JP6496503B2 - 障害釘調整用工具 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機の遊技盤面に並設された複数の障害釘を調整するための障害釘調整用工具に関する。
遊技領域に遊技球を打ち込むことで遊技を行うパチンコ遊技機にあっては、遊技盤面における遊技領域に多数の障害釘が打設されている。このような障害釘は、例えば、真鍮製の釘等が使用されており、遊技盤の製造時において機械により遊技盤面に打設された多数の障害釘の遊技盤面に対する角度調整等を、作業員等が障害釘の調整用工具を用いて容易に行うことができるようになっている。また、パチンコ遊技機が遊技場にて使用され、遊技球の衝撃により障害釘の遊技盤面に対する角度が変化してしまった場合等において、遊技場の作業員等が障害釘の調整用工具を用いて障害釘を調整することがある。
この種の障害釘調整用工具として、例えば、握り部を閉じると工具先端部の間隔が狭くなり、握り部を開くと工具先端部の間隔が広くなるペンチ構造を有し、2本の釘の開閉間隔を調整する障害釘調整用工具等があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−69284号公報
上記特許文献1に記載の障害釘調整用工具は、2本の障害釘を同時に調整する工具であるため、例えば、いわゆる「連釘」といった複数の障害釘が互いに近接して並設された各障害釘の調整を行うことが困難であるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、遊技機の遊技盤面に並設された複数の障害釘の調整を行うことができる障害釘調整用工具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の障害釘調整用工具は、
遊技機の遊技盤面に並設された複数の障害釘を調整するための障害釘調整用工具であって、
前記障害釘の胴部を挟む狭小部と、
前記狭小部から延設される延設部と、
を備え、
前記延設部において前記狭小部に前記胴部が挟まれた障害釘の頭部に対応する対応部の肉厚は、前記遊技盤面に並設された複数のうち一の障害釘の頭部と該一の障害釘に隣り合う他の障害釘の頭部との間隔よりも薄く、
前記狭小部の上端面は球面状に形成され
前記狭小部は、長手方向に前記胴部の外径より広い第1間隔を有する断面略U形状の第1周壁部を有し、
前記延設部は、長手方向に前記第1間隔より広い第2間隔を有し、前記第1周壁部の肉厚より薄い断面U形状の第2周壁部を有し、
前記第2周壁部には前記延設部に収容した前記障害釘の頭部に対応する左右側部に切欠凹部が形成されている
ことを特徴としている
発明の手段1に記載の障害釘調整用工具は、
遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)の遊技盤面(例えば、遊技盤面2a)に並設された複数の障害釘(例えば、障害釘200)を調整するための障害釘調整用工具(例えば、障害釘調整用工具300)であって、
前記障害釘の胴部(例えば、胴部200a)を挟む狭小部(例えば、挟持部310)と、
前記狭小部から延設される延設部(例えば、延設部320)と、
を備え、
前記延設部において前記狭小部に前記胴部が挟まれた障害釘の頭部(例えば、頭部200b)に対応する対応部(例えば、対応部331a)の肉厚(例えば、肉厚L16)は、前記遊技盤面に並設された複数のうち一の障害釘の頭部と該一の障害釘に隣り合う他の障害釘の頭部との間隔(例えば、離間寸法L2)よりも薄い(L16<L2)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、延設部における対応部の肉厚が隣り合う障害釘の頭部の間隔よりも薄いことで、障害釘の胴部を狭小部により挟むときに延設部における対応部を隣り合う障害釘の頭部の間に配置することができるため、隣り合う障害釘に干渉させることなく、障害釘の遊技盤面に対する角度を調整することができる。
本発明の手段2の障害釘調整用工具は、手段1に記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)は、第1壁部(例えば、第1壁部312L)と該第1壁部に対し前記胴部(例えば、胴部200a)の外径(例えば、直径φ1)より広い間隔(例えば、左右寸法L11)を有して配置される第2壁部(例えば、第2壁部312R)とにより構成され、
前記第1壁部及び前記第2壁部の肉厚(例えば、肉厚L12,L13)は、前記遊技盤面(例えば、遊技盤面2a)に並設された複数のうち一の障害釘(例えば、障害釘200)の胴部と該一の障害釘に隣り合う他の障害釘の胴部との間隔(例えば、離間寸法L3)よりも薄い(L12,L13<L3)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1壁部及び第2壁部の肉厚が隣り合う障害釘の胴部の間隔よりも薄いことで、障害釘の胴部を狭小部により挟むときに、第1壁部と第2壁部とを隣り合う障害釘の胴部の間に配置することができるため、隣り合う障害釘に干渉させることなく、障害釘の遊技盤面に対する角度を調整することができる。
本発明の手段3の障害釘調整用工具は、手段1または2に記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)は、第1壁部(例えば、第1壁部312L)と該第1壁部に対し前記胴部(例えば、胴部200a)の外径(例えば、直径φ1)より広い間隔(例えば、左右寸法L11)を有して配置される第2壁部(例えば、第2壁部312R)とにより構成され、
前記延設部(例えば、延設部320)における対応部(例えば、対応部331a)は略板状に形成され、前記第1壁部と前記第2壁部との対向面(例えば、対向面312a)に対し非平行をなすように設けられている(例えば、対応部331aは、対向面312aに対し略直交するように設けられている(図7(C)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1壁部または第2壁部を障害釘の胴部に押し当てて曲げる際に、板状の対応部の面方向に力が作用することがないので、対応部が折れ曲がりにくくなる。
本発明の手段4の障害釘調整用工具は、手段1〜3のいずれかに記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)及び前記延設部(例えば、延設部320)は、棒状部材(例えば、棒状部301)に形成され、
前記狭小部は、前記棒状部材の先端部に形成されている(図4参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、溝部や延設部を切削加工等により容易に形成することができる。
