JP6510849B2 - 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法 - Google Patents

焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6510849B2
JP6510849B2 JP2015063244A JP2015063244A JP6510849B2 JP 6510849 B2 JP6510849 B2 JP 6510849B2 JP 2015063244 A JP2015063244 A JP 2015063244A JP 2015063244 A JP2015063244 A JP 2015063244A JP 6510849 B2 JP6510849 B2 JP 6510849B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ore
raw material
magnetite
sintered ore
sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015063244A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016183368A (ja
Inventor
宏忠 新井
宏忠 新井
毅郎 足立
毅郎 足立
将治 野中
将治 野中
松村 俊秀
俊秀 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2015063244A priority Critical patent/JP6510849B2/ja
Publication of JP2016183368A publication Critical patent/JP2016183368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6510849B2 publication Critical patent/JP6510849B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Glanulating (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、高炉に装入される高炉原料の基となる焼結鉱用原料、及びその焼結鉱用原料の製造方法に関するものであり、特に、マグネタイトペレットフィード等の微粉鉄鉱石から製造される焼結鉱用原料、及びその焼結鉱用原料の製造方法に関する。
従来では、高炉原料として、粒度の大きい鉄鉱石(塊鉱石)が用いられていたが、近年では、焼結鉱やペレットなどが用いられている。
高炉原料としてよく用いられる焼結鉱は、粒度が小さくそのままでは高炉に投入できないような粉鉱(微粉鉄鉱石)を事前に造粒、焼成して得られる高炉用原料である。焼結鉱を製造する技術として、以下の特許文献1〜5に示すように様々のものが開発されている。
特許文献1では、マグネタイトペレットフィードを使用することができ、かつ、焼結鉱のRDIを改善することを目的としている。特許文献1では、マグネタイトペレットフィードを造粒し、当該造粒物と他の焼結原料とを混合して焼結鉱を製造することが開示されている。なお、ペレットフィードとは、焼結鉱用原料としても使用できない粒度の細かい微粉の鉄鉱石を指し、一般的にペレットなどの原料に適している。マグネタイトは磁鉄鉱(Fe)のことを言う。したがって、マグネタイトペレットフィードとは「ペレットなどの原料に適した微粉状の磁鉄鉱」のことである。
特許文献2では、ピソライト鉱石などの高結晶水含有鉱石を原料鉱石として多量に使用した場合に、低コストでしかも困難性を伴わずに高生産性を維持することを目的としている。特許文献2では、高結晶水含有鉱石を原料鉱石として使用する焼結鉱の製造方法であって、高結晶水含有鉱石と含CaO副原料とを主体とする粒子の表層に、粒径0.25mm以下の粒子を80重量%以上含有する難溶融性鉱石と固体燃料とを主体とする被覆層を形成して擬似粒子を作成し、この擬似粒子を焼結している。また、特許文献2に示した難溶融性鉱石はFeOを10重量%以上含み、その原料鉱石全体に対する配合割合を3〜30重量%としている。
特許文献3は、難焼結性原料の利用性を高めると共に高品質の焼結鉱を製造する際のエネルギー消費量を少なくすることを目的としている。特許文献3では、粉鉄鉱石を2〜4mmφを基準として篩分を行い、篩下の微粒を、粒径2〜5mmφの擬似粒子としたのち、篩上の粗粒および他の原料と共にミキシングして焼結原料用擬似粒塊を製造している。
特許文献4は、造粒性及び強度を従来よりも向上させた造粒物を製造することを目的としている。特許文献4では、それぞれ粗粒及び微粉を含む2種以上の鉄鉱石を原料とし、核粒子となる粗粒に微粉を付着させて造粒物Sを製造する第1の造粒装置と、微粉のみで又は微粉を主体として造粒させる造粒物Pを製造する第2の造粒装置を備え、造粒物S 及び前記造粒物Pを用いる焼結原料の事前処理方法を開示している。詳しくは、造粒物S
は、前記核粒子への微粉付着平均厚さが50〜300μmとなるように第1の造粒装置への微粉配合量を調整し、前記第1の造粒装置に供給しない残部の微粉を、前記第2の造粒装置の原料として使用している。
