JP6501156B2 - 工具異常検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法に関する。
エンドミル、ドリル、正面フライス等の工作機械に用いられる工具は、切粉等の噛込みや、使用限界に起因する過負荷により、工具異常(欠損、激しい摩耗)を発生することがある。工具異常は、工作機械の破損・故障、或いは、ワークの加工不良に繋がる可能性があり、特に、一つのワークを長時間に渡り連続加工する工作機械では、重大な装置の故障、或いは、重大な加工不良の発生に繋がる可能性がある。そこで、工具の状態を常時監視し、工具異常の発生を検知する方法が、種々提案されている。
例えば、一つの方法として、工具を駆動するモータの供給電力波形を用いて、工具異常の発生を検知する方法がある。図13に示すように、モータの供給電力は、駆動初期に大きな値を示し、その後空転して、安定した低電力値を示す。そして、工具がワークに接触し、加工を開始すると、波形は工具の加工負荷を反映し、ピーク値Pを有する電力波形(基準グラフG)を示す。そこで、基準グラフGに対し、ピーク値上限判定値Aとピーク値下限判定値Bに挟まれる正常域Dを設定し、ピーク値Pが正常域D内にあるとき、工具は正常であると判定し、ピーク値Pが正常域D外に出たとき、工具異常が発生したと判定する。(例えば、特許文献1参照)
また、他の方法として、工作機械の主軸モータの電力値の実績を用いて、工具異常の発生を検知する方法がある。この方法では、ワークを加工するごとに主軸モータの電力データを測定・記憶し、今回測定した電力データと前回測定した電力データとの変化率を求める。そして、その変化率が、予め設定した上限値を超えたとき、工具異常が発生したと判定する。(例えば、特許文献2参照)
特許3291677号公報 特許3783191号公報
モータの供給電力は、工具の摩耗に従って、徐々に大きくなることが知られている。そのため、供給電力波形を用いる方法では、ピーク値上限判定値Aを、予め大きな値に設定し、誤検知を防止することが必要になる。また、工具交換直後の工具異常は、モータの供給電力波形に、小さなピーク値Pを形成することが知られている。そのため、供給電力波形を用いる方法では、ピーク値下限判定値Bを、予め小さな値に設定し、検出漏れを防止することが必要になる。しかし、以上のような設定すると、正常域Dの幅が広くなり、工具異常の発生を精度よく検知できなくなる可能性がある。
また、主軸モータの電力値を用いる方法では、電力値の変化量が小さく、変化率を精度よく算出できないことがある。そこで、異常判定の閾値を小さくし、検出漏れを防止しようとすると、工具異常に関係のない電力値のピーク、例えば、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因する電力値のピークを、工具異常の発生と誤検知し、工具異常の発生を精度よく検知できなくなる可能性がある。
特に、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置では、送り軸モータの仕事量における加工寄与分が極めて小さく、定格容量の数%にも満たないことがある。そのため、工具異常の発生に起因する電力値変化を、精度よく得られないことがあり、工具異常の発生を精度よく検知できない可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用し、加工中における工具異常(欠損、激しい摩耗)の発生を精度よく検知できる、工具異常検知方法を提供することを目的とする。
本発明は、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具をモータで送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法であって、前記切削工具を送る電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、電力値データとする、電力値データ作成ステップと、前記電力値データにおいて、前記電力値が、前記モータの駆動に伴う周期的な変化を呈するものであり、最新から前記変化の一周期以上の時間ΔT1前までの前記電力値の分散値を求めて第1の電力分散値とし、これを、時間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする、第1の電力分散値データ作成ステップと、前記第1の電力分散値データにおいて、最新から時間ΔT2前までの前記第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、これを、時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとする、第2の電力分散値データ作成ステップと、前記第2の電力分散値データにおいて、最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求め、その比が閾値αを所定回数m回続けて越えたとき、前記電力値に異常が発生したと判定する、電力値異常判定ステップとを有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定する工具異常検知方法である。
