JP6511269B2 - 屋根構造 - Google Patents
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Description
この太陽電池パネルでは、透明電極層と、裏面電極層と、これら2つの電極層に挟まれた光電変換素子とを備えており、この光電変換素子を備えた光電変換層がガラス板と、バックシート又はガラス等により形成された裏面封止材によって挟まれた状態で封止されている。そして、この光電変換層に光が照射されることで発生するキャリアを電極層に収集して外部回路に取り出すことが可能となっている。
例えば、本件出願人の出願に係る特許文献1には、スレート瓦と一体に取り付けた金具を介し、太陽電池モジュールを屋根上に取り付けた屋根構造が開示されている。
例えば、太陽電池モジュールの縁端に金属で補強する部分が無いことから、積雪荷重等によって太陽電池モジュールが撓みやすくなることが考えられる。この場合、撓んだ太陽電池モジュールが下方に位置する他の太陽電池モジュールや屋根部材に接触すると、撓んだ太陽電池モジュールや下方に位置する他の太陽電池モジュールが破損してしまうおそれがある。すなわち、強度が弱くなることから、変形し易くなり、且つ、他部材との接触等で破損しやすくなってしまう可能性がある。
このため、重なり部分で上側に位置する太陽電池モジュールが撓んだ状態となっても、下側に位置する太陽電池モジュールに接触することがない。すなわち、上方棟側に位置する太陽電池モジュールの裏面が、下方軒側に位置する太陽電池モジュールの受光面側の面と接触することがない。このことにより、太陽電池モジュールの他部材への接触に起因する破損を防止できる。
さらに、緩衝部材を重なり部分に配することにより、緩衝部材を奥まった位置に取り付けることが可能となる。このことから、緩衝部材を取り付け時に外部から目視できない状態とすることができる。すなわち、緩衝部材が周辺部分よりも際立って見えたりすることがなく、屋根の外観を美しくすることができる。
加えて、緩衝部材を重なり部分に配することにより、緩衝部材が直射日光や風雨にさらされない構造とすることができる。このため、経年使用時における劣化を抑制することが可能となっている。
このスレート瓦2には、短手方向の中心近傍に、予め、取付孔12が一列に4個設けられている。本実施形態では、取付孔12の間隔は均等ではなく、中央の2個の取付孔12,12の間隔が他の孔同士の間隔よりも広くなっている。
そして、端子ボックス14から、正極側ケーブル19と負極側ケーブル20からなる2本のケーブルが延設されている。この正極側ケーブル19の延設端には、正極コネクタ21が一体に形成されており、負極側ケーブル20の延設端には、負極コネクタ22が一体に形成されている。
この太陽電池セル25では、表面側にバスバー電極が設けられており、裏面側に裏面側電極が形成されている。このバスバー電極と裏面側電極は、それぞれ太陽電池セル25の正極側電極及び負極側電極を形成する部分である。
より具体的には、太陽電池パネル10の長手方向に沿って延びるセル列が2列形成されており、これらが太陽電池パネル10の短手方向で所定の間隔を空け、互いに平行になるように延びている。そして、各々のセル列では、複数枚の太陽電池セル25が所定間隔を空けて一直線状に配置されており、隣接する太陽電池セル25が電気的に接続された状態となっている。
さらに、この2つのセル列は、導電部材を介して直列に接続されている。つまり、太陽電池モジュール4の全ての太陽電池セル25は、直列に接続された状態となっている。
この2つの配線部材は、いずれもその延設端が端子ボックス14の内部に引き込まれており、一方が正極側ケーブル19と電気的に接続され、他方が負極側ケーブル20と電気的に接続された状態となっている。
軒側部38は、略横長直方体状の部分であり、太陽電池パネル10の長手方向に沿って延びている。対して、延設部39は、略縦長直方体状の部分であり、太陽電池パネル10の短手方向に沿って延びている。
ここで、2つのケーブル(正極側ケーブル19、負極側ケーブル20)は、その長さが異なっており、一方が他方に比べて長くなっている。より詳細には、太陽電池パネル10の長手方向における端部のうち、端子ボックス14の配置位置から比較的遠い位置にある端部側に向かって延設するケーブル(正極側ケーブル19)の長さは、端子ボックス14の配置位置に近接する端部側に向かって延設するケーブル(負極側ケーブル20)の長さよりも短くなっている。