特許文献5は、ピソライト鉱石を多量にあるいは全量使用して安定な焼結操業を行うことを目的としている。特許文献5では、ピソライト鉱石を主原料として焼結鉱を製造するに当たり、その原料の事前造粒を行う際、まず核粒子となる粒径3mm以上のピソライト鉱石の表面に全CaO分の50〜85%を付着させてCaO分からなる付着粉内層部を形
成させる。そして、残りのCaO分、粒径1mm以下のピソライト粉鉱石および他の粉鉱石を付着させてCaO分およびピソライト粉鉱石からなる付着粉外層部を形成させて核粒子および2層の付着粉部からなる焼結原料の擬似粒子化をはかり、これを焼結している。
特開2013−253281号公報 特開平08−269584号公報 特開昭60−138020号公報 特開2005−350770号公報 特開平08−269584号公報
特許文献1では、マグネタイト系鉱石を事前に造粒して他の原料と混合することにより、マグネタイトペレットフィードを使用できるようにしている。しかしながら、特許文献1では、単にペレット化することが開示されているだけでマグネタイトペレットの構造等について詳細に記載されておらず、特許文献1の方法ではペレット内部までマグネタイトが酸化せず、焼結鉱品質、具体的には、被還元性(RI)の低下を招く恐れがある。
特許文献2〜5では、微粉鉱石をペレット化して、当該ペレットを焼結鉱用原料として用いることが開示されているものの、マグネタイト系鉱石について詳細に記載されておらず、マグネタイト系鉱石を十分に酸化して被還元性(RI)を低下させないようにする条件を提示することができない。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、マグネタイト系鉱石などの微粉鉄鉱石を造粒することにより、マグネタイト等の酸化を促進して、高品質な焼結鉱用原料を得ると共に、及びマグネタイト系鉱石などの微粉鉄鉱石を用いた焼結鉱用原料の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明の焼結鉱用原料は、FeOを含有するマグネタイト系鉱石を造粒することで得られた焼結鉱用の原料であって、前記鉱石のFeOの含有率は20質量%以上であり、粒度が0.5mm以下である鉱石が総重量に対して80質量%以上含まれており、前記鉱石は、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置され且つ層厚が2.1mm以下で前記核粒子を被覆していることを特徴とする。
焼結鉱用原料の製造方法は、FeOを含有するマグネタイト系鉱石を造粒して焼結鉱用の原料を製造する方法において、FeOの含有率が20質量%以上で且つ粒度が0.5mm以下である鉱石を総重量に対して80質量%以上含むように、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置し且つ層厚が2.1mm以下となるように造粒しつつ被覆することを特徴とする。
前記核粒子は、焼結返鉱であることが好ましい。
本発明によれば、マグネタイト系鉱石などの微粉鉄鉱石を造粒することにより、マグネタイト等の酸化を促進して、焼結鉱の品質を向上させることができる。
焼結鉱用原料(ペレット)の概略図である。 従来での焼結鉱の製造方法及びマグネタイト系鉱石を用いる場合の焼結鉱の製造方法を示した図である。 被覆層厚と成品のFeOとの関係を示す図である。 被覆層厚と成品の歩留との関係を示す図である。 被覆層厚とRDIとの関係を示す図である。 比較例4の結果を説明する説明図である。 比較例3の結果を説明する説明図である。
本発明の焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法について説明する。
高炉用原料として用いられる焼結鉱は、鉄鉱石、副原料(石灰原料、硅石含有原料等)などを造粒、擬似粒子化し、得られた造粒物、すなわち焼結鉱用原料を焼結機を用いて焼結することにより得ることができる。焼結の過程では、焼結鉱用原料は炭材の燃焼発熱により部分的に融液が生成し、互いに溶融・同化する焼結反応を通じて互いに合体、結合する。ここで、焼結反応においては、焼結体内に焼結の不十分な脆弱部が形成されることがあり、従来、焼結の良否は、焼結反応が終了した時点の焼結層重量に対する最終焼結鉱成品重量の割合、すなわち成品歩留で測定される。
近年、高品位な焼結鉱原料用のヘマタイト系鉄鉱石の産出量減少に伴い、ペレット用の原料も焼結鉱用の原料として使用できることが期待されている。さらには、FeOを多く含有した、いわゆるマグネタイト系鉱石(酸化物の主成分がFeである鉱石)が着目されている。マグネタイト系鉱石は、高脈石層と交互に層を成しているため、これらと分離して品位を上げるために粉砕・磁選といった選鉱処理が施される。そのため、脈石成分と分離されており不純物成分が少ないという特長を有するが、マグネタイト系鉱石は必然的に微粉の形態となっている。