本発明の手段5の障害釘調整用工具は、手段1〜4のいずれかに記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)は、第1壁部(例えば、第1壁部312L)と該第1壁部に対し前記胴部(例えば、胴部200a)の外径(例えば、直径φ1)より広い間隔(例えば、左右寸法L11)を有して配置される第2壁部(例えば、第2壁部312R)とにより構成され、
前記第1壁部及び前記第2壁部の肉厚(例えば、肉厚L12,L13)は、前記対応部(例えば、対応部331a)の肉厚(例えば、肉厚L16)よりも厚い(L12,L13>L16)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、障害釘を曲げる際に力がかかる部分の剛性を高めることができる。
本発明の手段6の障害釘調整用工具は、手段1〜5のいずれかに記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)は、第1壁部(例えば、第1壁部312L)と該第1壁部に対し前記胴部(例えば、胴部200a)の外径(例えば、直径φ1)より広い間隔(例えば、左右寸法L11)を有して配置される第2壁部(例えば、第2壁部312R)とにより構成され、
前記延設部(例えば、延設部320)における対応部(例えば、対応部331a)において、前記第1壁部と前記第2壁部との対向面(例えば、対向面312a)に対し直交する方向の寸法(例えば、左右寸法L17)は、前記第1壁部及び前記第2壁部の肉厚(例えば、肉厚L12,L13)よりも長い(L17>L12,L13)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、対応部において、第1壁部または第2壁部を障害釘の胴部に押し当てて曲げる際に力が作用する方向の寸法が長くなるので、対応部が折れ曲がりにくくなる。
本発明の手段7の障害釘調整用工具は、手段1〜6のいずれかに記載の障害釘調整用工具であって、
前記狭小部(例えば、挟持部310)の長さ寸法(例えば、上下寸法L10)は、前記障害釘(例えば、障害釘200)における前記遊技盤面(例えば、遊技盤面2a)から前記頭部(例えば、頭部200b)までの長さ寸法(例えば、長さL1)よりも短い(L10<L1)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、障害釘の胴部を基端部以外の個所から曲げることも可能となる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
実施例における遊技機を示す斜視図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 (A)は普通入賞球装置の周辺の釘配列を示す図、(B)は(A)のE−E断面図である。 障害釘調整用工具を示す正面図、左側面図、背面図及び平面図である。 障害釘調整用工具の先端部を示す斜視図である。 (A)は障害釘調整用工具の先端部を示す拡大左側面図、(B)は拡大正面図である。 (A)は図6(B)のA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)はD−D断面図である。 (A)は挟持部で障害釘を挟んだ状態を示す説明図、(B)は(A)のF−F断面図である。 (A)は障害釘の左右方向の角度を調整している状態を示す説明図、(B)は(A)のG−G断面図である。 (A)は障害釘と障害釘調整用工具との関係を示す断面図、(B)は(A)の状態から障害釘調整用工具を約90度右回転した状態を示す断面図、(C)は障害釘の左右方向の角度を調整している状態を示す説明図である。 (A)は左側に曲がった障害釘を挟持部にて挟持した状態を示す平面図、(B)は曲げを直している状態を示す側方断面図である。 開示事項としての障害釘調整用工具を示す正面図、左側面図及び背面図である。 障害釘調整用工具の挟持部を示す正面図、平面図及び底面図である。 (A)は挟持部で障害釘を挟んだ状態を示す説明図、(B)は(A)のH−H断面図である。 (A)は調整前の障害釘の状態を示す説明図、(B)は調整後の障害釘の状態を示す説明図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面見略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
図1に示すように、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面2aに障害釘200(図3参照)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されている。尚、本実施例では、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていたが、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成され、前面である遊技盤面2aに障害釘200等が植設される盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から構成されていてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の白色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の白色表示とする。
図1に示す例では、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
また、遊技盤2の遊技盤面2aにおける遊技領域10には、遊技球の流下方向や速度を変化させる多数の障害釘200や風車等の障害物が設けられている。具体的には、図3(A)及び図3(B)に示すように、普通入賞球装置6Aの左右側方には、複数の障害釘200が互いに近接して並設されてなる誘導釘201L,201R、202L,202Rがそれぞれ上下に設けられている。
誘導釘201L,201Rは、左右側方から中央の普通入賞球装置6Aに向けてそれぞれ下方に傾斜するように並設され、普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口に向けて遊技球を誘導する。また、誘導釘202L,202Rは、左右側方から中央の普通可変入賞球装置6Bに向けてそれぞれ下方に傾斜するように並設され、普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口に向けて遊技球を誘導する。尚、これら誘導釘201L,201R、202L,202Rそれぞれの所定箇所には、遊技球の通過を可能とする渡り203が設けられているが、渡り203は設けられなくてもよい。
