JP6497736B2 - 建設機械におけるカウンタウエイト支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、油圧ショベル等の建設機械におけるカウンタウエイト支持構造の技術分野に関するものである。
一般に、建設機械のなかには、機体バランスを確保するためのカウンタウエイトを備えたものがあるが、該カウンタウエイトを機体に搭載する場合に、車体フレームの後部に設けたカウンタウエイト支持部に締結ボルトを介してカウンタウエイトを支持せしめたものが広く知られている。例えば、建設機械の一例である油圧ショベルでは、上部旋回体の架台を形成する車体フレーム(旋回フレーム)の後部にカウンタウエイト支持部を設け、該カウンタウエイト支持部に締結される締結ボルトを介してカウントウエイトを支持するようにしたものがあるが、このものにおいて、カウンタウエイト支持部は、車体フレームの後部に溶着等により一体的に固定されて車体フレームの一部を構成するとともに、カウンタウエイトに面接触状態に当接するカウンタウエイト取付け座面を有しており、該カウンタウエイト取付け座面には、平面を確保するための加工や、締結ボルト用の締結孔(ネジ孔)を形成するための加工が工作機械により施される場合がある。
ところで、建設機械には大型の車両が数多くあるが、車両サイズが大きくなると、工作機械寸法の都合上、車体フレームの組立完了後にカウントウエイト取付け座面に機械加工を施すことが困難になる。このため、予めカウンタウエイト取付け座面に機械加工が施された状態のカウンタウエイト支持部を溶接により組付けて車体フレームを形成しているが、この場合に、車体フレームの組付け時における溶接歪等によってカウンタウエイト支持部が予め設定される正規位置からずれてしまい、これに伴いカウンタウエイト取付け座面や締結孔も正規位置からずれてしまうことがある。特に、車体フレームの前側、旋回ベアリング部に位置決め基準がある場合、車体フレームの後端側に位置するカウンタウエイト支持部は溶接歪の集積により位置ずれが大きくなってしまい、カウンタウエイトの取付けが困難になったり、位置ずれした状態のままカウンタウエイトを取付けたためにカウンタウエイトと該カウンタウエイトの前側に配される車体カバーやスカートチャンネルとの間に隙間や段差が生じて、外観が損なわれたりするという問題があった。
そこで、従来、カウンタウエイト支持部を、車体フレームから延設される立板と、該立板の上下端面に溶着される背板および底板と、背板および底板との上下間で上下方向にスライド移動自在で、上面にカウンタウエイト取付け座面(カウンタウエイト支持面)を有するパイプ部材とを用いて構成し、前記立板に背面および底板を溶着した後に、該背面および底板にパイプ部材を溶着するようにした技術(例えば、特許文献1参照)や、車体フレームから延設される立板に背板を溶着した後で、上面にカウンタウエイト取付け座面を有するブロックを背板の切り欠き部に溶着するようにした技術(例えば、特許文献1の図7参照)が知られている。
また、車体フレームの後部にボス嵌入穴部を形成する一方、該ボス嵌入穴部に係合可能なボスをカウンタウエイトの前面に形成するとともに、ボスを貫通するボルトの締結によりカウンタウエイトを車体フレームに取付けるようにしたものにおいて、前記ボス嵌入穴部を水平方向の長さが上下方向の長さより大寸の楕円形に形成し、該ボス嵌入穴部に対するボスの嵌合位置を左右方向に小寸だけ変位調整できるようにした技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−32328号公報 特開平9−209407号公報
前記特許文献1のものは、カウンタウエイト取付け座面を有するパイプ部材やブロックが車体フレームの組立て後に溶着されるものであるから、該パイプ部材やブロックの溶着時にその取付位置を調整することが可能であると思われる。しかしながら、パイプ部材は、背板および底板に開けられたパイプ穴に上下動自在に嵌入しているため上下方向の位置調整を行うことはできるが、前後方向および左右方向の位置調整を行うことはできないことになる。また、ブロックは、背板の切欠き部に前後左右位置が位置決めされた状態で取付けられるから、同様に、上下方向の位置調整を行うことはできても、前後方向および左右方向の位置調整を行うことはできないことになる。さらに、車体フレームの組立て時における溶接歪等によりカウンタウエイト支持部を構成する立板、背板、底板に傾きが生じてしまった場合には、パイプ材やブロックのカウンタウエイト取付け座面も傾いてしまって、機体の水平基準に対する垂直度を確保できないという惧れもある。
