JP6512121B2 - 無線タグリーダおよび無線タグシステム - Google Patents

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Description

本発明は、無線タグに記憶されている情報を読み取る無線タグリーダおよび無線タグシステムに関するものである。
現在、管理対象となる各物品のそれぞれに無線タグが付され、この無線タグを無線タグリーダにて読み取ることで、各物品の管理状況等を容易に把握でき、各物品の管理の効率化を図っている。このように各物品の管理の効率化を図る無線タグリーダおよび無線タグシステムに関連する技術として、例えば、下記特許文献1に開示される位置情報管理システムが知られている。
この位置情報管理システムは、書籍のそれぞれに取り付けられる非接触識別タグと、本棚の各収納部にそれぞれ収納された書籍の位置情報等を管理する管理装置と、本棚の収納部ごとに配設されたデータ通信装置とを備えるように構成されている。各データ通信装置のうち指定書籍に取り付けられた非接触識別タグからの応答を受信した1または2以上のデータ通信装置は、その非接触識別タグから受信した電波の電波強度から当該非接触識別タグの方向および距離を推定する。そして、代表のデータ通信装置により上述のように推定した非接触識別タグの方向および距離に基づいて指定書籍の位置が算出されると、この算出された位置情報は、管理装置に送信される。これを受信した管理装置により指定書籍の位置が特定されるように表示部に表示されることで、指定書籍の探索を可能としている。
特開2004−287718号公報
ところで、棚卸のように多数の無線タグが読取対象でありかつ読み取るべきタグIDが決まっている場合には、無線タグリーダからタグIDを指定しないインベントリコマンドを送信する(アンチコリジョン(衝突防止)機能を利用して個々のタグを特定する)読取方法が一般的である。しかしながら、このような読取方法では、インベントリコマンドへ応答を返した無線タグは、無線タグリーダからの電界による電力伝搬を受けている間には再びインベントリコマンドに応答しないが、上記電界から離れた状態で供給電力がなくなった後に再度電界に入ることで再度応答する場合がある。このように無線タグリーダが移動するために電界の状態が刻々変わってしまうシステムでは、上述のような無線タグの再応答が読取処理の応答性や確実性に影響してしまうという問題がある。
この問題を解決するため、無線タグリーダの出力を上げ電界を大きく確保するなどの対策が講じられているが、出力を上げ電界を大きく確保したとしても、タグの位置関係等により干渉してしまうことがあり、抜本的な解決に至っていないのが現状である。また、上記特許文献1のような構成では、複数のデータ通信装置を用意する必要があるだけでなく、各データ通信装置をそれぞれ決められた場所に配設する必要があり、システムが大掛かりになってしまう。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、多数の無線タグのタグIDを短時間で読み取りかつ読取成功率を向上させ得る無線タグリーダおよび無線タグシステムを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、複数の無線タグ(60)に記憶されるタグIDを読み取る無線タグリーダ(10)であって、前記複数の無線タグと無線通信するための通信手段(30)と、読取対象のタグIDが記憶される記憶手段(22)と、前記通信手段を制御する制御手段(21)と、を備え、前記制御手段は、前記通信手段を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを読み取るための第1通信モードに制御し、前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて前記第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御し、前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて、前記第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを2以上の分割リストに分割する分割手段を備え、前記第2通信モードでは、前記分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取ることを特徴とする。
また、特許請求の範囲の請求項に記載の発明は、複数の物品にそれぞれに付されて、タグIDがそれぞれ記憶される複数の無線タグ(60)と、前記複数の無線タグと無線通信するための通信手段(30)を有する複数の無線タグリーダ(10)と、読取対象のタグIDが記憶される記憶手段(5)と、前記複数の無線タグリーダと通信可能なサーバと、を備える無線タグシステム(1)であって、前記無線タグリーダは、前記通信手段を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを読み取るための第1通信モードに制御し、前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて前記第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御する制御手段(21)を備え、前記サーバは、前記記憶手段と、前記複数の無線タグリーダから受信した情報と前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDとに基づいて、前記複数の無線タグリーダでの前記第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを2以上の分割リストに分割する分割手段と、を有し、前記分割手段により分割された前記分割リストを前記複数の無線タグリーダにそれぞれ送信し、前記無線タグリーダは、前記第1通信モード時に読み取ったタグIDを前記サーバに送信し、前記サーバから前記未読データリストを受信すると、前記第2通信モードとして前記未読データリストに記録されるタグIDを指定して個別に読み取り、この読み取ったタグIDを前記サーバに送信することを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
請求項1,の発明では、制御手段は、通信手段を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを読み取るための第1通信モードに制御し、記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御する。
これにより、読取開始時には、インベントリコマンドによるアンチコリジョン機能等を利用してタグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを一括して読み取る第1通信モードに通信手段が制御されるので、多数の無線タグが読取対象であってもその大半を短時間で効率的に読み取ることができる。そして、第1通信モード時に読み取れなかった残りの少数のタグIDについては、当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに通信手段が制御されるため、無線タグ間の電気的な結合の影響等も抑制されてより読み取りやすい通信状態になるので、上記第1通信モードで未読であった無線タグでもその読取成功率を高めることができる。したがって、多数の無線タグのタグIDを短時間で読み取りかつ読取成功率を向上させることができる。
特に、請求項1の発明では、記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDを記録した未読データリストが2以上の分割リストに分割手段により分割される。そして、第2通信モードでは、分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取る。
このように分割リストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取るため、未読データリストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取る場合と比較して、読取対象がより明確になるので無線タグの読取成功率を向上させることができる。
また、請求項4の発明では、複数の無線タグリーダと、これら複数の無線タグリーダと通信可能なサーバとが設けられている。そして、サーバは、複数の無線タグリーダから受信した情報と記憶手段に記憶される読取対象のタグIDとに基づいて未読のタグIDが記録される未読データリストを作成して複数の無線タグリーダにそれぞれ送信する。そして、無線タグリーダは、第1通信モード時に読み取ったタグIDをサーバに送信し、サーバから未読データリストを受信すると、第2通信モードとして未読データリストに記録されるタグIDを指定して個別に読み取り、この読み取ったタグIDをサーバに送信する。
これにより、複数の無線タグリーダを用いて多数の無線タグを読み取る場合でも、各無線タグリーダでは、第1通信モードにて大半の無線タグを短時間で効率的に読み取り、第2通信モードにて残りの無線タグを確実に読み取ることができる。特に、サーバにて各無線タグリーダを用いて読み取った情報を管理できるため、複数の無線タグリーダの少なくとも1つで読取対象の無線タグが読み取れればよいので、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
