JP6510251B2 - 計測装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自転式遠心分離によって遠心分離された検体成分を計測する計測装置に関するものである。
従来、容器内の血液などの検体の各成分を遠心分離する遠心分離装置が知られている。このような遠心分離装置としては、いわゆる公転式遠心分離装置と自転式遠心分離装置とがある。
図19は、公転式遠心分離装置の概略構成およびその動作を示すものである。図19に示すように、公転式遠心分離装置では、血液BLおよび分離剤Sを収容した採血管P1などを、密閉蓋をした状態で回転させることによって遠心分離が行われる。具体的には、採血管P1が設置された回転軸Q1をモータM1によって回転させることによって採血管P1内の血液BLの各成分が遠心分離され、これにより血漿成分BPのみを取り出すことができる。
一方、図20は、自転式遠心分離装置の概略構成およびその動作を示すものである。図20に示すように、自転式遠心分離装置においては、中心から外周に向けて高くなるように傾斜した内壁を有し、容器内部に検体を貯留する貯留部が形成された遠心分離用容器P2が使用される。具体的には、遠心分離用容器P2の貯留部に血液BLを収容した後、回転軸Q2をモータM2によって回転させることによって遠心分離用容器P2自体を回転させる。このように遠心分離用容器P2が回転することによる遠心力により、血液BLの各成分が、その比重の低い成分から順番に内周側から外周側へと積層体を形成するように分離される。そして、遠心分離用容器の回転が停止すると、一般的には内周側の低比重の成分(血漿成分BP)が積層体から剥離して遠心分離用容器の底に貯留される。
公転式遠心分離装置は、一般的には血球の移動距離が長くなるため、血漿成分と血球を分離するのに比較的長い時間を要する。これに対し、自転式遠心分離装置は、血球の移動距離が短いため、遠心分離の時間を短くすることができ、また、公転式遠心分離装置よりも小型化が可能であるというメリットがある。
特開2006−119127号公報 国際公開第2006−046537号パンフレット 実公平6−12830号公報
しかしながら、自転式遠心分離装置において使用される遠心分離用容器の上面には、血液を注入したり、血漿成分を取り出すためのノズルが挿入される開口が設けられており、遠心分離中にこの開口において空気の流れFが発生する。この空気の流れFによって気液界面の空気の入れ替わりが早く、かつ血液と空気とが接する表面積も大きいため、遠心分離中の血漿成分の気化は、自然気化に比べて進行が早い。特に、血漿成分が少ない場合には、その体積に対して空気に接する表面積が大きくなるため、気化による濃度変化量が大きくなる傾向にある。すなわち、自転式遠心分離装置を用いて血漿成分を遠心分離した場合、血漿成分中の生化学物質の濃度を正確に測定することが困難である。
このような問題に対して、たとえば自転式遠心分離装置においても、遠心分離用容器の開口に密閉蓋を設けることが考えられるが、全自動で遠心分離から計測までを行う場合には、密閉蓋を外す構成が必要となり、あまり現実的ではない。一方、蓋を設けない場合には、上述したように血漿中の水分の気化によって血液中のNa(ナトリウム)などの濃度が濃縮され、また、血漿中の溶け込んだCO(炭酸ガス)などの気体が気化してしまうため、Na濃度やTCO(総炭酸ガス)濃度を正確に測定することができない。したがって、別の公転式遠心分離装置で遠心分離した血漿中の成分の計測結果とは異なる測定結果となってしまう。
特許文献1〜特許文献3においては、上述したような検体の気化を抑制するための構成を新たに設けることが開示されているが、このように新しい構成を設けるようにしたのでは、コストアップとなる。
本発明は、上記の問題に鑑み、自転式遠心分離装置によって遠心分離した検体成分のより正確な測定結果を取得可能な計測装置を提供することを目的とする。
本発明の計測装置は、容器の中心軸を回転軸としてその容器を回転させて、容器内に注入された検体を遠心分離する遠心分離部と、遠心分離部によって遠心分離された容器内の検体成分を計測する計測部と、遠心分離中の検体の気化に起因する濃度変化に基づく補正演算処理を計測結果に施す補正部とを備えることを特徴とする。
また、上記本発明の計測装置においては、計測部は、遠心分離部以外の外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体成分も計測することができ、補正部は、外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体成分の計測結果には補正演算処理を施さない、または遠心分離部によって遠心分離された検体成分の計測結果に対する補正演算処理の際に用いた演算パラメータとは異なる演算パラメータを用いて、外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体の計測結果に対して補正演算処理を施すことができる。
また、気圧情報を取得する気圧情報取得部を備え、補正部は、気圧情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、環境温度情報を取得する温度情報取得部を備え、補正部は、環境温度情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、環境湿度情報を取得する湿度情報取得部を備え、補正部は、環境湿度情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、遠心分離の時間の情報を取得する時間情報取得部を備え、補正部は、遠心分離の時間の情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、遠心分離された検体成分の量の情報を取得する検体量情報取得部を備え、補正部は、検体成分の量の情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、検体量情報取得部は、検体が血液である場合、血液のヘマトクリット値の情報を取得し、そのヘマトクリット値の情報に基づいて血漿成分の量の情報を検体成分の量の情報として取得することができる。
