JP6509299B1 - 複合成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、第1の成形品と第2の成形品とを一体化した複合成形品において、接合強度が高く、かつ成形品のショット間における複合成形品の接合強度が安定でバラツキの少ない樹脂成形品を提供することを目的とする。【解決手段】 少なくとも樹脂、ガラス繊維およびレーザ吸収材を含有し、該ガラス繊維が露出した溝を有する溝付きの第1の樹脂成形品と、該第1の樹脂成形品の該溝を有する面上に隣接して配置される第2の成形品、とを備えた複合成形品であって、該第1の樹脂成形品において、該ガラス繊維は該樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対し12〜45質量%が混合され、該レーザ吸収材は該樹脂組成物全体に対し0.25〜10質量%混合され、かつ特定の配合範囲にある複合成形品。【選択図】図1

Description

本発明は、溝付きの第1の樹脂成形品、この溝付きの第1の樹脂成形品を用いた複合成形品、及びこれらの製造方法に関する。
近年、自動車、電気製品、産業機器等をはじめとした分野では、二酸化炭素の排出量削減、製造コストの削減等の要請に応えるため、金属成形品の一部を樹脂成形品に置き換える動きが広がっている。これに伴い、樹脂成形品と金属成形品とを一体化した複合成形品が広く普及している。これに限らず、同種又は異種の材料からなる成形品を一体化した複合成形品も広く普及している。
第1の樹脂成形品と第2の成形品とを一体化した複合成形品の製造方法として、特許文献1には、無機充填材を含有する第1の樹脂成形品の表面にレーザを照射することで、該表面に無機充填材が露出した溝構造を形成し、その後、該表面に他方の樹脂成形品を接して充填、成形し、一体化させることが提案されている。
国際公開第2015/146767号
しかしながら、レーザの照射により樹脂成形品に溝構造を形成する場合、樹脂に混合するガラス繊維等の無機充填剤やレーザを吸収する配合剤等の形状や添加量によって、レーザの吸収や散乱による減衰の状態が変化するため、溝構造の形成状態、ひいては複合成形品の接合状態に影響が生じることになる。
特に、樹脂部の劣化を避けるため、あるいは設備上の制約等の事情から、レーザ照射の出力を抑えなければならない場合には、第1の樹脂成形品の成形ショット間における無機充填剤及び/又は配合剤の分散及び/又は配向状態のバラツキが、溝構造の形成に影響しやすくなり、その結果、接合強度にバラツキが生じ、歩留まりが悪く生産性に劣る複合成形品となる場合があった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、第1の樹脂成形品と第2の成形品とを接合したときの強度を維持しながらも、成形ショット間での強度が安定でバラツキの少ない複合成形品を提供することである。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1.少なくとも樹脂、ガラス繊維およびレーザ吸収材を含有し、該ガラス繊維が露出した溝を有する溝付きの第1の樹脂成形品と、
該第1の樹脂成形品の該溝を有する面上に隣接して配置される第2の成形品、
とを備えた複合成形品であって、
該第1の樹脂成形品において、該ガラス繊維は、該樹脂組成物全体に対し12〜45質量%が混合され、
該レーザ吸収材は、該樹脂組成物全体に対し0.25〜10質量%混合されており、かつ、[{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}が、700以上2500以下を満たす、複合成形品。
2.前記ガラス繊維が、前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対し20〜38質量%混合され、前記レーザ吸収材が、前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対し0.35〜9質量%混合されている、前記1に記載の複合成形品。
3.{前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記ガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記レーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{前記第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記ガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}が1200以上2100以下を満たす、前記1又は2に記載の複合成形品。