さて、一般的に微粉を多量に含む焼結原料は、核となる粗粒物が少ないため転動し難くい。また微粉主体のため比表面積が大きく、ドラムミキサー等で造粒を行う際に多くの水分が必要になり、焼結原料同士の付着性が強くなるため、焼結原料が転動しにくい条件となり造粒性の低下が生じることがある。この結果、ドラムミキサー等で造粒した焼結原料を焼結機のパレットに装入した場合、造粒されなかった微粉鉄鉱石や造粒されたものの崩壊して生成した鉄鉱石の微粉粒子が原料充填層の通気性を悪化させ、焼結鉱の生産性を低下させてしまう。このようなことから、ペレット用原料に使用するような微粉を含む鉱石を使用する場合は、鉱石等を事前にパンペレタイザ等でペレット化して予備造粒することで、通気性改善を図っている。
なお、ペレットの原料に適した微粉の鉄鉱石のことをペレットフィードと呼ぶこともある。この場合、マグネタイトペレットフィードとは「ペレットなどの原料に適した微粉状の磁鉄鉱(Fe)」のことである。
さて、本発明では、FeOの含有率が20質量%以上の鉱石であるマグネタイト系鉱石を用いることとしている。また、粒度が0.5mm以下であるマグネタイト系鉱石を用いることとしている。ここで、マグネタイト系鉱石とは、マグネタイトペレットフィードや砂鉄である。採用するマグネタイト系鉱石は、鉄分として60質量%以上を含むことが好ましい。
しかしながら、予備造粒したマグネタイト系鉱石(マグネタイトペレットフィード)を使用した場合、焼結後も焼結鉱に含まれるFeOが酸化しきれないことがあり、その結果、冷却工程で発熱が起き、設備不良を引き起こす虞がある。また、FeOを多く含む焼結鉱が高炉内に装入されると、被還元性が低いため、高炉下部までFeOが還元されずに残
留するようになる(未還元FeO)。未還元FeOは還元される時に炉内の熱を奪う(=吸熱反応)ため、高炉下部で鉄が溶ける速度を低下することになり、高炉の操業が不安定になる(=冷え込み)。
このようなことから、マグネタイト系鉱石を使用した場合は、予備造粒のみで不十分であり、焼結時に酸化を促進させる必要がある。しかしながら、焼結鉱の製造プロセスでは、FeOの酸化が生じる温度域に保持されている時間は、2〜4分程度と非常に短く、酸化を完了する時間を十分に確保することが難しい。例えば、特開2013−253281号公報では、マグネタイト系鉱石を単にペレット化しているのみであるため、焼結鉱の製造プロセスにおいて、焼結時間中に内部まで酸化が進行せず、ペレットの内部に未酸化領域が残存してしまう虞がある。
そこで、本発明では、マグネタイト系鉱石をパンペレタイザ等でペレット化した場合に、図1に示すように、焼結鉱用原料(造粒物、ペレット)1の中心部2が1.0mm以上の核粒子3であり、当該核粒子3の周りに層厚(被覆層)が2.1mm以下のマグネタイト系鉱石4が配置するように造粒している。即ち、造粒物1の中心部2に核粒子3を配置し、未酸化しやすい領域(マグネタイト系鉱石の領域)4を置き換えることで、FeOの酸化促進が可能であることを見出した。言い換えれば、マグネタイト系鉱石を1.0mm以上の核粒子の周囲に、層厚が2.1mm以下となるように被覆している。
核粒子3に関して、大きさが1.0mm以上の核粒子3を使用することにより、造粒物1の中心部2に核粒子3を配置することができる。大きさが1.0未満場合は、核とならずに被覆層にも賦存するようになり、効果を発揮できない。また、核粒子とは、マグネタイト系鉱石を除く全ての原料を用いることができ、例えば、鉄鉱石や石灰石、その他焼結原料であってよい。
なお、核粒子として、1.0mm以上の大きさの返鉱を用いることが好ましい。返鉱とは、焼結後において溶融同化が不十分で結合が弱く、粉砕・整粒過程で取り除かれた細かな焼結鉱である。返鉱は、一度焼結を行っていることからプリメルトされた状態であり、かつ低融点組成物となっているため、滓化性が良好で低融点の融液を生成する。そのため、返鉱を核粒子として用いることによって、焼結原料層の溶融同化が進行し、歩留改善効果が特に著しい。
層厚(被覆層)に関して、核粒子の周囲の被覆層が厚い場合、焼結時間中に酸化が完了しないため、ある値以上には厚くすることができない。元来、焼結鉱製造においては、原料中のヘマタイトの一部が還元され、焼結後にFeOが残留することは知られているが、マグネタイトペレットフィードを単純に配合した場合、あるいは、被覆層が厚い場合、さらに成品FeOは増加傾向にあり、それに伴い焼結鉱品質(強度、RI)が悪化してしまう。
被覆層の厚みを2.1mm以下にすれば、内部まで酸化が完了し、焼結鉱中のFeOの増加が従来よりもむしろ低下し、RIを従来よりも改善することができる。これはマグネタイトペレットフィールドの酸化発熱により、焼結完了後の冷却速度が緩やかになり、不可避的に生じるFeOが再酸化され、FeO濃度を低下させる効果があると考えられる。ただし、被覆層の厚みは、被覆層を含む部分の外径を固定して考えた場合、原理的に被覆層を構成する粒子径よりも薄くすることはできず、また、被覆層を実際に安定して形成することができないため、0.25mm以上が好ましい。
なお、被覆層は、低酸化度鉱石(マグネタイト系鉱石)の被覆層を含む部分の外径と中心の核粒子の外径によって定義することができる。外径、核粒子の径ともに面積相当径で
定義することができる。例えば、S=(do−dc)/2、ただし、S:被覆層厚、do:造粒物の外径、dc:核粒子の径である。
また、造粒を行うにあたっては、粒度が0.5mm以下であるマグネタイト系鉱石を総重量に対して80質量%以上用いることとしている。ここで、総重量とは、マグネタイト系鉱石をパンペレタイザ等でペレット化する際に使用する原料の総重量(マグネタイト系鉱石、核粒子)である。
