JP7466037B1 - 加工方法および加工機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、小径穴を加工する際に、工具折損や加工点における推力変動を検出することを目的とする。
ワークを加工しない状態で、加工送り開始点から加工終了点まで主軸を加工条件で送ったときの、前記主軸の参照推力を測定し、
前記参照推力に基づいて、送り座標に対応する閾値を決定し、
前記ワークを加工しながら、前記送り座標に対応する前記主軸の加工推力を測定し、
前記送り座標に対して、前記加工推力と前記閾値とを比較する、
加工方法である。
主軸を送る送り装置と、
前記主軸の推力を計測する推力計測装置と、
記憶装置であって、
ワークを加工しない状態で、加工送り開始点から加工終了点まで前記主軸を加工条件で送ったときに測定される、前記主軸の参照推力と、
送り座標に対応する閾値と、
を格納する記憶装置と、
前記参照推力に基づいて、前記閾値を決定する閾値決定手段と、
前記ワークを加工しながら計測される、前記送り座標に対応する前記主軸の加工推力と、前記閾値とを比較する判定手段と、
を有する、加工機である。
加工条件は、例えば、加工送り開始点や、加工終了点や、送り速度や、主軸回転速度や、工具番号によって規定される。
遅れ時間は、元の信号波形が立ち上がる時から、フィルタ処理した信号波形が立ち上がるまでの時間である。ここで、元の信号波形は、参照推力や、加工推力を含む。
遅れ時間は、フィルタによって決定される時定数によって定まる。遅れ時間に対応する送り座標の増加分を、遅れ座標とする。遅れ座標は、遅れ時間と、送り速度や加速度によって定まる。工具がワークに接触する位置である加工開始点の送り座標から遅れ座標を加算された座標から、加工推力と閾値との比較を開始しても良い。
環境温度や、加工機の温度や、累積運転時間や、ワークの材質に基づいて、折損閾値や戻し閾値を決定しても良い。また、環境温度や、加工機の温度や、累積運転時間や、ワークの材質に基づいて、折損オフセット量や戻しオフセット量を決定しても良い。環境温度や、加工機の温度や、累積運転時間や、ワークの材質を引数とする関数に基づいて、折損閾値や戻し閾値や、折損オフセット量や戻しオフセット量を決定しても良い。
主軸は、主軸頭やラムに回転可能に支持される。主軸は、主軸頭やラムを介して、送り装置によって送られる。送り装置は、例えば、ボールねじ・モータ機構、シリンダ、リニアモータである。モータや、リニアモータは、サーボ式でも良い。シリンダは、例えば、エアシリンダや電動シリンダである。
推力計測装置は、例えば、トルクセンサ、モータアンプ、ひずみゲージである。モータアンプは、例えば、サーボアンプである。推力計測装置は、トルク計測装置でもよい。例えば、ひずみゲージは、ラムや送りテーブルに装着される。
図1に示すように、本実施形態の穴あけ機10は、送り装置11と、ラム16と、主軸17と、主軸モータ18と、ラムガイド19と、制御装置30と、を有する。主軸17が延びる方向(主軸方向)をZ方向とする。Z方向は、ワーク3から主軸17が離れる方向を正とする。
送り装置11は、送りモータ12と、送りねじ13と、送りテーブル15と、を有する。
送りモータ12は、送りねじ13に接続される。送りモータ12は、送りねじ13を介して、送りテーブル15をZ方向に往復する。送りモータ12は、例えば、サーボモータである。
加工プログラム31cは、例えば、以下の4つのステップを有する。第1ステップにおいて、加工プログラム31cは、主軸17を主軸回転速度で回転させる。第2ステップにおいて、加工プログラム31cは、工具1の先端が原点50(Z=Z0)から加工送り開始点51(Z=Z1)に到達するまで、主軸17を早送りする。第3ステップにおいて、加工プログラム31cは、工具1の先端が加工終了点53(Z=Z3)に到達するまで、主軸17を送り速度で加工送りする。第4ステップにおいて、加工プログラム31cは、主軸17を原点50まで早送りする。
図2の上半分に示すように、参照トルクTr0は、実参照トルクTr0aと、処理後参照トルクTr0bと、を有して良い。実参照トルクTr0aは、座標Zに対する実際のトルク値である。処理後参照トルクTr0bは、実参照トルクTr0aをフィルタ処理した値である。
