JP2012012860A - 断熱材付き内装建材 - Google Patents

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Abstract

【課題】室内側からの内張り断熱工法に用いることができ、省施工化が可能で、作業者の技術レベルによる断熱性能のばらつきを抑制でき、施工時に真空断熱材が傷付き難い断熱性に優れた断熱材付き内装建材を提供する。
【解決手段】表面材2の裏面に真空断熱材3を固着して断熱材付き内装建材1を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱材付き内装建材に関するものである。
従来における住宅の一般的な断熱工法としては、壁内に断熱材を充填する工法、あるいは、住宅躯体の外側から断熱する外張り断熱工法が知られている。
また、上記従来の断熱工法に用いる断熱材としては一般的にグラスウールを用いるが、このグラスウールよりも断熱性に優れた真空断熱材を用いることも特許文献1により知られている。
しかし、上記従来の断熱工法で既存住宅の断熱改修工事を行うには、住宅全体に足場を組むという大掛かりな工事が必要で、コストが高くなると共に工期も長くなり、また、隣地との関係で足場が組めないような場合は、上記従来の断熱工法の実施は困難である。
そこで、近年、断熱性に優れ、厚みも薄くできるという真空断熱材の長所を生かして、住宅の室内側から真空断熱材、表面材を順次施工する内張り断熱工法が提案されている。
この内張り断熱工法は、厚みの薄い真空断熱材を用いて室内空間を狭くすることなく高い断熱性を得ることができ、更に、上記の一般的な断熱工法に比べて、室内側から工事ができるので、足場を組む等の大掛かりな工事を伴わず、コスト、工期とも低減できる。
しかしながら、真空断熱材を取付ける工事、表面材を取付ける工事が別々に必要であり、また、現場施工で真空断熱材を取付けるため、作業者の技術レベルにより、真空断熱材の設置面積に差が生じ、断熱性能にばらつきが生じるという問題がある。
更に、真空断熱材をむき出しの状態で単独で取り扱って取付ける工事を行うため、取り扱い施工時に真空断熱材が傷付けられて真空が破壊され、断熱性能が極度に低下し、断熱材としての意味をなさなくなる可能性がある。
特開2009−168092号公報
本発明は上記の点に鑑みて発明したもので、室内側からの内張り断熱工法に用いることができ、省施工化が可能で、作業者の技術レベルによる断熱性能のばらつきを抑制でき、施工時に真空断熱材が傷付き難い断熱性に優れた断熱材付き内装建材を提供するにある。
本発明の断熱材付き内装建材は、表面材の裏面に真空断熱材を固着して成ることを特徴とする。
また、前記表面材を一層又は複数層を積層したもので構成し、少なくとも準不燃材の層を有していることが好ましい。
また、前記表面材が調湿機能を有していることが好ましい。
また、前記表面材と裏面材の間に前記真空断熱材を介在して成ることが好ましい。
本発明は、表面材の裏面に真空断熱材を固着して断熱材付き内装建材を構成しているので、この断熱材付き内装建材を室内側から施工するのみで、真空断熱材、表面材を同時に取付けることができて、省施工化が可能となる。
また、表面材の裏面に真空断熱材を固着しているので、現場で真空断熱材を単独で取付ける工事が必要でなく、作業者の技術レベルによる断熱性能のばらつきを抑制できる。
また、表面材の裏面に真空断熱材を固着しているので、真空断熱材が表面材により保護されることになり、取り扱い時や施工時に、真空断熱材が傷付き難く、断熱性能が極度に低下するのを抑制できる。
本発明の断熱材付き内装建材の一実施形態の断面図である。 同上の他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 (a)は同上の更に他の実施形態を示す断面図であり、(b)は同上の施工状態を示す説明図である。 (a)は同上の更に他の実施形態を示す断面図であり、(b)は同上の施工状態を示す説明図である。 同上の更に他の実施形態の断面図である。 (a)(b)はそれぞれ同上の更に他の実施形態の断面図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明の断熱材付き内装建材1は、表面材2の裏面に真空断熱材3を固着して構成している。
