JP6501891B2 - イオンビーム装置およびガス電界電離イオン源の洗浄方法 - Google Patents

イオンビーム装置およびガス電界電離イオン源の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、イオンビーム装置およびガス電界電離イオン源の洗浄方法に関する。
特許文献1および2には、エミッタ電極の先端に微小突起を持つ、高輝度なガス電界電離イオン源(Gas Field Ion Source、略称:GFIS)が記載されている。特許文献1,2には、GFISを搭載する集束イオンビーム(Focused Ion Beam、略称:FIB)装置も記載されている。収束イオンビーム装置は、水素(H2)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)などのガスイオンのビームを生成する。
ガス集束イオンビーム(略称:ガスFIB)は、液体金属イオン源(Liquid Metal Ion Source、略称:LMIS)で生成されるガリウム(Ga)集束イオンビーム(略称:Ga−FIB)に比べると、試料にGa汚染をもたらさないという利点がある。
GFISは、試料にGa汚染を生じないという利点の他に、Ga−FIBと比べてより微細なビームを形成できるという利点がある。GFISでは、ガスイオンのエネルギー幅が狭く、かつ、イオン発生源のサイズが小さいためである。
ガスFIB装置は、高分解能の走査イオン顕微鏡として用いられる。すなわち、走査イオン顕微鏡では、試料上でのイオンの走査と同期して、試料から放出される二次粒子を検出することで、試料の像を形成する。
GFISでは、エミッタ電極先端への不純物ガスの吸着および脱離によって、イオン化用ガスのイオン放出電流が変動する。微小突起を有するエミッタ電極では、イオンを放出するイオン化サイトがエミッタ電極先端の数原子に限られるような場合がある。この場合、エミッタ電極先端に不純物ガスが吸着したり、エミッタ電極先端からに不純物ガスが脱離したりすると、イオン放出電流は数十%から数倍におよぶほど激しく変動する。
従来は、イオン放出電流の変動を抑制するために、イオン源室をベーキングと排気とにより予め超高真空にすること、高純度のイオン化用ガスを使用すること、さらにはイオン化用ガスの供給系にガス純化手段を設けること、が行われている。
特許文献3には、イオン化用ガスとして水素を用いるGFISにおいて、水素ガスの供給系にガス純化手段を設けることが記載されている。特許文献4には、イオン源のプラズマ室の付着物をクリーニングする方法として、イオン源に水素ガスを導入し、放電により水素プラズマを発生させることが記載されている。
特開平7−192669号公報 特表2009−517846号公報 特開2011−181894号公報 特開平6−267475号公報
ガス電界電離イオン源(GFIS)に前述のイオン放出電流の変動対策を施した場合でも、そのGFISを用いた走査イオン顕微鏡では、試料の像に輝線や暗線が入ってしまう課題がある。秒以下の短時間の、イオン放出電流の変動が発生しているのである。特にイオン化用ガスとして2原子分子の水素(H2)や窒素(N2)を用いた際には、イオン化サイトが不規則に振動して見える現象も加わって、上記課題が顕在化しやすい。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、イオン放出電流の変動を抑制できるようにしたイオンビーム装置およびガス電界電離イオン源の洗浄方法を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明の一つの観点に従うイオンビーム装置は、針状の先端を持つエミッタ電極と、該エミッタ電極の先端方向に離間した位置に開口を有する引出電極と、エミッタ電極を内包するチャンバとを有するガス電界電離イオン源を含むイオンビーム装置であって、ガス電界電離イオン源は、エミッタ電極にビーム発生電圧以上の電圧を印加した状態で、チャンバにイオン化用ガスを導入するイオン化用ガス導入経路と、エミッタ電極にビーム発生電圧未満の電圧を印加した状態または電圧を印加しない状態のいずれかの状態で、チャンバに洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入経路とを有し、洗浄用ガスが導入された状態でのチャンバの圧力は、イオン化用ガスが導入されるときのチャンバの圧力より高い。
本発明によれば、チャンバへ導入する洗浄用ガスにより、チャンバ壁部に侵入した不純物ガスを排出させることができる。このため、イオン化用ガスに対する不純物ガスの濃度を低減することができ、イオン放出電流の速い変動を抑制することができる。
第1実施例に係るガス電界電離イオン源の全体構成図である。 通常モードと洗浄モードとで、ガス電界電離イオン源のシステム状態が異なることを示す説明図である。 洗浄モードの設定画面の例を示す。 図4(a)は比較的低圧の洗浄用ガスにより長時間洗浄するモードを示し、図4(b)は比較的高圧の洗浄用ガスにより短時間で洗浄するモードを示す。 洗浄処理を示すフローチャートである。 第5実施例に係るガス電界電離イオン源の全体構成図である。 第6実施例に係るガス電界電離イオン源の全体構成図である。 第7実施例に係るガス電界電離イオン源の全体構成図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態のイオンビーム装置は、ガス電界電離イオン源1を備える。ガス電界電離イオン源1を洗浄する場合、洗浄用ガスを洗浄用ガス供給系60からチャンバ10へ、イオン化用ガスの導入圧力よりも高い圧力で導入する。洗浄用ガスの充填されたチャンバ10内で放電が発生するのを抑制しながら、洗浄用ガスをチャンバ10内から排気する。これにより、チャンバ10の内壁部などに含まれていた不純物ガスがチャンバ10内に放出されて、洗浄用ガスと共に排気される。洗浄工程が終了した後、イオン化用ガスをイオン化用ガス供給系30からチャンバ10内に導入し、エミッタ電極21に通電して、エミッタ電極21の先端からイオンを放出させる。
本実施形態のガス電界電離イオン源1では、洗浄用ガスを用いた洗浄を行うため、不純物ガスの濃度を低下させることができる。従って、本実施形態のガス電界電離イオン源1は、イオン化用ガスに対する不純物ガスの濃度を低減して、イオン放出電流の速い変動を抑制できる。この結果、本実施形態のガス電界電離イオン源1を用いた「イオンビーム装置」としての走査イオン顕微鏡では、試料像に輝線や暗線などのノイズが入ることが減るため、画質の高い試料像を用いた定量的な測定、加工や分析の精度が向上する。
