以下、複数の実施形態によるヒートポンプ式乾燥機について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第一実施形態)
まず、第一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、ヒートポンプ式乾燥機としての洗濯乾燥機10は、外箱11、水槽12、回転槽13、モータ14、及び扉15を備えている。なお、本実施形態において、外箱11に対して扉15側を洗濯乾燥機10の前側とする。洗濯乾燥機10は、ヒートポンプ方式の乾燥機能を備え、回転槽13の回転軸が地面に対して傾斜したいわゆるドラム式の洗濯乾燥機である。外箱11は、鋼板などによって略矩形の箱状に形成されている。水槽12は、外箱11の内部に収容されている。回転槽13は、水槽12の内部に収容されている。水槽12及び回転槽13は、いずれも円筒状に形成されている。
水槽12は、円筒状の一方の端部に開口部121が形成され、他方の端部に水槽端板122が設けられている。開口部121は、傾斜した水槽12において水槽端板122よりも上側に位置している。同様に、回転槽13は、円筒状の一方の端部に開口部131が形成され、他方の端部に回転槽端板132が設けられている。開口部131は、傾斜した回転槽13において回転槽端板132よりも上側に位置している。回転槽13の開口部131は、水槽12の開口部121に周囲を覆われている。水槽12及び回転槽13は、衣類を収容する乾燥室として機能する。
水槽12は、排気口16及び給気口17を有している。排気口16は、水槽12の筒状部分を構成する周壁にあって上部前寄り部分に設けられている。給気口17は、水槽端板122にあって、該水槽端板122の中心よりやや上寄り部分に設けられている。排気口16及び給気口17は、水槽12の内部と外部とを連通している。
水槽12は、重力方向の下方に位置する底部の後端側に排水部18を有している。排水部18は、排気口16及び給気口17の下方に位置している。排水部18は、排水口123、排水弁19、及び排水ホース20から構成されている。排水弁19が開放されることにより、水槽12内の水は、排水口123から排水弁19及び排水ホース20を経由して洗濯乾燥機10の外部へ排出される。
回転槽13は、複数の孔21及び複数の連通口22を有している。孔21及び連通口22は、回転槽13の内部と外部とを連通している。孔21は、回転槽13の円筒状の筒状部分を構成する周壁の全域に形成されている。連通口22は、回転槽端板132の全域に形成されている。孔21及び連通口22は、洗濯運転時及び脱水運転時には、主に水が出入りする通水孔として機能し、乾燥運転時には空気が出入りする通風孔として機能する。なお、図1では、簡単のため複数の孔21及び連通口22のうち一部のみを示している。また、詳細は図示しないが、回転槽13には、筒状部分の内側に複数のバッフルが設けられている。バッフルは、回転槽13の内側に収容された洗濯物を撹拌する。
モータ14は、水槽12の外側にあって水槽端板122に設けられている。モータ14は、例えばアウターロータ型のDCブラシレスモータである。モータ14の軸部141は、水槽端板122を貫いて水槽12の内側へ突出し、回転槽端板132の中心部に固定されている。これにより、モータ14は、水槽12に対して回転槽13を相対的に回転させる。この場合、軸部141、回転槽13の回転軸、及び水槽12の中心軸は、それぞれ一致している。
扉15は、図示しないヒンジを介して外箱11の外面側に設けられている。扉15は、ヒンジを支点に回動し、外箱11の前面に形成された図示しない開口部を開閉する。この外箱11に形成された開口部は、ベローズ112によって、水槽12の開口部121に接続されている。衣類などの洗濯物は、扉15を開放した状態で、開口部121、131を通して回転槽13内に出し入れされる。
洗濯乾燥機10は、図4に示す制御装置23や操作パネル24、及び図2に示す給水装置25を備えている。制御装置23は、マイクロコンピュータなどから構成されており、洗濯乾燥機10の作動全般を制御する。操作パネル24は、図1に示すように、外箱11の前面にあって扉15の上側に設けられている。操作パネル24は、図4に示すように、制御装置23に接続されており、使用者は、操作パネル24を操作することによって運転コースの選択など各種設定を行う。
給水装置25は、図2に示すように、給水ケース26、給水弁27、及び給水ホース28などから構成されている。給水弁27は、制御装置23に接続され、制御装置23の制御を受けて開閉駆動される。給水ホース28は、一端が給水弁27に接続され、他端が水道などの外部の水源に接続されている。制御装置23は、給水弁27を開閉駆動することにより、水源からの水を、給水ホース28、給水弁27、及び給水ケース26を介して水槽12内へ供給する。
洗濯乾燥機10は、図3にも示すように循環風路30を備えている。循環風路30は、水槽12の外側において、排気口16と給気口17とを繋いでいる。具体的には、循環風路30は、排気ダクト31、フィルタ装置32、接続ダクト33、熱交換部34、及び給気ダクト35から構成されている。