また、本発明では、前記閾値αを、前記第2の電力分散値Vp2に応じて設定することが好ましい。
本発明によれば、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置において、モータの供給電力値を基に、工具異常の発生を精度よく検知することができる。
本発明の実施形態で外形加工をするロールの一例を示す断面模式図である。 実施形態における、ロール旋盤加工機とその周辺機器の概略図である。 実施形態において、電力値の異常を判定するフローチャートである。 実施例における、加工開始直後の電力値の変化を示すグラフである。 図4の電力値の変化について、時間ΔT1を変えた時の第2の電力分散値の変化を示すグラフである。 実施例における、閾値αと第2の電力分散値Vp2との関係を示すグラフである。 実施例において、検証に用いた、電力値の変化と第2の電力分散値の変化を示すグラフである。 工具を駆動するモータの供給電力波形の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態として、本発明をロールの外形加工に適用した例について、図面を参照しながら説明する。
本発明は、例えば、図1に示すように、内径面R1と外径面R2を有する円筒状のロールRの外形加工に適用することができる。このロールRは、円柱状の軸体Sを、内径面R1の内側軸方向に貫通させている。
そして、ロールRの外形加工では、軸体Sを軸S1周りに回転し、切削工具TをロールR表面に送るようにする。図1では、切削工具Tの加工位置の種々の例を○で示しており、例えば、ロールRの外径面R2の加工では、切削工具Tを、外径面R2の垂直方向(図のX方向)に加工分だけ切り込みつつ、ロールRの軸方向(図のZ方向)に送るようにする。また、ロールRの側面F1、F2の加工では、切削工具Tを、側面F1、F2の垂直方向(図のZ方向)に加工する分だけ切り込みつつ、ロールRの垂直方向(図のX方向)に送るようにする。
また、本発明は、図2に示すようなロール旋盤加工機1(以下、加工機1と略す)に適用することができる。加工機1は、ロールRの外形加工をする装置であり、ロールRを軸体Sの軸S1周りに回転するモータ2と、ロールRの外径面R2を加工する切削工具Tと、切削工具Tを保持する工具ホルダ3と、工具ホルダ3を図のX軸方向に移動する(別の言い方をすれば、切削工具TをロールRに押し当てる)X軸サーボモータ4と、工具ホルダ3を図のZの方向に送るZ軸サーボモータ5と、加工機1の制御配電盤6を備えている。
そして、X軸サーボモータ4とZ軸サーボモータ5は、それぞれ、X軸サーボアンプ7とZ軸サーボアンプ8に接続し、これらサーボアンプが、X軸サーボモータ4とZ軸サーボモータ5を駆動制御するようにしている。
また、加工機1は、電力計9、データ収集機10、パソコン11、I/Oユニット12を、周辺に配置している。
電力計9は、X軸サーボアンプ7およびZ軸サーボアンプ8の2次側のU、V、W相配線から、電流値、電圧値を計測し、これら計測値から、切削工具Tの切削負荷を電力値として求め続けるようにしている。電力計9は、計測した電力値を、アナログ電圧に変換し、データ収集機(DAC:Data acquisition)10に出力するようにしている。データ収集機10は、電力計9から送られた電圧値を収集して蓄積した後、A/D変換してパソコン11に出力するようにしている。パソコン11は、電圧値を電力値に変換し、電力値データにしている。
また、加工機1の制御配電盤6は、幾つかのリレー接点を備え、接点からの信号を、逐次、I/O(Input/Output)ユニット12を通して、パソコン11に出力するようにしている。これにより、パソコン11が、加工機1を常時監視して、自動加工運転状態か否か、送り軸の駆動状態、どの送り軸が加工に寄与しているか、を確認できるようにしている。
なお、制御配電盤6は、ロールRの材質等を把握するためのリレー接点を備え、加工機1のNCプログラムに、ロールRの材質を示すコードを記載できるようにしてもよい。これにより、ロールRの材質等をパソコン11により自動的に把握し、ロールRの材質に最適な条件にて、工具異常の発生を検知することができる。
