JP6497156B2 - 導電性に優れた鋼線材 - Google Patents
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Description
C:0.40〜0.70%、
Si:0.02〜0.15%、
Mn:0.10〜0.60%、
を含有すると共に、
N:0.010%以下、
P:0.03%以下、
S:0.03%以下
に制限し、
Al:0.001〜0.07%またはTi:0.002〜0.05%のいずれか一方を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物から成り、
断面内の金属組織が80%以上のパーライト組織で、且つ20%以下のフェライト組織を含み、
前記パーライト組織の平均ラメラー間隔が100〜170nmであり、更に前記パーライト中のラメラーセメンタイトの平均長さが1.5μm以下であることを特徴とする、導電性に優れた鋼線材。
Cr:0.01〜0.7%、
V:0超〜0.1%以下、
Nb:0超〜0.05%以下、
Mo:0超〜0.2%以下、
B:0.0003〜0.003%
よりなる群から選択される少なくとも1種類以上を含有する、前記[1]に記載の導電性に優れた鋼線材。
電気抵抗[μΩ・cm]≦0.0033×TS[MPa]+14.3・・・(1)
Cはセメンタイト分率を増加させると共に、パーライト組織のラメラー間隔を微細化させて強度を増す効果がある。0.40%未満では、本発明で規定する強度を満足するパーライト組織を作りこむことが困難となる。0.70%を超えると導電率が低下するため、上限を0.7%とする。
Siは、固溶強化によって鋼材の強度を高めるのに有効な成分であり、また脱酸剤としても必要な成分である。しかし、Siの含有量が0.02%未満ではSiの添加効果が十分でない。一方、Siはパーライト組織中において、フェライト中に分配することで電気抵抗率を高める効果が大きく、0.35%を超えて含有させると電気抵抗率を顕著に低下させる。よってSiの含有量は0.02〜0.35%と定める。より低い電気抵抗率を得るためには、Si含有量を0.25%以下にすることが好ましい。より好ましくは0.15%以下である。 また、Siの含有量が少ない場合は亜鉛めっき時の合金層の成長が助長され、ワイヤの疲労特性が低下するため、亜鉛めっきを前提とする場合、Si含有量の下限値を、好ましくは0.05%以上とする。
Mnは脱酸元素であるとともに、鋼中のSをMnSとして固定し熱間脆性を防止する作用を有する成分である。しかし、Mn含有量が0.10%未満では前記作用による効果が十分でない。また、Mnは、パテンティング時の焼入れ性を向上させフェライト組織率を低減させると共に強度を増す効果があるが、鋼の導電率を低下させる。従って、Mnの上限を0.90%とする。また、鋼の焼入れ性を十分担保すると共に、導電率も確保するためには、Mnの含有量の上限を、好ましくは0.75%以下、更に好ましくは0.60%以下とする。
Nは、冷間加工時のひずみ時効により延性を低下させると共に、特に0.010%を超えると線材段階での延性も低下させると共に導電率も低下する。したがって、N含有量を0.010%以下に規制する。より好ましくは0.008%以下、更に好ましくは0.005%以下とする。
Pは、フェライトの固溶強化に寄与するが、同時に延性を大幅に低下させる。特に、P含有量が0.03%を超えると伸線加工性の低下が著しくなる。したがって、P含有量は0.02%以下に規制する。より好ましくは0.012%以下である。
Sは、赤熱脆性を引き起こす元素であると共に、延性を低下させる元素である。S含有量が0.03%を超えるとワイヤの延性の低下が著しくなることから、Sの含有量を0.02%以下に規制する。より好ましくは0.01%以下である。
Crは、焼入れ性向上元素であるとともに、パ−ライトのラメラ間隔を小さくして線材の引張強さを高める元素である。この効果を得るためには、0.01%以上の含有量が必要である。より好ましくは0.02%以上である。一方で、Crの分配が起こり難いパテンティング条件では、導電率が低下するため、その上限を0.7%とする。
Alは脱酸元素であるとともに、窒化物として窒素の固定とオーステナイト粒径の制御に有効な元素である。0.001%未満ではこの効果が得難い。また、フェライト中で窒化物として固定されずフリーAlとして存在すると、導電率を低下させる。そのため、その上限値を0.07%とする。より好ましくは0.05%以下である。
Tiは脱酸元素であるとともに、炭窒化物としてオーステナイト粒径の制御に有効な元素である。この効果を得るためには、0.002%以上の添加が必要である。一方で、0.05%を超えて添加すると、製鋼段階で粗大な窒化物が混入する可能性があると共に、パテンティング処理中に炭化物が析出し延性を低下させるため、含有量の上限を0.05%とする。好ましくは0.03%未満である。
Vは焼入れ性向上元素であると共に、炭窒化物として析出し鋼材の強化向上に寄与する。過剰な添加は変態終了時間が長くなると共に、粗大な炭窒化物析出により延靭性が低下するため、その上限を1.0%とする。
Nbは焼入れ性向上元素であるとともに、炭化物としてオーステナイト粒径の制御に寄与する元素である。一方で、含有量が0.05%を超えると、パテンティング時の変態終了時間が長くなるため、含有量を0.05%以下とした。より好ましくは0.002〜0.02%以下である。
Moは焼入れ性を向上させフェライト組織率を低減させる元素である。過剰な添加は変態終了時間が長くなるため、0.2%を上限とする。
Bは焼入れ性向上元素であるとともに、フェライト相の生成を抑制しパーライト組織率を向上させる。この効果を得るためには、Bを0.0003%以上の含有量とする必要がある。一方で、含有量が0.003%を超えると、パテンティング段階での過冷オーステナイト状態でオーステナイト粒界上にM23(C,B)6を析出させ、ワイヤの延性を阻害する。以上のことから、Bの含有量を0.0003〜0.003%とする。より好ましくは0.002%以下である。
Claims (3)
- 鋼成分が質量%で、
C:0.40〜0.70%、
Si:0.02〜0.15%、
Mn:0.10〜0.60%、
を含有すると共に、
N:0.010%以下、
P:0.03%以下、
S:0.03%以下
に制限し、
Al:0.001〜0.07%またはTi:0.002〜0.05%のいずれか一方を含有し、
残部はFeおよび不可避不純物から成り、
断面内の金属組織が80%以上のパーライト組織で、且つ20%以下のフェライト組織を含み、
前記パーライト組織の平均ラメラー間隔が100〜170nmであり、更に前記パーライト中のラメラーセメンタイトの平均長さが1.5μm以下であることを特徴とする、導電性に優れた鋼線材。 - 更に、鋼成分が質量%で、
Cr:0.01〜0.7%、
V:0超〜0.1%以下、
Nb:0超〜0.05%以下、
Mo:0超〜0.2%以下、
B:0.0003〜0.003%
よりなる群から選択される少なくとも1種類以上を含有する、請求項1に記載の導電性に優れた鋼線材。 - 更に、引張強さTSが650MPa以上で、且つ引張強さTSと電気抵抗[μΩ・cm]との関係が、下式(1)を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性に優れた鋼線材。
電気抵抗[μΩ・cm]≦0.0033×TS[MPa]+14.3・・・(1)
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JP2015060540A JP6497156B2 (ja) | 2015-03-24 | 2015-03-24 | 導電性に優れた鋼線材 |
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JP2015060540A JP6497156B2 (ja) | 2015-03-24 | 2015-03-24 | 導電性に優れた鋼線材 |
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