図1〜図5を用いて第1実施例を説明する。図1は、ガス電界電離イオン源1の全体構成図である。以下、ガス電界電離イオン源1をGFIS1と呼ぶ場合がある。
<構成>
GFIS1は、例えば、チャンバ10、イオン発生装置20、イオン化用ガス供給系30、排気系40、冷却系50、洗浄用ガス供給系60を備える。
真空容器として使用されるチャンバ10内には、イオン発生装置20のエミッタ電極21が設けられている。チャンバ10には、排気口11、差動排気口12、イオン化用ガス供給口13、冷却系接続口14、洗浄用ガス供給口15が形成されている。
チャンバ10内のガスは排気口11から排出される。イオンビーム27は、エミッタ電極21に対向してチャンバ10に形成された差動排気口12を介して、図外のイオン光学系120(図7参照)に供給される。イオン化用ガス供給口13には、イオン化用ガスを供給するためのイオン化用ガス供給系30が接続されている。エミッタ電極21は、冷却系接続口14を介して冷却系50に接続されて冷却される。洗浄用ガス供給口15には、洗浄用ガスを供給するための洗浄用ガス供給系60が接続されている。
イオン発生装置20は、例えば、エミッタ電極21、エミッタホルダ22、引出電極23、電源24、電線25,26を備える。
エミッタ電極21を保持するエミッタホルダ22と引出電極23とは、チャンバ10内に保持されている。エミッタ電極21の先端は針状に形成されている。エミッタ電極21の先端から離間した位置には、中心に開口を持つ引出電極23が配置されている。エミッタ電極21の先端近傍には、イオン化用ガス供給系30からのイオン化用ガスがイオン化用ガス供給口13から供給されるようになっている。
エミッタ電極21は、針状に成形したタングステン(W)の基材にイリジウム(Ir)をコーティングして、アニールにより先端に三角錐状のナノピラミッド構造を形成したものである。エミッタ電極21の最先端は、単原子(Single Atom)である。
引出電源24のプラス側とエミッタ電極21とは電線24を介して電気的に接続されており、引出電源24のマイナス側と引出電極23とは電線25を介して電気的に接続されている。
チャンバ10内のイオン化用ガスの圧力は、イオン化用ガス供給系30からの供給量と、排気口11および差動排気口12からの排気量とのバランスにより調整される。引出電源24により、エミッタ電極21と引出電極23の間にエミッタ電極21側を正とする高電圧を印加すると、ある閾値以上の電圧でガスのイオン化が発生し、エミッタ電極21の先端からイオンビーム27が放出される。
エミッタ電極21は、熱伝導性の高いエミッタホルダ22および熱接続体53を介して、冷却系50に接続されている。冷却系50の冷却装置50は、エミッタ電極21から伝わる熱を放出して、エミッタ電極21を冷却する。エミッタ電極21を冷却系50により冷却することで、イオンビーム27の電流を増加することができ、イオンビーム27の輝度を高めることができる。
なお、エミッタ電極21と引出電極23をチャンバ10内で保持するための機構や、エミッタ電極21と引出電極23の位置を調整するための機構、差動排気口12から先の排気系などは、本発明の理解および実施に不要であるためその説明を省略する。
イオン化用ガス供給系30の構成を説明する。イオン化用ガス供給系30は、例えば、イオン化用ガス供給管31、流量調節機構32、バルブ33、ガス純化器34、圧力調整器35、ガスボンベ36を備える。
イオン化用ガス供給管31の一方の側には、イオン化用ガスが充填されたガスボンベ36が設けられており、イオン化用ガス供給管31の他方の側はイオン化用ガス供給口13に接続されている。イオン化用ガスは、ヘリウムガス(He)である。イオン放出動作を行う通常モードでは、エミッタ電極21の温度を約40Kに保っている。
ガスボンベ36のガス吐出側に位置して供給管31に設けられる圧力調整器35は、チャンバ10へ導入するイオン化用ガスの圧力を、所定の圧力値に調整する。圧力調整器35の下流に位置して供給管31に設けられるガス純化器34は、イオン化用ガスに含まれる不純物ガスを除去して、不純物ガスを除去したイオン化用ガスを通過させる。ガス純化器34は、例えば、ゲッタ型のガス純化器として構成される。
バルブ33は、ガス純化器34の下流に位置して供給管31に設けられる。バルブ33が開閉することで、供給管31は連通または遮断する。流量調節機構32は、イオン化用ガス供給口13とバルブ33の間に位置して、供給管31に設けられている。ニードルバルブを含む流量調節機構32は、チャンバ10へ導入されるイオン化用ガスの流量を調整する。
排気系40の構成を説明する。排気系40は、チャンバ10内のガスを吸引して排出することで、チャンバ10を真空状態または低圧状態に保持する。排気系40は、例えば、排気管41、排気バルブ42、排気ポンプ43を備える。
排気管41の一方の側は排気ポンプ43に接続されており、排気管41の他方の側は排気口11に接続されている。排気口11と排気ポンプ43の間には、排気管41を開閉する排気バルブ42が設けられている。
洗浄用ガス供給系60の構成を説明する。洗浄用ガス供給系60は、例えば、洗浄用ガス供給管61、バルブ62、圧力調整器63、ガスボンベ64を備える。洗浄用ガス供給管61の一方の側には、洗浄用ガスが充填されたガスボンベ64が設けられている。洗浄用ガス供給管61の他方の側は、洗浄用ガス供給口15に接続されている。
ガスボンベ64の吐出側に接続された圧力調整器62は、ガスボンベ64から供給管61へ供給する洗浄用ガスの圧力を、所定の圧力値に調整する。バルブ62は、洗浄用ガス供給口15と圧力調整器62の間に位置して供給管61に設けられており、供給管61を開閉する。
上述したイオン発生装置20、イオン化用ガス供給系30、排気系40、冷却系50、洗浄用ガス供給系60の作動は、図外のイオン源制御部90(図8参照)によって制御される。
<不純物ガスの起源>
不純物ガスについて説明する。イオンビーム27のどのような応用においても、その電流の時間的な安定性の確保が重要である。エミッタ電極21からのイオン放出の安定性は、イオン化用ガスに含まれる不純物ガスの存在量に影響される。
本出願人は、これまでの研究により不純物ガスについて以下の知見を得た。第1に、不純物ガスの大部分は、チャンバ10へイオン化用ガスを導入する際に、チャンバ10内の種々の壁とイオン化用ガス供給口13近傍の配管内の壁とから発生している。したがって、供給するイオン化用ガスを予め純化して不純物を除去しても、チャンバ10内で発生する不純物ガスを抑制することはできない。第2に、ベーキングおよび排気によりチャンバ10を超高真空状態にしたとしても、イオン化用ガスをチャンバ10へ導入する際の不純物ガスの発生を防ぐことができない。第3に、イオン化用ガスに対する不純物ガスの分圧は、ほぼ一定である。第4に、イオンビーム27の輝度を上げるためにイオン化用ガスの圧力を高めると、不純物ガスの量も増える。不純物ガスの量が増加する結果、イオンビーム27の変動が増大する。なお、不純物ガスの主成分は、一酸化炭素(CO)、メタン(CH4)、などである。