特に、請求項4の発明では、記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDを記録した未読データリストが2以上の分割リストに分割手段により分割される。そして、分割手段により分割された分割リストが複数の無線タグリーダにそれぞれ送信される。
これにより、各無線タグリーダの第2通信モードでは、上述のように分割リストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取るため、未読データリストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取る場合と比較して、読取対象がより明確になるので無線タグの読取成功率を向上させることができる。
請求項2,の発明では、第1通信モードでの単位時間当たりの読取数が所定の閾値以下になると、第2通信モードに切り替えるように、通信手段が制御手段により制御される。すなわち、第1通信モードにて容易に読み取り可能な無線タグを読み取ってしまったために当該第1通信モードでは残りの無線タグを読み取り難いような状態になると、第2通信モードに切り替わる。これにより、第1通信モードにて読み取り困難な無線タグを読み取ろうとして読取効率が悪くなることもないので、さらなる読取時間の短縮を図ることができる。
請求項の発明では、第2通信モードにて、分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取った際に未読データリストに基づいて複数の未読のタグIDがある判定されると、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で分割手段により再分割し、当該再分割された分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取る。
このように未読のタグIDが前回とは異なる種別で再分割されるので、未読の無線タグに対する読み取り条件を変えることができ、前回未読だった無線タグの読取成功率を向上させることができる。
請求項の発明では、サーバにて、複数の無線タグリーダでの第2通信モード時にも複数の未読のタグIDがあると判定されると、当該複数の未読のタグIDを記録した新たな未読データリストが前回と異なる種別で分割手段により再分割され、当該再分割された分割リストが複数の無線タグリーダにそれぞれ送信される。
このように未読のタグIDが前回とは異なる分割リストに再分割されるので、未読の無線タグに対する読み取り条件を変えることができ、前回未読だった無線タグの読取成功率を向上させることができる。
請求項の発明では、複数の配置エリアごとにエリア特定用タグが配置され、配置エリアに対応するように分割リストが分割される。そして、無線タグリーダは、第1通信モード時に読み取ったタグIDとともにエリア特定用タグを読み取ることで得たエリア情報をサーバに送信する。また、サーバは、無線タグリーダから受信したエリア情報により特定される配置エリアに応じた分割リストを、当該無線タグリーダに対して送信する。
これにより、各無線タグリーダの第2通信モードでは、無線タグリーダが位置する配置エリアに保管されているタグIDを読み取ることになるので、その分割リストでの読取成功率を向上させることができる。また、この第2通信モードで読み取れない無線タグが付された物品は、登録された配置エリアと異なる配置エリアに移動していると判断でき、その物品が登録された配置エリアにないことを示す情報だけでなく登録された配置エリアへの移動を促す情報も報知することができる。
請求項の発明では、サーバは、無線タグリーダからの要求に応じた分割リストを、当該無線タグリーダに対して送信する。これにより、無線タグリーダでは、その読取作業に適した分割リストを受信することができ、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
請求項の発明では、サーバは、分割手段により分割された2以上の分割リストを、複数の無線タグリーダに対してそれぞれ重複しないように送信する。これにより、同じ分割リストが2以上の無線タグリーダに対して送信されることもないため、同じ未読の無線タグを2以上の無線タグリーダが読み取ることもないので、未読の無線タグに関する読取作業の重複を防止でき、作業効率を向上させることができる。
請求項10の発明では、複数の配置エリアごとにエリア特定用タグが配置され、配置エリアに対応するように分割リストが分割される。そして、無線タグリーダは、第1通信モード時に読み取ったタグIDとともにエリア特定用タグを読み取ることで得たエリア情報をサーバに送信する。また、サーバは、分割手段により分割された2以上の分割リストを、複数の無線タグリーダに対して当該無線タグリーダから受信したエリア情報により特定される配置エリアを考慮してそれぞれ重複しないように送信する。
これにより、各無線タグリーダに対して重複しないように分割リストが送信されるだけでなく、その無線タグリーダが位置する配置エリアを考慮して分割リストが送信されるので、その無線タグリーダの位置に適した分割リストを送信することができる。このため、無線タグリーダの利用者の読取作業時の移動を軽減することができ、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
請求項11の発明では、サーバは、分割リストの送信の際、他の無線タグリーダに対して送信する分割リストに関する情報を送信する。これにより、分割リストとともに他の無線タグリーダに対して送信する分割リストに関する情報を受信した無線タグリーダの利用者は、自分が読み取るべき未読の無線タグを把握できるだけでなく、他の利用者が読み取るべき未読の無線タグをも把握できる。このため、未読の無線タグに関する読取作業の重複を効果的に防止でき、作業効率をより一層向上させることができる。
第1実施形態に係る無線タグリーダの構成概要を示す説明図であり、図1(A)は平面図を示し、図1(B)は側面図を示す。 図2(A)は、図1の無線タグリーダの電気的構成を例示するブロック図であり、図2(B)は、図2(A)の無線タグ処理部を概略的に例示するブロック図であり、図2(C)は、図2(A)の情報コード読取部を概略的に例示するブロック図である。 無線タグの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 読取対象のタグIDとそのタグIDを記憶した無線タグが付された物品のタイプおよび配置エリアとの関係を例示する説明図である。 第1実施形態に係る無線タグリーダの制御部による読取処理の流れを例示するフローチャートである。 読取率の時間変化を示すグラフである。 図4に対して既読情報が付加された状態を説明する説明図である。 未読データリストを説明する説明図である。 第2実施形態において、図8の未読データリストを3つに分割した各分割リストを説明する説明図であり、図9(A)は、配置エリアAに対応する分割データを示し、図9(B)は、配置エリアBに対応する分割データを示し、図9(C)は、配置エリアCに対応する分割データを示す。 各配置エリアに配置されるエリア特定用タグを示す説明図である。 第2実施形態に係る無線タグリーダの制御部による読取処理の流れを例示するフローチャートである。 第3実施形態に係る無線タグリーダの制御部による読取処理の流れを例示するフローチャートである。 第4実施形態に係る無線タグシステムの構成概要を示す説明図である。 図13のサーバの電気的構成を例示するブロック図である。 第4実施形態に係る無線タグリーダの制御部による読取処理の流れを例示するフローチャートである。 第5実施形態に係る無線タグリーダの制御部による読取処理の流れを例示するフローチャートである。 第6実施形態に係るサーバの制御部によるタグ管理処理の流れを例示するフローチャートである。 分割リスト情報を説明する説明図である。 第4実施形態の変形例に係る無線タグシステムの構成概要を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係る無線タグリーダを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る無線タグリーダ10は、ユーザによって携帯されて様々な場所で用いられる携帯型の情報端末として構成されており、アンテナを介して送受信される電波を媒介として無線タグ(RFIDタグ)60に記憶されている情報を読み書きする機能に加えて、バーコードや二次元コードなどの情報コードを読み取る情報コードリーダとしての機能を兼ね備え、読み取りを二方式で行いうる構成となっている。
図1(A),(B)に示すように、無線タグリーダ10は、ABS樹脂等の合成樹脂材料により形成される上側ケース11aおよび下側ケース11bが組み付けられて構成される長手状の筐体11によって外郭が形成されている。また、上側ケース11aには、所定の情報を入力する際に操作されるファンクションキーおよびテンキー等のキー操作部25や、所定の情報を表示するための表示部24等が配置されている。また、下側ケース11bには、下方に向けて開口する読取口12が形成されている。
図2(A)に示すように、無線タグリーダ10の筐体11内には、無線タグリーダ10全体を制御する制御部21が設けられている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有し、メモリ22とともに情報処理装置を構成している。メモリ22には、後述する読取処理等を実行するための所定のプログラム等が制御部21により実行可能に予め格納されている。また、メモリ22には、後述する読取対象のタグID等が記憶される棚卸用データベースが構築されている。なお、メモリ22は、「記憶手段」の一例に相当し得る。
