JP6502076B2 - 増速弁およびこれを備える折り曲げ式クレーン - Google Patents

増速弁およびこれを備える折り曲げ式クレーン Download PDF

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本発明は、複動油圧シリンダのロッドの作動速度を向上させる増速弁に係り、特に、トラック等の作業車両に搭載して林業などに用いられる折り曲げ式クレーンのブーム伸縮用シリンダに用いるブーム伸縮機構として好適に用い得る増速弁およびこれを備える折り曲げ式クレーンに関する。
この種の折曲げ式クレーンは、ベースと、このベース上に水平回転可能に立設されたコラムと、このコラムの先端に起伏可能に設けられたインナブームと、このインナブームの先端に起伏および伸縮可能に設けられたアウタブームとを備えている(例えば特許文献1参照)。
特開2000−128483号公報(図1) 特開2011−021625号公報
ここで、この種の折曲げ式クレーンにおいて、作業効率を一層向上させるために、アウタブームのブーム伸縮用シリンダの伸長速度をより高めたいという市場要求がある。このような市場要求に対し、例えば建機の油圧ショベルでは、アームを駆動する複動油圧シリンダの作動速度を向上させるために、増速機構を用いている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、折り曲げ式クレーンのブームに対して、特許文献2記載の技術に開示されるような、油圧ショベル用の増速機構をそのまま適用することは困難である。なぜならば、油圧ショベル用の増速機構を折り曲げ式クレーンのブーム伸縮用シリンダに用いた場合に、クレーンが下向きで荷を吊っているとき、油圧ショベル用の増速機構であると、そもそも「荷を吊る」という概念自体が油圧ショベルには存在しないため、シリンダの伸び方向への移動を規制する考慮が不要だからである。よって、油圧ショベル用の増速機構では、ブーム伸縮用シリンダの伸び方向への移動を規制できないため、吊荷が落ちていってしまうという問題がある。これに対し、クレーンでは、荷を下向きに吊った場合は、ブームを伸縮するためのブーム伸縮用シリンダに外力(重力や摩擦力)が作用するので、外力の作用に対応した構成が必要不可欠である。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、トラック等の作業車両に搭載して林業などに用いられる折り曲げ式クレーンのブーム伸縮用シリンダに用いるブーム伸縮機構として好適に用い得る増速弁およびこれを備える折り曲げ式クレーンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る増速弁は、複動油圧シリンダのロッドの伸長作動速度を制御する増速弁であって、前記複動油圧シリンダの前室から排出される圧油を後室に回生供給して通常よりも速い伸長作動を行わせるスピードモードと、前記複動油圧シリンダの前室から排出される圧油をタンク側に排出して通常の伸長作動を行わせるパワーモードとに設定可能とされており、前記複動油圧シリンダのロッドに所定以上の外力が作用していない外力非作用時には、前記スピードモードに移行し、前記複動油圧シリンダのロッドに所定以上の外力が作用した外力作用時には、前記パワーモードに移行するようになっていることを特徴とする。
ここで、本発明の一態様に係る増速弁において、当該増速弁は、前記複動油圧シリンダと該複動油圧シリンダ用の制御弁との間に設けられ、前記複動油圧シリンダは、前記後室が前記制御弁の第一のサービスポートに第一の油路を介して接続されるとともに、前記前室が前記制御弁の第二のサービスポートに第二の油路を介して接続され、前記ロッドの通常の伸長作動時には、前記第一のサービスポートからの圧油が前記後室に入るとともに前記前室の圧油が前記第二のサービスポートから前記制御弁のタンクポートへと排出されてロッドが伸長する構成とされ、前記ロッドの短縮作動時には、前記第二のサービスポートからの圧油が前記前室に入るとともに前記後室の圧油が前記第一のサービスポートから前記制御弁のタンクポートへと排出されてロッドが短縮する構成とされており、当該増速弁は、前記第一の油路と前記第二の油路相互を繋ぐ回生回路と、該回生回路を開閉する切換弁と、該切換弁よりも前記第一の油路側の回生回路に前記前室側から前記後室側への圧油の流れに限って許容するように介装された第一のチェック弁と、前記回生回路よりも前記第二のサービスポート側の前記第二の油路に介装されたリリーフ弁と、該リリーフ弁の一次側と二次側とを繋ぐ並列回路に前記第二のサービスポート側から前記前室側への圧油の流れに限って許容するように介装された第二のチェック弁とを有し、前記切換弁は、その作動圧力が、前記第一のサービスポート側の背圧よりも高い圧力であって且つ前記スピードモードを開始させる第一の圧力値に設定されており、前記リリーフ弁は、そのリリーフ圧力が、前記第一の圧力値よりも高い圧力であって且つ前記スピードモードと前記パワーモードとの外力作用時の切換えタイミングに応答する第二の圧力値に設定されていることは好ましい。
また、上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る折り曲げ式クレーンは、車両に搭載される折り曲げ式クレーンであって、ブーム伸縮用シリンダのブーム伸縮機構として、本発明の一態様に係る増速弁を備えていることを特徴とする。
本発明の増速弁は、複動油圧シリンダのロッドの伸長作動として、通常よりも速い伸長作動を行わせるスピードモードと、通常の伸長作動を行わせるパワーモードとに設定可能とされ、複動油圧シリンダのロッドに外力が作用していない外力非作用時にはスピードモードに移行し、複動油圧シリンダのロッドに外力が作用した外力作用時にはパワーモードに移行するようになっているので、外力非作用時には、アウタブームのブーム伸縮用シリンダの伸長速度をより向上させることができ、また、外力作用時には、通常の伸長作動を行わせて、ブーム伸縮用シリンダの伸び方向への移動を規制することができる。よって、トラック等の作業車両に搭載して林業などに用いられる折り曲げ式クレーンのブーム伸縮用シリンダに用いるブーム伸縮機構として好適である。
本発明に係る増速弁を備える折り曲げ式クレーンを搭載した作業車両の一実施形態であるフォワーダを説明する側面図である。 図1の折り曲げ式クレーンにおいて、そのブーム伸縮用シリンダのブーム伸縮機構に用いられた増速弁を説明する油圧回路図である。 図2の油圧回路の動作(ブーム伸縮用シリンダの短縮時)を説明する図である。 図2の油圧回路の動作(ブーム伸縮用シリンダの伸長時)を説明する図((a)〜(c))である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
フォワーダは、林業用作業機械の一種であり、図1に示すように、このフォワーダ1は、シャシフレーム2の下部に、自走可能なクローラ式の走行装置3を備えている。シャシフレーム2の上部には、車両前部に設けた運転室4と、車両後部に設けた荷台5とを備え、運転室4と荷台5との間のシャシフレーム2上に折り曲げ式クレーン10が架装搭載されている。折り曲げ式クレーン10は、開閉可能なグラップル9を操作することにより、荷台5から木材を積み降ろしする際に使用される。
折り曲げ式クレーン10は、シャシフレーム2上に固定されたベース6と、このベース6上に旋回シリンダ装置17により旋回自在に立設されたコラム7とを備える。コラム7の上端には、途中位置から折り曲げられて格納される折り曲げ式のブーム8が起伏自在に支持されている。ブーム8は、基端側のインナブーム11と、先端側のアウタブーム12とを有する。アウタブーム12の先端には、ローテータ13を介して上記グラップル9が装着されている。
インナブーム11は、インナシリンダ14の伸縮によりコラム7に対して起伏可能に接続されている。アウタブーム12は、アウタシリンダ15の伸縮によりインナブーム11に対して格納および展開可能に構成されている。また、アウタブーム12は、複数の筒体が入れ子状に構成され、ブーム伸縮用シリンダ16の伸縮に応じて伸縮可能とされている。なお、ブーム伸縮用シリンダ16は、フォワーダが森林内で用いられることから、樹木等との接触を避けるために、チューブ16bがアウタブーム12の先端側に連結され、ロッド16aがアウタブーム12の基端側に連結されている。
