JP2003329691A - 生化学分析装置 - Google Patents

生化学分析装置

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JP2003329691A
JP2003329691A JP2002137967A JP2002137967A JP2003329691A JP 2003329691 A JP2003329691 A JP 2003329691A JP 2002137967 A JP2002137967 A JP 2002137967A JP 2002137967 A JP2002137967 A JP 2002137967A JP 2003329691 A JP2003329691 A JP 2003329691A
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Tatsuya Yanagawa
達也 柳川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の検体の測定が可能な生化学分析装置に
おいて、多機能に対応した専任オペレーターの操作が行
えると共に、操作に精通していない非専任者が操作する
場合でも操作ミスがないように簡易に扱えるようにす
る。 【解決手段】 複数の操作キー72〜79を有するインター
フェース7に、通常の測定操作に不要な操作キーを隠す
簡易操作用のカバー80を着脱可能に備えてなる。また、
外部コンピュータの画面に表示された複数の操作ボタン
を有するインターフェースの表示を通常の測定操作に不
要な操作ボタンを非表示とした簡易操作用に切替表示す
るようにしてもよい。不慣れな非専任者が使用する際
に、操作可能な機能が限定されて、迷うことなく通常の
分析操作が正常に行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液、尿等の複数
の検体をセットし、比色タイプの乾式分析素子、電解質
タイプの乾式分析素子などを用いて検体中の所定の生化
学物質の物質濃度、イオン活量等を求める生化学分析装
置に関し、特に指示操作を行うインターフェースに関す
るするものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、検体の小滴を点着供
給するだけでこの検体中に含まれている特定の化学成分
または有形成分を定量分析することのできる比色タイプ
の乾式分析素子や検体に含まれる特定イオンのイオン活
量を測定することのできる電解質タイプの乾式分析素子
が開発され、実用化されている。これらの乾式分析素子
を用いた生化学分析装置は、簡単かつ迅速に検体の分析
を行うことができるので、医療機関、研究所等において
好適に用いられている。
【0003】比色タイプの乾式分析素子を使用する比色
測定法は、検体を乾式分析素子に点着させた後、これを
インキュベータ内で所定時間恒温保持して呈色反応(色
素生成反応)させ、次いで検体中の所定の生化学物質と
乾式分析素子に含まれる試薬との組み合わせにより予め
選定された波長を含む測定用照射光をこの乾式分析素子
に照射してその光学濃度を測定し、この光学濃度から、
予め求めておいた光学濃度と所定の生化学物質の物質濃
度との対応を表す検量線を用いて該生化学物質の濃度を
求めるものである。一方、電解質タイプの乾式分析素子
を使用する電位差測定法は、上記の光学濃度を測定する
代わりに、同種の乾式イオン選択電極の2個1組からな
る電極対に点着された検体中に含まれる特定イオンの活
量を、参照液を用いてポテンシオメトリで定量分析する
ことにより求めるものである。
【0004】上記いずれの方法においても、液状の検体
は検体容器(採血管等)に収容して装置にセットすると
共に、その測定に必要な乾式分析素子を装置に搭載し、
乾式分析素子を搭載位置から点着部およびインキュベー
タへ搬送する一方、点着装置の点着ノズルによって検体
を搭載位置から点着部へ供給して乾式分析素子へ点着す
るものである。
【0005】また、上記のような生化学分析装置などに
おいては、複数の検体を搭載して測定が行えるように、
分析項目数も多数の項目に対応できるように、多機能に
構成することが、効率的にも、操作性の点でも好適であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な生化学分析装置では、分析装置に設置された操作パネ
ル、または、分析装置に接続された表示画面などのイン
