JP6495528B1 - 電動機の駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PWMオフサイクルにおける通電二相の接続を最適化し開放相ブレーキ電流を解消する二相通電方法(誘起電圧クランプレス通電方法)を用いたモータ駆動方法を提供する。
【解決手段】MPU51はADコンバータ54の出力に応じて当該PWM周期内の遮断期間の電源相及び接地相の出力状態を切り替え、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時は遮断期間において接地相を接地電源に接続し電源相も接地電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とし、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の時は遮断期間において電源相を正極電源に接続し接地相も正極電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とする。
【選択図】図9

Description

本開示は、例えば三相ブラシレスDCモータ等の高効率二相通電を実現する電動機の駆動方法に関する。
従来、小型直流モータはブラシ付きDCモータが用いられてきたが、ブラシ音・電気ノイズ・耐久性等に問題がありホールセンサで位置検出するブラシレスDCモータが登場しさらに位置センサを省略したセンサレスモータも普及しはじめている。小型モータは今後ますます軽量化・低価格化・堅牢化が要求されセンサレスモータ市場が拡大すると思われる。またバッテリー機器においては特に高効率化が求められる。
一方、駆動回路は従来の矩形波駆動から高効率なサイン波駆動に移行しつつある。しかしセンサレスモータのサイン波駆動は始動性や高速性あるいは位相誤差等に難があり矩形波駆動が有利であり、矩形波駆動の高効率化が望まれる。
図8に位置センサを備えないセンサレスモータの一例として三相ブラシレス直流(DC)モータの構成を示す。回転子軸1を中心に回転する回転子2にはS極とN極で一対の永久磁石3が設けられている。永久磁石界磁の磁極構造(IPM,SPM)あるいは極数等は様々である。固定子4には120°位相差で設けられた極歯に電機子巻線(コイル)U,V,Wが配置され、中性点(コモン)Cを介してスター結線されている。
図9にセンサレス駆動回路例のブロックダイアグラムを示す。MOTORは三相センサレスモータである。MPU51はPWM(Pulse Width Modulation)制御回路53やADコンバータ(Analog-to-Digital Converter)54を内蔵するマイクロコントローラ(制御回路)である。INV52は、三相ハーフブリッジ型インバータ回路(出力回路)である。RAはコイル電圧の分圧回路で誘起電圧から回転子2の位置を検出する。なお実際の回路にはこのほかに電源部、ホストインターフェース部等が必要であるが煩雑化を避けるため省略してある。
図10に三相ブラシレスDCモータの二相通電の代表的な例として120°通電のタイミングチャートを示す。区間1はU相からV相に、区間2はU相からW相に、区間3はV相からW相に、区間4はV相からU相に、区間5はW相からU相に、区間6はW相からV相に、矩形波通電される。破線は誘起電圧波形である。HU〜HWはモータに内蔵されるホールセンサの出力波形であり、位置センサ付きブラシレスDCモータはこの信号に基づいて励磁切り替えが行われる。
尚、三相ブラシレスDCモータの正弦波駆動を行う際の始動時の相切り替えのブレーキ動作を回避するものとして、以下の文献が存在する(特許文献1:特開2004−242432号公報)。
特開2004−242432号公報
サイン波駆動に対し二相矩形波駆動はPWM通電コイルが少なく効率面で有利であるが実際には効率が劣る。それは以下に述べる開放相ブレーキ電流による機械的損失及びクランプダイオード順方向電圧降下による電気的損失が大きな要因と考えられる。
(課題1)開放相ブレーキ電流の解消
図1上段に120°通電のコイル電圧及び図1下段にコイル電流の実測波形を示す。ハーフブリッジ構成の出力回路のローサイドアームをGND電源電位(以後Lと表記する)に固定しハイサイドアームをPWM駆動した時のU相のコイル電圧波形(上図)とコイル電流波形(下図)である。V相及びW相は120°位相差で同様の波形となるので図示しない。
コイルを正極電源電位(以後Hと表記する)に接続するH通電区間ではPWM周期内の通電期間(以後「PWMオンサイクル」と言う)は正極電源に接続し、PWM周期内の遮断期間(以後「PWMオフサイクル」という)ではハイインピーダンス状態(以後「Z」あるいは「開放」と言う)とし、スパイク電圧によりLとなり断続波形が表れている。コイルを負極電源電位に接続するL通電区間はLに固定されている。
H通電区間とL通電区間に挟まれた非通電区間には2本の傾斜した誘起電圧波形が表れており、高電位側の波形はPWMオンサイクルの誘起電圧波形、低電位側の波形はPWMオフサイクルの誘起電圧波形である。
ここでコイル電流波形を注意深く観察すると本来は電流がゼロであるべき非通電区間においてパルス状に電流が流れていることが判る。この想定外の電流を矢印で示す。パルス電流は誘起電圧にほぼ比例し非通電区間の始点あるいは終点で最大で非通電区間の中点でゼロとなり、電流極性は駆動電流とは反対となっていることからブレーキとして作用していることが判る。このパルス電流(以後「開放相ブレーキ電流」と言う)が流れるタイミングはコイル電圧波形をみると判るように非通電時のPWMオフサイクルの誘起電圧がGND電源電位以下の時である。
このように三相BLDCモータのPWM二相通電において、PWMオフサイクルの開放相誘起電圧は電源レールを超える期間があり出力素子に並置されたクランプダイオード(ボディーダイオード)により電源にクランプされ、誘起電圧により駆動時とは逆方向の開放相ブレーキ電流が流れる現象が発生している。このブレーキ電流によりモータは瞬間的に制動しながら回転しており無駄な機械的損失が発生しているため効率が低下し振動や騒音が発生している。上述した特許文献1は、矩形波駆動にて回転時の開放相ブレーキ電流を解消するものではない。PWMオフサイクルの開放相ブレーキ電流の解消に関して、開放相ブレーキ電流を解消する二相通電手法は未だに知見されていない。