次に、本実施形態の手順について、図3のフローチャートに従って説明する。
(電力値データ作成ステップ:S1−S3)
図3に示すように、本実施形態は、ステップS1からフローを開始し、ステップS2に進み、電力計9により電力値を計測し電圧値として出力する。そして、ステップS3に進み、データ収集機10により、電圧値に変換した電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積する。蓄積したデータは、パソコン11に送り、電力値に変換して電力値データとする。以降のステップは、パソコン11にて処理を行う。
なお、本実施形態では、装置の構成により、電力値を電圧値に変換する操作を経由しているが、電力値のまま処理を行うことと、フローは実質同等である。
(第1の電力分散値データ作成ステップ:S4,S5)
次に、ステップS4に進み、電力値データにおける最から時間ΔT1前までの電力値
の分散値を求めて第1の電力分散値とし、ステップS5に進み、第1の電力分散値を、時
間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする。
なお、本実施形態において、電力値は、モータの駆動に伴う周期的な変化を呈するもの
であり、時間ΔT1は、定常切削状態における電力値変化の一周期以上の時間である。一
周期以上とする理由については後で説明する。
(第2の電力分散値データ作成ステップ:S6,S7)
次に、ステップS6に進み、第1の電力分散値データにおける最から時間ΔT2前ま
での第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、ステップS7に進み、第
2の電力分散値を時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値デー
タする。
なお、ステップS7では、時間t1と時間t2が等しい場合、第2の電力分散値を求め
た第1の電力分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の電力分散値1つをデータ群に
加えると共に、時間ΔT2前の第1の電力分散値1つをデータ群から削除し、その後、再
びデータ群の分散値を求めて第2の電力分散値とすることができる。そして、この手順を
繰り返すことにより、第2の電力分散値データを求め続けてもよい。
(電力値異常判定ステップ:S8−S12)
次に、ステップS8に進み、第2の電力分散値データにおける最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求める。Npの値は、電力値に異常が発生したと判定する精度が高くなるよう、正の整数値を適宜設定する。
次に、ステップS9に進み、予め第2の電力分散値Vp2に応じて設定した閾値αを参照し、ステップS10に進み、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比が、閾値αを、所定回数m回続けて越えたとき、ステップS11進み、電力値に異常が発生したと判定する。
本実施形態では、ステップS11において電力値に異常が発生したと判定したとき、その異常判定の情報を基に、切削工具Tに工具異常が発生したと判定し、工具異常の発生を検知する。また、ステップ11において、電力値に異常が発生したと判定しなかったとき、ステップ12に進み、比(Vp1/Vp2)と閾値αとの比較を継続する。
なお、切削工具Tに工具異常が発生したと判定したとき、パソコン11から作業者に対して、視覚的あるいは聴覚的に信号を発生し、工具異常が発生したことを知らせるようにしてもよい。また、パソコン11から加工機1に信号を送り、切削工具TをロールRから自動的に退避させ、切削作業を停止するようにしてもよい。
本実施形態では、第2の電力分散値データを用いて、電力値に異常が発生したと判定するので、工具異常の発生に起因する電力値変化を強調して検知することができる。これにより、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因する電力値の変化から、工具異常の発生に起因する電力値変化を判別しやすくすることができ、工具異常の発生を精度よく検知することができる。
また、本実施形態では、閾値αを、第2の電力分散値Vp2に応じて設定している。す
なわち、閾値αを、電力値の変化に応じて動的に設定している。これにより、第2の電力
分散値Vp2が小さく、且つ、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2の比(
