JP2016014261A - 木造建物の埋設シート及びこれを含む外壁 - Google Patents

木造建物の埋設シート及びこれを含む外壁 Download PDF

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Abstract

【課題】木造建物の外壁や屋根の充填断熱層と屋外側面材との間の部分における通気を確保し、木材の腐食や劣化を抑制又は防止する。
【解決手段】木造建物の外壁1の屋外側面材4と屋内側面材6との間に充填断熱層20を設ける。屋外側面材4と充填断熱層20との間に埋設シート10を設け、通気層10c,10dを形成する。埋設シート10は、充填断熱層20の充填時に充填断熱層20の屋外側の面を画成する型枠となる。埋設シート10は、気体透過性の三角波シート部13及び平坦シート部14を含む。三角波シート部13及は、屋外側へ向かって山折された屋外側山折部13aと、屋内側へ向かって山折された屋内側山折部13bとを含む三角波板形状になっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、木造建物の外壁や屋根などの内部に埋設される埋設シート及びこれを含む外壁に関し、特に、屋外側面材と充填断熱層とを仕切ることによって通気層を形成するとともに充填断熱層の充填時には充填断熱層の屋外側の面を画成する埋設シート及びこれを含む外壁に関する。
木造建物の外壁や屋根には断熱層が設けられている(特許文献1、2等参照)。通常の断熱層は、工場においてシート状ないしはパネル状に成形された成形断熱層である。この成形断熱層が、建築現場において適宜な寸法に裁断されて外壁や屋根に設置される(特許文献2等)。しかし、裁断端面と柱材や横架材等との間に隙間が出来やすく、この隙間から熱が逃げるおそれがある。そのため、特に寒冷地では断熱性が不充分になってしまう。
これに対し、現場で断熱層の配置スペースに断熱層素材を吹き付けたり発泡させたりして充填する工法が知られている(特許文献1等)。この充填断熱層によれば、柱材や横架材の側面にも密着するため、隙間が出来るのを防止でき、断熱性を高めることができる。
特許文献1においては、屋根の野地板(屋外側面材)の下面に例えば波板形状のシートを設置するとともに、シートの下側で発泡ウレタンを発泡させて充填断熱層を形成している。したがって、シートは、充填断熱層の充填時の型枠となるとともに屋根の内部に埋設される。波板形状のシートが野地板に向かって凸になっている部分には多数の穴が設けられており、この穴を通して発泡ウレタンが野地板にくっ付くことで、シートが野地板に接合されている。また、波板形状のシートが屋内側へ凹んでいる部分と野地板との間には通気層が形成される。この通気層を通して湿気を逃がすことによって、木材の腐食防止などを図っている。
特開2014−066089号公報 特開2004−257097号公報
しかし、特許文献1の波板形状のシート自体は空気を透過させず、したがって透湿性を有していない。そのため、シートの屋内側の面に湿気が溜まりやすい。また、シートが野地板に向かって凸になっている部分は、屋内側から見ると凹みであり、この凹みに発泡ウレタンからなる充填断熱層が充填される。その分だけ通気層の容積が縮小される。また、前述したように、発泡ウレタンの一部がシートの穴を通して野地板とシートとの間に入り込むため、通気層の容積が更に縮小される。そのため、通気が不十分になるおそれがある。通気が不十分であると、湿気が溜まることで、野地板や壁板などの木材が腐食しやすい。
また、シートは、充填断熱層の充填圧に耐え得る必要がある。
本発明は、前記事情に鑑み、木造建物の外壁や屋根の内部に充填断熱層を充填する際の型枠となるシートが充填圧に耐え得るようにするとともに、充填断熱層と屋外側面材との間の部分における通気を確保して結露等を抑制することで、木材の腐食や劣化を抑制又は防止することを目的とする。
前記問題点を解決するために、本発明は、木造建物における屋外側面材と充填断熱層とを仕切ることによって通気層を形成するとともに前記充填断熱層の充填時には前記充填断熱層の屋外側の面を画成する埋設シートであって、
