JP3291677B2 - 工作機械用加工刃の状態監視方法とその装置 - Google Patents

工作機械用加工刃の状態監視方法とその装置

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JP3291677B2
JP3291677B2 JP24271695A JP24271695A JP3291677B2 JP 3291677 B2 JP3291677 B2 JP 3291677B2 JP 24271695 A JP24271695 A JP 24271695A JP 24271695 A JP24271695 A JP 24271695A JP 3291677 B2 JP3291677 B2 JP 3291677B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋盤のバイトやボ
ール盤のドリル,フライス盤のフライスカッタ等の加工
刃を電動モータで駆動する各種工作機械にあって、切削
や穴開けの加工を行なう前記加工刃の状態を常時監視し
て、加工刃の正常な状態或いは折損や刃先不良,過負
荷,摩耗等の異常や、使用限界による交換時期を検出す
るようにした工作機械用加工刃の状態監視方法とその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋盤に用いるバイト等の工作機械用の加
工刃にあっては、加工中に構成刃先や刃こぼれ,切粉等
の巻き込きみによる過負荷や折損等の異常を生じたり、
使用限界に到達した場合に、作業者が刃物異常に気付か
ずに加工を継続して不良品を出してしまうことがある。
特に、作業者が加工状態や加工済み品を目視できない状
態にあったり、工作機械が大量数を連続加工する自動機
であった場合には、大量の不良品を発生することとなる
ため、加工刃の状態を常時監視できるようにした監視装
置が提案されている。
【0003】この監視装置には、センサバーを加工刃
に取付けるタッチセンサ方式や、加工刃と被加工物と
の間に微弱電流を流す漏電方式、加工刃の折損時に発
生する振動を検出する振動方式、光や赤外線等を用い
たリング状のセンサに加工刃を接近させたり内部に挿通
させるリングセンサ方式等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このうち、のタッチ
センサ方式では、a.センサバーが加工刃へタッチ動作
を行なう分、加工サイクルが長くなる。b.タッチ動作
を加工毎に行なうため、センサバーが著しく摩耗したり
作動不良になることが多い。c.センサバーの動作タイ
ミングの調整がむずかしい。d.被加工物と接触する刃
先にはセンサバーをタッチさせることができないので、
刃先折れは検出できない。e.加工刃の治具にガイドブ
ッシュがあると、センサバーを取付けできない。という
不具合がある。
【0005】またの漏電方式では、a.加工刃と被加
工物とに通電するため、水溶性の切削油との併用は好ま
しくない。の振動方式では、a.正常な加工中での微
震動と区別することがむずかしい。b.加工刃の折損し
か検出できない。c.振動測定物である刃物が折損する
際に発生する振動を監視するため、折損の検出が一度し
か行なえない。のリングセンサ方式では、a.精度が
悪い。b.加工刃の中間が折損した場合には検出できな
い。等の不具合がある。
【0006】更に、これら方式の殆どが、加工刃の折損
を検出するのみの折損監視装置であって、折損前の構成
刃先、刃こぼれや傷、切粉等の異物の巻き込み,切削油
の濃度低下による過負荷等の異常や、使用限界を検出す
ることは殆どできず、不良品の大量発生を未然に回避す
る有効な手段とはなり得なかった。しかも、高価な加工
刃を折損の度に交換しているとコストアップにつながる
ため、不要な交換は極力避けたい。
【0007】そこで本発明者は、加工刃が被加工物を加
工する際に、電動モータからの有効電力が、被加工物の
加工開始から加工終了までの1工程の間に変化し、更に
この有効電力が、被加工物の切削等で加工刃にかかる負
荷に対しての変化率が高い点に着目し、この有効電力の
変化を監視して、加工刃に対する加工負荷の僅かな変化
を知ることにより、加工刃の折損はもとより、折損前の
加工刃の異常な状態をも検出することのできる経済性に
優れた工作機械用加工刃の状態監視方法とその装置を提
供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的に従い、本発
明の工作機械用加工刃の状態を監視する第1の方法とし
て、被加工物の加工を行なう工作機械用加工刃の状態を
監視する方法において、前記被加工物の加工開始から加
工終了までの1工程に、正常な加工刃が動力として使用
する有効電力の加工負荷の波形変化を基準グラフとして
