JP6499173B2 - テンショナー - Google Patents

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Description

本発明は、ベルトやチェーンの張力を一定に保つように調整するテンショナーに関する。
テンショナーは、例えば2輪車や4輪車等の自動車のエンジンに使用されるものであり、エンジンのタイミングチェーンやタイミングベルトを所定の力で押すことにより、これらに伸びや緩みが生じた場合に、その張力を一定に保つように作用する。
図11は、自動車のエンジン本体300にテンショナー200を実装した状態を示す。エンジン本体300の内部には、一対のカムスプロケット310とクランクスプロケット320とが配置されており、これらのスプロケット310、320の間にタイミングチェーン330が無端状となって掛け渡されている。タイミングチェーン330の移動路には、チェーンガイド340が揺動可能に配置されており、タイミングチェーン330はチェーンガイド340を摺動しながら移動する。テンショナー200はエンジン本体300に形成された取付孔360を貫通するようにエンジン本体300を挿通した状態でエンジン本体300に固定される。
図12はテンショナー200の一般的な構造を示す。筒状の推進部材210と、ねじ部220によって推進部材210と螺合したシャフト状の回転部材230と、回転部材230に回転トルクを付与するコイルばね等のばね240と、これらを収容するケース250とを備えており、ケース250がボルト止め等によってエンジン本体300に固定される。推進部材210はケース250の先端部分に取り付けられた軸受部材260によって回転が拘束され、これにより推進部材210はねじ部220を介して伝達された回転部材230の回転力によってケース250に対して進出してタイミングチェーン330を押圧する。一方、タイミングチェーン330の張力が大きくなると、推進部材210が回転部材230を逆方向に回転させながら後退する。これらの動作によってタイミングチェーン330の張力を一定に保つ。
このようなテンショナー200では、ケース250の内部に皿形状の受け部材270が設けられている。受け部材270は回転部材230の一端面231が当接し、接触状態で摺動する受け面となっている。受け部材270及び回転部材230の一端面231が平面で接触する場合、エンジンからの振動(入力荷重)が大きいと、摺動部分が静摩擦状態から動摩擦状態に変化するため、摺動部分の摩擦係数が低下する。すなわち受け部材270と回転部材230との摺動部の摩擦抵抗及び推進部材210と回転部材230とが螺合しているねじ部220の摩擦抵抗が減少する。この状態で推進部材210がエンジンから大きな振動(交番荷重)を受けると、回転部材230が大きく回転して推進部材210の戻り量が多くなってタイミングチェーンのばたつきが発生する。このため、受け部材270(以下、受け面)と回転部材230の一端面231との間の摺動抵抗を大きくする必要があり、従来では、受け面と回転部材とを連続した面で接触させる構造(特許文献1参照)や、受け面及び回転部材に凹凸状のセレーションを形成して相互に歯合させる構造(特許文献2参照)が開発されている。
特開2001−50056号公報 特開2013−142441号公報
以上のように推進部材と回転部材とがねじ部によって螺合してケース内に収容され、回転部材がばねによって回転付勢され、さらに回転部材の一端面がケースの受け面(受け部材270)を摺動する図12で示す構造のテンショナーにおいては、回転部材に対し、以下のトルク1〜3の3つのトルクが作用し、これらのトルクの釣り合いによって推進部材の出代位置が決まってタイミングチェーンの異常挙動を抑制するようになっている。
トルク1・・・タイミングチェーンの張力変動に伴うエンジン振動(交番荷重)が推進部材に入力されることによりねじ部に発生する推進部材の後退(戻り)方向への回転トルク
トルク2・・・回転部材の一端面が受け面を摺動することによる摺動摩擦の抵抗トルク
トルク3・・・ばねが付勢する進出方向のトルク
このような構造では、以下のような問題点を有している。
(1)長期使用による経年劣化によってねじ部の摺動部分及び回転部材の一端面の摺動部分の摩擦抵抗が低下すると、トルク1が増加し、トルク2が減少する。このため推進部材の出代位置が後退傾向となり、エンジン振動による回転部材の回転運動角度(戻り作動)が大きくなる。
