JP6499487B2 - 建物の断熱通気壁構造 - Google Patents

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Description

本発明は建物の断熱通気壁構造に関する。
従来の建物の断熱通気壁構造として、例えば特許文献1に記載の如く、柱と梁からなる構造体の枠組の枠内に断熱材を装填し、構造体の枠組の外側に外壁を取付け、構造体の枠組及び断熱材の外壁に臨む側に透湿防水シートを張設し、外壁と透湿防水シートとの間に通気層を形成してなるものがある。
特開2009-127196号公報
従来の建物の断熱通気壁構造において、構造体の枠組の外側に外壁を取付けるとき、外壁と構造体の枠組の梁(床梁又は天井梁)との隙間が小さいときには、外壁との間に通気層を形成するための透湿防水シートが撓む等によって該通気層を塞ぐことがないように、外壁と構造体の枠組の梁との間にプラスチック製段ボールからなる通気層形成材を設けることが行なわれている。
また、従来の建物の断熱通気壁構造において、構造体の枠組の外側に外壁を取付けるとき、外壁と断熱材との隙間が小さいときにも、外壁との間に通気層を形成するための透湿防水シートが撓む等によって該通気層を塞ぐことがないように、外壁と断熱材との間にプラスチック製段ボールからなる通気層形成材を設けることが行なわれている。
従って、従来技術では、外壁と透湿防水シートとの間の全域に通気層を安定的に形成するために、プラスチック製段ボールからなる通気層形成材を、構造体の枠組と断熱材が外壁に臨んでいる全域に設ける必要がある。このことは、プラスチック製段ボールからなる通気層形成材の使用料が多量になり、断熱通気壁構造の製造コストが嵩むことを意味する。
本発明の課題は、建物の断熱通気壁構造において、外壁と、構造体の枠組及び断熱材の該外壁に臨む側に張設されている透湿防水シートとの間に、簡易かつ安定的に通気層を形成することにある。
請求項1に係る発明は、柱と梁からなる構造体の枠組の枠内に断熱材を装填し、構造体の枠組の外側に外壁を取付け、構造体の枠組及び断熱材の外壁に臨む側に透湿防水シートを張設し、外壁と透湿防水シートとの間に通気層を形成し、前記透湿防水シートが張設される断熱材として発泡樹脂系断熱材が用いられ、外壁と構造体の枠組の梁に添って張設されている透湿防水シートとの間に通気層形成材が設けられるとともに、外壁の断熱材に近接する部分の一部のみと該断熱材に添って張設されている透湿防水シートとの間に通気層形成材が設けられ、前記構造体の枠組の枠内で、前記発泡樹脂系断熱材の装填領域の室内側に繊維系断熱材が充填されてなる建物の断熱通気壁構造であって、前記構造体の枠組が主柱と梁を有してなり、梁が主柱に接合されたジョイントピースに取付けられ、梁の外壁に沿う面が主柱の外壁に沿う面よりも、該外壁の側からジョイントピースの厚み分だけ室内側寄りに離隔され、主柱に取付けられた外壁と梁の外壁に沿う面との間にジョイントピースの厚み分の小隙間が形成され、外壁と、梁に添って張設されている透湿防水シートとの間に設けられる前記通気層形成材が上記小隙間に設置されてなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において更に、前記外壁が外壁フレームに外壁面材を取付けて構成され、該外壁の断熱材に近接する部分を外壁フレームとするようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記通気層形成材がプラスチック製段ボールによって構成されるようにしたものである。
(請求項1)
(a)建物の断熱通気壁構造では、外壁と、構造体の枠組及び断熱材の外壁に臨む側に張設された透湿防水シートとの間に、建物の壁下換気口から軒裏換気口に渡って上下に連通する通気層が形成される。
このとき、外壁と、構造体の枠組の梁(床梁又は天井梁)に添って張設した透湿防水シートとの小隙間に形成されるべき通気層は、その透湿防水シートの撓み等の変形によって塞がれないように、外壁と該透湿防水シートとの当該小隙間に設けた通気層形成材によって確保される。
また、外壁と、断熱材に添って張設した透湿防水シートとの大隙間に形成されるべき通気層は、発泡樹脂系からなる断熱材の保形性の故に、また透湿防水シートが当該大隙間を塞ぐほどに大きく撓むこともない故に、広く安定的に確保される。
