JP2011121139A - 工具異常検知装置および検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1パス内で削り代が変化する加工においても工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も可能な工具異常検知装置および検出方法を提供する。
【解決手段】 工具7に作用する負荷を検出する負荷検出手段23と、1パス分の負荷検出手段23で検出される負荷の積算値を求める負荷積算手段24と、この負荷の積算値を基準値Sと比較して工具異常を判定する工具異常判定手段25とを備える。同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の積算値、または直前の複数回のパスの加工における積算値の統計処理結果を、前記基準値Sとして定める基準値生成手段26を設ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、旋盤等の工作機械において、加工の負荷から、バイト等の工具の摩耗や折損による工具異常を検知する工具異常検知装置および検知方法に関する。
従来、旋盤等の工作機械において、工具の寿命を測るために、切削負荷情報を監視し、その切削負荷情報から得られた値が一定のレベルを超えた場合に、工具異常と判断するものが提案されている(例えば、特許文献1)。通常、作業者が工具寿命に近い状態の切削負荷情報に+αさせた値を異常検出レベル値(固定値)として決定する。前記切削負荷情報とは、刃物台の軸移動モータの電流値や主軸モータの電流値である。
特開2002−1633号公報
工具は、摩耗が進むにつれて切削負荷が大きく異なる特性がある。切削負荷の異常検出レベル値の設定は、パス(切削工程)毎に行っている。通常は、パス毎の切削区間における負荷は一定になるため、異常検出レベルまでの到達量も一定になる。
しかし、例えば図6に示すワークWの斜線部を切削する外径加工を行う場合のように、1パスの間で削り代が変化することがある。このような削り代が変化するような加工を行った場合、1パス内で切削負荷が徐々に大きくなる。ワーク形状によっては負荷が徐々に大きくなる。この場合でも、異常検出レベル値は、1パス内の一番大きな切削負荷に合わせて設定しているため、負荷が小さい区間で負荷変動があった場合に、異常検出ができないという問題があった。工具摩耗は徐々に進行するため、工具の微妙な欠け等の異常を検出することもできなかった。
また、異常検出レベル値は、1パス内の一番大きな切削負荷よりも大きな値に設定されるため、工具の刃先の欠けよって実際の削り代が減り、切削負荷が小さくなった場合の異常については検出できなかった。
この発明の目的は、1パス内で削り代が変化する加工においても工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も可能な工具異常検知装置を提供することである。
この発明の他の目的は、工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつワークが1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合に、工具異常が検出できるようにすることである。
この発明のさらに他の目的は、工具摩耗によって次第に大きくなる工具の負荷に対応した適切な基準値の設定が行えて、微妙な工具異常の精度の良い検出を可能とすることである。
この発明のさらに他の目的は、工具摩耗によって次第に大きくなる工具の負荷に対応した微妙な工具異常の精度の良い検出と共に、異常を生じることなく用いられた工具の寿命の検出と、瞬時の加工負荷変動に対応した工具異常の検出との両方を可能とすることである。
この発明のさらに他の目的は、1パス内で削り代が変化する加工において、工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も可能な工具異常検知方法を提供することである。
この発明の工具異常検知装置は、工作機械(1)に取付けられてワーク(W)を削り取り加工する工具(7)の異常を検知する装置であって、前記工具(7)に作用する負荷を検出する負荷検出手段(23)と、ワーク(W)に対する工具(7)の1パス分の前記負荷検出手段(23)で検出される負荷の積算値を求める負荷積算手段(24)と、この負荷積算手段(24)で求められた負荷の積算値を、定められた基準値(S)と比較して工具の異常を判定する工具異常判定手段(25)とを備える。