表面材2は面板により構成してあり、面板の厚みは2〜15mmが好ましい。表面材2は、木質板、繊維板、無機質ボード、あるいはその他の材質のボード等を材料とし、これらを単独で一層又は任意の材料を組合わせて複数積層一体化して構成している。
図1は表面材2を準不燃材よりなる不燃表面材2Aで構成した例である。不燃表面材2Aとしては、例えば、9mm厚以上の石膏ボード等の準不燃材を用いることができる。
また、図2は表面材2を調湿機能を有している調湿表面材2Bで構成した例である。調湿表面材2Bに用いる調湿材料としては、湿度に応じて湿気の吸収と放出を行う調湿機能を有した材料であればよく、例えば、珪藻土やB型シリカゲルが挙げられる。調湿表面材
2Bとしては、上記調湿機能を有した表面材2として使用性を満足するものであればよく、例えば、上記調湿材料で形成したボードや、基材(無機質板、木質板、繊維板等)に上記調湿材料の層を積層して形成したものであってもよい。
また、図3は表面材2を一般的な表面材である9mm厚の石膏ボードよりも低熱容量の低熱容量表面材2Cで構成した例である。この低熱容量表面材2Cは、9mm厚の石膏ボードよりも熱容量が低ければよく、例えば、石膏ボードを使用する場合、通常の9mm厚の石膏ボードよりも厚みを薄くして熱容量を低くしたものなど、特に限定はない。
図4には表面材2として複数層を積層して構成した例を示している。この例においては、石膏ボードのような準不燃材の層2a、調湿材よりなる調湿機能の層2b、ケナフボードのような高剛性の層2cの三層を積層一体化した三層構造となっている。
この三層構造の表面材2は、例えば、厚み15mm以下で熱貫流率が0.55W/mK以下となり、一般に表面材2として使用される9.5mm厚の石膏ボードの1/2以下の熱容量となった低熱容量の表面材2を構成している。したがって、この実施形態のものは準不燃性能、調湿機能を有し、しかも低熱容量の表面材2である。
真空断熱材3は、ガスバリア性を有する表裏の外被シート間に芯材を介在し、芯材を囲むように表裏の外被シートをヒートシールして内部に芯材が配置された空間を形成すると共に、該空間を減圧密封することで構成している。添付図面中3bは表裏の外被シートをヒートシールしたヒートシール部を示している。
ここで、真空断熱材3が、図5に示すように、表裏の外被シート間に複数の芯材を介在して、それぞれ芯材が独立して内装された複数の減圧密封されたセル3aよりなるものであってもよい。
表面材2の裏面に任意の固着手段により真空断熱材3を固着する。固着に当たっては、例えば、工事用途に使われる一般的な両面テープや接着剤を用いて固着したり、あるいは、真空断熱材3の表裏の外被シートのヒートシール部3bをタッカー等により固着してもよい。
なお、図4に示す実施形態では石膏ボードのような準不燃材の層2aが表面、ケナフボードのような高剛性の層2cが裏面となっているので、高剛性の層2cに真空断熱材3を固着する。
真空断熱材3はグラスウールなどに比べ断熱性能が極めて高いので、厚みを薄くしても十分な断熱性能を得る事ができる。したがって、室内側からの内張り断熱工法に用いる断熱材として最適であり、厚みは2〜10mm程度のものを使用することができる。また、表面材2と真空断熱材3の合計厚みは室内空間を損なわない程度の厚みとする。
上記したような各実施形態の断熱材付き内装建材1は、住宅の断熱工事を行うに当たり、室内側から断熱材付き内装建材1を壁下地に当接し、釘打ちその他の取付手段により取付けることで施工する。
この場合、例えば釘打ちで取付る際、真空断熱材3の芯材が配置された減圧密封部分を避けて釘打ちを行う。
なお、上記いずれの実施形態の断熱材付き内装建材1においても、図6に示すように表面材2の裏面側に桟や柱状の部材等の間隔保持部材5を取付けてもよい。このように間隔
保持部材5を設けることで、断熱材付き内装建材1を取付ける際に、真空断熱材3に力が加わらないようにできて、真空断熱材3が破損する危険性を低減できる。間隔保持部材5としては釘打ちが可能な木質材とするのが好ましく、この場合は、断熱材付き内装建材1を壁下地に対して、室内側から間隔保持部材5を貫通するように釘打することで断熱材付き内装建材1を壁下地に取付け施工できる。