また、制御部21には、LED23、表示部24、キー操作部25、バイブレータ26、ブザー27、外部インタフェース28などが接続されている。キー操作部25は、制御部21に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部21は、この操作信号を受けて操作信号の内容に応じた動作を行う。また、LED23、表示部24、バイブレータ26およびブザー27は、制御部21によって制御される構成をなしており、それぞれ、制御部21からの指令を受けて動作する。外部インタフェース28は、サーバ等の外部機器との間でネットワークNe等を介してデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部21と協働して通信処理を行う構成をなしている。また、筐体11内には、電源部29が設けられており、この電源部29やバッテリ29aによって制御部21や各種電気部品に電力が供給されるようになっている。
また、制御部21には、無線タグ処理部30および情報コード読取部40が接続されている。
まず、無線タグ処理部30について、図2(B)を用いて説明する。
無線タグ処理部30は、アンテナ34および制御部21と協働して無線タグ60との間で電磁波による通信を行ない、無線タグ60に記憶されるデータの読取り、或いは無線タグ60に対するデータの書込みを行なうように機能するものである。この無線タグ処理部30は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図2(B)にて概略的に示すように、送信回路31、受信回路32、整合回路33などを有している。
送信回路31は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から所定の周波数のキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部21に接続されており、当該制御部21より出力される送信データを符号化して変調部に出力している。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力される部分であり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を、整合回路33を介してアンテナ34に出力している。このようにしてアンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が送信電波として当該アンテナ34より外部に放射される。
一方、アンテナ34によって受信された応答信号は、整合回路33を介して受信回路32に入力される。この受信回路32は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、複号化部などによって構成されており、アンテナ34を介して受信された応答信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部21に出力している。
このように構成される無線タグ処理部30は、インベントリコマンドによるアンチコリジョン(衝突防止)機能等を利用して、タグIDを指定せずに当該無線タグリーダ10の通信可能範囲内の無線タグ60を一括して読み取ることもでき、指定された1つのタグIDを個別に読み取ることもできる。アンチコリジョン機能は、複数の無線タグ等を一括して読み取るために無線タグ60等との応答手順を制御する公知の機能であり、例えば、バイナリツリー方式やタイムスロット方式等の通信方式がある。なお、無線タグ処理部30は、複数の無線タグ60と無線通信するための「通信手段」の一例に相当し得る。
ここで、無線タグリーダ10の読取対象となる無線タグ60の電気的構成について、図3を参照して説明する。
図3に示すように、無線タグ60は、アンテナ61,電源回路62,復調回路63,制御回路64,メモリ65,変調回路66などによって構成されている。電源回路62は、アンテナ61を介して受信した無線タグリーダ10からの送信信号(キャリア信号)を整流、平滑して動作用電源を生成するものであり、その動作用電源を、制御回路64をはじめとする各構成要素に供給している。
また、復調回路63は、送信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御回路64に出力している。メモリ65は、ROM,EEPROM等の各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ60を識別するための識別情報(タグID)、或いは無線タグ60の用途に応じたデータなどが記憶されている。制御回路64は、メモリ65から上記情報やデータを読み出し、それを送信データとして変調回路66に出力する構成をなしており、変調回路66は、応答信号(キャリア信号)を当該送信データで負荷変調してアンテナ61から反射波として送信するように構成されている。
次に、情報コード読取部40について、図2(C)を用いて説明する。
情報コード読取部40は、情報コードを光学的に読み取るように機能するもので、図2(C)に示すように、CCDエリアセンサからなる受光センサ43、結像レンズ42、複数個のLEDやレンズ等から構成される照明部41などを備えた構成をなしており、制御部21と協働して読取対象Rに付された情報コードC(バーコードや二次元コード)を読み取るように機能する。
この情報コード読取部40によって読み取りを行う場合、まず、制御部21によって指令を受けた照明部41から照明光Lfが出射され、この照明光Lfが読取口12を通って読取対象Rに照射される。そして、照明光Lfが情報コードCにて反射した反射光Lrは読取口12を通って装置内に取り込まれ、結像レンズ42を通って受光センサ43に受光される。読取口12と受光センサ43との間に配される結像レンズ42は、情報コードCの像を受光センサ43上に結像させる構成をなしており、受光センサ43はこの情報コードCの像に応じた受光信号を出力する。受光センサ43から出力された受光信号は、画像データとしてメモリ22(図2(A))に記憶され、情報コードCに含まれる情報を取得するためのデコード処理に用いられるようになっている。なお、情報コード読取部40には、受光センサ43からの信号を増幅する増幅回路や、その増幅された信号をデジタル信号に変換するAD変換回路等が設けられているがこれらの回路については図示を省略している。
次に、複数の配置エリアのいずれかに保管される複数の物品の保管状態をその物品に付される無線タグ60を用いて確認する作業(棚卸作業)の際に、当該無線タグリーダ10の制御部21にて実施される読取処理について説明する。ここで、本実施形態では、図4に例示するように、読取対象のタグIDが、そのタグIDを記憶した無線タグ60が付された物品のタイプ(種類)と当該物品の保管場所(例えば、棚)を示す配置エリアとに関連付けられてメモリ22の棚卸用データベースに予め記憶されている。なお、以下の説明では、物品のタイプ(種類)としては、例えば、「Tシャツ」「帽子」「靴下」の3種類が用意されており、配置エリアとしては、「エリアA」「エリアB」「エリアC」の3種類が用意されている場合について説明する。また、図4に例示するように、「Tシャツ」は、「エリアA」および「エリアB」のいずれかに保管されており、「帽子」および「靴下」は、「エリアC」に保管されていることを前提とする。なお、制御部21は、「制御手段」の一例に相当し得る。
以下、棚卸作業の際に制御部21にて実施される読取処理について図5に示すフローチャートを用いて説明する。
キー操作部25に対して所定の操作がなされることで、制御部21にて読取処理が開始されると、まず、図5のステップS101に示す第1通信モード移行処理がなされる。この処理では、無線タグ処理部30によるアンチコリジョン機能を利用して、タグIDを指定せずに当該無線タグリーダ10の通信可能範囲内の無線タグ60を一括して読み取るための処理が第1通信モードとしてなされる。
上述のようにアンチコリジョン機能を利用して多数の無線タグ60が読み取られ始めると、その読み取られた無線タグ60のタグIDが既読であることを示す情報を付加するようにメモリ22の棚卸用データベースが更新される(S103)。続いて、ステップS105に示す読取率算出処理がなされ、単位時間当たりの読取数(読取率)Nが算出される。
このように読取率Nが算出されると、ステップS107に示す判定処理にて、この読取率Nが所定の閾値Nth以下であるか否かについて判定される。図6に示すように、読取率Nは、第1通信モード開始直後では高いために更新頻度が高くなるが、無線タグ60の読取数が多くなると第1通信モードにて読み取り可能な無線タグ60が減るために更新頻度が低くなることから、読取率Nが時間経過とともに低下する。ここで、所定の閾値Nthは、アンチコリジョン機能を利用した無線タグ60の読み取りとタグIDを指定した個別読み取りとの単位時間当たりの読取数がほぼ同じとなる値に設定されている。すなわち、読取率Nが所定の閾値Nthよりも大きい場合には、アンチコリジョン機能を利用した無線タグ60の読み取り(第1通信モード)の方が、タグIDを指定した個別読み取りよりも、多くの無線タグ60を短時間で効率的に読み取ることができる。このため、読取率Nが所定の閾値Nthよりも大きい場合には(S107でNo)、上記ステップS101からの処理が繰り返されて、第1通信モードが維持される。この繰り返し処理中では、読み取られた無線タグ60のタグIDが既読であることを示す情報を付加するようにメモリ22の棚卸用データベースが順次更新される(S103)。