また、気圧情報、環境温度情報、環境湿度情報、遠心分離の時間の情報および検体の量の情報を取得する情報取得部を備え、補正部は、気圧情報、環境温度情報、環境湿度情報、遠心分離の時間の情報および検体の量の情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、計測部は、遠心分離された検体に含まれる気体成分を計測することができ、補正部は、遠心分離によって気化した気体成分の量に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、計測の対象の検体が注入された容器の情報を取得する容器情報取得部を備え、補正部は、容器の情報に基づく補正演算処理を計測結果に施すことができる。
また、補正部は、複数の容器の情報に対応する演算パラメータを記憶することができる。
本発明の計測装置によれば、自転式遠心分離によって分離された検体成分の計測結果に対し、遠心分離中の検体の気化に起因する濃度変化に基づく補正演算処理を施すようにしたので、より正確な計測結果を取得することができる。また、公転式遠心分離によって分離された検体成分の計測結果と同様の測定結果を取得することができる。
本発明の計測装置の一実施形態を用いた生化学分析装置の概略構成を示すブロック図 遠心分離用容器の構造を示す概略図 容器本体4のX−X断面の概略斜視図 容器本体4のX−X断面における内部構造を示す概略断面図 遠心分離時の遠心分離用容器内部の様子を示す概略断面図 遠心分離の工程を示す図 遠心分離部および計測部の概略構成を示す正面断面図 点着部近傍の拡大断面図 自転式遠心分離による血漿成分の蒸発量を実験によって計測した結果を示す図 補正演算処理を施した濃度C2と補正演算処理前の濃度C1とを比較した結果を示す図 気圧および血漿成分の量を固定値とした場合の補正演算処理後の濃度C2を示す図 環境温度および気圧を固定値とした場合の補正演算処理後の濃度C2を示す図 環境湿度および気圧を固定値とした場合の補正演算処理後の濃度C2を示す図 血漿成分の量、環境温度および気圧を固定値とした場合の補正演算処理後の濃度C2を示す図 蒸発量を0.7%の固定値とした場合の補正演算処理後の濃度C2を示す図 液面検出センサを用いて血漿成分などの量を計測する方法を説明するための図 遠心分離用容器内に収容された血漿成分の液面の高さHと血漿成分の量との関係を示すテーブル 本発明の計測装置のその他の実施形態を用いた生化学分析装置の概略構成を示すブロック図 公転式遠心分離装置の概略構成およびその動作を示す図 自転式遠心分離装置の概略構成およびその動作を示す図
以下、本発明の計測装置の一実施形態を用いた生化学分析装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の生化学分析装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の生化学分析装置1は、図1に示すように、遠心分離部10と、計測部20と、補正部30と、情報取得部40と、出力部50と、入力部60とを備えている。
遠心分離部10は、後述する遠心分離用容器の中心軸を回転軸として遠心分離用容器を回転させ、これにより遠心分離用容器内に注入された検体を遠心分離するものである。
計測部20は、遠心分離部10によって遠心分離された検体の成分を計測するものである。また、計測部20は、生化学分析装置1に設けられた遠心分離部10によって遠心分離された検体の成分の計測を行うだけでなく、生化学分析装置1とは異なる外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体の成分の計測も行うことができるものである。
補正部30は、計測部20における計測結果に対して補正演算処理を施すものである。この補正演算処理は、遠心分離部10における遠心分離中の検体の気化に起因する濃度変化を補正するための演算処理である。より具体的には、本実施形態の補正部30は、情報取得部40によって取得された検体の気化に関連する情報に基づいて、計測結果に対して補正演算処理を施すものである。
また、補正部30は、遠心分離部10によって遠心分離された検体の計測結果に対しては、上述した補正演算処理を施すが、外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体の計測結果に対しては補正演算処理を施さないものである。または、補正部30は、遠心分離部10によって遠心分離された検体の成分の計測結果に対する補正演算処理の際に用いた演算パラメータとは異なる演算パラメータを用いて、外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体の計測結果に対して補正演算処理を施すものである。なお、補正部30における補正演算処理については、後で詳述する。
情報取得部40は、気圧情報を取得する気圧情報取得部41と、環境温度情報を取得する環境温度情報取得部42と、環境湿度情報を取得する環境湿度情報取得部43と、遠心分離部10における遠心分離の時間の情報を取得する時間情報取得部44と、遠心分離された検体成分の量の情報を取得する検体量情報取得部45とを備えている。