測定し、該基準グラフの基準ピーク値を挟んで、上側に
前記加工刃の過負荷を示すピーク値上限判定値を、下側
加工刃の刃先不良を示すピーク値下限判定値をそれぞ
設定して、これらピーク値上限判定値よりも下位の値
ピーク値下限判定値よりも上位の値との間の範囲を前
記加工刃の正常域となすと共に、前記ピーク値下限判定
値の下位に前記加工刃の折損を示す刃折れ判定値を設定
して、該刃折れ判定値と前記ピーク値上限判定値及びピ
ーク値下限判定値とを判定手段に入力し、前記加工刃が
1工程中に使用する有効電力の加工負荷の波形変化を実
測グラフとして測定し、該実測グラフを前記判定手段に
入力して、実測グラフ中の実測ピーク値が前記加工刃の
正常域を外れて、前記ピーク値上限判定値と等しいかこ
れよりも上位と、前記ピーク値下限判定値と等しいかこ
れよりも下位と、前記刃折れ判定値と等しいかこれより
も下位とのいずれかに該当したことを判定手段が判定し
た場合に、警報音や警告灯の報知手段の起動や工作機械
の作動停止を行なう。
【0009】また、本発明の第2の方法として、被加工
物の加工を行なう工作機械用加工刃の状態を監視する方
法において、前記加工刃が前記被加工物の加工開始から
加工終了までの1工程を行なう前に、前記加工刃が動力
として使用する有効電力の空転負荷を一定時間測定して
空転負荷平均値を算出し、該空転負荷平均値に、予め設
定された前記加工刃の過負荷を示すピーク値上限判定値
と、加工刃の刃先不良を示すピーク値下限判定値と、該
ピーク値下限判定値の下位で加工刃の折損を示す刃折れ
判定値の各定数をそれぞれ乗じて、ピーク値上限判定値
とピーク値下限判定値と刃折れ判定値とを決定すると共
に、これらピーク値上限判定値とピーク値下限判定値と
刃折れ判定値とを判定手段に入力し、前記加工刃が前記
被加工物の加工開始から加工終了までの1工程に使用す
る有効電力の加工負荷の波形変化を実測グラフとして測
定し、該実測グラフを前記判定手段に入力して、実測グ
ラフ中の実測ピーク値が、前記ピーク値上限判定値より
も下位の値とピーク値下限判定値よりも上位の値との間
の範囲に設定した加工刃の正常域を外れて、前記ピーク
値上限判定値と等しいかこれよりも上位と、前記ピーク
値下限判定値と等しいかこれよりも下位と、前記刃折れ
判定値と等しいかこれよりも下位とのいずれかに該当し
たことを判定手段が判定した場合に、警報音や警告灯の
報知手段の起動や工作機械の作動停止を行なう。
【0010】上記第1または第2の方法の判定手段は、
加工刃の加工負荷上昇判断値を入力しておき、1工程毎
の実測グラフ中の実測ピーク値を加算して、所定数の実
測ピーク値から実測ピーク平均値を算出し、該実測ピー
ク平均値を前記判定手段の加工負荷上昇判断値と比較し
て、実測ピーク平均値が加工負荷上昇判断値と等しいか
これよりも上位に該当したことを前記判定手段が判定し
た場合に、前記報知手段の起動や工作機械の作動停止を
行なうこともできる。
【0011】更に、本発明の工作機械用加工刃の状態監
視装置として、加工刃の作動によって被加工物の加工を
行なう工作機械用加工刃の状態を監視する装置におい
て、前記被加工物の加工開始から加工終了までの1工程
に、前記加工刃が動力として使用する有効電力の加工負
荷の波形変化を実測グラフとして測定する有効電力測定
手段と、前記加工刃の過負荷を示すピーク値上限判定値
及び、加工刃の刃先不良を示すピーク値下限判定値及
び、該ピーク値下限判定値の下位で、前記加工刃の折損
を示す刃折れ判定値とが入力されていて、前記有効電力
測定手段から受けた実測グラフ中の実測ピーク値が、前
記ピーク値上限判定値よりも下位の値とピーク値下限判
定値よりも上位の値との間の範囲に設定した加工刃の正
常域から外れて、前記ピーク値上限判定値と等しいかこ
れよりも上位と、前記ピーク値下限判定値と等しいかこ
れよりも下位と、前記刃折れ判定値と等しいかこれより
も下位とのいずれかに該当したことを判定する判定手段
と、該判定手段)の判定を受けて、報知手段の作動や工
作機械の作動停止を行なう制御手段とを備えたことを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一形態を図面に基
づいて説明する。図中、図1は工作機械と加工刃状態監
視装置の説明図、図2及び図3は、それぞれ加工刃が動
力として使用する有効電力の波形変化を示すもので、図
2は絶対値測定の場合の有効電力の波形図、図3は相対
値測定の場合の有効電力の波形図、図4は実測ピーク値
が正常域とピーク値上限判定値以上とピーク値下限判定
値以下に位置した場合の説明図、図5は実測ピーク値が
刃折れ判定値以下に位置した場合の説明図、図6は加工
回数と有効電力の関係図、図7及び図8は、被加工物の
加工工程を示すフローチャートで、図7は絶対値測定に
基づくフローチャート、図8は相対値測定に基づくフロ
