以下、複数の実施形態による乾燥機について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、洗濯乾燥機10の概略構成について説明する。洗濯乾燥機10は、図1に示すように、水槽11、サスペンション12、基台13、及び洗濯機モータ14を備えている。水槽11は、円筒状に形成され、この円筒状の中心軸は水平に対して傾斜している。サスペンション12は、左右一対で構成されて基台13上に設けられている。サスペンション12は、水槽11を、前上がりの傾斜状態になるように弾性的に支持している。洗濯機モータ14は、水槽11の背部に取り付けられている。洗濯機モータ14は、例えば直流のブラシレスモータであって、アウターロータ形である。洗濯機モータ14の図示しない回転軸は、水槽11の背部を貫いて水槽11の内部に挿入されている。
洗濯乾燥機10は、図2に示すようにドラム15を備えている。ドラム15は、衣類を収容する回転槽を構成するものであり、水槽11内に収容されて回転可能に設けられている。ドラム15の軸方向は、水槽11の軸方向に一致している。水槽11内に挿入された洗濯機モータ14の回転軸は、ドラム15に接続されている。これにより、ドラム15は、洗濯機モータ14の回転に伴って回転される。
ドラム15は、周壁部および後部に形成された多数の孔部と、周壁部の内側に設けられた複数のバッフルと、を有している。この多数の孔部は、ドラム5内の水及び空気を通すことができる。また、バッフルは、ドラム15の回転時に、ドラム15内の衣類を掻き上げるためのものである。ドラム15内には、洗濯物である衣類が出し入れ可能に収容される。したがって、ドラム15は、洗濯時には洗濯槽として、脱水時には脱水槽として、そして乾燥時には乾燥槽として機能する。この場合、水槽11及びドラム15は、乾燥時に衣類を収容する乾燥室として機能する。
洗濯乾燥機10は、図3に示すように、制御装置16、給水装置17、及び排水装置18等を備えている。制御装置16は、マイクロコンピュータなどから構成されており、洗濯乾燥機10の作動全般を制御する。給水装置17は、詳細は図示しないが、例えば制御装置16の制御に基づいて開閉される給水弁を有している。そして、給水装置17は、例えば水道等の外部の水源に接続されており、給水弁の開閉によって、その外部の水源から水槽11内へ給水する。排水装置18は、例えば制御装置16の制御に基づいて開閉される排水弁を有している。そして、排水装置18は、例えば下水等に接続されており、排水弁を閉状態にすることで水槽11内に水を貯水可能な状態にし、排水弁を開状態にすることで、水槽11内に溜まった水を洗濯乾燥機10の機外へ排水する。
水槽11は、図2に示すように、排気口111及び給気口112を有している。排気口111及び給気口112は、水槽11の内部と外部とを連通させている。また、洗濯乾燥機10は、循環風路20を備えている。循環風路20は、水槽11の外側において、排気口111と給気口112とを接続している。循環風路20は、排気ダクト21、熱交換部22、フィルタ装置23、及び給気ダクト24を有している。
排気ダクト21は、水槽11の排気口111と熱交換部22の上流側とを接続している。フィルタ装置23は、排気口111と熱交換部22との間において排気ダクト21の途中部分に設けられている。フィルタ装置23は、排気口111から排気された空気中に含まれるリント等の異物を捕集するためのものである。給気ダクト24は、熱交換部22の下流側と水槽11の給気口112とを接続している。
洗濯乾燥機10は、循環ファン25を備えている。循環ファン25は、例えばシロッコファンなどであって、循環風路20内に設けられている。この場合、循環ファン25は、熱交換部22の下流側つまり熱交換部22と給気ダクト24との接続部分の近傍に設けられている。循環ファン25は、熱交換部22側の空気を吸い込み、給気ダクト24側へ吐出する。これにより、循環ファン25が駆動されると、図2の白抜き矢印で示すように、水槽11及び循環風路20を循環する空気の流れが生じる。この場合、循環風路20内の空気の流れについて見ると、排気口111が最上流側となり、給気口112が最下流側となる。
洗濯乾燥機10は、ヒートポンプユニット30を備えている。ヒートポンプユニット30は、循環風路20内の空気を除湿及び加熱して、水槽11内に収容された衣類を乾燥させるための温風を生成する。ヒートポンプユニット30は、凝縮器31及び蒸発器32を有している。凝縮器31は、熱交換部22内において下流側つまり給気ダクト24側に設けられている。蒸発器32は、熱交換部22内において凝縮器31の上流側つまり排気ダクト21側に設けられている。熱交換部22内を通る空気は、蒸発器32によって冷却されて除湿される。蒸発器32によって除湿された空気は、その後、凝縮器31によって加熱されて温風になる。