排気ダクト31は、図1にも示すように、水槽12の排気口16とフィルタ装置32とを接続している。排気ダクト31は、例えば蛇腹状のホースで構成されている。フィルタ装置32は、外箱11の内側上部にあって、水槽12及び回転槽13の上方に設けられている。フィルタ装置32内には、フィルタ321が設けられている。排気口16から排気された空気は、フィルタ装置32のフィルタ321を通過する際に、リントなどの異物が取り除かれる。
フィルタ装置32は、接続ダクト33を介して熱交換部34の上流側に接続されている。熱交換部34は、外箱11の内側下部にあって、フィルタ装置32、水槽12及び回転槽13の下方に設けられている。熱交換部34は、内部を通過する空気を除湿及び加熱することで乾燥した温風を生成する。熱交換部34内には、ヒートポンプユニット40を構成する蒸発器41及び凝縮器42が設けられている。蒸発器41は、乾燥運転時における熱交換部34内の空気の流れに対して、凝縮器42よりも上流側に設けられている。熱交換部34内を通る空気は、蒸発器41によって冷却され、これにより除湿される。蒸発器41によって除湿された空気は、その後、凝縮器42によって加熱されて温風になる。
熱交換部34の下流側は、給気ダクト35を介して水槽12の給気口17に接続されている。熱交換部34と給気ダクト35との接続部分には、循環ファン36が設けられている。循環ファン36は、例えばシロッコファンなどで構成されている。循環ファン36は、制御装置23の制御によって回転数が変更可能に構成されている。循環ファン36は、熱交換部34内の空気を吸い込み、給気ダクト35側へ吐出する。これにより、図1、図2、及び図3の矢印Aで示すように、水槽12及び循環風路30を循環する空気の流れが生じる。この場合、循環風路30内の空気の流れについて見ると、排気口16が最上流側となり、給気口17が最下流側となる。
この構成において、圧縮機43及び循環ファン36を駆動させると、熱交換部34内で除湿及び加熱された温風は、循環ファン36の送風作用により、給気ダクト35を介して給気口17から水槽12内へ供給される。その後、温風は、主に連通口22から回転槽13内へ入り、回転槽13内の洗濯物から湿気を奪った後、主に孔21から回転槽13の外側へ出る。そして、湿気を含んだ空気は、排気口16から循環風路30に吸い込まれる。循環風路30に吸い込まれた空気は、まず排気ダクト31及びフィルタ装置32を通過する。その後、接続ダクト33を介して熱交換部34へ流れる。このように、乾燥運転は、水槽12と循環風路30との間で空気を循環させ、その空気を循環風路30内で除湿及び加熱することによって行われる。
次に、ヒートポンプユニット40について説明する。ヒートポンプユニット40は、図3に示すように、蒸発器41及び凝縮器42の他、圧縮機43及び減圧装置44を有している。圧縮機43及び減圧装置44は、熱交換部34の外側に設けられている。ヒートポンプユニット40は、圧縮機43を基準とした冷媒が流れる方向に対して順に、凝縮器42、減圧装置44、及び蒸発器41を環状に接続して構成されている。蒸発器41及び凝縮器42は、例えば微小な間隔で設けられた多数のフィンを有する管で構成されており、この管の内部に冷媒を流すことで、フィン間を通る空気と冷媒との熱交換を行う。蒸発器41及び凝縮器42は、熱交換器として機能する。
圧縮機43は、圧送により冷媒を凝縮器42へ供給する。圧縮機43は、制御装置23に接続され、制御装置23の制御により駆動及び停止される。圧縮機43は、例えば供給される交流電源の周波数に応じて一定周波数で駆動する。また、圧縮機43の吸込側431には、アキュムレータ45が設けられている。アキュムレータ45は、圧縮機43に流入する冷媒の圧力変動を抑制する。減圧装置44は、凝縮器42から吐出された高圧で液状の冷媒を、減圧して低圧の気液混合状態にする。この場合、減圧装置44は、例えばキャピラリチューブなどで構成されているが、膨張弁などであってもよい。
また、ヒートポンプユニット40は、迂回路46、第1開閉弁47、第2開閉弁48、及び逆止弁49を有している。迂回路46は、例えば金属製の管であって、圧縮機43を迂回して圧縮機43の吸込側431と吐出側432とを繋いでいる。第1開閉弁47は、迂回路46の途中部分に設けられている。第1開閉弁47は、例えば電磁弁であって、迂回路46を開閉する。
第2開閉弁48は、例えば電磁弁であって、凝縮器42と蒸発器41との間、この場合減圧装置44と蒸発器41との間に設けられている。第1開閉弁47及び第2開閉弁48は、図4に示すように制御装置23に接続され、制御装置23からの制御に基づいて開閉される。逆止弁49は、蒸発器41と圧縮機43との間に設けられ、圧縮機43側から蒸発器41への冷媒の逆流を防止している。
制御装置23は、図5に示すように、圧縮機43の駆動中においては、第1開閉弁47を閉鎖するとともに第2開閉弁48を開放する。この状態では、圧縮機43の圧送作用によって、圧縮機43の吸込側431と吐出側432との間に圧力差が生じる。そして、圧縮機43の吐出側432から吐出された冷媒は、図3の矢印Bで示すように、凝縮器42、減圧装置44、第2開閉弁48、蒸発器41、逆止弁49を順に巡り、圧縮機43に再び吸い込まれる。これにより、ヒートポンプユニット40による冷凍サイクルが運転される。