なお、この明細書で言う「工具のパス」とは、工具(7)がワーク(W)に接触してから、接触を維持しながら工具(7)がワーク(W)に対して相対移動し、ワーク(W)と工具(7)との接触が解除されるまでのワーク(W)上における工具(7)の経路を言う。また、「削り取り加工」は、旋削等の切削加工、および研削加工を言う。
この構成によると、工具異常判定手段(25)は、1パス分の負荷の積算値を、定められた基準値(S)と比較して工具(7)の異常を判定する。そのため、従来の負荷の瞬時値を閾値と比較する異常検出と異なり、1パス内で削り代が変化する加工においても工具異常を検出することができる。負荷の積算値で異常判定するため、工具(7)の刃先の欠けにより実際の削り代が小さくなって切削負荷が小さくなった場合についても、工具異常を検出することができる。
この発明において、前記加工は前記工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワーク(W)は前記1パス分の加工において削り代が変化する形状であっても良い。
この発明は、1パス内での削り代が一定の加工にも適用することができるが、上記のような1パス分の加工において削り代が変化する加工の場合に、この発明の1パス分の負荷の積算値を用いることによる効果がより一層効果的に発揮される。
この発明において、同じ工作機械(1)および同じ工具(7)により複数のワーク(W)に対して互いに同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値、または直前の複数回のパスの加工における前記積算値の統計処理結果を、前記基準値(S)として定める基準値生成手段(26)を設けても良い。
工具(7)は次第に摩耗し、作用する負荷が次第に大きくなる。そのため、異常判定のための基準値(S)を一定とすると、微妙な工具異常を検出することが難しい。これに対して、上記のように現在のパスの直前の1回または複数回の加工から基準値(S)を定めることで、工具摩耗によって次第に大きくなる工具(7)の負荷に対応した適切な基準値の設定が行え、微妙な工具異常の精度の良い検出を行うことができる。
この発明において、前記負荷検出手段(23)で検出される負荷を定められた閾値(T)と比較して閾値(T)を超える場合に工具の異常と判定する第2の異常判定手段(27)を設けても良い。
第2の異常判定手段(27)は、負荷検出手段(23)で検出される負荷を一定の閾値(T)と比較して異常検出するため、異常を生じることなく用いられた工具(7)の寿命の検出を行うことができる。そのため、前記負荷の積算値を比較する工具異常判定手段(25)である第1の工具異常判定手段(25)と前記第2の工具異常判定手段(27)とを併用することで、工具摩耗によって次第に大きくなる工具(7)の負荷に対応した微妙な工具異常の精度の良い検出と共に、異常を生じることなく用いられた工具(7)の寿命の検出が行える。また、前記第2の工具異常判定手段(27)を設けたため、工具(7)が大きく折損した場合のような瞬時の工具負荷変動に対応した工具異常を検出することができる。
この発明の工具異常検知方法は、この発明の上記いずれかの構成の工具異常検知装置を用い、前記工具(7)の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワーク(W)が前記1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合における、工具異常の検出を行う方法である。
この方法によると、この発明の工具異常検知装置につき前述したと同様に、1パス内で削り代が変化する加工において、工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も行うことができる。
この発明の工具異常検知装置は、工作機械に取付けられてワークを削り取り加工する工具の異常を検知する装置であって、前記工具に作用する負荷を検出する負荷検出手段と、ワークに対する工具の1パス分の前記負荷検出手段で検出される負荷の積算値を求める負荷積算手段と、この負荷積算手段で求められた負荷の積算値を、定められた基準値と比較して工具の異常を判定する工具異常判定手段とを備えるため、1パス内で削り代が変化する加工においても工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も行うことができる。