一方、特許文献2のものは、車体フレームのボス嵌入穴部に対するボスの嵌入位置を左右方向に変位させることができるから、カウンタウエイトの取付位置の左右方向の調整を行うことはできるが、上下方向および前後方向の位置調整を行うことはできないことになる。さらに、特許文献2のものでは、ボス嵌入穴部の底面部にカウンタウエイトのボスの前端面が当接する構成となっている、つまり、ボス嵌入穴部の底面部がカウンタウエイト取付け座面になっているが、車体フレームの組立て時における溶接歪等により該カウンタウエイト取付け座面に傾きが生じてしまった場合には、前記特許文献1のものと同様に、機体の水平基準に対する垂直度を確保できないという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、カウンタウエイトを備えた建設機械において、該カウンタウエイトを車体フレームの後部に設けられるカウンタウエイト支持部に締結ボルトを介して支持するにあたり、前記カウンタウエイト支持部は、車体フレームの後部に立設固定される支持プレートと、車体フレームに固定された状態の支持プレートに取付けられ、カウンタウエイトに当接するとともに前記締結ボルトが締結されるサポート部材とを用いて構成され、該サポート部材は、前記支持プレートに前後位置調整自在に固定されるベース部材と、該ベース部材に上下左右位置調整自在に固定され、前記締結ボルトが締結される締結孔を有したボルト締結部材と、ベース部材またはボルト締結部材に形成され、カウンタウエイトに当接するカウンタウエイト取付け座面とから構成されることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造である。
請求項2の発明は、請求項1において、ベース部材は、ボルト締結部材を固定した状態で締結孔に連続するボルト孔を有するとともに、該ボルト孔の孔径は、ボルト締結部材の上下左右位置調整に伴う締結孔の変位に対応できるよう大径に形成されていることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造である。
請求項3の発明は、請求項1または2において、ベース部材は、支持プレートに、該支持プレートに対して傾き調整自在に固定されることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造である。
請求項1の発明とすることにより、支持プレートにサポート部材を取付ける場合に、ベース部材の前後位置調整およびボルト締結部材の上下左右位置調整を行うことで、カウンタウエイト取付け座面および締結孔の位置精度を確実に向上させることができる。
請求項2の発明とすることにより、ボルト締結部材の上下左右調整により締結孔が変位しても、締結ボルトをベース部材に干渉することなくボルト孔を貫通させて締結孔に締結させることができる。
請求項3の発明とすることにより、支持プレートに対するベース部材の傾きを調整することで、機械加工を施さずとも、機体の水平基準に対する垂直度を確保できるとともに、取付け座面同士の平面度を確保できる。
油圧ショベルの側面図である。 旋回フレームの斜視図である。 前方から視たカウンタウエイト支持部の斜視図である。 後方から視たカウンタウエイト支持部の斜視図である。 (A)はカウンタウエイト支持部の要部断面図、(B)はカウンタウエイトが取付けられたカウンタウエイト支持部の断面図である。 (A)はベース部材の取付けを示す斜視図、(B)はボルト締結部材の取付けを示す斜視図である。 (A)は第二の実施の形態におけるカウンタウエイトが取付けられたカウンタウエイト支持部の断面図、(B)は第三の実施の形態におけるカウンタウエイトが取付けられたカウンタウエイト支持部の断面図である。 第四の実施の形態におけるベース部材の取付けを示す断面図である。 第五の実施の形態におけるカウンタウエイト支持部の斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は建設機械の一例である油圧ショベルであって、該油圧ショベル1は、クローラ式の下部走行体2、該下部走行体2に旋回ベアリング3を介して旋回自在に支持される上部旋回体4、該上部旋回体4に装着されるフロント作業部5等の各部から構成されている。そして、上部旋回体4には、運転室6やエンジンルーム7が配設されるとともに、その後端部には、フロント作業部5とバランスをとるためのカウンタウエイト8が配設されている。