そして、第1通信モードにて読み取り可能な無線タグ60が減ることから読取率Nが低下して所定の閾値Nth以下になると(S107でYes)、ステップS109に示す未読データリスト作成処理がなされる。この処理では、上述のように順次更新された棚卸用データベースのデータから既読のデータを除くことで、未だ読み取られていないタグIDに関連するデータを集計した未読データリストが作成される。例えば、読取対象が図4に例示するような場合に、図7に示すように既読であることを示す情報(図7のチェック欄の「1」参照)が付加されていると、図8に示すように、図7のデータから既読タグのデータを除くようにして未読データリストが作成される。
このように未読データリストが作成されると、ステップS111に示す第2通信モード移行処理がなされる。この処理では、無線タグ処理部30を用いて、未読データリストに記録される複数のタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が第2通信モードとしてなされる。そして、その指定されたタグIDが読み取られると、その読み取られたタグIDが既読であることを示す情報を付加するように未読データリストが更新される(S113)。そして、未読のタグIDがある場合にはステップS115にてYesと判定され、上記ステップS111からの処理が繰り返されて、第2通信モードが維持される。この繰り返し処理中では、読み取られた無線タグ60のタグIDが既読であることを示す情報を付加するように未読データリストが順次更新される(S113)。そして、読取対象の全てのタグIDが読み取られることで(S115でNo)、棚卸作業が完了したとして、本読取処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグリーダ10では、制御部21による読取処理において、無線タグ処理部30を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグ60を読み取るための第1通信モードに制御し、メモリ22の棚卸用データベースに記憶される読取対象のタグIDに基づいて第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御する。
これにより、読取開始時には、インベントリコマンドによるアンチコリジョン機能を利用してタグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグ60を一括して読み取る第1通信モードに無線タグ処理部30が制御されるので、多数の無線タグ60が読取対象であってもその大半を短時間で効率的に読み取ることができる。そして、第1通信モード時に読み取れなかった残りの少数のタグIDについては、当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに無線タグ処理部30が制御されるため、無線タグ60間の電気的な結合の影響等も抑制されてより読み取りやすい通信状態になるので、上記第1通信モードで未読であった無線タグ60でもその読取成功率を高めることができる。したがって、多数の無線タグ60のタグIDを短時間で読み取りかつ読取成功率を向上させることができる。
特に、第1通信モードでの読取率(単位時間当たりの読取数)Nが所定の閾値Nth以下になると、第2通信モードに切り替えるように、無線タグ処理部30が制御される。すなわち、第1通信モードにて容易に読み取り可能な無線タグ60を読み取ってしまったために当該第1通信モードでは残りの無線タグ60を読み取り難いような状態になると、第2通信モードに切り替わる。これにより、第1通信モードにて読み取り困難な無線タグ60を読み取ろうとして読取効率が悪くなることもないので、さらなる読取時間の短縮を図ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る無線タグリーダについて、図9〜図11を参照して説明する。
本第2実施形態に係る無線タグリーダ10では、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを2以上の分割リストに分割してこの分割リストごとに第2通信モードにて読み取る点が、上記第1実施形態に係る無線タグリーダと異なる。
具体的には、例えば、上述した図8に示すような未読データリストが作成されるような第1通信モードでの読取状態では、図9(A)〜(C)に示すように所定の分割ルールに基づいて分割(群集合化)されたリスト(以下、分割リストともいう)を複数作成する。図9(A)〜(C)は、配置エリアを基準に未読データリストが3つの分割リストに分割されるように作成されている。このように配置エリアを基準に複数の分割リストが作成されることで、その配置エリアにおける第2通信モードでの読取成功率を向上させることができる。
特に、本実施形態では、図10に示すように、3つの配置エリアA〜Cごとに当該配置エリアを特定するエリア情報を記憶した無線タグとしてエリア特定用タグ71〜73が配置されている。例えば、配置エリアAに配置されるエリア特定用タグ71には、エリア情報として「1001」が記憶され、配置エリアBに配置されるエリア特定用タグ72には、エリア情報として「1002」が記憶され、配置エリアCに配置されるエリア特定用タグ73には、エリア情報として「1003」が記憶されている。これにより、無線タグリーダ10では、エリア特定用タグから読み取ったエリア情報に基づいて、当該無線タグリーダ10が位置する配置エリアを検出することができる。
このように未読データリストを複数の分割リストに分割してこの分割リストごとに第2通信モードにて読み取る読取処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した図8に示すような未読データリストが作成されるような第1通信モードでの読取状態であって、配置エリアを基準に未読データリストが複数の分割リストに分割される場合について説明する。
上記第1実施形態と同様に、第1通信モード移行処理(図11のステップS101)が繰り返しなされることで、読取率Nが低下して所定の閾値Nth以下になると(S107でYes)、ステップS109aに示す分割リスト作成処理がなされる。この処理では、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを、配置エリアを基準に分割するようにして、3つの分割リストが作成される(図9(A)〜(C)参照)。なお、ステップS109aを実行する制御部21は、「分割手段」の一例に相当し得る。
続いて、ステップS110に示す配置エリア検出処理がなされ、エリア特定用タグから読み取ったエリア情報に基づいて、当該無線タグリーダ10が位置する配置エリアが検出される。例えば、無線タグリーダ10を所持した利用者が配置エリアAにいることからエリア特定用タグ71が読み取られると、配置エリアAが、当該無線タグリーダ10が位置する配置エリアとして検出される。
このように配置エリアが検出されると、ステップS111に示す第2通信モード移行処理がなされ、検出された配置エリアに対応する分割リストに記録されるタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が第2通信モードとしてなされる。例えば、上述のように配置エリアAが検出されている場合には、図9(A)に示す分割リストに記録されるタグIDが個別に読み取られる。そして、その指定されたタグIDが読み取られると、その読み取られたタグIDが既読であることを示す情報を付加するように分割リストが更新される(S113)。そして、その分割リストにおいて未読のタグIDがある場合にはステップS115にてYesと判定され、上記ステップS111からの処理が繰り返される。
そして、その分割リストに記録される全てのタグIDが読み取られると(S115でNo)、ステップS117に示す判定処理にて、次の分割リストがあるか否かについて判定される。なお、1つの分割リストに記録される全てのタグIDが読み取られると、その旨をLED23の発光や表示部24の画面表示、バイブレータ26の振動やブザー27の鳴動等により報知してもよい。
この段階では、図9(B)に示す分割リストと図9(C)に示す分割リストとについてタグIDが読み取られていないので、ステップS117にてYesと判定されて、ステップS119に示す分割リスト切替処理がなされる。この処理では、配置エリアAに保管される無線タグ60の読み取りを終えた利用者が次の配置エリアに移動し、エリア特定用タグ71と異なるエリア特定用タグが読み取られることで、このエリア特定用タグから読み取ったエリア情報に対応する分割リストに切り替えられる。例えば、配置エリアBに移動したことでエリア特定用タグ72が読み取られると、図9(B)に示す分割リストに切り替えられる。
このように切り替えられた分割リストについて上記第2通信モード移行処理がなされ(S111)、検出された配置エリアBに対応する分割リストに記録されるタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が第2通信モードとしてなされる。そして、その分割リストに記録される全てのタグIDが読み取られると(S115でNo)、次の分割リストがあるため、ステップS117にてYesと判定される。そして、配置エリアBに保管される無線タグ60の読み取りを終えた利用者が配置エリアCに移動し、エリア特定用タグ72と異なるエリア特定用タグ73が読み取られることで、図9(C)に示す分割リストに切り替えられる(S119)。