本発明によれば、第1の樹脂成形品と第2の成形品とを接合したときの強度を維持しながらも、ショット間の接合強度が安定でバラツキのない樹脂成形品を得ることができる。
本実施形態の複合成形品1の拡大断面を模式的に示した図である。 複合成形品の構成要素である溝付きの第1の樹脂成形品の拡大断面を模式的に示した図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
<複合成形品>
本発明の複合成形品は、少なくとも樹脂、ガラス繊維およびレーザ吸収材を含有する樹脂組成物からなり、該ガラス繊維が露出した溝を有する溝付きの第1の樹脂成形品と、該第1の樹脂成形品の該溝を有する面上に隣接して配置される第2の成形品、とを備えた複合成形品であって、該第1の樹脂成形品において、該ガラス繊維は、該樹脂組成物全体に対し12〜45質量%が混合され、該レーザ吸収材は該樹脂組成物全体に対し0.25〜10質量%混合されており、かつ、[{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}が700以上2500以下を満たすことを特徴とする。
図1は本発明の複合成形品の概略拡大断面の模式図である。複合成形品1は、溝付きの第1の樹脂成形品10と、凸部を有する第2の成形品20とを備える。溝付きの第1の樹脂成形品10の溝内部には、ガラス繊維が側面より突出している。そして、第2の成形品20の凸部は、該突出したガラス繊維を囲むようにして溝付きの第1の樹脂成形品10の溝に入り込んでいる。
≪溝付きの第1の樹脂成形品10≫
図2は、溝付きの第1の樹脂成形品10の概略拡大断面模式図である。溝付きの第1の樹脂成形品10は、ガラス繊維11を含有する。また、溝付きの第1の樹脂成形品10は、ガラス繊維11が側面より突出し露出された溝12を有する。ガラス繊維の一部は、溝に架かっている。
[樹脂]
本発明の溝付きの第1の樹脂成形品10を構成する樹脂組成物に用いる樹脂は、レーザの照射により除去され、結果として溝12を形成できるものであれば、特に限定されるものではなく、熱可塑性であってもよいし、熱硬化性であってもよい。樹脂の好適な材質として、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)等が挙げられる。
[ガラス繊維]
本発明のガラス繊維11は、樹脂成形品の樹脂の一部を除去することにより、溝付きの第1の樹脂成形品10に形成される溝において溝の側面より突出し露出されるものである。そしてガラス繊維11の平均繊維長は特に限定されないが、樹脂に溶融混練される前の状態で、好ましくは0.1〜5mm、より好ましくは0.5〜3.5mmであり、平均直径は好ましくは3〜20μm、より好ましくは8〜15μmであることを特徴とする。
通常、ガラス繊維の含有量(質量%)が同じでその径が異なる場合、ガラス繊維の平均直径が細い方ほど、同一容積内に存在するガラス繊維の本数が多くなることから、引張強度等の機械的特性が高くなる傾向にあるが、本発明においては、ガラス繊維の平均直径が細すぎると、上述の通りガラス繊維の本数が多くなることから、レーザ光の反射や散乱による減衰が生じやすくなり、樹脂の除去効率が低下し、アンカー効果のもととなる溝の形成に影響を及ぼしうるため、溝付きの第1の樹脂成形品と第2の成形品の接合強度が低下したり、製品ごとの接合強度のバラツキが大きくなったりする場合がある。
一方、ガラス繊維の平均直径が太すぎる場合、樹脂組成物自体の機械的特性を十分高めることが難しくなる場合がある。これらの観点から、ガラス繊維の平均直径を上記の適切な範囲とすることが望ましい。
ガラス繊維の含有量は、溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対して12質量%以上45質量%以下である。12質量%未満であると、ガラス繊維11が溝12で露出したとしても、このガラス繊維11が溝付きの第1の樹脂成形品10及び第2の成形品20の破壊を抑えるアンカーの役割を十分に果たせない可能性がある。