気圧情報取得部41、環境温度情報取得部42および環境湿度情報取得部43は、それぞれ気圧センサ、温度センサおよび湿度センサによって検出された情報を取得するものである。各センサについては、後で詳述する。また、時間情報取得部44によって取得される遠心分離の時間情報および検体量情報取得部45によって取得される検体成分の量の情報は、それぞれキーボードまたはタッチパネルなどを備えた入力部60を用いて、ユーザによって設定入力されるものである。なお、気圧情報、環境温度情報または環境湿度情報についても、ユーザが設定入力するようにしてもよい。また、気圧情報については、必ずしもユーザが気圧情報を直接設定入力しなくてもよく、たとえば生化学分析装置1の設置場所によって、気圧は決まってくるので、設置場所の情報をユーザが設定入力するようにしてもよい。そして、この場合、気圧情報取得部41に、設置場所と気圧情報とを対応付けたテーブルを記憶しておき、このテーブルから気圧情報を取得するようにしてもよい。
また、時間情報取得部44によって取得される遠心分離の時間情報を自動的に計測するようにしてもよい。具体的には、たとえば遠心分離中における検体成分(血漿成分)の光透過率を計測し、この透過率が予め設定された閾値以下になった時点の時刻を取得し、遠心分離開始から上記時刻までの時間を遠心分離の時間として取得するようにしてもよい。
出力部50は、補正部30において補正演算処理の施された演算結果を出力するものである。具体的には、出力部50は、液晶ディスプレイなどの表示装置を備えたものであり、その表示装置に計測結果を表示するものである。なお、出力部50は、表示装置に演算結果を表示させるだけでなく、演算結果をデータサーバ装置などに出力して記憶させるようにしてもよいし、印刷装置になどに出力して演算結果を印刷物として出力させるようにしてもよい。
次に、遠心分離部10に設置される遠心分離用容器の一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態の遠心分離用容器3の構造を示す概略図である。図2のIは、遠心分離用容器3の容器本体4の斜視図であり、図2のIIは、遠心分離用容器3の蓋部5の斜視図である。また、図3は、図2のIに示す容器本体4のX−X断面の概略斜視図であり、図4は、容器本体4のX−X断面における内部構造を示す概略断面図である。
本実施形態の遠心分離用容器3は、図2から図4に示されるように、容器本体4と蓋部5とから構成される。容器本体4は、傾斜内壁部21と、底部22と、トラップ底面部24と、トラップ側面部27と、蓋部5と嵌合する嵌合部25と、これらを支える支持外壁部26とを有する。
蓋部5は、検体を注入するための開口52が形成された開口部51と、容器本体4と嵌合した際にトラップ底面部24およびトラップ側面部27と共にトラップ空間11aを形成するトラップ上面部53とを有する。
遠心分離用容器3は、底部22の中心を通りかつ底部22に垂直な軸(遠心分離用容器の中心軸C)に関して線対称な内部構造(換言すれば、中心軸Cを中心とする一種の回転体のような構造)を有し、また外観的には円柱形状を有する。遠心分離の際には、蓋部5が容器本体4の嵌合部25に嵌合された状態で例えば固着され、中心軸Cを回転軸として遠心分離用容器3が回転させられる。
図4に示されるように、容器本体4および蓋部5が嵌合することにより、検体が注入される貯留空間11が形成される。具体的には、この貯留空間11は、傾斜内壁部21、底部22、トラップ底面部24、トラップ側面部27、トラップ上面部53および開口部51によって囲まれた空間である。この貯留空間のうち、特にトラップ底面部24、トラップ側面部27およびトラップ上面部53によって挟まれた空間11aが、遠心分離用容器3を回転させて検体を遠心分離した際に高比重の成分をトラップするトラップ空間となる。
傾斜内壁部21は、漏斗状の傾斜面であり、貯留空間11の開口断面の径が開口端から暫減するように形成されたものである。また、傾斜内壁部21には凹部23が形成されている。また、傾斜内壁部21は、中心軸Cに関して凹部23と対称な位置に突起部28が形成されている。
突起部28は、遠心分離用容器3の重心位置を調整するものであり、傾斜内壁部21に凹部23が形成されたことによって形成されたものである。なお、重心位置のずれが大きくない場合(装置の騒音および振動が問題とならない場合など)には、必ずしも突起部28を形成しなくてもよい。
トラップ空間11aは中心軸Cを中心とする円環形状を有し、トラップ空間11aの体積は注入される検体の量に応じて設計される。また、例えばトラップ空間11aには、予め分離剤(または分離ゲル)が配置される。この分離剤は、検体中の分離したい低比重の成分および高比重の成分に応じて、各成分の比重の中間の比重を有する材料から適宜選択される。具体的には、血液中の血漿(低比重の成分)および血球(高比重の成分)を分離する場合には、血漿の比重と血球の比重との中間の比重を有する材料を選択すればよい。
蓋部5の開口部51は、たとえば頂点が切断された円錐形状を有し、開口52に行くほど開口断面の径が小さくなる傾斜面を有する。この傾斜面により貯留空間11の上側部分が形成されている。
次に、上述した遠心分離用容器3の機能について説明する。遠心分離は、上述した遠心分離用容器3を、中心軸Cを回転軸として回転させることによって行われる。図5は、遠心分離時の遠心分離用容器内部の様子を示す概略断面図である。図5では、低比重の成分6aおよび高比重の成分6bを有する検体6が遠心分離された結果、貯留空間11の外周側領域に、遠心分離の成果物としての積層体が形成された状態が示されている。この積層体は、内周側から順に低比重の成分6aの層、分離剤7の層および高比重の成分6bの層が積層されたものである。
図5に示されるように、凹部23は、傾斜内壁部21の外周端部に設けられている。これにより、低比重の成分6aの凹部23上に存在する部分が他の領域に存在する部分に比べて積層体から剥離しやすくなる。
次に、上述した遠心分離用容器3を用いた遠心分離の工程について説明する。図6は、遠心分離の工程を示す図である。
まず、トラップ空間11aに分離剤7が予め配置された遠心分離用容器3が用意され、その遠心分離用容器3の開口52から貯留空間11に検体6が注入される(図6のI)。次に、検体6が注入された遠心分離用容器3は、遠心分離部10に設置されて回転させられる。このとき、回転の遠心力により遠心分離用容器3の内容物が、比重に応じて分離し、貯留空間11の外周側に積層体を形成する(図6のII)。高比重の成分6bは、分離剤7によってトラップ空間11aに捕捉される。