上記いずれの実施形態の断熱材付き内装建材1も表面材2の裏面に真空断熱材3を固着して構成しているので、断熱材付き内装建材1を室内側から施工するのみで、真空断熱材3、表面材2を同時に取付けることができ、省施工化が可能となる。
そして、表面材2の裏面に断熱性の高い真空断熱材3を固着しているので、室内における断熱性能が向上し、空調の設定温度に昇温又は降温するために必要とする熱量を低減できて、省エネルギー性が高く、室温等の時間的な応答速度も速くなる。
また、表面材2の裏面に真空断熱材3を固着しているので、現場で真空断熱材3を単独で取付ける工事が必要でなく、現場の作業者の技術レベルによる断熱性能のばらつきを抑制できる。
また、表面材2の裏面に真空断熱材3を固着しているので、真空断熱材3が表面材2により保護されることになり、取り扱い、施工時に、真空断熱材3が傷付き難く、真空断熱材3が破れて断熱性能が極度に低下するという現象を抑制できる。
また、図1、図4のように、表面材2を一層又は複数層を積層したもので構成したもので少なくとも準不燃材の層を有しているものは、内装制限による法規を満足することができ、施工可能対象が拡大する。
また、図2、図4に示す実施形態のように、表面材が調湿機能を有しているものの場合、暖房時に室内の空気が高湿度化するのを抑制し、結露を生じにくくすることができる。また、室内の空気が乾燥している場合は、それ以前に空気が高湿度であったときに吸収した水分を放出して室内空気の乾燥を和らげることができる。
上記図1乃至図6に示す各実施形態のものにおいて、図7乃至図8のように、裏面材4を取付けてもよい。
すなわち、板状の表面材2と板状の裏面材4の間に真空断熱材3を介在させ、真空断熱材3表面と裏面をそれぞれ表面材2と裏面材4に任意の固着手段により固着する。固着に当たっては、工事用途に使われる一般的な両面テープや接着剤を用いて固着したり、あるいは、真空断熱材3の表裏の外被シートのヒートシール部3bをタッカー等により固着してもよい。
ここで、図8の実施形態においては、裏面材4は間隔保持部材5にも固着する。
裏面材4としては木質パネルを例示できるが、特に限定されるものではない。
また、図9のように真空断熱材3が、複数のセル3aに分割されたものの場合、ヒートシール部3bを貫通する柱状部材7を設けて間隔保持部材5を構成し、柱状部材7の両端部をそれぞれ表面材2、裏面材4に固着するようにしてもよい。
上記各例のように、表面材2と裏面材4の間に真空断熱材3を介在させて断熱材付き内装建材1を構成することで、真空断熱材3の表面側、裏面側がそれぞれ表面材2と裏面材
4で保護されるので、取り扱い、施工時にいっそう真空断熱材3の破損を抑制できる。
ところで、断熱材付き内装建材1を壁下地に取付ける断熱工事をした場合、室内又は隣室で発生する水蒸気が断熱材付き内装建材1の内部や、壁下地との間に侵入し、断熱材付き内装建材1の内部や壁下地に結露が発生し、かびや腐り等が発生することがある。
そこで、断熱材付き内装建材1の表面や裏面からの透湿を防止する防湿手段を設けることが好ましい。
図10乃至図14には防湿手段の各例を示している。
図10には表面材2と真空断熱材3の間、裏面材4と真空断熱材3の間のいずれか一方又は両方に防湿手段としての防湿シート8を挟んで固着した例を示している。
防湿シート8としては、例えばポリエチレンシートやアルミ圧着フィルム等を挙げることができるが、防湿性能を有するシートであれば特に限定はない。
このように表面材2と真空断熱材3の間、裏面材4と真空断熱材3の間のいずれか一方又は両方に防湿手段としての防湿シート8を介在させることで、防湿シート8により断熱材付き内装建材1の表面や裏面からの水蒸気の侵入を抑制することができる。
なお、図10の実施形態においては、裏面材4を設けた断熱材付き内装建材1を例としているが、裏面材4を設けない断熱材付き内装建材1において表面材2と真空断熱材3の間に防湿シート8を介在してもよい。
次に図11、図12に示す実施形態は、表面材2と裏面材4を有する断熱材付き内装建材1において、表面材2外端部と裏面材4の外端部の間に設けた間隔保持部材5の外側面に弾性を有するシール部9を設けている例を示している。このシール部9は断熱材付き内装建材1の四周又は2辺に沿って設ける。
弾性を有するシール部9としては、図11(a)に示すような内部が中空となった中空弾性材や、あるいは、図12(a)に示すようなひれ状をした弾性材で構成することができる。