屋外側へ向かって山折されるとともに前記屋外側面材に沿う一方向へ延びる屋外側山折部と、屋内側へ向かって山折されるとともに前記一方向へ延びる屋内側山折部とが、前記一方向と直交する向きに交互に連続する三角波板形状をなす気体透過性の三角波シート部と、
前記三角波シート部の屋内側に設けられ、前記屋内側山折部と一体接合された平坦形状をなす気体透過性の平坦シート部と、
を備えたことを第1の特徴とする。
この埋設シートによれば、屋外側面材と三角波シート部との間に断面三角形状の通気層が形成されるとともに、三角波シート部と平坦シート部との間にも断面三角形状の通気層が形成される。したがって、屋外側面材と充填断熱層との間の部分における空気の流れを十分に確保して、換気を行うことができる。しかも、屋内側の空気が平坦シート部及び三角波シート部を透過して各通気層内に入り込むことができる。ひいては、屋内や充填断熱層内の湿気を通気層内に入り込ませることができ、更にこの湿気を通気層内の空気の流れに乗せて逃すことができる。これによって、屋外側面材などの木材を乾燥状態に維持できる。或いは、屋外側面材などの木材の表面が結露等で濡れたときは速やかに乾かすことができる。この結果、木材の腐食や劣化を抑制又は防止することができる。また、三角波シート部と平坦シート部とがトラス構造になることで、充填断熱層の充填圧に十分に耐えることができる。したがって、埋設シート内の通気層を確保しながら充填断熱層を充填して断熱性を確保できる。
前記一方向の第1側に配置された第1シート部材と、前記一方向の第2側に配置された第2シート部材を備え、
前記第1、第2シート部材の各々が、前記三角波シート部及び前記平坦シート部を有し、
前記第1シート部材の三角波シート部及び平坦シート部のうち何れか一方が他方よりも前記第2側へ延出する延出部分を有し、
前記第2シート部材の前記第1側の部分が前記延出部分に重ね合わされていることが好ましい。
これによって、各シート部材の前記一方向の寸法が短くても、第1、第2シート部材を前記一方向に継ぎ足すことによって、屋外側面材と充填断熱層との間の部分の全域に埋設シートを配置することができる。また、第1シート部材に延出部分を設けることで、継ぎ足しを容易に行うことができる。さらには、充填断熱層が、第1シート部材と第2シート部材との間の継目から埋設シート内の通気層に入り込むのを防止できる。そして、第1、第2シート部材の通気層どうしを連通させて通気することができる。
前記一方向(前記屋外側山折部及び前記屋内側山折部の延び方向)が、上下方向であることが好ましい。これによって、通気層内に上昇気流を形成でき、円滑に換気することができる。前記第1、第2シート部材を上下に継ぎ足す場合には、第1シート部材が上側かつ第2シート部材が下側でもよく、第2シート部材が上側かつ第1シート部材が下側でもよい。すなわち、前記第1側が上側、かつ前記第2側が下側でもよく、前記第2側が上側、かつ前記第1側が下側でもよい。
前記屋外側山折部と前記平坦シート部との間の距離は、好ましくは7mm〜15mmであり、より好ましくは10mm程度である。これによって、埋設シート内の通気層の流路断面積を十分に確保でき、通気層内における通気を確保できる。しかも、充填断熱層の充填圧に十分に耐えることができる。
前記三角波シート部が、前記平坦シート部より厚肉であることが好ましい。これによって、充填断熱層の充填圧に十分に耐えることができる。また、平坦シート部を薄くすることで、屋内側の湿気等を含む空気が平坦シート部を透過しやすくでき、湿気を効率良く除去できる。さらに、平坦シート部を三角波シート部と同じ厚さにするよりも、埋設シートを軽量かつ安価にすることができる。
また、本発明は、木造建物の外壁の屋外側面材と屋内側面材との間に設けられた充填断熱層と、
前記屋外側面材と前記充填断熱層との間に挟まれて通気層を形成するとともに前記充填断熱層の充填時には前記充填断熱層の屋外側の面を画成する埋設シートと、
を備え、前記埋設シートが、
屋外側へ向かって山折されるとともに前記屋外側面材に沿う一方向へ延びる屋外側山折部と、屋内側へ向かって山折されるとともに前記一方向へ延びる屋内側山折部とが、前記一方向と直交する向きに交互に連続する三角波板形状をなす気体透過性の三角波シート部と、