ターフェースのキー操作または入力操作によって、自動
分析または緊急分析の開始、初期設定等の各種設定、測
定前の検体依頼処理等の分析指示、手動操作などを行う
ようになっている。また、測定特性の補正を行うキャリ
ブレーション操作についても、測定情報の設定や試薬情
報の入力など前段階の指示作業をインターフェースの操
作によって行っている。
【0007】そのため、生化学分析装置では、上記のよ
うに様々な機能に対応するために、そのインターフェー
スにおける操作キーの数や、表示画面の操作ボタンの数
が多く、それによる選択項目が多く複雑となり、専任オ
ペレーターでないと全体の機能を把握していないのが実
状である。
【0008】しかし、病院などの医療機関では、専任オ
ペレーターが不在である休日、夜間等の時間外において
も、緊急に検体分析が必要となるものであり、このとき
には精通していない非専任者が上記分析装置の操作を行
うことになるが、複雑なインターフェースであるため、
迷って不必要なキー操作等の操作ミスが発生しやすく、
正常な分析作動が実行できなくなったり、故障の発生原
因となったりする場合がある。
【0009】上記のような分析装置の基本的な分析動作
は自動化されており、例えば、使用者は検体およびその
分析に必要な乾式分析素子を装置にセットし、スタート
操作を行うと、自動的に測定が開始されるようになって
おり、通常の分析操作は不慣れな非専任者であっても簡
易に行えるように設定されている。
【0010】本発明はかかる点に鑑み、多機能に対応し
た専任オペレーターの操作が行えると共に、専任オペレ
ーターが不在で非専任者が操作する場合でも誤操作が行
われることがないように簡易に扱えるようにした生化学
分析装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の生化学分析装置
は、複数の検体が搭載可能で、複数の操作キーを有する
インターフェースを備え、該インターフェースの操作キ
ーの操作に基づき前記検体の成分を測定する生化学分析
装置において、前記インターフェースに、通常の測定操
作に不要な操作キーを隠す簡易操作用のカバーを備えた
ことを特徴とするものである。
【0012】前記カバーで隠す領域は、適宜変更可能で
ある。前記カバーは、少なくともスタートキーを露出さ
せ、自動測定動作を開始させる。または、これに加え
て、検体キーを露出させ、新たにセットした検体のみを
測定するようにしてもよい。前記カバーの少なくとも一
部をスライド式等に可動式に設けて隠す範囲を変更可能
としてもよい。カバーで隠された範囲の操作キーの操作
を無効としてもよい。例えば、隠蔽する操作キーは、測
定特性の調整等に必要な入力キー、キャリブレーション
キー、手動測定の選択キーなどである。
【0013】また、本発明の他の生化学分析装置は、複
数の検体が搭載可能で、制御系に接続された表示画面に
表示された複数の操作ボタンを有するインターフェース
を備え、該インターフェースの操作ボタンの操作に基づ
き前記検体の成分を測定する生化学分析装置において、
前記インターフェースの表示が簡易操作用に切替可能で
あり、簡易操作用の表示画面では通常の測定操作に不要
な操作ボタンを非表示としたことを特徴とするものであ
る。
【0014】前記簡易操作用の表示画面で表示する操作
ボタンは、適宜変更可能である。前記簡易操作用の表示
画面では、少なくともスタートボタンを表示し、自動測
定動作を開始させる。また、簡易操作用の表示画面で表
示する操作ボタンは、カスタマイズが可能である機能を
有することが好適である。インターフェースの操作ボタ
ンは、マウス入力、タッチパネル入力、キーボード入力
などにより操作する。インターフェースの表示画面の切
り替えには、パスワードを必要としてもよい。
【0015】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、複数の操
作キーを有するインターフェースに通常の測定操作に不
要な操作キーを隠す簡易操作用のカバーを備えたことに
より、または、表示画面に表示された複数の操作ボタン
を有するインターフェースの表示を通常の測定操作に不
要な操作ボタンを非表示とした簡易操作用に切替表示す
るようにしたことにより、専任オペレーター以外の不慣
れな非専任者であっても、時間外や緊急時などに使用す
る際に、操作可能な機能が限定されているため、迷うこ
となく通常の分析操作が正常に行えると共に、操作ミス
が低減して、安定した使用が行える。