制御装置23は、圧縮機43の停止中においては、第1開閉弁47を開放するとともに第2開閉弁48を閉鎖する。すなわち、圧縮機43が停止中である場合における圧縮機43の周辺について見ると、圧縮機43の吐出側432にある高温高圧の冷媒は、図3の矢印Cで示すように、迂回路46を通り、凝縮器42側よりも低圧となっている圧縮機43の吸込側431へ流れる。これにより、圧縮機43の吸込側431と吐出側432との間の圧力差が解消される。この場合、迂回路46及び第1開閉弁47は、圧縮機43の停止中に圧縮機43の吸込側431と吐出側432との圧力差が均衡するように調整する圧力差調整手段として機能する。
一方、圧縮機43が停止中である場合における減圧装置44の周辺について見ると、減圧装置44の上流側すなわち凝縮器42側に残った高温高圧の冷媒は、第2開閉弁48に遮断されるため、減圧装置44の下流側すなわち蒸発器41側へは流れない。そのため、蒸発器41と凝縮器42との間の圧力差は、圧縮機43の停止前の状態に近い状態で維持される。この場合、第2開閉弁48は、圧縮機43の停止中に凝縮器42側から蒸発器41側への冷媒の移動を遮断する遮断手段として機能する。なお、減圧装置44が絞り開度を略0に制御できる膨張弁である場合、この膨張弁を遮断手段として機能させることができる。
洗濯乾燥機10は、図3及び図4に示すように、給気口温度センサ51、排気口温度センサ52、圧縮機温度センサ53、凝縮器温度センサ54、蒸発器入口温度センサ55、及び蒸発器出口温度センサ56を備えている。給気口温度センサ51、排気口温度センサ52、圧縮機温度センサ53、凝縮器温度センサ54、蒸発器入口温度センサ55、及び蒸発器出口温度センサ56は、それぞれヒートポンプユニット40の温度を直接又は間接的に検出する温度検出手段として機能し、それぞれ制御装置23に接続されている。
給気口温度センサ51及び排気口温度センサ52は、図3に示すように、循環風路30内に設けられ、循環風路30内の空気の温度を検出する。このうち、給気口温度センサ51は、凝縮器42と給気口17との間であって、給気口17の近傍に設けられている。給気口温度センサ51は、給気ダクト35を通って乾燥室である水槽12及び回転槽13内へ供給される空気、つまり熱交換部34で熱せられて乾燥室内へ供給される空気の温度を検出する。排気口温度センサ52は、蒸発器41と排気口16との間であって、排気口16の近傍に設けられている。排気口温度センサ52は、乾燥室である水槽12及び回転槽13から排気されて排気ダクト31内を通る空気の温度を検出する。
圧縮機温度センサ53は、圧縮機43の吐出側432の冷媒管に設けられ、圧縮機43から吐出される冷媒の温度つまり圧縮機43の温度を検出する。凝縮器温度センサ54は、凝縮器42の中央部に設けられ、凝縮器42の温度を検出する。蒸発器入口温度センサ55は、蒸発器41に対し冷媒の入口側に設けられ、蒸発器41の入口側部分の温度を検出する。蒸発器出口温度センサ56は、蒸発器41に対し冷媒の出口側に設けられ、蒸発器41の出口側部分の温度を検出する。
制御装置23は、洗濯運転と乾燥運転と洗乾運転とを選択的に実行可能である。このうち、乾燥運転及び洗乾運転で実行される乾燥工程について、図6〜図8も参照して説明する。乾燥工程では、ヒートポンプユニット40及び循環ファン36が駆動される。そして、ヒートポンプユニット40により除湿及び加熱された温風が水槽12内へ供給され、これにより回転槽13内の衣類の乾燥を進行させる。制御装置23は、ヒートポンプユニット40を安全に運転するため、乾燥工程中において圧縮機温度センサ53の検出温度Taに基づいて、圧縮機43を停止・再起動させるとともに循環ファン36の回転数の増減を行う。
すなわち、洗濯乾燥機10には、圧縮機上限温度Tを基準として、第1圧縮機停止温度T1、第1循環ファン判定温度T2、及び第1圧縮機再起動温度T3が設定されている。圧縮機上限温度Tは、ヒートポンプユニット40を安全に駆動することができる圧縮機43の上限温度である。本実施形態の場合、圧縮機上限温度Tは、105℃に設定されている。第1圧縮機停止温度T1は、圧縮機43を一時停止するための判断基準となる圧縮機43の温度であり、圧縮機上限温度Tよりも所定温度低い温度に設定されている。本実施形態の場合、第1圧縮機停止温度T1は、圧縮機上限温度Tよりも5℃低い100℃に設定されている。
第1循環ファン判定温度T2は、循環ファン36の回転数の増減を行うための判断基準となる圧縮機43の温度である。第1圧縮機再起動温度T3は、一時停止中の圧縮機43を再起動させるための判断基準となる圧縮機43の温度である。第1循環ファン判定温度T2及び第1圧縮機再起動温度T3は、第1圧縮機停止温度T1よりもさらに所定温度低い温度に設定されている。本実施形態の場合、第1循環ファン判定温度T2及び第1圧縮機再起動温度T3は、第1圧縮機停止温度T1よりもさらに5℃低い95℃に設定されている。