(2)回転運動の周期がばねの回転方向固有振動数に近い状況下では、局部的に過度な応力が発生し、応力集中による疲労破壊が発生しやすくなる。特に、回転部材の回転運動角度が概ね70°を超えると、ばねが回転部材に係止されているフック付近の応力集中が大きくなり、この部分に疲労破壊が発生しやすくなる。
(3)回転部材の回転運動角度を抑制するためにトルク2及びトルク3を増加する対応を行った場合、推進部材の出代位置が進出傾向となり、これによりタイミングチェーンの張力が増加してエンジン出力のロスとなる。
ここで、トルク2の増加は、例えば、特許文献1及び2に記載されるように回転部材の一端面の接触径を大きくすることで可能であり、トルク3の増加は、例えば、ばねのトルク(付勢力)を増加することで可能である。このようなトルク2及びトルク3の増加では、回転部材の一端面の径を大きくすることで抵抗トルクを大きくしているため、推進部材の後退(戻り)方向の抵抗が増加して推進部材が戻りにくくなる。又、ねじのトルクが直接に回転部材に作用して推進部材を進出方向に常時付勢している。このような構造において、エンジン振動(交番荷重)の波形が最小値の瞬間では、回転部材のねじ面及び一端面に作用する荷重が小さくなるが、この瞬間に回転部材にはばねのトルクが常時作用しているため、回転部材が推進部材の進出方向に隙間を埋めるように強く回転し、推進部材が瞬間的に不必要に進出する。なお、特許文献2では、ねじりばねを使用していないため、コイルばねが推進部材を進出方向に付勢しているが、回転部材の回転トルク(推進部材が進出する方向への回転トルク)に変換するトルクが僅かであり、しかも回転部材の一端面に凹凸状のセレーションが形成されているため、ねじのリード角とセレーションにおける凹凸の斜面角度とが概ね等しい値では、推進部材が進出方向に作動できない不都合もある。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、経年による推進部材の出代位置の後退やばねの疲労破壊を抑制し、過度の張り込みによる出力ロスを防止することが可能なテンショナーを提供することを目的とする。
本発明のテンショナーは、回転部材と推進部材とがねじ部によって螺合した状態でケースに収容され、前記回転部材がばねのトルクによって回転付勢され、前記回転部材の回転によって前記推進部材がケースに対して進退移動し、前記回転部材の一端面が前記ケースの受け面と摺動することにより前記回転部材の回転に伴って回転部材と受け面との間に摺動抵抗が発生する構造であって、前記推進部材の後退に対応した第1回転方向への前記回転部材の回転時の摺動抵抗が同方向への回転部材の回転を抑制することが可能な大きさに設定され、前記推進部材の進出に対応した第2回転方向への前記回転部材の回転時の摺動抵抗が同方向への回転部材の回転を抑制することが可能な大きさに設定されていることを特徴とする。
この場合、前記回転部材の一端面と前記受け面とに、前記第1回転方向に対応した第1斜面及び前記第2回転方向に対応した第2斜面が前記推進部材の進退方向と交差する面に対して所定角度で傾斜した状態で連続的に形成されていることが好ましい。
又、式1で示す前記回転部材の回転トルクと前記ねじ部の回転トルクと前記ばねのトルクとの総和が0よりも大きくなるように前記第1斜面の角度θ1が設定されていることが好ましい。
W×R1・tan(ρ1+θ1)+W×R2・tan(ρ2−θL)+T >0
・・・式1
(式1において、Wは推進部材への入力荷重、R1は回転部材の一端面の受け部への接触半径、ρ1は回転部材の一端面の摩擦角、ρ2はねじ部の摩擦角、R2はねじ部のねじ面接触径、θLはねじ部のリード角、Tはばねのトルクである。)
又、前記第1斜面の角度θ1は前記第2斜面の角度θ2よりも小さく設定されていることが好ましい。
又、前記第1斜面と第2斜面とが角部を介して連続しており、前記角部がR形状に形成されていることが好ましい。
又、前記第1斜面とこれに隣接した第2斜面とによって断面三角形状の一の斜面体が形成され、前記斜面体が70°以下の配置角度で円周上に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、経年による推進部材の出代位置の後退やばねの疲労破壊を抑制し、過度の張り込みによる出力ロスを防止することができる。