45質量%を超えると、溝12の形成のために照射したレーザ光が、ガラス繊維11による減衰の影響を受けやすくなり、溝付きの第1の樹脂成形品10と第2の成形品20との接合強度にバラツキが大きくなる場合がある。ガラス繊維の含有量は15質量%以上40質量%以下であることが好ましく、20質量%以上38質量%以下がより好ましく、25質量%以上35質量%以下がさらに好ましい。平均繊維長、平均直径は、電子顕微鏡写真において100個の試料の値を読み取り平均値を出すことにより定めることができる。
ガラス繊維11として、単独もしくは混合して用いることができ、繊維状以外のガラスフレーク、マイカ、タルク、ガラスビーズなどの無機充填剤やその他の添加剤や改質剤などが、本発明の効果の発現を妨げない程度に配合されていても構わない。
溝12で露出するガラス繊維11が溝付きの第1の樹脂成形品10及び第2の成形品20の破壊を抑えるアンカーの役割を果たすにあたり、溝12においては、樹脂の一部が除去されることにより形成される凹凸の山13同士をガラス繊維11が好適に架けていることが好ましい。
[レーザ吸収材]
本発明では、レーザ吸収材を溝付きの第1の樹脂成形品10を構成する樹脂組成物全体の0.25〜10
質量%含有させることにより、レーザ照射時の樹脂の除去しやすさ(溝の形成しやすさ)を適宜調整することができ、接合強度のバラツキを抑制することができる。0.25質量%よりも少ない場合は、ガラス繊維によるレーザの反射や散乱による減衰が発生しやすく、溝の形成状態にバラツキを発生しやすくなり、10質量%を超えた場合は、レーザ吸収材の凝集物が生じたり、またレーザ吸収材が凝集し高濃度となった箇所で、レーザによる過熱が発生し炭化物が生成したりすることで、それらが異物として破壊起点となり、やはり接合強度のバラツキを発生しやすくなる。
レーザ吸収材の含有量は、第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体の0.35質量%以上9質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上8質量%以下であることがより好ましく、0.5質量%以上6質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明のレーザ吸収材としては、レーザ光を吸収することができるものであれば特に限定されず、例えば顔料や染料といったものが用いられ、レーザ光の吸収効率の点では顔料、特に無機顔料が好ましく、中でもカーボンブラックが好ましい。
[溝]
本発明の溝付きの第1の樹脂成形品10の表面には溝12が形成されている。溝12では、ガラス繊維11が露出している。そして、樹脂の一部除去により溝12を形成するとともに溝の少なくとも表面側において側面から露出し溝に照射されるレーザを一部遮蔽するガラス繊維の一部を除去することにより、溝12の側面12aからガラス繊維11を溝側面より突出した状態で露出させることができる。ガラス繊維11の少なくとも一部を除去することで、他の樹脂成形品と複合成形したときのアンカー効果を高めることができる。
また、第2の成形品と一体化して複合成形品を得る際、少なくとも表面側において露出するガラス繊維の端部を突出する状態で一部を除去し、とりわけ溝の中央部のガラス繊維を除去することで、流動状態にある第2の成形品の溝への入り込みを容易にし、高いアンカー効果を得ることができる。
本発明は、溝付きの第1の樹脂成形品10の溝12を有する面を接触面として第2の成形品20と一体化して複合成形品1を製造するが、この複合成形品1においてガラス繊維11はもはや露出されていない。
本明細書では、複合成形品1においてガラス繊維11が露出されていない場合であっても、複合成形品1から第2の成形品20を取り除いた態様において溝12からガラス繊維11が露出していれば、「溝12においてガラス繊維11が露出されている」ものとする。
第2の成形品と複合成形したときに溝の側面からガラス繊維が突出して露出することで十分なアンカー効果がより効果的に得られる点で、溝12の長手方向は、ガラス繊維11の長手方向とは異なることが好ましい。また、ガラス繊維が溝に架かっているとさらに接合効果が高くなる。
樹脂成形品10の表面に形成される溝12は、複数の溝12を設けることにより、アンカーの効果がより高まる。溝12を複数形成する際、これら複数の溝12は、各々の溝が個別に形成されたものであってもよいし、一筆書きの要領で複数の凹凸からなる溝が一度に形成されたものであってもよい。溝の間隔は第2の成形品の凸部の入り込み易さ、露出したガラス繊維の脱落し難さ、凹凸部の構造強度などを考慮して適宜設定すればよい。