乾燥運転時に循環ファン25及びヒートポンプユニット30が駆動されると、熱交換部22内で除湿及び加熱された温風は、循環ファン25の送風作用により、給気ダクト24を介して給気口112から水槽11内へ供給される。その後、温風は、ドラム15内へ入り、ドラム15内の洗濯物から湿気を奪った後、ドラム15に形成された複数の孔部からドラム15の外側へ出る。そして、湿気を含んだ空気は、排気口111から循環風路20に吸い込まれる。循環風路20に吸い込まれた空気は、排気ダクト21及びフィルタ装置23を通過した後、熱交換部22へ流れる。このように、乾燥運転は、水槽11と循環風路20との間で空気を循環させ、その空気を循環風路20内で除湿及び加熱することによって行われる。
次に、ヒートポンプユニット30について説明する。ヒートポンプユニット30は、図2に示すように、凝縮器31及び蒸発器32に加え、アキムレータ33、第1圧縮機34、第2圧縮機35、第1電子膨張弁36、第2電子膨張弁37、及び気液分離器38を有している。アキムレータ33、第1圧縮機34、第2圧縮機35、第1電子膨張弁36、第2電子膨張弁37、及び気液分離器38は、それぞれ熱交換部22の外側に設けられている。凝縮器31、蒸発器32、アキムレータ33、第1圧縮機34、第2圧縮機35、第1電子膨張弁36、第2電子膨張弁37、及び気液分離器38は、冷媒管によって環状に接続されている。
凝縮器31及び蒸発器32は、例えば微小な間隔で設けられた多数のフィンを有する管で構成されており、この管の内部に冷媒を流すことで、フィン間を通る空気と冷媒との熱交換を行う。凝縮器31及び蒸発器32は、熱交換器として機能する。アキムレータ33は、第1圧縮機34の吸込口341側に設けられている。アキムレータ33は、第1圧縮機34に流入する液状の冷媒の圧力変動を抑制するためのものである。
第1圧縮機34と第2圧縮機35とのうち、第1圧縮機34は、低圧側つまり低段側の圧縮機であり、第2圧縮機35は、高圧側つまり高段側の圧縮機である。第1圧縮機34は、吸込口341から吸い込んだ冷媒を圧縮して、吐出口342側から吐出する。第1圧縮機34の吐出口342は、第2圧縮機35の吸込口351に接続されている。第2圧縮機35は、吸込口351から吸い込んだ冷媒を圧縮して、吐出口352から吐出する。第2圧縮機35の吐出口352は、凝縮器31の流入側に接続されている。凝縮器31には、第1圧縮機34及び第2圧縮機35で圧縮された高温高圧の冷媒が流入する。そのため、凝縮器31内の冷媒と凝縮器31周辺の空気との熱交換が行われ、これにより凝縮器31周辺の空気が加熱される。凝縮器31の流出側は、第1電子膨張弁36の流入側に接続されている。
第1圧縮機34及び第2圧縮機35は、制御装置16によって駆動制御される。この場合、洗濯乾燥機10は、第1インバータ電源39及び第2インバータ電源40を備えている。第1インバータ電源39は、第1圧縮機34に駆動用の電力を供給するためのものである。第2インバータ電源40は、第2圧縮機35に駆動用の電源を供給するためのものである。第1インバータ電源39及び第2インバータ電源40は、制御装置16に接続されている。
制御装置16は、第1インバータ電源39から第1圧縮機34に供給される交流電源の周波数を制御することで、第1圧縮機34の駆動周波数つまり冷媒の吐出圧力を制御することができる。同様に、制御装置16は、第2インバータ電源40から第2圧縮機35に供給される交流電源の周波数を制御することで、第2圧縮機35の駆動周波数つまり冷媒の吐出圧力を制御することできる。
第2圧縮機35の吐出圧力は、第1圧縮機34の吐出圧力よりも高くなるように設定されている。この場合、第1圧縮機34の排除容積と、第2圧縮機35の排除容積とは、同一であってもよいし異なっていてもよい。制御装置16は、第1圧縮機34と第2圧縮機35との駆動周波数を個別に制御することで、第1圧縮機34から吐出される冷媒の質量流量と、第2圧縮機35から吐出される冷媒の質量流量との均衡を極力保つようにしている。
第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37は、凝縮器31と蒸発器32との間に直列に設けられている。第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37は、冷媒を減圧膨張させるための減圧装置である。第1電子膨張弁36は、第2電子膨張弁37よりも冷媒の流れの上流側つまり凝縮器31側に設けられている。第1電子膨張弁36と第2電子膨張弁37とのうち、第1電子膨張弁36は高圧側つまり高段側の減圧装置であり、第2電子膨張弁37は低圧側つまり低段側の減圧装置である。
第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37は、液体状態の冷媒を減圧して気液混合状態にする。この場合、第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37は、例えば電子制御により開度の調整が可能な絞り装置であり、制御装置16に接続されている。制御装置16は、減圧装置36、37の開度を調整することで、減圧装置36、37から流出する冷媒の圧力を調整することができる。なお、ヒートポンプユニット30は、第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37に換えて、例えば制御装置16によって制御することができないキャピラリーチューブや膨張弁などを有していてもよい。
