JP6496162B2 - タイヤの振動特性評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤの振動特性を高精度で評価しうるタイヤの振動特性評価方法に関する。
例えば、下記の特許文献1には、タイヤに瞬間的な振動を与えるための突起が設けられた走行ドラムを用いてタイヤの振動特性を評価する評価方法が開示されている。この評価方法では、タイヤのトレッド部が突起を通過する際のタイヤに作用する軸力を測定することで、乗り心地性能や騒音性能に影響を与える振動特性を評価するものである。
一般に、タイヤのトレッド部には、主溝によって区分されたリブが設けられている。発明者らの種々の研究の結果、リブと突起との接触によって生じるタイヤの軸力は、どのリブに突起が接触するかによって変わる。このように、タイヤの振動特性を高精度に評価するためには、各リブに別々に突起を接触させて、評価を行うことが重要である。
しかしながら、従来の評価方法では、突起とタイヤのトレッド部との接触位置について考慮されたものではないため、タイヤの振動特性を高精度で評価できるものではない。
特開2004−85297号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、タイヤの軸力に関する情報を取得する工程を改善することを基本として、タイヤの振動特性を高精度で評価し得る評価方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、トレッド部にタイヤ周方向に連続してのびる主溝によって区分された第1リブ及び第2リブを少なくとも含む複数のリブを具えたタイヤの振動特性を評価するための方法であって、前記タイヤと、前記タイヤに瞬間的な振動を与えるための突起が設けられた走行面を有する走行ドラムとを準備する工程と、前記突起が前記タイヤの前記第1リブのみと接触するように、前記タイヤと前記走行ドラムとを位置決めして前記タイヤを前記走行面上で走行させ、前記タイヤの軸力に関する第1情報を取得する第1走行工程と、前記突起が前記タイヤの前記第2リブのみと接触するように、前記タイヤと前記走行ドラムとを位置決めして前記タイヤを前記走行面上で走行させ、前記タイヤの軸力に関する第2情報を取得する第2走行工程と、前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記タイヤの振動特性を評価する評価工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係るタイヤの振動特性評価方法は、前記第1走行工程と、前記第2走行工程との間に、前記走行面に対する突起の位置を変更する工程を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの振動特性評価方法は、前記第1走行工程と、前記第2走行工程との間に、前記突起に対する前記タイヤの位置を変更する工程を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの振動特性評価方法は、前記評価工程は、前記リブの中で最も大きい軸力が生じたリブを特定する工程を含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの振動特性評価方法は、前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、前記タイヤが前記走行面を1周走行するときに得られる軸力の変化を1サンプルとするとき、複数サンプルを含むのが望ましい。
本発明に係るタイヤの振動特性評価方法は、前記評価工程は、前記第1情報及び前記第2情報それぞれについて、前記複数のサンプルのそれぞれから軸力の最大値を取得する工程と、前記軸力の最大値の平均値を計算する工程と、前記複数のサンプルのうち、軸力の最大値が、前記最大値の平均値よりも大きくかつ2σの範囲のサンプルを周波数分析する工程と、前記周波数分析によって得られたデータの平均を求める工程とを含むのが望ましい。