複数の溝12は両端が繋がった溝12を等高線のように並べて設けても良いし、交差しない縞状に形成されても、溝12が交差する格子状に形成されてもよい。溝12を格子状に形成する場合は、溝12の長手方向がガラス繊維の長手方向とは異なる斜格子状に形成することが好ましい。また、溝12を格子状に形成する場合、溝12の形状はひし形状であっても良い。
溝12の長さは特に限定されるものでなく、溝12が短い場合、開口部の形状は四角形であってもよいし、丸形や楕円形であってもよい。アンカー効果を得るためには、溝12は長い方が好ましい。
また、溝12の深さについても特に限定されるものではないが、より高いアンカー効果を得られる点で、溝12の深さは深い方が好ましい。深さが浅いと、溝12で第2の成形品20と接合して複合成形品1を形成する際に、溝12に露出するガラス繊維11と第2の成形品20との間に十分なアンカー効果を生じないことから、溝付きの第1の樹脂成形品10と第2の成形品20とを強固に密接できないことがある。
<第2の成形品および複合成形品>
本発明の第2の成形品20を形成する材料は、未硬化の流動状態であって、ガラス繊維11が露出された溝12に入ることが可能な樹脂であれば特に限定されるものでなく、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、放射線硬化性樹脂等)、ゴム、接着剤等のいずれからなるものであってもよいが、加工性の点から、射出成形で賦形することができる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムを含む樹脂組成物が好ましく、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物であることがより好ましい。
本発明では、第2の成形品20は、溝12に接する凸部を有し、この凸部は、溝12に入り込んでいる。凸部は、溝12の内部において、ガラス繊維11を囲むように配置されることが好ましい。
第1の樹脂成形品に第2の成形品が積層されることにより、本発明の複合成形品が形成される。
<レーザ吸収材と各成分の関係>
本発明では、溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の含有量と平均直径、レーザ吸収材の含有量、および第2の成形品を構成する材料の溶融粘度が、得られる複合成形品の接合強度に相互に影響を及ぼす。
ガラス繊維の直径と量の関係は前述の通りだが、例えば溝付きの第1の樹脂成形品に含まれるガラス繊維の直径が細く、かつ含有量が多い場合、レーザの減衰により溝形成が不利になるものの、その場合はレーザ吸収材の含有量を、凝集の問題が起こらない程度の範囲で多めにすることにより、レーザによる樹脂の除去を促進し、レーザの減衰の影響を緩和することができる。
また、第2の成形品を構成する材料として、溶融粘度が低いものを用いれば、溝の形成状態が不利な場合でも、第2の成形品の凸部が溝内に入り込みやすくなることにより、接合強度面で有利となりうる。
一方で、製品設計や意匠性の観点からは、溝付きの第1の樹脂成形品と第2の成形品の機械的特性や色目を合わせたいとの要求により、溝付きの第1の樹脂成形品に合わせて、第2の成形品を構成する材料に含まれるガラス繊維や、カーボンブラック等のレーザ吸収材の量を多くする場合があり、そのような場合、第2の成形品を構成する材料は、添加剤の含有量が多くなることで溶融粘度が高くなり、溝付きの第1の樹脂成形品の溝部に入り込みにくくなるため接合強度が不利となりうる。
本発明において、レーザ吸収材と各成分が相互に与える影響を考慮すると、溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量と平均直径、レーザ吸収材の添加量および第2の成形品を構成する材料の溶融粘度の関係は、「[{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}」により求められる値が、700以上2500以下であり、1000以上2300以下であることが好ましく、1200以上2100以下であることがより好ましい。
なお、本発明において「溶融粘度(Pa・s)」とは、成形品を構成する材料について、ISO11443に準拠して測定した1000sec−1における溶融粘度を指し、その測定温度は、成形品を構成する材料に主に含まれる成分(熱可塑性樹脂など)を基準として、当該主成分が結晶性樹脂のように融点を持つものである場合はその融点+30℃、非晶性樹脂のように明確な融点を持たないものである場合はガラス転移温度+120℃にて測定するものとする。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