本発明の第1実施形態を示し、テンショナーの全体断面図である。 回転部材の部分斜視図である。 受け部材の斜視図である。 回転部材及び受け部材の接触状態を示す断面図である。 斜面体の断面図である。 回転部材における斜面体の配置を示す端面図である。 本発明の第2実施形態を示し、(a)及び(b)は回転部材の正面図及び右側面図である。 (a)及び(b)は第2実施形態のシャフト本体の正面図及び右側面図である。 (a)、(b)及び(c)は第2実施形態の波形部材の左側面図、正面図及び右側面図である。 回転部材及び受け部材の接触状態の別例を示す断面図である。 テンショナーをエンジン本体に装着した状態を示す正面図である。 従来のテンショナーを示す断面図である。
[第1実施形態]
図1〜図6は、本発明の第1実施形態を示し、図1はテンショナー1の全体断面図、図2は回転部材3の部分斜視図、図3は受け面としての受け部材7の斜視図、図4は回転部材3及び受け部材7の接触状態を示す断面図、図5は斜面体の断面図、図6は回転部材3における斜面体の配置を示す端面図である。
図1に示すように、テンショナー1は、相互に螺合した推進部材2及び回転部材3と、ばね4と、これらを収容するケース5とを備えている。
推進部材2はエンジン本体のタイミングチェーン230(図10参照)を押圧するものであり、筒状に形成されてケース5に対して進退自在に挿入されている。推進部材2は回転部材3の回転力が伝達されることによりケース5の先端部分から直線的に進出してタイミングチェーンを押圧する一方、タイミングチェーンからエンジン本体の荷重(交番荷重)が入力されることにより直線的に後退して回転部材3を逆方向に回転させる。回転部材3の回転を推進部材2の進退移動に変換するため、推進部材2が貫通するケース5の先端部分の貫通孔51が長円形や矩形の非円形に形成されると共に、推進部材2の外面がこれに相応した非円形に形成されている。図1において、矢印FDは推進部材2の進出方向、矢印BKは後退方向である。
推進部材2と回転部材3とは相互に螺合した状態でケース5内に収容される。このため、推進部材2の内面に雌ねじ61が形成されると共に回転部材3の外面に雄ねじ62が形成され、これらの雌ねじ61及び雄ねじ62が推進部材2及び回転部材3を相互に螺合させるねじ部6となっている。
回転部材3は雄ねじ62が形成された推進部材2側のねじ形成部31と、ねじ形成部31から軸方向後側に伸びたシャフト部32とを一体に有した軸体となっている。シャフト部32はケース5に設けた受け部材7に回転可能に支承され、これにより回転部材3の全体がケース5内で正逆方向に回転することができる。
ばね4はコイルばねからなり、そのコイル部43が回転部材3のシャフト部32に外挿され、一側のフック部41がケース5に係止され、他側のフック部42が回転部材3のシャフト部32に係止されている。この場合、他側のフック部42は、シャフト部32に形成された軸方向のスリット33に挿入されることによりシャフト部32に係止される。ばね4は巻締められることにより回転部材3を回転させるトルクを蓄え、回転部材3がばね4のトルクによって回転する。
ケース5はエンジン本体にボルト止め等によって固定される。ケース5内の後端部には、回転部材3のシャフト部32を支承する受け面としての受け部材7が設けられている。受け部材7はケース5の後端部の支承凹部52に圧入されることによりケース5に固定されている。回転部材3のシャフト部32側の端面34(以下、一端面34)は受け部材7に当接し、この当接によって回転部材3の回転が支承される。
以上の構造では、ばね4のトルクによって回転部材3が回転し、回転部材3の回転がねじ部6から推進部材2に伝達されて推進部材2が矢印FD方向(以下、進出FD)へ進出しタイミングチェーンを押圧する。一方、エンジン本体からの交番荷重によりタイミングチェーンが緊張して荷重が推進部材2に入力されると、推進部材2が矢印BK方向(以下、後退BK)に後退する。この後退では、ねじ部6を介して回転部材3が逆方向に回転する。以下の説明では、推進部材2の後退BKに対応した回転部材3の回転方向を第1回転方向11、推進部材2の進出FDに対応した回転部材3の回転方向を第2回転方向12と記載する。これらの回転方向への回転部材3の回転においては、回転部材3の一端面34が受け部材7の面を摺動するために摺動抵抗が発生する。