コラム7の上部後方(図1での上方左側の位置)には、作業台20がクレーン操作部として設けられている。作業台20には、オペレータが座るシート21が設けられ、シート21の左右には、機械式の操作レバー装置30が配置されている。フォワーダ1の走行時には、オペレータは運転室4にて前向きで運転操作を行うが、折り曲げ式クレーン10を操作するときは、見通しを良くして作業性を高めるために、オペレータは、作業台20のシート21に座して車両後部側に向いて、操作レバー装置30の操作レバー39等を用いてクレーン操作を行うようになっている。
ここで、この折り曲げ式クレーン10は、複動油圧シリンダであるブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの伸長作動速度を制御する増速弁40を備えている。本実施形態では、ブーム伸縮用シリンダ16は、チューブ16b内のロッド16aが中空円筒とされた多重管構造であり、圧油の流れをロッド16aの内部を通すことで、圧油の給排ポートの位置をロッド16aの先端部に設定し、油圧配管を別途に用いずに、ロッド16aの先端部に、一のブロック状にユニット化された増速弁40を直接装着している。
以下、上記増速弁40について詳しく説明する。
この増速弁40は、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの伸長作動速度として、通常よりも速い伸長作動を行わせるスピードモードと、通常のクレーンでの伸長作動を行わせるパワーモードとに設定可能とされ、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aに所定以上の外力が作用していない外力非作用時にはスピードモードに移行し、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aに所定以上の外力が作用した外力作用時にはパワーモードに移行するようになっている。特に、この増速弁40を用いたブーム伸縮用シリンダ16の増速機構は、油圧ポンプ(不図示)についてはなんら変更しないで、当該増速弁40をブーム伸縮用シリンダ16自体に直接付設し、カウンタバランス弁を使用しないでアウタブーム12の伸長作動速度を制御している。
詳しくは、図2に油圧回路を示すように、増速弁40は、ブーム伸縮用シリンダ16と該ブーム伸縮用シリンダ16用の制御弁34との間に設けられている。なお、制御弁34は、この折り曲げ式クレーン10全体の圧油の給排を制御する積層型のコントロールバルブ32内に配置され、上記操作レバー装置30の操作レバー39等を用いたクレーン操作量に応じて必要な圧油の給排が制御されるようになっている。
制御弁34は、第一のサービスポートB1および第二のサービスポートA1を有し、第一のサービスポートB1にブーム伸縮用シリンダ16の後室16Bが第一の油路31を介して接続されるとともに、第二のサービスポートA1にブーム伸縮用シリンダ16の前室16Cが第二の油路32を介して接続されている。なお、本実施形態では、上記のように、ロッド16aの先端部に、一のブロック状にユニット化された増速弁40を直接装着しているので、各油路31、32は、増速弁40を構成する本体ブロックに接続される。
ここで、増速弁40を考慮しない回路のとき、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの伸長作動時には、第一のサービスポートB1からの圧油が後室16Bに入るとともに、前室16C内の圧油が第二のサービスポートA1から制御弁34のタンクポートTへと排出されてロッド16aが伸長する構成とされている。また、ロッド16aの短縮作動時には、第二のサービスポートA1からの圧油が前室16Cに入るとともに後室16Bの圧油が第一のサービスポートB1から制御弁34のタンクポートTへと排出されてロッド16aが短縮する構成とされている。
増速弁40は、ブーム伸縮用シリンダ16の後室16B側の第一の油路31と前室16C側の第二の油路32とを相互に繋ぐ回生回路51を有する。回生回路51には、当該回生回路51を開閉する切換弁42が介装されている。また、回生回路51には、切換弁42よりも後室16B側の位置に、前室16C側から後室16B側への圧油の流れに限って許容するように第一のチェック弁46が介装されている。回生回路51よりも第二のサービスポートA1側の第二の油路32には、リリーフ弁44が介装されている。リリーフ弁44の一次側と二次側とを繋ぐ並列回路53には、第二のサービスポートA1側から前室16C側への圧油の流れに限って許容するように第二のチェック弁47が介装されている。