また、普通入賞球装置6Aの上方には、普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口の上方左右側に一対の障害釘200が互いに遊技球を通過可能な間隔を隔てて並設されており、これら複数の障害釘200は、普通入賞球装置6Aの第1始動入賞口に向けて遊技球を誘導するいわゆる命釘204を構成している。尚、障害釘200は、上記以外の個所にも複数配設されている。
これら障害釘200は、例えば、真鍮材からなり、図3(B)に示すように、直径φ1が約1.85mm(φ1=約1.85mm)の円柱状の胴部200a(本体部とも言う)と、該胴部200aの一端側に形成される直径Sφ2が約4.2mm(Sφ2=約4.2mm)の球面状の頭部200b(釘笠とも言う)と、から構成される。障害釘200は、遊技盤面2aに予め形成される孔部2dに機械により打設されることにより遊技盤面2aに立設され、立設された状態において、遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1が約16.8mm(L1=約16.8mm)とされている。また、胴部200aの他端側にはネジ溝200cが形成されている。このネジ溝200cによって、孔部2d内に挿入された胴部200aと孔部2dの内周面との間に生じる摩擦力により障害釘200が遊技盤2から抜け落ちることが防止されている。
また、障害釘200を打設するための孔部2dは、図8(B)に示すように、遊技盤面2aに対して直交する垂線Tに対し上方に向けて角度θ1(θ1=約4度)傾斜して形成される。よって、障害釘200も垂線Tに対して頭部200b側が上方に向けて約4度傾斜して立設されるため、障害釘200に衝突した遊技球Pが極力遊技盤2側に跳ね返るようにしている。
図3(B)に示すように、誘導釘201L,201R、202L,202Rは、複数のうち隣り合う一の障害釘200の頭部200bと他の障害釘200の頭部200bとの離間寸法L2は約2〜3mm(L2=約2〜3mm)とされている。また、複数のうち隣り合う一の障害釘200の胴部200aと他の障害釘200の胴部200aとの離間寸法L3は約4〜5mmとされ、遊技球の直径Sφよりも短寸かつ離間寸法L2よりも長寸とされ(L2<L3<Sφ)、隣り合う障害釘200の間からの遊技球の落下が防止されるとともに、遊技球をスムーズに流下させることができるようにしている。
また、命釘204を構成する左右の障害釘200を打設するための左右の孔部2dは、例えば、図15に示すように、左側の孔部2dが遊技盤面2aに対して直交する垂線Tに対し左方に向けて角度θ2(例えば、θ2=約4度)傾斜して形成され、右側の孔部2dが遊技盤面2aに対して直交する垂線Tに対し右方に向けて角度θ2(例えば、θ2=約4度)傾斜して形成されている。よって、左右の障害釘200は垂線Tに対して左方と右方とに向けてそれぞれ約4度傾斜して立設されるため、頭部200bに向けて左右の胴部200aの離間寸法が漸次広くなる。尚、左右の胴部200aの離間寸法は、遊技球の直径Sφ(例えば、Sφ=約11mm)よりも長寸とされ、左右の障害釘200の間を遊技球が通過可能となっている。
また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、アウト球スイッチ24は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(ReadOnlyMemory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(RandomAccessMemory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(CentralProcessingUnit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
また、本実施例では、演出表示装置5は遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じた処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。
変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
特別図柄通常処理や変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。
大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、障害釘200を調整するための障害釘調整用工具300について説明する。図3は、(A)は普通入賞球装置の周辺の釘配列を示す図、(B)は(A)のE−E断面図である。図4は、障害釘調整用工具を示す正面図、左側面図、背面図及び平面図である。図5は、障害釘調整用工具の先端部を示す斜視図である。図6は、(A)は障害釘調整用工具の先端部を示す拡大左側面図、(B)は拡大正面図である。図7は、(A)は図6(B)のA−A断面図、(B)はB−B断面図、(C)はC−C断面図、(D)はD−D断面図である。図8は、(A)は挟持部で障害釘を挟んだ状態を示す説明図、(B)は(A)のF−F断面図である。図9は、(A)は障害釘の左右方向の角度を調整している状態を示す説明図、(B)は(A)のG−G断面図である。図10は、(A)は障害釘と障害釘調整用工具との関係を示す断面図、(B)は(A)の状態から障害釘調整用工具を約90度右回転した状態を示す断面図、(C)は障害釘の左右方向の角度を調整している状態を示す説明図である。図11は、(A)は左側に曲がった障害釘を挟持部にて挟持した状態を示す平面図、(B)は曲げを直している状態を示す側方断面図である。尚、以下においては、障害釘調整用工具300について、説明の便宜上、パチンコ遊技機1の上下左右方向を基準とせず、図4の正面図の上下左右方向を基準として説明する。
図4に示すように、本実施例における障害釘調整用工具300は、金属製の棒状部材からなる棒状部301と、該棒状部301の下端側に取り付けられ、合成樹脂材等により棒状部301よりも大径に形成される把持部302と、から主に構成される。
図5〜図7に示すように、棒状部301は、直径φ10が約6mm(φ10=約6mm)の金属製の棒状部材からなり、障害釘200の胴部200aを挟む狭小部としての挟持部310と、挟持部310から該挟持部310にて胴部200aを挟持した障害釘200に沿って延設される延設部320と、を有する。