以上、本発明によれば、焼結鉱用の原料は、FeOを含有するマグネタイト系鉱石を含み、鉱石のFeOの含有率は20質量%以上であり、粒度が0.5mm以下である鉱石が総重量に対して80質量%以上含まれており、鉱石は、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置され且つ層厚が2.1mm以下で核粒子を被覆している。焼結鉱用の原料の製造方法にあっては、FeOの含有率が20質量%以上で且つ粒度が0.5mm以下であるもの(原料)が総重量に対して80質量%以上含む鉱石を、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置し且つ層厚が2.1mm以下となるように被覆している。
表1は、本発明の焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法を採用した実施例と、本発明とは異なる焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法を採用した比較例とをまとめたものである。
実施条件について説明する。
図2は、従来での焼結鉱の製造方法の手順(手順1〜手順4)を示した図である。また、図2は、マグネタイト系鉱石(マグネタイトペレットフィード)を用いる場合の焼結鉱の製造方法の手順も示している。
まず、従来での焼結鉱の製造方法について説明する。
図2に示すように、表2に示す焼結原料(質量%)を配合し、コンクリートミキサで3分間混合する(手順1)。表2のように鉄鉱石に副原料(生石灰、石灰石、珪石、ドロマイト)を添加することによって、スラグ反応による融液が生じ、この融液を介して原料同士が結合することで、焼結鉱の強度を向上させることができる。配合後の焼結原料の化学成分(単位、質量%)は表3に示す通りである。
次に、配合後の焼結原料に水分(7.0wt.%)を添加し、さらに返鉱、所定量のコークスを外数で配合し、コンクリートミキサで4分間混合する(手順2)。手順2を行った後、焼結原料、返鉱、コークス等をドラムミキサで4分間造粒する(手順3)。ドラムミキサの回転数は13rpmである。造粒後の全ての原料(造粒物)をバッチ式の焼結機
で焼結する(手順4)。
マグネタイト系鉱石を用いる場合は、まず、上述した手順1とは別系統にて、マグネタイトを含む微粉鉱石を水分(7.0〜8.0wt.%)を添加してパンペレタイザで別途造粒し、所望の粒度のペレット状にする(手順5)。実施例ではペレットの造粒にパンペレタイザを使用しているが、他の造粒装置(ドラムミキサ)を用いてペレットを製造してもよい。ここで、ペレット状にする場合は、FeOの含有率が20質量%以上で且つ粒度が0.5mm以下である原料が総重量に対して80質量%以上含む鉱石を、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置し且つ層厚が2.1mm以下となるように被覆する。造粒物(マグネタイトペレット)の径、被覆層の厚みは、造粒時間と水分添加によって所望の値に制御する。なお、ペレットフィードは微粉であるため、水分は従来法の造粒条件よりも高めに設定する必要がある。
上述した手順3で得られた造粒物に、手順5で製造したマグネタイトペレットフィードのペレットを所定量添加し、ドラムミキサで1分間混合する(手順6)。その後、手順6で混合造粒物をバッチ式の焼結機(焼結鍋試験装置)で焼結する。
なお、焼結鍋試験装置の条件は次の通りである。焼結鍋試験装置サイズは265mmφx510mmとし、床敷には10−20mmの焼結鉱を使用し、装入量は4.3kgとし、原料装入容積は0.028mとし、鉱層厚は550mm(床敷含む)とした。また、吸引ガスは大気とし、吸引条件は、着火時は1000mmHO(9.8kPa)、焼成中は1600mmHO(15.7kPa)とした。
なお、床敷とは、焼結鍋試験装置の底部に融液が直接付着しないようにするために装入するものであり、成品にはならない。
被覆層の厚みの測定は、次の通りに行った。まず、造粒物(マグネタイトペレット)を任意に50〜100個を選び、各々の粒子を撮影する。また、撮影後、造粒物を水洗して被覆層を取り除き、同様に写真撮影する。そして、被覆層のある造粒物の画像と、被覆層を取り除いた造粒物の画像とを画像解析により二値化し、水洗前後の面積相当径を算出する。そして、造粒物について、面積相当径を平均化し、得られた造粒物の代表径とする。そして、水洗前後の面積相当径より、パラメータの定義に従い、被覆層厚を算出する。
RIの測定方法は、JISM8713に準じて行った。詳しくは、 粒度19−22.
4mmの焼結鉱0.5kgを静置状態で一酸化炭素(CO:30mol%±0.5mol%)と窒素(N:70mol%±0.5mol%)とから構成される還元ガスを用いて900℃の温度で180分間等温還元を行う。
還元率は、還元間測定試料中に鉄と結合していた酸素の質量に対する還元によって除去された酸素の質量の比率として求める。鉄と結合していた酸素の質量は、還元前測定試料を分析して求めた全鉄及び鉄(II)の含有量から計算して求めた。