切換弁42は、第一の油路31の背圧による誤作動を防止するために、パイロット油路が第一の油路31に接続され、その作動圧力が、第一のサービスポートB1側の背圧よりも高い第一の圧力値(例えば、3MPa)に設定されている。また、切換弁42の第一の圧力値は、オペレータがアウタブーム12を伸ばそうとしてクレーン操作をし、コントロールバルブ32に設けられた制御弁34のスプールが切り替わるときのタイムラグとして生じるため、スピードモードを遅滞なく開始させる上で、可及的に低い圧力に設定されている。第一の圧力値は、制御弁34のスプールが切り替わるまでに前室16C内に圧油が籠もるとき、前後室相互の面積比で前室16C内の圧油がブースト圧として籠もるので、パッキン等の耐久性の面からも高い設定圧は好ましくない。
また、リリーフ弁44は、そのリリーフ圧力が、切換弁42の第一の圧力値よりも高い圧力であって且つスピードモードとパワーモードとの外力作用時の切換えタイミングに応答する第二の圧力値(例えば、13.7MPa)に設定されている。なお、本実施形態では、切換弁42のパイロット油路に第一の絞り48を設け、回生回路51に第二の絞り49を設けることにより、ハンチングを防止するとともに、スピードモードにおいて、ロッド16aが過剰な伸長速度となることを抑制している。
次に、上記増速弁40の動作とこれに伴うブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの伸縮作動、および作用・効果について説明する。
まず、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aを短縮作動する際は、図3に示すように、第二のサービスポートA1からの圧油が増速弁40の並列回路53を介して前室16Cに入るとともに後室16の圧油が第一のサービスポートB1から制御弁34のタンクポートTへと排出されてロッド16aが短縮する。
一方、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aを伸ばす伸長作動の際は、増速弁40がスピードモードとパワーモードとに設定可能であり、前室16Cの内圧が少なくとも背圧以上の第一の圧力値を超えたときに、前室16Cから排出される圧油を後室16Bに回生供給してスピードモードに移行し、また、前室16Cの内圧が第二の圧力値を超えたときに、前室16Cからの圧油をタンクポートTへと排出して通常の伸長作動を行わせるパワーモードへと移行し、これにより、所定以上の外力が非作用時にはスピードモードに移行し、所定以上の外力が作用時にはパワーモードに移行することができる。
つまり、この増速弁40の油圧回路構成は、ブーム伸縮用シリンダ16を伸ばすときには、図4(a)に示すように、第一のサービスポートB1から後室16Bに圧油が入るとともに前室16C内の圧油を押し出すとき、切換弁42に設定されている第一の圧力値(例えば3MPa)までは回生回路51が働かない。そのため、前室16C内の圧油のこもり圧が第一の圧力値に達する0〜3MPaまでの僅かな間は、増速弁40はブーム伸縮用シリンダ16を動かさない。
次いで、図4(b)に示すように、前室16Cの内圧が第一の圧力値(3MPa)を超えると、切換弁42のパイロットバルブが稼働して油路を開き、前室16C内に溜まっていた圧油が回生回路51から後室16B側に流出を開始する。回生回路51から流入する圧油は、ブースト効果により後室16B側の圧油よりも高圧なので、後室16B側の圧油に円滑に合流される。これにより、増速弁40は、前室16C側の油を後室16B側に回生させることでスピードモードに移行し、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aが増速して伸長される。回生回路51からの圧油の合流は、前室16Cの内圧がリリーフ弁44に設定されている第二の設定圧力(例えば13.7MPa)未満であれば継続される。