次に、遠心分離用容器3の回転が止まると、凹部23上に存在する低比重の成分6aの部分から剥離が開始し(図6のIII)、その凹部23上の部分の低比重の成分6aの剥離に追随するようにその他の部分も徐々に剥離が進行する。一方、高比重の成分6bは、トラップ空間11aにそのまま残ることになる。そして、すべての低比重の成分6aが積層体から剥離すると、低比重の成分6aは貯留空間11の下方にたまり、低比重の成分6aのみが抽出され回収可能な状態となる(図6のIV)。
次に、本実施形態の生化学分析装置1の遠心分離部10および計測部20の構成について、図7および図8を参照しながら詳細に説明する。図7は、遠心分離部10および計測部20の概略構成を示す正面断面図、図8は、図7に示す計測部20の点着部近傍の拡大断面図である。
計測部20は、図7および図8に示すように、点着部100、インキュベータ200、測光ヘッド210、点着機構300、素子搬送機構400(図7では図示省略している)、チップ廃却部500および各種機構を制御する制御部などを備えている。
点着部100は、搬送された乾式分析素子101に血漿などの遠心分離された検体成分の点着が行われる部分である。なお、本実施形態においては、点着部100に比色測定タイプの乾式分析素子101が搬送され、その乾式分析素子101に対して点着機構300によって検体成分が点着される。
点着部100は、図8に示すように、点着用開口104aが形成された素子押え104を備えている。そして、素子押え104の下方には、乾式分析素子101が通過する空間104bが形成されている。
乾式分析素子101は、素子搬送機構400によって空間104bに配置され、点着機構300によって点着された後、素子搬送機構400によって押し出されてインキュベータ200に移送される。
素子搬送機構400は、図8に示すように、乾式分析素子101を後述する素子カートリッジ102から点着部100へ、さらにインキュベータ200へ搬送する素子搬送部材401を備える。素子搬送部材401はガイドロッド402により摺動自在に支持され、不図示の駆動機構によって往復移動操作される。素子搬送部材401の先端部は、縦板403のガイド穴403aに挿入され、このガイド穴403aを摺動する。
そして、点着部100に続いてノズルチップ301が廃却されるチップ廃却部500が配置されている。
インキュベータ200は円形で、比色タイプの乾式分析素子101を収容して所定時間恒温保持し、比色測定を行う。
点着機構300は上部に配設され、昇降移動する点着ノズル302が、検体の点着を行う。点着ノズル302は、その先端にノズルチップ301が装着され、そのノズルチップ301内に検体を吐出するものである。使用後のノズルチップ301はチップ廃却部500で外されて下方に落下し、廃却される。
点着機構300は、固定フレーム310の水平ガイドレール312に、横方向に移動可能に保持された移動フレーム303を備え、この移動フレーム303に昇降移動可能に2本の点着ノズル302が設置されている。移動フレーム303には中央に縦ガイドレール304が設けられており、この縦ガイドレール304の両側に2つのノズル固定台305が摺動自在に保持されている。ノズル固定台305の下部には、それぞれ点着ノズル302の上端部が固着されている。また、ノズル固定台305の上部には、上方に延びる軸状部材が設けられており、その軸状部材が駆動伝達部材306に挿通されている。ノズル固定台305と駆動伝達部材306との間に介装された圧縮バネにより、ノズルチップ301の嵌合力を得るようになっている。ノズル固定台305は駆動伝達部材306と一体に上下移動可能であると共に、点着ノズル302の先端部にノズルチップ301を嵌合する際に、圧縮バネの圧縮でノズル固定台305に対して駆動伝達部材306が下降移動可能である。駆動伝達部材306は、上下のプーリ307に設けられたベルト308に固定され、不図示のモータによるベルト308の走行に応じて上下移動する。
また、移動フレーム303は不図示のベルト駆動機構によって横方向に駆動され、2つのノズル固定台305は独自に上下移動するように、その横移動および上下移動が制御され、2つの点着ノズル302は、一体に横移動すると共に、独自に上下移動するように構成されている。
点着ノズル302は棒状に形成され、内部にエア通路が設けられ、下端にはピペット状のノズルチップ301がシール状態で嵌合される。
また、点着部100の近傍には、素子カートリッジ102が設けられている。素子カートリッジ102は、図8に示すように、上方から未使用の乾式分析素子101が複数枚重ねられて挿入される。素子カートリッジ102が素子搭載部103に装填されると、下端部が素子搭載部103の底壁103aに保持され、素子搬送面と同一高さに最下端部の乾式分析素子101が位置し、その最下端部の点着部100側の面には1枚の乾式分析素子101のみが通過し得る開口13aが、反対側の面には素子搬送部材401が挿通可能な開口102bが形成されている。
比色測定を行うインキュベータ200は、外周部に円環状の回転部材201を備えている。回転部材201は、回転筒202を介して下部のベアリング209に回転可能に支持されている。回転部材201の上面には円周上に所定間隔で複数の凹部が形成されており、この凹部によってスリット状空間からなる素子室203(図8参照)が形成されている。
また、回転筒202の内孔は、測定後の乾式分析素子101の廃却孔204として形成され、素子室203の乾式分析素子101がそのまま中心側に移動し、落下して廃却される。