前記三角波シート部の屋内側に設けられ、前記屋内側山折部と一体接合された平坦形状をなす気体透過性の平坦シート部と、
を有していることを第2の特徴とする。
これによって、木造建物の外壁の屋外側面材と充填断熱層との間の部分に通気層を形成できる。この通気層によって換気を行うことで、外壁を構成する木材の表面上で結露が発生するのを抑制できる。結露が発生した場合は速やかに乾燥させることができる。この結果、外壁の木材の腐食や劣化を抑制又は防止することができる。また、埋設シートは、三角波シート部と平坦シート部とによって充填断熱層の充填圧に十分に耐えることができる。
本発明によれば、木造建物の外壁や屋根の内部に充填断熱層を充填する際の型枠となる埋設シートが充填圧に十分に耐えるようにできるとともに、充填断熱層と屋外側面材との間の部分における通気を確保して結露等を抑制でき、ひいては木材の腐食や劣化を抑制又は防止することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る外壁を示し、図2のI−I線に沿う平面断面図である。 図2は、図1のII−II線に沿う縦断面図である。 図3は、前記外壁の内部に設けられた埋設シートの斜視図である。 図4は、前記外壁の内部に設けられた押えシートの正面図である。 図5は、本発明の第2実施形態を示し、外壁の縦断面図である。 図6は、前記第2実施形態の外壁の内部に設けられた埋設シートの分解斜視図である。 図7は、本発明の第3実施形態を示し、外壁の縦断面図である。 図8は、本発明の第4実施形態を示し、埋設シートの平面断面図である。 図9は、本発明の第5実施形態を示し、埋設シートの平面断面図である。
図1〜図4は、本発明の第1実施形態を示したものである。図1及び図2に示すように、木造建物の外壁1は、屋外側面材4と、屋内側面材6とを備えている。屋外側面材4は、例えば構造用合板にて構成され、鉛直に配置されている。屋外側面材4の屋外側(図1において左)には、胴縁3を介してサイディング等からなる外装2が設けられている。外装2と屋外側面材4との間に通気路1aが形成されている。
屋外側面材4の屋内側(図1において右側)には、柱5(間柱、管柱を含む)等の軸組を介して屋内側面材6が設けられている。屋内側面材6は、例えば石膏ボード等にて構成され、鉛直に配置されている。屋内側面材6の屋内側の面には壁紙等の内装7が貼られている。
図1及び図2に示すように、屋外側面材4と、屋内側面材6と、隣接する柱5,5どうしとの間に、壁内スペース1sが画成されている。壁内スペース1sには、埋設シート10及び充填断熱層20が設けられている。埋設シート10は、壁内スペース1sにおける屋外側面材4側(図1において左側)に配置され、充填断熱層20は壁内スペース1sにおける屋内側面材6側(図1において右側)に配置されている。
埋設シート10は、三角波シート部13と、平坦シート部14とを含む。三角波シート部13は、不織布にて構成されており、気体透過性を有している。更に好ましくは、三角波シート部13は、耐湿性を有し、耐薬品性及び耐食性に優れている。三角波シート部13の不織布の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
図1及び図3に示すように、この不織布がコルゲート加工にて三角波板形状に成型されることによって、三角波シート部13が形成されている。三角波シート部13は、屋外側山折部13aと、屋内側山折部13bを含む。屋外側山折部13aは、屋外側(図1において左)へ向かって山折されるとともに鉛直方向(屋外側面材4に沿う一方向、図1において紙面と直交する方向)へ延びている。屋内側山折部13bは、屋内側(図1において右)へ向かって山折されるとともに鉛直方向へ延びている。これら山折部13a及び13bが、幅方向(前記一方向と直交する向き、図1において上下)に交互に連続している。山折部13a及び13bの折曲角度θ(内角)は、θ=30°〜90°程度であり、好ましくはθ=60°程度である。