【0016】つまり、本発明によれば、専任オペレータ
ーが操作する場合と、非専任者が操作する場合とで、そ
れぞれ必要とする機能が動作するように、操作キーの目
隠しや画面の表示を抑制して、非専任者が使用する場合
は機能が限定され、間違うことなく操作できる簡易なイ
ンターフェースとなり、操作ミスを防止して操作性が向
上し、容易に分析が行え、故障の発生要因となることも
ない。
【0017】また、専任オペレーターであっても、通常
の分析操作をする場合には簡易操作用のインターフェー
ス形態とすれば、操作が簡易で操作ミスがなく容易に分
析が行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に沿って説明する。図1は一実施形態の生化学分析装置
の概略機構を示す部分断面正面図、図2は生化学分析装
置の要部機構の平面図、図3はカバーを外し全体を露出
したインターフェースの要部正面図、図4はカバーを装
着し簡易操作用としたインターフェースの要部正面図で
ある。
【0019】図1および図2により生化学分析装置1の
全体構成を説明する。この生化学分析装置1は、サンプ
ラトレイ2、点着部3、第1のインキュベータ4、第2
のインキュベータ5、点着装置6、不図示の素子搬送機
構、移送機構8、チップ廃却部9、素子廃却機構10な
どを備えてなる。
【0020】サンプラトレイ2は円形で、検体を収容し
た検体容器11、未使用の乾式分析素子12(比色タイ
プの乾式分析素子および電解質タイプの乾式分析素子)
を収容した素子カートリッジ13、消耗品(ノズルチッ
プ14、希釈液容器15、混合カップ16および参照液
容器17)を搭載する。なお、検体容器11は検体アダ
プタ18を介して搭載され、ノズルチップ14はチップ
ラック19に多数収納されて搭載される。
【0021】点着部3は、サンプラトレイ2の中心線の
延長上に配置され、搬送された乾式分析素子12に血
漿、全血、血清、尿などの検体の点着が行われるもの
で、点着装置6によって比色測定タイプの乾式分析素子
12には検体を、電解質タイプの乾式分析素子12には
検体と参照液を点着する。この点着部3に続いてノズル
チップ14が廃却されるチップ廃却部9が配置されてい
る。
【0022】第1のインキュベータ4は円形で、チップ
廃却部9の延長位置に配置され、比色タイプの乾式分析
素子12を収容して所定時間恒温保持し、比色測定を行
う。第2のインキュベータ5(図2参照)は、点着部3
の側方における隣接位置に配設され、電解質タイプの乾
式分析素子12を収容して所定時間恒温保持し、電位差
測定を行う。
【0023】不図示の素子搬送機構は、前記サンプラト
レイ2の内部に配設され、このサンプラトレイ2の中心
と第1のインキュベータ4の中心とを結び、点着部3お
よびチップ廃却部9を通る直線状の素子搬送経路R(図
2)に沿って、乾式分析素子12をサンプラトレイ2か
ら点着部3へ、さらに第1のインキュベータ4へ搬送す
る素子搬送部材(搬送バー)を備える。移送機構8は点
着部3を兼ねて設置され、点着部3から第2のインキュ
ベータ5へ、素子搬送経路Rと直交する方向に、電解質
タイプの乾式分析素子12を移送する。
【0024】点着装置6は上部に配設され、昇降移動す
る点着ノズル45が前述の素子搬送経路Rと同一直線上
を移動し、検体および参照液の点着、希釈液による検体
の希釈混合を行う。点着ノズル45は、先端にノズルチ
ップ14を装着し、該ノズルチップ14内に検体、参照
液等を吸引し吐出するもので、その吸引吐出を行う不図
示のシリンジ手段が付設され、使用後のノズルチップ1
4はチップ廃却部9で外されて落下廃却される。
【0025】素子廃却機構10(図2参照)は第1のイ
ンキュベータ4に付設され、測定後の比色タイプの乾式
分析素子12を第1のインキュベータ4の中心部に押し
出して落下廃棄する。なお、上記素子搬送機構によって
廃却することもできる。また、第2のインキュベータ5
で測定した後の電解質タイプの乾式分析素子12は、前
記移送機構8によって廃却穴69に廃棄される。
【0026】また、サンプラトレイ2の近傍には、血液
から血漿を分離する不図示の血液濾過ユニットが設置さ
れている。
【0027】各部の機構を具体的に説明する。まず、サ
ンプラトレイ2は、正転方向および逆転方向に回転駆動
される円盤状の回転ディスク21と、その中央部の円盤
状の非回転部22とを有する。
【0028】回転ディスク21には、図2に示すよう
に、各検体を収容した採血管等の検体容器11を検体ア