制御装置23は、乾燥工程における圧縮機43の駆動中に、圧縮機43の温度つまり圧縮機温度センサ53による圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えた場合、循環ファン36の回転数を増大させる。これにより、循環風路30内の風量を増大させ、循環風路30内の熱移動を促進させることで、圧縮機43の温度上昇の抑制を図る。さらに、制御装置23は、乾燥工程における圧縮機43を駆動中に、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えた場合、圧縮機43を一時停止させる。これにより、圧縮機43による発熱を停止させ、圧縮機43の冷却を図る。そして、制御装置23は、圧縮機温度センサ53による圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)以下となったと判断すると、圧縮機43を再起動させる。
具体的には、制御装置23は、図6に示すように、乾燥工程を開始すると(開始)、まず、ステップS11において、圧縮機43を一定回転数で駆動させるとともに、循環ファン36を駆動させる。この場合、循環ファン36の回転数Fは、初期値F0=4500rpmに設定されている。このとき、第1開閉弁47は閉鎖されており、第2開閉弁48は開放されている。
次に、制御装置23は、ステップS12において、乾燥工程の終了条件を満たしているか否かを判断する。制御装置23は、乾燥工程の終了条件を満たしていれば(ステップS12でYES)、ステップS15へ移行し、圧縮機43及び循環ファン36を停止させ、乾燥工程を終了させる(終了)。一方、制御装置23は、乾燥工程の終了条件を満たしていない場合(ステップS12でNO)、ステップS13へ移行する。乾燥工程の終了条件は、例えば回転槽13内に収容された衣類の重量や使用者の操作などによって予め設定された乾燥工程時間を経過したか、又は給気口温度センサ51と排気口温度センサ52とで検出される温度差が所定範囲内に収束したかなどに基づいて判断される。
次に、制御装置23は、ステップS13において、循環ファン制御判定を実行する。循環ファン制御判定において、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えたか否かを判断し、循環ファン36の回転数を増減させる。具体的には、循環ファン制御判定が実行されると、制御装置23は、図7に示すように、ステップS21において、循環ファン36の現在の回転数Fが、初期値F0(=4500rpm)より大きいか否かを判断する。これにより、制御装置23は、現在、循環ファン36の回転数Fが、現時点以前の循環ファン制御判定の実行によって増大されているか否かを判断する。
制御装置23は、循環ファン36の現在の回転数Fが初期値F0(=4500rpm)より大きい場合(ステップS21でYES)、循環ファン36の回転数Fが循環ファン制御判定の実行によって増大されていると判断し、ステップS22へ移行する。制御装置23は、ステップS22において、循環ファン36の回転数Fが前回の循環ファン制御判定の実行によって増大されてから所定時間、例えば1分経過したか否かを判断する。これは、循環ファン36の回転数Fが循環ファン制御判定の実行によって一旦増大された場合、少なくとも所定時間この場合1分間は増大後の回転数Fを維持するためである。制御装置23は、回転数Fの増大があってから1分間経過していれば(ステップS22でYES)、ステップS23へ移行する。一方、制御装置23は、回転数Fの増大があってから1分間経過していなければ(ステップS22でNO)、現在の増大後の回転数Fを維持するため、図6に示すステップS14へ移行する(リターン)。
また、制御装置23は、ステップS21において、現在の循環ファン36の回転数Fが初期値F0(=4500rpm)を超えていない場合(NO)、循環ファン36の回転数Fは増大されていないと判断し、ステップS23へ移行する。制御装置23は、ステップS23において、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えているか否かを判断する。
制御装置23は、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えている場合(ステップS23でYES)、ステップS24へ移行し、循環ファン36の回転数Fを例えば250rpm増大させる。なお、ステップS24において、増大後の回転数Fが循環ファン36の最大回転数Fmax例えば5500rpmを超える場合は、回転数FはFmax(=5500rpm)とする。その後、制御装置23は、図6のステップS14へ移行する(リターン)。
一方、制御装置23は、ステップS23において、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えていない場合(NO)、ステップS25へ移行する。そして、制御装置23は、循環ファン36の回転数Fを初期値F0にする。これにより、循環ファン36の回転数Fは、前回の循環ファン制御判定の実行によって増大されていれば初期値F0に戻され、増大されていなければ初期値F0で維持される。その後、制御装置23は、図6のステップS14へ移行する(リターン)。