この緩衝部材17は、略長方形平板状の下板部60(下側部)と、下板部60の短手方向における一端側から上方に向かって突出する立板部61(側方部)と、立板部61の上端から軒側に向かって突出する略長方形平板状の上板部62(上側部)とが一体に形成された部材である。
すなわち、下側塊状部65の上側後方部分には、下板部60の上面と略垂直に交わる壁状部65aが形成されている。この壁状部65aは、後側からみた形状が略長方形状の部分であり、下端部分が後方に位置する下板部60の上面と連続し、上端部分が下側塊状部65の上面と連続している。つまり、このように、下側塊状部65の上側部分は、前方に位置する丸みを帯びた形状の部分と、後方に位置する直立壁状の部分とが一体に形成されている。
そして、この突条部66の断面形状に注目すると、その突出端部分が丸みを帯びた形状となっている。より詳細には、この突条部66は、基端側部分が先端側部分よりもやや厚くなっており、先細りした形状となっている。
すなわち、上側塊状部70の下側後方部分には、上板部62の下面と略垂直に交わる壁状部70aが形成されている。この壁状部70aは、後側からみた形状が略長方形状の部分であり、上端部分が後方に位置する上板部62の下面と連続し、下端部分が上側塊状部70の下面と連続している。
ここで、上板部62の下面においても、2つの突条部66が上板部62の短手方向で離れた位置にそれぞれ形成された状態となっている。すなわち、2つの突条部66が上板部62の短手方向で離れた位置にそれぞれ形成されている。
すなわち、上板部62に形成した突条部66は、それぞれの下方に下板部60に形成した突条部66が位置している。つまり、上板部62に形成した突条部66のそれぞれは、下板部60に形成したそれぞれ別の突条部66と上下方向で離間対向した状態となっている。
このとき、上板部62の軒側端部(上側塊状部70)と下板部60の軒側端部(下側塊状部65)とを比較すると、上板部62の軒側端部が下板部60の軒側端部よりも厚くなっている。また、上板部62の他の部分と下板部60の他の部分では、上板部62の他の部分が厚くなっている。
同様に、下板部60のうち、下側塊状部65と、2つの突条部66の上側部分が、太陽電池モジュール4(太陽電池パネル10)の下面と接触した状態となっている。すなわち、下板部60の他の部分と太陽電池モジュール4の下面の間にもまた、隙間が形成された状態となっている。
また、立板部61の軒側面のうち、突出部68が形成されていない部分と、太陽電池モジュール4の棟側端面の間には、隙間が形成された状態となっている。
つまり、太陽電池パネル10の取り付け時の挿入方向は、軒側から棟側へ向かう方向であり、取り外し方向は棟側から軒側へ向かう方向であるといえる。
このように本実施形態の緩衝部材17は、取り付け易く、外れにくい構造となっている。
つまり、図3、図4で示されるように、緩衝部材17を太陽電池パネル10に取り付けた状態で、緩衝部材17を太陽電池パネル10の長手方向にスライド移動させることを容易に実施可能となっている。
高位置部は、上板部材126の全体の3分の1から4分の1程度を占める部分であり、下板部材125に面した位置に形成されている。
このフック部128は、上板部材126に略「U」字状の切り込みを入れ、この切り込みを立ち上げて形成したものであり、いずれも高位置部側(軒側)側を向いている。
これらの貫通孔134は、2つの大開口孔130の下方にそれぞれ1つずつと、2つの既設用孔132の下方にそれぞれ1つずつ形成されている。大開口孔130の下方に位置する貫通孔134は、その開口径が大開口孔130よりも小さくなっている。
すなわち、この中間板部材121は、後方側から前方に向かって、第1平面板部135と、第1直立板部136と、第2平面板部137と、第2直立板部138とが順次設けられたものである。
第1直立板部136に形成された長孔139の一部は、背面視した形状が略長方形であり、その幅方向の長さが、同じ長孔139の第1平面板部135に形成された部分よりも長くなっている。
また、第2直立板部138には、図8で示されるように、2つの締結用孔141が設けられている。
このため、ねじ140を緩め、ねじ140の頭部を第1平面板部135の上面から上方に離れた状態とすると、ねじ140を固定部構成部材120の部材固定用孔131に係合させた状態のままで、中間板部材121をスライド移動させて着脱することができる。
第2凹部151は、上板部材126の一部とその上に位置する中間板部材121の一部によって構成され、第1凹部150とは反対方向に開口する凹部である。
第3凹部152は、中間板部材121の一部とその上に位置する押さえ板部材122によって構成され、第1凹部150と同方向に開口する凹部である。