三角波シート部13の厚さは、90μm〜800μm程度が好ましい。
三角波シート部13の屋内側に平坦シート部14が設けられている。平坦シート部14は、平坦になっている。平坦シート部14は、三角波シート部13よりも薄い(厚さが小さい)。逆に言うと、三角波シート部13は、平坦シート部14よりも厚肉である。平坦シート部14の厚さは、25μm〜150μm程度が好ましい。
平坦シート部14は、不織布にて構成されており、気体透過性を有している。更に好ましくは、平坦シート部14は、耐湿性を有し、耐薬品性及び耐食性に優れている。平坦シート部14の不織布の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。
三角波シート部13の屋内側山折部13bが、接合手段を介して平坦シート部14と一体に接合されている。接合手段としては、例えばアクリル系エマルジョン樹脂等からなるホットメルト接着剤が用いられているが、これに限られず、融着等であってもよい。屋外側山折部13aと平坦シート部14との間の距離D(ひいては埋設シート10全体の厚さ)は、好ましくはD=7mm〜15mm程度であり、より好ましくはD=10mm程度である。
図1に示すように、この埋設シート10が、壁内スペース1sに収容されることによって外壁1に埋設されている。そして、三角波シート部13の屋外側山折部13aが、屋外側面材4の屋内側(図1において右側)の面に当てられている。三角波シート部13の各三角波部と屋外側面材4との間に、屋外側通気層10cが形成されている。また、三角波シート部13の各三角波部と平坦シート部14との間には、屋内側通気層10dが形成されている。これら通気層10c及び10dは、三角形状の断面を有して上下に延びている。詳細な図示は省略するが、通気層10c,10dの上端部は、天井部の隙間や軒下空間又は小屋裏空間を介して屋外に連通させる必要がある。
図1及び図3に示すように、平坦シート部14の幅方向の両端部14e,14eは、三角波シート部13よりも延び出るとともに、屋内側(図1において右)へ直角に折り曲げられている。これら端部14e,14eが、柱5の側面に宛がわれ、タッカー41によって柱5に止着されている。
壁内スペース1sにおける埋設シート10よりも屋内側の部分には、充填断熱層20が充填されている。充填断熱層20は、例えばロックウールにて構成されている。充填断熱層20は、外壁1の構築現場において壁内スペース1sに吹き付けられることによって形成されたものである。
なお、充填断熱層20は、ロックウールに限られず、グラスファイバー、セルロースファイバ等であってもよく、後述する発泡ウレタンであってもよい。
さらに、充填断熱層20の屋内側(図1において右側)には、押えシート30が設けられている。押えシート30は、埋設シート10と平行に張られるとともに、幅方向の両端部がタッカー42によって柱5の屋内側の面に止着されている。埋設シート10と押えシート30との間に充填断熱層20が充填されている。また、押えシート30によって充填断熱層20と屋内側面材6とが隔てられている。
図4に示すように、押えシート30は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどの樹脂フィルムをメッシュ状に形成したものである。すなわち、押えシート30は、縦線部31と、横線部32とを有している。これら縦線部31及び横線部32が格子状に配列されることによって、メッシュ穴33が形成されている。縦線部31及び横線部32どうしの交差部は融着によって一体化されている。メッシュ穴33の大きさ及び配置密度は、充填断熱層20を閉じ込めることができ、かつ充填断熱層20の壁内スペース1sへの充填に伴って、壁内スペース1s内の空気を円滑に排出可能な程度に設定されている。
外壁1の施工方法を、埋設シート10及び充填断熱層20の設置工程を中心に説明する。
屋外側面材4及び柱5等の軸組を構築した後、埋設シート10を屋外側面材4の屋内側面に配置する。
次に、押えシート30を設置することで壁内スペース1sの屋内側の開口を塞ぐ。