特に、前記加工が前記工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワークが前記1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合に、工具異常が検出でき、この発明の負荷の積算値を異常判定に用いることの効果が、効果的に発揮される。
同じ工作機械および同じ工具により複数のワークに対して互いに同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値、または直前の複数回のパスの加工における前記積算値の統計処理結果を、前記基準値として定める基準値生成手段を設けた場合は、工具摩耗によって次第に大きくなる工具の負荷に対応した適切な基準値の設定が行えて、微妙な工具異常を精度良く検出することができる。
前記負荷検出手段で検出される負荷を定められた閾値と比較して閾値を超える場合に工具の異常と判定する第2の異常判定手段を設けた場合は、工具摩耗によって次第に大きくなる工具の負荷に対応した微妙な工具異常の精度の良い検出と共に、異常を生じることなく用いられた工具の寿命の検出が行え、瞬時の工具負荷変動に対応した工具異常の検出も行える。
この発明の工具異常検知方法は、工具異常検知装置を用い、前記工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワークが前記1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合における、工具異常の検出を行う方法であるため、1パス内で削り代が変化する加工において、工具異常が検出でき、かつ工具の刃先の欠けによって切削負荷が小さくなる場合の工具異常の検出も行うことができる。
(A)はこの発明の一実施形態に係る工具異常検知装置の概念構成を示すブロック図、(B),(C)は切削負荷の変動を示す図である。 同実施形態の工具異常検知装置を適用する工作機械の一例の平面図である。 同工作機械の正面図である。 1パスの間の切削負荷の正常時の変動および異常発生時の変動を示すグラフである。 1パスの間の切削負荷の変動と閾値との関係を示すグラフである。 ワークの加工前および加工後の形状例を示す側面図である。
この発明の一実施形態を図面と共に説明する。図2,図3は、この工具異常検知装置を装備する工作機械の一例を示す。工作機械1は、タレット式の旋盤からなり、ベッド2上の主軸台3の側方に、上下の送り台4,5を介してタレット型の刃物台6が設置されている。主軸台3に回転自在に支持された主軸8の先端のチャック9に、ワークWが把持される。主軸8は主軸モータ(図示せず)により回転駆動される。下側の送り台4は、ベッド2に設けられたレール10上を主軸2の軸心Oと直交する方向(X方向)に進退自在に設置され、この下側送り台4の上に上側送り台5が、主軸軸心Oと平行な方向に進退自在に設置されている。刃物台6は、主軸軸心Oと平行な旋回軸心回りに割出回転が自在なように、上側送り台5に設置されている。刃物台6は正面形状が多角形状に形成され、外周面の各平面部分からなる各工具ステーションに、バイトからなる工具7や、ドリルその他の回転工具等からなる工具(図示せず)が設置されている。下側送り台4は、モータ11により送りねじ機構等の伝達機構13を介して進退駆動され、上側送り台5はモータ12により送りねじ機構等の伝達機構14を介して進退駆動される。これらモータ11,12の駆動により、刃物台6は、主軸軸心Oに沿う方向(Z方向)とこれに直交する方向(X方向)とに進退駆動される。前記モータ11,12は、誘導モータ等のACサーボモータ、または同期型のサーボモータからなる。