ダプタ18を介して保持するA〜Eの5つの検体搭載部
23と、これに隣接して各検体の測定項目に対応して通
常複数の種類が必要とされる未使用の乾式分析素子12
を積み重ねた状態で収容した素子カートリッジ13を保
持する5つの素子搭載部24と、多数のノズルチップ1
4を保持孔に並んで収容したチップラック19を保持す
る2つのチップ搭載部25と、希釈液を収容した3つの
希釈液容器15を保持する希釈液搭載部26と、希釈液
と検体とを混合するための混合カップ16(多数のカッ
プ状凹部が配置された成形品)を保持するカップ搭載部
27とが円弧状に配置されている。
【0029】また、非回転部22には、素子搬送経路R
の延長上で点着ノズル45の移動範囲に、参照液を収容
した参照液容器17を保持する筒状の参照液搭載部28
を備え、この参照液搭載部28には、参照液容器17の
開口部を開閉する蒸発防止蓋35(図1)が設置されて
いる。
【0030】蒸発防止蓋35は、下端が非回転部22に
揺動可能に枢支された揺動部材37に保持され、閉方向
に付勢されている。揺動部材37の上端係止部37aが
点着装置6の移動フレーム42の下端角部42aと当接
可能であり、参照液の吸引時に近接移動した移動フレー
ム42により揺動部材37が開方向に揺動され、蒸発防
止蓋35が参照液容器17を開口して点着ノズル45に
よる参照液吸引が可能となる。その他の状態では蒸発防
止蓋35が参照液容器17の開口部を閉塞して参照液の
蒸発を防止し、その濃度変化による測定精度の低下を阻
止する。
【0031】前記回転ディスク21は、外周部が支持ロ
ーラ31で支持され、中心部が不図示の支持軸に回転自
在に保持されている。また、回転ディスク21の外周に
は、不図示のタイミングベルトが巻き掛けられ、駆動モ
ータによって正転方向または逆転方向に回転駆動され
る。非回転部22は上記支持軸に回転不能に取り付けら
れている。
【0032】前記素子カートリッジ13は、上方から未
使用の乾式分析素子12が混在状態で通常複数枚重ねら
れて挿入され、前記素子搭載部24に装填されると、素
子搬送面と同一高さに最下端部の乾式分析素子12が位
置し、最下端部の前面側には1枚の乾式分析素子12の
みが通過し得る開口が、後面側には素子搬送部材が挿通
可能な開口が形成されている。なお、乾式分析素子12
の下面に付設されたバーコード等によるロット番号など
が素子カートリッジ13の下方から読み取れるように底
面に窓部が形成されている。
【0033】また、前記検体アダプタ18は筒状に形成
され、上部から検体容器11が挿入される。この検体ア
ダプタ18は、不図示の識別部を有し、検体の種類(処
理情報)、検体容器11の種類(サイズ)等の情報が設
定され、測定の初期時点でサンプラトレイ2の外周部に
配設された識別センサ30(図2)によってその識別が
読み取られ、検体の希釈の有無、血漿濾過の有無などが
判別されると共に、検体容器11のサイズに伴う液面変
動量が算出され、それに応じた処理制御が行われる。血
漿濾過が必要な検体容器11に対しては、アダプタ18
に検体容器11を挿入した上に、濾過フィルターを備え
たホルダーがスペーサ(いずれも不図示)を介して装着
される。
【0034】点着部3および移送機構8は、サンプラト
レイ2と第1のインキュベータ4との間に素子搬送経路
Rと直交する方向に長い支持台61を備え、その上に移
動可能に摺動枠62が設置されている。この摺動枠62
には、点着用開口が形成された主素子押え63および補
助素子押え64が隣接して一体に移動可能に装着されて
いる。主素子押え63(補助素子押え64も同様)は、
支持台61に面する底面に、前記素子移動経路Rに沿っ
て乾式分析素子12が通過する凹部を有する。また、摺
動枠62は、一端部がガイド溝65に案内され、他端部
側の長溝62aにピン66が係合され、さらに、ラック
ギヤ62bに駆動モータ68の駆動ギヤ67が噛合して
移動される。支持台61には、第2のインキュベータ5
および廃却穴69が設置されている。
【0035】そして、図2のように、主素子押え63が
点着部3に位置している際には、点着後の比色タイプの
乾式分析素子12は素子搬送機構によって押し出されて
第1のインキュベータ4に移送される。一方、電解質タ
イプの乾式分析素子12への点着が行われると、摺動枠
62が移動されて点着後の乾式分析素子12は主素子押
え63に保持されたまま支持台61上を滑るように第2
のインキュベータ5に移送され、電位差測定が行われ
る。その際には、補助素子押え64が点着部3(点着位