次に、押えシート30の好ましくは上側の一箇所に開口を形成し、この開口から壁内スペース1s内にノズルを挿し入れる。このノズルから充填断熱層20を吹き出す。これによって、充填断熱層20を壁内スペース1s内に隅々まで行き渡らせて充填することができる。壁内スペース1s内に配管があったり凹凸が形成されていたりすることで、狭隘な隙間があったとしても、その狭隘隙間にも、充填断熱層20を行き渡らせることができる。これによって、外壁1の断熱性を十分に確保できる。
充填断熱層20の充填時には、埋設シート10が、充填断熱層20の屋外側の面を画成する型枠として機能する。埋設シート10には、充填断熱層20の充填圧が作用する。
一方、埋設シート10は、三角波シート部13と平坦シート部14とによってトラス構造になっているため、充填断熱層20の充填圧に十分に耐えることができ、通気層10c,10dを確保しながら、充填断熱層20を充填することができる。しかも、三角波シート部13を平坦シート部14よりも厚肉にすることで充填圧に対する強度を一層高めることができる。したがって、埋設シート10は、充填断熱層20の充填圧が作用している状態ないしは外壁1に埋設された状態においても、自然状態(充填圧の作用前)とほぼ同じ厚さD及び断面形状を維持することができる。
充填断熱層20を充填した後、屋内側面材6及び内装7を設置する。
このようにして構築された外壁1によれば、埋設シート10より屋内側の空気を、気体透過性(透湿性)のシート部14,13を通して通気層10d,10c内に入り込ませることができる。平坦シート部14を三角波シート部13より薄くすることで、屋内側の空気を通気層10dへ一層透過させ易くすることができる。
さらに、通気層10c,10d内において、屋外側面材4の屋内側の面に沿う空気の流れを形成できる。これによって、外壁1内における屋外側面材4よりも屋内側の空気を換気することができる。通気層10c,10dが上下に延びているため、通気層10c,10d内に上昇気流を形成でき、円滑に換気できる。しかも、埋設シート10全体の厚さDを好ましくはD=7mm〜15mm程度とし、より好ましくはD=10mm程度とすることで、通気層10c,10dの流路断面積を十分に大きくでき、通気層10c,10d内での空気の流れを十分に確保できる。
この空気の流れに乗せて、屋外側面材4より屋内側の湿気(空気中の水分)を、通気層10c,10dに通して屋外へ逃がすことができる。したがって、屋外側面材4や柱5等を構成する木材を乾燥状態に維持できる。或いは、木材の表面が結露等で濡れたときは速やかに乾かすことができる。この結果、木材の腐食や劣化を抑制又は防止することができる。
また、平坦シート部14を三角波シート部13より薄くすることで、埋設シート10の軽量化及びコストダウンを図ることができる。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態において、既述の形態と重複する構成に関しては図面に同一符号を付して説明を簡略化する。
図5及び図6は、本発明の第2実施形態を示したものである。第2実施形態の埋設シート10は、複数のシート部材10a,10a…を含む。これらシート部材10a,10a…が上下(一方向)に継ぎ足されている。図では、2つのシート部材10a,10aだけを図示してあるが、屋外側面材4の大きさによっては、3つ以上のシート部材10a,10a,10a…を継ぎ足してもよい。これら複数のシート部材10a,10a…における上下に隣接する2つのシート部材10a,10aのうち、相対的に下側(第1側)のものを第1シート部材11と称し、相対的に上側(第2側)のものを第2シート部材12と称す。
各シート部材10a(11,12)は、三角波シート部13及び平坦シート部14を有し、第1実施形態の埋設シート10と同様の構造になっている。これらシート部材10a,10a…の通気層10c,10c…どうしが上下に直列に連なるとともに、通気層10d,10d…どうしが上下に直列に連なっている。
第1シート部材11の平坦シート部14は、三角波シート部13よりも上方へ延出することで、延出部分11aとなっている。この延出部分11aが、第2シート部材12の下側部分(第1側の部分)の屋内側(図5において右側)に被さるようにして重ね合わされている。