なお、記憶装置31は、折損閾値Th1や戻し閾値Th2を演算するために、参照トルクTr0を一時的に格納しても良い。
図2の下半分に示すように、加工トルクTr1は、実加工トルクTr1aと、処理後加工トルクTr1bと、を有しても良い。実加工トルクTr1aは、座標Zに対する実際のトルク値である。処理後加工トルクTr1bは、実加工トルクTr1aをフィルタ処理した値である。
なお、記憶装置31は、実加工トルクTr1a,Tr1c、Tr1e、Tr1gや早送りトルクTr1jを格納しなくても良い。また、記憶装置31は、加工トルクTr1を一時的に格納しても良い。
折損閾値Th1は、参照トルクTr0と、工具1がワーク3を順調に加工している時の加工トルクTr1との間に設定される。ここで、工具1が折損したり、加工中に生成された切りくずによって工具1が送られなくなったりせず、加工が進むことを、工具1がワーク3を順調に加工する状態とする。
なお、折損閾値Th1と戻し閾値Th2のいずれか一方と、折損判定時間tm0と、戻し判定時間tm2とは、省いても良い。また、折損オフセット量o1と戻しオフセット量o2のいずれか一方は、省いても良い。
フィルタ処理手段35aは、実参照トルクTr0a,Tr0cにフィルタ処理を行い、処理後参照トルクTr0b、Tr0dを得る。フィルタ処理手段35aは、実加工トルクTr1a、Tr1c、Tr1e、Tr1gにフィルタ処理を行い、処理後加工トルクTr1b、Tr1d、Tr1f、Tr1hを得る。フィルタは、例えば、ローパスフィルタである。
トルク計測手段35bは、時間tに対する座標ZやトルクTrを計測し、記憶装置31に格納する。
送り手段35cは、送りモータ12に電力を供給し、回転させる。送り手段35cは、送りモータ12をフィードバック制御する。送り手段35cは、加工プログラム31cに従って、送りモータ12や主軸モータ18を制御する。
ステップS9において、送り手段35cは、加工送り開始点51まで主軸17を一旦早送りで引き戻す。次いで、引戻し位置Z5(図7参照)よりわずかに高い座標(Z=Z6、図7参照)まで早送りする。ここで、引戻し位置Z5は、主軸17を引戻した位置である。その後、ステップS3へ戻る。
ステップS10において、工具1が加工終了点53に到達すると、ステップS11へ進む。ステップS11において、主軸17は、原点50まで早送りで戻る。
なお、ステップS7~S9を省いても良い。ステップS4~S6を省いても良い。折損判定時間tm0が省かれた場合、ステップS5は省かれる。戻し判定時間tm2が省かれた場合、ステップS8は省かれる。
図5は、順調に加工が進んだときの加工トルクTr1と座標Zaを示す。t0≦t≦t1において、ステップS2が実行される。主軸17は、原点50(Z=Z0)から、加工送り開始点51(Z=Z1)まで早送りされる。
次いで、ステップS3が実行される。すると、主軸17は、加工終了点53を終点として加工送りされる。
加工開始時t2は、座標Z1と、加工開始点52の座標Z2と、送り速度(不図示)と、加速度(不図示)によって定まる。
参照トルクTr0や加工トルクTr1の変動量と経時変化量が切削抵抗に対して大きいときには、加工トルクTr1と閾値との比較により、工具折損やステップフィードのタイミングを制御することは困難である。
17 主軸
51、Z1 加工送り開始点
53、Z3 加工終了点
Th1 折損閾値
Th2 戻し閾値
Tr0 参照トルク(参照推力)
Tr1 加工トルク(加工推力)
Z 送り座標
Claims (13)
- ワークを加工しない状態で、加工送り開始点から加工終了点まで主軸が延びる方向に前記主軸を加工条件で送ったときの、前記主軸の参照推力を測定し、
前記加工送り開始点から前記加工終了点までを分割した複数の区間のそれぞれに対して、前記参照推力に基づいて、送り座標に対応する閾値を決定し、
前記ワークをドリル加工又はタップ加工しながら、前記送り座標に対応する前記主軸の加工推力を測定し、
前記送り座標に対して、前記加工推力と前記閾値とを比較し、
前記閾値は、折損閾値、及び/又は、戻し閾値を含む、
加工方法。 - 前記参照推力に、フィルタ処理を実行し、
前記主軸の先端に取り付けた工具が前記ワークに接触する加工開始点をあらかじめ記憶し、
前記加工開始点から、前記フィルタ処理に対応する遅れ時間に相当する遅れ距離だけ前記主軸が進んだ後に、前記加工推力と前記閾値とを比較する、