ーチャートである。
【0013】図1に示す工作機械1には、加工刃の状態
監視装置2と報知手段3が、オペレータの作業位置から
確認し易い適宜箇所に付設されている。工作機械1は、
旋盤やボール盤,フライス盤等であって、内部には電動
モータ4が制御部5の電磁開閉器6と電源部7とに三相
配線8にて接続されており、被加工物の切削や穴開け加
工を行なうバイトやドリル,フライスカッタ等の加工刃
9を、電動モータ4によって駆動するようになってい
る。
【0014】加工刃状態監視装置2は、加工刃9の情報
を電動モータ4から取り込んで測定する有効電力測定手
段10と、該有効電力測定手段10からの有効電力情報
を受けて、加工刃9の摩耗レベルを判定する判定手段1
1と、該判定手段11内に一体に組み込まれ、且つ判定
手段11の判定に基づいて、報知手段3の起動または工
作機械1の作動停止を指令する図示しない制御手段とか
らなっており、上記加工刃9の折損や刃先不良,過負
荷,摩耗等の異常や、使用限界による交換時期等の良否
を常時監視している。また報知手段3は、例えばパトラ
イト等の警告灯やアラーム等の警報音であって、加工刃
9の過負荷や刃先異常,刃折れ等が異常内容毎に設定さ
れる。
【0015】有効電力測定手段10は、三相配線8,1
2を用いて電動モータ4と接続され、また配線13にて
判定手段11と接続されており、電動モータ4が加工刃
9を作動する際の有効電力の変化、即ち加工刃9が被加
工物の加工に動力として使用する有効電力情報を電動モ
ータ4から有効電力測定手段10に取り込んで、常時判
定手段11へ入力するようになっている。判定手段11
は、工作機械1の制御部5と配線14にて接続されてお
り、加工刃9による加工時には、制御部5から配線1
を通してトリガ信号を判定手段11へ取り込み、該判定
手段11で加工刃9の摩耗レベルを判定する。
【0016】また判定手段11と一体の制御手段は、工
作機械1の制御部5と報知手段3のそれぞれと配線1
5,16にて接続されており、判定手段11で出された
加工刃9の摩耗レベルに応じて、加工刃9を駆動する電
動モータ4の回転を停止するか、或いは報知手段3を起
動するかのいずれかの指令を行なうようになっている。
この判定手段11には、図2の絶対値測定及び図3の相
対値測定と、図6の加工負荷上昇判断値Hとが入力さ
れ、絶対値測定と相対値測定の判断値A〜Cに基づい
て、加工刃9の折損や刃先不良,過負荷,摩耗等の異常
が判定され、また加工負荷上昇判断値Hに基づいて、加
工刃9の使用限界が判定される。
【0017】図2及び図3の測定図は、加工刃9が被加
工物の加工に用いる有効電力の加工負荷を、有効電力測
定手段10で波形変化として測定したもので、有効電力
の波形変化は、トリガポイントの検出から加工刃9が加
工を開始するまでの待機期間T1と、該加工刃9が被加
工物の加工開始から加工を終えるまでの1工程分の加工
負荷測定期間T2とを持っている。
【0018】このうち、図2の絶対値測定では、加工負
荷測定期間T2として、1工程終了後の電動モータ4の
アイドリング運転状態である有効電力の空転負荷Eと電
動モータ4の電源OFFまでが含まれている。そして、
まず加工刃9の判定値を決めるための基準ピーク値P1
の測定が、正常な加工刃9を用いて有効電力測定手段1
0によって行なわれる。この測定は、加工負荷測定期間
T2での正常な加工刃9を用いた有効電力の加工負荷を
基準グラフG1として測定し、加工負荷測定期間T2で
の1工程終了後に、基準グラフG1から最大有効電力値
である基準ピーク値P1を取り出す。
【0019】次に、上述の測定に基づき、基準ピーク値
P1を挟んで、上側に加工刃9の過負荷を示すピーク値
上限判定値Aを、下側に加工刃9の刃先不良を示すピー
ク値下限判定値Bをそれぞれ設定し、これらピーク値上
限判定値Aよりも下位の値とピーク値下限判定値Bより
も上位の値との間の範囲を、加工刃9の使用許容範囲で
ある正常域Dとなし、更にピーク値下限判定値Bの下位
に、加工刃9の折損を示す刃折れ判定値Cを設定する。
判定値A〜Cのレベルと正常域Dの範囲は、加工刃9の
耐久性能を基に設定され、これらを絶対値測定プログラ
ムの基本データとして判定手段11に入力する。
【0020】上述の絶対値プログラムを用いて加工刃9
の状態を監視する場合に、加工負荷測定期間T2におい
て加工刃9が1工程中に使用する有効電力の加工負荷の
波形変化を、実測グラフG2として有効電力測定手段1
0で測定し、この実測グラフG2を判定手段11に入力
する。そして、加工負荷測定期間T2ののち、判定手段
11で実測グラフG2中の実測ピーク値P2が、基本デ
ータの判定値A〜Cと比較され、判定手段11にて加工
刃9の異常が検出された場合には、制御手段を作動して
報知手段3の起動や工作機械1の作動停止を行なう。