次に、制御装置23は、図6のステップS14において、圧縮機停止判定を実行する。圧縮機停止判定において、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えたか否かを判断し、超えている場合は圧縮機43を一時停止させ、超えていない場合は圧縮機43の駆動を継続させる。
具体的には、圧縮機停止判定が実行されると、制御装置23は、図8に示すように、ステップS31において、圧縮機43が停止中であるか否かを判断する。これにより、制御装置23は、圧縮機43が今回以前の圧縮機停止判定の実行によって現在停止中であるか否かを判断する。制御装置23は、圧縮機43が現在停止中である場合(ステップS31でYES)、ステップS34へ移行する。一方、制御装置23は、圧縮機43が現在駆動中である場合(ステップS31でNO)、ステップS32へ移行する。
ステップS32において、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えたか否かを判断する。圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えていない場合(ステップS32でNO)、制御装置23は、圧縮機43の駆動が正常温度の範囲内で安定していると判断し、図6に示すステップS12へ移行する(リターン)。一方、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えている場合(ステップS32でYES)、制御装置23は、圧縮機43の駆動が正常温度の範囲を超えたと判断し、ステップS33へ移行する。
ステップS33において、制御装置23は、圧縮機43を一時停止させるとともに、循環ファン36の回転数Fを、初期値F0(=4500rpm)よりも小さい例えば3000rpmに減少させる。さらに、制御装置23は、第1開閉弁47を開放するとともに、第2開閉弁48を閉鎖する。第1開閉弁47が開放されると、図3に矢印Cで示すように、圧縮機43の吐出側432の冷媒が吸込側431へ移動し、圧縮機43の吸込側431と吐出側432との圧力差が解消される。この場合、逆止弁49に対して、蒸発器41側よりも圧縮機43側の方が高圧となる。そのため、圧縮機43が停止中であっても逆止弁49を正常に動作させることができ、これにより、圧縮機43側の冷媒が蒸発器41側へ移動することが防がれる。
また、第2開閉弁48が閉鎖されると、凝縮器42側から蒸発器41側への冷媒の移動が遮断される。そのため、圧縮機43の停止中において、冷媒の移動により凝縮器42側から蒸発器41側へ熱が移動することが抑制される。すなわち、圧縮機43の停止中において、凝縮器42側にある比較的高温の冷媒は、そのまま凝縮器42側に滞留する一方、蒸発器41側にある比較的低温の冷媒は、そのまま蒸発器41側に滞留する。これにより、圧縮機43の停止中であっても、凝縮器42を比較的高温の状態で維持できるとともに、蒸発器41を比較的低温の状態で維持することができる。すなわち、圧縮機43が停止中であっても、凝縮器42と蒸発器41との温度差を維持して循環風路30内の空気をある程度除湿及び加熱することができる。その結果、圧縮機43の一時停止中であっても、衣類の乾燥を促進させることができる。
その後、制御装置23は、図8に示すステップS34へ移行し、ステップS33において圧縮機43が一時停止されてから所定時間、例えば1分間経過したか否かを判断する。これは、圧縮機43を一時停止した場合は、少なくとも1分間は圧縮機43を停止した状態を維持し、圧縮機43の冷却を促進するためである。制御装置23は、圧縮機43が一時停止中であるが(ステップS31でYES)、一時停止されてから所定時間を経過していない場合(ステップS34でNO)、図6に示すステップS12へ移行する(リターン)。一方、制御装置23は、圧縮機43が一時停止中であって(ステップS31でYES)、かつ、一時停止されてから所定時間を経過した場合(ステップS34でYES)、ステップS35へ移行する。
ステップS35において、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)を下回っているか否かを判断する。制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)以上である場合(ステップS35でNO)、圧縮機43の冷却は不十分であると判断する。この場合、制御装置23は、圧縮機43の冷却を継続するため、圧縮機43を再起動させることなく、図6に示すステップS12へ移行する(リターン)。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)以下である場合(ステップS35でYES)、圧縮機43の冷却は十分であると判断し、ステップS36へ移行して圧縮機43を再起動する。