<イオン源の洗浄>
本出願人は、不純物ガスについて研究を進めた結果、さらに以下の知見を得た。すなわち、イオン化用ガスを通常のイオン放出動作時の圧力よりも数桁高い圧力でチャンバ10へ導入し、その後に高圧のイオン化用ガスをチャンバ10から排気することで、イオン化用ガスに対する不純物ガスの分圧が数分の一に低下した。高圧のイオン化用ガスの導入と排気は、複数回繰り返しても良い。
チャンバ10を高温でベーキングしてから常温に戻すと、チャンバ10の壁から真空中に放出されるガスの量が減ることは知られているが、上記はこれに似た現象である。すなわち、イオン放出動作時(イオンビーム生成時)よりも高圧のイオン化用ガスをチャンバ10へ導入してから排気することで、低圧のイオン化用ガス導入時の不純物ガスの発生を抑制できる。ただし、エミッタ電極21の交換のためにチャンバ10を大気開放すると、不純物ガスの量は元の状態に戻ってしまう。
通常のイオン放出動作時の圧力よりも高い圧力でイオン化用ガスをチャンバ10に導入してから排気するというプロセスは、それによりイオン化用ガスに対する不純物ガスの分圧が低下するため、洗浄プロセスの一つであると考えられる。本出願人は、この洗浄プロセスは、高圧のイオン化用ガスの分子がチャンバ10の壁の表面から拡散進入して、不純物ガス分子に物理的または化学的作用を引き起こす現象であると、推定している。
本出願人の発見した上述の洗浄プロセスは、プラズマを用いて壁の付着物を除去するプラズマイオン源でのクリーニング処理とは全く異なる現象である。プラズマイオン源でのクリーニング処理では、洗浄用ガスを導入して、放電によりプラズマを発生させ、プラズマからの高エネルギの荷電粒子によって壁の付着物を除去する。
しかしもしも、GFIS1の中で放電を起こすと、エミッタ電極21やその周りの構造体の材料自体が飛び散ってしまい、その結果、エミッタ電極21の先端が破壊したり、先端の再生不良を引き起こしたりするであろう。そこで、本実施例のGFIS1では、イオン化用ガスよりも高圧の洗浄用ガスをチャンバ10へ導入した後、そのまま放電を発生させることなく排気する。
<本実施例の動作>
本実施例では、洗浄用ガスをチャンバ10内に導入するために、洗浄用ガス供給口15とそれに接続されるガス供給系60とをGFIS1に設けている。
GFIS1は、イオンビームを発生させる通常モードのほかに、洗浄処理を行う洗浄モードを備えている。洗浄モードでは、冷却系50によるエミッタ電極21の冷却を停止した上で、洗浄用ガス供給口15から洗浄用ガスを数十Paから大気圧までの高い圧力でチャンバ10内に充填する。その後に、排気系40の排気バルブ42を開いて、排気口11から高圧の洗浄用ガスを排気する。チャンバ10の壁などから放出される不純物ガスは、洗浄用ガスと共にチャンバ10の外へ排出される。
洗浄モードの処理を行った後で、ガスの圧力を相対的に低くすると、不純物ガスの濃度が低減する。洗浄モードの実行時には、エミッタ電極21の冷却を停止する。その理由は、第1に壁の温度が高いほど洗浄効果が高いこと、第2に洗浄モードの実行時には洗浄用ガスによる熱伝導が大きくなるため、チャンバ10自体が冷やされてしまい、外部に結露や霜の発生する問題が生じるためである。チャンバ10の外面に結露や霜が発生すると、GFIS1の動作に影響を与えるおそれがある。そこで、本実施例では、洗浄モードの実行時に、冷却系50を停止させる。
なお、後述のように、洗浄モードには、比較的高い圧力の洗浄用ガスを短時間だけ導入して排気する方法と、比較的低い圧力の洗浄用ガスを長時間導入しながら排気する方法とがある。後者の場合、洗浄に要する時間は長くなるが、排気系40の排気ポンプ43への負担を軽減できる。
イオン放出動作を行う通常モードでは、イオン化用ガス(He)を数Pa以下の低い圧力でエミッタ電極21の近傍に供給する。さらに、通常モードでは、エミッタ電極21を冷却系50により冷却する。エミッタ電極21の温度は、40K程度に保持される。
通常モード時にチャンバ10へ導入するイオン化用ガスの圧力値の上限は、以下の2つの条件から定まる。一つの条件は、GFIS1内でグロー放電が起きないようにすること、である。他の一つの条件は、GFIS1内で余分な伝熱が起きないようにすること、である。
以上のように、チャンバ10内の圧力条件は、通常モードと洗浄モードとの間で、数Paを境に低い圧力と高い圧力とに明確に分けることができる。もとより、洗浄モードでの洗浄効果を明確にするには、1桁以上圧力を高めることが望ましい。
図2は、通常モード時のシステム状態(GFISの状態)と洗浄モード時のシステム状態とを対比して示す。通常モードではイオンビームを生成するために、エミッタ電極21には電圧が印加されており、冷却系50が動作してエミッタ電極21を冷却しており、低い圧力のイオン化用ガスがエミッタ電極21の先端近傍に導入されている。
通常モード時のイオン化用ガスの圧力は、例えば0.05〜0.1Paの範囲で設定される。チャンバ10内のイオン化用ガスの圧力は、流量調節機構32で調整する。これに代えて、排気系40の排気バルブ42の開度で、チャンバ10内のイオン化用ガスの圧力を調整することもできる。なお、通常モードでは、洗浄用ガスはチャンバ10内に導入されない。
これに対し、洗浄モードでは、放電を起こさずに洗浄するためにエミッタ電極21に通電せず、チャンバ10の結露などを防止すべく冷却系50を停止させて、洗浄用ガスを高い圧力でチャンバ10内に導入する。洗浄モードでは、イオン化用ガスをチャンバ10へ導入しない。
本実施例の洗浄用ガスは、イオン化用ガスと同じくヘリウムガス(He)である。不純物ガスを減らす洗浄モードでは、エミッタ電極21の冷却を停止して、その温度を室温付近にする。洗浄用ガスの導入経路は、ガスボンベ64、絶対圧を調整できる圧力調整器63、開けたバルブ62、洗浄用ガス供給口15の順である。
洗浄モードでは、イオン化用ガス供給系30のバルブ33を閉じる。洗浄モードでは、イオン化用ガスをチャンバ10へ供給しない。洗浄モードでのHe圧力は、絶対圧で0.1MPa程度に設定する。この圧力は、排気系40の排気バルブ42を閉じた際の値であり、圧力調整器63で決定される。洗浄モードでは、差動排気口12の先の排気系(図示せず)も遮断する。