このように切り替えられた分割リストについて上記第2通信モード移行処理がなされ(S111)、検出された配置エリアCに対応する分割リストに記録されるタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が第2通信モードとしてなされる。そして、その分割リストに記録される全てのタグIDが読み取られると(S115でNo)、全ての分割リストについて読み取りを終えているため、ステップS117にてNoと判定されて、棚卸作業が完了したとして、本読取処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグリーダ10では、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDを記録した未読データリストが2以上の分割リストに分割される。そして、第2通信モードでは、分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取る。
このように分割リストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取るため、未読データリストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取る場合と比較して、読取対象がより明確になるので無線タグの読取成功率を向上させることができる。
特に、複数の配置エリアごとにエリア特定用タグ(71〜73)が配置され、配置エリアに対応するように分割リストが分割されるため、第2通信モードでは、無線タグリーダ10が位置する配置エリアに保管されているタグIDを読み取ることになるので、その分割リストでの読取成功率を向上させることができる。また、この第2通信モードで読み取れない無線タグ60が付された物品は、登録された配置エリアと異なる配置エリアに移動していると判断でき、その物品が登録された配置エリアにないことを示す情報だけでなく登録された配置エリアへの移動を促す情報も、例えば表示部24による画面表示等により報知することができる。
なお、上記分割リスト作成処理(S109a)では、未読データリストを、配置エリアを基準に分割することに限らず、他の要素、例えば、無線タグ60が付された物品のタイプ(種類)を基準に分割してもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る無線タグリーダについて、図12を参照して説明する。
本第3実施形態に係る無線タグリーダ10では、第2通信モードにおいて、分割リストを利用しても未読のタグIDがある場合に新たな未読データリストを再分割した分割リストを利用する点が、上記第2実施形態に係る無線タグリーダと異なる。
具体的には、第2通信モードでは、分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取った際に複数の未読のタグIDがある判定されると、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で再分割し、当該再分割された分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取る。
このように未読データリストを再分割してこの分割リストごとに第2通信モードにて読み取る読取処理について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
上記第2実施形態と同様に、複数の分割リストが作成された後(図12のS109a)、1つの分割リストについて、第2通信モード移行処理(S111)が繰り返される。この繰り返し処理において、分割リストに記録される全てのタグIDが読み取られる前に、その分割リストについて第2通信モードによる読み取りがなされていた時間(以下、個別読取時間Tともいう)が所定時間Tthを経過すると(S114でYes)、ステップS115での判定を行うことなく、ステップS117以降の処理がなされる。ここで、所定時間Tthは、その分割リストに記録される全てのタグIDが第2通信モードにて読み取り可能な状態である場合に、当該全てのタグIDを読み取るために必要な時間よりも十分大きな値に設定されている。すなわち、個別読取時間Tが所定時間Tthを経過すると、その分割リストでは読み取れないタグIDがあると判定されて、ステップS117以降の処理がなされる。
そして、全ての分割リストについて読み取りを終えることでステップS117にてNoと判定されると、ステップS121に示す判定処理にて、未読のタグIDがあるか否かについて判定される。ここで、上記ステップS114にて1度もYesと判定されておらず、各分割リストにて全てのタグIDが読み取られていると、ステップS121にてNoと判定されて、本読取処理が終了する。
一方、各分割リストのいずれかにて未読のタグIDがある場合には、ステップS121にてYesと判定されて、ステップS123に示す再分割リスト作成処理がなされる。この処理では、上述のように分割された分割リストを利用しても読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリスト新たに作成し、この新たな未読データリストが前回と異なる種別で再分割されて分割リストが作成される。例えば、前回、配置エリアを基準に分割リストが作成されている場合には、他の要素、例えば、無線タグ60が付された物品のタイプ(種類)を基準に分割リストが複数作成される。そして、このように再分割された複数の分割リストを利用して上記ステップS111からの処理がなされる。なお、ステップS123を実行する制御部21は、「分割手段」の一例に相当し得る。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグリーダ10では、第2通信モードにて、分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取った際に未読データリストに基づいて複数の未読のタグIDがある判定されると(S121でYes)、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で再分割し、当該再分割された分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取る。
このように未読のタグIDが前回とは異なる種別で再分割されるので、未読の無線タグ60に対する読み取り条件を変えることができ、前回未読だった無線タグ60の読取成功率を向上させることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る無線タグシステムについて、図13〜図15を参照して説明する。
本実施形態に係る無線タグシステム1は、図13に示すように、複数の無線タグ60と、これら各無線タグ60と通信可能な複数の無線タグリーダ10と、各無線タグリーダ10と通信可能なサーバ2とを備えている。この無線タグシステム1は、無線タグリーダ10を用いて管理対象となる各物品のそれぞれに付される無線タグ60に記録される情報を読み取って所定のネットワークNeを介してサーバ2に送信することで、各物品の保管状況等をサーバ2にて管理するためのシステムである。なお、図1では、便宜上、複数の無線タグ60のうち4つのみ図示しており、複数の無線タグリーダ10のうち3つのみ図示している。
サーバ2は、例えばコンピュータとして構成され、図14に示すように、CPU等からなる制御部3、液晶モニタ等として構成される表示部4、ROM、RAM、HDD等からなる記憶部5、マウスやキーボード等として構成される操作部6、通信インタフェースとして構成される通信部7などを備えている。
本実施形態では、読取対象のタグID等が記憶される棚卸用データベースは、無線タグリーダ10のメモリ22ではなく、サーバ2の記憶部5に構築されている。すなわち、サーバ2は、第1通信モードにて読み取られた既読のタグIDを無線タグリーダ10から受信する。また、サーバ2は、読取対象のタグIDと受信した第1通信モードでの既読のタグIDとから未読データリストを作成しこの作成した未読データリストを無線タグリーダ10に送信することで、第2通信モードにて読み取られた既読のタグIDを無線タグリーダ10から受信する。このように、サーバ2は、第1通信モードおよび第2通信モードにて読み取られた既読のタグIDを無線タグリーダ10から取得することで、記憶部5の棚卸用データベースを更新して、各物品の保管状況等を管理するように機能する。なお、記憶部5は、「記憶手段」の一例に相当し得る。
以下、無線タグリーダ10の制御部21にて実施される読取処理について図15に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本読取処理は、サーバ2にて管理される複数の無線タグリーダ10のそれぞれにて実施されているものとする。
上記第1実施形態と同様に読取処理が開始されて、第1通信モード移行処理がなされると(S101)、ステップS103aに示す既読ID送信処理がなされ、アンチコリジョン機能を利用して読み取られた無線タグ60のタグIDが既読のタグIDとして、サーバ2に送信される。サーバ2では、各無線タグリーダ10からそれぞれ受信した既読のタグIDに応じて記憶部5の棚卸用データベースが更新される。
