JP2018172761A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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源幸 古田
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【課題】二段点火焼結法において、オリビン系の難還元性鉱物の生成を抑制し、焼結鉱の被還元性を向上させる焼結鉱の製造方法を提供すること。【解決手段】ドワイトロイド式焼結機を構成するパレットに、含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第1の配合原料を供給して下段層10を形成し、下段層10の上部から点火し、下方から空気を吸引することにより前記下段層10の焼結を開始し、点火後の下段層10上に、含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第2の配合原料をさらに供給して上段層20を形成し、上段層20に点火し、下方から空気を吸引することにより上段層20の焼結を開始し、その後も下方から空気を吸引することにより、上段層20および下段層10を焼結する二段点火焼結法による焼結鉱の製造方法であって、第1の配合原料に含まれるカーボン系凝結材の粒度を平均粒径3.0mm以上とする焼結鉱の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、焼結鉱の製造方法に関する。
現在、高炉製銑の主原料は、焼結鉱である。この焼結鉱は、通常、次のように製造される。まず、原料となる鉄鉱石(粉)、返鉱、製鋼ダスト等の含鉄原料、酸化ケイ素等を含むフラックス、CaOを含む石灰等の副原料、燃料であり燃焼熱によって焼結鉱を焼結(凝結)させる凝結材である炭材を所定の割合で混合し、混合物を、造粒して配合原料とする。次に、造粒された配合原料を、ホッパより下方吸引式のドワイトロイド(DL)式焼結機のパレット上に原料充填層を形成するように載置し、載置した原料充填層に上部(表面層)から原料充填層中の炭材に点火する。そして、パレットを連続的に移動させながらパレットの下方から空気を吸引することにより酸素を供給し、原料充填層中の炭材の燃焼が上部から下部に向けて進行することにより、炭材の燃焼熱により順次焼結させる。得られた焼結部(シンターケーキ)は、所定の粒度に粉砕、篩分け等により整粒して高炉製銑の原料である焼結鉱となる。
このようなDL式焼結機による焼結鉱の製造方法において、原料充填層の形成と点火を二段以上の多段で行う多段点火焼結法が提案されている(特許文献1〜3)。
多段点火焼結法は、配合原料を焼結機の層高方向に順次に積荷して多段の原料充填層を形成するとともに下方から空気を吸引することにより各原料層表面に点火し、各層の焼結反応を多発的に進行させて焼結する方法である。
二段で点火する二段点火焼結法について図1により説明する。
最初に、焼結鉱製造用の配合原料を造粒するために、別系統で、含鉄原料に、副原料、炭材である粉コークス等のカーボン系凝結材を添加し、水分を加え、第1のドラムミキサー1A、第2のドラムミキサー2Aによりそれぞれ造粒する。
第1のドラムミキサー1Aにより造粒された第1の配合原料を第1のホッパ1Bにより、図示を省略しているが床敷鉱を敷きつめたパレット上に装入し、下段層10を形成する。
パレット上に形成された下段層10は、パレットを下流方向5へ移動させることにより、第1の点火器1C下まで移動し、上部から第1の点火器1Cにより燃料のカーボン系凝結材に点火し、図示を省略したパレット下の風箱を用いて、下方から空気を吸引する下方吸引6により、燃焼帯10Aが形成され、下段層10の焼結が開始する。
焼結が開始された下段層10は、燃焼帯10Aが下降しつつ焼結が進行し、さらに、第2の点火器2C下まで移動し、第2のドラムミキサー2Aにより造粒された第2の配合原料を、第2のホッパ2Bにより点火後の下段層10上に装入し、上段層20を形成する。
形成された上段層20の上部から第2の点火器2Cにより燃料のカーボン系凝結材に点火し、下方吸引6により、燃焼帯20Aが形成され、上段層20の焼結を開始する。
その後も下方吸引6を行うことにより下段層10、上段層20のそれぞれの燃焼帯10A、20Aが下降して焼結が進行し、燃焼帯10A、20Aがそれぞれの層の最下部まで到達すると、カーボン系凝結材の燃焼による焼結が終了し、焼結部3となる。焼結部3は、カーボン系凝結材の燃焼後も余熱により焼結が進行するが、最終的に焼結が完了した焼結部3は、パレット終端より排鉱される。
特許文献1には、多段点火焼結法は、各層の原料の供給比率を変えることができるため、上段層20と下段層10の粒度差から生じる通気性阻害等による焼結歩留の低下をカバーでき、歩留が向上する旨が記載されている。