Vp1/Vp2)が大きい電力値変化、例えば、切粉等の噛込みやワークの溶着等に起因
する電力値変化から、工具異常の発生に起因する電力変化をより判別しやすくすること
ができ、工具異常の発生をより精度よく検知することができる。
[実施例]
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例は、上記実施形態を、ロールR外径面に形成された熱処理肌面の除去加工(粗加工)に適用した例である。
本実施例には、仕上げ外形寸法が1200mmになるロールRを用いた。加工では、ロールRを、軸周りに周速80m/minにて回転しつつ、切削工具Tを、軸方向に0.16mm/rotの速度で送るようにした。切削工具Tには、円板型のcBNチップを用いた。
また、図2に示した電力計9には、日置電機社製3390パワーアナライザを用い、切削工具Tを駆動するZ軸サーボモータ5の電力値を計測した。
図4に示すように、電力計9が計測した電力値は、Z軸サーボモータ5を駆動する前の状態41から、Z軸サーボモータ5を駆動して切削工具Tを送った直後の初期状態42に変化し、周期的な変化を示すようになった。この電力値の周期的変化は、Z軸サーボモータ5の駆動に起因して発生するものであり、モータの回転子、回転軸等の偏心を、電力計9が電力値変化として検出したものである。
なお、初期状態42は、切削工具TがロールRに接触するまでのエアカット区間、および、切削工具TがロールRに接触し始める非定常切削状態区間を含む状態を示したものである。そして、初期状態42では、切削工具Tの送りを小さくし、切削工具TがロールRに接触したときの衝撃を緩和するようにしている。
初期状態42から、切削工具Tの送りを大きくし、定常切削状態43になると、電力値の周期は小さくなり、安定した周期の電力値変化を示した。
なお、図4では、44において電力値に異常な変化が見られた。後で切削工具Tの外観観察をしたところ、この電力値の異常は、工具異常(切削工具Tの欠損)によるものと判明した。
そして、本実施例では、図3に示したフローチャートのパラメータを、パソコン11において、
ステップS3の時間tp : 1/10秒
ステップS4の時間ΔT1 : 1秒から100秒
ステップS5の時間t1 : 1秒
ステップS6の時間ΔT2 : 25秒
ステップS7の時間t2 : 1秒
ステップS8の所定個数Np : 30個
ステップS10の所定回数m : 5回
と設定した。
なお、ステップS7では、第2の電力分散値を求めた第1の電力分散値のデータ群に対し、続けて求めた第1の電力分散値1つをデータ群に加えると共に、25秒前の第1の電力分散値1つをデータ群から削除し、その後、再びデータ群の分散値を求めて第2の電力分散値とした。そして、この手順を繰り返すことにより、第2の電力分散値を求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとした。
図5に、図4の電力値の変化について、時間ΔT1を1秒から100秒に変えたときの、第2の電力分散値の変化を示す。なお、図4の電力値の変化において、変化の周期は、定常切削状態43で約10秒であった。
まず、図5(a)、図5(b)に示すように、時間ΔT1を、電力値の変化の周期よりも小さくしたところ、第2の電力分散値は、図4の電力値に異常が発生した時刻(720秒付近)において、ほとんど上昇しなかった。この結果を基に、ステップS9の閾値αを設定したところ、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2との比は小さくなり、閾値αは小さな値とになってしまった。この閾値αが、図4以外の電力値の変化に対応可能か検証を行ったところ、定常切削状態において、電力値の変化に異常が発生したと誤判定してしまい、電力値の異常を精度よく判定することができなかった。
そこで、図5(c)に示すように、時間ΔT1を、電力値の変化の周期と同じにしたところ、第2の電力分散値は、図4の電力値に異常が発生した時刻において、急上昇を示した。この結果を基に、閾値αを、図6に示すように設定し、第2の電力分散値Vp2が大きくなるに従い小さくなるようにした。
次に、図6の閾値αが、図4以外の電力値の変化に対応可能か、図7(a)に示す電力値の変化を用いて検証を行った。
図7(a)の電力値は、7a1にて波形周期が10秒の定常切削状態を示した後、7a2付近にて振幅変動に異常を示したものである。ただし、異常前後にて波形周期は大きく変わっていない。7a2付近での異常の後、7a3にて加工を停止して切削工具Tを確認したところ、切削工具Tにカケが生じていた。すなわち、7a2における電力値の異常は工具異常に起因するものと推測できる。