図3は、洗浄モードを設定する画面の例を示す。ユーザは、後述の顕微鏡制御部120が提供する操作画面G1からメンテナンスメニューを選択することで、メンテナンス設定画面G2に移行することができる。
ユーザは、ユーザIDやパスワードなどのユーザ認証用情報を入力することで、メンテナンス設定画面G2の下に位置する洗浄モード設定画面G3に入ることができる。ユーザIDやパスワードに代えて、生体認証などを用いてもよい。ユーザ認証に成功したユーザは、洗浄モード設定画面G3において、例えば洗浄パターンや洗浄予定時間などを設定することができる。
洗浄パターンには、例えば、低い圧力(通常モード時の圧力よりは高い)で長時間洗浄するパターンと、高い圧力で短時間洗浄するパターン、短時間の洗浄を複数回繰り返すパターンなどを予め用意しておくことができる。洗浄予定時間は、洗浄モードを実行する時間帯である。洗浄開始日時のみを設定する構成でもよいし、洗浄開始日時および洗浄終了日時を設定する構成でもよい。
図4は、洗浄モードに含まれる洗浄パターンの例を示す。図4(a)は、低い圧力の洗浄用ガスをチャンバ10へ導入しながら排気も行う洗浄を長時間実行する長時間洗浄パターンを示す。長時間洗浄パターンでは、通常モード時のイオン化用ガスの圧力よりは高いが、短時間洗浄パターンで使用する圧力よりは低い圧力P1で、洗浄用ガスをチャンバ10へ導入する。圧力P1は、例えば数十パスカル程度に設定できる。GFIS1は、洗浄開始時刻Tsから洗浄終了時刻Teまでの間、洗浄用ガスにより洗浄される。P0は真空または真空に近い値である。長時間洗浄パターンでは、例えば数時間〜十数時間程度かけて洗浄する。
図4(b)は、高い圧力の洗浄用ガスを短時間だけチャンバ10へ導入して洗浄する短時間洗浄パターンを示す。洗浄用ガスの圧力P2は、長時間洗浄パターンでの圧力P1よりも高く設定される。圧力P2は、例えば大気圧付近に設定してもよい。
短時間洗浄は一回だけ実施してもよいし、複数回実施してもよい。図4(b)に示す例では、一回目の洗浄を洗浄開始時刻Ts1から洗浄終了時刻Te1まで実施する。二回目の洗浄は、一回目の洗浄終了後に時間ΔTをおいて、洗浄開始時刻Ts2から洗浄終了時刻Te2まで実施する。一回の短時間洗浄には数時間を要する。短時間洗浄を3回以上繰り返してもよい。
図5は、洗浄処理を示すフローチャートである。図8で後述するイオン源制御部100または顕微鏡制御部200は、所定の契機で洗浄処理を実行する。以下、動作主体を「制御部」として説明する。
制御部は、洗浄時期が到来したか判定する(S10)。洗浄時期とは、例えば、予め設定される所定の洗浄開始条件が成立した場合である。洗浄開始条件としては、前回の洗浄終了時刻から所定の稼働時間が経過した場合、イオンビーム27の電流変化からイオン放出の安定性が所定値以上低下した場合、エミッタ電極21を交換するためにチャンバ10を大気開放した場合、GFIS1の稼働時間が所定の稼働時間に達した場合、ユーザが洗浄を指示した場合、などを挙げることができる。これらの洗浄開始条件の複数を組み合わせて用いてもよい。
洗浄処理は、2段階に分けることができる。第1段階は、ベーキングおよび真空排気による洗浄工程である。第2段階は、洗浄用ガスの導入による洗浄工程である。第1段階の洗浄工程を例えば前洗浄工程あるいは洗浄準備工程と呼んでもよい。第2段階の洗浄工程を後洗浄工程あるいは本洗浄工程と呼んでもよい。
制御部は、排気系40を作動させてチャンバ10内が真空になるまで排気し(S11)、その後にベーキングを実行する(S12)。制御部は、再び排気系40を作動させてチャンバ10内を真空になるまで排気し、ベーキングによりチャンバ10の壁部から放出された不純物ガスを排出する(S13)。
続いて制御部は、洗浄用ガス供給系60を用いて、チャンバ10へ洗浄用ガスを供給する(S14)。洗浄用ガスをチャンバ10へ導入すると、チャンバ10の壁部から不純物ガスが放出されてくる。制御部は、排気系40を作動させてチャンバ10から洗浄用ガスおよび不純物ガスを排気させる(S15)。
制御部は、洗浄を終了するか判定する(S16)。制御部は、所定の洗浄終了条件を満たした場合に、洗浄終了と判定し(S16:YES)、本処理を終了する。洗浄終了条件としては、例えば、ユーザの指定した回数の洗浄を実行した場合、ユーザが洗浄終了を指示した場合、ユーザの指定した洗浄終了時刻に達した場合などである。
図5に示す例では、制御部は所定回数の洗浄を終了するまで、洗浄用ガスの導入と排気を繰り返す(S16:NO→S14、S15)。
このように本実施例のGFIS1では、洗浄用ガスをチャンバ10に充填した後、排気バルブ42を開けて、排気ポンプ43により洗浄用ガスを排気する。排気ポンプ43は、例えばターボ分子ポンプとドライポンプを連結した構成である。排気バルブ42の開放前はドライポンプのみ動作させておき、チャンバ10の真空度が上がってきたところで、ターボ分子ポンプも動作させる。この洗浄用ガスの充填と排気のシーケンスは複数回繰り返してもよい。
エミッタ電極21の交換などのためにGFIS1を大気開放した場合は、上述のように洗浄用ガスの導入と排気を行うことで洗浄するのが望ましい。ただし、大気開放前に窒素ガスでパージする場合や、イオン化用ガスのガスボンベ36の交換やイオン化用ガスの種類を切り替えるだけの場合などでは、もう少し緩い条件で洗浄しても良い。
すなわち、制御部は、排気系40の排気バルブ42を少し開くとともに、洗浄用ガス供給系60のバルブ62を少しだけ開いて、チャンバ10内の洗浄用ガスの圧力を10〜100Pa程度に調整してもよい。排気ポンプ43のターボ分子ポンプとドライポンプの両方とも動作させた状態で、洗浄用ガスの供給と排気とを連続的に行うことで、GFISを洗浄することができる。洗浄用ガスの供給と排気を連続的に実行する洗浄を24時間程度行った後では、不純物低減の効果が飽和しているので、それ以後はもっと短い洗浄時間でも効果が期待できる。
このように構成される本実施例のGFIS1によれば、洗浄モードを実施することで、通常モードでのイオン化用ガス(He)に含まれる不純物ガスの濃度を低減することができる。このため、本実施例では、イオンビーム27の電流変動を小さくできる。
ここで、ヘリウムガスはイオン化電界が高いため、洗浄用ガスをチャンバ10へ導入しているときにエミッタ電極21でイオン化を実行すると、イオン化電界と不純物ガスとによりエミッタ電極21の先端原子がエッチングされるおそれがある。これに対して、本実施例のGFIS1によれば、洗浄モードでは、放電を発生させないで洗浄用ガスをチャンバ10から排気するため、エミッタ電極21の先端の損傷を防止でき、GFIS1の稼働率を伸ばすことができる。