特許文献2には、多段点火焼結法のうち、二段で点火する二段点火焼結法において、下段層10における焼結強度が低下するとの問題点を指摘している。このため、下段層10の焼結鉱の焼結強度を向上させるべく、焼結しようとする製鉄原料中の固定炭素濃度を全層平均で3.3%以下とし、かつ上段層20の固定炭素濃度を低く、下段層10の固定炭素濃度を高くすることが記載されている。
特許文献3には、特許文献2とは逆に、二段点火焼結法において、上段層20の固定炭素濃度をそのままに、下段層10の固定炭素濃度を上段層20よりも低くする実施例が記載されている。
特開昭47−26304号公報 特開昭62−60829号公報 特開昭61−235518号公報
下村 泰人、"総説−焼結過程の解析(第1報)" 富士製鉄技法,Vol.9(1959),No.4,p.389−400
二段点火焼結法においては、下段層10の焼結のために供給される空気は、上段層20を焼結させたことで酸素分圧が低下したガスとして供給されている。このため、下段層10ではガス中酸素分圧の不足によりカーボン系凝結材(粉コークス)が不完全燃焼となって温度が低下しやすい。その結果、焼結に必要な熱量が不足しがちなため、特許文献2にも指摘されるように、下段層10の焼結強度が低下しやすい。
さらに、下段層10の焼結において酸素不足となると、焼結鉱の被還元性が低下する問題点が明らかとなった。焼結の際に酸素不足となると、鉄が還元され、鉄の酸化状態が三価よりも二価になりやすくなる。鉄の酸化状態が二価となると、副原料の石灰、フラックス、および脈石成分と反応し、二価の酸化鉄を含むFeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物が形成しやすくなるため、被還元性が低下する。特に、上段層20のコークス配合比を通常配合される炭材の必要量(上段層および下段層の含鉄原料および副原料合計に対し、3.5質量%から5.5質量%)から下げない場合、上段層20において吸引空気の酸素がより多く消費されるため、下段層10に供給されるガスの酸素分圧が低下する。
特許文献2の方法では、固定炭素濃度の全層平均濃度に上限を設け、さらに上段層20のコークス配合比を低下せしめたが、このために特に上段層20への供給熱量が低下し、上段層20での焼結鉱の冷間強度低下を招くため、実施困難であった。
一方、特許文献3に記載されているように、特段の対策を施さずに下段層10の固定炭素濃度を上段層20よりも低くすると、二段点火焼結法においては、特許文献2にも指摘されているように、下段層10での焼結鉱の強度が極端に低下するため好ましくない。
本発明の目的は、FeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物の生成を抑制し、焼結鉱の被還元性を向上させる焼結鉱の製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)ドワイトロイド(DL)式焼結機を構成するパレットに、
含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第1の配合原料を供給して下段層を形成し、
前記下段層の上部から点火し、下方から空気を吸引することにより前記下段層の焼結を開始し、
点火後の前記下段層上に、含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第2の配合原料をさらに供給して上段層を形成し、
前記上段層に点火し、下方から空気を吸引することにより前記上段層の焼結を開始し、
その後も下方から空気を吸引することにより、前記上段層および前記下段層を焼結する二段点火焼結法による焼結鉱の製造方法であって、
前記第1の配合原料に含まれる前記カーボン系凝結材の粒度を平均粒径3.0mm以上
とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
(2)さらに、前記第1の配合原料と前記第2の配合原料の総量中、前記含鉄原料と前記副原料の合計に対し、前記第1の配合原料に配合される前記カーボン系凝結材の配合比は3.0質量%以下とすることを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
(3)さらに、第1の配合原料は高速撹拌ミキサーおよび/または皿型造粒機で造粒されたことを特徴とする(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法。
本発明によれば、焼結鉱の強度低下を招くことなく、下段層の焼結が低酸素濃度下である条件においても、焼結鉱の被還元性が向上する。