棒状部301の上端部(先端部)における正面には、棒状部301の長手方向に沿って凹溝311が形成されている。詳しくは、凹溝311は、棒状部301の上端(先端)から下方の把持部302に向けて延設され、凹溝311の長手方向の長さ寸法である上下寸法L10が約9mm(L10=約9mm)とされているとともに、左右寸法L11が約1.9mm(L11=約1.9mm)とされている。よって、上下寸法L10が障害釘200における遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1(L1=約16.8mm)よりも短寸であり(L10<L1)、かつ、左右寸法L11が障害釘200の胴部200aの直径φ1(φ1=約1.85mm)よりも僅かに長寸であることで(L11>φ1)、凹溝311に胴部200aを嵌入可能とされている。
すなわち、胴部200aを挟持する挟持部310は、凹溝311の左側の第1壁部312Lと、該第1壁部312Lに対し胴部200aの直径φ1(外径)より広い間隔である左右寸法L11を隔てて凹溝311の右側に配置される第2壁部312Rと、により構成されている。これら第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aは、棒状部301の軸心に沿って互いに平行をなすように設けられた平坦面とされている。また、これら第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの肉厚L12,L13は約2.05mm(肉厚L12,L13=約2.05mm)とされている。つまり、肉厚L12,L13は、複数のうち隣り合う一の障害釘200の胴部200aと他の障害釘200の胴部200aとの離間寸法L3(例えば、L3=約4〜5mm)よりも短寸とされている(L12,L13<L3)。
また、第1壁部312L及び第2壁部312Rの肉厚L12,L13は、後述する周壁部331の一部を構成する対応部331aの肉厚L16よりも厚くなっているため(L12,L13>L16)、後述するように障害釘200を曲げる際に力がかかる部分の剛性を高めることができる。
また、凹溝311の背面側の上部には切欠部313が形成され、背面側に開放されている。また、凹溝311の背面側の底壁部314における切欠部313側の端部は、上端に向けて外側に傾斜する傾斜面314aが形成されている。傾斜面314aは、棒状部301の軸心に対し平行な仮想線に対し角度θ3(θ3=約20度)傾斜しており、後述するように、障害釘200の胴部200aを切欠部313に挿入させ該傾斜面314aに沿って配置できるようになっている。
また、棒状部301の上端面315は、半径SRが約10mm(SR=約10mm)の球面により上方に膨出するように形成されているが、凹溝311及び切欠部313によって左右に分離されている。つまり、第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの上端面にて構成されている。このように上端面315が球面状に形成されていることで、後述するように遊技盤面2aに上端面315を当接させた状態で(図9参照)、該上端面315を中心として把持部302側を上下左右に揺動させやすくなっている。
挟持部310の下方、つまり、延設部320の上部正面には、挟持部310にて障害釘200を挟持したときに該障害釘200の胴部200aの一部及び頭部200bを収容可能な収容凹部330が形成されている。収容凹部330は、挟持部310の下端から下方に向けて延設され、上下長さL14が約15mm(L14=約15mm)とされている。つまり、後述するように遊技盤面2aに上端面315に当接させた状態で(図9参照)、胴部200aの一部及び頭部200bを収容可能な長さを有している。また、収容凹部330の開口の左右寸法L15は約4.6mm(L15=約4.6mm)とされ、障害釘200の頭部200bの直径Sφ2(Sφ2=約4.2mm)よりも長寸とされている(L15>Sφ2)。
延設部320においてこの収容凹部330を形成する周壁部331は、図7(B)に示すように前向き略U字形に形成され、その肉厚L16は約0.7mm(L16=約0.7mm)とされている。つまり、肉厚L16は、複数のうち隣り合う一の障害釘200の頭部200bと他の障害釘200の頭部200bとの離間寸法L2よりも短寸とされている(L16<L2)。
また、周壁部331における収容凹部330の開口左右側縁上下方向の略中央位置、つまり、後述するように遊技盤面2aに上端面315に当接させた状態において頭部200bが対応する位置には、切欠凹部332L,332Rが周方向に向けて形成されている。切欠凹部332L,332Rは、周壁部331における左右側方が開放されるように形成されているため、周壁部331における切欠凹部332L,332Rに対応する対応部331aは、図7(C)に示すように断面視略円弧形、つまり、ほぼ板状に形成されている。
この周壁部331における対応部331aの肉厚L16は他の部分と同じ約0.7mm(L16=約0.7mm)とされている。また、対応部331aの左右寸法L17、つまり、第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面に対し直交する方向の寸法は、第1壁部312L及び第2壁部312Rの肉厚L12,L13よりも長寸とされている(L17>L12,L13)。
このように、周壁部331における対応部331aは、左右側方の壁部が存在しないため、挟持部310の下部背面側から下方に延設される板状部からなり、挟持部310にて挟持された胴部200aに沿うように延設される延設部320の一部を構成するため、第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aに対し略直交するように設けられている。
次に、誘導釘201L,201R、202L,202Rの調整作業の一例を、図8〜図10に基づいて説明する。尚、誘導釘201L,201R、202L,202Rはほぼ同様に構成されているため、以下においては誘導釘201Lにおける渡り203付近の障害釘200の調整作業について説明し、他の誘導釘201R、202L,202Rの調整作業の説明は省略する。
例えば、誘導釘201Lにおける渡り203の左右側の障害釘200の間隔を広げるために、該渡り203の左側の障害釘200を、機械により打設された基準位置(例えば、遊技盤面2aに対し上向きに約4度傾斜し、左右方向に傾斜しない位置)に対し頭部200b側を左側に傾斜させる調整を行ったことに伴い、渡り203の傾斜上位側の各障害釘200を基準位置に対し左側に傾斜させる調整を行う場合について説明する。