本発明において、推進部材2の後退BKに対応した第1回転方向11への回転部材3の回転時の摺動抵抗が同方向11への回転部材3の回転を抑制することが可能な大きさとなるように設定される。このように第1回転方向11への回転部材3の回転を抑制することにより、推進部材2の後退BK方向の作動を抑制することができる。又、本発明では、推進部材2の進出FDに対応した第2回転方向への回転部材の回転時の摺動抵抗も同方向12への回転部材3の回転を抑制することが可能な大きさとなるように設定される。このように第2回転方向12への回転部材3の回転を抑制することにより、推進部材2の進出FD方向への作動を抑制することができ、出力ロスを低減するようになっている。
図2は回転部材3のシャフト部32を示す。回転部材3のシャフト部32の一端面34には、第1斜面13及び第2斜面14が隣接した状態で円周上に交互に位置するように形成されている。図3は回転部材3が摺動する受け部材7を示す。受け部材7は全体が皿形状に形成されており、その底面71には、第1斜面15及び第2斜面16が隣接した状態で円周上に交互に位置するように形成されている。これらの第1斜面13、15及び第2斜面14、16は鍛造、切削、その他の手段によって加工される。
回転部材3はその一端面34が受け部材7の底面71と対向するようにケース5に組み付けられ、この組み付けにより、これらに形成されている第1斜面13、15、第2斜面14、16からなる凹凸が噛み合った状態となる。このため回転部材3が第1回転方向11に回転するときには、回転部材3の第1斜面13は受け部材7の第1斜面15上を摺動し、回転部材3が第2回転方向12に回転するときには、回転部材3の第2斜面14は受け部材7の第2斜面16上を摺動する。すなわち、第1回転方向11への回転部材3の回転では、第1斜面13、15同士が摺動する一方、第2回転方向への回転部材3の回転では、第2斜面14、16同士が摺動するものである。従って、第1回転方向11及び第2回転方向12のいずれの方向に回転するときにおいても、回転部材3は受け部材7との間で摺動抵抗を発生させながら回転する。
以上のように回転部材3の第1斜面13及び受け部材7の第1斜面15は回転部材3の第1回転方向11に対応して形成され、回転部材3の第2斜面14及び受け部材7の第2斜面16は回転部材3の第2回転方向に対応して形成されるが、図4に示すように、これらの第1斜面13、15及び第2斜面14、16は推進部材2の進退方向(後退BK及び進出FD)と直交状に交差した面19に対して所定の角度で傾斜するように連続的に形成されるものである。
図5は回転部材3における第1斜面13及び第2斜面14を示す。第1斜面13及び第2斜面14は、推進部材2の進退方向と直交状に交差した面19(図4参照)からそれぞれの角度θ1、θ2を有した傾斜状態で起立している。第1斜面13の角度θ1は第2斜面14の角度θ2よりも小さく設定され、これにより第1斜面13は第2斜面14よりも長い斜面となっている。かかるθ1及びθ2の角度関係は、受け部材7における第1斜面15及び第2斜面も同様である。このように設定することにより、推進部材2の後退BKに対応した第1回転方向11への回転部材3の回転時には、回転部材3の第1斜面13が受け部材7の第1斜面15を摺動することから摺動抵抗が大きくなる。一方、推進部材2の進出FDに対応した第2回転方向12への回転部材3の回転時には、回転部材3の第2斜面14が受け部材7の第2斜面16を摺動するため、その摺動抵抗によって推進部材2の進出FD方向のトルクが弱まり、推進部材2の過度な進出を抑制することができる。
本実施形態の構造において、回転部材3が推進部材2の後退BK方向に対応した第1回転方向へ回転する場合、その第1斜面13が受け部材7側の第1斜面15を乗り越えなければ同方向に回転することができない。このため推進部材2の後退傾向を抑制することができる。このように後退傾向を抑制できることから、エンジン振動(交番荷重)が入力することによる回転部材3の回転角度が大きくなることを抑制することができる。そして、回転部材3の回転角度が大きくなることを抑制できるため、回転部材3に係止されているばね4の他側のフック部42に過度な応力が集中することがなく、他側のフック部42付近への応力集中を緩和でき、応力集中による疲労破壊の発生を防止することができる。
一方、回転部材3が推進部材2の進出FD方向に対応した第2回転方向へ回転する場合には、その第2斜面14が受け部材7側の第2斜面16を乗り越えなければ同方向に回転することができない。このため推進部材2の進出傾向を抑制することができる。このように推進部材2の進出傾向を抑制できることにより、推進部材2の過度の進出によるタイミングチェーンの張力の増加を抑制でき、エンジン出力のロスを削減することができる。そして、以上のように、推進部材2の後退及び進出の両方向への移動時の摺動抵抗が増加するため、ばね4のトルクを増加させる必要なく、推進部材2の進退挙動を安定させることが可能となる。