回転部材201の上方には、加熱手段が配設された部材205が設けられている。加熱手段の温度調整によって素子室203内の乾式分析素子101を所定の温度に恒温保持することができる。また、部材205には、素子室203に対応する位置に、乾式分析素子101を上から押えて検体の蒸発防止を行う押え部材206が配設されている。部材205の上方には保温カバー207が配設され、さらにインキュベータ200は全体が遮光カバー208によって覆われる。インキュベータ200の回転駆動は、不図示のベルト機構により行われ、往復回転駆動される。
さらに、回転部材201の各素子室203の底面中央には測光用の開口窓203aが形成され、この開口窓203aを通して測光ヘッド210による乾式分析素子101の反射光学濃度の測定が行われる。測光ヘッド210による測定結果は、図1に示す補正部30に出力される。
なお、本実施形態では、比色タイプの乾式分析素子を用いて計測を行うようにしたが、これに限らず、電解質タイプの乾式分析素子を用いて電位差測定法によって測定を行うようにしてもよい。
遠心分離部10は、図7に示すように、遠心分離用容器3の回転からユーザを保護するための開閉蓋10aを有し、遠心分離用容器3を収容する収容空間10bを形成する筺体12と、収容空間10b内に設けられ、遠心分離用容器3が装着される回転台13とを備える。また、遠心分離容器3の回転中に開閉蓋10aが開かないように開閉蓋10aをロックするロック機構(図示省略)が設けられている。また、開閉蓋10aの遠心分離用容器3上の位置には、ノズルチップ301が出し入れされる開口10cが形成されている。ユーザが遠心分離用容器3を設置する際には、開閉蓋10aが開かれ、遠心分離用容器3から遠心分離後の検体成分を取り出す際には、開閉蓋10aは閉じられたままの状態で、ノズルチップ301が開口10cに挿入される。
遠心分離用容器3は、開閉蓋10aが開けられた状態で収容空間10bに収容され、回転台13に装着される。回転台13は、不図示の回転機構(例えばモーター等)により回転自在に支持されており、回転台13に装着された遠心分離用容器3の中心軸Cと回転台の回転軸とが一致した状態で遠心分離用容器3を回転させる。
また、遠心分離用容器3の収容空間10bの回転台13の近傍には、環境温度を計測する温度センサ14と、環境湿度を計測する湿度センサ15と、気圧を計測する気圧センサ16とが設けられている。これらのセンサによって計測された環境温度情報、環境湿度情報および気圧情報が、上述した情報取得部40の環境温度情報取得部42、環境湿度情報取得部43および気圧情報取得部41にそれぞれ取得される。
次に、本実施形態の生化学分析装置1の全体動作について説明する。なお、ここでは生化学分析装置1の補正部30における動作を中心に説明する。
まず、遠心分離部10の回転台13上に、検体が収容された遠心分離用容器3が設置され、遠心分離が行われる。本実施形態においては、遠心分離用容器3に血液が収容され、これを遠心分離することによって血漿成分を得るものとする。
次に、乾式分析素子101が、素子搬送機構400によって素子カートリッジ13から取り出されて点着部100に搬送される。
そして、ノズルチップ301が装着された点着ノズル302が遠心分離用容器3の上方に移動し、点着ノズル302が下降して、ノズルチップ301に遠心分離用容器3内の血漿成分を吸引し、点着ノズル302を点着部100に移動して、乾式分析素子101に血漿成分を点着する。なお、この際、遠心分離部10の開閉蓋10aは開かれているものとする。
そして、血漿成分が点着された乾式分析素子101がインキュベータ200の素子室203に挿入される。次に、素子室203を回転して、所定時間恒温保持した後、挿入された乾式分析素子101を測光ヘッド210の位置に移動させ、乾式分析素子101の反射光学濃度の測定が行われる。
測光ヘッド210による測定結果は、補正部30に出力される。補正部30は、入力された測定結果に基づいて、血漿成分に含まれる所定の生化学物質の濃度を算出する。
ここで、上述したように、いわゆる自転式遠心分離を行った場合、公転式遠心分離を行った場合と比較すると、気液界面の空気の入れ替わりが早く、かつ検体と空気とが接する表面積も大きいため、遠心分離中の液体成分の気化は、自然気化に比べて進行が早い。特に、液体成分が少ない場合には、その体積に対して空気に接する表面積が大きくなるため、気化のよる濃度変化量が大きくなる傾向にある。
図9は、自転式遠心分離による血漿成分の蒸発量を実験によって計測した結果を示すものであり、環境温度、環境湿度および血漿成分の量と蒸発量との関係を示したものである。図9の左側のグラフは、環境温度を15℃として環境湿度を30%、50%および80%に変化させた場合の蒸発量を示すグラフであり、図9の中央のグラフは、環境温度を25℃として環境湿度を30%、50%および80%に変化させた場合の蒸発量を示すグラフであり、図9の右側のグラフは、環境温度を32℃として環境湿度を30%、50%および80%に変化させた場合の蒸発量を示すグラフである。また、血漿成分の量を250μLとした場合と、550μLとした場合とで計測を行った。遠心分離の条件は、回転速度を18000min―1として、120秒間回転させた。
図9のグラフに示すとおり、環境温度が高いほど蒸発量は増加し、環境湿度が高いほど蒸発量は減少し、血漿成分の量が少ないほど蒸発量が多くなった。
そこで、本実施形態の補正部30では、計測部20において実際に計測された結果に対して、上述したような血漿成分の気化に起因する生化学物質の濃度変化を補正するための補正演算処理を施す。
具体的には、本実施形態の補正部30は、補正演算処理として、下式(1)に基づいて蒸発量J(%)を算出し、実際に測定された生化学物質の濃度C1と下式(2)とに基づいて、気化による濃度変化が補正された生化学物質の濃度C2を算出する。
蒸発量J(%)={A×V×T×R+B×T×R+C×V×R+D×V×T+E×R+F×T+G×V+H}×(t÷120)×(101÷P) ・・・(1)