本発明のタイヤの振動特性評価方法は、トレッド部に複数のリブを具えたタイヤの振動特性を評価するための方法であって、準備工程と、第1走行工程と、第2走行工程と、評価工程とを含む。準備工程では、タイヤと、タイヤに瞬間的な振動を与えるための突起が設けられた走行面を有する走行ドラムとを準備する。第1走行工程では、突起がタイヤの第1リブのみと接触するように、タイヤと走行ドラムとを位置決めしてタイヤを走行面上で走行させて、タイヤの軸力に関する第1情報を取得する。第2走行工程では、突起がタイヤの第2リブのみと接触するように、タイヤと走行ドラムとを位置決めしてタイヤを走行面上で走行させ、タイヤの軸力に関する第2情報を取得する。評価工程では、第1情報と第2情報とに基づいて、タイヤの振動特性を評価する。
このように第1走行工程及び第2走行工程によって、第1リブ及び第2リブに起因するタイヤの軸力に関する情報を個別に取得することができる。従って、本発明のタイヤの振動特性評価方法では、リブ毎に振動特性を評価することができるので、タイヤの振動特性を高精度で評価することができる。また、本発明のタイヤの振動特性評価方法では、タイヤの振動特性に関して改善すべきリブを判断することができるので、振動特性の良いタイヤを容易に開発することができる。
本発明のタイヤの振動特性の評価方法を実施するための台上試験装置の斜視図である。 図1の走行面の拡大図である。 (a)、(b)は、準備工程及び走行工程を説明する走行ドラムの側面図である。 (a)、(b)は、走行工程を説明する走行ドラムの側面図である。 サンプルの軸力−経過時間のグラフの一例である。 リブの全サンプルの最大軸力によるヒストグラムの一例である。 評価範囲にあるサンプルの周波数分析を示すグラフの一例である。 リブ毎の軸力の平均値のグラフの一例である。 (a)乃至(c)は、他の実施形態の走行工程を説明する走行ドラムの側面図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び図2には、本発明のタイヤの振動特性の評価方法に使用される台上試験装置(以下、単に「装置」ということがある。)1が示される。本実施形態の装置1は、例えば、室内でタイヤTの性能を試験することができる。
本実施形態のタイヤの振動特性の評価方法(以下、単に「評価方法」ということがある。)では、乗用車用、自動二輪車用及びトラック・バス用の重荷重用等の種々のタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)Tを評価することができる。タイヤTのトレッド部Taには、タイヤ周方向に連続してのびる主溝Gによって区分された複数本のリブRが設けられている。
装置1は、本実施形態では、周方向に回転可能な走行ドラム2と、走行ドラム2を回転駆動するドラム駆動手段3と、タイヤTを回転可能に保持するタイヤ保持手段4と、回転時のタイヤTの軸力を測定する測定手段5とを具える。
走行ドラム2は、本実施形態では、タイヤTが走行可能な走行面2aを外周面6Sに有する円筒状のドラム本体6と、この走行面2aに設けられた突起7とを具える。このような走行面2aは、タイヤTを連続走行可能にする。
走行面2aは、例えば、ISO路面規格の粒度曲線(ISO10844の付属書C設計のガイドラインに記載のアスファルト混合物の粒度曲線許容範囲参照)に合わせた材料(図示省略)で形成されるのが望ましい。これにより、実際のアスファルト路面に近い状態を再現できる。なお、走行面2aは、このような態様に限定されるものではなく、例えば、コンクリート材料で形成されても良いし、金属材料で形成されても良い。
特に限定されるものではないが、走行面2a(ドラム本体6の外周面6S)は、その幅wが500〜2000mm程度、半径rが800〜2000mm程度に設定され、タイヤTよりも大きく形成されている。