置)に移動し、その後に搬送される比色タイプの乾式分
析素子12に対する検体の点着および第1のインキュベ
ータ4への搬送が可能である。第2のインキュベータ5
での測定が完了すると、摺動枠62がさらに移動されて
測定後の乾式分析素子12を廃却穴69に移送して落下
廃却する。
【0036】点着装置6(図1)は、固定フレーム40
の水平ガイドレール41に、横方向に移動可能に保持さ
れた移動フレーム42を備え、この移動フレーム42に
昇降移動可能に2本の点着ノズル45が設置されてい
る。移動フレーム42には中央に縦ガイドレール43が
固着され、この縦ガイドレール43の両側に2つのノズ
ル固定台44が摺動自在に保持されている。ノズル固定
台44の下部には、それぞれ点着ノズル45の上端部が
固着され、上部に上方に延びる軸状部材が駆動伝達部材
47に挿通されている。ノズル固定台44と駆動伝達部
材47との間に介装された圧縮バネにより、ノズルチッ
プ14の嵌合力を得るようになっている。ノズル固定台
44は駆動伝達部材47と一体に上下移動可能であると
共に、点着ノズル45の先端部にノズルチップ14を嵌
合する際に、圧縮バネの圧縮でノズル固定台44に対し
て駆動伝達部材47が下降移動可能である。
【0037】上記駆動伝達部材47は、上下のプーリ4
9に張設されたベルト50に固定され、不図示のモータ
ーによるベルト50の走行に応じて上下移動する。な
お、ベルト50の外側部位には、バランスウェイト51
が取り付けられ、非駆動時の点着ノズル45の下降移動
が防止される。
【0038】また、移動フレーム42は不図示のベルト
駆動機構によって横方向に駆動され、2つのノズル固定
台44は独自に上下移動するように、その横移動および
上下移動が制御され、2つの点着ノズル45は、一体に
横移動すると共に、独自に上下移動するようになってい
る。例えば、一方の点着ノズル45は検体用であり、他
方の点着ノズル45は希釈液用および参照液用である。
【0039】両点着ノズル45は棒状に形成され、内部
に軸方向に延びるエア通路が設けられ、下端にはピペッ
ト状のノズルチップ14がシール状態で嵌合される。こ
の点着ノズル45にはそれぞれ不図示のシリンジポンプ
等に接続されたエアチューブが連結され、吸引・吐出圧
が供給される。また、この吸引圧力の変化に基づき検体
等の液面検出が行えるようになっている。
【0040】チップ廃却部9は、搬送経路Rを上下方向
に交差して設けられ、上部材81および下部材82を備
える。このチップ廃却部9における支持台61には、楕
円形の落下口83が形成されている。上部材81は支持
台61の上面に固着され、落下口83の直上部位には係
合切欠き84が設けられ、下部材82は支持台61の下
面に落下口83の下方を囲むように筒状に形成され、落
下するノズルチップ14をガイドするようになってい
る。
【0041】そして、ノズルチップ14が装着されてい
る点着ノズル45を、上部材81内に下降させてから横
方向に移動させ、その係合切欠き84にノズルチップ1
4の上端を係合してから、点着ノズル45を上昇移動さ
せてノズルチップ14を抜き取り、外れたノズルチップ
14は落下口83を通して落下廃却される。
【0042】比色測定を行う第1のインキュベータ4
は、外周部に円環状の回転部材87を備え、この回転部
材87は内周下部に固着された傾斜回転筒88が下部の
ベアリング89に支持されて回転自在である。回転部材
87の上部に上位部材90が一体に回転可能に配設され
ている。上位部材90の底面は平坦であり、回転部材8
7の上面には円周上に所定間隔で複数(図1の場合13
個)の凹部が形成されて両部材87,90間にスリット
状空間による素子室91が形成され、この素子室91の
底面の高さは搬送面の高さと同一に設けられている。ま
た、傾斜回転筒88の内孔は測定後の乾式分析素子12
の廃却孔92に形成され、素子室91の乾式分析素子1
2がそのまま中心側に移動されて落下廃却される。
【0043】上位部材90には図示しない加熱手段が配
設され、その温度調整によって素子室91内の乾式分析
素子12を所定温度に恒温保持する。また上位部材90
には素子室91に対応して乾式分析素子12のマウント
を上から押えて検体の蒸発防止を行う不図示の押え部材
が配設されている。上位部材90の上面には保温カバー
94が配設される一方、この第1のインキュベータ4は
全体が遮光カバー95によって覆われる。さらに、回転
部材87の各素子室91の底面中央には測光用の開口9