なお、本実施例では、洗浄モードを室温で実施している。これに代えて、チャンバ10やイオン化用ガス供給口13の周辺配管を例えば200℃程度まで加熱しながら、洗浄モードを実施しても良い。洗浄モードでは冷却系50を停止しているため、チャンバ10やイオン化用ガス供給口13の周辺配管を加熱しながら洗浄することができる。
本実施例では、イオン化用ガスも洗浄用ガスもHeから構成するので、イオン化用ガス供給系30とガス供給系60との間で、ガスボンベや配管などを一部共有できる。これによりGFIS1の製造コストを低減できる。ただし、洗浄モードと通常モードとでは、洗浄用ガスの導入圧力とイオン化用ガスの導入圧力が大きく異なるため、ガス導入経路はそれぞれ分離した方が容易に制御できる。
本実施例では、イオン化用ガスと洗浄用ガスを同じHeとしているが、これらをネオン(Ne)などの他の希ガスや、N2、H2などの他の不活性ガスに置き換えても、同様の効果が得られる。
図5の洗浄処理のシーケンスは、制御部により全て自動的に実施することもできるし、一部の条件をユーザが手動で設定して半自動的に実施することもできる。
第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例は、第1実施例の変形例に該当するため、第1実施例との相違を中心に説明する。GFIS1の基本的構成と動作は、第1実施例と同様である。第1実施例との相違は、洗浄用ガスの詳細にある。
本実施例の洗浄用ガスおよびイオン化用ガスは、第1実施例と同様に、いずれもヘリウムガスである。ただし、第1実施例では、洗浄用ガスもイオン化用ガスもいずれも全く同じ純度のヘリウムガスであったが、本実施例では、洗浄用ガスの純度の方がイオン化用ガスの純度よりも低い。すなわち、本実施例では、ガスボンベ64のヘリウムガス純度は、ガスボンベ36のそれよりも低い。
通常市販されているヘリウムガスの純度は十分高いので、含まれる不純物ガスの量は、洗浄モードにおいてチャンバ10内に発生する不純物ガスの量よりも十分に小さい。したがって、洗浄モードにおいて、洗浄用ガスの純度が影響することは無く、市販のヘリウムガスを洗浄用ガスに用いた場合でも、第1実施例と同様の効果が得られる。第1実施例においても、洗浄用ガスの純度にこだわる必要はそれほどないため、洗浄用ガス供給系60には、ガス純化器を設けていない。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、洗浄用ガスの純度をイオン化用ガスの純度よりも下げるため、市販のヘリウムガスをそのまま使用することができる。この結果、本実施例では、大量に消費する洗浄用ガスの購入費用を低減でき、GFIS1のランニングコストを低減できる。
第3実施例を説明する。第3実施例も、GFIS1の基本的構成および動作は第1実施例と同様である。本実施例と第1実施例の相違は、洗浄用ガスの詳細にある。本実施例では、洗浄用ガスとして水素ガス(H2)を使用する。
第1実施例および第2実施例では、洗浄用ガスとしてイオン化用ガスと同じくヘリウムガスを使用しているが、イオン化用ガスよりも分子量の小さいガスを洗浄用ガスとして使用した方が、同じ圧力条件での、不純物ガスの低減効果は大きい。なかでも洗浄用ガスとして水素ガスを使用すると、不純物ガスの低減効果が大きい。洗浄用ガスが不活性ガスまたは水素ガスのいずれかであれば、エミッタ電極21の先端に影響するような、化学的に活性な不純物ガスが新たに発生することは無い。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、イオン化用ガスに用いるヘリウムよりも分子量の小さい水素を洗浄用ガスとして使用するため、第1実施例よりも不純物ガスを除去することができる。したがって、本実施例では、第1実施例よりもイオンビーム27の電流を安定にできる。
本実施例では、イオン化用ガスにヘリウムガスを用い、洗浄用ガスに分子量の小さい水素ガスを用いる場合を説明した。これに代えて、イオン化用ガスとしてネオン(Ne)や窒素(N2)を用い、洗浄用ガスとしてネオンや窒素よりも分子量の小さいヘリウムや水素を用いても良い。
第4実施例を説明する。第4実施例も、GFIS1の基本的構成および動作は第1実施例と同様である。本実施例と第1実施例の相違は、洗浄用ガスの詳細にある。
本実施例では、洗浄用ガスとして不活性ガスを使用し、かつ、その中で最も分子量の小さいガス種を選択する。本実施例の洗浄用ガスは、ヘリウムガス(He)と、それよりも分子量の小さい水素ガス(H2)とを混合する混合ガスである。水素ガスの混合比率は、例えば4%である。なお、イオン化用ガスには、第1実施例と同様にヘリウムガスを使用する。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、ヘリウムガスに水素ガスを所定比率で混合した混合ガスを洗浄用ガスとして使用するため、洗浄用ガスにヘリウムガスを使用する場合に比べて洗浄効果が高い。したがって、本実施例では、イオン放出動作を実行する通常モード時において、イオン化用ガスに対する不純物ガスの濃度をより低減できる。この結果、本実施例によれば、イオンビーム27の電流をより安定にできる。
本実施例では、洗浄用ガスに水素ガスを含むが、爆発限界よりも低い混合比率で水素ガスをヘリウムガスに混ぜるため、防爆設備は不要である。したがって、GFIS1のトータルの装置コストを低減できる。
なお、本実施例では、イオン化用ガスと同じくヘリウムガスを洗浄用ガスに混合しているが、必ずしもそうする必要は無い。洗浄用ガスとして水素ガス(H2)を4%混合した窒素ガス(N2)を用いても同様の効果が得られる。逆に、イオン化用ガスとして窒素ガスを使い、洗浄用ガスとして水素ガスを4%混合したヘリウムガスを用いる場合でも同様の効果が得られる。
図6を用いて第5実施例を説明する。本実施例のGFIS1Aは、第1実施例のGFIS1とほぼ同じである。第1実施例との相違は、イオン化用ガスとして水素ガス(H2)を用いる点と、イオン化用ガス供給系30Aの構成が異なる点と、洗浄用ガスの詳細が異なる点にある。
本実施例の洗浄用ガスは、第4実施例と同様にヘリウムガスと水素ガスの混合ガスであり、水素ガスの混合比率は爆発限界以下の4%である。
イオン化用ガス供給系30Aの構成を説明する。イオン化用ガス供給系30Aは、例えば、イオン化用ガス供給管31、圧力調整器35、ガス供給用バルブ38、選択透過手段37、ガスボンベ36を備える。ガスボンベ36を最も上流とすると、圧力調整器35、ガス供給用バルブ38、選択透過手段37の順で、イオン化用ガス供給管31に配置されている。