<溝付きの第1の樹脂成形品>
ポリプラスチックス株式会社製、融点280℃、ISO11443に準拠し310℃で測定した1000sec−1における溶融粘度45Pa・sの液晶ポリマー(以下「LCP」とも記載)に、日本電気硝子株式会社製ガラス繊維ECS03T−786H(平均繊維長3mm、平均直径10.5μm、以下「GF10.5」とも記載)およびレーザ吸収材として三菱化学株式会社製カーボンブラック#3030B(以下「CB」とも記載)を表1に記載の量(LCPをベースとした樹脂組成物全体に対し、GF10.5を5〜50質量%、CBを0.01〜5.00質量%)混合し、下記条件で65mm×13mm×6.5mmの棒状成形品を射出成形した。この射出成形品の13mm×6.5mmの面に、照射回数が10回になるように、射出成形品の表面に対して垂直方向から斜格子状にレーザを照射した。
すべての試料に対する照射条件は同じであり、レーザの発振波長は1.064μm、最大定格出力は13W(平均)とし、出力は90%、周波数は40kHz、走査速度は1000mm/sとした。これにより、溝幅が100μmで格子状の溝付きの第1の樹脂成形品を得た。
<溝付きの第1の樹脂成形品の成形条件(LCPベース)>
予備乾燥:140℃、3時間
シリンダ温度:290℃
金型温度:80℃
射出速度:100mm/sec
保圧:80MPa(800kg/cm
<第2の成形品の積層による複合成形品の製造>
上記溝付きの第1の樹脂成形品について、レーザの照射によって形成された溝を有する面を接触面として130mm×13mm×6.5mmのキャビティの射出成形用金型にインサートし、第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物と同じ材料同士の組合せになるように、第2の成形品を構成する材料を選択し、第1の樹脂成形品と同じ成形条件で射出成形し、キャビティ内の残りの65mm×13mm×6.5mmの空間に充填することで第2の成形品を積層し、130mm×13mm×6.5mmの複合成形品の試料を得た。
<評価>
上記試料について各10サンプルを取り出し、23℃50%RHの雰囲気下、オリエンテック社製テンシロンUTA−50kN(クロスヘッド速度10mm/分)にて引張試験を行い、複合成形品の接合強度及びそのバラツキを評価した。評価基準は下記の通りとした。B以上であれば、実用上の問題は発生しないレベルである。
A:10個のうち10個が接合強度12MPa以上
B:10個のうち10個が接合強度10MPa以上12MPa未満
C:10個のうち8〜9個が接合強度10MPa以上、他が10MPa未満
D:10個のうち3個以上が接合強度10MPa未満
なお、各試料の第2の成形品を構成する各材料について、ISO11443に準拠し310℃で測定した1000sec−1における溶融粘度(Pa・s)を各評価結果の横にカッコ書きで、また各試料について、「[{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}」を計算した値を各評価結果の2段目に、それぞれを示す。
Figure 0006509299
次いで、ポリプラスチックス株式会社製、融点280℃、ISO11443に準拠し310℃で測定した1000sec−1における溶融粘度130Pa・sのポリフェニレンサルファイド樹脂(以下「PPS」とも記載)に、日本電気硝子株式会社製ガラス繊維ECS03T−786H(平均繊維長3mm、平均直径10.5μm、以下「GF10.5」とも記載)または日本電気硝子株式会社製ガラス繊維ECS03T−717(平均繊維長3mm、平均直径13μm、以下「GF13」とも記載)、およびレーザ吸収材として三菱化学株式会社製カーボンブラック#3030B(以下「CB」とも記載)を表2に記載の量(PPSをベースとした樹脂組成物全体に対し、GF10.5またはGF13をそれぞれ5〜35質量%、CBを5.0質量%)混合し、下記条件にて、65mm×13mm×6.5mmの棒状成形品を射出成形した。
この射出成形品について、上述のLCPベースの実施例と同様にして、13mm×6.5mmの面にレーザを照射して溝付きの第1の樹脂成形品を作製し、当該溝を有する面を接触面として130mm×13mm×6.5mmのキャビティの射出成形用金型にインサートし、第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物と同じ材料同士の組合せになるように、第2の成形品を構成する材料を選択し、第1の樹脂成形品と同じ成形条件で射出成形し、キャビティ内の残りの65mm×13mm×6.5mmの空間に充填することで第2の成形品を積層し、130mm×13mm×6.5mmの複合成形品の試料を得た。