図7(b)は、図7(a)の電力値に対応する第2の電力分散値の変化と、判定データJを示したものである。第2の電力分散値は、図7(a)の振幅変動7a2において、ピーク7bを形成し、判定データJは、電力値に異常が発生したことを意味する変化を示した。これにより、時間ΔT1を、電力値の変化の周期と同じにすることにより、電力値の異常を精度よく判定できることが確認できた。
なお、図7(b)の720秒付近の第2の電力分散値のピークは、図7(a)の7a3において加工を停止したことに起因している。電力値の異常を判定して工具異常を判定するプロセスに影響するものではない。
また、図5(d)から図5(f)に示すように、時間ΔT1を、電力値の変化の周期よりも長くした場合でも、第2の電力分散値は、図4の電力値に異常が発生した時刻において、急上昇を示した。この結果を基に、閾値αを設定しても、図5(c)と同様に、電力値の異常を精度よく判定することができた。
以上の結果から、時間ΔT1を、電力値の変化の周期以上とすることで、電力値の異常発生を精度よく判定できることが確認できた。ただし、時間ΔT1を、電力値の変化の周期よりも長くすると、第2の電力分散値Vp1と第2の電力分散値Vp2との比を求める際の、データの待ち時間が長くなることになる。すなわち、電力値の測定開始直後において、電力値の異常を見落とすリスクが高くなる。よって、時間ΔT1は、必要以上に大きくしないことが好ましく、電力値の変化の周期と同じにすることが好ましい。
以上、本発明にの実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明が適用することができる切削加工装置は、ロール旋盤加工機の限らず、軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具を送り、円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置であればよく、シャフトや丸棒等の表面の切削加工装置にも適用することができる。
また、本発明は、円柱体或いは円筒体の外径面加工だけでなく、側面加工の工具異常検知にも適用することができる。すなわち、実施形態における、ロールRの側面F1、F2を加工にも適用することができる。その場合、図3のフローをそのまま適用し、閾値αを適宜設定すればよい。
1,20:ロール旋盤加工機
2:モータ
3:工具ホルダ
4:X軸サーボモータ
5:Z軸サーボモータ
6:制御配電盤
7:X軸サーボアンプ
8:Z軸サーボアンプ
9:電力計
10:データ収集機
11:パソコン
12:I/Oユニット

R:ロール
R1:内径面、R2:外径面
F1,F2:側面
S:スリーブ
T:切削工具

Claims (2)

  1. 軸周りに回転する円柱体或いは円筒体の表面に切削工具をモータで送り、前記円柱体或いは円筒体の外形加工をする切削加工装置に適用する工具異常検知方法であって、
    前記切削工具を送る電力値を、時間tpのタイミングごとにサンプリングし続けて蓄積し、電力値データとする、電力値データ作成ステップと、
    前記電力値データにおいて、前記電力値が、前記モータの駆動に伴う周期的な変化を呈するものであり、最新から前記変化の一周期以上の時間ΔT1前までの前記電力値の分散値を求めて第1の電力分散値とし、これを、時間t1のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第1の電力分散値データとする、第1の電力分散値データ作成ステップと、
    前記第1の電力分散値データにおいて、最新から時間ΔT2前までの前記第1の電力分散値の分散値を求めて第2の電力分散値とし、これを、時間t2のタイミングごとに求め続けて蓄積し、第2の電力分散値データとする、第2の電力分散値データ作成ステップと、
    前記第2の電力分散値データにおいて、最新の第2の電力分散値Vp1と、最新から所定個数Np個前のタイミングにおける第2の電力分散値Vp2との比(Vp1/Vp2)を逐次求め、その比が閾値αを所定回数m回続けて越えたとき、前記電力値に異常が発生したと判定する、電力値異常判定ステップと
    を有し、前記電力値異常判定ステップにおける異常判定の情報を基に、前記切削工具に工具異常が発生したと判定することを特徴とする工具異常検知方法。
  2. 前記閾値αを、前記第2の電力分散値Vp2に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の工具異常検知方法。

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