気液分離器38は、凝縮器31と蒸発器32との間、この場合、第1電子膨張弁36と第2電子膨張弁37との間に設けられている。気液分離器38は、凝縮器31から吐出されて第1電子膨張弁36によって気液混合状態になった冷媒を、気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とに分離する。気液分離器38は、流入口381、気体流出口382、及び液体流出口383を有している。流入口381は、第1電子膨張弁36の流出側に接続されている。気体流出口382は、接続管301を介して第1圧縮機34と第2圧縮機35との間部分に接続されている。液体流出口383は、第2電子膨張弁37の流入側に接続されている。
第1電子膨張弁36から流出した気液混合状態の冷媒は、流入口381から気液分離器38内に流入する。そして、気液分離器38で気液分離された気体状態の冷媒は、気体流出口382から流出し、接続管301を通って吸込口351から第2圧縮機35内へ吸い込まれる。つまり、第2圧縮機35には、第1圧縮機34から吐出された冷媒と気液分離器38で分離された気体状態の冷媒とが流入する。
一方、第2電子膨張弁37の流出側は、蒸発器32の流入側に接続されている。蒸発器32の流出側は、アキムレータ33を介して第1圧縮機34の吸込口341に接続されている。そのため、気液分離器38で気液分離された液体状態の冷媒は、液体流出口383から流出して、第2電子膨張弁37内へ流入する。そして、第2電子膨張弁37内へ流入した冷媒は、第2電子膨張弁37で減圧されて蒸発器32内へ流入し、蒸発器32内で気化する。このとき、蒸発器32内の冷媒と蒸発器32周辺の空気との熱交換が行われて、これにより蒸発器32周辺の空気が冷却される。そして、蒸発器32から流出した冷媒は、アキムレータ33を通って、第1圧縮機34に吸い込まれる。
この場合、ヒートポンプユニット30による冷凍サイクルを循環する冷媒の経路は、第1経路と第2経路との2つがある。第1経路は、気液分離器38で分離された液体状態の冷媒が通る経路である。すなわち、第1経路は、図2の矢印Aで示すように、凝縮器31と、第1電子膨張弁36と、気液分離器38と、第2電子膨張弁37と、蒸発器32と、第1圧縮機34と、第2圧縮機35と、を順に通る経路である。第2経路は、気液分離器38で分離された気体状態の冷媒が通る経路である。すなわち、第2経路は、図2の矢印Bで示すように、凝縮器31と、第1電子膨張弁36と、気液分離器38と、第2圧縮機35と、を順に通る経路である。
洗濯乾燥機10は、図2及び図3に示すように、給気口温度センサ41、排気口温度センサ42、吐出温度センサ43、中央温度センサ44、蒸発器入口温度センサ45、蒸発器出口温度センサ46、中間温度センサ47、及び第2圧縮機吸込口温度センサ48を備えている。給気口温度センサ41、排気口温度センサ42、吐出温度センサ43、中央温度センサ44、蒸発器入口温度センサ45、蒸発器出口温度センサ46、中間温度センサ47、及び第2圧縮機吸込口温度センサ48は、それぞれヒートポンプユニット30の温度を直接又は間接的に検出する温度検出手段として機能し、それぞれ制御装置16に接続されている。
給気口温度センサ41、排気口温度センサ42、及び中央温度センサ44は、図2に示すように、循環風路20内に設けられ、循環風路20内の空気の温度を検出する。このうち、給気口温度センサ41は、凝縮器31と給気口112との間であって、給気口112の近傍に設けられている。給気口温度センサ41は、給気ダクト24を通って乾燥室である水槽11及びドラム15内へ供給される空気、つまり熱交換部22で熱せられて乾燥室内へ供給される空気の温度を検出する。排気口温度センサ42は、蒸発器32と排気口111との間であって、排気口111の近傍に設けられている。排気口温度センサ42は、乾燥室である水槽11及びドラム15から排気されて排気ダクト21内を通る空気の温度を検出する。
吐出温度センサ43は、第2圧縮機35の吐出口342側の冷媒管に設けられ、第2圧縮機35から吐出される冷媒の温度つまり第2圧縮機35の温度を検出する。中央温度センサ44は、熱交換部22において蒸発器32と凝縮器31との間に設けられ、熱交換部22の中央部の空気の温度を検出する。蒸発器入口温度センサ45は、蒸発器32に対し冷媒の入口側に設けられ、蒸発器32の入口側部分の温度を検出する。蒸発器出口温度センサ46は、蒸発器32に対し冷媒の出口側に設けられ、蒸発器32の出口側部分の温度を検出する。中間温度センサ47は、第1電子膨張弁36の出口側の冷媒管に設けられ、第1電子膨張弁36から流出する冷媒の温度、つまり第1電子膨張弁36と第2電子膨張弁37との間における中間温度を検出する。第2圧縮機吸込口温度センサ48は、第2圧縮機35の吸込口351の近傍に設けられ、第2圧縮機35に吸い込まれる冷媒の温度を検出する。