ステップS36において、制御装置23は、圧縮機43を再起動するとともに、循環ファン36を最大回転数Fmax(=5500rpm)で駆動させる。さらに、第1開閉弁47を閉鎖するとともに第2開閉弁48を開放する。すると、圧縮機43の吐出側432から吐出された冷媒は、再び、凝縮器42、減圧装置44、第2開閉弁48、蒸発器41、逆止弁49を順に巡り圧縮機43に吸い込まれる、といった循環が行われる。これにより、ヒートポンプユニット40による冷凍サイクルが再起動される。その後、図6のステップS12へ移行し(リターン)、乾燥終了条件を満たすまで(ステップS12でYES)、ステップS12〜ステップS14を繰り返す。
これによれば、第1圧縮機停止温度T1は、圧縮機43の安全上定められた上限温度である圧縮機上限温度Tよりも低い値に設定されている。そして、制御装置23は、圧縮機43の駆動中、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1を超えた場合に、圧縮機43を一時停止させる。これにより、圧縮機43は、圧縮機温度Taが圧縮機上限温度Tを超えた状態で駆動されることがなくなり、その結果、ヒートポンプユニット40を安全に運転することができる。
第1循環ファン判定温度T2は、第1圧縮機停止温度T1よりも低い値に設定されている。そして、制御装置23は、乾燥工程において圧縮機43の駆動中、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2を超えた場合に、循環ファン36の回転数Fを増大させる。これによれば、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1を超える前に、循環ファン36の回転数Fを増大させて圧縮機43の温度上昇を抑制することができる。そのため、圧縮機43を停止させる頻度を低減することができ、乾燥効率の向上を図ることができる。
ヒートポンプユニット40は、圧力差調整手段として迂回路46及び第1開閉弁47を有している。制御装置23は、圧縮機43の一時停止中に第1開閉弁47を開放する。すると、圧縮機43の吐出側432にある高圧の冷媒は、迂回路46を通って圧縮機43の吸込側431へ流れる。これにより、圧縮機43の吸込側431と吐出側432との圧力差が均衡するように調整される。これによれば、圧縮機43を再起動する際、圧縮機43の吸込側431には十分な量の冷媒が存在するため、再起動後の比較的早期の段階から十分な圧力で冷媒を供給することができる。したがって、ヒートポンプユニット40の再起動後の立ち上がりを早期に行うことができ、その結果、乾燥効率の低下を抑制しつつ安全に圧縮機43を駆動させることができる。
また、ヒートポンプユニット40は、遮断手段として第2開閉弁48を有している。制御装置23は、圧縮機43の一時停止中に第2開閉弁48を閉鎖する。すると、凝縮器42側から蒸発器41側への冷媒の移動が妨げられる。これにより、凝縮器42側には比較的高温の冷媒が残留し、蒸発器41側には比較的低温の冷媒が残留する。したがって、圧縮機43の一時停止中であっても、凝縮器42と蒸発器41との温度差を維持することができる。そのため、ヒートポンプユニット40は、圧縮機43の一時停止中であっても、ある程度の乾燥性能を発揮することができ、その結果、安全性を維持しつつさらに乾燥効率の向上を図ることができる。
また、この構成によれば、圧縮機43の回転数が一定回転数に固定されたものであっても、ヒートポンプユニット40を安全性及び乾燥性能に優れたものにすることができる。すなわち、圧縮機43の回転数をインバータなどによって変更可能にしなくても、ヒートポンプユニット40を安全性及び乾燥性能に優れたものにすることができる。その結果、インバータ等を採用することによるコストの増加を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図9及び図10を参照して説明する。
第2実施形態において、制御装置23は、第1実施形態の処理に加え、凝縮器温度センサ54の検出温度Saに基づいて、圧縮機43を停止・再起動させるとともに循環ファン36の回転数の増減を行う。
すなわち、洗濯乾燥機10には、凝縮器上限温度Sを基準として、第2圧縮機停止温度S1、第2循環ファン判定温度S2、及び第2圧縮機再起動温度S3が設定されている。凝縮器上限温度Sは、ヒートポンプユニット40を安全に駆動することができる凝縮器42の上限温度である。この場合、凝縮器上限温度Sは、80℃に設定されている。第2圧縮機停止温度S1は、圧縮機43を一時停止するための判断基準となる凝縮器42の温度であり、凝縮器上限温度Sよりも所定温度低い温度に設定されている。この場合、第2圧縮機停止温度S1は、凝縮器上限温度Sよりも5℃低い75℃に設定されている。
第2循環ファン判定温度S2は、循環ファン36の回転数の増減を行うための判断基準となる凝縮器42の温度である。第2圧縮機再起動温度S3は、一時停止中の圧縮機43を再起動させるための判断基準となる凝縮器42の温度である。第2循環ファン判定温度S2及び第2圧縮機再起動温度S3は、第2圧縮機停止温度S1よりもさらに所定温度低い温度に設定されている。この場合、第2循環ファン判定温度S2及び第2圧縮機再起動温度S3は、第2圧縮機停止温度S1よりもさらに5℃低い70℃に設定されている。