図8(A)に示すように、既に基準位置に対し左側に傾斜させた渡り203の左側の障害釘200のさらに左側の障害釘200の調整を行う場合、作業者は、まず、把持部302を把持して上端面315を遊技盤面2aに向けるとともに、凹溝311の開口を下向きにして対向面312aを上下方向に向け、棒状部301を障害釘200の上方にて胴部200aに対し略平行をなすように配置する。
次いで、図8(B)に示すように、棒状部301を図中白矢印で示すように下降させて凹溝311内に胴部200aを嵌入する。このとき、棒状部301の上端を下方に傾け、凹溝311の開口縁の上端と上端面315との角部から差し込むことで、棒状部301を胴部200aに対し略平行をなすように下降させるときよりもスムーズに凹溝311内に胴部200aを嵌合させることができる。
また、凹溝311内に胴部200aを嵌入し、胴部200aの周面に傾斜面314aを当接させた後、図中黒矢印で示すように上端を中心として下端側を下降させることで、胴部200aにおける遊技盤2側の基端部が第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aからなる挟持部310により左右側から挟持されるとともに、胴部200aにおける頭部200b側と頭部200bとが収容凹部330内に収容される。また、このとき、頭部200bは対応部331aに対応する位置に配置される。
このように、第1壁部312Lの肉厚L12及び第2壁部312Rの肉厚L13は、当該障害釘200の胴部200aと当該障害釘200の左右に隣り合う他の障害釘200の胴部200aとの離間寸法L3より短寸であることで(L12,L13<L3)、当該障害釘200の左右に近接して他の障害釘200が配設されていても、第1壁部312Lと第2壁部312Rとを隣り合う胴部200aの間に差し込んで挟持部310にて挟持することができる。
また、延設部320における収容凹部330の周壁部331の肉厚L16が当該障害釘200の頭部200bと当該障害釘200の左右に隣り合う他の障害釘200の頭部200bとの離間寸法L2よりも短寸とされているため(L16<L2)、当該障害釘200の左右に近接して他の障害釘200が配設されていても、隣り合う頭部200bの間に周壁部331を差し込んで収容凹部330内に胴部200aの一部及び頭部200bを配置することができる。
次いで、図9(A)に示すように、上端面315を遊技盤面2aに当接させ、胴部200aの基端部側の約半分を挟持部310における左右の対向面312aにて挟持した状態で、上端面315を中心として把持部302を左側に向けて略水平に移動させる。これにより、胴部200aの右側面が第1壁部312Lの対向面312aにより左側に押されるため、胴部200aにおける遊技盤面2aから頭部200bまでの間を湾曲させたり屈曲させたりすることなく、胴部200aを遊技盤面2aに対応する基端部にて左側に屈曲させることができる。
尚、上端面315を遊技盤面2aに当接させ、胴部200aの基端部側の約半分を挟持部310における左右の対向面312aにて挟持した状態で、上端面315を中心として把持部302を右側に向けて略水平に移動させれば、胴部200aの左側面が第2壁部312Rの対向面312aにより右側に押されるため、胴部200aにおける遊技盤面2aから頭部200bまでの間を湾曲させたり屈曲させたりすることなく、胴部200aを遊技盤面2aに対応する基端部にて右側に屈曲させることができる。このようにすることで、遊技盤面2aに対する左右方向の傾斜角度を調整することができる。
また、上端面315は球面状に形成されていることで、上端面315を遊技盤面2aに当接させた状態で棒状部301を左側に傾けたときに、角部等が当たること等によって上端面315が遊技盤面2aから離れたりすることがないので、胴部200aを遊技盤面2aに近い位置で屈曲させることができる。
また、周壁部331において収容凹部330に収容された頭部200bに対応する左右側部に切欠凹部332L,332Rが形成されていることで、棒状部301を左側に傾けたときに、左側の障害釘200の頭部200bの右部を収容凹部330内に収容することができるため、左側の障害釘200の頭部200bの右部が周壁部331に接触して傾けることができなくなるといったことを回避することができる。
また、周壁部331における略板状の対応部331aは、第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aに対し略直交するように略水平に設けられていることで、水平方向に向けて外力が加えられたときの方が、上下方向に外力が加えられたときよりも曲がりにくいため、肉厚が薄い対応部331aが折れ曲がることを抑制することができる。
また、図10(A)に示すように、遊技盤面2aに対する左右方向の傾きを調整した後、上下方向の傾きを調整する場合は、図10(B)に示すように、棒状部301を軸心を中心として回転させて、対応部331aを胴部200aの右側(または左側)に配設し、対向面312aを左右方向に向ければよい。
このように、延設部320における収容凹部330の周壁部331における対応部331aの肉厚L16は、当該障害釘200の頭部200bと当該障害釘200の左右に隣り合う他の障害釘200の頭部200bとの離間寸法L2よりも短寸とされているため(L16<L2)、対応部331aを回転させて隣り合う頭部200bの間に配置することができる。
また、図10(C)に示すように、対向面312aを略水平にすることができるので、胴部200aにおける遊技盤面2aから頭部200bまでの間を湾曲させたり屈曲させたりすることなく、胴部200aを遊技盤面2aに対応する基端部にて上側(または下側)に屈曲させる、つまり、遊技盤面2aに対する上下方向の傾斜角度を調整することができる。
また、上記では、障害釘調整用工具300により、胴部200aを遊技盤面2aに対応する基端部にて左右または上下に屈曲させることで、遊技盤面2aに対する左右または上下方向の傾斜角度を調整する操作方法を説明したが、図11(A)に示すように、胴部200aにおける遊技盤面2aから頭部200bまでの間が湾曲したり屈曲した場合において、障害釘調整用工具300により直線状に戻すことができる。
具体的には、図11(B)に示すように、棒状部301を図中白矢印で示すように下降させて凹溝311内に胴部200aを嵌入させるが、このとき、棒状部301の上端を下方に傾け、凹溝311の開口縁の上端と上端面315との角部から差し込むことができるため、胴部200aが湾曲していても、直線状の凹溝311内にスムーズに嵌合させることができる。