請求項1に記載の加工方法。 - 前記参照推力に、フィルタ処理を実行し、
前記主軸の先端に取り付けた工具が前記ワークに接触する加工開始時を予め記憶し、
前記加工開始時から、前記フィルタ処理に対応する遅れ時間だけ経過後に、前記加工推力と前記閾値とを比較する、
請求項1又は2に記載の加工方法。 - 前記閾値は、前記参照推力に予め定められた閾値オフセット量を加算して決定される、
請求項1又は2に記載の加工方法。 - 前記参照推力は、前記ワークを加工しない状態における、前記主軸の送り軸の参照トルクであり、
前記加工推力は、前記送り軸の加工トルクである、
請求項1又は2に記載の加工方法。 - 前記閾値は、折損閾値であり、
前記送り座標に対応する前記加工推力が前記折損閾値以下である推力未達時間が、予め定められた折損判定時間以上になったときに、加工開始時から工具が折損していたと判定する、
請求項1又は2に記載の加工方法。 - 前記閾値は、戻し閾値であり、
前記送り座標に対応する前記加工推力が前記戻し閾値以上になったときに、前記主軸を前記加工送り開始点まで引き戻し、その後に再び前記主軸を送り加工する、
請求項1又は2に記載の加工方法。 - 前記送り座標に対応する前記加工推力が前記戻し閾値以上となる推力超過時間が、予め定められた戻し判定時間以上になったときに、前記主軸を前記加工送り開始点まで引き戻す、
請求項7に記載の加工方法。 - 主軸を送る送り装置と、
前記主軸の推力を計測する推力計測装置と、
記憶装置であって、
ワークを加工しない状態で、加工送り開始点から加工終了点まで前記主軸が延びる方向に前記主軸を加工条件で送ったときに測定される、前記主軸の参照推力と、
送り座標に対応する閾値と、
を格納する記憶装置と、
前記加工送り開始点から前記加工終了点までを分割した複数の区間のそれぞれに対して、前記参照推力に基づいて、前記閾値を決定する閾値決定手段と、
前記ワークを加工しながら計測される、前記送り座標に対応する前記主軸の加工推力と、前記閾値とを比較する判定手段と、
を有する、加工機。 - 前記閾値は、折損閾値であり、
前記判定手段は、前記送り座標に対応する前記加工推力が、前記折損閾値以下であるか否かを判別する、
請求項9に記載の加工機。 - 前記記憶装置は、折損判定時間を格納し、
前記判定手段は、前記加工推力が前記折損閾値以下である推力未達時間を計測するタイマーを有し、前記推力未達時間が前記折損判定時間以上となったときに、加工開始時から工具が折損していたと判定し、
前記閾値は、折損閾値、及び/又は、戻し閾値を含む、
請求項10に記載の加工機。 - 前記閾値は、戻り閾値であり、
前記判定手段は、前記加工推力が、前記戻り閾値以上であるか否かを判別し、
前記加工推力が前記戻り閾値以上となったときに、前記主軸を前記加工送り開始点まで引き戻し、その後に再び前記主軸を送り加工する送り制御手段を更に有する、
請求項9~11のいずれかに記載の加工機。 - 前記記憶装置は、戻し判定時間を格納し、
前記判定手段は、前記加工推力が前記戻り閾値以上となる推力超過時間を計測するタイマーを有し、前記推力超過時間が前記戻し判定時間以上となったときに、前記主軸を前記加工送り開始点まで引き戻す、
請求項12に記載の加工機。
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JP2000263378A (ja) | 1999-03-18 | 2000-09-26 | Toyoda Mach Works Ltd | 工具折損検出装置及び工具折損検出方法 |
JP2004130407A (ja) | 2002-10-08 | 2004-04-30 | Fanuc Ltd | 工具折損あるいは予知検出装置 |
JP2021064128A (ja) | 2019-10-11 | 2021-04-22 | ファナック株式会社 | 検出装置及びプログラム |
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- 2023-05-25 JP JP2023085995A patent/JP7466037B1/ja active Active
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