本実施例のイオン化用ガス供給系30Aには、イオン化用ガスの排気系70が接続されている。この排気系70は、排気管71と、排気管71を開閉する排気バルブ72と、排気ポンプ(排気系70内に含む)とを有する。排気管71の一方の側は、ガス供給バルブ38と選択透過手段37の間に位置して、イオン化用ガス供給管31の途中に接続されている。
本実施例では、イオン化用ガスとしての水素ガスを低圧(1MPa以下)の小さなガスボンベ36から供給する。さらに本実施例では、イオン化用ガスを選択透過手段37に通すことで純化し、純化したイオン化用ガスをチャンバ10へ供給する。選択透過手段37は、例えば、パラジウム銅合金膜から構成される。
ここで、イオン化用ガスとしての水素ガスを供給するガスボンベ36は低圧なため、ガスボンベ内部での不純物ガス発生の影響が大きく、経時的にガスボンベ内の不純物ガス濃度が高まっていく。この不純物ガスをゲッタ型の純化器で純化したとしても、高圧ガスボンベを使用する場合ほどには純化することはできない。ガスボンベ36の圧力が低いためである。
そこで、本実施例では、イオン化用ガス供給管31の下流側に位置してイオン化用ガス供給口13の近傍に、パラジウム銅合金膜からなる選択透過手段37を設ける。この選択透過手段37により、水素ガス以外の不純物ガスを除去することができる。
イオン化用ガスとしての水素ガスの供給量は、圧力調整器35の決める供給圧力によって制御できる。圧力調整器35は、絶対圧を調整することができる。水素ガスの供給量は、ほぼ供給圧力の平方根に比例する。
選択透過手段37を構成するパラジウム銅合金膜は、室温で使用する。パラジウム銅合金膜を加熱して水素ガスの透過率を高めることもできるが、水素ガスの導入先であるエミッタ電極21は、冷却系50により冷却されている。したがって、温度の高い水素ガスを冷却系50により冷却されているGFIS1Aに供給するのは好ましくない。そこで、本実施例では、GFIS1Aの動作を安定させるために、選択透過手段37を加熱せずに室温で使用する。
なお、本実施例では、イオン化用ガスとしての水素ガスをチャンバ10へ供給する際に、圧力調整器35によりガス圧力を調整したら、ガス供給用バルブ38を閉じる。これにより、圧力調整器35での微妙な変動の影響を排除できる。さらにもしも万が一、選択透過手段37のパラジウム銅合金膜が破れた場合でも、チャンバ10に漏れ出す水素ガスの量を制限することができる。したがって、圧力調整器35による圧力調整後にはガス供給用バルブ38を閉じることで、万が一、選択透過手段37を通じて水素ガスが漏れ出した場合であっても、排気系40や差動排気口12から、それらの先の装置へ与える影響を最小限にとどめることができる。
排気バルブ72は、通常は閉じて使用するが、所定の場合には開弁し、排気系70により選択透過手段37の手前の水素ガスを排気する。所定の場合とは、例えば、イオン化用ガスのチャンバ10への供給を停止する場合、長期間の使用によりパラジウム銅合金膜の手前側に不純物ガスが堆積し、その透過率が低下した場合、などである。
このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、イオン化用ガスとしてチャンバ10に供給する水素ガスに対する不純物ガスの濃度をより低減できる。
つまり、本実施例では、低圧なガスボンベ36に由来する不純物ガスがチャンバ10へ侵入するのを選択透過手段37により抑制し、さらに、第1実施例で述べたと同様に、チャンバ10の壁部に侵入している不純物ガスを高い圧力の洗浄用ガスにより洗浄することができる。このように本実施例では、ガスボンベ36の不純物ガスと、チャンバ10の壁部の不純物ガスの両方を除去できるため、イオン化用ガスに対する不純物ガスの濃度を低減できる。この結果、水素のイオンビーム27の電流を安定にすることができる。
本実施例では、イオン化用ガスを供給するガスボンベ36として、小型で低圧の水素ガスボンベを使用する。ガスボンベ36を小型化するため、GFIS1Aを小型化することができる。イオン化用ガスは、洗浄用ガスに比べて使用量が少ないため、ガスボンベ36を小型化した場合でもGFIS1Aの運用上の支障はない。
さらに本実施例では、イオン化用ガスには低圧な水素ガスを使用し、洗浄用ガスは爆発限界未満の混合比で混合された水素ガスしか含んでいないため、防爆設備を設ける必要がなく、GFIS1Aのトータルの装置コストを低減できる。
なお、本実施例では、イオン化用ガスとしての水素ガスを供給するガスボンベ36に低圧の小型ガスボンベを用いたが、これに代えて、洗浄用ガス供給系60から分岐する配管を選択透過手段37の上流側でイオン化用ガス供給管31に接続してもよい。この場合、水素ガスとヘリウムガスとの混合ガスを、選択透過手段37により水素ガスのみに純化して、エミッタ電極21へ供給する。このように、水素ガスの元を洗浄用ガス供給系60とイオン化用ガス供給系30Aとで共用することで、GFIS1Aのランニングコストを低減することができる。ただし、その場合、選択透過手段37のパラジウム銅合金膜の厚さを適性にする必要がある。選択透過手段37を通過する水素ガスの透過量は、混合ガスの圧力に依存するのではなく、水素ガスの分圧に依存する。
図7を用いて第6実施例を説明する。本実施例のGFIS1Bは、第5実施例で述べたGFIS1Aと共通の構成を有する。イオン化用ガス供給系30Aの詳細は、第5実施例と同様である。洗浄用ガスは、第5実施例と同様にヘリウムガスと水素ガスの混合ガスであり、水素ガスの混合比率は爆発限界未満の4%である。洗浄用ガス供給系60の詳細も第5実施例と同様である。
本実施例と第5実施例との違いは、本実施例では複数種類のイオン化用ガスを切り替えて使用する点にある。本実施例では、水素ガス(H2)のと窒素ガス(N2)の2種類のイオン化用ガスを切り替えて使用する。
このため、本実施例では、第1のイオン化用ガスとしての水素ガスをチャンバ10へ供給するための第1イオン化用ガス供給系30Aと、第2のイオン化用ガスとしての窒素ガスをチャンバ10へ供給するための第2イオン化用ガス供給系30Bを備える。
第2イオン化用ガス供給系30Bは、第1実施例で述べたイオン化用ガス供給系30の構成要素31〜36と同様に、イオン化用ガス供給管31B、流量調節機構32B、バルブ33B、ガス純化器34B、圧力調整器35B、ガスボンベ36Bを備える。ただし、ガスボンベ36Bは窒素ガスのボンベであり、ガス純化器34Bは窒素ガスを通過させる装置である。
本実施例の洗浄用ガスは、2種類のイオン化用ガス(ここでは、H2とN2)のどちらのガスに対しても、同等かそれ以下の分子量のガス(ここでは、H2)を含む混合ガスとして構成される。本実施例の洗浄用ガスは、イオン化用ガスと同等またはそれ以下の分子量のガス(例えばH2)と不活性ガス(例えばHe)との混合ガスである。このように構成される洗浄用ガスを用いることで、水素ガスと窒素ガスのいずれのイオン化用ガスを使用する場合でも、洗浄用ガスによる不純物ガスの洗浄効果を十分得ることができる。