図1は、工作機械1の制御系および工具異常検知装置を示す。加工機制御装置15は、工作機械1を制御する装置であって、コンピュータ式の数値制御装置およびプログラマブルコントローラ等からなる。加工機制御装置15は、加工プログラム16を解読して実行する演算制御部である主制御手段17と、この主制御手段17の出力する各軸の送り指令に従って各軸モータの制御をするサーボコントローラ18とを備える。同図では、サーボコントローラ18は、Z軸のモータ12を制御する物のみを示しているが、X軸のモータ11および主軸モータ(図示せず)に対しても、各軸毎に図示のサーボコントローラ18と同様のサーボコントローラが設けられている。サーボコントローラ18は、図示の例では、それぞれフィードバック制御を行う位置制御手段19、速度制御手段20、およびトルク制御手段21を有している。サーボコントローラ18の出力はアンプ22を介してモータ駆動電流に増幅され、モータ12が駆動される。アンプ22から供給されてモータ12を駆動する電流は、負荷検出手段23で検出され、トルク制御手段21の制御に用いられる。負荷検出手段23は、電流計等からなる。
この加工機制御装置15にこの実施形態の工具異常検知装置が設けられている。この工具異常検知装置は、前記負荷検出手段23と、負荷積算手段24と、第1の工具異常判定手段25と、基準値生成手段26と、第2の工具異常判定手段と、警報出力手段28とを備える。上記負荷積算手段24、第1の工具異常判定手段25、基準値生成手段26、第2の工具異常判定手段27、および警報出力手段28は、加工機制御装置15を構成するコンピュータと、これに実行されるプログラム(図示せず)とで構成される。
負荷検出手段23は、工具7に作用する負荷を検出できる手段であれば良いが、ここでは、前記トルク制御に用いる電流計からなる負荷検出手段23を用いている。この負荷検出手段23は、工具7が取付けられた刃物台6を、送り台5と共にZ軸方向に移動させるモータ12の負荷を検出する手段であるため、Z軸方向に沿って送りを行う加工において、工具7に作用する送り方向の負荷を検出する負荷検出手段となる。
負荷積算手段24は、ワークWに対する工具7の1パス分の前記負荷検出手段24で検出される負荷の積算値を求める手段である。この積算値は、換言すれば負荷の累積値である。負荷積算手段24は、例えば、負荷検出手段23で検出された負荷を、一定のサンプリング間隔δでサンプリングし、各サンプリング時に検出された負荷を、工具7の1パス分にわたって積算する。サンプリング間隔は、例えば数μ秒〜数十μ秒程度である。
第1の工具異常判定手段25は、負荷積算手段24で求められた負荷の積算値を、定められた基準値Sと比較して工具7の異常を判定する手段である。第1の工具異常判定手段25は、負荷積算手段24で求められた負荷の積算値が、前記基準値Sに対して大きい場合、および小さい場合のいずれも、工具異常と判定する。この場合に、積算値が基準値Sに対し、定められた割合(例えば10%)以上大きい場合、および小さい場合に、工具異常と判定するようにしても良い。前記の割合は、任意に設定すれば良い。前記の割合は、固定値としても良く、また加工機制御装置15を構成する操作盤(図示せず)等に設けられた入力手段から、任意の値を入力および更新できるものとしても良い。また、前記の割合は、負荷の積算値が基準値Sを超える場合と基準値未満である場合とで、異なる値としても良い。
基準値生成手段26は、同じ工作機械1および同じ工具7により複数のワークWに対して互いに同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値、または直前の複数回のパスの加工における前記積算値の統計処理結果を、前記基準値Sとして定める手段である。この実施形態では、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値を基準値Sとしているが、例えば、直前の連続する数回(2〜6回程度)のパスにおける前記積算値の移動平均を基準値Sとして定めても良い。
第2の工具異常判定手段27は、負荷検出手段23で検出される負荷を、定められた閾値T(図5)と比較し、閾値Tを超える場合に工具異常と判定する手段である。閾値Tは、複数のワークWを加工する間も、変わらずに一定の値とする。閾値Tは任意に設定すれば良いが、そのワークWの1パスの加工で通常に生じる最大負荷に対して、定められた割合または定められた値だけ大きな値とされる。例えば、図6のような形状のワークWの加工では、図5のように、通常の負荷Bと、削り代が大きくなった箇所で生じる最大の負荷Aとが生じるが、閾値Tは、この最大の負荷Aに対して、定められた割合または定められた値だけ大きな値とされる。閾値Tについても、固定値としても、また、前記入力手段から任意の値を入力,更新できるものとしても良い。