<PPSベースの樹脂成形品の成形条件>
予備乾燥:140℃、3時間
シリンダ温度:320℃
金型温度:140℃
射出速度:30mm/sec
保圧:80MPa(800kg/cm
<評価>
上記試料について各10サンプルを取り出し、23℃50%RHの雰囲気下、オリエンテック社製テンシロンUTA−50kN(クロスヘッド速度10mm/分)にて引張試験を行い複合成形品の接合強度及びそのバラツキを評価した。評価基準は下記の通りとした。B以上であれば、実用上の問題は発生しないレベルである。
A:10個のうち10個が接合強度40MPa以上
B:10個のうち10個が接合強度30MPa以上40MPa未満
C:10個のうち8〜9個が接合強度30MPa以上、1〜2個が30MPa未満
D:10個のうち3個以上が接合強度30MPa未満
なお、各試料の第2の成形品を構成する材料について、ISO11443に準拠し310℃で測定した1000sec−1における溶融粘度(Pa・s)を各評価結果の横にカッコ書きで、また各試料について、「[{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{溝付きの第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}」を計算した値を各評価結果の2段目に、それぞれ示す。
Figure 0006509299
以上の結果より、本発明の範囲では、接合強度が高い複合成形品を得ることができ、また接合強度のバラツキを小さくすることができた。
1 複合成形品
10 溝付きの第1の樹脂成形品
11 無機充填剤
12 溝
12a 溝の側壁
13 山
20 第2の成形品
D 溝の深さ
W 山の幅

Claims (3)

  1. 少なくとも樹脂、ガラス繊維およびレーザ吸収材を含有し、該ガラス繊維が露出した溝を有する溝付きの第1の樹脂成形品と、
    該第1の樹脂成形品の該溝を有する面上に隣接して配置される、該第1の樹脂成形品を構成する樹脂と同じ樹脂から構成される第2の樹脂成形品、
    とを備えた射出成形インサート成形品である複合成形品であって、
    該第1の樹脂成形品において、該ガラス繊維は、該樹脂組成物全体に対し12〜45質量%が混合され、該レーザ吸収材は該樹脂組成物全体に対し0.25〜10質量%混合されており、かつ、[{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるレーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{第2の樹脂成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有されるガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}が、700以上2500以下を満たす、複合成形品。
    ただし溶融粘度は、ISO11443に準拠して測定した1000sec −1 における溶融粘度であり、測定温度は、樹脂成形品に主に含まれる成分である樹脂が融点を有する樹脂の場合は融点+30℃、融点を有しない樹脂の場合はガラス転移温度+120℃である。
  2. 前記ガラス繊維が、前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対し20〜38質量%混合され、前記レーザ吸収材が、前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物全体に対し0.35〜9質量%混合されている、請求項1に記載の複合成形品。
  3. {前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記ガラス繊維の量(質量%)×0.9}+{前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記レーザ吸収材の量(質量%)×1.4}]×{前記第2の樹脂成形品を構成する材料の溶融粘度(Pa・s)+360}÷{前記第1の樹脂成形品を構成する樹脂組成物に含有される前記ガラス繊維の平均直径(μm)×0.8}が1200以上2100以下を満たす、請求項1又は2に記載の複合成形品。
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