アンチコリジョン機能を利用して無線タグ60を一括して読み取る処理(S101)が、読取率Nが所定の閾値Nth以下になるまで繰り返される。そして、第1通信モードにて読み取り可能な無線タグ60が減ることから読取率Nが低下して所定の閾値Nth以下になると(S107でYes)、ステップS109bに示す未読データリスト取得処理がなされる。この処理では、サーバ2にて読取対象のタグIDと第1通信モードでの既読のタグIDとに基づいて作成された未読データリストが、サーバ2から取得される。すなわち、サーバ2は、無線タグリーダ10からの要求に応じて未読データリストを作成して送信する。
このように未読データリストが取得されると、ステップS111に示す第2通信モード移行処理がなされ、未読データリストに記録される複数のタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が第2通信モードとしてなされる。そして、その指定されたタグIDが読み取られると、その読み取られたタグIDが既読のタグIDとして、サーバ2に送信される(S113a)。サーバ2では、受信した既読のタグIDに応じて記憶部5の棚卸用データベースが更新される。
そして、未読のタグIDがある場合にはステップS115にてYesと判定され、上記ステップS111からの処理が繰り返され、その後、読取対象の全てのタグIDが読み取られることで(S115でNo)、棚卸作業が完了したとして、本読取処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグシステム1では、複数の無線タグリーダ10と、これら複数の無線タグリーダ10と通信可能なサーバ2とが設けられている。そして、サーバ2は、複数の無線タグリーダ10から受信した情報と記憶部5の棚卸用データベースに記憶される読取対象のタグIDとに基づいて未読のタグIDが記録される未読データリストを作成して複数の無線タグリーダ10にそれぞれ送信する。そして、無線タグリーダ10は、第1通信モード時に読み取ったタグIDをサーバ2に送信し、サーバ2から未読データリストを取得(受信)すると、第2通信モードとして未読データリストに記録されるタグIDを指定して個別に読み取り、この読み取ったタグIDをサーバ2に送信する。
これにより、複数の無線タグリーダ10を用いて多数の無線タグ60を読み取る場合でも、各無線タグリーダ10では、第1通信モードにて大半の無線タグ60を短時間で効率的に読み取り、第2通信モードにて残りの無線タグ60を確実に読み取ることができる。
なお、上記ステップS111からの繰り返し処理中に、他の無線タグリーダ10の読取結果に応じて未読のタグIDが減るように更新された未読データリストを取得して、この更新された未読データリストに記録される複数のタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理がなされてもよい。このように、サーバ2にて各無線タグリーダ10を用いて読み取った情報を管理できるため、複数の無線タグリーダ10の少なくとも1つで読取対象の無線タグ60が読み取れればよいので、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る無線タグシステムについて、図16を参照して説明する。
本実施形態に係る無線タグシステム1は、各無線タグリーダ10において、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを、上記第2実施形態のように2以上の分割リストに分割してこの分割リストを各無線タグリーダ10に送信する点が、上記第4実施形態に係る無線タグシステムと異なる。
このように未読データリストを複数の分割リストに分割してこの分割リストごとに第2通信モードにて読み取る読取処理について、図16に示すフローチャートを用いて説明する。なお、以下の説明では、上述した図8に示すような未読データリストが作成されるような第1通信モードでの読取状態であって、配置エリアを基準に未読データリストが複数の分割リストに分割される場合について説明する。
上記第4実施形態と同様に、第1通信モード移行処理(図16のステップS101)が繰り返しなされることで、読取率Nが低下して所定の閾値Nth以下になると(S107でYes)、ステップS108に示す分割リスト要求処理がなされる。この処理では、読取対象のタグIDと第1通信モードでの既読のタグIDとに基づいて作成された未読データリストを2以上に分割した分割リストを作成する要求がサーバ2に対してなされる。
続いて、ステップS109cに示す分割リスト取得処理がなされ、上記要求に応じて作成された2以上の分割リストがサーバ2から取得される。すなわち、サーバ2は、無線タグリーダ10からの要求に応じて2以上の分割リストを作成して送信する。例えば、上述した図8に示すような未読データリストが作成される場合には、配置エリアを基準に図9(A)〜(C)に示すような分割リストがサーバ2から取得される。なお、分割リストの作成は、サーバ2の制御部3による所定の処理に応じてなされるものであり、制御部3は、「分割手段」の一例に相当し得る。
このようにサーバ2から複数の分割リストが取得されると、上記第2実施形態と同様にステップS111以降の処理がなされ、検出された配置エリアに対応する分割リストに記録されるタグIDの1つを指定して個別に読み取るための処理が全ての分割リストについてなされる。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグシステム1では、サーバ2において、第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDを記録した未読データリストが2以上の分割リストに分割される。そして、分割された分割リストが複数の無線タグリーダ10にそれぞれ送信される。
これにより、各無線タグリーダ10の第2通信モードでは、上述のように分割リストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取るため、未読データリストに記録されたタグIDを指定して個別に読み取る場合と比較して、読取対象がより明確になるので無線タグの読取成功率を向上させることができる。
なお、本実施形態での読取処理においても、上記第3実施形態と同様に、第2通信モードでも複数の未読のタグIDがあることから新たな未読データリストを再分割した分割リストをサーバ2にて生成して各無線タグリーダ10に送信してもよい。すなわち、サーバ2は、複数の無線タグリーダ10での第2通信モード時にも複数の未読のタグIDがあると判定すると、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で再分割し、当該再分割された分割リストを複数の無線タグリーダ10にそれぞれ送信する。このように未読のタグIDが前回とは異なる分割リストに再分割されるので、未読の無線タグに対する読み取り条件を変えることができ、前回未読だった無線タグ60の読取成功率を向上させることができる。
また、無線タグリーダ10を所持した利用者が各配置エリアに少なくとも1人いることを前提に、本実施形態での読取処理において、上記分割リスト要求処理(S108)では、エリア特定用タグから読み取ったエリア情報をサーバ2に送信することで、上記分割リスト取得処理(S109c)にてその検出された配置エリアに対応する分割リストのみをサーバ2から取得してもよい。このようにしてもサーバ2では、各配置エリアにて保管されている物品に付された無線タグ60のタグIDを取得でき、利用者は他の配置エリアにて読取作業を行う必要もないので、棚卸作業の効率化を図ることができる。
また、上記分割リスト要求処理(S108)では、無線タグリーダ10の利用者による入力操作等に応じて所望の分割状態に分割された分割リストを要求してもよい。この場合、サーバ2は、無線タグリーダ10からの要求に応じた分割リストを、当該無線タグリーダ10に対して送信する。これにより、無線タグリーダ10では、その読取作業に適した分割リストを受信することができ、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態に係る無線タグシステムについて、図17を参照して説明する。
本実施形態に係る無線タグシステム1は、サーバ2が2以上の分割リストを各無線タグリーダ10に対してそれぞれ重複しないように送信する点が、上記第5実施形態に係る無線タグシステムと異なる。
本実施形態では、サーバ2は、制御部3にて実施されるタグ管理処理により、複数の無線タグリーダ10のそれぞれから第1通信モードでの既読のタグIDを受信すると上記未読データリストを作成して、この未読データリストを配置エリアを基準に分割して2以上の分割リストを作成する。その後、サーバ2は、未読の無線タグに関する読取作業の重複を防止するため、上述のように作成した2以上の分割リストを、各無線タグリーダ10に対してそれぞれ重複しないように送信する。
具体的には、例えば、利用者Aの無線タグリーダ10、利用者Bの無線タグリーダ10、利用者Cの無線タグリーダ10からそれぞれ受信した既読のタグIDに基づいて、サーバ2にて図8に例示するような未読データリストが作成された場合には、配置エリアを基準に図9(A)〜(C)に示すような3つの分割リストが作成される。その後、サーバ2は、配置エリアAに対応する分割データ(図9(A)参照)を利用者Aの無線タグリーダ10に対して送信し、配置エリアBに対応する分割データ(図9(B)参照)を利用者Bの無線タグリーダ10に対して送信し、配置エリアCに対応する分割データ(図9(C)参照)を利用者Cの無線タグリーダ10に対して送信する。