さらに、第1シート部材11と第2シート部材12の継目には、接着テープ15が貼り付けられている。接着テープ15は、第1シート部材11の屋内側の面から第2シート部材12の屋内側の面に跨り、これらシート部材11,12どうしを接着している。
第2実施形態によれば、各シート部材10aの上下方向の寸法が屋外側面材4の上下方向の寸法より短くても、2以上のシート部材10a,10a…を上下に継ぎ足すことによって、屋外側面材4の屋内側の面の全域を埋設シート10にて覆うことができる。これらシート部材10a,10a…の通気層10c,10c…どうし、及び通気層10d,10d…どうしが上下に連なることで、円滑に通気させることができる。
なお、上下のシート部材10a,10a(11,12)の通気層10c,10cどうし、及び通気層10d,10dどうしが互いにずれていたり、一方のシート部材10aの通気層10c,10dの端部が他方のシート部材10aのシート部13,14によって塞がれていたりしたとしても、シート部13,14が気体透過性であるから、これらシート部材10a,10a間の通気を確保することができる。したがって、シート部材10a,10a…どうしを厳密に位置合わせしなくても済み、現場施工を容易化できる。
さらに、第1シート部材11に延出部分11aを設けることで、第1シート部材11と第2シート部材12との継ぎ足しを容易に行うことができ、現場施工を一層容易化できる。また、延出部分11aと第2シート部材12とを重ね合わせることで、充填断熱層20が、シート部材11,12どうしの間の継目から通気層10d,10cに入り込むのを防止できる。さらに、接着テープ15によってシート部材11,12どうしの継目を塞ぐことで、充填断熱層20が通気層10d,10cに入り込むのを確実に防止できる。
図7は、本発明の第3実施形態を示したものである。第3実施形態は、第2実施形態の変形例であり、下側(第1側)の第1シート部材11の三角波シート部13が平坦シート部14よりも上方へ延出することによって、延出部分11bとなっている。この延出部分11bに、上側(第2側)の第2シート部材12の下端部(第1側の部分)が屋内側から重ねられている。これら第1シート部材11及び第2シート部材12が接着テープ15を介して接着されている。
図8は、本発明の第4実施形態を示したものである。この実施形態の埋設シート10は、三角波シート部13と、屋内側(図8において右側)の平坦シート部14に加えて、屋外側(図8において左側)の平坦シート部16を有している。屋外側平坦シート部16は、屋内側平坦シート14と同様の不織布にて構成され、平坦になっている。好ましくは、屋外側平坦シート部16の厚さは、三角波シート部13の厚さよりも小さい。この屋外側平坦シート部16が、屋内側平坦シート部14と平行に対向するようにして、三角波シート部13の屋外側に配置されている。
2つの平坦シート部16,14どうしの間に三角波シート部13が挟まれている。三角波シート部13の屋外側山折部13aが、屋外側平坦シート部16と一体に接合されている。屋外側山折部13aと屋外側平坦シート部16との接合手段としては、屋内側山折部13bと屋内側平坦シート部14と同様に、アクリル系エマルジョン樹脂等からなるホットメルト接着剤が用いられているが、これに限られず、融着等を用いることにしてもよい。
したがって、屋外側通気層10cは、屋外側平坦シート部16と三角波シート部13とによって画成されている。屋外側平坦シート部16の屋外側(図8において左側)の面が、屋外側面材4(図示省略)に宛がわれている。
第4実施形態によれば、埋設シート10の形状保持性を一層高めることができる。したがって、充填断熱層20の充填圧に対する埋設シート10の強度を十分に確保できる。
図9は、本発明の第5実施形態を示したものである。第5実施形態の埋設シート10は、複数(ここでは3つ)の三角波シート部13と、複数(ここでは4つ)の平坦シート部14,16,17を含む。これら三角波シート部13と、平坦シート部14,16,17とが、外壁1の厚さ方向(図9において左右方向)に交互に積層されている。したがって、三角断面の通気層10c及び通気層10dが、外壁1の厚さ方向に多段積層されている。