1aが形成され、この開口91aを通して図1に示す位
置に配設された測光ヘッド96による乾式分析素子12
の反射光学濃度の測定が行われる。第1のインキュベー
タ4の回転駆動は、不図示のベルト機構により行われ、
往復回転駆動される。
【0044】廃却機構10は、外周側から中心方向に素
子室91内に進退移動する廃却バー101を備えてい
る。この廃却バー101は後端部が水平方向に走行する
ベルト102に固定され、駆動モータ103の駆動によ
るベルト102の走行に応じ、素子室91から測定後の
乾式分析素子12を押し出して廃却する。なお、廃却孔
92の下方には測定後の乾式分析素子12を回収する回
収箱が配設される。
【0045】また、イオン活量を測定する第2のインキ
ュベータ5は、前述の摺動枠62の主素子押え63が上
位部材となり、その底部の凹部によって測定本体97の
上面との間に1つの素子室が形成される。この第2のイ
ンキュベータ5には、図示しない加熱手段が配設され、
その温度調整によって乾式分析素子12のイオン活量を
測定する部分を所定温度に恒温加熱する。さらに、測定
本体97の側辺部にはイオン活量測定のための3対の電
位測定用プローブ98が出没して乾式分析素子12のイ
オン選択電極に接触可能に設けられている。
【0046】なお、不図示の血漿濾過ユニットは、サン
プラトレイ2に保持された検体容器11(採血管)の内
部に挿入され上端開口部に取り付けられたガラス繊維か
らなるフィルターを有する不図示のホルダーを介して血
液から血漿を分離吸引し、ホルダー上端のカップ部に濾
過された血漿を保持するようになっている。
【0047】次に、図3は上記のような生化学分析装置
1に設置されているインターフェースの正面図である。
このインターフェース7は、パネル70に表示画面7
1、スタートキー72、ストップキー73、検体キー7
4、IDキー75、手動キー76、緊急キー77、キャ
リブレーションキー78、入力キー79など、指先で押
して各種の指示操作を行う操作キーが配設されている。
【0048】このインターフェース7は、不図示の制御
系に接続され、そこに登録されている制御プログラムに
基づく測定処理が設定され、自動的に多検体測定動作、
手動測定動作、緊急測定動作、キャリブレーション動作
などが選択実行されようになっている。
【0049】例えば、多検体の自動測定は、測定する複
数の検体容器11をサンプラトレイ2のA〜Eの各検体
搭載部23にセットし、インターフェース7のスタート
キー72を押す。これに応じて、初期設定が自動的に行
われ、測定の可否が認識される。初期設定としては、検
体情報および処理情報を取得すると共に、5検体分の乾
式分析素子12がセットされているか、最初の乾式分析
素子12のロット番号などを認識し、これらから測定の
可否を認識する。続いて、Aの検体から順番に測定が開
始され、測定可能と認識された検体について、液面検出
により検体の有無をチェックし、検体がセットされたも
のが順次測定され、測定結果が出力される。これによ
り、複数検体の測定が自動的に行われる。
【0050】また、緊急検体測定は、サンプラトレイ2
のA〜Eの任意の検体搭載部23に緊急検体をセットす
る。次に、インターフェース7のパネル70上の、セッ
トした検体位置に対応するA〜Eの検体キー74を押す
と共に、緊急キー77を押した後、スタートキー72を
押す。これに応じて、緊急セットされた検体の測定が優
先的に開始され、測定結果が出力される。これにより、
緊急検体の測定が簡易に優先的に行われる。
【0051】簡易なキャリブレーション処理は、サンプ
ラトレイ2の検体搭載部23に特性が既知のキャリブレ
ーション用検体をセットし、インターフェース7のパネ
ル70上のキャリブレーションキー78を押す。これに
応じ、制御装置はあらかじめ記憶されたキャリブレーシ
ョン情報を検索して、その情報を表示する。そして、表
示画面71に表示されたロットを確認した後、スタート
キー72を押す。これに応じて、キャリブレーション測
定が開始される。これにより、測定特性の補正が自動的
に行われる。
【0052】また、上記インターフェース7の手動キー
76の操作に基づき、検体種選択、再検処理、希釈処理
などが行える。さらに、モード切替により、入力キー7
9などの操作に基づき、特定の分析処理を行う場合、そ
の他、従来と同様に各検体に対してそれぞれ別個に測定
依頼処理が行えるように設定されている。
【0053】そして、上記多機能の操作が上記各種の操