【0021】図3に示す相対値測定では、前回の加工負
荷測定期間T2後から次の加工負荷測定期間T2までの
間、即ち加工刃9が、加工負荷測定期間T2で被加工物
の加工開始から加工終了までの1工程を行なう直前に、
加工刃9の判定値を決めるための空転負荷測定期間T3
が設定される。この空転負荷測定期間T3では、電動モ
ータ4のアイドリング運転状態である有効電力の空転負
荷Eを有効電力測定手段10で測定して、判定手段11
で空転負荷平均値Fを算出し、該判定手段11におい
て、予め設定された加工刃9の過負荷を示すピーク値上
限判定値Aと、加工刃9の刃先不良を示すピーク値下限
判定値Bと、該ピーク値下限判定値Bの下位で加工刃9
の折損を示す刃折れ判定値Cの各係数X,Y,Zを空転
負荷平均値Fにそれぞれ乗じて、ピーク値上限判定値A
とピーク値下限判定値Bと刃折れ判定値Cを決定する。
【0022】ピーク値上限判定値Aよりも下位の値とピ
ーク値下限判定値Bよりも上位の値との間の範囲には、
上述の絶対値測定の場合と同様に、加工刃9の使用許容
範囲である正常域Dが決められ、空転負荷平均値Fと相
対して求めた判定値A〜Cと正常域Dの範囲とが、絶対
値プログラムとして判定手段11に入力される。
【0023】上述の相対値プログラムを用いて加工刃9
の状態を監視する場合には、加工刃9が被加工物の1工
程を行なう加工負荷測定期間T2直前の空転負荷測定期
間T3に、有効電力の空転負荷Eを有効電力測定手段1
0で測定し、更に判定手段11でこの空転負荷Eから空
転負荷平均値Fを算出して、空転負荷平均値Fに判定値
A〜Cの係数を乗じて判定値A〜Cと正常域Dの範囲を
決定する。そして、加工負荷測定期間T2で実測グラフ
G2を測定し、加工負荷測定期間T2の後に実測グラフ
G2中の実測ピーク値P2を判定値A〜Cと比較され、
判定手段11にて加工刃9の異常が検出された場合に
は、制御手段を作動して報知手段3の起動や工作機械1
の作動停止を行なう。
【0024】次に、図2及び図3の測定図による判定
を、図4と図5に基づいて説明する。先ず図4では、加
工負荷測定期間T2での1加工で、加工刃9が実際に被
加工物を加工した時の有効電力の加工負荷を、3種類の
実測グラフG2−1,G2−2,P2−3で示してお
り、加工負荷測定期間T2での1加工終了後に、それぞ
れの実測グラフG2−1〜3からピーク値P2−1,P
2−2,P2−3が測定される。
【0025】このうち、実線で示す実測グラフG2−1
では、ピーク値P2−1が、ピーク値上限判定値Aより
も下位でピーク値下限判定値Bよりも上位の間の範囲に
設定した正常域Dに位置しており、判定手段11が加工
刃9が正常であると判断する。またピーク値P2−2
が、ピーク値上限判定値Aよりも上位に位置する破線の
実測グラフG2−2では、判定手段11が加工刃9に切
粉の巻き込きみや切削油の濃度異常等による過負荷を検
出する。更に、ピーク値P2−3がピーク値下限判定値
Bよりも下位に位置する一点鎖線の実測グラフG2−3
では、判定手段11が加工刃9に刃こぼれや刃先傷,構
成刃先等を起因とする刃先不良の発生を検出する。
【0026】図5では、先の1工程で加工刃9が過負荷
によって折損した場合を(A)の実測グラフG2−4
に、また次の工程でこの折損を測定する場合を(B)の
実測グラフG2−4にそれぞれ示している。図5(A)
の先の1工程では、加工刃9が過負荷によってピーク値
P2−4で折損すると、有効電力は加工負荷を失って刃
折れ判定値C以下の空転負荷Eのままとなり、1工程を
終える。次に、図5(B)の次工程に入ると、加工刃9
が折損状態であるため、有効電力は空転負荷Eのまま刃
折れ判定値Cへ到達しないから、次工程終了後に判定手
段11が加工刃9に折損を生じたと判定する。
【0027】また、加工刃9の使用限界の判定には、前
述の如く図6に示す加工負荷上昇判断値Hが用いられ
る。この加工負荷上昇判断値Hは、加工刃9の性能や加
工内容を基に、加工刃9の耐久性を、有効電力の加工負
荷の値に置き換えて判定手段11に入力しておく。そし
て、有効電力測定手段10から送られる加工毎の実測ピ
ーク値P2を判定手段11に記録して、所定数nの実測
ピーク値P2から実測ピーク平均値P3を算出し、該実
測ピーク平均値P3を加工負荷上昇判断値Hと比較す
る。
【0028】実測ピーク平均値P3に用いる各実測ピー
ク値P2は、上述の絶対値測定や相対値測定プログラム
の正常域Dにあり、実測ピーク値P2が正常域Dを上下
に外れた場合には、上述の如く判定手段11と制御手段
とによって異常が報知される。また実測ピーク平均値P
3は、加工数を増す毎に、所定数の実測ピーク値P2の
中から最も古い値を捨てながら、常に新しい値を取り込
んで算出される。従って、新品交換時の加工刃9も、加
工数を重ねるに従って次第に摩耗して行くから、常に新