成品歩留の測定方法は、次の通りに行った。まず、焼結ケーキを試験箱に入れて、2mの高さから鋼製台に5回落下させる。次に、 目開き5mmのふるいでこの試料をふるい分け、粒度が+5mmの測定試料質量の試験前測定試料質量に対する質量分率(%)で表した。なお、焼結鍋試験に使用する床敷層は除くこととした。成品歩留の閾値に関しては、特許第4528362号に記載されているように、成品歩留76%は一般的な目安であるため、これを基準に評価を行った。
なお、図3〜図5は、被覆層厚と、成品のFeO、成品の歩留及びRIとのそれぞれの関係をまとめた図である。
以下、比較例1〜5及び、実施例1〜4について説明を行う。
比較例1は、焼結鉱用原料として、マグネタイト系鉱石を用いなかった例を示している
(配合有無の欄、「無」)。比較例2は、焼結鉱用原料として、マグネタイト系鉱石をペレットにせずに用いた例を示している(配合形態、「単純配合」)。比較例2では、マグネタイト系鉱石をそのまま用いたため、原料全体の粒度が細かくなり、かつブリーズとの競合反応により、焼結が進行せず、成品歩留りが低位となった。
比較例3では、マグネタイト系鉱石(マグネタイトペレットフィード)をペレット化したマグネタイトペレットを用いたものの、核粒子となる原料を用いなかった(核粒子径の欄、「0.0mm」)。比較例3では、図7に示すように、マグネタイトペレットが十分に酸化されず、歩留りおよびRIが悪化した。
比較例4では、マグネタイトペレットを用いたものの、核粒子となる原料として粒度が0.5mm以上のものを採用した(核粒子径の欄、「≧0.5mm」)。比較例4では、マグネタイトペレットの内部に核が配置されない。或いは、図6のように、中心に核が配置されないために酸化促進効果が得られず、歩留りおよびRIが悪化した。
比較例5では、マグネタイトペレットを用いたものの、被覆層の厚みを2.1mmよりも大きくした(被覆層厚の欄、「2.16mm」)。比較例5では、マグネタイトペレットの被覆層が厚く、内部まで十分に酸化されず、歩留りおよびRIが悪化した。
一方、実施例1〜3では、焼結鉱用原料として、マグネタイトペレットを用い、核粒子の大きさ、即ち、径を1.0mm以上、被覆層の厚みを2.1mm以下とした。その結果、歩留り、RI共に良好である。なお、実施例1〜3では、核粒子として返鉱は用いなかった。実施例4及び5では、図4に示すように核粒子に返鉱を使用したため、溶融同化が進行し、歩留りが著しく改善した。
以上、本発明によれば、微粉原料(微粉鉄鉱石)、即ち、マグネタイト系鉱石を造粒することにより、マグネタイト等の酸化を促進して、焼結鉱の品質を向上させることができる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する領域を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 造粒物(ペレット)
2 中心部
3 核粒子
4 鉱石(被覆層)

Claims (4)

  1. FeOを含有するマグネタイト系鉱石を造粒することで得られた焼結鉱用の原料であって、
    前記鉱石のFeOの含有率は20質量%以上であり、粒度が0.5mm以下である鉱石が総重量に対して80質量%以上含まれており、前記鉱石は、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置され且つ層厚が2.1mm以下で前記核粒子を被覆していることを特徴とする焼結鉱用原料。
  2. 前記核粒子は、焼結返鉱であることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱用原料。
  3. FeOを含有するマグネタイト系鉱石を造粒して焼結鉱用の原料を製造する方法において、
    FeOの含有率が20質量%以上で且つ粒度が0.5mm以下である鉱石を総重量に対して80質量%以上含むように、1.0mm以上の核粒子の周囲に配置し且つ層厚が2.1mm以下となるように造粒しつつ被覆する
    ことを特徴とする焼結鉱用原料の製造方法。
  4. 前記核粒子は、焼結返鉱であることを特徴とする請求項3に記載の焼結鉱用原料の製造方法。
JP2015063244A 2015-03-25 2015-03-25 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法 Active JP6510849B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063244A JP6510849B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015063244A JP6510849B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016183368A JP2016183368A (ja) 2016-10-20
JP6510849B2 true JP6510849B2 (ja) 2019-05-08

Family