次に、ヒートポンプユニット30による冷凍サイクルの作用について、図4も参照して説明する。なお、以下の説明において、第1圧縮機34に圧縮される前の冷媒の圧力つまり蒸発器32から流出した冷媒の圧力を低圧とし、第2圧縮機35に圧縮される前の冷媒の圧力を中圧とし、第2圧縮機35で圧縮された後の冷媒の圧力つまり凝縮器31に流入する前の冷媒の圧力を高圧とする。すなわち、第1圧縮機34は、低圧の冷媒を圧縮して中圧にするように設定されている。第2圧縮機35は、中圧の冷媒を圧縮して高圧にするように設定されている。この場合、低圧、中圧、高圧は、いずれもある一定の圧力を示すものではなく、ある程度の範囲の幅が許容される。また、図2に示すA1〜A8と、図4に示すA1〜A8とは、それぞれ対応している。また、以下の説明において、圧縮時の熱損失や配管での圧力損失は考慮しないものとする。
第2圧縮機35から吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器31を通過する際に、循環風路20内を流れる空気との熱交換により放熱する(A1からA2)。これにより、凝縮器31を通過した冷媒は、中温高圧の液体状態になって、比エンタルピが減少する。その後、凝縮器31を通過した冷媒は、第1電子膨張弁36で減圧膨張されて、中圧の気液混合状態になる(A2からA3)。そして、中圧の気液混合状態の冷媒は、気液分離器38で気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とに分離される。
気液分離器38で分離された液体状態の冷媒は、上述した第1経路を流れる。すなわち、気液分離器38で分離された液体状態の冷媒は、第2電子膨張弁37でさらに減圧膨張されて、低圧の気液混合状態になる(A4からA5)。その後、低圧で気液混合状態の冷媒は、蒸発器32を通過する際に、循環風路20内を流れる空気との熱交換により吸熱する(A5からA6)。これにより、蒸発器32を通過した冷媒の比エンタルピが上昇する。そして、蒸発器32を通過した冷媒は、第1圧縮機34によって中圧に圧縮されて、第1圧縮機34の吐出口342から吐出される(A6からA7)。
一方、気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、上述した第2経路を流れる。すなわち、気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、矢印Bで示すように、接続管301を通って、第1圧縮機34で圧縮された冷媒と合流する(A3からA8)。このとき、温度差を有する冷媒が合流することで、合流した冷媒の比エンタルピが減少する。そして、第1圧縮機34で圧縮された冷媒、及び気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、共に第2圧縮機35に吸い込まれて圧縮され、高温高圧の気体状態になる。その後、第2圧縮機35から吐出された冷媒は、再び凝縮器31に流入する。このようにして、冷媒は、第1経路及び第2経路を循環する。
図4の破線は、気液分離器38を備えておらず1つの圧縮機及び1つの減圧装置で構成された場合の冷凍サイクルを示している。この場合、冷媒を圧縮機によって目的の圧力まで圧縮しようとすると、図4のA6からC1に示すように、圧力の上昇に比例して比エンタルピ及び温度が上昇する。これに対し、本実施形態の構成では、第1圧縮機34から吐出された中温で高比エンタルピ状態の冷媒に、気液分離器38で分離された温度の低い低比エンタルピ状態の冷媒が混合される。これにより、図4のA8に示すように、第2圧縮機35に吸い込まれる冷媒の比エンタルピ及び温度を低下させることができる。したがって、本実施形態によれば、1つの圧縮機で構成された場合に比べて、目的の圧力に到達させるまでの仕事量、つまり図4に示すC1における比エンタルピとA1における比エンタルピとの差分に相当する仕事量を低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット30による冷凍サイクルが高効率化し、省エネ性能の向上が図られる。
また、気液分離器38を備えておらず1つの減圧装置で構成された冷凍サイクルの場合、図4のA2からC2に示すように、目的の圧力まで減圧させた冷媒つまり蒸発器32に流入する冷媒の比エンタルピは、凝縮器31から流出したA2における比エンタルピに等しい。これに対し、本実施形態によれば、ヒートポンプユニット30は、気液分離器38で分離された液体状態の冷媒を、さらに第2電子膨張弁37で減圧膨張させる。これにより、蒸発器32に流入する冷媒の比エンタルピを、C2における比エンタルピよりも低下させることができる。したがって、本実施形態によれば、気液分離器38を備えておらず1つの減圧装置で構成された場合に比べて、C2における比エンタルピとA7における比エンタルピとの差分に相当する仕事量を低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット30による冷凍サイクルが高効率化し、省エネ性能の向上が図られる。