但し、この回路構成は、回生時にシリンダ推力が落ちてしまう。つまり、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの伸長速度を増速している時は、ロッド断面積部分を押すだけの推力しか得られない。そのため、回生回路51からの圧油の合流中は、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aを伸ばす速度は上がるものの、シリンダ推力は通常の伸長時に比べて低下する。
ここで、特に、クレーンのアウタブーム12が下向きでグラップル9に荷(この例では木材)を吊っているとき、ブーム伸縮用シリンダ16の伸長方向に対して外力(重力)がロッド16aに対して引き抜き方向への力として作用するところ、伸長されるロッド16aが外力を受けて前室16Cの内圧が上昇し、所定以上の外力が作用して前室16Cの内圧がリリーフ弁44の第二の設定圧力以上になったときには、図4(c)に示すように、リリーフ弁44の油路が開くことにより、前室16C内の圧油がリリーフ弁44を介してタンクポートTへと逃げる。
そのため、増速弁40は、前室16C内の圧油をタンクに戻して通常の伸長作動を行わせるパワーモードに移行する。なお、パワーモードへの移行は、前室16Cの内圧が、所定以上の外力作用時の圧力として設定された第二の設定圧力以上になったときであるが、油圧の上限値は、回路保全のために、コントロールバルブ32内のアンロード弁36の規定圧力(例えば17.2MPa)となる。
パワーモードへの移行により、回生回路51から後室16Bへの圧油の回生が行われなくなり、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの増速は行われなくなるものの、前後室間相互の圧力差が大きくなる。そのため、パワーモードでは、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの推力を大きくすることができ、また、引き抜き方向への力に対して過剰な伸長速度となることが防止され、ブーム伸縮用シリンダ16の伸び方向への移動を規制して吊荷の落下を防止または抑制することができる。
特に、仮にパイロット方式を用いた増速回路構成であると、クレーンが作動していないときに引き抜き方向への力がブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aに作用したときは、勝手にアウタブーム12が伸びるという問題があるのに対し、本実施形態の増速弁40であれば、圧油のリーク分以外はリリーフ弁44の設定油圧でブーム伸縮用シリンダ16の作動位置を保持することができる。
つまり、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aの保持は、第二の油路32に繋がる増速弁40の並列回路53側へは第二のチェック弁47を用いているので圧油が逃げることがなく、リリーフ弁44を介する回路側へは第二設定圧力(この例では13.7MPa)までは圧油が逃げないため、林業用作業機械等での、この種の折り曲げ式クレーンの定格荷重(例えば500kg未満)の範囲において、カウンタバランス弁がなくても実用上の問題なく、アウタブーム12の姿勢を保持することができる。
また、仮にスピードモードのままでブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aがストローク終端まで動作すると、伸長側のストローク終端での衝撃が大きいという問題がある。特にブーム8の姿勢にもより、ブーム伸縮用シリンダ16の姿勢が下向きでロッド16aを伸長した場合、外力(重力)によるロッド16aの引き抜き方向への力の作用により、ストローク終端での衝撃の問題がより顕著となる。
この衝撃の問題に対し、本実施形態の増速弁40は、上述のように、所定以上の外力の作用により前室16Cが、リリーフ弁44の設定圧力13.7MPa以上になったとき(例えば荷が300kg以上でロッド16aに引き抜き方向への力が作用したとき)、スピードモードからパワーモードに速やかに移行し、ブーム伸縮用シリンダ16のロッド16aが通常速度で伸長するため、ストローク終端での衝撃が回避される。これにより、コラム7の上部後方に設けられている上記作業台20への衝撃の伝播も回避される。そのため、作業台20で操作時のオペレータの姿勢安定性が向上する。したがって、シート21に座して車両後部側に向いてクレーン操作を行っているオペレータは、安定したクレーン作業を効率良く行うことができる。