また、外壁の外壁フレーム等が断熱材に近接していて、外壁の外壁フレーム等(断熱材に近接する部分)と、断熱材に添って張設した透湿防水シートとの間に小隙間が形成される範囲では、この外壁フレーム等の一部のみと断熱材との小隙間の一部のみに設けた通気層形成材が当該小隙間の一部における通気層を確保する。小隙間の一部のみに設けた通気層形成材は、当該小隙間を形成している上記透湿防水シートの当該通気層形成材から離れて位置する部分の変形も抑制し、当該小隙間の残部における通気層も確保する。
従って、外壁と、構造体の枠組及び断熱材の外壁に臨む側に張設された透湿防水シートとの間に通気層を形成するとき、外壁と断熱材の間では、外壁の断熱材に近接する部分の一部のみと断熱材との間にだけ通気層形成材を設ければ足り、簡易かつ安定的に通気層を形成できる。
(b)前記構造体の枠組の枠内で、前記発泡樹脂系断熱材の装填領域の室内側に繊維系断熱材が充填される。構造体の枠組の枠内の外壁側には、断熱性が高く、高い保形性を有して上述(a)の通気層となる空洞部を形成し得る発泡樹脂系断熱材を充填する。他方、該枠組の枠内の室内側には、柔軟で配線配管性の良い繊維系断熱材を充填する。これにより、建物の断熱通気壁構造の断熱通気性及び施工性を併せ向上できる。
(c)前記構造体の枠組が主柱と梁を有してなり、梁が主柱に接合されたジョイントピースに取付けられ、梁の外壁に沿う面が主柱の外壁に沿う面よりも、該外壁の側からジョイントピースの厚み分だけ室内側寄りに離隔される。主柱の外面に外壁を取付けたとき、外壁と梁(床梁又は天井梁)の外面との間にジョイントピースの厚み分の隙間が形成される。前述(a)の外壁と梁に添って張設されている透湿防水シートとの間に設けられる通気層形成材を、上記隙間に安定的に設置できる。
(請求項
(d)前記外壁が外壁フレームに外壁面材を取付けて構成されるとき、外壁フレームが外壁の断熱材に近接する部分になる。外壁の上下方向の中間部で、横方向に延在する外壁フレーム(横桟)が、断熱材に近接するとき、この外壁フレームの一部のみと断熱材との間に通気層形成材を設けることにより、外壁が断熱材に添って張設されている透湿防水シートとの間に形成する前述(a)の通気層を確実に形成できる。
(請求項
(e)前記通気層形成材がプラスチック製段ボールによって構成される。プラスチック製段ボールの横方向に相並び、それぞれ上下に連通する多数の通気孔が確実に通気層を形成するものになる。
図1は本発明の一実施例に係る断熱通気壁構造を示す縦断面図である。 図2は図1のII-II線の高さレベルで、梁の位置を通る横断面図である。 図3は図1のIII-III線の高さレベルで、断熱材の位置を通る横断面図である。 図4は外壁の裏側にプラ段付防水シートを取付けた状態を示す模式図である。 図5は断熱通気壁構造の概略構成を示す斜視図である。 図6は断熱通気壁構造の概略構成を示す横断面図である。
図1は、複数の建物ユニット10を現地に設けた基礎1の上に隣接設置して構築したユニット建物100に、本発明の断熱通気壁構造を適用した例を示している。
建物ユニット10は、各4本の主柱11と床梁12と天井梁13を接合した直方体状の鉄骨等の骨組からなる構造体10Aからなる。建物ユニット10は、図3に示す如く、構造体10Aの主柱11と床梁12と天井梁13からなる枠組15の枠内に後述する2種の断熱材21、23を設けている。尚、建物ユニット10の枠組15は、床梁12と天井梁13の間に、複数本の間柱15を立設して備える。そして、建物ユニット10は、図1〜図3に示す如く、枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)の外側の全域に渡るように外壁30を取付けるとともに、枠組15の室内側の全域に渡るように内壁40を取付ける。
建物ユニット10は、構造体10Aの枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)及び断熱材21の外壁30に臨む側に透湿防水シート50を張設し、外壁30と透湿防水シート50との間に通気層60を形成する。透湿防水シート50は、図1〜図3、図6に示す如く、構造体10Aの枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)の外面に添設され、外壁30を枠組15に取付けるときに外壁30の後述する外壁フレーム31の縦桟31Bと間柱14の外面との間に挟着されて固定され、結果として、枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)及び断熱材21に添って張設される。通気層60の下端は1階外壁30の下端部に設けた壁下換気口Aに連通し、通気層60の上端は外壁30の上端部に設けた軒裏換気口Bに連通し、壁下換気口Aから軒裏換気口Bに渡る上下に連通している。