作キーの操作によって行われるが、その操作は専任のオ
ペレーターによって行われるもので、この専任オペレー
ターによる操作時には、後述のカバー80が取り除かれ
て図3のようにインターフェース7の全体が露出されて
いる。
【0054】一方、図4は、専任オペレーターが不在と
なった時間外などで非専任者が操作する状態のインター
フェースの要部正面図であり、自動測定に必要な操作キ
ー以外の操作キーを簡易操作用のカバー80で覆って、
隠している。
【0055】カバー80は、前記インターフェース7の
パネル70上に着脱可能に装着されるもので、その装着
時には、表示画面71、スタートキー72、ストップキ
ー73を除く、検体キー74、IDキー75、手動キー
76、緊急キー77、キャリブレーションキー78、入
力キー79などの操作キーが覆われ、隠蔽される。
【0056】本実施形態によれば、前述の自動測定のた
めに必要とされる、表示画面71、スタートキー72、
ストップキー73のみが露出し、専任オペレーター以外
の操作に慣れていない非専任者が迷いなく操作でき、操
作ミスによる弊害が生じないようになる。また、専任オ
ペレーターであっても、通常の分析操作をする場合には
簡易操作用のカバー80を装着して行ってもよく、この
場合には、操作が簡易でミスなく分析が行える。
【0057】上記カバー80で覆われた部分の操作キー
については、キー操作が無効となるように設定を切り替
えてもよい。また、カバー80が安易に取り外されない
ように、カバー80をパネル70に固縛する鍵を設置し
てもよい。
【0058】また、図5は、他の実施形態の簡易操作用
のカバーを示すインターフェースの要部正面図である。
【0059】この実施形態のカバー85は、表示画面7
1、スタートキー72、ストップキー73に加えて、検
体キー74、IDキー75が露出するように形成されて
いる。また、カバー85の一部にはスライド式の可動部
85aが設置されている。この可動部85aはカバー本
体にスライド格納可能であり、格納時に手動キー76お
よびそれに付随して操作される検体種キー、再検キー、
希釈キーが、露出するようになっている。上記可動部8
5aは、スライド式のほか、起伏式などの可動形態に設
けてもよい。また、カバー85の全体をスライド式とす
ることも可能である。
【0060】本実施形態によれば、簡易操作用のカバー
85を装着した状態では、前述の多検体自動測定のほ
か、前述の緊急検体測定と同様に、サンプラトレイ2の
任意の検体搭載部23にセットした検体のみの自動測定
が可能となる。さらに、スライド部85aを格納スライ
ドすると、再検測定などの手動測定が可能となる。
【0061】そのほか、上記カバーの形態は、ユーザー
の要求に応じて適宜設計変更可能であり、例えば、緊急
キー77を露出するように形成してもよい。
【0062】次に、図6および図7は、前記分析装置1
の制御系に接続されて操作指示およびデータ管理を行う
外部コンピュータ(例えばノート型コンピュータ)のイ
ンターフェースを示す他の実施形態の図である。
【0063】この実施形態のコンピュータ110は、分
析装置1内の制御系に接続され、そのディスプレイ12
0には、インターフェース170すなわち操作画面が表
示される。このインターフェース170には、表示部1
71、スタートボタン172、ストップボタン173、
検体ボタン174、IDボタン175、手動ボタン17
6、緊急ボタン177、キャリブレーションボタン17
8など、各種の指示操作を行う操作ボタンが配設され、
さらに画面切替ボタン179が設定されている。
【0064】なお、コンピュータ110は、不図示のキ
ーボードを有することから、入力キー、方向キーはキー
ボードのものを使用する。また、前記インターフェース
170の画面操作は、マウス入力、タッチパネル入力、
キーボード入力などにより、画面上の操作ボタンを操作
する。
【0065】図6は、専任のオペレーターによって操作
される場合などで、全機能が表示されたインターフェー
ス(操作画面)170を示している。そして、画面切替
ボタン179が操作されると、図7のように、一部の操
作ボタンの表示が行われない通常の測定のみが行える簡
易操作用の画面表示に切り替えられ、非専任者の操作に
適している。
【0066】図7に示す簡易操作用のインターフェース
170では、自動測定に必要な操作ボタンとして、スタ
ートボタン172、ストップボタン173、検体ボタン
174の表示のみが行われ、その他の操作ボタンは表示
されない。