しい実測ピーク値P2を取り込んで算出される実測ピー
ク平均値P3は、徐々に加工負荷上昇判断値Hへ近づい
て行く。そして、実測ピーク平均値P3が加工負荷上昇
判断値Hと等しいかこれよりも上側へ越えたことを判定
手段11が判定した場合には、制御手段を作動して報知
手段3を起動したり、或いは工作機械1の作動を停止し
て、加工刃9が使用限界に到達したことを報知する。
【0029】加工刃9の判定には、判定手段11に入力
した上述の2つのプログラムのうちのいずれか一方が選
択される。例えば、図2の絶対値測定は、有効電力の空
転負荷Eと、有効電力の加工負荷を実測した実測グラフ
G2の実測ピーク値P2との開きが、空転負荷Eのバラ
付きを無視できるほど大きい場合に用いられ、また図3
の相対値測定は、有効電力の空転負荷Eと実測ピーク値
P2との開きがさほどなく、有効電力の空転負荷Eにバ
ラ付きがあったり、或いは空転負荷Eの変動に伴って加
工負荷が上下へ変動するなどの原因で、実測ピーク値P
2が測定しにくい場合に用いられる。従って、図3の相
対値測定では、有効電力の空転負荷Eから空転負荷平均
値Fを求めて、この空転負荷平均値Fに基づく判定値A
〜Cと正常域Dの範囲の設定が、加工負荷測定期間T2
で被加工物の1工程を行なう直前毎に行なわれる。
【0030】次に、上述のように構成される加工刃状態
監視装置2の更に具体的な2つの作動例を、図7及び図
8のフローチャートを用いて説明する。図7のフローチ
ャートには、図2の絶対値測定による基本データと、図
6で設定した加工負荷上昇判断値Hとを組合わせた絶対
値測定プログラムが入力され、また図8のフローチャー
トには、図3の相対値測定による基本データと、図6で
設定した加工負荷上昇判断値Hとを組合わせた相対値測
定プログラムが入力されている。前述の如く加工刃9の
判定には、判定手段11に入力した上述の2つのプログ
ラムのうちのいずれか一方が選択される。尚、これらの
フローチャートを説明するに当たり、図1〜図6を適宜
参酌するものとする。
【0031】絶対値測定プログラムを用いた図7のフロ
ーチャートは、ステップS1でプログラムがスタートす
ると電動モータ4が立ち上がり、ステップS2でトリガ
ポイントを検出してステップS3で待機期間T1を待機
したのちステップS4に入り、加工刃9が被加工物の1
加工で使用する有効電力の加工負荷を、有効電力測定手
段10が実測グラフG2として測定を開始する。そし
て、ステップS5で加工負荷測定期間T2の間実測グラ
フG2を測定し、ステップS6に入って測定を終了した
のち、ステップS7で実測グラフG2から最大有効電力
である実測ピーク値P2が取り出される。
【0032】ステップS8の刃物折れ判定では、判定手
段11で実測ピーク値P2と刃折れ判定値Cとを比較
し、実測ピーク値P2が刃折れ判定値Cと同じか小さい
場合、即ちP2≦Cの場合には、ステップS9に入って
報知手段11である刃折れランプを点灯する。また、実
測ピーク値P2が刃折れ判定値Cよりも大きい場合、即
ちP2>Cの場合には、ステップS10の刃先異常判定
に入って、判定手段11で実測ピーク値P2とピーク値
下限判定値Bとを比較し、実測ピーク値P2がピーク値
下限判定値Bと同じか小さい場合、即ちP2≦Bの場合
には、ステップS11に入って報知手段11である刃先
異常ランプを点灯する。
【0033】また、実測ピーク値P2がピーク値下限判
定値Bよりも大きい場合、即ちP2>Bの場合には、ス
テップS12の過負荷判定に入って、判定手段11で実
測ピーク値P2とピーク値上限判定値Aとを比較する。
そして、実測ピーク値P2がピーク値上限判定値Aと同
じか大きい場合、即ちP2≧Aの場合には、ステップS
13に入って報知手段11である過負荷ランプを点灯
し、また実測ピーク値P2がピーク値上限判定値Aより
も小さい場合、即ちP2<Aの場合には、そのままステ
ップS16の加算処理へ移行する。また、上述のステッ
プS9,S11,S13で各ランプが点灯すると、次に
ステップS14に入って報知手段11であるアラーム1
を出力作動し、更にステップS15に入って工作機械1
の作動を停止する。
【0034】ステップS16の加算処理では、加工刃9
の摩耗度を測定して平均値を出すための実測ピーク値P
2が加算され、ステップS17の加算回数で実測ピーク
値P2の加算回数が所定数nに満たない場合には、その
まま1加工分のプログラムを終了する。また、ステップ
S17での加算回数が所定数nに足りている場合には、
前述のように実測ピーク値P2の中から最も古い値を捨
てながら新しい値を取り込んで、所定数nの実測ピーク
値P2から実測ピーク平均値P3算出し、この実測ピー
ク平均値P3をステップS18の加工負荷判定で加工負
荷上昇判断値Hと比較して、加工刃9の摩耗レベルの判