中間の平坦シート部17は、屋内側(図9において右側)の平坦シート部14及び屋外側(図9において左側)の平坦シート部16と同様に、平坦かつ三角波シート部13よりも薄い不織布にて構成されている。各三角波シート部13の山折部13a,13bと平坦シート部14,16,17との接触部が、既述の実施形態と同様の接合手段によって一体に接合されている。ひいては、全部のシート部13,14,16,17が一体に連なっている。
第5実施形態によれば、三角波シート部13と平坦シート部14,16,17とを交互に積層することによって、埋設シート10の形状保持性を一層高めることができる。したがって、充填断熱層20の充填圧に対する埋設シート10の強度を十分に確保できる。
また、通気層10c,10dを外壁1の厚さ方向に多段積層することで、埋設シート10全体の流路断面積を十分に大きくできる。したがって、埋設シート10内での空気の流れを十分に確保でき、換気性能を高めることができる。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明は、木造建物の外壁に限られず、屋根(ルーフィング)や床に適用してもよい。
木造建物は、柱、梁、軸組などの主要部が木材製であればよく、基礎、外壁材、屋根材等にコンクリート、セラミック、鉄筋、樹脂等の、木材以外の材料が用いられていてもよい。
屋外側面材4は、構造用合板に限られず、野地板、下地材、外壁材等であってもよい。
シート部13,14,16は、不織布に代えて、樹脂製の網で構成されていてもよい。
三角波シート部13及び平坦シート部14,16の材質を変えることで、埋設シート10に、輻射熱の反射性、防水性、気密性等を付与してもよい。
平坦シート部14,16の厚さが、三角波シート部13の厚さと同程度であってもよい。
充填断熱層20は、ウレタン等の樹脂を壁内スペース1s内で発泡させて形成したものであってもよい。この場合、押えシート30は不要である。
第2実施形態(図5〜図6)において、上下に隣接する2つのシート部材10a,10aのうち、相対的に上側のものを第1シート部材11とし、相対的に下側のものを第2シート部材12としてもよい。この場合、上側(第1側)の第1シート部材11の平坦シート部14の下端部(第2側の部分)が三角波シート部13よりも下方へ延出することによって延出部分11aとなり、この延出部分11aが、下側(第2側)の第2シート部材12の上端部(第1側の部分)に屋内側から被さっていてもよい。
第3実施形態(図7)においても、相対的に上側のシート部材10aが第1シート部材11となり、相対的に下側のシート部材10aが第2シート部材12となっていてもよい。この場合、上側(第1側)の第1シート部材11の三角波シート部13の下端部(第2側の部分)が平坦シート部14よりも下方へ延出することによって延出部分11bとなり、この延出部分11bと、下側(第2側)の第2シート部材12の上端部(第1側の部分)とが重なり合っていてもよい。
複数の実施形態を互いに組み合わせてもよい。第4実施形態(図8)又は第5実施形態(図9)の埋設シート10と同構造のシート部材10a,10a…を複数用意し、第2実施形態(図5、図6)及び第3実施形態(図7)と同様に、これらシート部材10a,10a…を上下に継ぎ足してもよい。
第5実施形態(図9)において、三角波シート部13及び平坦シート部14,16,17の積層枚数は、図示したものに限られず、適宜増減させてもよい。
実施例を説明する。ただし、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
柱及び横架材を含む軸組に、屋外側面材4の代用として透明なアクリル板を取り付けた。このアクリル板の片面(屋内側の面)に第2実施形態(図5〜図6)と同様の埋設シート10を設けた。すなわち、複数のシート部材10a,10a…を上下に継ぎ足すことによって、アクリル板の片面の全体を覆った。シート部材10a,10aどうしの繋ぎ目には接着テープ15を貼り付けた。