ここで、建物ユニット10は、透湿防水シート50が張設される断熱材21を発泡樹脂系断熱材としている。本実施例では更に、前記構造体10Aの枠組15の枠内で、発泡樹脂系断熱材21を外側寄りに装填し、この発泡樹脂系断熱材21に透湿防水シート50を張設するとともに、この発泡樹脂系断熱材21の装填領域の室内側に繊維系断熱材22を充填することとしている。また、建物ユニット10では、C形鋼からなる床梁12と天井梁13の梁断面内に繊維系断熱材22を充填している。
このとき、構造体10Aの枠組15の枠内の外側寄りに装填される発泡樹脂系断熱材21の外面は、主柱11及び間柱15が後述する如くに外壁30に沿う側面よりも、外壁30の外壁フレーム31(中桟31C)の側から室内側に段差K(図3)だけ、室内側寄りに離隔される。この段差Kは、構造体10Aにおける床梁12、天井梁13の後述するジョイントピース12J、13Jが厚みt分とされ、主柱11及び間柱15の外面が後述する如くに床梁12、天井梁13の外面との間に形成する小隙間G(図1、図2)と同一寸法に設定されている。
尚、発泡樹脂系断熱材21は、ポリスチレン、フェノール樹脂等の合成樹脂の発泡体からなるものであり、繊維系断熱材22より高い断熱性能を有するとともに、柔軟性は劣り、保形性に優れる。発泡樹脂系断熱材21は、枠組15の枠内に定められる装填領域に装填できる一定厚みの矩形に裁断されている。発泡樹脂系断熱材21は、枠組15の相隣る間柱14等に両面粘着テープ等によって固定されても良いが、相隣る間柱15の間隔内に挟入されて固定されることなく嵌め込み保持されるものとしても良い。
また、繊維系断熱材22は、グラスウール、ロックウール等の繊維を袋体に詰めたものであり、押圧を受けて容易に変形でき、該繊維系断熱材22内への配線配管性に優れる。繊維系断熱材22は、枠組15の枠内に定められる充填領域に納まる程度とされ、厚みは充填領域の厚みより大きいものが好ましい。繊維系断熱材22は、枠組15の相隣る間柱14の間隔内に圧入され、又はC形鋼等からなる間柱15の凹状断面内に圧入され、タッカー等により間柱14の凹状断面内における高さ方向複数位置に挿着された木レンガ16に固定される。
また、外壁30は、図1に示す如く、外壁フレーム31に外壁面材32を取付けて構成され、外壁フレーム31が間柱14に固定されるものとしている。建物ユニット10における枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)の外側に外壁30を取付け、枠組15の枠内に発泡樹脂系断熱材21を装填したとき、外壁30の外壁フレーム31が発泡樹脂系断熱材21に近接する部分になる。外壁フレーム31は、上下の横桟31Aと左右の縦桟31Bにより四周を形成し、左右の縦桟31Bをつなぐ複数本の中桟31Cを有して構成される。外壁30は、外壁フレーム31の縦桟31Bが図3、図6に示す如く、主柱11と間柱14の外面(間柱14の外面は主柱11の外面と面一に設定される)に防水テープ17を介して添設され、この縦桟31Bが間柱14の高さ方向複数位置に固定具18によって固定される。
このとき、建物ユニット10にあっては、構造体10Aの床梁12と天井梁13が、主柱11の下端部と上端部のそれぞれに接合されたジョイントピース12J、13Jに取付けられ、それらの床梁12、天井梁13の外壁30に沿う外面が主柱11及び間柱14の外壁30に沿う外面よりも、外壁30の外壁フレーム31(横桟31A)の側からジョイントピース12J、13Jの厚みt分(図2)だけ、室内側寄りに離隔される。従って、主柱11及び間柱14の外面と、床梁12、天井梁13の外面の間には、厚みtの小隙間G(図1、図2)が形成される。
しかるに、建物ユニット10にあっては、通気層60を下記(A)、(B)によって構成している。
(A)外壁30における外壁フレーム31の横桟31Aと、前記構造体10Aの枠組15の床梁12、天井梁13に添って張設されている透湿防水シート50との間に、図1、図2に示す如く、上下2本の横長広幅状通気層形成材61を設ける。