本実施形態では、図7に示す第1実施形態の循環ファン制御判定に対し、図9に示すようにステップS26が追加されている。制御装置23は、ステップS23において圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えていない場合(NO)、ステップS26へ移行する。そして、制御装置23は、凝縮器温度Saが第2循環ファン判定温度S2(=70℃)を超えている場合(ステップS26でYES)、ステップS24へ移行し、循環ファン36の回転数Fを増大させる。一方、制御装置23は、ステップS26において、凝縮器温度Saが第2循環ファン判定温度S2(=70℃)を超えていない場合(NO)、ステップS25へ移行する。
つまり、この場合、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)を超えた場合(ステップS23でYES)、又は、凝縮器温度Saが第2循環ファン判定温度S2(=70℃)を超えた場合(ステップS26でYES)に、圧縮機43の温度が高いと判断し、ステップS24へ移行して循環ファン36の回転数Fを増大させる。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1循環ファン判定温度T2(=95℃)以下であり(ステップS23でNO)、かつ、凝縮器温度Saが第2循環ファン判定温度S2(=70℃)以下である場合(ステップS26でNO)に、圧縮機43の温度は低いと判断し、ステップS25へ移行して循環ファン36の回転数Fを初期値F0にする。
また、本実施形態では、図8に示す第1実施形態の圧縮機停止判定に対し、図10に示すようにステップS37及びステップS38が追加されている。制御装置23は、ステップS32において、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えていない場合(NO)、ステップS37へ移行する。そして、制御装置23は、凝縮器温度Saが第2圧縮機停止温度S1を超えていない場合(ステップS37でNO)、図6に示すステップS12へ移行する(リターン)。一方、制御装置23は、ステップS37において凝縮器温度Saが第2圧縮機停止温度S1を超えている場合(YES)、ステップS33へ移行する。
つまり、この場合、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えた場合(ステップS32でYES)、又は、凝縮器温度Saが第2圧縮機停止温度S1を超えた場合(ステップS37でYES)に、圧縮機43の駆動が正常温度の範囲を超えたと判断し、ステップS33へ移行して圧縮機43を一時停止させる。一方、圧縮機温度Taが第1圧縮機停止温度T1(=100℃)を超えておらず(ステップS32でNO)、かつ、凝縮器温度Saが第2圧縮機停止温度S1を超えていない場合(ステップS37でNO)に、圧縮機43が正常温度の範囲内で安定していると判断する。
また、制御装置23は、ステップS35において、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)を下回っている場合(ステップS35でYES)、ステップS38へ移行する。そして、制御装置23は、凝縮器温度Saが第2圧縮機再起動温度S3(=70℃)を下回っている場合(ステップS38でYES)、圧縮機43の冷却は十分であると判断し、ステップS36へ移行して圧縮機43を再起動する。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)以上である場合(ステップS35でNO)、又は、凝縮器温度Saが第2圧縮機再起動温度S3(=70℃)以上である場合(ステップS38でNO)、圧縮機43の冷却は不十分であると判断し、図6に示すステップS12へ移行する(リターン)。
つまり、この場合、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)を下回り(ステップS35でYES)、かつ、凝縮器温度Saが第2圧縮機再起動温度S3(=70℃)を下回った場合(ステップS38でYES)に、圧縮機43の冷却は十分であると判断し、ステップS36へ移行して圧縮機43を再起動する。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが第1圧縮機再起動温度T3(=95℃)を上回っている場合(ステップS35でNO)、又は、凝縮器温度Saが第2圧縮機再起動温度S3(=70℃)を上回っている場合(ステップS38でNO)に、圧縮機43の冷却は不十分であると判断し、図6に示すステップS12へ移行して冷却を継続する。
これによれば、制御装置23は、圧縮機43及び凝縮器42の二ヶ所の温度に基づいて、圧縮機43の停止を判断するため、圧縮機43の温度上昇、ひいてはヒートポンプユニット40の温度上昇を、より正確に判断することができる。その結果、ヒートポンプユニット40の運転をより安全性の高いものとすることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図11〜図14を参照して説明する。