そして、胴部200aの周面に傾斜面314aを当接させ、棒状部301の上端を下方に傾けた状態において、挟持部310と頭部200bとは所定距離離間している。つまり、挟持部310を構成する対向面312aの上下寸法L10は、障害釘200における遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1よりも短いことで(L10<L1)、把持部302を手前側に引いて挟持部310を頭部200b側にスライドさせることができる。これにより、湾曲した胴部200aが、互いに平行な対向面312aにより引き延ばされるため、湾曲した胴部200aを容易に直線状に戻すことができる。
尚、上記では、棒状部301の上端を下方に傾けた状態において、挟持部310と頭部200bとは所定距離離間しているため、把持部302を手前側に引いて挟持部310を頭部200b側にスライドさせることができるようになっているが、棒状部301を胴部200aに対し平行にした状態においても、挟持部310と頭部200bとは所定距離離間しているため、把持部302を手前側に引いて挟持部310を頭部200b側にスライドさせることができる。
以上説明したように、本発明の実施例としての障害釘調整用工具300は、パチンコ遊技機1の遊技盤面2aに並設された複数の障害釘200を調整するための工具であって、障害釘200の胴部200aを挟む挟持部310と、挟持部310から延設される延設部320と、を備え、延設部320において挟持部310に胴部200aが挟まれた障害釘200の頭部200bに対応する対応部331aの肉厚L16は、遊技盤面2aに並設された複数のうち一の障害釘200の頭部200bと該一の障害釘200に隣り合う他の障害釘200の頭部200bとの離間寸法L2よりも薄くなっている(L16<L2)。
このように、延設部320における対応部331aの肉厚L16が隣り合う障害釘200の頭部200bの離間寸法L2よりも薄いことで、障害釘200の胴部200aを挟持部310により挟むときに延設部320における対応部331aを隣り合う障害釘200の頭部200bの間に配置することができるため、隣り合う障害釘200に干渉させることなく、障害釘200の遊技盤面2aに対する角度を調整することができる。
尚、本実施例では、障害釘200の胴部200aを挟む狭小部として、凹溝311の左右側に立設される一対の対向面312aにて構成される挟持部310を例示しており、胴部200aの直径φ1が約1.85mmで、凹溝311の左右寸法L11、つまり、対向面312aの離間寸法が約1.9mmであり、胴部200aが凹溝311内に嵌入されたときの隙間が約0.05mmであることで、挟持部310は胴部200aを左右側方から挟持可能なものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、狭小部は、胴部200aの両側に配置されるものであれば、挟んだ状態において胴部200aと対向面312aとの間に隙間(例えば、幅約3〜5mm程度の隙間)が形成されてもよい。つまり、挟持部310は胴部200aを両側から挟むように当接するものに限らず、胴部200aを両側から挟むように配置される壁部等にて構成されていればよい。
また、本実施例では、凹溝311の左右側に立設される平坦面状の対向面312aにて狭小部としての挟持部が構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、胴部200aを挟むように該胴部200aの左右側に配置されるものであれば、平坦面状の対向面312aでなくてもよく、例えば、胴部200aの長手方向における少なくとも2箇所をそれぞれ両側から挟むように配置される第1壁部と第2壁部とを有していれば、胴部200aを途中から曲げることなく、遊技盤面2aに近い個所で屈曲させることが可能となる。
具体的には、例えば、左右の対向面312aにおいて、胴部200aの長手方向における少なくとも2箇所に対応する位置に、胴部200aに当接可能な凸部等を突設し、これら左右の凸部により胴部200aの長手方向における少なくとも2箇所が挟まれるようにしてもよい。
また、挟持部310は、第1壁部312Lと該第1壁部312Lに対し胴部200aの直径φ1より広い左右寸法L11を有して配置される第2壁部312Rとにより構成され、第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの肉厚L12,L13は、遊技盤面2aに並設された複数のうち一の障害釘200の胴部200aと該一の障害釘200に隣り合う他の障害釘200の胴部200aとの離間寸法L3よりも薄い(L12,L13<L3)。
このように、第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの肉厚L12,L13が隣り合う障害釘200の胴部200aの離間寸法L3よりも薄いことで、障害釘200の胴部200aを挟持部310により挟むときに、第1壁部312Lと第2壁部312Rとを隣り合う障害釘200の胴部200aの間に配置することができるため、隣り合う障害釘200に干渉させることなく、障害釘200の遊技盤面2aに対する角度を調整することができる。
また、挟持部310は、第1壁部312Lと該第1壁部312Lに対し胴部200aの直径φ1より広い左右寸法L11を有して配置される第2壁部312Rとにより構成され、延設部320における対応部331aは略板状に形成され、該対応部331aの表裏面が第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aに対し略直交するように設けられていることで、第1壁部312Lまたは第2壁部312Rを障害釘200の胴部200aに押し当てて曲げる際に、板状の対応部331aの面方向に力が作用することがないので、対応部331aが折れ曲がりにくくなる。
尚、本実施例では、延設部320における対応部331aは、表裏面が第1壁部312Lと第2壁部312Rとの対向面312aに対し略直交するように設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、表裏面が対向面312aに対し非平行をなすように設けられていれば、必ずしも対向面312aに対し略直交するように設けられていなくてもよく、例えば、表裏面が対向面312aに対し斜めになるように設けられていてもよい。
また、本実施例では、延設部320は板状に形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、挟持部310から下側に向けて胴部200aに沿うように延設されるものであれば、板状の部材以外の部材(例えば、棒状部材など)にて構成されていてもよい。