図1のテンショナー1において、第1斜面13、15の角度をθ1とし、エンジンからの推進部材2への入力荷重をW、回転部材3の一端面34の受け部材7への接触半径をR1、回転部材3の一端面34の摩擦角をρ1、ねじ部6の摩擦角をρ2、ねじ部6のねじ面接触径をR2、ねじ部6のリード角をθL、ばね4のトルクをTとした場合、受け部材7と摺動している回転部材3の一端面34に発生する摺動トルクは、W×R1・tan(ρ1+θ1)となり、ねじ部6に発生する摺動トルクは、W×R2・tan(ρ2−θL)となる。ここで、回転部材3の一端面34の摺動トルクW×R1・tan(ρ1+θ1)と、ねじ部6に発生する摺動トルクW×R2・tan(ρ2−θL)は逆方向に作用する一方、回転部材3の一端面34の摺動トルクW×R1・tan(ρ2+θ1)と、ばね4のトルクTとは同一方向に作用する。
以上のことから、テンショナー1においては、式1が成立する。
W×R1・tan(ρ1+θ1)+W×R2・tan(ρ2−θL)+T >0
・・・式1
式1において、その総和がゼロよりも大きい場合には、エンジンからの入力荷重に対して推進部材2の後退BK方向、すなわち第1回転方向11への回転部材3の回転力は発生することがない。摩擦角ρ1、ρ2は経時劣化によって低下し、この低下によって式1の総和がゼロよりも小さくなると、推進部材2が後退BK方向に大きく作動する。このため、第1斜面13、15の角度θ1は、劣化後の摩擦角ρ1、ρ2との関係で、式1がゼロ以上を確保するように設定される。
テンショナー設計の実際において、式1の摩擦角ρ1、ρ2の値はエンジン振動(交番荷重)の大きさ(入力荷重W)で変化し、エンジン振動が大きいほど摩擦角ρ1、ρ2は小さな値(動摩擦係数)となる。静的状態において、摩擦角ρ1、ρ2は、6.8°程度であり、動的状態では、入力荷重Wに応じて変化し、最も大きな入力荷重Wではρ1、ρ2は2〜3°程度となる。このような摩擦角ρ1、ρ2の変化を考慮し、例えば、W=100N、R1=4.5mm、R2=4mm、θL=12°、T=1.0Nmmとした場合、θ1は4.9°程度以上とすることが好ましい。
図4に示すように、回転部材3の第1斜面13と隣接する第2斜面14とは角部21を介して連続しており、受け部材7の第1斜面15と隣接する第2斜面16とは角部23を介して連続している。この実施形態において、これらの角部21、23は丸みを帯びたR形状に形成されるものである。角部21、23をR形状とすることにより、荷重を分散させることができ、応力集中を抑制することができる。これにより回転部材3の第1回転方向11及び第2回転方向への回転を円滑とすることができる。
この実施形態において、図4に示すように回転部材3における第1斜面13とこれに隣接した第2斜面14とによって断面三角形状の一の斜面体17が形成され、受け部材7における第1斜面15とこれに隣接した第2斜面16とによって断面三角形状の一の斜面体18が形成される。図6は回転部材3における斜面体17の円周方向への配置を示す。図6及び図5において、Aは第1斜面13の円周上での配置角度、Bは第2斜面14の円周上での配置角度であり、斜面体はC=A+Bの配置角度で円周上に等分配置されることが良好である。この場合、回転体3には、ばね4の他側フック部42が係止されており、回転体3の回転によってばね4の他側フック部42に応力が集中し、疲労破壊が発生しやすくなる。これに対し、斜面体17の配置角度Cを70°以下とすることにより、ばね4への応力集中を分散させることができ、ばね4の疲労破壊のリスクを低減させることができる。
以上の実施形態では、第1斜面13、15の角度θ1を第2斜面14、16の角度θ2よりも小さく設定しているが(θ1<θ2)、角度θ1を角度θ2よりも大きく設定することも可能である(θ1>θ2)。図10は、第1斜面13、15の角度θ1を第2斜面14、16の角度θ2よりも大きく設定した場合を示す。このようにθ1>θ2と設定することにより、エンジン振動が大きい場合の回転部材3の第1回転方向11への回転を抑制することができるため、推進部材2の後退BKを抑制でき、推進部材2の戻り過ぎを防止することができる。