ここで、圧縮機から吐出される冷媒の質量流量は、冷凍サイクルの乾燥負荷の変動等によって容易に変動する。第1圧縮機34と第2圧縮機35との2つの圧縮機によって、冷媒を2段階で圧縮する場合、第1圧縮機34から吐出される冷媒の質量流量と、第2圧縮機35から吐出される冷媒の質量流量との均衡が崩れると、過圧縮や過膨張などによる損失が生じて、理想的な冷凍サイクルの効率が得られない。
そこで、本実施形態において、洗濯乾燥機10は、冷媒の状態に応じて圧縮機34、35の回転数を個別に制御するとともに減圧装置36、37の開度を個別に制御することで、第1圧縮機34から吐出される冷媒の質量流量と、第2圧縮機35から吐出される冷媒の質量流量との均衡を図るようにしている。すなわち、制御装置16は、第1圧縮機34から吐出されて第2圧縮機35に吸い込まれる冷媒の質量流量と、気液分離器38から流出して第2圧縮機35に吸い込まれる冷媒の質量流量との合計が、第2圧縮機35から吐出される冷媒の質量流量に近づくように、圧縮機34、35の回転数及び減圧装置36、37の開度を制御する。
具体的には、制御装置16は、蒸発器入口温度センサ45や蒸発器出口温度センサ46の検出温度に基づいて、リキッドバック(液戻り)の発生やスーパーヒート(過熱度)を検出する。そして、制御装置16は、その検出結果に基づいて、蒸発器32から流出する冷媒の温度が予め設定した目標温度となるように、第2圧縮機35の回転数を調整する。また、制御装置16は、第2圧縮機吸込口温度センサ48の検出温度が予め設定した温度になるように、第1圧縮機34の回転数を調整する。
また、制御装置16は、中間温度センサ47の検出温度が予め設定した温度になるように、第1電子膨張弁36の開度を調整する。同様に、制御装置16は、蒸発器入口温度センサ45の検出温度が予め設定した温度になるように、第2電子膨張弁37の開度を調整する。このようにして、制御装置16は、各温度センサ41〜48の検出温度に基づいて、圧縮機34、35の回転数及び減圧装置36、37の開度を調整する。これにより、ヒートポンプユニット30は、冷凍サイクルを循環する冷媒の状態を、理想状態に近づけるようにすることができ、その結果、安定した損失の少ない冷凍サイクルを実現することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図5及び図6を参照して説明する。
第2実施形態の洗濯乾燥機10は、第1実施形態のヒートポンプユニット30に換えて、ヒートポンプユニット50を備えている。ヒートポンプユニット50は、第1実施形態における第1圧縮機34及び第2圧縮機35に換えて、2段圧縮機51を有している。2段圧縮機51は、第1圧縮部511と第2圧縮部512とを、1つのケース513内に収納したものである。この場合、第1圧縮部511は、第1圧縮機に相当し、第2圧縮部512は、第2圧縮機に相当する。
第2圧縮部512は、第1圧縮部511で中圧に圧縮された冷媒を更に圧縮して高圧にする。第1圧縮部511及び第2圧縮部512には、1つのインバータ電源52が接続されている。このインバータ電源52は、制御装置16に接続されている。制御装置16は、インバータ電源52から出力する交流電源の周波数を制御することで、第1圧縮部511と第2圧縮部512とを同一の周波数で駆動するように制御する。なお、第1圧縮部511と第2圧縮部512とを、それぞれ別体の2つの圧縮機とし、この2つの圧縮機を、1つのインバータ電源52で駆動させる構成でもよい。
ヒートポンプユニット50は、第1実施形態における第1電子膨張弁36及び第2電子膨張弁37に換えて、第1キャピラリーチューブ53及び第2キャピラリーチューブ54を有している。第1キャピラリーチューブ53及び第2キャピラリーチューブ54は、冷媒を、予め設定した一定の圧力に減圧膨張させるための減圧装置である。なお、ヒートポンプユニット50も、キャピラリーチューブ53、54ではなく、第1実施形態のヒートポンプユニット30と同様に電子膨張弁36、37を有していてもよい。
ヒートポンプユニット50は、中間蒸発器55を有している。中間蒸発器55は、第1キャピラリーチューブ53と気液分離器38との間に設けられている。すなわち、中間蒸発器55の流入側は、第1キャピラリーチューブ53の流出側に接続されている。中間蒸発器55の流出側は、気液分離器38の流入側に接続されている。中間蒸発器55は、熱交換部22内において蒸発器32の上流側に設けられている。中間蒸発器55の伝熱面積つまり熱交換に寄与する面積は、蒸発器32の伝熱面積よりも大きく設定されている。