また、挟持部310及び延設部320は、棒状部材からなる棒状部301に形成され、挟持部310は、棒状部301の先端部に形成されていることで、挟持部310や延設部320を切削加工等により容易に形成することができる。また、挟持部310及び延設部320は、外形が同じ円柱状部材により長手方向に棒状に形成されているため、調整作業を行うために障害釘200を挟持したり回転させる際も障害釘200を中心に回転するだけで隣の障害釘200などに接触しにくい。
また、特に本実施例では、円柱状の棒状部材に切削加工等を施すことにより挟持部310や延設部320を形成していることで、四角柱状の棒状部材を使用した場合に比べて、隣り合う障害釘200等に接触しにくくなる。
尚、本実施例では、挟持部310及び延設部320は、円柱状の棒状部材からなる棒状部301に切削加工等を施すことにより形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、挟持部310と延設部320とを別個の部材にて形成し、挟持部310に延設部320を連結または接続することで一体化されてなるものであってもよい。
また、挟持部310は、第1壁部312Lと該第1壁部312Lに対し胴部200aの直径φ1より広い左右寸法L11を有して配置される第2壁部312Rとにより構成され、第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの肉厚L12,L13は、対応部331aの肉厚L16よりも厚い(L12,L13>L16)ことで、障害釘200を曲げる際に力がかかる部分の剛性を高めることができる。
また、挟持部310は、第1壁部312Lと該第1壁部312Lに対し胴部200aの直径φ1より広い左右寸法L11を有して配置される第2壁部312Rとにより構成され、延設部320における対応部331aにおいて、第1壁部312Lと該第1壁部312Lとの対向面312aに対し直交する方向である左右寸法L17は、第1壁部312L及び第2壁部312Rそれぞれの肉厚L12,L13よりも長い(L17>L12,L13)ことで、第1壁部312Lまたは第2壁部312Rを障害釘200の胴部200aに押し当てて曲げる際に、板状の対応部331aの面方向に力が作用することがないので、対応部331aが折れ曲がりにくくなる。
また、挟持部310の長さ寸法である上下寸法L10は、障害釘200における遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1よりも短い(L10<L1)ことで、挟持部310により胴部200aを挟持したときに挟持部310と頭部200bとの間が離間し、挟持部310を頭部200b側にスライドさせることができるため、障害釘200の胴部200aを基端部以外の個所から曲げることも可能となる。
また、本実施例では、普通入賞球装置6Aの左右側方に列設された誘導釘201L,201R、202L,202Rの一部の障害釘200を調整する例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1の遊技盤面2aに並設された複数の障害釘200であれば、普通入賞球装置6Aの左右側方に列設された誘導釘201L,201R、202L,202Rに限定されるものでなく、別の個所に複数並設された障害釘200を調整できる工具であってもよい。
また、遊技盤面2aに並設された複数の障害釘200からなる誘導釘201L,201R、202L,202Rは、左右方向の中央側に向けて下方に傾斜するように一直線状に並設されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、互いに近接するように並んで配設されていれば、直線状に並設されていなくてもよく、例えば、湾曲状に配設されていてもよいし、所定箇所に非列状密集して配設されているものであっても複数の障害釘も調整の対象となる。
尚、上記した障害釘200に関わる各種寸法や障害釘調整用工具300に関わる各種寸法は種々に変更可能である。
また、前記実施例では、障害釘調整用工具300は、棒状部301と把持部302とによりドライバーのように構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも狭小部と延設部とを有していれば、把持部302は有していなくてもよく、棒状部301のみにて構成されていてもよいし、狭小部や延設部は、必ずしも棒状部材に形成されていなくてもよい。
(開示事項)
次に、障害釘200のうち特に命釘204を調整するための障害釘調整用工具400について説明する。図12は、開示事項としての障害釘調整用工具を示す正面図、左側面図及び背面図である。図13は、障害釘調整用工具の挟持部を示す正面図、平面図及び底面図である。図14は、(A)は挟持部で障害釘を挟んだ状態を示す説明図、(B)は(A)のH−H断面図である。図15は、(A)は調整前の障害釘の状態を示す説明図、(B)は調整後の障害釘の状態を示す説明図である。尚、以下においては、障害釘調整用工具400について、説明の便宜上、パチンコ遊技機1の上下左右方向を基準とせず、図12の正面図の上下左右方向を基準として説明する。
図12及び図13に示すように、障害釘調整用工具400は、直径φ10が約6mm(φ10=約6mm)の金属製の棒状部材からなる棒状部401と、該棒状部401の下端側に取り付けられ、合成樹脂材等により棒状部401よりも大径に形成される把持部402と、棒状部401の上端側に取り付けられ金属材からなる挟持部403と、から主に構成される。
胴部200aを挟持する挟持部403は、正面視略横長長方形状をなす直方体形状に形成され、正面左右側には、胴部200aの直径φ1(外径)より広い間隔である左右寸法を有する凹溝411L,411Rが、上下方向に向けて形成されている。
図13に示すように、挟持部403の下面左右方向の中央部には棒状部401が接続されており、挟持部403は棒状部401に対し略直交するように設けられている。凹溝411L,411Rは、挟持部403の正面において棒状部401の左右側に離れて形成されており、その離間寸法L20は約10.5mm(L20=約10.5mm)、つまり、遊技球Pの直径Sφ(Sφ=約11mm)よりも若干短寸とされている。
凹溝411L,411Rは、前後寸法L21(深さ)が約5mm(L21=5mm)とされている。また、上下寸法L22は約5.75mm、つまり、障害釘200における遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1(L1=約16.8mm)よりも短寸とされている。