ID=57242762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015063244A Active JP6510849B2 (ja) 2015-03-25 2015-03-25 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6510849B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110770358A (zh) * 2017-07-04 2020-02-07 杰富意钢铁株式会社 烧结矿的制造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3344151B2 (ja) * 1995-03-30 2002-11-11 日本鋼管株式会社 焼結鉱の製造方法
JP4887611B2 (ja) * 2003-10-09 2012-02-29 Jfeスチール株式会社 焼結鉱の製造方法および造粒粒子
JP6102463B2 (ja) * 2013-04-24 2017-03-29 新日鐵住金株式会社 焼結鉱の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016183368A (ja) 2016-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5846049B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5375742B2 (ja) 焼結原料の造粒方法
TWI473882B (zh) Sintering raw materials for the adjustment of raw materials and sintering raw materials for powder
JP3656632B2 (ja) 焼結用擬似粒子原料および焼結用擬似粒子原料の製造方法
JP6102463B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP5168802B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
EP3266884B1 (en) Quasiparticles for sintering and method of producing same
JP6510849B2 (ja) 焼結鉱用原料及び焼結鉱用原料の製造方法
JP3736500B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2009019224A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6477167B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2005171388A (ja) 焼結用擬似粒子原料、高炉用焼結鉱および焼結用擬似粒子原料の製造方法
JP4661077B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6004191B2 (ja) 焼結原料の製造方法
KR102458931B1 (ko) 소결광 제조방법
JP2013147718A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2018172761A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6885164B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
KR101969106B1 (ko) 부산물 처리 방법
JP4501656B2 (ja) 焼結鉱の製造方法
JP2002020819A (ja) 焼結原料の事前処理方法
JP2008196027A (ja) 焼結鉱の製造方法
JP6436317B2 (ja) 焼結鉱製造用の炭材内装造粒粒子およびそれを用いた焼結鉱の製造方法
CA3212055A1 (en) Raw material particles for production of agglomerate, method for producing raw material particles for production of agglomerate, agglomerate, method for producing agglomerate, and method for producing reduced iron
JP5915864B2 (ja) 塊成鉱の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180510

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180515

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190219

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190405

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6510849

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150