9は前記上部旋回体4の架台となる旋回フレーム(本発明の車体フレームに相当する)であって、該旋回フレーム9は、旋回ベアリング3が取付けられる底面板10、該底面板10から立設され、フロント作業部5の基端部が軸支される作業部取付座11aを備えた前後方向に延びる左右一対のメインフレーム11L、11R、該メインフレーム11L、11Rの左右外方に設けられ、運転室6やエンジン等の各種機器(図示せず)が搭載される左右のサイドフレーム12L、12R、該左右のサイドフレーム12L、12Rの左右外方側端部に設けられ、前後方向に延びる左右のスカートチャンネル13L、13R等の各種フレーム材から構成されており、これらフレーム材を溶接により一体的に組立てて形成されるとともに、該旋回フレーム9の後部には、前記カウンタウエイト8を締結ボルト15を介して支持するためのカウンタウエイト支持部16が設けられている。
前記カウンタウエイト支持部16は、旋回フレーム9の後部に立設固定される後述の支持プレート17と、該支持プレート17に取付けられ、カウンタウエイト8の前面8aに当接するとともに前記締結ボルト15が締結される後述のサポート部材18とを用いて構成されている。
前記支持プレート17は、旋回フレーム9を構成するフレーム材の一つであって、カウンタウエイト支持部16に支持されたカウンタウエイト8の前面8aと対向するよう面方向が縦方向を向く状態で、左右のメインフレーム11L、11Rおよび底面板10の後端部に溶接により一体的に固定されている。この支持プレート17には、左側上部、右側上部、左側下部、右側下部の計四箇所に矩形状の貫通孔17aが開設されており、これら貫通孔17aにそれぞれサポート部材18が取付けられるようになっている。尚、図中、19は支持プレート17と左右のメインフレーム11L、11Rの上面11bとのコーナー部に溶着される補強プレートである。また、17bは、支持プレート17の後面(カウンタウエイト8の前面8aと対向する側の面)に形成され、カウンタウエイト8の前面8a下部に形成された凹部(図示せず)に係合する凸部である。
一方、前記サポート部材18は、旋回フレーム9の組立て後に、該旋回フレーム9に固定された状態の支持プレート17に取付けられるものであって、支持プレート17に開設の貫通孔17aに前後位置調整自在に嵌合固定され、且つ、カウンタウエイト取付け座面20aを有する後述のベース部材20と、該ベース部材20に上下左右位置調整自在に固定され、且つ、前記締結ボルト15が締結される締結孔(ネジ孔)21aを有した後述のボルト締結部材21とから構成されている。
前記ベース部材20は、前記支持プレート17に開設された矩形状の貫通孔17aに前後方向移動自在に嵌合される矩形ブロック状のものであって、該ベース部材20の前後方向の厚みは支持プレート17の前後方向の厚みよりも大きく設定されており、溶接脚長を除いた厚みの差分だけベース部材20を前後方向に移動させることができるようになっている。そして、ベース部材20は、その後面(カウンタウエイト8の前面8aと対向する側の面)が支持プレート17の後面よりも突出する状態で貫通孔17aに嵌合されるが、該ベース部材20の後面は、カウンタウエイト8の前面8aが面接触状態で接触するカウンタウエイト取付け座面20aになっている。さらに、ベース部材20には、前記締結ボルト15が遊嵌状に貫通するボルト孔20bが穿設されている。該ボルト孔20bは、ボルト締結部材21をベース部材20に固定した状態で該ボルト締結部材21の締結孔21aに連続するようになっているが、後述するようにボルト締結部材21の上下左右位置調整に伴う締結孔21aの変位に対応できるように、締結孔21aに対して大径に形成されている。そして、支持プレート17の貫通孔17aに嵌合されたベース部材20は、前記カウンタウエイト取付け座面20aの前後位置が予め設定された正規位置となるように前後位置調整された状態で、支持プレート17に溶接により固定されるように構成されている。尚、本実施の形態では、支持プレート17の左側上部および右側上部の貫通孔17aに取付けられるサポート部材18のベース部材20には、左右一対のボルト孔20bが穿設されており、また、左側下部および右側下部の貫通孔17aに取付けられるサポート部材18のベース部材20には、該ベース部材20の中心部に一つのボルト孔20bが穿設されている。