定が行なわれる。
【0035】そして、実測ピーク平均値P3が加工負荷
上昇判断値Hと同じか大きい場合、即ちP3≧Hの場合
には、ステップS19に入って報知手段3である摩耗ラ
ンプを点灯すると共に、ステップS20で報知手段3の
アラーム2を作動し、実測ピーク平均値P3が加工負荷
上昇判断値Hよりも小さい場合、即ちP3<Hの場合に
は、そのまま1加工分のプログラムを終了する。
【0036】相対値測定プログラムを用いた図8のフロ
ーチャートは、ステップS1でプログラムがスタートす
ると電動モータ4が立ち上がり、トリガポイントの検出
が外部信号の場合に、ステップS2で外部信号を検出し
て、ステップS3で待機期間T1と加工負荷測定期間T
2を待機する。そして、ステップS4から空転負荷Eの
測定を開始し、ステップS5でトリガポイントを検出し
て、ステップS6に入って待機期間T1を待機したの
ち、ステップS7で空転負荷Eの測定を終了し、ステッ
プS8で空転負荷Eに基づく空転負荷平均値Fが算出さ
れる。
【0037】ステップS9では、電動モータ4やベアリ
ング,駆動伝達部等の異常が空転負荷Eの異常として判
定され、空転負荷異常と判定された場合には、ステップ
S10で報知手段3である空転負荷異常ランプが点灯
し、更にステップS11で、同じく報知手段3であるア
ラーム2を出力作動する。
【0038】また、ステップS9で空転負荷Eの異常判
定がない場合には、そのままステップS12に進み、加
工刃9が被加工物の1加工で使用する有効電力の加工負
荷を、有効電力測定手段10が実測グラフG2として測
定を開始する。ステップS13では加工負荷測定期間T
2の間、有効電力測定手段10による実測グラフG2の
測定を継続し、ステップS14に入って測定を終了した
のち、ステップS15で実測グラフG2から最大有効電
力である実測ピーク値P2が取り出される。
【0039】ステップS16の刃物折れ判定では、実測
ピーク値P2と空転負荷平均値F×刃折れ判定値Cの係
数X=刃折れ判定値Cとを比較し、実測ピーク値P2が
刃折れ判定値Cと同じか小さい場合、即ちP2≦F×X
=Cの場合には、ステップS17に入って報知手段3で
ある刃折れランプを点灯し、また実測ピーク値P2が刃
折れ判定値Cよりも大きい場合、即ちP2>F×X=C
には、そのままステップS18の刃先異常判定へ進行す
る。
【0040】ステップS18の刃先異常判定では、判定
手段11で実測ピーク値P2と空転負荷平均値F×ピー
ク値下限判定値Bの係数Y=ピーク値下限判定値Bとを
比較し、実測ピーク値P2がピーク値下限判定値Bと同
じか小さい場合、即ちP2≦F×Y=Bの場合には、ス
テップS19に入って報知手段3である刃先異常ランプ
を点灯し、また実測ピーク値P2がピーク値下限判定値
Bよりも大きい場合、即ちP2>F×Y=Bの場合に
は、そのままステップS20の過負荷判定へ進行する。
【0041】ステップS20の過負荷判定では、判定手
段11で実測ピーク値P2と空転負荷平均値F×ピーク
値上限判定値Aの係数Y=ピーク値限判定値Aとを比
較し、実測ピーク値P2がピーク値上限判定値Aと同じ
か大きい場合、即ちP2≧F×Y=Aの場合には、ステ
ップS21に入って報知手段3である過負荷ランプを点
灯し、また実測ピーク値P2がピーク値下限判定値Bよ
りも小さい場合、即ちP2<F×Y=Aの場合には、そ
のままステップS24の加算処理へ進行する。また、上
述のステップS17,S19,S21で各ランプが点灯
すると、次にステップS22に入って報知手段3である
アラーム1を出力作動し、更にステップS23に入って
工作機械1の作動を停止する。
【0042】次に、ステップS24の加算処理で実測ピ
ーク値P2が加算され、ステップS25の加算回数で実
測ピーク値P2の加算回数が所定数nに満たない場合に
は、そのまま1加工分のプログラムを終了する。また、
ステップS25での加算回数が所定数nに足りている場
合には、実測ピーク値P2の中から最も古い値を捨てな
がら新しい値を取り込んで、所定数nの実測ピーク値P
2から実測ピーク平均値P3算出し、この実測ピーク平
均値P3をステップS26の加工負荷判定で加工負荷上
昇判断値Hと比較して、加工刃9の摩耗レベルの判定が
行なわれる。
【0043】そして、実測ピーク平均値P3が加工負荷
上昇判断値Hと同じか大きい場合、即ちP3≧Hの場合
には、ステップS27に入って報知手段3である摩耗ラ
ンプを点灯し、ステップS28で報知手段3のアラーム
2を作動し、実測ピーク平均値P3が加工負荷上昇判断
値Hよりも小さい場合、即ちP3<Hの場合には、その
まま1加工分のプログラムを終了する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る工作
機械用加工刃の状態監視方法とその装置によれば、a.