突起7は、本実施形態では、走行面2a上に1つ設けられている。これにより、タイヤTと突起7との接触によって励起された振動が完全に収束するまで、タイヤTと突起7との再接触が抑制されるので、正確にタイヤTの振動特性を評価することができる。なお、突起7の個数は、このような態様に限定されるものではなく、突起7による振動が収束する範囲で走行面2a上のタイヤ軸方向に同じ位置で複数設けられていても良い。
本実施形態の突起7は、走行ドラム2の走行面2aから突出する外側部7aと、走行面2aに設けられた凹部8に脱着可能に保持される内側部7bとを含んで形成される。これにより、形状や大きさの異なる外側部7aを複数種類用意することで、異なるタイヤ材料やタイヤの大きさに適した突起7を用いることできるので、より精度良く軸力を取得することができる。内側部7bと凹部8とは、例えば、螺子構造で固定される。
突起7は、特に限定されるものではないが、耐久性能等を考慮すると、金属材料や硬化樹脂材料とが望ましい。
外側部7aは、円板状体、又は半円球状体であることが好ましい。これより、タイヤTとの大きな衝撃を緩和でき、タイヤTの損傷を抑制しうる。本実施形態の外側部7aは、円板状体である。
外側部7aの走行ドラム2の走行面2aからの高さH(図3(a)に示す)は、0.5〜5.0mmであるのが望ましい。高さHが0.5mm未満の場合、加振力が過小となり振動特性の評価精度が低下する。逆に高さHが5.0mmを越える場合、タイヤTと突起7との衝撃が過度に大きくなり、タイヤが損傷するおそれがある。
また、特に限定されるものではないが、外側部7aのドラム軸方向の幅W(図3(a)に示す)は、タイヤ軸方向幅の最も小さいリブRのタイヤ軸方向幅w1の20%〜50%であるのが望ましい。これにより、突起7をリブRのタイヤ軸方向の中間位置に設けることで、このリブRのみと接触することができ、タイヤの軸力を精度良く測定することができる。
本実施形態の凹部8は、走行面2aのタイヤ軸方向に異なる位置で複数設けられている。これにより、突起7の取り付け位置をタイヤ軸方向に異なる位置に変更することができるので、所定のリブRとのみ接触するように位置決めすることができる。本実施形態では、凹部8は、タイヤ軸方向に離間した位置で10個設けられているが、例えば、10〜200個程度が望ましい。
突起7の取り付けられない凹部8には、走行面2aと面一にする脱着可能な擬似走行面部9が取り付けられているのが望ましい。これにより、凹部8に起因するタイヤの軸力変動を排除することができる。このような観点より、擬似走行面部9は、走行面2aと同じ材料で形成されているのが望ましい。また、擬似走行面部9は、突起7と同様に、凹部8に脱着可能なように、例えば、螺子構造を具えているのが望ましい。
ドラム駆動手段3は、走行ドラム2を回転させるドラム回転軸3Aと、ドラム回転軸3Aを駆動させる電動機等(図示せず)を具えるケーシング3Bとを含んでいる。本実施形態のドラム回転軸3Aは、ケーシング3B内部で片持ち支持されている。なお、ドラム回転軸3Aは、両端が支持される態様でも良い。ドラム駆動手段3は、例えば、ドラム回転軸3Aの回転速度を自在に調節可能なインバータ等を具えているのが望ましい。これにより、走行ドラム2の周速度を容易に調整することができる。
タイヤ保持手段4は、片持ちでタイヤTを回転可能に保持する支持軸4Aと、支持軸4Aを保持する基台4Bとを含んでいる。
支持軸4Aは、例えば、走行ドラム2よりも上方に配されており、タイヤTのトレッド部Taを走行ドラム2の上に接触させることができる。基台4Bは、例えば、支持軸4Aを昇降させる昇降装置と、支持軸4Aをタイヤ軸方向に移動させる横移動装置(図示省略)とを具えている。昇降装置による支持軸4Aの下降によって、タイヤTを走行ドラム2の走行面2a上に押し付けできる。これにより、タイヤTは、所要の接地荷重にて接地される。横移動装置による支持軸4Aの移動によって、走行ドラム2の走行面2aに対するタイヤTのドラム軸方向の位置を変更することができる。昇降装置及び横移動装置としては、例えば、シリンダ等を含む周知構造のものが好ましい。
タイヤ保持手段4は、支持軸4Aを回転させる電動機(図示省略)を具えていても良い。これにより、タイヤTの周速度と走行ドラム2の周速度とを個別に制御することが可能になる。