通気層形成材61は、本実施例ではプラスチック製段ボール(プラ段)からなり、該段ボールの横方向(床梁12、天井梁13の延在方向)に相並び、それぞれ上下に連通する多数の通気孔61Aを備えるとともに、各通気孔61Aに直交して連通する多数の小孔(不図示)を少なくとも透湿防水シート50に接する側に備える(図2)。
(B)外壁30の発泡樹脂系断熱材21に近接する部分の一部のみ、即ち外壁フレーム31の縦桟31Bの全部及び外壁フレーム31の中桟31Cの中間部と、該発泡樹脂系断熱材21との間に、図1、図3に示す如く、全3本の縦長狭幅状通気層形成材62を設ける。
通気層形成材62は、本実施例では通気層形成材61と同様のプラスチック製段ボールからなり、通気層形成材61の通気孔61Aと同様の通気孔62Aを備えるとともに、通気孔62Aに直交して連通する多数の小孔(不図示)を備える(図3)。
本実施例では、図4に示す如く、透湿防水シート50の外側(室内側の反対側)に通気層形成材61、62を貼り付けて予め一体化されたプラ段付防水シート50Pを外壁30の1枚分ずつ用意し、外壁30の裏面(外壁フレーム31)への取付性、ひいては構造体の枠組15及び発泡樹脂系断熱材21に沿う張設作業性を容易化している。このとき、プラ段付防水シート50Pの透湿防水シート50は外壁30の裏面(外壁フレーム31)の概ね全域(横桟31A及び縦桟31B)に渡る縦横寸法を備え、プラ段付防水シート50Pの通気層形成材61、62は外壁30の両側の縦桟31Bに挟まれる範囲(縦桟31Bにはかからない)にのみ設けられ、換言すればプラ段付防水シート50Pの透湿防水シート50において外壁30の両側の縦桟31Bに取付けられる両側縁部50Aには通気層形成材61、62が設けられない(図6)。
従って、ユニット建物100において、各建物ユニット10への外壁30の取付け作業は以下の如くになされる。
(1)外壁30の1枚毎に対応するプラ段付防水シート50Pを用意し、プラ段付防水シート50Pを外壁30の裏面(外壁フレーム31)に取付ける。
即ち、建物ユニット10では、図4、図5に示す如く、プラ段付防水シート50Pにおける通気層形成材61の部分を外壁30の外壁フレーム31における上下の横桟31Aに取付けるとともに、プラ段付防水シート50Pにおける透湿防水シート50の通気層形成材62が設けられていない両側縁部50A(図6)を外壁30における外壁フレーム31の左右の縦桟31Bに取付ける。
(2)プラ段付防水シート50Pが上述の如く取付けられた外壁30を前記構造体10Aの枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)の外面に取付ける。
即ち、各外壁30の左右の縦桟31Bを枠組15の主柱11、間柱15に防水テープ17を介して添設し(図3)、上下の横桟31Aを枠組15の床梁12、天井梁13に前述の小隙間G(ジョイントピース12J、13Jの厚みt分の隙間)を介して添設した状態で、上記縦桟31Bを固定具18により間柱14に固定する。前述(A)の通気層形成材61の厚みは小隙間Gの厚みと同等とされ、通気層形成材61を小隙間Gに納めることを可能にするものである。
これにより、外壁30に取付けられたプラ段付防水シート50Pが備える透湿防水シート50は、前記構造体10Aの枠組15(主柱11、床梁12、天井梁13、間柱14)及び該枠組15の枠内の発泡樹脂系断熱材21に添って張設されるものになる。
尚、相隣る建物ユニット10が現地に設置されたユニット建物100にあっては、相隣る建物ユニット10、10の相隣る外壁30、30の目地に、ガスケット101が挿着される(図3)。
しかるに、上述(2)により、外壁30とプラ段付防水シート50Pの透湿防水シート50との間には、ユニット建物100の壁下換気口Aから軒裏換気口Bに渡る通気層60が下記i〜iiiの各通気部60M、60A〜60Cにより形成される。各通気部60M、60A〜60Cの形成範囲を、図4に、(60M)、(60A)、(60B+60C)として示す。
i. 外壁30の外壁フレーム31が設けられていない部分に対応する通気部60M
外壁30の外壁フレーム31が設けられていない部分は、外壁面材32の裏面が発泡樹脂系断熱材21にバックアップ支持されているプラ段付防水シート50Pの透湿防水シート50だけの部分に直に相対して該透湿防水シート50との間に挟む大隙間L(図3)により、広く連続した空洞部63を形成し、この空洞部63が通気部60Mを構成する。