通常、洗浄用ガスによる洗浄(洗浄モードでの処理)は、エミッタ電極21の交換のためにチャンバ10を大気開放した際に行う。しかし、本実施例のように、複数種類のイオン化用ガスを切り替え使用可能な場合、イオン化用ガスの切り替えにより不純物ガスの濃度レベルが変動する可能性がある。そこで、本実施例では、イオン化用ガスの切替回数をカウントしておき、切替回数が所定回数に達した場合は、図4(a)に示すような長時間の連続排気による洗浄を実施する。その後に、エミッタ電極21を交換した場合は、図4(b)に示すような短時間の洗浄を一回または複数回実施する。
本実施例も第1実施例、第5実施例と同様の作用効果を奏する。さらに本実施例では、複数種類のイオン化用ガスを切り替えて使用する場合でも、不純物ガスを低減することができる。したがって、本実施例では、複数のイオン種のイオンビーム27の電流を安定化することができる。
図8を用いて第7実施例を説明する。本実施例では、イオンビーム装置として走査イオン顕微鏡にGFIS1を適用する場合を説明する。
図6は、走査イオン顕微鏡2の全体構成図である。走査イオン顕微鏡2の基本構成は、ガリウム液体金属イオン源(Ga−LMIS)用に製作された最大加速電圧40kVの集束イオンビーム(FIB)装置と同じである。走査イオン顕微鏡2のガス電界電離イオン源は、第6実施例で述べたGFIS1Bとして構成されている。GFIS1Bについては、図7で詳細に説明したので、図8では構成を省略している。
走査イオン顕微鏡2は、試料ステージ101上の試料111にイオンビーム27を照射することで、試料を観察する。走査イオン顕微鏡2は、例えば、GFIS1B、イオン源制御部100、イオン光学系120、二次電子検出器130、レンズ系制御部140、偏向系制御部150、画像処理部160、顕微鏡制御部200を備える。
GFIS1Bは2種類のイオンビーム27を出力するイオン源である。イオン源制御部100は、顕微鏡制御部200からの指示に従ってGFIS1Bを制御する。イオン光学系120は、イオンビームの加速や集束などを行う。二次電子検出器130は、イオンビーム27が照射されることで試料111で生じた二次電子112を検出する。レンズ系制御部140は、静電レンズ121A,121B、絞り121Cを制御する。偏向系制御部150は、偏向用の電極122A,122Bを制御する。画像処理部160は、二次電子検出器130からの信号から二次電子観察画像を生成する。顕微鏡制御部200は、ユーザの操作に応じて、走査イオン顕微鏡2の全体動作を制御する。
走査イオン顕微鏡2は、GFIS1Bから放出されたH2またはN2のイオンビーム27をイオン光学系120に入射させる。H2のイオンビームは微細観察用に用い、N2のイオンビームは微細加工用に用いる。
イオン光学系120によって加速と集束および偏向されたイオンビーム27は、試料ステージ110に載置された試料111に照射される。イオンビーム27の照射により試料111から発生した二次電子112は、二次電子検出器130で検出される。なお、イオンビーム27の通過領域は基本的に真空排気されている。
イオン光学系120のうち、イオンビーム27の加速と集束と軸調整と開き角制限とに関わる部分は、レンズ系制御部140で制御される。イオン光学系120のうち、イオンビーム27の試料111上での偏向と走査に関わる部分は、偏向系制御部150で制御される。
画像処理部160は、二次電子検出器130から受け取る二次電子112の強度信号と偏向系制御部150の走査信号とを対応させることで、二次電子観察像を形成する。
顕微鏡制御部200は、イオン源制御部100、レンズ系制御部140、偏向系制御部150、画像処理部160を含む走査イオン顕微鏡2全体を制御するとともに、他の機器やユーザからの入出力も制御する。例えば、顕微鏡制御部200は、画像処理部160から二次電子観察像を読みだし、図示しないディスプレイに表示する。顕微鏡制御部200は偏向系制御部150を制御して、二次電子観察像の画面上でユーザが指定した位置へイオンビーム27を照射させることができる。
本実施例の顕微鏡制御部200は、GFIS1Bの稼働時間、すなわちイオン放出時間をモニタして記憶している。また、顕微鏡制御部200は、定期的に(例えば一分間隔で)イオンビーム27の電流をモニタして記憶している。イオンビーム27の電流は、例えば、イオン光学系120内でブランキング偏向した先に設置するファラデーカップにより測定できる。さらに、顕微鏡制御部200は、モニタしたイオンビーム27の電流の変化から、イオン放出の安定性低下の度合いを計算する機能を備える。
本実施例の顕微鏡制御部200は、GFIS1Bの稼働時間の長さ、またはイオンビーム電流の安定性低下のレベルの少なくともいずれかを判断することで、GFIS1Bを洗浄用ガスで洗浄する。顕微鏡制御部200は、エミッタ電極21からのイオン放出を停止させ、洗浄モードの処理を実行する。すなわち、顕微鏡制御部200は、エミッタ電極21の冷却を停止して、洗浄用ガスを高圧でチャンバ10へ導入し、放電を起こすことなく洗浄用ガス(不純物ガスを含む)を排気する。
GFIS1Bの洗浄が終了すると、顕微鏡制御部200は、通常モードに切り替えて、GFIS1Bからイオンビーム27を出力させる。すなわち、顕微鏡制御部200は、エミッタ電極21の冷却を開始し、イオン化用ガスをチャンバ10へ低圧で導入し、エミッタ電極21に電界を印加して、イオンビーム27を放出させる。
基本的には、イオンビーム27が不安定になる前に、一定時間毎に洗浄モードの処理(例えば図4(a)に示すような連続排気による弱い洗浄)を行う。これに限らず、イオンビーム電流の不安定化を検出した場合は、その時点で、GFIS1Bを洗浄(上述の連続排気による弱い洗浄)してもよい。
顕微鏡制御部200は、洗浄処理の開始前に、GFIS1Bを洗浄する旨をユーザへ通知するルーチンを組み込んでおくのが好ましい。また、イオンビーム27を使った自動的な作業プログラムには、洗浄処理に対応する非常処理ルーチンを予め組み込んでおくのが望ましい。さらに、洗浄終了によりGFIS1Bの再稼働が可能になった場合は、ユーザに次の動作を判断させて指示させるためのルーチンを組み込んでおくのが望ましい。