測定手段5としては、例えば、タイヤ軸方向の軸力、タイヤ周方向の軸力、タイヤ半径方向の軸力等を測定することができる6分力計測可能なロードセル等が望ましい。測定手段5は、本実施形態では、支持軸4Aの軸受け部に取り付けられている。測定手段5によって測定された軸力データは、図示しない演算処理装置に入力されて、例えば、周波数分析等がなされる。
図3(a)乃至図4(b)は、装置1を用いたタイヤTの振動特性の評価方法を説明する走行ドラム2の側面図である。本実施形態の評価方法は、準備工程と、走行工程と、評価工程とを含んでいる。
図3(a)に示されるように、準備工程では、評価用のタイヤTと走行ドラム2とが準備される。本実施形態の準備工程は、先ず、タイヤ保持手段4の支持軸4Aにリム組されたタイヤTが取り付けられる。このとき、例えば、タイヤTは走行ドラム2の半径方向外側で待機されている。
本実施形態のタイヤTのトレッド部Taは、例えば、4本の主溝G1乃至G4によって区分された第1リブR1乃至第5リブR5からなる5本のリブRが設けられている。本実施形態のタイヤTでは、第3リブR3が、タイヤ赤道C上に設けられている。第2リブR2及び第4リブR4は、第3リブR3のタイヤ軸方向両側に設けられている。第1リブR1及び第5リブR5は、それぞれ第2リブR2及び第4リブR4のタイヤ軸方向外側に設けられている。
また、準備工程では、走行面2aに突起7が取り付けられる。本実施形態では、突起7が、第1リブR1と接触するように、図3(a)の左端の凹部8に取り付けられる。なお、突起7の取り付けられていない他の凹部8には、擬似走行面部9が取り付けられる。突起7は、接着材で貼り付けられても良い。
次に、走行工程が行われる。図3(b)、図4(b)に示されるように、走行工程は、突起7が第1リブR1のみと接触するように位置決めされてタイヤTが走行される第1走行工程と、突起7が第2リブR2のみと接触するように位置決めされてタイヤTが走行される第2走行工程とを含んでいる。本実施形態では、さらに、突起7が第3リブR3のみと接触するように位置決めされる第3走行工程と、突起7が第4リブR4のみと接触するように位置決めされる第4走行工程と、突起7が第5リブR5のみと接触するように位置決めされる第5走行工程とを含んでいる。
また、各第1乃至第5走行工程は、それぞれタイヤTが前記位置決めされた走行面2a上で走行させる走行ステップと、前記走行ステップ中に突起7とリブRとが接触することによって与えられる瞬間的な振動によるタイヤの軸力に関する情報を取得する取得ステップとを含んでいる。
具体的には、第1走行工程では、例えば、昇降装置によって、タイヤTを走行面2aに押圧させる。なお、突起7を第1リブR1のみと接触し、他のリブR2乃至R5とは接触させないよう、横移動手段によって、タイヤTをドラム軸方向に微調整しても良い。次に、ドラム駆動手段3のドラム回転軸3Aを駆動し、走行ドラム2を回転させてタイヤTを走行させる(第1走行工程の走行ステップ)。
タイヤTは、例えば、正規荷重負荷状態で走行面2aを走行させるのが望ましい。前記「正規荷重負荷状態」とは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧が充填されたタイヤTに、正規荷重を負荷してキャンバー角0度で平面に接地させた状態である。「正規リム」とは、タイヤTが基いている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤT毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim"、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"である。「正規内圧」とは、前記各規格がタイヤT毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" である。タイヤTが乗用車用である場合、正規内圧は、180kPaである。「正規荷重」とは、前記各規格がタイヤT毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"である。