各シート部材10aの厚さDは、自然状態においてD=10mm程度であった。
三角波シート部13は、ポリエチレンテレフタレートとレーヨン繊維とからなる樹脂製の不織布であり、その厚さは、400μm程度であった。
平坦シート部14は、ポリエチレンテレフタレート樹脂製の不織布であり、その厚さは、100μm程度であった。
埋設シート10の屋内側には、押えシート30を平行に張り渡し、この押えシート30の周縁部を前記軸組の屋内側の面に止着した。
押えシート30に穴を開けて、ノズルを埋設シート10と押えシート30との間に挿し入れた。このノズルから充填断熱層20としてロックウールを吹き出し、埋設シート10と押えシート30との間の空間をロックウールにて充填した。
その後、アクリル板の反対側(屋外側)の面から埋設シート10を目視にて確認したところ、厚さDは充填前とほぼ変わらず、三角波シート部13は元の形状をほぼ維持していた。すなわち、埋設シート10は、ロックウールの充填圧に十分に耐えることができ、通気層10c,10dを確保することができた。
本発明は、例えば木造家屋の外壁の結露防止及び断熱構造に適用できる。
1 木造建物の外壁
4 屋外側面材
10 埋設シート
10a シート部材
11 第1シート部材
11a,11b 延出部分
12 第2シート部材
13 三角波シート部
13a 屋外側山折部
13b 屋内側山折部
14 平坦シート部
20 充填断熱層

Claims (6)

  1. 木造建物における屋外側面材と充填断熱層とを仕切ることによって通気層を形成するとともに前記充填断熱層の充填時には前記充填断熱層の屋外側の面を画成する埋設シートであって、
    屋外側へ向かって山折されるとともに前記屋外側面材に沿う一方向へ延びる屋外側山折部と、屋内側へ向かって山折されるとともに前記一方向へ延びる屋内側山折部とが、前記一方向と直交する向きに交互に連続する三角波板形状をなす気体透過性の三角波シート部と、
    前記三角波シート部の屋内側に設けられ、前記屋内側山折部と一体接合された平坦形状をなす気体透過性の平坦シート部と、
    を備えたことを特徴とする木造建物の埋設シート。
  2. 前記一方向の第1側に配置された第1シート部材と、前記一方向の第2側に配置された第2シート部材を備え、
    前記第1、第2シート部材の各々が、前記三角波シート部及び前記平坦シート部を有し、
    前記第1シート部材の三角波シート部及び平坦シート部のうち何れか一方が他方よりも前記第2側へ延出する延出部分を有し、
    前記第2シート部材の前記第1側の部分が前記延出部分に重ね合わされていることを特徴とする請求項1に記載の埋設シート。
  3. 前記一方向が、上下方向であることを特徴とする請求項1又は2に記載の埋設シート。
  4. 前記屋外側山折部と前記平坦シート部との間の距離が、7mm〜15mmであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の埋設シート。
  5. 前記三角波シート部が、前記平坦シート部より厚肉であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の埋設シート。
  6. 木造建物の外壁の屋外側面材と屋内側面材との間に設けられた充填断熱層と、
    前記屋外側面材と前記充填断熱層との間に挟まれて通気層を形成するとともに前記充填断熱層の充填時には前記充填断熱層の屋外側の面を画成する埋設シートと、
    を備え、前記埋設シートが、
    屋外側へ向かって山折されるとともに前記屋外側面材に沿う一方向へ延びる屋外側山折部と、屋内側へ向かって山折されるとともに前記一方向へ延びる屋内側山折部とが、前記一方向と直交する向きに交互に連続する三角波板形状をなす気体透過性の三角波シート部と、
    前記三角波シート部の屋内側に設けられ、前記屋内側山折部と一体接合された平坦形状をなす気体透過性の平坦シート部と、
    を有していることを特徴とする木造建物の外壁。
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