センサバーを加工刃へタッチ動作させる必要がないの
で、加工への時間的影響が殆どなく、加工サイクルの短
縮が図れる。b.タッチ動作を行なわないので摩耗する
部品がなく、作動不良にならない。c.動作タイミング
をとる必要がない。d.水溶性の切削油との併用が可能
となる。e.加工中の微震動の影響を受けない。f.測
定回数に限度がなく、繰返しの測定が可能である。等の
効果がある。
【0045】更に、加工刃の折損はもとより、折損前の
構成刃先や刃こぼれ,傷、切粉等の異物の巻き込みや切
削油の濃度低下による過負荷等の異常や、使用限界を精
度よく検出することができるので、高価な加工刃を長期
間有効に使用することができる。また、不良品の大量発
生を未然に回避できるので、低コスト化を図りながら高
い製品化率が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例を示す工作機械と加工刃状態
監視装置の説明図
【図2】本発明の一形態例を示す絶対値測定の場合の有
効電力の波形図
【図3】本発明の一形態例を示す相対値測定の場合の有
効電力の波形図
【図4】本発明の一形態例を示す実測ピーク値が正常域
とピーク値上限判定値以上とピーク値下限判定値以下に
位置した場合の説明図
【図5】本発明の一形態例を示す実測ピーク値が刃折れ
判定値以下に位置した場合の本発明の一形態例説明図
【図6】本発明の一形態例を示す空転負荷平均値と加工
負荷上昇判断値との関係図
【図7】本発明の一形態例を示す絶対値測定に基づくフ
ローチャート
【図8】本発明の一形態例を示す相対値測定に基づくフ
ローチャート
【符号の説明】
1…旋盤やボール盤等の工作機械、2…加工刃の状態監
視装置、3…パトライト等の警告灯やアラーム等の警報
音による報知手段、4…電動モータ、5…制御部、6…
電磁開閉器、7…電源部、9…バイトやドリル,フライ
スカッタ等の加工刃、10…有効電力測定手段、11…
判定手段、A…ピーク値上限判定値、B…ピーク値下限
判定値、C…刃折れ判定値、D…ピーク値上限判定値A
よりも下位とピーク値下限判定値Bよりも上位との間の
範囲に設定した正常域、E…有効電力の空転負荷、F…
空転負荷平均値、G1…基準グラフ、G2,G2−1,
G2−2,P2−3…実測グラフ、H…加工負荷上昇判
断値、T1…待機期間、T2…加工負荷測定期間、T3
…空転負荷測定期間、P1…基準ピーク値、P2,P2
−1,P2−2,P2−3…実測ピーク値、P3…実測
ピーク平均値
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 17/00 - 23/00 B23B 49/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物の加工を行なう工作機械用加工
    刃の状態を監視する方法において、前記被加工物の加工
    開始から加工終了までの1工程に、正常な加工刃(9)
    が動力として使用する有効電力の加工負荷の波形変化を
    基準グラフ(G1)として測定し、該基準グラフ(G
    1)の基準ピーク値(P1)を挟んで、上側に前記加工
    刃(9)の過負荷を示すピーク値上限判定値(A)を、
    下側に加工刃(9)の刃先不良を示すピーク値下限判定
    値(B)をそれぞれ設定して、これらピーク値上限判定
    値(A)よりも下位の値とピーク値下限判定値(B)
    りも上位の値との間の範囲を前記加工刃(9)の正常域
    (D)となすと共に、前記ピーク値下限判定値(B)の
    下位に前記加工刃(9)の折損を示す刃折れ判定値
    (C)を設定して、該刃折れ判定値(C)と前記ピーク
    値上限判定値(A)及びピーク値下限判定値(B)とを
    判定手段(11)に入力し、前記加工刃(9)が1工程
    中に使用する有効電力の加工負荷の波形変化を実測グラ
    フ(G2)として測定し、該実測グラフ(G2)を前記
    判定手段(11)に入力して、実測グラフ(G2)中の
    実測ピーク値(P2)が前記加工刃(9)の正常域
    (D)を外れて、前記ピーク値上限判定値(A)と等し
    いかこれよりも上位と、前記ピーク値下限判定値(B)
    と等しいかこれよりも下位と、前記刃折れ判定値(C)
    と等しいかこれよりも下位とのいずれかに該当したこと
    を判定手段(11)が判定した場合に、警報音や警告