ii. 外壁30における外壁フレーム31の上下の横桟31Aが設けられている部分に対応する通気部60A
外壁30の上下の横桟31Aが設けられている部分は、それらの横桟31Aが枠組15の床梁12、天井梁13に対して前述の小隙間Gを介して添設する部分であり、この小隙間Gにプラ段付防水シート50Pの上下の通気層形成材61を納めるものになり、この小隙間Gに設けた通気層形成材61の通気孔61Aが上述iの通気部60Mに連通する通気部60Aになる。
iii. 外壁30における外壁フレーム31の中間部の中桟31Cが設けられている部分に対応する通気部60B、60C
外壁30の上下の横桟31Aに挟まれる中間部の中桟31Cは、枠組15の枠内に前述の段差Kをなして装填されている発泡樹脂系断熱材21に対して該段差Kに対応する小隙間J(図3)を介して添設するものになる。従って、外壁30の中桟31Cが設けられている部分は、この小隙間J自体が上述iの通気部60Mと連続する通気部60Bになる。
更に、外壁30の中桟31Cの左右延在方向に沿う両端部及び中間部が枠組15の枠内の発泡樹脂系断熱材21に対して形成する小隙間Jにはプラ段付防水シート50Pの通気層形成材62が挿し通され、この通気層形成材62の通気孔62Aが外壁30の全高に渡る通気部60Cになる。同時に、通気層形成材62は、小隙間Jの通気層形成材62が挿し通されていない部分における透湿防水シート50に生じるかもしれない撓みの発生を抑制し、この小隙間J自体が形成する前述の通気部60Bを安定的に維持する。
従って、ユニット建物100にあっては、外壁30の裏側に上述の通気部60M、60A〜60Cが連続する通気層60を形成するものになり、外気がこの通気層60を壁下換気口Aから軒裏換気口Bに渡って流れるとき、室内の湿気が断熱材21、22を通って透湿防水シート50経由で通気層60(60A〜60C、60M)に送り込まれて屋外に排出される。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)ユニット建物100の断熱通気壁構造では、外壁30と、構造体10Aの枠組15及び発泡樹脂系断熱材21の外壁30に臨む側に張設された透湿防水シート50との間に、ユニット建物100の壁下換気口Aから軒裏換気口Bに渡って上下に連通する通気層が形成される。
このとき、外壁30と、構造体10Aの枠組15の梁(床梁12又は天井梁13)に添って張設した透湿防水シート50との小隙間Gに形成されるべき通気層60(通気部60A)は、その透湿防水シート50の撓み等の変形によって塞がれないように、外壁30と該透湿防水シート50との当該小隙間Gに設けた通気層形成材61によって確保される。
また、外壁30と、発泡樹脂系断熱材21に添って張設した透湿防水シート50との大隙間Lに形成されるべき通気層60(通気部60M)は、発泡樹脂系からなる発泡樹脂系断熱材21の保形性の故に、また透湿防水シート50が当該大隙間Lを塞ぐほどに大きく撓むこともない故に、広く安定的に確保される。
また、外壁30の外壁フレーム31等が発泡樹脂系断熱材21に近接していて、外壁30の外壁フレーム31等(発泡樹脂系断熱材21に近接する部分)と、発泡樹脂系断熱材21に添って張設した透湿防水シート50との間に小隙間Jが形成される範囲では、この外壁フレーム31等の一部のみと発泡樹脂系断熱材21との小隙間Jの一部のみに設けた通気層形成材62が当該小隙間Jの一部における通気層60(通気部60C)を確保する。小隙間Jの一部のみに設けた通気層形成材62は、当該小隙間Jを形成している上記透湿防水シート50の当該通気層形成材62から離れて位置する部分の変形も抑制し、当該小隙間Jの残部における通気層60(通気部60B)も確保する。
従って、外壁30と構造体10Aの枠組15及び発泡樹脂系断熱材21の外壁30に臨む側に張設された透湿防水シート50との間に通気層を形成するとき、外壁30と発泡樹脂系断熱材21の間では、外壁30の発泡樹脂系断熱材21に近接する部分の一部のみと断熱材21との間にだけ通気層形成材62を設ければ足り、簡易かつ安定的に通気層を形成できる。