第3実施形態において、洗濯乾燥機10は、図11に示すように、圧縮機43を冷却するための冷却ファン60を備えている。冷却ファン60は、図12に示すように、制御装置23に接続され、制御装置23によって駆動制御される。
本実施形態では、図6に示す第1実施形態の制御内容に対し、図13に示すように冷却ファン駆動判定(ステップS16)が追加されている。この場合、洗濯乾燥機10には、冷却ファン駆動温度H1及び冷却ファン停止温度H2が予め設定されている。冷却ファン駆動温度H1は、冷却ファン60の駆動開始の判断基準となる圧縮機43の温度であり、本実施形態の場合、圧縮機上限温度T(=105℃)よりも20℃低い85℃に設定されている。冷却ファン停止温度H2は、冷却ファン60の停止の判断基準となる圧縮機43の温度であり、本実施形態の場合、冷却ファン駆動温度H1(=85℃)よりも10℃低い75℃に設定されている。
制御装置23は、ステップS12において、乾燥工程の終了条件を満たしているか否かを判断し、乾燥工程の終了条件を満たしていない場合(ステップS12でNO)、ステップS16へ移行する。制御装置23は、ステップS16へ移行すると、冷却ファン駆動判定を実行する。冷却ファン駆動判定において、制御装置23は、圧縮機温度Taに基づいて、冷却ファン60の駆動・停止を制御する。
制御装置23は、冷却ファン駆動判定を実行すると、図14に示すように、まず、ステップS41において、冷却ファン60が駆動中であるか否かを判断する。制御装置23は、冷却ファン60が駆動していない場合(ステップS41でNO)、ステップS42へ移行する。制御装置23は、圧縮機温度Taが冷却ファン駆動温度H1(=85℃)を超えている場合(ステップS42でYES)、ステップS43へ移行して冷却ファン60を駆動させる。これにより、圧縮機43の温度上昇が抑制される。その後、制御装置23は、図13のステップS13へ移行する(リターン)。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが冷却ファン駆動温度H1(=85℃)を超えていない場合(ステップS42でNO)、冷却ファン60を駆動させることなく、図13のステップS13へ移行する(リターン)。
また、制御装置23は、冷却ファン60が駆動中である場合(ステップS41でYES)、ステップS44へ移行する。制御装置23は、圧縮機温度Taが冷却ファン停止温度H2(=75℃)を下回っている場合(ステップS44でYES)、圧縮機43の温度が十分に下がったと判断し、ステップS45へ移行する。そして、制御装置23は、ステップS45において冷却ファン60を停止させ、その後、図13のステップS13へ移行する(リターン)。一方、制御装置23は、圧縮機温度Taが冷却ファン停止温度H2(=75℃)以上である場合(ステップS44でNO)、冷却ファン60による圧縮機43の冷却を継続するため、冷却ファン60を停止させずに、図13のステップS13へ移行する(リターン)。
これによれば、冷却ファン60の送風作用により、圧縮機43の温度上昇をより効果的に抑制することができる。したがって、圧縮機43を冷却するために圧縮機43を停止させる頻度が低減され、これにより、ヒートポンプユニット40の運転に関し、乾燥効率の低下を抑制しつつ高い安全性を確保することができる。その結果、より安全で乾燥効率の高いヒートポンプ式の乾燥機を提供することができる。
なお、上記各実施形態は、洗濯機能を備えたものに限られず、洗濯機能を備えていない乾燥機であってもよい。
また、制御装置23は、圧縮機温度センサ53及び凝縮器温度センサ54以外の温度センサ、例えば給気口温度センサ51、排気口温度センサ52、蒸発器入口温度センサ55、蒸発器出口温度センサ56などの検出温度に基づいて圧縮機43の温度変化を間接的に検出し、これにより圧縮機43の一時停止や、循環ファン36の回転数の増減、冷却ファン60の駆動の判断を行ってもよい。圧力調整手段は、圧縮機42とは別に設けられた迂回路46と第1開閉弁47とによる構成に限られず、例えば圧縮機42に内蔵されたものであってもよい。
以上説明した実施形態の構成によれば、ヒートポンプユニットは、圧力差調整手段と、遮断手段と、逆止弁と、制御手段と、を有している。圧力差調整手段は、圧縮機の停止中に圧縮機の吸込側と吐出側との圧力差を均衡させる。遮断手段は、圧縮機の停止中に凝縮器側から蒸発器側への冷媒の移動を遮断する。逆止弁は、蒸発器と圧縮機との間に設けられ圧縮機側から蒸発器側への冷媒の逆流を防ぐ。そして、制御装置は、乾燥工程中に温度検出手段の検出温度に基づいて圧縮機を一時停止させる。
これによれば、乾燥工程中、圧縮機を冷却のために一時停止させた後、圧縮機を再起動する際、圧縮機の吸込側には十分な量の冷媒が存在する。そのため、圧縮機は、再起動後の比較的早期の段階から十分な圧力で冷媒を供給することができる。したがって、ヒートポンプユニットの再起動後の立ち上がりを早期に行うことができ、その結果、乾燥効率の低下を抑制しつつ安全性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。