二段点火焼結法に使用するDL式焼結機の全体概要図。 二段点火焼結法に使用するDL式焼結機において、高速撹拌ミキサーまたは皿型造粒機により第1の配合原料とする態様を示す図。 二段点火焼結法に使用するDL式焼結機において、高速撹拌ミキサーおよび皿型造粒機により第1の配合原料とする態様を示す図。
従来、通常焼結(一段)では、適切な焼結の最高温度を得るためには、粉コークスの適正粒度は3.0mm以下とされている(非特許文献1)。これは、粒度が小さいほど焼結温度を高くできるためである。しかしながら、本発明においては、下段層10における粉コークス等のカーボン系凝結材の大きさは、3.0mm以上の大きさのものを含むメディアン径(メジアン径=中央値)で平均粒径3.0mm以上と粗粒化することを特徴とする。
下段層10におけるカーボン系凝結材を粗粒化すると、燃焼速度が低下し、燃焼に伴う下段層10へ供給される酸素濃度は一定でも、下段層における燃焼速度低下によってガス中の酸素分圧が低下しにくい。そのため下段層10でのCO/COが上昇するので、鉄の酸化状態が三価となりやすくなり、二価の酸化状態の鉄の生成の抑制により、FeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物の生成を抑制できる。上記方策によって、FeO−CaO−SiO系(オリビン系)鉱物の形成が抑制されて、比較的被還元性の良好な酸化鉄(ヘマタイト)を主体とする鉱物が形成されるので、被還元性が改善される。
ここで、カーボン系凝結材とは、燃焼用の炭材であり、粉コークス、無煙炭のいずれか1種以上を意味する。また、平均粒径は、質量基準のメディアン径を採用し、篩を使用した粒度測定(JIS Z 8801−1、JIS Z 8800−2)により決定する。
本発明における、下段層10を形成するための第1の配合原料は、鉄鉱石、返鉱、製鋼ダスト等の含鉄原料に、石灰、フラックス等の副原料、粉コークス等のカーボン系凝結材を燃料として添加して造粒したものである。ヘマタイト、マグネタイト等の酸化鉱の他にも、ゲーサイト等の水酸化物を含む鉄鉱石等、どのような鉄鉱石でも使用することができる。一方、上段層20を形成するための第2の配合原料についても、第1の配合原料と同様の原料を造粒したものを使用する。第1の配合原料と、第2の配合原料は同じ原料であってもよいし、各々種類の異なる鉄鉱石や、副原料等を、各々異なる配合比で造粒したものでもよい。ただし、下段層10を形成する第1の配合原料中の鉄鉱石は、ヘマタイトやマグネタイトを含むことが好ましく、上段層20を形成する第2の配合原料中の鉄鉱石はゲーサイトを含むことが好ましい。ヘマタイトやマグネタイトは、ポーラスなゲーサイトに比べれば被還元性が悪い焼結鉱となりやすい。下段層10は上段層20に比べて、粉コークス等のカーボン系凝結材の燃焼速度が低いため、ガス中の酸素分圧が低下しにくい。その結果、上記のようなFeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物の生成を抑制できるので被還元性を向上させやすい。したがって、ヘマタイトやマグネタイトは下段層10に配置する、第1の配合原料に添加することが好ましい。
また、本発明の下段層10は、上段層20と下段層10の合計厚さを100%とした際、20%から80%の厚さで下段に配置されることが好ましい。
本発明の焼結鉱の製造方法において、下段層10と上段層20をそれぞれ形成する、第1の配合原料と第2の配合原料の総量中、含鉄原料と副原料の合計に対し、第1の配合原料に配合されるカーボン系凝結材の配合比は、3.0質量%以下とすることが好ましい。第1の配合原料に配合されるカーボン系凝結材の配合比を3.0質量%以下とすることにより、下段層10のO分圧の低下をさらに抑制して、FeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物の生成を抑制できるので、被還元性をさらに向上させることができる。また、焼結強度の低下をより抑制でき、生産性も合わせて向上させることができる。なお、第1の配合原料に配合するカーボン系凝結材の配合比の下限は、焼結鉱を凝結させる燃焼燃料として必要な熱量を得るために必要な量を配合すればよく、たとえば2.0質量%以上が好ましく、2.5質量%以上がより好ましい。
一方、第2の配合原料に配合されるカーボン系凝結材の配合比は、下段層10と上段層20をそれぞれ形成する、第1の配合原料と第2の配合原料の総量中、含鉄原料と副原料の合計に対し、3.5から5.5質量%とすることが好ましい。カーボン系凝結材の配合比を3.5質量%以上とすることで、より焼結強度を向上させることができる。また、上段層20に供給される空気は、酸素分圧が大きいので、3.5質量%以上でもFeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物は生成しにくい。しかしながら、5.5質量%を超えると、FeO−CaO−SiO系(オリビン系)の難還元性鉱物が生成しやすくなるので、配合比の上限は5.5質量%以下が好ましい。なお、上段層20を形成する第2の配合原料に配合されるカーボン系凝結材は、通常通り、最大粒径が3.0mm以下とすることが好ましい。