この場合、サーバ2は、どの無線タグリーダ10に対してどの分割データを送信するかについて、各無線タグリーダ10での読取結果やその他の要因を考慮して決定することができる。また、例えば、利用者Aの無線タグリーダ10、利用者Bの無線タグリーダ10からそれぞれ受信した既読のタグIDに基づいて、サーバ2にて図8に例示するような未読データリストが作成された場合には、サーバ2は、配置エリアAおよび配置エリアBに対応する分割データ(図9(A)および図9(B)参照)を利用者Aの無線タグリーダ10に対して送信し、配置エリアCに対応する分割データ(図9(C)参照)を利用者Bの無線タグリーダ10に対して送信することもできる。
以下、各無線タグリーダ10での読取処理に応じてサーバ2の制御部3にて実施されるタグ管理処理について、図17に示すフローチャートを用いて説明する。
操作部6に対して所定の操作がなされることで、制御部3にてタグ管理処理が開始され、各無線タグリーダ10から送信される第1通信モードでの既読のタグIDを受信可能な状態となる。続いて、いずれかの無線タグリーダ10から送信される既読のタグIDを受信すると(図17のS201でYes)、その受信したタグIDに応じて記憶部5の棚卸用データベースが更新される(S203)。そして、全ての無線タグリーダ10から分割リスト作成要求(S108参照)を受信するまで、ステップS205にてNoと判定されて、上記ステップS201からの処理が繰り返される。
そして、全ての無線タグリーダ10から分割リスト作成要求を受信すると(S205でYes)、ステップS207に示す未読データリスト作成処理がなされる。この処理では、無線タグリーダ10での読取処理における上記ステップS109での処理と同様に、上述のように順次更新された記憶部5の棚卸用データベースのデータから既読のデータを除くことで、未だ読み取られていないタグIDに関連するデータを集計した未読データリストが作成される。
続いて、ステップS209に示す分割リスト作成処理がなされる。この処理では、無線タグリーダ10での読取処理における上記ステップS109aでの処理と同様に、上述のように作成された未読データリストを、配置エリアを基準に分割するようにして、2以上の分割リストが作成される。
次に、ステップS211に示す分割リスト送信処理がなされる。この処理では、分割リスト作成要求を送信した無線タグリーダ10に対して、それぞれ重複しないように分割リストが送信される。例えば、上述したように、配置エリアAに対応する分割データ(図9(A)参照)が利用者Aの無線タグリーダ10に対して送信され、配置エリアBに対応する分割データ(図9(B)参照)が利用者Bの無線タグリーダ10に対して送信され、配置エリアCに対応する分割データ(図9(C)参照)が利用者Cの無線タグリーダ10に対して送信される。
上述のように分割リストが各無線タグリーダ10に対して重複しないように送信されると、各無線タグリーダ10から送信される第2通信モードでの既読のタグIDを受信可能な状態となる。そして、いずれかの無線タグリーダ10から送信される既読のタグIDを受信すると(S213でYes)、その受信したタグIDに応じて記憶部5の棚卸用データベースが更新される(S215)。そして、予定している全てのタグIDを無線タグリーダ10から受信するまで上記ステップS213からの処理が繰り返され(S217でNo)、全てのタグIDの読み取りを完了すると(S217でYes)、本タグ管理処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態に係る無線タグシステム1では、サーバ2は、分割リスト作成処理(S209)により分割された2以上の分割リストを、複数の無線タグリーダ10に対してそれぞれ重複しないように送信する。これにより、同じ分割リストが2以上の無線タグリーダ10に対して送信されることもないため、同じ未読の無線タグ60を2以上の無線タグリーダ10が読み取ることもないので、未読の無線タグ60に関する読取作業の重複を防止でき、作業効率を向上させることができる。
なお、上記ステップS211における分割リスト送信処理では、他の無線タグリーダ10に対して送信する分割リストに関する情報を送信してもよい。すなわち、サーバ2は、分割リストの送信の際、他の無線タグリーダ10に対して送信する分割リストに関する情報(以下、単に、分割リスト情報ともいう)を送信することができる。
例えば、上記分割リスト情報は、サーバ2により、図18に例示するように、受信した無線タグリーダ10が読み取るべき配置エリア(図18の例では配置エリアA〜C)に対してフラグ「1」が設定され、他の無線タグリーダ10が読み取るべき配置エリア(図18の例では配置エリアD〜F)に対してフラグ「0」が設定されるように作成される。
これにより、分割リストとともに他の無線タグリーダ10に対して送信する分割リストに関する情報(分割リスト情報)を受信した無線タグリーダ10の利用者は、当該分割リスト情報が表示部24に表示等されることで、自分が読み取るべき未読の無線タグ60を把握できるだけでなく、他の利用者が読み取るべき未読の無線タグ60をも把握できる。このため、未読の無線タグ60に関する読取作業の重複を効果的に防止でき、作業効率をより一層向上させることができる。
なお、上記分割リスト情報は、フラグの設定に応じて、他の複数の無線タグリーダ10のうちどの無線タグリーダ10がどの配置エリアを読取対象とするか、すなわち、どの無線タグリーダ10に対してどの分割リストが送信されているかを把握可能に作成されてもよい。
また、上記分割リスト作成処理(S209)では、未読データリストを、配置エリアを基準に分割することに限らず、他の要素、例えば、無線タグ60が付された物品のタイプ(種類)を基準に分割してもよい。
また、上記分割リスト情報を送信する特徴的構成は、サーバ2を利用する他の実施形態にも適用することができる。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態に係る無線タグシステムについて説明する。
本実施形態に係る無線タグシステム1は、サーバ2が2以上の分割リストを各無線タグリーダ10に対して当該無線タグリーダ10の位置を考慮しつつそれぞれ重複しないように送信する点が、上記第6実施形態に係る無線タグシステムと異なる。
本実施形態では、上記第2実施形態と同様に、配置エリアごとにエリア特定用タグ(71〜73)が配置されており、各無線タグリーダ10は、サーバ2に対して分割リストの作成を要求する際に(S108参照)、エリア特定用タグから読み取ったエリア情報をサーバ2に対して送信する。そして、上記ステップS211に示す分割リスト送信処理では、2以上の分割リストが、各無線タグリーダ10に対して当該無線タグリーダ10から受信したエリア情報により特定される配置エリアを考慮してそれぞれ重複しないように送信される。
例えば、分割リスト作成要求時にエリア情報「1001」を送信した無線タグリーダ10に対して配置エリアAに対応する分割データ(図9(A)参照)が送信され、分割リスト作成要求時にエリア情報「1002」を送信した無線タグリーダ10に対して配置エリアBに対応する分割データ(図9(B)参照)が送信され、分割リスト作成要求時にエリア情報「1003」を送信した無線タグリーダ10に対して配置エリアCに対応する分割データ(図9(C)参照)が送信される。また、例えば、分割リスト作成要求時にエリア情報「1001」を送信した無線タグリーダ10が複数ある場合には、いずれか1つの無線タグリーダ10に対して配置エリアAに対応する分割データが送信される。そして、残りの無線タグリーダ10に対しては、送付されていない残りの分割データが重複しないように送信される。
このように、本実施形態では、複数の配置エリアごとにエリア特定用タグ(71〜73)が配置され、配置エリアに対応するように分割リストが分割される。そして、無線タグリーダ10は、第1通信モード時に読み取ったタグIDとともにエリア特定用タグを読み取ることで得たエリア情報をサーバ2に送信する。また、サーバ2は、分割された2以上の分割リストを、複数の無線タグリーダ10に対して当該無線タグリーダ10から受信したエリア情報により特定される配置エリアを考慮してそれぞれ重複しないように送信する。
これにより、各無線タグリーダ10に対して重複しないように分割リストが送信されるだけでなく、その無線タグリーダ10が位置する配置エリアを考慮して分割リストが送信されるので、その無線タグリーダ10の位置に適した分割リストを送信することができる。このため、無線タグリーダ10の利用者の読取作業時の移動を軽減することができ、読取作業に関する作業効率を向上させることができる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る無線タグシステム1は、図13に示すように、複数の無線タグ60と、これら各無線タグ60と通信可能な複数の無線タグリーダ10と、各無線タグリーダ10と通信可能なサーバ2とを備えるように構成されることに限らず、複数の無線タグ60と、1つの無線タグリーダ10と、サーバ2とを備えるように構成されてもよい。