ただし、Vは血漿成分の量(μL)であり、Tは環境温度(℃)であり、Rは環境湿度(%)であり、tは遠心分離の時間(s)であり、Pは気圧(kPa)である。これらの情報は、情報取得部40によって取得された情報である。また、上式(1)のA〜Hは、実験結果から求められる定数であり、下表1に示されるとおりである。
補正後の濃度C2=補正前の測定濃度C1×(1−蒸発量J(%)/100)・・・(2)
たとえば、上式(1)によって算出された蒸発量J=1.5%であり、実際の測定濃度C1=10mg/dLの場合、補正後の濃度C2=9.85mg/dLである。
そして、補正部30は、補正演算処理後の濃度C2を出力部50に出力する。出力部50は、入力された補正演算処理後の濃度C2を表示装置に表示させたり、データサーバ装置に出力して記憶させたり、印刷装置に出力して印刷物として出力させたりする。
次に、上述した本実施形態の補正演算処理の効果について説明する。図10は、本実施形態の補正演算処理を施した濃度C2と補正演算処理前の濃度C1とを比較した結果を示すものである。図10に示す実際の補正演算処理前の濃度C1は、45歳のヒト(男性)の全血であって、ヘマトクリット値が40%の全血1mLを自転式遠心分離によって2分間遠心分離して血漿成分を取得し、その血漿成分中のNa濃度を測定した結果である。環境温度を15℃、25℃および32℃として、湿度を30%、50%および80%と変化させた場合のNa濃度の測定結果を示している。このときの気圧は101kPaとした。測定部としては、FDC7000(富士フイルム株式会社製)を用い、乾式分析素子としては電解質タイプのものを用いた。また、図10に示す実際の補正演算処理後の濃度C2は、上記の条件で実際に測定した濃度C1に対して、上式(1)および上式(2)を用いて補正演算処理を施した結果である。
なお、上述した全血を、公転式遠心分離装置であるACNO−3(株式会社アトムベッツメディカル製)を用いて遠心分離を行って取得した血漿成分中のNa濃度は、12mmol/Lであった。ここでは、この値を真値として考える。
図10に示すグラフによれば、補正演算処理前の濃度C1よりも補正演算処理後の濃度C2の方が、真値である12mmol/Lに近い値であることがわかった。すなわち、補正演算処理後の濃度C2の方が、血漿成分の気化に起因する濃度変化がより少ないことがわかった。
なお、上記実施形態においては、実際の環境温度、環境湿度、気圧、遠心分離時間および血漿成分の量の情報を上式(1)に代入して蒸発量Jを算出するようにしたが、必ずしもこれらの全ての情報について実際の値を取得しなくてもよく、一部の情報については、固定値を使用するようにしてもよい。たとえば、図11は、環境温度、環境湿度および遠心分離時間のみ実際の値を代入し、気圧および血漿成分の量については、固定値を使用した場合の補正演算処理後の濃度C2を示すものである。なお、気圧は101kPa、血漿成分の量は400μLとした。実際に濃度C1を計測する際における血漿成分の量は250μLであった。図11のグラフに示すように、血漿成分の量および気圧の値を固定値として上式(1)および上(2)を用いて濃度C2を計算したとしても、真値である12mmol/Lに近い値を算出することができた。
また、図12は、血漿成分の量、環境湿度および遠心分離時間のみ実際の値を代入し、環境温度および気圧については、固定値を使用した場合の補正演算処理後の濃度C2を示すものである。なお、気圧は101kPa、環境温度は25℃とした。実際に濃度C1を計測する際における血漿成分の量は400μLであった。図12のグラフに示すように、環境温度および気圧の値を固定値として上式(1)および上(2)を用いて濃度C2を計算したとしても、真値である12mmol/Lに近い値を算出することができた。
また、図13は、血漿成分の量、環境温度および遠心分離時間のみ実際の値を代入し、環境湿度および気圧については、固定値を使用した場合の補正演算処理後の濃度C2を示すものである。なお、気圧は101kPa、環境湿度は50%とした。実際に濃度C1を計測する際における血漿成分の量は400μLであった。図13のグラフに示すように、環境湿度および気圧の値を固定値として上式(1)および上(2)を用いて濃度C2を計算したとしても、真値である12mmol/Lに近い値を算出することができた。
また、図14は、環境湿度および遠心分離時間のみ実際の値を代入し、血漿成分の量、環境温度および気圧については、固定値を使用した場合の補正演算処理後の濃度C2を示すものである。なお、血漿成分の量は400μL、気圧は101kPa、環境温度は25℃とした。実際に濃度C1を計測する際における血漿成分の量は250μLであった。図14のグラフに示すように、血漿成分の量、環境温度および気圧の値を固定値として上式(1)および上式(2)を用いて濃度C2を計算したとしても、真値である12mmol/Lに近い値を算出することができた。
図11〜図14に示した補正演算処理の結果から、上式(1)を用いて蒸発量を算出する場合、環境温度、環境湿度および血漿成分の量は、必ずしも全てについて実際の値を用いなくてもよく、一部の値については固定値としてもよいことがわかる。
また、上記実施形態においては、上式(1)を用いて蒸発量Jを算出するようにしたが、蒸発量Jを固定値としてもよい。図15は、蒸発量Jを0.7%の固定値として上式(2)を用いて濃度C2を算出した場合のグラフを示すものである。図15のグラフに示すように、蒸発量Jを固定値として上式(2)を用いて濃度C2を計算したとしても、真値である12mmol/Lに近い値を算出することができた。
また、上記実施形態においては、上式(2)に示すように、血漿成分の蒸発によって増加した分のNa濃度を実際の測定濃度から減算するようにしたが、たとえば、測定対象が血漿成分に含まれるTCOである場合には、血漿成分の蒸発によってTCOの一部も血漿成分とともに放出されることになる。
したがって、測定対象がTCOである場合には、上式(2)の代わりに下式(3)を用いて補正演算処理を行うことによって、放出されたTCOの量を実際の測定結果に加算するようにしてもよい。