警報出力手段28は、第1の工具異常判定手段25、および第2の工具異常判定手段27のいずかで異常が検出されると、スピーカやブザー等の音声による警報機器や、警報ランプを駆動するアラーム信号を出力する。
この実施形態における工具異常検知装置で異常検知の対象とする加工は、1パス中でワークWの削り代が変化する加工である。特に、工具7の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつワークWが、1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合の加工である。
図6は、この条件に該当するワークWおよび加工の一例を示す。同図(A)に示すように、このワークWは、丸軸部Waの一体にフランジ部Wbを有する鋳造品であり、丸軸部Waの基端であるフランジ隣接部Wcが、フランジ部Wbに近づくに従って次第に拡径する形状となっている。この加工では、フランジ部Wbを主軸8のチャック9(図2)で把持し、ワークWの丸軸部Waの外径を工具7の1パスで一定の径に切削する。すなわち、工具7の切り込み方向の位置を一定に保ち、工具7を、丸軸部Waの先端から基端(フランジ部Wbの表面位置)までワークWの軸方向に相対移動させ、工具7をワークWの径方向に離す。ワークWの斜線を施した部粉が削り代であり、同図からわかるように、1パス分の加工において、最後の部分で削り代が次第に大きくなっている。図2(B)は加工後の形状を示す。なお、1パスの加工は、例えば2.5秒程度であるが、これよりも短くても、また数十秒ないし数分と長くても良い。
次に、上記構成の工具異常検知装置の作用を説明する。図6に示す形状のワークWを、複数個繰り返して上記のように加工する場合につき説明する。ワークWの1パスの加工を行う間、負荷積算手段24は、負荷検出手段23により所定のサンプリング周期δで検出される各検出時の負荷の検出値を積算する。図6のワークWの場合は、1パス間の負荷の変動は、図1(B)のようになる。基準値生成手段26は、このように積算される積算値につき、現在のパスの直前の1回のパスの加工の積算値を基準値Sとして、第1の工具異常判定手段25に設定する。第1の工具異常判定手段25は、現在の1パスの加工が終了すると、その1パス分の負荷の積算値を、前記基準値Sと比較し、積算値が基準値Sに対し、定められた割合を超えるときは、工具異常と判定する。積算値が基準値Sに対し、定められた割合内の場合は、正常と判定する。このように、常に1回前の加工の積算値を基準値Aとして設定して、現在の加工の積算値の異常検出を行う。なお、初回の加工の場合は、基準値Sは、任意に定められるデフォルト値を用いる。
図4(B),(C)は、工具異常が生じた場合の切削負荷の変化例を示す説明図である。工具異常がない場合は、1パスの加工において、図4(A)のように切削負荷が変動する。この負荷変動の曲線は、工具7の当たり始めは小さく、次第に増大して略一定値を保ち、1パスの最後では削り代が大きいために負荷が次第に増大する曲線となる。このように変動する前回の1パス分の負荷の積算値がΔ1であるとすると、このΔ1を基準値Sとして設定する。
1パスの途中で工具7のチッピング(すなわち欠け)が発生し、工具7による切削の摩擦抵抗が増大した場合は、同図(B)のように、チッピングの発生時点で切削負荷が増大する。そのため、負荷積算手段24で検出される積算値Δ1が、基準値Sよりも大きくなる。この場合、第1の工具異常判定手段25は工具異常と判定する。
1パスの途中で工具7のチッピングが発生し、工具7の先端が短くなることによって実際の削り代が小さくなり、切削負荷が小さくなる場合もある。例えば、同図(C)のように、チッピングの発生時点で切削負荷が減少する場合がある。この場合、負荷積算手段24で検出される積算値Δ1が、基準値Sよりも小さくなる。この場合も、第1の工具異常判定手段25は工具異常と判定する。
第1の工具異常判定手段25は、このように1パス分の負荷の積算値Δ1を、定められた基準値Sと比較して工具7の異常を判定する。そのため、従来の負荷の瞬時値を閾値と比較する異常検出と異なり、1パス内で削り代が変化する加工においても、工具異常を検出することができる。負荷の積算値Δ1で異常判定するため、図4(C)と共に前述したように、工具7の刃先の欠けにより実際の削り代が小さくなって切削負荷が小さくなった場合についても、工具異常を検出することができる。