また、本発明に係る無線タグシステム1は、図19に示すように、複数の無線タグ60と、無線タグ読取装置10aおよびアプリケーション実行装置10bと、データベース装置2aとを備えるように構成されてもよい。無線タグ読取装置10aおよびアプリケーション実行装置10bは、上述した無線タグリーダ10に相当する機能を実現するための装置である。無線タグ読取装置10aは、いわゆる携帯型のスキャナであって、タグコマンド送受信機能により、無線タグ処理部30と同等に機能する変調部や復調部とアンテナとを利用して、無線タグ60と上述した第1通信モードまたは第2通信モードにて読み取りを実行する。アプリケーション実行装置10bは、上述のような読取処理を実行するためのアプリケーションプログラムが実行されるコンピュータとして無線タグ読取装置10aと別体に構成されるもので、その読取り装置送受信機能により、無線タグ読取装置10aの上位通信送受信機能との間で読み取ったタグIDに関する情報等に関する通信を行う。また、アプリケーション実行装置10bは、読取りコマンド選択機能により、無線タグ読取装置10aに対して第1通信モードおよび第2通信モードの切り替えを指示する。また、アプリケーション実行装置10bでは、記憶部等に構築される参照テーブルの参照結果やキーボード等のユーザインターフェイス装置からの入力等に応じて、CPU等からなる制御部により所定のアプリケーションプログラムが実行されて、上述のような読取処理が行われる。参照テーブルでは、アプリケーションプログラムからの指示やデータベース装置2aのデータベース配置等制御機能に応じて、そのデータの更新等がなされる。また、参照テーブルやデータベース装置2aのデータベースには、それぞれ更新頻度を監視する更新頻度監視装置が設けられており、アプリケーション実行装置10bでは、それぞれの更新頻度に応じた処理を実行することができる。なお、データベース装置2aのデータベースは、読取対象のタグIDが記憶される「記憶手段」の一例に相当し得る。
(2)上記第1通信モード移行処理では、アンチコリジョン(衝突防止)機能を利用することでタグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグ60を一括して読み取ることに限らず、他の通信方法を利用することでタグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグ60を一括して無作為に読み取ってもよい。
(3)所定の閾値Nthは、作業環境や利用者による操作等に応じて変更されてもよい。また、無線タグシステム1では、サーバ2から無線タグリーダ10に対してその作業環境等に適した所定の閾値Nthが送信されてもよい。
(4)上記読取処理では、第1通信モードから第2通信モードへの切り替えは、読取率Nが所定の閾値Nth以下となる場合になされることに限らず、例えば、無線タグ60の読取総数が所定の数以上となる場合になされてもよい。
1…無線タグシステム
2…サーバ
5…記憶部(記憶手段)
10…無線タグリーダ
21…制御部(制御手段,分割手段)
22…メモリ(記憶手段)
30…無線タグ処理部(通信手段)
60…無線タグ

Claims (11)

  1. 複数の無線タグに記憶されるタグIDを読み取る無線タグリーダであって、
    前記複数の無線タグと無線通信するための通信手段と、
    読取対象のタグIDが記憶される記憶手段と、
    前記通信手段を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記通信手段を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを読み取るための第1通信モードに制御し、前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて前記第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御し、
    前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて、前記第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを2以上の分割リストに分割する分割手段を備え、
    前記第2通信モードでは、前記分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取ることを特徴とする無線タグリーダ。
  2. 前記制御手段は、前記第1通信モードでの単位時間当たりの読取数が所定の閾値以下になると、前記第2通信モードに切り替えるように、前記通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線タグリーダ。
  3. 前記第2通信モードでは、前記分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取った際に前記未読データリストに基づいて複数の未読のタグIDがある判定されると、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で前記分割手段により再分割し、当該再分割された分割リストごとに当該分割リストに記録されるタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取ることを特徴とする請求項1または2に記載の無線タグリーダ。
  4. 複数の物品にそれぞれに付されて、タグIDがそれぞれ記憶される複数の無線タグと、
    前記複数の無線タグと無線通信するための通信手段を有する複数の無線タグリーダと、
    読取対象のタグIDが記憶される記憶手段と、
    前記複数の無線タグリーダと通信可能なサーバと、
    を備える無線タグシステムであって、
    前記無線タグリーダは、
    前記通信手段を、読取開始時に、タグIDを指定せずに通信可能範囲内の無線タグを読み取るための第1通信モードに制御し、前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDに基づいて前記第1通信モード時に読み取れなかったタグIDについて当該タグIDを指定して個別に読み取るための第2通信モードに制御する制御手段を備え、
    前記サーバは、
    前記記憶手段と、
    前記複数の無線タグリーダから受信した情報と前記記憶手段に記憶される読取対象のタグIDとに基づいて、前記複数の無線タグリーダでの前記第1通信モード時に読み取れなかった複数の未読のタグIDが記録される未読データリストを2以上の分割リストに分割する分割手段と、を有し、
    前記分割手段により分割された前記分割リストを前記複数の無線タグリーダにそれぞれ送信し、
    前記無線タグリーダは、
    前記第1通信モード時に読み取ったタグIDを前記サーバに送信し、前記サーバから前記未読データリストを受信すると、前記第2通信モードとして前記未読データリストに記録されるタグIDを指定して個別に読み取り、この読み取ったタグIDを前記サーバに送信することを特徴とする無線タグシステム。
  5. 前記制御手段は、前記第1通信モードでの単位時間当たりの読取数が所定の閾値以下になると、前記第2通信モードに切り替えるように、前記通信手段を制御することを特徴とする請求項4に記載の無線タグシステム。
  6. 前記サーバは、前記複数の無線タグリーダでの前記第2通信モード時にも複数の未読のタグIDがあると判定すると、当該複数の未読のタグIDが記録される新たな未読データリストを前回と異なる種別で前記分割手段により再分割し、当該再分割された分割リストを前記複数の無線タグリーダにそれぞれ送信することを特徴とする請求項4または5に記載の無線タグシステム。
  7. 前記無線タグが付された物品は、複数の配置エリアのいずれかに配置され、前記配置エリアごとに当該配置エリアを特定するエリア情報を記憶した無線タグとしてエリア特定用タグが配置され、
    前記分割リストは、前記無線タグが付された物品の保管場所として予め登録されている前記配置エリアに対応するように分割され、
    前記無線タグリーダは、前記第1通信モード時に読み取ったタグIDとともに前記エリア特定用タグを読み取ることで得た前記エリア情報を前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記無線タグリーダから受信した前記エリア情報により特定される配置エリアに応じた前記分割リストを、当該無線タグリーダに対して送信することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
  8. 前記サーバは、前記無線タグリーダからの要求に応じた前記分割リストを、当該無線タグリーダに対して送信することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
  9. 前記サーバは、前記分割手段により分割された2以上の前記分割リストを、前記複数の無線タグリーダに対してそれぞれ重複しないように送信することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
  10. 前記無線タグが付された物品は、複数の配置エリアのいずれかに配置され、前記配置エリアごとに当該配置エリアを特定するエリア情報を記憶した無線タグとしてエリア特定用タグが配置され、
    前記分割リストは、前記無線タグが付された物品の保管場所として予め登録されている前記配置エリアに対応するように分割され、
    前記無線タグリーダは、前記第1通信モード時に読み取ったタグIDとともに前記エリア特定用タグを読み取ることで得た前記エリア情報を前記サーバに送信し、
    前記サーバは、前記分割手段により分割された2以上の前記分割リストを、前記複数の無線タグリーダに対して当該無線タグリーダから受信した前記エリア情報により特定される配置エリアを考慮してそれぞれ重複しないように送信することを特徴とする請求項9に記載の無線タグシステム。
  11. 前記サーバは、前記分割リストの送信の際、他の前記無線タグリーダに対して送信する分割リストに関する情報を送信することを特徴とする請求項9または10に記載の無線タグシステム。
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