    報知手段の起動や工作機械の作動停止を行なうことを
    特徴とする工作機械用加工刃の状態監視方法。
  2. 【請求項2】 被加工物の加工を行なう工作機械用加工
    刃の状態を監視する方法において、前記加工刃(9)が
    前記被加工物の加工開始から加工終了までの1工程を行
    なう前に、前記加工刃(9)が動力として使用する有効
    電力の空転負荷(E)を一定時間測定して空転負荷平均
    値(F)を算出し、該空転負荷平均値(F)に、予め設
    定された前記加工刃(9)の過負荷を示すピーク値上限
    判定値(A)と、加工刃(9)の刃先不良を示すピーク
    値下限判定値(B)と、該ピーク値下限判定値(B)の
    下位で加工刃(9)の折損を示す刃折れ判定値(C)の
    各定数をそれぞれ乗じて、ピーク値上限判定値(A)と
    ピーク値下限判定値(B)と刃折れ判定値(C)とを決
    定すると共に、これらピーク値上限判定値(A)とピー
    ク値下限判定値(B)と刃折れ判定値(C)とを判定手
    段(11)に入力し、前記加工刃(9)が前記被加工物
    の加工開始から加工終了までの1工程に使用する有効電
    力の加工負荷の波形変化を実測グラフ(G2)として測
    定し、該実測グラフ(G2)を前記判定手段(11)に
    入力して、実測グラフ(G2)中の実測ピーク値(P
    2)が、前記ピーク値上限判定値(A)よりも下位の値
    ピーク値下限判定値(B)よりも上位の値との間の範
    囲に設定した加工刃(9)の正常域(D)を外れて、前
    記ピーク値上限判定値(A)と等しいかこれよりも上位
    と、前記ピーク値下限判定値(B)と等しいかこれより
    も下位と、前記刃折れ判定値(C)と等しいかこれより
    も下位とのいずれかに該当したことを判定手段(11)
    が判定した場合に、警報音や警告灯の報知手段の起動や
    工作機械の作動停止を行なうことを特徴とする工作機械
    用加工刃の状態監視方法。
  3. 【請求項3】 前記判定手段(11)に、前記加工刃
    (9)の加工負荷上昇判断値(J)を入力しておき、前
    記1工程毎の実測グラフ(G2)中の実測ピーク値(P
    2)を加算して、所定数の実測ピーク値(P2)から実
    測ピーク平均値(P3)を算出し、該実測ピーク平均値
    (P3)を前記判定手段(11)の加工負荷上昇判断値
    (H)と比較して、実測ピーク平均値(P3)が加工負
    荷上昇判断値(H)と等しいかこれよりも上位に該当し
    たことを前記判定手段(11)が判定した場合に、前
    報知手段の起動や工作機械の作動停止を行なうことを特
    徴とする請求項1または2に記載の工作機械用加工刃の
    状態監視方法。
  4. 【請求項4】 加工刃(9)の作動によって被加工物の
    加工を行なう工作機械用加工刃の状態を監視する装置に
    おいて、前記被加工物の加工開始から加工終了までの1
    工程に、前記加工刃(9)が動力として使用する有効電
    力の加工負荷の波形変化を実測グラフ(G2)として測
    定する有効電力測定手段(10)と、前記加工刃(9)
    の過負荷を示すピーク値上限判定値(A)及び、加工刃
    (9)の刃先不良を示すピーク値下限判定値(B)及
    び、該ピーク値下限判定値(B)の下位で、前記加工刃
    (9)の折損を示す刃折れ判定値(C)とが入力されて
    いて、前記有効電力測定手段(10)から受けた実測グ
    ラフ(G2)中の実測ピーク値(P2)が、前記ピーク
    値上限判定値(A)よりも下位の値とピーク値下限判定
    値(B)よりも上位の値との間の範囲に設定した加工刃
    (9)の正常域(D)から外れて、前記ピーク値上限判
    定値(A)と等しいかこれよりも上位と、前記ピーク値
    下限判定値(B)と等しいかこれよりも下位と、前記
    折れ判定値(C)と等しいかこれよりも下位とのいずれ
    かに該当したことを判定する判定手段(11)と、該判
    定手段(11)の判定を受けて、報知手段の作動や工作
    機械の作動停止を行なう制御手段とを備えたことを特徴
    とする工作機械用加工刃の状態監視装置。
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