【0067】この簡易操作用インターフェースの表示に
ついても、使用する機能のカスタマイズが可能で、ユー
ザーの要望、使用状況などに応じて画面の切り替えがで
きる機能を持たせている。なお、操作画面の切り替えに
は、パスワードを必要とするように設定してもよい。ま
た、さらに複数の画面に切替可能なように設定してもよ
い。
【0068】本実施形態では、簡易操作用に設定された
表示画面では、機能が限定されて操作ミスが生じること
なく自動測定などが確実に実行できる。
【0069】なお、上記実施形態では、外部コンピュー
タのインターフェースを使用したが、これに限定される
ことなく、分析装置1に組み込まれた制御系に接続され
た表示画面をインターフェースとして、本発明が適用可
能である。
【0070】前述の各実施形態においては、全機能が操
作可能な専任オペレーター用のインターフェース形態
と、自動測定が可能な非専任者に適した簡易操作用のイ
ンターフェース形態とに切り替えるように説明している
が、通常操作用のインターフェース形態と、特定操作に
限定された簡易操作用のインターフェース形態とに切り
替えるように本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の生化学分析装置の概略構
成を示す部分断面正面図
【図2】生化学分析装置の要部機構の平面図
【図3】一つの実施形態に係るインターフェースのカバ
ーを外し全体を露出した状態の要部正面図
【図4】図3に簡易操作用のカバーを装着したインター
フェースの要部正面図
【図5】他の実施形態のカバーを装着したインターフェ
ースの要部正面図
【図6】他の実施形態に係るインターフェースの全機能
表示画面を示す図
【図7】図6のインターフェースを簡易操作用の表示画
面に切り替えた図
【符号の説明】
1 生化学分析装置 2 サンプラトレイ 3 点着部 6 点着装置 7 インターフェース 11 検体容器 12 乾式分析素子 70 パネル 71 表示画面 72 スタートキー 73 ストップキー 74 検体キー 76 手動キー 80,85 カバー 85a 可動部 110 コンピュータ 170 インターフェース 172 スタートボタン 173 ストップボタン 174 検体ボタン 179 画面切替ボタン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の検体が搭載可能で、複数の操作キ
    ーを有するインターフェースを備え、該インターフェー
    スの操作キーの操作に基づき前記検体の成分を測定する
    生化学分析装置において、 前記インターフェースに、通常の測定操作に不要な操作
    キーを隠す簡易操作用のカバーを備えたことを特徴とす
    る生化学分析装置。
  2. 【請求項2】 前記カバーは、少なくともスタートキー
    を露出させ、前記検体をセットし、前記スタートキーを
    操作することによって検体を順次自動的に測定すること
    を特徴とする請求項1に記載の生化学分析装置。
  3. 【請求項3】 前記カバーは、少なくとも一部が可動式
    で、操作キーの隠す範囲が変更可能であることを特徴と
    する請求項1に記載の生化学分析装置。
  4. 【請求項4】 前記カバーで隠された範囲の操作キーの
    操作が無効とされたことを特徴とする請求項1に記載の
    生化学分析装置。
  5. 【請求項5】 複数の検体が搭載可能で、制御系に接続
    された表示画面に表示された複数の操作ボタンを有する
    インターフェースを備え、該インターフェースの操作ボ
    タンの操作に基づき前記検体の成分を測定する生化学分
    析装置において、 前記インターフェースの表示が簡易操作用に切替可能で
    あり、簡易操作用の表示画面では通常の測定操作に不要
    な操作ボタンを非表示としたことを特徴とする生化学分
    析装置。
  6. 【請求項6】 前記簡易操作用の表示画面では、少なく
    ともスタートボタンを表示し、前記検体をセットし、前
    記スタートボタンを操作することによって検体を順次自
    動的に測定することを特徴とする請求項5に記載の生化
    学分析装置。
  7. 【請求項7】 前記簡易操作用の表示画面で表示する操
    作ボタンは、カスタマイズが可能であることを特徴とす
    る請求項5に記載の生化学分析装置。
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