そして、図11(b)、図12(b)に示すように一方の断熱材付き内装建材1の外側面に設けた弾性を有するシール部9を隣りの断熱材付き内装建材1の間隔保持部材5の外側面に弾性的に押し付ける。これによりシール部9が弾性変形して隣りの断熱材付き内装建材1の間隔保持部材5の外側面に密着し、隣接する断熱材付き内装建材1間の隙間を埋め、隣接する断熱材付き内装建材1間の隙間から水蒸気が侵入するのを抑制することができる。
図13には更に他の実施形態が示してある。本実施形態は、表面材2外端部と裏面材4の外端部の間に設けた間隔保持部材5を弾性を有する弾性間隔保持部材5aで構成している。弾性間隔保持部材5aは、断熱材付き内装建材1の四周又は2辺に沿って設ける。この弾性間隔保持部材5aは、例えば、天然ゴムや合成ゴムのような有機高分子を主成分とする弾性ゴムにより形成するが、これにのみ限定されず、他の弾性材料で形成してもよい。
本実施形態は、隣接する断熱材付き内装建材1の弾性間隔保持部材5a同士が弾接するように施工することで、隣接する断熱材付き内装建材1間の隙間から水蒸気が侵入するの
を抑制することができる。
また、本実施形態においては、表面材2と裏面材4とを弾性を持った弾性間隔保持部材5aで接合するので、表面材2と裏面材4の伸びの違いによる内部応力の発生を抑制することができる。
図14(a)(b)には更に他の実施形態が示してある。表面材2と裏面材4の間に真空断熱材3を介在させて固着することで構成した断熱材付き内装建材1は、真空断熱材3のヒートシール部3b部分が位置する部分においては表面材2と裏面材4の間に空隙が生じる。図14の実施形態は、このヒートシール部3bが位置する上記空隙部分に、硬化後に弾性を有する熱可塑性のホットメルト接着剤を充填して弾性間隔保持部材5aを構成した例を示している。
ここで、真空断熱材3の外周部には必ずヒートシール部が存在するので、表面材2と裏面材4の間に真空断熱材3を介在させると表面材2の外周部と裏面材4の外周部の間に空隙が生じることになる。したがって断熱材付き内装建材1の外周部には空隙が形成され、この外周部の空隙にホットメルト接着剤が充填されて外周部に弾性間隔保持部材5aが形成されることになる。
この結果、本実施形態においても、隣接する断熱材付き内装建材1の弾性間隔保持部材5a同士が弾接するように施工することで、隣接する断熱材付き内装建材1間の隙間から水蒸気が侵入するのを抑制できる。
また、本実施形態においても、表面材2と裏面材4とを弾性を持った弾性間隔保持部材5aで接合するので、表面材2と裏面材4の伸びの違いによる内部応力の発生を抑制することができる。
ところで、図14(b)のように、真空断熱材3が、複数のセル3aに分割された実施形態の場合、断熱材付き内装建材1の外周部だけでなく内部においてセル3a間にもヒートシール部3bが存在することになる。
したがって、本実施形態では、断熱材付き内装建材1の外周部及び内部おけるセル3a間に空隙が形成され、この外周部及び内部におけるセル3a間の空隙にホットメルト接着剤が充填されて弾性間隔保持部材5aが形成される。
この結果、本実施形態は、隣接する断熱材付き内装建材1の弾性間隔保持部材5a同士が弾接するように施工することで、隣接する断熱材付き内装建材1間の隙間から水蒸気が侵入するのを抑制できると共に、隣接するセル3a間においても水蒸気の侵入を防ぐことが可能となる。
1 断熱材付き内装建材
2 表面材
2a 準不燃材の層
3 真空断熱材
4 裏面材

Claims (4)

  1. 表面材の裏面に真空断熱材を固着して成ることを特徴とする断熱材付き内装建材。
  2. 前記表面材を一層又は複数層を積層したもので構成し、少なくとも準不燃材の層を有していることを特徴とする請求項1記載の断熱材付き内装建材。
  3. 前記表面材が調湿機能を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の断熱材付き内装建材。
  4. 前記表面材と裏面材の間に前記真空断熱材を介在して成ることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の断熱材付き内装建材。


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