また、前記ボルト締結部材21は、締結ボルト15が締結される締結孔21aが中心部に形成されたベース部材20よりも小型の矩形ブロック状のものであって、前記ベース部材20の前面(カウンタウエイト取付け座面20aと反対側の面)に該ベース部材20のボルト孔20bと締結孔21aとが連続する状態で固定されるようになっているが、この場合に、前述したようにボルト孔20bは締結孔21aに対して大径となっており、これにより、ベース部材20に対するボルト締結部材21の固定位置を、締結孔21aの全域がベース部材20のボルト孔20bに連続する範囲内で、ベース部材20の前面に沿って上下左右方向に移動させることができるようになっている。そして、ボルト締結部材21は、締結孔21aの上下左右位置が予め設定された正規位置となるように上下左右方向に位置調整が行われた状態で、溶接によりベース部材20に固定されるようになっている。尚、ボルト締結部材21は、ベース部材20の各ボルト孔20bにそれぞれ個別に対応するように設けられており、本実施の形態では、支持プレート17の左側上部および右側上部の貫通孔17aに固定されるベース部材20には、左右一対のボルト孔20bに対応して左右一対のボルト締結部材21が固定され、また、左側下部および右側下部の貫通孔17aに固定されるベース部材20には、一つのボルト孔20bに対応して一つのボルト締結部材21が固定されるようになっている。
而して、カウンタウエイト支持部16は、旋回フレーム9の組立て後に、該旋回フレーム9を構成する支持プレート17にベース部材20を固定し、さらに該ベース部材20にボルト締結部材21を固定することによって形成されるが、この場合に、ベース部材20の前後位置調整によってカウンタウエイト取付け座面20aの前後位置を正規位置に位置させることができ、さらにボルト締結部材21の上下左右位置調整によって締結孔21aの上下左右位置を正規位置に位置させることができる構成になっている。尚、ベース部材20、ボルト締結部材21を固定する場合には、ベース部材20、ボルト締結部材21を正規位置に位置させた状態で治具を用いて保持し、この状態で溶接により固定する。
一方、カウンタウエイト8には、前記締結ボルト15が挿通されるボルト挿通孔8bが、カウンタウエイト8を前後に貫通する状態で形成されている。そしてカウンタウエイト8をカウントウエイト支持部16に支持せしめる場合には、カウンタウエイト8の前面8aをベース部材20のカウンタウエイト取付け座面20aに面接触状態で当接させた状態で、カウンタウエイト8の後方側からボルト挿通孔8bに挿通した締結ボルト15を、ベース部材20のボルト孔20bを貫通させてボルト締結部材21の締結孔21aに螺入して締結する。これによりカウンタウエイト8はカウンタウエイト支持部16に支持されるが、この場合に、前述したようにカウンタウエイト取付け座面20aおよび締結孔21aが正規位置に位置するように位置調整されており、これによりカウンタウエイト8を正規位置に取付けることができるようになっている。
叙述の如く構成された実施の形態において、カウンタウエイト8は、旋回フレーム9の後部に設けられるカウンタウエイト支持部16に締結ボルト15を介して支持されるが、該カウンタウエイト支持部16は、旋回フレーム9の後部に立設固定される支持プレート17と、旋回フレーム9に固定された状態の支持プレート17に取付けられ、カウンタウエイト8に当接するとともに前記締結ボルト15が締結されるサポート部材18とを用いて構成される一方、該サポート部材18は、前記支持プレート17に開設された貫通孔17aに前後位置調整自在に嵌合固定され、カウンタウエイト8に当接するカウンタウエイト取付け座面20aを有したベース部材20と、該ベース部材20に上下左右位置調整自在に固定され、前記締結ボルト15が締結される締結孔21aを有したボルト締結部材21とから構成されている。
この様に、本実施の形態にあっては、旋回フレーム9に固定された状態の支持プレート17にサポート部材18を取付けることになるため、該サポート部材18を、旋回フレーム9の組立て時における溶接歪等による支持プレート17の位置ずれを考慮して取付けできることになるが、この場合にサポート部材18は、支持プレート17に対して前後位置調整自在で、カウンタウエイト取付け座面20aを有するベース部材20と、該ベース部材20に対して上下左右位置調整自在で、締結孔21aを有するボルト締結部材21とから構成されており、而して、ベース部材20の前後位置調整によってカウンタウエイト取付け座面20aのの前後位置調整を行うことができ、さらにボルト締結部材21の上下左右位置調整によって締結孔21aの上下左右位置調整を行うことができることになって、カウンタウエイト取付け座面20aおよび締結孔21aの位置精度を大幅に向上させることができる。これにより、カウンタウエイト8の取付け作業を精度よく行うことができて、カウンタウエイト取付け座面20aや締結孔21aの位置ずれによってカウンタウエイト8とエンジンルーム7を覆うカバー体やスカートチャンネル13L、13Rとの間に隙間や段差が生じて外観が損なわれたりする不具合を、確実に防止することができる。