気液分離器38の気体流出口382は、第1実施形態のヒートポンプユニット30と同様に、接続管301を介して、第1圧縮部511と第2圧縮部512との間部分に接続されている。気液分離器38の液体流出口383は、第2キャピラリーチューブ54の流入側に接続されている。第2キャピラリーチューブ54の流出側は、蒸発器32の流入側に接続されている。
この場合、第2圧縮部512に流入する冷媒の流量質量と第2圧縮部512から流出する冷媒の流量質量とが等しくなるように、第1圧縮部511の排除容積と第2圧縮部512の排除容積とが設定されている。すなわち、第1圧縮部511から吐出されて第2圧縮部512に吸い込まれる冷媒の質量流量及び気液分離器38から流出して第2圧縮部512に吸い込まれる冷媒の質量流量の合計と、第2圧縮部512から吐出される冷媒の質量流量とが等しくなるように、第1圧縮部511及び第2圧縮部512の排除容積が設定されている。
ヒートポンプユニット50による冷凍サイクルにおいて、第1経路は、図5の矢印Dで示すように、凝縮器31と、第1キャピラリーチューブ53と、中間蒸発器55と、気液分離器38と、第2キャピラリーチューブ54と、蒸発器32と、2段圧縮機51の第1圧縮部511と、2段圧縮機51の第2圧縮部512と、を順に通る経路である。また、第2経路は、図5の矢印Eで示すように、凝縮器31と、第1キャピラリーチューブ53と、中間蒸発器55と、気液分離器38と、2段圧縮機51の第2圧縮部512と、を順に通る経路である。
この構成において、2段圧縮機51から吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器31を通過する際に放熱し(図6のD1からD2)、これにより、中温高圧の液体状態になって、比エンタルピが減少する。その後、凝縮器31を通過した冷媒は、第1キャピラリーチューブ53で減圧膨張されて、中圧の気液混合状態になる(D2からD3)。中圧の気液混合状態の冷媒は、中間蒸発器55を通過する際に吸熱し、比エンタルピが上昇する(D3からD4)。その後、高比エンタルピで気液混合状態の冷媒は、気液分離器38で気体状態の冷媒と液体状態の冷媒とに分離される。
気液分離器38で分離された液体状態の冷媒は、上述した第1経路を流れる。すなわち、気液分離器38で分離された液体状態の冷媒は、第2キャピラリーチューブ54でさらに減圧膨張されて、低圧の気液混合状態になる(D5からD6)。その後、低圧で気液混合状態の冷媒は、蒸発器32を通過する際に、循環風路20内を流れる空気との熱交換により吸熱する(D6からD7)。これにより、蒸発器32を通過した冷媒の比エンタルピが上昇する。そして、蒸発器32を通過した冷媒は、2段圧縮機51の第1圧縮部511によって中圧に圧縮される(D7からD8)。
一方、気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、上述した第2経路を流れる。すなわち、気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、矢印Eで示すように、接続管301を通って、2段圧縮機51の第1圧縮部511で圧縮された冷媒と合流する(D9)。このとき、温度差を有する冷媒が合流するため、合流した冷媒の比エンタルピが減少する(D8からD9)。そして、第1圧縮部511で圧縮された冷媒、及び気液分離器38で分離された気体状態の冷媒は、共に第2圧縮部512で圧縮され、高温高圧の気体状態になる。その後、2段圧縮機51から吐出された冷媒は、再び凝縮器31に流入する。このようにして、冷媒は、第1経路及び第2経路を循環する。
これによっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、この場合、第1圧縮部511から吐出された中温で高比エンタルピ状態の冷媒に、気液分離器38で分離された温度の低い低比エンタルピ状態の冷媒が混合される。これにより、図6のD9に示すように、第2圧縮部512に吸い込まれる冷媒の比エンタルピ及び温度を低下させることができる。したがって、本実施形態によっても、ヒートポンプユニットを1つの圧縮機で構成した場合に比べて、目的の圧力に到達させるまでの仕事量、つまり図6に示すC1における比エンタルピとD1における比エンタルピとの差分に相当する仕事量を低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット50による冷凍サイクルが高効率化し、省エネ性能の向上が図られる。
また、本実施形態のヒートポンプユニット50も、気液分離器38で分離された液体状態の冷媒を、第2キャピラリーチューブで減圧膨張させる。これにより、第1実施形態と同様に、蒸発器32に流入する冷媒の比エンタルピを、C2における比エンタルピよりも低下させることができる。したがって、本実施形態によっても、気液分離器38を備えていない構成に比べて、C2における比エンタルピとD6における比エンタルピとの差分に相当する仕事量を低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット30による冷凍サイクルが高効率化し、省エネ性能の向上が図られる。