走行ドラム2の周速度は、特に限定されるものではなく、例えば、20〜150km/hの範囲から設定される。なお、例えば、支持軸4Aを駆動させて、タイヤTと走行ドラム2とを個別に回転させてもよい。タイヤTの周速度が走行ドラム2の周速度よりも大きい場合は、駆動状態を再現する。タイヤTの周速度が走行ドラム2の周速度よりも小さい場合では、制動状態を再現する。
次に、測定手段5にて、第1リブR1と突起7との接触による振動に起因するタイヤTの軸力変動を計測する(第1走行工程の取得ステップ)。測定手段5にて測定される軸力は、タイヤ軸方向の軸力、タイヤ周方向の軸力、及び、タイヤ半径方向の軸力の少なくとも1つが選択される。
各取得ステップにおいて取得される情報は、測定誤差等による軸力のバラツキを考慮すると、タイヤが走行面2aを1周走行するときに得られる軸力の変化を1サンプルとするとき、複数サンプルを得ることが望ましく、2000サンプルを得ることがより望ましい。なお、3000サンプルを超えて情報を取得しても、軸力のバラツキの変化が小さくなるので、評価精度のさらなる向上は望めない。
次に、第1走行工程の後、第2走行工程の前に、走行面2aに対する突起7の位置を変更する工程(以下、単に「突起位置変更工程」という)が設けられる。図4(a)に示されるように、先ず、昇降装置によって支持軸4Aを上昇させてタイヤTを走行面2aから離間させる。次に、走行ドラム2の回転を停止した後、突起7を凹部8から取り外して、突起7と第2リブR2のみとが接触する位置となる凹部8へ取り付ける。本実施形態では、突起7は、左から2番目の凹部8に取り付けられる。このとき、左から2番目の凹部8に取り付けられていた擬似走行面部9は、突起7が取り外された凹部8に取り付けられる。
次に、図4(b)に示されるように、昇降装置によって支持軸4Aが下降され、ドラム駆動手段3のドラム回転軸3Aを駆動させ(第2走行工程の走行ステップ)、第2リブR2のみと突起7とが接触することによるタイヤTの軸力に関する第2情報が取得される(第1走行工程の取得ステップ)。第2走行工程は、上述のように、第1走行工程と同じ条件で行われるのが望ましい。
次に、突起位置変更工程と第3乃至第5走行工程とが同様に繰り返して行われ、第3リブR3と突起7とが接触することによるタイヤの軸力に関する第3情報、第4リブR4と突起7とが接触することによるタイヤの軸力に関する第4情報、第5リブR5と突起7とが接触することによるタイヤの軸力に関する第5情報が取得される。第3乃至第5走行工程も、第1走行工程と同じ条件で行われるのが望ましい。
次に評価工程が行われる。評価工程では、タイヤTの軸力に関する第1情報及び第2情報に基づいて、タイヤTの振動特性が評価される。本実施形態では、第1情報乃至第5情報のそれぞれに基いて、タイヤTの振動特性が評価される。
評価工程は、複数のサンプルのそれぞれから軸力の最大値を取得する第1工程と、前記軸力の最大値の平均値を計算する第2工程と、サンプルを所定の規定により選択し、選択されたサンプルを周波数分析する第3工程と、周波数分析によって得られたデータの平均を求める第4工程と、第4工程で得られたデータをリブ毎に比較して振動特性を評価する第5工程とを含んでいる。評価工程は、例えば、前記演算処理装置において行われる。なお、以下に説明する評価工程では、タイヤ半径方向の軸力に基づいて振動特性を評価する方法が述べられる。しかしながら、本発明の評価工程は、タイヤ周方向の軸力、タイヤ軸方向の軸力、又はこれら軸力の合力に基いて、振動特性を評価することができるのはいうまでもない。
本実施形態の第1工程は、1サンプル毎の経時変化による軸力変動から最大値を取得する。図5は、第1工程による一のサンプルにおける軸力変動を示す一例である。図5の縦軸は軸力、横軸は、突起7と第1リブR1との接触前後の経過時間である。図5に示されるように、このサンプルでは、軸力の最大値として約150Nが取得される。なお、軸力の最大値と最小値との差を取得することもできる。