このように構成される本実施例は、第1実施例や第6実施例で述べたように、エミッタ電極21を損耗させることなくGFIS1Bを洗浄でき、安定なイオンビームを用いて試料を観察することができる。この結果、GFIS1Bの信頼性が向上し、イオン顕微鏡2を用いた加工などの長時間作業を自動化することもできる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されない。当業者であれば、本発明の範囲内で、種々の追加や変更等を行うことができる。
1,1A,1B:ガス電界電離イオン源、2:走査イオン顕微鏡、10:チャンバ、20:イオン発生装置、21:エミッタ電極、27:イオンビーム、30,30A,30B:イオン化用ガス供給系、32,32B:流量調節機構、34,34B:ガス純化器、35,35B:圧力調整器、36,36B:ガスボンベ、37:選択透過手段、40:排気系、50:冷却系、60:洗浄用ガス供給系、63:圧力調整器

Claims (13)

  1. 針状の先端を持つエミッタ電極と、該エミッタ電極の先端方向に離間した位置に開口を有する引出電極と、前記エミッタ電極を内包するチャンバとを有するガス電界電離イオン源を含むイオンビーム装置であって、
    前記ガス電界電離イオン源は、
    前記エミッタ電極にビーム発生電圧以上の電圧を印加した状態で、前記チャンバにイオン化用ガスを導入するイオン化用ガス導入経路と、
    前記エミッタ電極に前記ビーム発生電圧未満の電圧を印加した状態または電圧を印加しない状態のいずれかの状態で、前記チャンバに洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入経路と、
    前記エミッタ電極を冷却する冷却装置を有し、
    前記洗浄用ガスが導入された状態での前記チャンバの圧力は、前記イオン化用ガスが導入されるときの前記チャンバの圧力より高くなるように設定されており、
    前記チャンバへ前記洗浄用ガスを導入するときには前記イオン化用ガスを導入するときよりも、前記エミッタ電極の温度が高くなるように設定されており、
    前記チャンバへ前記イオン化用ガスを導入するときには前記冷却装置を稼働し、
    前記チャンバへ前記洗浄用ガスを導入するときには前記冷却装置を停止するイオンビーム
    装置。
  2. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記チャンバへ前記洗浄用ガスが導入された状態では、前記チャンバ内での放電発生を抑止するイオンビーム装置。
  3. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記洗浄用ガスの純度は前記イオン化用ガスの純度よりも低いイオンビーム装置。
  4. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記イオン化用ガス導入経路には、前記イオン化用ガスを純化する純化部が設置されるイオンビーム装置。
  5. 請求項に記載のイオンビーム装置において、
    前記純化部は、前記イオン化用ガスを選択的に透過する膜であるイオンビーム装置。
  6. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記洗浄用ガスの分子量は、前記イオン化用ガスの分子量以下であるイオンビーム装置。
  7. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記洗浄用ガスは、前記イオン化用ガスの分子量以下であるガスを含む混合ガスであるイオンビーム装置。
  8. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記洗浄用ガスは水素を含むイオンビーム装置。
  9. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記イオン化用ガスは水素であるイオンビーム装置。
  10. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、
    前記イオン化用ガスとして二種類以上のガスが用いられ、
    前記洗浄用ガスは、前記二種類以上のガスのいずれの分子量よりも小さい分子量のガスを含むイオンビーム装置。
  11. 請求項1に記載のイオンビーム装置において、さらに、
    前記ガス電界電離イオン源の稼働時間が所定値を超えた場合、または前記ガス電界電離イオン源から放出されるイオンビームの安定性が所定値より低下した場合のいずれかの場合に、前記洗浄用ガスを前記チャンバに導入する制御をする制御部を有するイオンビーム装置。
  12. 針状の先端を持つエミッタ電極と、該エミッタ電極の先端方向に離間した位置に開口を有する引出電極と、前記エミッタ電極を内包するチャンバとを有するガス電界電離イオン源を含むイオンビーム装置であって、
    前記ガス電界電離イオン源は、
    前記エミッタ電極にビーム発生電圧以上の電圧を印加した状態で、前記チャンバにイオン化用ガスを導入するイオン化用ガス導入経路と、
    前記エミッタ電極に前記ビーム発生電圧未満の電圧を印加した状態または電圧を印加しない状態のいずれかの状態で、前記チャンバに前記イオン化用ガスの純度よりも低い洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入経路とを有し、
    前記洗浄用ガスが導入された状態での前記チャンバの圧力は、前記イオン化用ガスが導入されるときの前記チャンバの圧力より高いイオンビーム装置。
  13. 針状の先端を持つエミッタ電極と、該エミッタ電極の先端方向に離間した位置に開口を有する引出電極と、前記エミッタ電極を内包するチャンバとを有するガス電界電離イオン源を含むイオンビーム装置であって、
    前記ガス電界電離イオン源は、
    前記エミッタ電極にビーム発生電圧以上の電圧を印加した状態で、前記チャンバにイオン化用ガスを導入するイオン化用ガス導入経路と、
    前記エミッタ電極に前記ビーム発生電圧未満の電圧を印加した状態または電圧を印加しない状態のいずれかの状態で、前記チャンバに洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入経路とを有し、
    前記洗浄用ガスが導入された状態での前記チャンバの圧力は、前記イオン化用ガスが導入されるときの前記チャンバの圧力より高く設定されており、
    前記イオン化用ガスとして二種類以上のガスが用いられ、
    前記洗浄用ガスは、前記二種類以上のガスのいずれの分子量よりも小さい分子量のガスを含むイオンビーム装置。
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