また、下段層10を形成するための第1の配合原料は、高速撹拌ミキサーおよび/または皿型造粒機で造粒されたことが好ましい。高速撹拌ミキサーおよび/または皿型造粒機を採用すれば、撹拌力が高いので造粒強度が向上し、下段層10の通気性が向上する。その結果、さらに生産性が向上する。特に、図3に示したように、高速撹拌ミキサー1A1により造粒した後に、さらに、皿型造粒機1A2で造粒することで、第1の配合原料が造粒されていると生産性がより一層向上する。もちろん、図2に示したように、高速撹拌ミキサー1A1または皿型造粒機1A2のいずれか一方のみで造粒してもよい。高速撹拌ミキサー1A1としては、たとえば、アイリッヒミキサー(商品名)が使用でき、皿型造粒機1A2としては、たとえば、パンペレタイザーが使用できる。
ドワイトロイド(DL)式焼結機による焼結鉱の製造方法を模擬し、以下の条件のφ300mmの焼結鍋試験により、本発明の二段点火焼結法の効果を検証した。
1)焼結条件
下段層および上段層はどちらも層高300mmで装入した。すなわち、300mmの厚さの層を2層、合計600mmの厚さで装入した。
二段点火では直径300mm層高300mmの円柱形鍋を2本準備し、それぞれ第1の配合原料(下段層)および第2の配合原料(上段層)を装入しておく。まず第1の配合原料を装入した鍋を下段にセットして、1100℃1分間点火した。点火終了後、直ちに第2の配合原料を装入した鍋を下段にセットした鍋の上段にセットして、1100℃1分間点火した。吸引圧は、点火開始から1000mmAq(9.8kPa)一定とした。
2)配合原料
原料の配合条件を表1に示す。
ケース1から3は、すべて下段層用の第1の配合原料と、上段層用の第2の配合原料を別系統で造粒した二系統造粒ケースである。カーボン系凝結材としては、粉コークスを使用した。
下段層を形成する第1の配合原料中の粉コークスの粒度は、ケース1において平均粒径(メジアン径)1.1mm、ケース2、3において平均粒径3.0mmとした。第1の配合原料中(下段層)の粉コークスの配合比はケース1、2において5.0%、ケース3において2.7%とした。ヘマタイトA、Dの銘柄の違い、ゲーサイトB、Cの銘柄の違いは産地の違いによる。
Figure 2018172761
試験条件として、配合条件、造粒条件を表2の上段に示す。
3)配合条件
比較例1は、配合を表1に示したケース1とした。すなわち、上段層、および下段層のコークス粒度は、共に通常の粒度である平均粒径1.1mmとした。
発明例1は、配合を表1に示したケース2とした。すなわち、上段層のコークス粒度は通常通り平均粒径1.1mmとし、下段層のコークス粒度は、粗粒とした平均粒径3.0mmとした。
発明例2から4は、配合を表1に示したケース3とした。すなわち、上段層のコークス粒度は通常通り平均粒径1.1mmとし、下段層のコークス粒度は、粗粒とした平均粒径3.0mmとした。
4)造粒条件
第1の配合原料と第2の配合原料を別々に造粒する二系統造粒を行った。
I)上段層を形成する第2の配合原料は、すべての発明例、比較例で、ドラムミキサーで4分間混合後水分を添加してさらにドラムミキサーで処理することにより造粒した。水分は7.0%とした。
II)下段層を形成する第1の配合原料は以下の3通りの方法により造粒した。
比較例1、発明例1、2では、ドラムミキサーで4分間混合後水分を添加してさらにドラムミキサーで処理することにより造粒した。水分は7.8%とした。
発明例3では、図3に示したように、アイリッヒミキサー(商品名)で30秒間混合後水分を添加してさらにアイリッヒミキサー(商品名)で30秒間処理した。さらにパンペレタイザーを使用し、5分間処理することにより造粒した。水分は7.8%とした。
発明例4では、図2に示した場合のうち、アイリッヒミキサー(商品名)のみで造粒した。アイリッヒミキサー(商品名)で30秒間混合後水分を添加してさらにアイリッヒミキサー(商品名)で30秒間処理することにより造粒した。水分は7.8%とした。
ここで、各々の造粒機の仕様は以下のとおりである。ドラムミキサーの設備仕様は、直径600mm回転数25rpmである。アイリッヒミキサー(商品名)の設備仕様は、パン直径800mmに撹拌羽根が1本内臓されており、回転速度は、パンは20rpm撹拌羽根は300rpmである。パンペレタイザーの設備仕様は、パン直径800mm深さ150mm傾斜角45°、回転速度20rpmである。
Figure 2018172761
5)評価方法