本実施形態の第2工程は、各リブR1乃至R5毎に、サンプルから抽出された軸力の最大値の平均値が求められる。
本実施形態の第3工程では、各リブR1乃至R5毎に、軸力の最大値が、軸力の最大値の平均値よりも大きくかつ2σの範囲のサンプルが抽出される。図6は、1のリブRの軸力の各サンプルの最大値のヒストグラムである。図6の縦軸はサンプル数、横軸は軸力の最大値である。本図では、軸力の最大値が、8N毎に区分されている。前記「σ」は、軸力の最大値の標準偏差である。図の斜線部が、最大値の平均値よりも大きくかつ2σの範囲(以下、単に「評価範囲」という場合がある)を示している。ここで、軸力の最大値が、最大値の平均値よりも大きくかつ2σの範囲のサンプルを採用することで、測定誤差等に起因する精度の低い軸力を排除することができると考えられる。
次に、第3工程では、引き続き、評価範囲にあるサンプルが周波数分析される。図7は、評価範囲にある1サンプルを周波数分析した結果の一例である。図7の縦軸は、軸力、横軸は、周波数である。この図では、周波数が0〜300Hzまでの軸力が示されている。なお、第3工程で周波数分析される周波数は、振動に起因する乗り心地性能や騒音性能への影響を考慮すると、周波数分析される周波数は、例えば、0〜1000Hz以上であって1200Hz以下であるのが望ましい。
本実施形態の第4工程では、第3工程による周波数分析結果から、各リブR1乃至R5毎に、所定の周波数における各サンプルの軸力の平均を算出する。図8は、リブ形状の異なる2種類のタイヤA、Bを用いて、第4工程によって算出された各リブR1乃至R5毎の軸力の平均値(周波数が80Hz)を示す一例である。図8の縦軸は、各リブを示し、横軸は平均軸力である。なお、縦軸の最下段には、全リブR1乃至R5の軸力の平均値(以下、単に「全リブ平均値」という場合がある)が示される。
次に、第5工程では、例えば、所定の周波数における各リブ毎の軸力の平均からタイヤの振動特性が評価される。第5工程は、より具体的には、リブRの中で最も大きい軸力が生じたリブを特定し、このリブが改善されるべきリブであると評価される。これは、リブRの中で最も大きい軸力が生じたリブRが、タイヤの振動特性に最も影響を及ぼすリブであるとの種々の実験結果に基くものである。図8の実施例では、タイヤAでは、第5リブR5が特定される。そして、タイヤAでは、第5リブR5を改善することで、タイヤの振動特性を効果的に向上できると評価される。同様に、タイヤBでは、第5リブR5が特定される。このためタイヤBでも、第5リブR5を改善することで、タイヤの振動特性を効果的に向上できると評価される。
このように、本実施形態の評価工程では、リブ毎にタイヤの軸力が取得されるので、リブ毎の軸力に基いてタイヤの振動特性を評価できるので、タイヤの振動特性の評価精度が大きく向上する。また、これにより、リブの中で最も大きな軸力が生じたリブを特定できるので、改善すべきリブを判断することができるため、振動特性の良いタイヤを容易に開発することができる。
また、第5工程の他の実施形態では、例えば、最も大きい軸力が特定される。具体的には、複数のタイヤTから各リブの中で最も大きい軸力を有するタイヤTが特定され、最も大きい軸力を有するタイヤTがタイヤの振動特性の最も悪いタイヤであると評価される。これは、種々の実験結果に基いている。図8の実施例を用いてタイヤAとタイヤBとを比較すると、共に第5リブR5の平均軸力が最も大きいところ、タイヤAの第5リブR5の平均軸力が約59N、タイヤBの第5リブR5の平均軸力が約55Nであるので、タイヤAがタイヤBよりも振動特性が悪いと評価することができる。なお、全リブの軸力の平均値を平均した値で比較しても、タイヤAは、約49.6Nであり、タイヤBは、約48.2Nであるので、この値を用いても、タイヤAは、タイヤBよりもタイヤの振動特性が悪いことが理解できる。なお、図8の実施例より、タイヤA及びタイヤBの全リブの軸力の平均値を平均した値の差は、第5リブR5及び第1リブR1の平均軸力の差に大きく起因するものと考えられる。