さらにこのものにおいて、前記ベース部材20は、ボルト締結部材21を固定した状態で該ボルト締結部材21の締結孔21aに連続するボルト孔20bを有しており、そして、カウンタウエイト8側から挿入された締結ボルト15は、上記ベース部材20のボルト孔20bを貫通してボルト締結部材21の締結孔21aに締結されることになるが、この場合にボルト孔20bの孔径は、ボルト締結部材21の上下左右位置調整に伴う締結孔21aの変位に対応できるよう大径に形成されている。これにより、ボルト締結部材21を上下左右方向に調整移動させることで締結孔21aの軸心がボルト孔20bの軸心からずれても、締結ボルト15をベース部材20に干渉することなくボルト孔20bを貫通させて締結孔21aに締結させることができる。
尚、本発明は上記実施の形態(第一の実施の形態)に限定されないことは勿論であって、第一の実施の形態のサポート部材18は、ベース部材20の前面がカウンタウエイト8に当接するカウンタウエイト取付け座面20aになっているとともに、ベース部材20の後面にボルト締結部材21が固定される構成になっているが、図7(A)に示す第二の実施の形態のサポート部材22は、ベース部材23の前面にボルト締結部材24が固定されるとともに、該ボルト締結部材24の前面がカウンタウエイト8に当接するカウンタウエイト取付け座面24aになっている。そして、このようにボルト締結部材24にカウンタウエイト取付け座面24aが形成されていても、ベース部材23の前後位置調整によってカウンタウエイト取付け座面24aの前後位置を調整することができる。尚、図7(A)において、第一の実施の形態と同一のものは同一の符号を付してある。また、図7(A)中、23aはベース部材23に形成されるボルト孔、24bはボルト締結部材24に形成される締結孔であって、ベース部材23のボルト孔23aがボルト締結部材24の上下左右位置調整に伴う締結孔24bの変位に対応できるように大径になっていることは、第一の実施の形態と同様である。
また、図7(B)に示す第三の実施の形態のサポート部材27は、前記第二の実施の形態と同様に、ベース部材28の前面にボルト締結部材29が固定されるとともに、該ボルト締結部材29の前面がカウンタウエイト8に当接するカウンタウエイト取付け座面29aになっているが、この第三の実施の形態のものでは、ボルト締結部材29の前後長が長く設定されていて、該ボルト締結部材29に形成される締結孔29bの後端から締結ボルト15の先端が突出しないようになっている。このものでは、ベース部材28のボルト孔は不要となる。尚、図7(B)において、第一の実施の形態と同一のものは同一の符号を付してある。
さらに、図8に示す第四の実施の形態のものでは、支持プレート25に開設された貫通孔25aと該貫通孔25aに嵌合されたベース部材26とのあいだに、ベース部材26を貫通孔25aに固定する前の段階で、支持プレート25に対するベース部材26の傾きを調整するための間隙Sが形成されている。そして、ベース部材26は、カウンタウエイト取付け座面26aが正規位置のカウンタウエイト8の前面8aと平行になるように傾きの調整が行われた状態で、溶接により支持プレート25に固定されるようになっているとともに、該溶接により前記間隙Sが埋められるようになっている。このように、ベース部材26を支持プレート25に対して傾き調整自在に固定する構成にすることにより、溶接歪等により支持プレート25が前後上下左右方向に傾いた状態で旋回フレーム9に固定されてしまった場合であっても、カウンタウエイト取付け座面26aが正規位置のカウンタウエイト8の前面8aと平行になるように傾きを調整することができて、機械加工を施さずとも、機体(車体フレーム)の水平基準に対する垂直度を確実に確保できるとともに、カウンタウエイトとサポート部材との取付け座面同士の平面度を確保できる。尚、図8には、支持プレート25が上下方向に傾いた場合を例として示すとともに、判りやすくするため傾きおよび隙間Sを大きく図示してある。また、図8に示すものではベース部材26にカウンタウエイト取付け座面26aが設けられているが、前述した第二、第三の実施の形態のようにボルト締結部材にカウンタウエイト取付け座面が設けられているものであっても、支持プレートに対するベース部材の傾きを調整することによって機体の水平基準に対する垂直度を確保できることは勿論である。