各実施例について、生産性、被還元性、焼結強度の指標として、生産率、被還元性RI、還元粉化指数RDIを評価した。
被還元性RIは、粒径19−21mmの焼結鉱500gを、900℃において、還元ガス(CO[30体積%]/N[70体積%])15l(15リットル)にて3時間処理した後の重量変化から算出される脱酸素量を酸化鉄中の酸素量で除して求めた。
還元粉化指数RDIは、JIS M8720(2009年)に準じて測定した。具体的には、16.0mm超過20mm以下に篩分けられた500gの成品を、550℃のもとで還元ガス(CO:30体積%、N:70体積%)により30分間還元した。そして、還元後の成品を回転ドラムに充填し、900回転させた後、2.83mm以下の粒度を有する焼結鉱と他の焼結鉱とに篩分けた。そして、2.83mm以下の粒度を有する焼結鉱の総質量(500g)に対する割合を耐還元粉化指数とした。
生産率は、点火開始から排ガス温度がピークに到達するまでに要した時間を焼結時間として、成品量を焼結時間と鍋底面積で割って算出した。
6)試験結果
試験結果を表2の下段に示す。以下に結果を詳述する。
(1)被還元性
比較例1と発明例1を対比すると、二段点火焼結法において、下段層に平均粒径3.0mm以上の粗粒炭材を使用することによって、還元粉化性をさほど悪化させずに、被還元性が2%以上向上したことがわかる。
また、発明例1と発明例2を対比すると、下段層の粉コークス配合比を3.0質量%以下に低下させるとさらに被還元性が向上したことがわかる。
これは、粉コークスの粗粒化や減配によって、下段層のO濃度低下を抑制されたためである。
発明例2から4は、造粒方法の比較であるが、被還元性に及ぼす影響は極めて小さかった。
(2)焼結強度
発明例1と発明例2を対比すると、下段層の粉コークス配合比を3.0質量%以下に低下させると還元粉化指数RDIの低下はさらに抑制されることがわかる。
発明例2から4は、造粒方法の比較であるが、還元粉化指数RDIに及ぼす影響は極めて小さかった。
(3)焼結生産性
比較例1と発明例1を対比すると、下段層に平均粒径3.0mm以上の粗粒炭材を使用することによって、生産率が向上したことがわかる。また、発明例1と発明例2を対比すると、下段層の粉コークス配合比を3.0質量%以下に低下させると生産率はさらに向上することがわかる。さらに、発明例1、2と発明例3、4を対比すると、アイリッヒミキサー(商品名)の採用、アイリッヒミキサーおよびパンペレタイザーを併用して造粒すると、造粒が強化され、生産率が10%程度顕著に向上することがわかる。
本発明によれば、二段点火焼結法において、焼結鉱の被還元性を向上させることができるので、鉄鋼製造における後の製銑工程での還元が容易となり、省エネルギーおよび低コスト化が可能となるという特段の産業上の利用性を有する。
1A…第1のドラムミキサー、1A1…高速撹拌ミキサー、1A2…皿型造粒機、1B…第1のホッパ、1C…第1の点火器、10…下段層、10A…下段層燃焼帯、2A…第2のドラムミキサー、2B…第2のホッパ、2C…第2の点火器、20…上段層、20A…上段層燃焼帯、3…焼結部、5…下流方向、6…下方吸引

Claims (3)

  1. ドワイトロイド(DL)式焼結機を構成するパレットに、
    含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第1の配合原料を供給して下段層を形成し、
    前記下段層の上部から点火し、下方から空気を吸引することにより前記下段層の焼結を開始し、
    点火後の前記下段層上に、含鉄原料、副原料、カーボン系凝結材を混合して造粒した第2の配合原料をさらに供給して上段層を形成し、
    前記上段層に点火し、下方から空気を吸引することにより前記上段層の焼結を開始し、
    その後も下方から空気を吸引することにより、前記上段層および前記下段層を焼結する二段点火焼結法による焼結鉱の製造方法であって、
    前記第1の配合原料に含まれる前記カーボン系凝結材の粒度を平均粒径3.0mm以上
    とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. さらに、前記第1の配合原料と前記第2の配合原料の総量中、前記含鉄原料と前記副原料の合計に対し、前記第1の配合原料に配合される前記カーボン系凝結材の配合比は3.0質量%以下とすることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. さらに、前記第1の配合原料は高速撹拌ミキサーおよび/または皿型造粒機で造粒されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焼結鉱の製造方法。
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