(b)前記構造体10Aの枠組15の枠内で、前記発泡樹脂系断熱材21の装填領域の室内側に繊維系断熱材22が充填される。構造体10Aの枠組15の枠内の外壁30側には、断熱性が高く、高い保形性を有して上述(a)の通気層となる空洞部を形成し得る発泡樹脂系断熱材21を充填する。他方、該枠組15の枠内の室内側には、柔軟で配線配管性の良い繊維系断熱材22を充填する。これにより、ユニット建物100の断熱通気壁構造の断熱通気性及び施工性を併せ向上できる。
(c)前記構造体10Aの枠組15の梁(床梁12、天井梁13)が主柱11と梁(床梁12、天井梁13)を有してなり、梁(床梁12、天井梁13)が主柱11に接合されたジョイントピース12J、13Jに取付けられ、梁(床梁12、天井梁13)の外壁30に沿う面が主柱11の外壁30に沿う面よりも、該外壁30の側からジョイントピース12J、13Jの厚み分だけ室内側寄りに離隔される。主柱11の外面に外壁30を取付けたとき、外壁30と梁(床梁12又は天井梁13)の外面との間にジョイントピース12J、13Jの厚み分の小隙間Gが形成される。前述(a)の外壁30と梁(床梁12、天井梁13)に添って張設されている透湿防水シート50との間に設けられる通気層形成材61を、上記小隙間Gに安定的に設置できる。
(d)前記外壁30が外壁フレーム31に外壁面材32を取付けて構成されるとき、外壁フレーム31が外壁30の発泡樹脂系断熱材21に近接する部分になる。外壁30の上下方向の中間部で、横方向に延在する外壁フレーム31(横桟31A)が、発泡樹脂系断熱材21に近接するとき、この外壁フレーム31の一部のみと発泡樹脂系断熱材21との間に通気層形成材62を設けることにより、外壁30が発泡樹脂系断熱材21に添って張設されている透湿防水シート50との間に形成する前述(a)の通気層60を確実に形成できる。
(e)前記通気層形成材61、62がプラスチック製段ボールによって構成される。プラスチック製段ボールの横方向に相並び、それぞれ上下に連通する多数の通気孔61A、62Aが確実に通気層60を形成するものになる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明は、鉄骨構造体からなる建物に限らず、木質構造体からなる建物にも適用できる。
また、本発明の通気層形成材はプラスチック製段ボールに限らず、通気経路を形成できるスペーサ等からなるものでも良い。
本発明によれば、建物の断熱通気壁構造において、外壁と、構造体の枠組及び断熱材の該外壁に臨む側に張設されている透湿防水シートとの間に、簡易かつ安定的に通気層を形成することができる。
10 建物ユニット
10A 構造体
11 主柱
12 床梁
13 天井梁
12J、13J ジョイントピース
14 間柱
15 枠組
21 発泡樹脂系断熱材
22 繊維系断熱材
30 外壁
31 外壁フレーム
32 外壁面材
50 透湿防水シート
60 通気層
61、62 通気層形成材

Claims (3)

  1. 柱と梁からなる構造体の枠組の枠内に断熱材を装填し、構造体の枠組の外側に外壁を取付け、構造体の枠組及び断熱材の外壁に臨む側に透湿防水シートを張設し、外壁と透湿防水シートとの間に通気層を形成し、
    前記透湿防水シートが張設される断熱材として発泡樹脂系断熱材が用いられ、
    外壁と構造体の枠組の梁に添って張設されている透湿防水シートとの間に通気層形成材が設けられるとともに、外壁の断熱材に近接する部分の一部のみと該断熱材に添って張設されている透湿防水シートとの間に通気層形成材が設けられ
    前記構造体の枠組の枠内で、前記発泡樹脂系断熱材の装填領域の室内側に繊維系断熱材が充填されてなる建物の断熱通気壁構造であって、
    前記構造体の枠組が主柱と梁を有してなり、梁が主柱に接合されたジョイントピースに取付けられ、梁の外壁に沿う面が主柱の外壁に沿う面よりも、該外壁の側からジョイントピースの厚み分だけ室内側寄りに離隔され、
    主柱に取付けられた外壁と梁の外壁に沿う面との間にジョイントピースの厚み分の小隙間が形成され、外壁と、梁に添って張設されている透湿防水シートとの間に設けられる前記通気層形成材が上記小隙間に設置されてなる建物の断熱通気壁構造。
  2. 前記外壁が外壁フレームに外壁面材を取付けて構成され、該外壁の断熱材に近接する部分を外壁フレームとする請求項に記載の建物の断熱通気壁構造。
  3. 前記通気層形成材がプラスチック製段ボールによって構成される請求項1又は2に記載の建物の断熱通気壁構造。
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