補正後の濃度C2=補正前の測定濃度C1×(1+3×蒸発量J(%))・・・(3)
なお、上式(3)において蒸発量に乗算される数値「3」は、実験結果から予め取得した数値である。
ただし、蒸発量に乗算される数値については、たとえば測定対象の種類に応じて変更するようにしてもよい。具体的には、たとえば複数の測定対象の種類と蒸発量に乗算される数値とを対応づけたテーブルを装置内に予め記憶しておき、ユーザによる測定対象の種類の入力またはFDC7000(富士フイルム株式会社製)のように試薬に付されているドットコードから種類の情報を受け取り、テーブルを参照することによって、蒸発量に乗算される数値を設定するようにしてもよい。
また、Na濃度およびTCOなどといった測定対象の種類に応じて、上式(2)や上式(3)のような補正演算処理の演算式を変更するようにしてもよい。具体的には、たとえば複数の測定対象の種類と補正演算処理に用いられる演算式とを対応付けて装置内に記憶しておき、ユーザによる測定対象の種類の入力またはFDC7000(富士フイルム株式会社製)のように試薬に付されているドットコードから種類の情報を受け取り、その種類に対応した補正演算処理に用いられる演算式を設定するようにしてもよい。
また、上述したように、本実施形態の生化学分析装置1における計測部20は、生化学分析装置1に内蔵された遠心分離部10によって遠心分離された検体だけでなく、外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体に含まれる生化学物質も計測可能なものであるが、外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体を計測する場合には、補正部30は、上述したような補正演算処理を行わないようにしてもよい。この場合、出力部50は、実際に計測された結果を表示装置に表示したり、印刷装置に出力したりする。
また、上述したように外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体成分を計測する場合、補正演算処理を行わないのではなく、上式(1)におけるA〜Hの定数(以下、演算パラメータという)をゼロに設定するようにしてもよい。なお、内蔵された遠心分離部10によって遠心分離された検体を測定するのか、または外部遠心分離装置2によって遠心分離された検体を計測するのかの情報については、ユーザが入力部60を用いて入力するようにすればよい。
また、必ずしも演算パラメータをゼロにする必要はなく、たとえば外部遠心分離装置2に応じた演算パラメータを設定しておき、その演算パラメータを用いて上式(1)の演算処理を行うようにしてもよい。さらに、複数の外部遠心分離装置の種類と演算パラメータとを対応づけたテーブルを装置内に予め記憶しておき、ユーザによる外部遠心分離装置の種類の入力を受け付けてテーブルを参照することによって、演算パラメータを設定するようにしてもよい。なお、外部遠心分離装置の種類に応じた演算パラメータは、実験などによって予め求めるようにすればよい。
また、上記実施形態の上式(1)においては、血漿成分の量を考慮して蒸発量Jを算出するようにしているが、この血漿成分の量は、ユーザが入力部60を用いて設定入力するようにしてもよいし、たとえばセンサなどを用いて計測するようにしてもよい。
ユーザが入力部60を用いて設定入力する場合には、必ずしも血漿成分の量そのものを設定入力しなくてもよく、たとえばヘマトクリット値と遠心分離用容器に分注された全血の量をユーザが設定入力し、補正部30が、下式(4)を用いて血漿成分の量を算出するようにしてもよい。
血漿成分の量=全血の量×(1−ヘマトクリット値(%)/100)・・・(4)
また、上式(4)に基づいて血漿成分の量を算出する場合、全血の量については、ユーザが設定入力するのではなく、センサなどを用いて計測するようにしてもよい。また、遠心分離後の血漿成分の量をセンサなどを用いて直接計測するようにしてもよい。
血漿成分の量や全血の量をセンサによって計測する方法としては、重量センサを用いるようにしてもよいし、液面検出センサを用いて血漿成分や全血の液面を検出し、その液面の高さに基づいて量を算出するようにしてもよい。具体的には、図16に示すように、遠心分離用容器3内に収容された全血または血漿成分の液面の高さHを測定し、この高さHに基づいて、全血の量や血漿成分の量を算出するようにしてもよい。液面の高さHと全血や血漿成分の量との関係については、たとえば図17に示すようなテーブルを予め設定しておくようにすればよい。また、液面検出センサについては、種々の公知なものを用いることができる。
なお、上述したようにセンサによって血漿成分の量を計測する場合には、血漿成分中の生化学物質の計測を行う毎にその都度、血漿成分の量を計測し、その計測した量を用いて補正演算処理を行うことが望ましい。
また、上記実施形態において、複数の大きさ(体積)の遠心分離用容器を使用する場合には、その大きさによって遠心分離用容器内の検体と空気とが接触する面積が異なるため、遠心分離による検体の気化量も異なるものとなる。そこで、図18に示すように、容器情報取得部46をさらに設け、この容器情報取得部46によって取得された遠心分離用容器の種類の情報に基づいて、上式(1)の演算パラメータを設定するようにしてもよい。具体的には、たとえば補正部30に、複数種類の遠心分離用容器に対応する演算パラメータをそれぞれ記憶しておき、容器情報取得部46によって取得された遠心分離用容器の情報に基づいて、演算パラメータを設定するようにすればよい。
遠心分離用容器の種類の情報については、ユーザが入力部60を用いて設定入力するようにしてもよいし、または、各遠心分離用容器上にその種類情報が記憶されたIC(integrated circuit)タグまたはバーコードなどを設け、これらをユーザが装置に接続したリーダ装置などを用いて読み出すことによって取得するようにしてもよいし、装置内で自動的に読み出すことによって取得するようにしてもよい。また、遠心分離用容器の種類の情報としては、容器の容量または開口径などを用いるようにしてもよい。