また、この場合、第2圧縮部512に流入する冷媒の流量質量と第2圧縮部512から流出する冷媒の流量質量とが等しくなるように、第1圧縮部511の排除容積と第2圧縮部512の排除容積とが設定されている。これにより、第1圧縮部511と第2圧縮部512とを同一の回転周波数で駆動させても、質量流量の均衡が崩れにくい。したがって、1つのインバータ電源52で2つの圧縮部511、512を駆動させる構成であっても、安定した冷凍サイクルの運転を実現することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図7及び図8を参照して説明する。
第3実施形態のヒートポンプユニット60は、第2実施形態のヒートポンプユニット50における第1キャピラリーチューブ53及び第2キャピラリーチューブ54に換えて、蒸発器用電子膨張弁61及び中間蒸発器用電子膨張弁62を有している。蒸発器用電子膨張弁61及び中間蒸発器用電子膨張弁62は、第1実施形態の電子膨張弁36、37と同様に、例えば電子制御により開度の調整が可能な絞り装置であり、制御装置16に接続されている。
蒸発器用電子膨張弁61は、凝縮器31と蒸発器32との間に設けられている。中間蒸発器用電子膨張弁62は、凝縮器31と中間蒸発器55との間に設けられている。冷媒は、凝縮器31から流出した後、2つに分岐する。そして、2つに分岐した冷媒の一方は、蒸発器用電子膨張弁61を通って蒸発器32に流入し、他方は、中間蒸発器用電子膨張弁62を通って中間蒸発器55に流入する。
制御装置16は、中間蒸発器用電子膨張弁62から流出する冷媒の圧力が、蒸発器用電子膨張弁61から流出する冷媒の圧力よりも高くなるように、蒸発器用電子膨張弁61と中間蒸発器用電子膨張弁62との開度を調整する。この場合、蒸発器用電子膨張弁61は、凝縮器31から流出した冷媒の圧力を減圧する主減圧装置として機能する。中間蒸発器用電子膨張弁62は、凝縮器31から流出した冷媒を、蒸発器用電子膨張弁61から流出する冷媒の圧力よりも高い圧力に減圧する中間減圧装置として機能する。また、蒸発器32は、循環風路20内において凝縮器31の上流側に設けられ、蒸発器用電子膨張弁61から流出した冷媒が流入する主蒸発器として機能する。
本実施形態において、第1経路は、図7の矢印Fで示すように、凝縮器31と、蒸発器用電子膨張弁61と、蒸発器32と、2段圧縮機51の第1圧縮部511及び第2圧縮部512と、を通る経路である。また、第2経路は、図7の矢印Gで示すように、凝縮器31と、中間蒸発器用電子膨張弁62と、中間蒸発器55と、2段圧縮機51の第2圧縮部512と、を通る経路である。
この構成において、2段圧縮機51から吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器31を通過する際に放熱し(図8のF1からF2)、これにより、中温高圧の液体状態になって、比エンタルピが減少する。その後、凝縮器31を通過した冷媒は2つに分岐され、一方は第1経路を流れ、他方は第2経路を流れる。すなわち、凝縮器31を通過して2つに分岐された冷媒の一方は、蒸発器用電子膨張弁61で減圧膨張されて、低圧の気液混合状態になる(F2からF3)。この低圧の気液混合状態の冷媒は、蒸発器32を通過する際に吸熱し、比エンタルピが上昇する(F3からF4)。その後、蒸発器32を通過した冷媒は、2段圧縮機51の第1圧縮部511によって中圧に圧縮される(F4からF5)。
凝縮器31を通過して2つに分岐された冷媒の他方は、中間蒸発器用電子膨張弁62で減圧膨張されて、中圧の気液混合状態になる(F2からG1)。この中圧の気液混合状態の冷媒は、中間蒸発器55を通過する際に吸熱し、比エンタルピが上昇する(G1からF6)。そして、中間蒸発器55を通過した冷媒は、2段圧縮機51の第1圧縮部511で圧縮された冷媒と合流する(F6)。このとき、温度の異なる冷媒が合流するため、合流した冷媒の比エンタルピが減少する(F6)。そして、第2圧縮部512の手前で合流した冷媒は、第2圧縮部512で圧縮されて、高温高圧の気体状態になる。その後、2段圧縮機51から吐出された冷媒は、再び凝縮器31に流入する。このようにして、冷媒は、第1経路及び第2経路を循環する。
これによっても、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。すなわち、この場合も、第1圧縮部511から吐出された中温で高比エンタルピ状態の冷媒に、中間蒸発器55を通過して温度の低い低比エンタルピ状態の冷媒が混合される。これにより、図8のF6に示すように、第2圧縮部512に吸い込まれる冷媒の比エンタルピ及び温度を低下させることができる。したがって、本実施形態によっても、ヒートポンプユニットを1つの圧縮機で構成した場合に比べて、目的の圧力に到達させるまでの仕事量、つまり図8に示すC1における比エンタルピとF1における比エンタルピとの差分に相当する仕事量を低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット60による冷凍サイクルが高効率化し、省エネ性能の向上が図られる。