すなわち、中間取付金具6には、中間取付金具6の一方側に開口する第1凹部150と、この第1凹部150と同方向に開口する第3凹部152と、この第1凹部150と反対方向に開口する第2凹部151とが形成されている。
これらのパネル保護部材もまた、金具との接触による太陽電池パネル10の損傷を防止する保護部材として機能するだけでなく、太陽電池パネル10と金具の間に雨水等が浸入することを防止するシール材としても機能する。
つまり、本実施形態では、太陽電池モジュール4の設置に先立って、基礎屋根構造3を構築する。
ここで、本実施形態では、複数の軒先取付金具5を屋根下地に取り付けている。このように複数の軒先取付金具5を取り付ける場合には、正面側から見たときに隙間ができないように、左右方向(並列方向)の間隔を詰めて配置された状態とする。
また、下方のスレート瓦2a−1の取付孔12は、上方のスレート瓦2a−2の取付孔12よりも軒側に位置した状態となっている。言い換えると、下方のスレート瓦2a−1の取付孔12と、上方のスレート瓦2a−2の取付孔12とは軒棟方向でずれた位置に配されている。このことにより、下方のスレート瓦2a−1の取付孔12は、上方に位置するスレート瓦2a−2の取付孔12が形成されていない部分で覆われており、雨水等が浸入しない構造となっている。
このスレート瓦2bは、先に敷設した軒側第1段目のスレート瓦2に対し、その一部を重ねた状態で配置する。そして、このスレート瓦2bの取付孔12に釘等の締結要素を挿通して屋根下地に固定することとなるが、この工程と並行して中間取付金具6を取り付ける。
推奨される手順としては、図12,13で示されるように、中間取付金具6から中間板部材121を外した状態とし(図8等参照)、固定部構成部材120だけを予め固定することが好ましい。
第3段目のスレート瓦2cを取り付けるとき、図15で示されるように、スレート瓦2cの軒側端部を中間取付金具6の第1凹部150に挿入した状態とする。そして、スレート瓦2cの軒側端部が、第1凹部150の内部に位置する下板部材125の貫通孔134を覆った状態となる。つまり、上板部材126の下部には、その全域に第3段目のスレート瓦2cが存在することとなる。
このことにより、貫通孔134への雨水の浸入を防止することができる。
このとき、中間取付金具6(固定部構成部材120)は、その棟側部分が棟側に位置するスレート瓦2に覆われた状態となる。このことにより、上板部材126の2つの固定用孔133がスレート瓦2に覆われた状態となり、固定用孔133からの雨水の浸入を防止することができる。また、軒側のスレート瓦2の取付孔12が棟側のスレート瓦2によって覆われた状態となる。このことにより、取付孔12からの雨水の浸入を防止することができる。
そして、軒側から棟に至るまでスレート瓦2を取り付けることで、屋根下地上にスレート瓦2の敷設が完了し、基礎屋根構造3が完成する。
ここで、軒先取付金具5には、図17で示されるように、上端近傍に保持部63が設けられている。この保持部63は、棟側部分が開放された状態となっており、軒側に向かって窪んだ部分となっている。
より詳細には、この固定部構成部材120の高位置部よりも前側(軒側)に位置する低位置部に、太陽電池モジュール4aの棟側端部を載置する(図18参照)。
このことにより、太陽電池モジュール4aは、軒側の辺が軒先取付金具5の保持部63と係合し、棟側の辺が中間取付金具6aの第2凹部151に係合するので、対向する両辺が保持され、基礎屋根構造3から離脱できない状態となる。
なお、本実施形態では、中間取付金具6のフック部128に対し、配線し終えたケーブルを係合させている。このようにすることで、ケーブルの処理が容易となる。
さらに具体的には、2つの中間取付金具6aの間に1つ又は2つ(複数)の緩衝部材17が位置した状態となっている。
軒側2段目の太陽電池モジュール4bは、その軒側辺と棟側辺の双方を中間取付金具6によって固定される。すなわち、太陽電池モジュール4bの軒側辺は、図20で示されるように、軒側に位置する中間取付金具6aの第3凹部152に挿入された状態となる。
また、所望の段数の設置を終えると、最も上段部の太陽電池モジュール4の棟側に雨仕舞板11を設置する。
このことにより、本実施形態の屋根構造1が完成する(図1参照)。
そして、軒側の太陽電池モジュール4aに取り付けた緩衝部材17の下板部60と、スレート瓦2の間にも僅かな隙間が形成された状態となっている。
つまり、緩衝部材17は、通常時において、上方に位置する太陽電池モジュール4bと、下方に位置するスレート瓦2に接触しない状態となっている。