以上説明したように、この増速弁40およびこれを備える折り曲げ式クレーン10によれば、外力非作用時には、アウタブーム12のブーム伸縮用シリンダ16の伸長速度をより向上させることができ、外力作用時には、通常の伸長作動を行わせて、ブーム伸縮用シリンダ16の伸び方向への移動を規制することができる。
なお、本発明に係る増速弁およびこれを備える折り曲げ式クレーンは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
1 フォワーダ(作業車両)
2 シャシフレーム
3 走行装置
4 運転室
5 荷台
6 ベース
7 コラム
8 ブーム
9 グラップル
10 折り曲げ式クレーン(クレーン)
11 インナブーム
12 アウタブーム
13 ローテータ(油圧アクチュエータ)
14 インナシリンダ(油圧アクチュエータ)
15 アウタシリンダ(油圧アクチュエータ)
16 ブーム伸縮用シリンダ(油圧アクチュエータ)
17 旋回シリンダ装置
20 作業台(クレーン操作部)
21 シート
30 操作レバー装置
31 第一の油路
32 第二の油路
32 コントロールバルブ
34 (ブーム伸縮用シリンダの)制御弁
39 操作レバー
40 増速弁
42 切換弁
44 リリーフ弁
46 第一のチェック弁
47 第二のチェック弁
48 第一の絞り
49 第二の絞り
51 回生回路
53 並列回路

Claims (3)

  1. 折り曲げ式クレーンのブーム伸縮用の複動油圧シリンダのロッドの伸長作動速度を制御する増速弁であって、
    前記複動油圧シリンダの前室から排出される圧油を後室に回生供給して通常よりも速い伸長作動を行わせるスピードモードと、前記複動油圧シリンダの前室から排出される圧油をタンク側に排出して通常の伸長作動を行わせるパワーモードとに設定可能とされており、
    前記複動油圧シリンダのロッドに所定以上の外力が作用していない外力非作用時には、前記スピードモードに移行し、
    前記複動油圧シリンダのロッドに所定以上の外力が作用した外力作用時には、前記パワーモードに移行するようになっており、
    当該増速弁は、前記複動油圧シリンダと該複動油圧シリンダ用の制御弁との間に設けられ、前記複動油圧シリンダは、前記後室が前記制御弁の第一のサービスポートに第一の油路を介して接続されるとともに、前記前室が前記制御弁の第二のサービスポートに第二の油路を介して接続され、
    前記ロッドの通常の伸長作動時には、前記第一のサービスポートからの圧油が前記後室に入るとともに前記前室の圧油が前記第二のサービスポートから前記制御弁のタンクポートへと排出されてロッドが伸長する構成とされ、
    前記ロッドの短縮作動時には、前記第二のサービスポートからの圧油が前記前室に入るとともに前記後室の圧油が前記第一のサービスポートから前記制御弁のタンクポートへと排出されてロッドが短縮する構成とされており、
    当該増速弁は、前記第一の油路と前記第二の油路相互を繋ぐ回生回路と、該回生回路を開閉する切換弁と、前記回生回路よりも前記第二のサービスポート側の前記第二の油路に介装されたリリーフ弁とを有し、
    前記切換弁は、その作動圧力が、前記第一のサービスポート側の背圧よりも高い圧力であって且つ前記スピードモードを開始させる第一の圧力値に設定されており、
    前記リリーフ弁は、そのリリーフ圧力が、前記第一の圧力値よりも高い圧力であって且つ前記スピードモードと前記パワーモードとの外力作用時の切換えタイミングに応答する第二の圧力値に設定されていることを特徴とする増速弁。
  2. 前記切換弁よりも前記第一の油路側の回生回路に前記前室側から前記後室側への圧油の流れに限って許容するように介装された第一のチェック弁と、前記リリーフ弁の一次側と二次側とを繋ぐ並列回路に前記第二のサービスポート側から前記前室側への圧油の流れに限って許容するように介装された第二のチェック弁とを有ることを特徴とする請求項1に記載の増速弁。
  3. 車両に搭載される折り曲げ式クレーンであって、
    ブーム伸縮用シリンダのブーム伸縮機構として、請求項1または2に記載の増速弁を備えていることを特徴とする折り曲げ式クレーン。
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