なお、ケース5に受け部材7を組み付けて回転部材3の受け面としているが、回転部材3の受け面をケース5に直接に加工しても良い。
[第2実施形態]
図7〜図9は、本発明の第2実施形態を示す。図7に示すように、雄ねじ62が形成されたねじ形成部31と、ねじ形成部31から同軸的に延びたシャフト部32とによって回転部材3が形成されており、シャフト部32の一端面34に第1斜面13及び第2斜面14が円周方向に沿って形成されている。この実施形態では、図7の回転部材3を、図8に示すシャフト本体36と、図9に示す波形部材37との組み合わせによって構成するものである。
シャフト本体36は図8に示すように、雄ねじ62が形成されたねじ形成部31と、ねじ形成部31から同軸的に延びたシャフト部32とを有しているが、シャフト部32には、第1斜面13及び第2斜面14が形成されていない。シャフト部32の端面部分には、半円弧状の取付部35が形成されるだけである。これに対し、図9に示すように波形部材37の一端面34には、第1斜面13及び第2斜面14が円周上に沿って形成されている。波形部材37におけるシャフト本体36側の他端面38には、半円弧状のリング体39が形成されており、このリング体39をシャフト本体36の取付部35に圧入によって結合させることにより波形部材37をシャフト部材36に連結して一体化する。これにより、図7に示す回転部材3を作製することができる。
このような構造では、波形部材37を交換することができるため、異なった傾斜角度の第1斜面13及び第2斜面14への交換や、異なった円周上の配置角度の斜面体17への交換を容易に行うことができ、要求されるテンショナー特性に容易に対応することが可能となる。
1 テンショナー
2 推進部材
3 回転部材
4 ばね
5 ケース
6 ねじ部
7 受け部材
11 第1回転方向
12 第2回転方向
13、15 第1斜面
14、15 第2斜面
17、18 斜面体
19 交差した面
21、23 角部

Claims (5)

  1. 回転部材と推進部材とがねじ部によって螺合した状態でケースに収容され、前記回転部材がばねのトルクによって回転付勢され、前記回転部材の回転によって前記推進部材がケースに対して進退移動し、前記回転部材の一端面が前記ケースの受け面と摺動することにより前記回転部材の回転に伴って回転部材と受け面との間に摺動抵抗が発生する構造であって、
    前記推進部材の後退に対応した第1回転方向への前記回転部材の回転時の摺動抵抗が同方向への回転部材の回転を抑制することが可能な大きさに設定され、
    前記推進部材の進出に対応した第2回転方向への前記回転部材の回転時の摺動抵抗が同方向への回転部材の回転を抑制することが可能な大きさに設定されており、
    前記回転部材の一端面と前記受け面とに、前記第1回転方向に対応した第1斜面及び前記第2回転方向に対応した第2斜面が前記推進部材の進退方向と交差する面に対して所定角度で傾斜した状態で連続的に形成されていることを特徴とするテンショナー。
  2. 請求項記載のテンショナーであって、
    式1で示す前記回転部材の回転トルクと前記ねじ部の回転トルクと前記ばねのトルクとの総和が0よりも大きくなるように前記第1斜面の角度θ1が設定されていることを特徴とするテンショナー。
    W×R1・tan(ρ1+θ1)+W×R2・tan(ρ2−θL)+T >0 ・・・式1
    (式1において、Wは推進部材への入力荷重、R1は回転部材の一端面の受け部への接触半径、ρ1は回転部材の一端面の摩擦角、ρ2はねじ部の摩擦角、R2はねじ部のねじ面接触径、θLはねじ部のリード角、Tはばねのトルクである。)
  3. 請求項又は記載のテンショナーであって、
    前記第1斜面の角度θ1は前記第2斜面の角度θ2よりも小さく設定されていることを特徴とするテンショナー。
  4. 請求項のいずれか1項記載のテンショナーであって、
    前記第1斜面と第2斜面とが角部を介して連続しており、前記角部がR形状に形成されていることを特徴とするテンショナー。
  5. 請求項のいずれか1項記載のテンショナーであって、
    前記第1斜面とこれに隣接した第2斜面とによって断面三角形状の一の斜面体が形成され、前記斜面体が70°以下の配置角度で円周上に配置されていることを特徴とするテンショナー。
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