また、基準値生成手段26を設け、同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値Δ1、または直前の複数回のパスの加工における前記積算値の統計処理結果を、前記基準値Sとして定めるようにしたため、微妙な工具異常の精度の良い検出を行うことができる。すなわち、工具7は次第に摩耗し、作用する負荷が次第に大きくなる。そのため、異常判定のための基準値を一定とすると、微妙な工具異常を検出することが難しい。これに対して、上記のように現在のパスの直前の1回または複数回の加工から基準値Sを定めることで、工具摩耗によって次第に大きくなる工具7の負荷に対応した適切な基準値の設定が行え、微妙な工具異常の精度の良い検出を行うことができる。
第2の異常判定手段27は、負荷検出手段23で検出される負荷を一定の閾値Tと比較し、負荷が閾値Tを超える場合に工具7の異常と判定する。第2の異常判定手段27は一定の閾値Tと比較して異常検出するため、チッピング等の異常を生じることなく用いられた工具の摩耗による寿命の検出を行うことができる。
このため、負荷の積算値を比較する第1の工具異常判定手段25と、一定の閾値と比較る第2の工具異常判定手段27とを併用することで、工具摩耗によって次第に大きくなる工具の負荷に対応した微妙な工具異常の精度の良い検出と共に、チッピング等の異常を生じることなく用いられた工具7の寿命の検出が行える。
また、第2の工具異常判定手段27は、積算値ではなく、瞬時の負荷から異常判定するため、工具が大きく折損した場合のような瞬時の工具負荷変動に対応して、パスの途中でも工具異常を検出することができる。そのため、大きな異常時に加工を即座に停止させることができる。
なお、前記実施形態では、負荷検出手段23により、工具7の送り方向の負荷を検出したが、工具7の切り込み方向の負荷、または主軸8の負荷を負荷検出手段23で検出し、異常判定に用いるようにしても良い。
また、前記実施形態では、工作機械1が旋盤であって、工具7がバイトである場合につき説明したが、この発明は、工具7がドリルやミーリング用の回転工具であっても適用することができ、また旋盤の他に、フライス盤、マシニングセンタ、研削盤等の工作機械においても適用することができる。
1…工作機械
4,5…送り台
6…刃物台
7…工具
8…主軸
11,12…モータ
15…加工機制御装置
23…負荷検出手段
24…負荷積算手段
25…工具異常判定手段
26…基準値生成手段
27…第2の工具異常判定手段
W…ワーク
S…基準値
T…閾値
Wa…丸軸部
Wb…フランジ部
Wc…フランジ隣接部(削り代変化部)
Δ1…積算値

Claims (5)

  1. 工作機械に取付けられてワークを削り取り加工する工具の異常を検知する装置であって、前記工具に作用する負荷を検出する負荷検出手段と、ワークに対する工具の1パス分の前記負荷検出手段で検出される負荷の積算値を求める負荷積算手段と、この負荷積算手段で求められた負荷の積算値を、定められた基準値と比較して工具の異常を判定する工具異常判定手段とを備える工具異常検知装置。
  2. 前記加工は前記工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワークは前記1パス分の加工において削り代が変化する形状である請求項1記載の工具異常検知装置。
  3. 同じ工作機械および同じ工具により複数のワークに対して互いに同じ加工を繰り返して順次行う過程で、現在のパスの直前の1回のパスの加工の前記積算値、または直前の複数回のパスの加工における前記積算値の統計処理結果を、前記基準値として定める基準値生成手段を設けた請求項1または請求項2記載の工具異常検知装置。
  4. 前記負荷検出手段で検出される負荷を、定められた一定の閾値と比較して閾値を超える場合に工具の異常と判定する第2の異常判定手段を設けた請求項3記載の工具異常検知装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の工具異常検知装置を用い、前記工具の切り込み方向の位置を一定に保って行う加工であって、かつ前記ワークが前記1パス分の加工において削り代が変化する形状である場合における、工具異常の検出を行う工具異常検知方法。
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