なお、本実施形態においても、第1圧縮部511と第2圧縮部512とを、それぞれ別体の2つの圧縮機とし、この2つの圧縮機を、1つのインバータ電源52で駆動させてもよい。
また、蒸発器用電子膨張弁61及び中間蒸発器用電子膨張弁62を、キャピラリーチューブで代用してもよい。この場合、蒸発器用電子膨張弁61に代わるキャピラリーチューブは、中間蒸発器用電子膨張弁62に代わるキャピラリーチューブよりも、低い圧力に冷媒を減圧するように設定されている。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について図9を参照して説明する。
第4実施形態のヒートポンプユニット70は、第1実施形態のヒートポンプユニット30の構成に加えて、放熱器71を有している。放熱器71は、内部を流れる冷媒と外部の空気との熱交換を行ういわゆる空気熱交換器であり、第1圧縮機34から吐出した冷媒の熱を放熱するためのものである。放熱器71は、例えば冷媒が通る管の周囲に多数の薄い放熱用のフィンを設けたものである。放熱器71は、第1圧縮機34と第2圧縮機35との間に設けられている。この場合、放熱器71は、熱交換部22内における循環風路20上にあって、蒸発器32と凝縮器31との間、つまり蒸発器32の下流側でかつ凝縮器31の上流側に設けられている。
これによれば、放熱器71によって、第1圧縮機34から吐出された冷媒の温度を下げることで、その冷媒の比エンタルピを減少させることができる。すなわち、放熱器71によって、第2圧縮機35に流入する冷媒の比エンタルピを減少させることができる。したがって、本実施形態によれば、第1実施形態の構成に比べて、目的の圧力に到達させるまでの仕事量をさらに低減することができる。その結果、ヒートポンプユニット70による冷凍サイクルが高効率化し、更なる省エネ性能の向上が図られる。
更に、放熱器71は、熱交換部22内において蒸発器32と凝縮器31との間に設けられている。これによれば、蒸発器32で冷却除湿された空気を、放熱器71と凝縮器31とによって加熱することができる。したがって、本実施形態によれば、蒸発器32で冷却除湿された空気を凝縮器31のみで加熱するものに比べて、冷凍サイクルの熱効率が向上される。その結果、ヒートポンプユニット70による冷凍サイクルが高効率化し、更なる省エネ性能の向上が図られる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図10を参照して説明する。
第5実施形態のヒートポンプユニット80は、第1実施形態のヒートポンプユニット30の構成に加えて、緩衝部81を有している。緩衝部81は、第1圧縮機34から吐出された気体状の冷媒の圧力脈動を抑制するためのものである。緩衝部81は、例えば内部に空間が形成された容器である。緩衝部81の断面積は、第1圧縮機34と緩衝部81との繋ぐ配管302の断面積よりも大きい。すなわち、緩衝部81の単位長さ当たりの容積は、第1圧縮機34と緩衝部81との繋ぐ配管302の単位長さ当りの容積よりも大きい。
第1圧縮機34から吐出された気体状態の冷媒は、配管302よりも大きな空間である緩衝部81内の空間に一旦吐出されることで、緩衝部81内に圧力が蓄積される。これにより、第1圧縮機34から吐出された気体状態の冷媒の脈動が抑制されることで、ヒートポンプユニット80による冷凍サイクルの安定性を向上させることができる。そして、冷凍サイクルの安定性を向上させることで、第1圧縮機34や第2圧縮機35に対する不要な制御を抑制し、その結果、省エネ性能を更に向上させることができる。
また、例えば図11(a)に示すように、緩衝部81の下流側に、接続管301を接続してもよい。これによっても、上記第5実施形態と同様の作用効果が得られる。また、図11(b)に示すように、緩衝部81を、第2圧縮機35の下流側に設けてもよい。これによれば、上記第5実施形態と同様に、第2圧縮機35から吐出された気体状態の冷媒の脈動を抑制して、冷凍サイクルの安定性を向上させ、ひいては省エネ性能を向上させることができる。
なお、上記各実施形態は、水平に対して傾斜した軸を有するいわゆる斜めドラム式の洗濯乾燥機10に限られず、水平方向の回転軸を有するドラム式の洗濯乾燥機であってもよい。
また、上記各実施形態は、洗濯機能を備えたものに限られず、洗濯機能を備えていない乾燥機であってもよい。
また、上記各実施形態において、第1圧縮機34及び第2圧縮機35と、2段圧縮機51と、を相互に入れ替えたり、電子膨張弁36、37と、キャピラリーチューブ53、54とを相互に入れ替えたりすることもできる。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。