光計113が短手方向に移動し、長手方向に対し斜めに膜厚が計測される。このような動作によって、1つの分光計113が基材104の短手方向における膜厚を計測することを可能にしている。本実施形態と異なり基材104の短手方向に複数の分光計113を並べて短手方向における膜厚を計測するようにすると、分光計113が複数設けられるため、真空炉101が大型化する。しかしながら本実施形態では1つの分光計113が移動して短手方向における膜厚を計測するため、真空炉101の大きさを抑えることができる。真空炉101の大きさが抑えられることによって、真空引きに要する時間、ひいてはリードタイムが短縮されるので、製造コストを抑えられる。
計測された膜厚が、上限規格値V1より大きい、または下限規格値V2より小さく、規格外の場合、成膜が中止される。このため不良品の発生が抑えられる。
また、計測された膜厚が、修正不要上限値V3と上限規格値V1との間、または修正不要下限値V4と下限規格値V2との間の修正範囲内にある場合、膜厚が上限規格値V1または下限規格値V2を超えないようにスパッタ電圧が変更されるため、不良品の発生がより効果的に抑えられる。
電源114から基材104に電圧が印加されつつボンバード処理されるため、電極110と基材104との間でイオンが基材104に向かって誘導され、エッチング効果が増す。従って基材104の表面の酸化被膜を効果的に除去できる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変できる。
例えば、成形工程より後の工程が上記実施形態と異なっていてもよく、成形工程より後の工程に従来公知の工程を適用してもよい。
また、基材に形成される被膜の材料はDLCに限定されず、例えば金等の他の材料によって形成された被膜を含む。
10 燃料電池の製造装置、
100 表面処理装置、
101 真空炉、
104 基材、
105 ロール(一のロール)、
106 ロール(他のロール)、
110 電極、
111 スパッタ源、
112 スパッタ源、
113 分光計、
114 電源、
115 電源、
116 制御装置、
117 駆動装置、
118 膜厚の計測軌跡、
120 ロール、
121 成膜された基材、
122 セパレータ、
123 セパレータ接合体、
124 膜電極接合体(MEA)、
125 モジュール、
126 単セル、
127 スタック、
130 エンドプレート、
131 集電板、
132 スペーサ、
133 出力端子、
134 側板、
140 成形装置、
150 溶接装置、
160 洗浄装置、
170 接着剤塗布装置、
180 モジュール化装置、
190 乾燥炉。

Claims (8)

  1. 長尺な基材が巻回された一のロールと当該一のロールから前記基材を巻き取る他のロールとの間で搬送される前記基材に膜を形成する表面処理工程と、前記基材に形状を付与する成形工程と、を有し、
    前記表面処理工程は前記成形工程前に行われ、前記表面処理工程において、前記膜の形成は、前記一のロールおよび前記他のロール、ならびにこれらの間で搬送される前記基材が真空炉内に収容された状態で連続的に行われ
    前記表面処理工程において、前記基材が前記一のロールから前記他のロールに搬送される間に、前記膜の厚みが、真空引きされた前記真空炉内で分光計によって計測され、
    計測された前記膜の厚みが規格外の場合、前記表面処理工程を中止する、燃料電池の製造方法。
  2. 長手方向に搬送される前記基材に対し前記分光計を前記基材の短手方向に移動させ、前記基材の長手方向に対し斜めに前記膜の厚みを計測する、請求項1に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 計測された前記膜の厚みが修正範囲内にある場合、前記表面処理工程における成膜条件を変更する請求項1または請求項2に記載の燃料電池の製造方法。
  4. 前記表面処理工程において、前記基材は、前記膜の形成前に電圧を印加されつつボンバード処理される、請求項1〜請求項3のうちのいずれか1つに記載の燃料電池の製造方法。
  5. 長尺な基材が巻回された一のロールと当該一のロールから前記基材を巻き取る他のロールとの間で前記基材を搬送しつつ、前記基材に膜を形成する表面処理装置と、前記基材に形状を付与する成形装置と、を有し、
    前記表面処理装置は、真空炉と、当該真空炉内に配置された分光計とを有し、前記真空炉内に、前記一のロールおよび前記他のロール、ならびにこれらの間で搬送される前記基材を収容した状態で連続的に前記膜を形成するとともに、前記基材が前記一のロールから前記他のロールに搬送される間に、真空引きされた前記真空炉内で、前記分光計によって前記膜の厚みを計測し、計測された前記膜の厚みが規格外の場合、前記膜の形成を中止し、
    前記成形装置は、前記表面処理装置によって成膜された前記基材に形状を付与する、燃料電池の製造装置
  6. 前記分光計は、長手方向に搬送される前記基材に対し前記基材の短手方向に移動し、前記膜の厚みは、前記基材の長手方向に対し斜めに計測される、請求項5に記載の燃料電池の製造装置
  7. 計測された前記膜の厚みが修正範囲内にある場合、前記表面処理装置は、成膜条件を変更する、請求項5または請求項6に記載の燃料電池の製造装置。
  8. 前記表面処理装置は、前記基材に前記膜を形成する成膜位置よりも前記基材の搬送方向上流側において、前記基材に電圧を印加しつつボンバード処理を施す請求項5〜請求項7のうちのいずれか1つに記載の燃料電池の製造装置。
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