さらに、前記第一〜第四の実施の形態のものでは、支持プレートにベース部材を前後位置調整自在に取付けるにあたり、支持プレートに開設された貫通孔にベース部材が前後位置調整自在に嵌合固定される構成になっているが、このように支持プレートに貫通孔が開設されたものに限定されることなく、例えば、図9に示す第五の実施の形態のものでは、支持プレート30の上部の左右両側に凹部30aが切欠き形成されており、該凹部30aにベース部材31が前後位置調整自在に固定されるようになっている。さらに、この第五の実施の形態のものにおいて、ベース部材31は、支持プレート30と左右のメインフレーム11L、11Rの上面11bとのコーナー部に溶着される補強プレート19の左右両側に当接する状態で凹部30aに取付けられており、これにより、ベース部材31の取付けの強化が図られている。また、支持プレート30の左側下部、右側下部には、第一の実施の形態と同様の貫通孔30bが形成されているとともに、該貫通孔30bには第一の実施の形態と同様にしてベース部材31が取付けられている。尚、図9において、第一の実施の形態と同一のものは同一の符号を付してある。また、図9中、32はベース部材31に前後左右位置調整自在に固定されるボルト締結部材、32aはボルト締結部材32に形成される締結孔である。さらに、第五の実施の形態のものでは、ベース部材31にカウンタウエイト取付け座面が設けられる構成になっているが、前述した第二、第三の実施の形態のようにボルト締結部材にカウンタウエイト取付け座面が設けられているものであっても、第五の実施の形態の如く、支持プレートに形成された凹部にベース部材を前後位置調整自在に固定する構成にすることもできることは勿論である。さらにまた、第五の実施の形態のものにおいても、前記第四の実施の形態の如く、支持プレート30に対するベース部材31の傾きを調整することで、機体の水平基準に対する垂直度を確保することができる。
本発明は、油圧ショベル等の建設機械において、機体バランスをとるためのカウンタウエイトを取付ける場合に利用することができる。
8 カウンタウエイト
9 旋回フレーム
15 締結ボルト
16 カウンタウエイト支持部
17 支持プレート
17a 貫通孔
18 サポート部材
20 ベース部材
20a カウンタウエイト取付け座面
20b ボルト孔
21 ボルト締結部材
21a 締結孔
22 サポート部材
23 ベース部材
23a ボルト孔
24 ボルト締結部材
24a カウンタウエイト取付け座面
24b 締結孔
25 支持プレート
25a 貫通孔
26 ベース部材
26a カウンタウエイト取付け座面
27 サポート部材
28 ベース部材
29 ボルト締結部材
29a カウンタウエイト取付け座面
29b 締結孔
30 サポート部材
31 ベース部材
32 ボルト締結部材
32a 締結孔

Claims (3)

  1. カウンタウエイトを備えた建設機械において、該カウンタウエイトを車体フレームの後部に設けられるカウンタウエイト支持部に締結ボルトを介して支持するにあたり、
    前記カウンタウエイト支持部は、車体フレームの後部に立設固定される支持プレートと、車体フレームに固定された状態の支持プレートに取付けられ、カウンタウエイトに当接するとともに前記締結ボルトが締結されるサポート部材とを用いて構成され、
    該サポート部材は、前記支持プレートに前後位置調整自在に固定されるベース部材と、該ベース部材に上下左右位置調整自在に固定され、前記締結ボルトが締結される締結孔を有したボルト締結部材と、ベース部材またはボルト締結部材に形成され、カウンタウエイトに当接するカウンタウエイト取付け座面とから構成されることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造。
  2. 請求項1において、ベース部材は、ボルト締結部材を固定した状態で締結孔に連続するボルト孔を有するとともに、該ボルト孔の孔径は、ボルト締結部材の上下左右位置調整に伴う締結孔の変位に対応できるよう大径に形成されていることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造。
  3. 請求項1または2において、ベース部材は、支持プレートに、該支持プレートに対して傾き調整自在に固定されることを特徴とする建設機械におけるカウンタウエイト支持構造。
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