また、凹溝411L,411Rの上端側の左右寸法L23は約2.26mm(L23=約2.26mm)とされ、下端側の左右寸法L24は約2.5mm(L24=約2.5mm)とされている。詳しくは、凹溝411L,411Rそれぞれの内側対向面412aと外側対向面412bとは互いに平坦面とされている。また、凹溝411L,411Rそれぞれの内側対向面412aは、上下方向を向く棒状部301の軸心に沿って延設され、凹溝411L,411Rそれぞれの外側対向面412bは、上端から下端に向けて外側に傾斜する傾斜面とされている。つまり、各内側対向面412aは互いに平行をなし、各外側対向面412bは正面視略ハの字形をなすように設けられているので、外側対向面412bは内側対向面412aに対し非平行である。よって、凹溝411L,411Rにおける上端側の左右寸法L23は、下端側の左右寸法L24よりも短寸とされている(L23<L24)。
また、挟持部403における背面側の左右側辺角部は半径R1が約3mmの曲面とされ(R1=約3mm)、凹溝411L,411Rの上下開口における内側辺角部は半径R2が約1.2mmの曲面とされ(R2=約1.2mm)、凹溝411L,411Rの上開口における外側辺角部は半径R3が約0.8mmの曲面とされ(R3=約0.8mm)、挟持部403における平面側の左右側辺角部は半径R4が約1mmの曲面とされ(R4=約1mm)、それぞれ面取り加工が施されている。
このように、各辺の角部に面取り加工が施されることにより、胴部200aを挟持部403により挟持して調整作業を行う際に、障害釘200や遊技盤面2aに傷をつけたりすることが防止されている。
次に、命釘204の調整作業の一例を、図14及び図15に基づいて説明する。図14に示すように、命釘204である左右の障害釘200は、機械により打設された基準位置において、左側の障害釘200は、遊技盤面2aに対し上向きに約4度、左側に約4度傾斜し、右側の障害釘200は、遊技盤面2aに対し上向きに約4度、右側に約4度傾斜している。図15(A)に示すように、基準位置において、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける基端部側の離間寸法L25は約10.5mm(L25=約10.5mm)、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法L26は約17mm(L26=約17mm)とされている。以下、命釘204の左右の障害釘200の間隔を狭める調整を行う場合について説明する。
図14に示すように、作業者は、まず、把持部402を把持して上端面を遊技盤面2aに向けるとともに、凹溝411L,411Rの開口を下向きにして内側対向面412a,外側対向面412bを上下方向に向け、棒状部401を左右の障害釘200の上方にて各胴部200aに対し略平行をなすように配置する。そして、棒状部401を図中白矢印で示すように下降させて凹溝411L,411R内に各胴部200aを嵌合させる。これにより、左右の障害釘200の胴部200aが、内側対向面412aと外側対向面412bとにより挟持される。
次いで、図15(A)に示すように、挟持部403の上端を遊技盤面2aに当接させる。ここで、挟持部403の上下寸法L22は、障害釘200における遊技盤面2aから頭部200bまでの長さL1よりも短寸とされていることで、挟持部403と各障害釘200の頭部200bとの間は離間しているため、把持部402を手前側に向けて略水平に引き抜くことにより、挟持部403が頭部200b側に向けてスライド移動させることができる。
そして、図15(B)に示すように、挟持部403が各障害釘200の頭部200bに当接する位置まで、図15(B)中の矢印で示すように把持部402を左右方向に振りながら手前側へ移動させると、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法L26は約17mmであるのに対し、各外側対向面412bにおける下端側の離間幅寸法L27は約15.5mm(L27=15.5mm)であるため、左右の障害釘200それぞれの胴部200aの頭部200b側が外側対向面412bにより内側に押されて互いに近づくように屈曲する。これにより、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法が離間幅寸法L27に近づく。
このように、障害釘調整用工具400にあっては、挟持部403により命釘204の左右の障害釘200を凹溝411L,411Rに嵌合して左右側から挟持した状態で、胴部200aに沿って挟持部403をスライド移動させることで、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法を同時に屈曲させて離間幅寸法L27に容易に近づけることができる。
また、例えば、左右の凹溝411L,411Rにおける外側対向面412bの離間幅寸法L27を、上記約15.5mmよりも短寸とすれば、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法をより狭めることができるとともに、離間幅寸法L27を基準位置における約17mmよりも長寸とすれば、左右の障害釘200それぞれの胴部200aにおける頭部200b側の離間寸法を広げることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
2 遊技盤
2a 遊技盤面
200 障害釘
200a 胴部
200b 頭部
201L,201R 誘導釘
300 障害釘調整用工具
301 棒状部
302 把持部
310 挟持部
311 凹溝
312L 第1壁部
312R 第2壁部
312a 対向面
320 延設部
331 周壁部
331a 対応部

Claims (1)

  1. 遊技機の遊技盤面に並設された複数の障害釘を調整するための障害釘調整用工具であって、
    前記障害釘の胴部を挟む狭小部と、
    前記狭小部から延設される延設部と、
    を備え、
    前記延設部において前記狭小部に前記胴部が挟まれた障害釘の頭部に対応する対応部の肉厚は、前記遊技盤面に並設された複数のうち一の障害釘の頭部と該一の障害釘に隣り合う他の障害釘の頭部との間隔よりも薄く、
    前記狭小部の上端面は球面状に形成され
    前記狭小部は、長手方向に前記胴部の外径より広い第1間隔を有する断面略U形状の第1周壁部を有し、
    前記延設部は、長手方向に前記第1間隔より広い第2間隔を有し、前記第1周壁部の肉厚より薄い断面U形状の第2周壁部を有し、
    前記第2周壁部には前記延設部に収容した前記障害釘の頭部に対応する左右側部に切欠凹部が形成されている
    ことを特徴とする障害釘調整用工具。
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