この場合、太陽電池モジュール4bの軒側端部が下方側へ向かうように変形し、その裏面が緩衝部材17の上板部62の上面に当接することとなる。このことにより、上側の太陽電池モジュール4bにかかる荷重を、緩衝部材17が取り付けられた下側の太陽電池モジュール4aで受けることが可能となる。つまり、上側の太陽電池モジュール4bにかかる荷重を分散させることで、太陽電池モジュール4bの破損を防止することができる。
さらに、上側の太陽電池モジュール4bの裏面が下側の太陽電池モジュール4aの上面(受光面と同一平面を形成する面)に直接接触することがないので、このような接触に起因する破損を防止できる。
しかしながら、この場合は、太陽電池モジュール4aの棟側端部が下方側へ向かうように変形し、緩衝部材17の下板部60がスレート瓦2と接触することとなる。すなわち、荷重を屋根面(スレート瓦2)で受けて分散させることが可能となるので、上側の太陽電池モジュール4b、下側の太陽電池モジュール4aの破損を防止することができる。
このとき、下側の太陽電池モジュール4aがスレート瓦2に直接接触することがないので、このような接触に起因する破損を防止できる。
4 太陽電池モジュール
17 緩衝部材
6 中間取付金具(固定金具)
10 太陽電池パネル
60 下板部(下側部)
61 立板部(側方部)
62 上板部(上側部)
66 突条部
68 突出部
Claims (4)
- 屋根上に複数の太陽電池モジュールを段状に並べて形成される屋根構造であって、
軒側に位置する前記太陽電池モジュールの一部に対して、棟側に位置する前記太陽電池モジュールが重なった状態となっており、
軒側に位置する前記太陽電池モジュールの少なくとも1つには、棟側の縁部分に緩衝部材が取り付けられており、
前記緩衝部材の少なくとも一部は、軒側に位置する前記太陽電池モジュールと、棟側に位置する前記太陽電池モジュールの重なる部分であって、軒側に位置する前記太陽電池モジュールの受光面側に位置する面と、棟側に位置する前記太陽電池モジュールの裏面の間に位置しており、
軒側に位置する前記太陽電池モジュールの棟側部分と、棟側に位置する前記太陽電池モジュールの軒側部分とを保持可能であり、軒側に位置する前記太陽電池モジュールの棟側部分の上側に、棟側に位置する前記太陽電池モジュールの軒側部分を位置させ、これらが平面視したときに重なる状態で2つの前記太陽電池モジュールを固定する固定金具を備え、
軒側に位置する前記太陽電池モジュールの棟側部分では、前記緩衝部材と前記固定金具が所定の間隔を空けて並列した状態となっていることを特徴とする屋根構造。 - 前記太陽電池モジュールは、板状に形成された太陽電池パネルを有し、
前記緩衝部材は、前記太陽電池パネルの受光面側に位置する面の一部を覆う上側部と、前記太陽電池パネルの端面の一部を覆う側方部と、前記太陽電池パネルの裏面の一部を覆う下側部を備え、
前記側方部には、前記太陽電池パネルの端面に向かって突出する突出部が複数設けられ、複数の前記突出部は所定の間隔を空けて並列しており、
前記突出部の間に溝状の空間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の屋根構造。 - 前記太陽電池モジュールは、板状に形成された太陽電池パネルを有し、
前記緩衝部材は、前記太陽電池パネルの受光面側に位置する面の一部を覆う上側部と、前記太陽電池パネルの端面の一部を覆う側方部と、前記太陽電池パネルの裏面の一部を覆う下側部を備え、
前記上側部と前記下側部は、前記太陽電池パネルを挟んで互いに対面しており、
前記上側部と前記下側部には、前記太陽電池パネルに近づく方向に突出する突条部が形成されており、
前記上側部に形成された突条部は、前記下側部に向かう方向であり、且つ、前記側方部に向かう方向となる斜め方向に突出し、
前記下側部に形成された突条部は、前記上側部に向かう方向であり、且つ、前記側方部に向かう方向となる斜め方向に突出するものであり、
前記上側部に形成された前記突条部と、前記下側部に形成された前記突条部とが間に前記太陽電池パネルを介在させた状態で対向していることを特徴とする請求項1又は2に記載の屋根構造。 - 前記上側部及び前記下側部は長板状となっており、
前記上側部及び前記下側部には、それぞれ複数の前記突条部が形成され、前記上側部及び前記下側部の短手方向で所定の間隔を空けて並列しており、
前記突条部は、いずれも前記上側部及び前記下側部の長手方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載の屋根構造。
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