本実施形態の評価工程では、第4工程では、周波数が80Hzのときの例を示したが、他の周波数において、評価工程が実施されてもよい。例えば、乗り心地性能や騒音性能に大きな影響を与える5〜500Hzの周波数で行われるのが望ましい。また、第4工程では、各サンプルの中から、所定の周波数における最大の軸力を用いて、第5工程で評価しても良い。
図9(a)乃至(c)は、評価方法の他の実施形態が示される。図9に示されるように、この実施例では、凹部8が1つであり、突起7の位置が固定されている。そして、第1走行工程乃至第5走行工程の間において、各走行工程間には、突起位置変更工程に代えて、突起7に対するタイヤTの位置を変更する工程を含んでいても良い。具体的には、各走行工程の後、昇降装置によって支持軸4Aを上昇させてタイヤTと走行ドラム2とを離間し、次に横移動装置によって、次の走行工程で突起7と接触されるリブRのタイヤ軸方向の中間位置にタイヤTを軸方向移動する。そして、昇降装置によって支持軸4Aが下降されて、次の走行工程が開始可能となる。これにより、突起7を移動させることなく、第2走行工程乃至第5走行工程を行うことができる。なお、この場合、突起7は、例えば、走行面2aを隆起させて走行面2aと一体に成形されるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施することができる。
T タイヤ
R リブ
R1 第1リブ
R2 第2リブ
7 突起
2 走行ドラム
2a 走行面

Claims (4)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に連続してのびる主溝によって区分された第1リブ及び第2リブを少なくとも含む複数のリブを具えたタイヤの振動特性を評価するための方法であって、
    前記タイヤと、前記タイヤに瞬間的な振動を与えるための突起が設けられた走行面を有する走行ドラムとを準備する工程と、
    前記突起が前記タイヤの前記第1リブのみと接触するように、前記タイヤと前記走行ドラムとを位置決めして前記タイヤを前記走行面上で走行させ、前記タイヤの軸力に関する第1情報を取得する第1走行工程と、
    前記突起が前記タイヤの前記第2リブのみと接触するように、前記タイヤと前記走行ドラムとを位置決めして前記タイヤを前記走行面上で走行させ、前記タイヤの軸力に関する第2情報を取得する第2走行工程と、
    前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記タイヤの振動特性を評価する評価工程とを含み、
    前記評価工程は、前記第1情報及び前記第2情報それぞれについて、
    前記複数のサンプルのそれぞれから軸力の最大値を取得する工程と、
    前記軸力の最大値の平均値を計算する工程と
    前記複数のサンプルのうち、前記軸力の前記最大値が、前記最大値の平均値よりも大きくかつ2σの範囲のサンプルを周波数分析する工程と、
    前記周波数分析によって得られたデータの平均を求める工程と、
    前記周波数分析によって得られたデータの平均の最大値が生じたリブを特定する工程とを含むことを特徴とするタイヤの振動特性の評価方法。
  2. 前記第1走行工程と、前記第2走行工程との間に、前記走行面に対する突起の位置を変更する工程を含む請求項1記載のタイヤの振動特性の評価方法。
  3. 前記第1走行工程と、前記第2走行工程との間に、前記突起に対する前記タイヤの位置を変更する工程を含む請求項1記載のタイヤの振動特性の評価方法。
  4. 前記第1情報及び前記第2情報は、それぞれ、前記タイヤが前記走行面を1周走行するときに得られる前記軸力の変化を1サンプルとするとき、複数サンプルを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のタイヤ特性の評価方法。
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