1 生化学分析装置
2 外部遠心分離装置
3 遠心分離用容器
4 容器本体
5 蓋部
6 検体
6a 低比重の成分
6b 高比重の成分
7 分離剤
10 遠心分離部
10a 開閉蓋
10b 収容空間
11 貯留空間
11a トラップ空間
12 筺体
13 回転台
13 素子カートリッジ
13a 開口
14 温度センサ
15 湿度センサ
16 気圧センサ
20 計測部
21 傾斜内壁部
22 底部
23 凹部
24 トラップ底面部
25 嵌合部
26 支持外壁部
27 トラップ側面部
28 突起部
30 補正部
40 情報取得部
41 気圧情報取得部
42 環境温度情報取得部
43 環境湿度情報取得部
44 時間情報取得部
45 検体量情報取得部
46 容器情報取得部
50 出力部
51 開口部
52 開口
53 トラップ上面部
60 入力部
100 点着部
101 乾式分析素子
102 素子カートリッジ
102b 開口
103 素子搭載部
103a 底壁
104a 点着用開口
104b 空間
200 インキュベータ
201 回転部材
202 回転筒
203 素子室
203a 開口窓
204 廃却孔
207 保温カバー
208 遮光カバー
209 ベアリング
210 測光ヘッド
300 点着機構
301 ノズルチップ
302 点着ノズル
303 移動フレーム
304 縦ガイドレール
305 ノズル固定台
306 駆動伝達部材
307 プーリ
308 ベルト
310 固定フレーム
312 水平ガイドレール
400 素子搬送機構
401 素子搬送部材
402 ガイドロッド
403 縦板
403a ガイド穴
500 チップ廃却部

Claims (11)

  1. 容器の中心軸を回転軸として該容器を回転させて、該容器内に注入された検体として血液を遠心分離する遠心分離部と、
    該遠心分離部によって遠心分離された前記容器内の検体成分として血漿成分を計測する計測部と、
    前記遠心分離中の前記検体の気化に起因する濃度変化に基づく補正演算処理を前記計測結果に施す補正部とを備えることを特徴とする計測装置。
  2. 前記計測部が、前記遠心分離部以外の外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体成分も計測し、
    前記補正部が、前記外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体成分の前記計測結果には前記補正演算処理を施さない、または前記遠心分離部によって遠心分離された検体成分の前記計測結果に対する前記補正演算処理の際に用いた演算パラメータとは異なる演算パラメータを用いて、前記外部の遠心分離装置によって遠心分離された検体の前記計測結果に対して前記補正演算処理を施す請求項1記載の計測装置。
  3. 気圧情報を取得する気圧情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記気圧情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1または2記載の計測装置。
  4. 環境温度情報を取得する温度情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記環境温度情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1から3いずれか1項記載の計測装置。
  5. 環境湿度情報を取得する湿度情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記環境湿度情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1から4いずれか1項記載の計測装置。
  6. 前記遠心分離の時間の情報を取得する時間情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記遠心分離の時間の情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1から5いずれか1項記載の計測装置。
  7. 前記遠心分離された検体成分の量の情報を取得する検体量情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記検体成分の量の情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1から6いずれか1項記載の計測装置。
  8. 前記検体量情報取得部が、前記検体が血液である場合、該血液のヘマトクリット値の情報を取得し、該ヘマトクリット値の情報に基づいて血漿成分の量の情報を前記検体成分の量の情報として取得する請求項7記載の計測装置。
  9. 気圧情報、環境温度情報、環境湿度情報、前記遠心分離の時間の情報および前記検体の量の情報を取得する情報取得部を備え、
    前記補正部が、気圧情報、環境温度情報、環境湿度情報、前記遠心分離の時間の情報および前記検体の量の情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1記載の計測装置。
  10. 前記計測の対象の検体が注入された容器の情報を取得する容器情報取得部を備え、
    前記補正部が、前記容器の情報に基づく前記補正演算処理を前記計測結果に施す請求項1からいずれか1項記載の計測装置。
  11. 前記補正部が、複数の前記容器の情報に対応する前記補正演算処理の演算パラメータを記憶する請求項10記載の計測装置。
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