(課題2)クランプダイオード損失の低減
PWM制御のオフサイクル時はコイル蓄積エネルギーによりスパイク電流が流れ、出力素子に並置されたクランプダイオード(ボディーダイオード)を経由して電流が流れるため、クランプダイオードの順方向電圧降下VFの損失が発生する。
図1にクランプダイオードの順方向電圧降VFを図示する。VFは0.6V以上にもなりスパイク電流が流れる際の損失は大きく、特に小型モータでは電源電圧として12Vが多く用いられ1相あたりの印可電圧は6Vと低くVFはコイル電圧の10%にも相当し、この電気的損失により効率が低下するという課題がある。
以下に述べるいくつかの実施形態に適用される開示は、上記課題を解決すべくなされたものであり、矩形波駆動にてサイン波駆動以上の高効率をめざすものである。
第一の目的は、PWMオフサイクルにおける通電二相の接続を最適化し開放相ブレーキ電流を解消する二相通電方法(誘起電圧クランプレス通電方法)を用いたモータ駆動方法を提供することにある。
また、第二の目的は、誘起電圧クランプレス通電を行いつつPWMオフサイクルに発生するスパイク電流によるクランプダイオード損失を解消して効率を改善するモータ駆動方法を提供することにある。
永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備える電動機を、パルス幅変調(PWM)方式にて二相通電する電動機の駆動方法であって、前記永久磁石界磁位置を検出あるいは推定する位置検出回路と、三相コイル電圧をAD変換して制御回路に送出する測定回路と、ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルに双方向通電する出力回路と、上位コントローラからのトルク指令に基づいてPWM方式にてコイル出力を制御し、連続回転が可能な通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、前記位置検出回路の出力に基づいて前記出力回路を制御して通電状態を切り替える制御回路と、を備え、PWM周期内の通電期間において正極電源に接続する相を電源相、接地電源に接続する相を接地相、ハイインピーダンス(開放)状態とする相を開放相とし、三相の共通接続点電位を中性点電位として、前記制御回路は前記測定回路の出力に応じて当該PWM周期内の遮断期間の電源相及び接地相の出力状態を切り替え、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時は遮断期間において接地相を接地電源に接続し電源相も接地電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とし、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の時は遮断期間において電源相を正極電源に接続し接地相も正極電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とすることを特徴とする。
これにより非通電区間において、誘起電圧ゼロクロス点を境界としてPWMオフサイクルの中性点電位がHとLとに切り替わり開放相誘起電圧が電源電圧を超えることがなくなり開放相ブレーキ電流を完全に防止することができる。
開放相誘起電圧ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を設け、120°通電における通電区間を前記ゼロクロス点で前方区間と後方区間に分けて電気角を12区間とし、PWM周期の遮断期間において接地相を接地電源に接続し電源相も接地電源に接続またはハイインピーダンス状態とするか、あるいは電源相を正極電源に接続し接地相も正極電源に接続またはハイインピーダンス状態とするかを、前記12区間に応じて選択するようにしてもよい。
開放相誘起電圧ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路としては、前述の測定回路(ADコンバータ)にてコイル電圧を測定する方法以外に、ゼロクロスコンパレータ(ゼロクロス検出回路)を用いる方法、あるいは位置センサで検出する方法、あるいは励磁切り替え点から30°遅延タイマーにより検出する方法など様々ある。これらの方法を用いてゼロクロスを検出すればADコンバータを省略でき回路及び制御ソフトの簡略化が図れる。
所謂、相補モードでPWM制御することにより、クランプダイオードによる損失を低減して効率を改善できる。前記出力回路はスイッチング素子として電界効果トランジスタ(FET)を備え、PWM制御回路は、相ごとに前記ハーフブリッジ型インバータ回路のハイサイドアームとローサイドアームを対で制御し、PWMオフサイクル中はPWM周期内の通電期間(PWMオンサイクル)とは逆サイドのアームをオンとする相補モードでPWM制御を行い、PWMオンサイクル中はH(ハイサイドアームオン)としPWMオフサイクル中はL(ローサイドアームオン)とするHL通電と、PWMオンサイクル中はL(ローサイドアームオン)としPWMオフサイクル中はH(ハイサイドアームオン)とするLH通電の双方の通電モードを備え、開放相の誘起電圧と中性点電位の大小関係に応じて通電モードを切り換え、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の期間はLH通電し、正の期間はHL通電することで開放相ブレーキ電流を阻止するようにしてもよい。
上述のようにHL通電とLH通電の二つの通電モードを使う相補PWM駆動を行うことで、PWMオフサイクルのスパイク電流をFETにより電源レールにクランプすることができ、全期間を通じてクランプダイオードによる損失を解消しつつ開放相ブレーキ電流を阻止する通電を行うことで効率を向上することができる。
マイクロコントローラに内蔵されるPWM制御回路からFETプリドライバに送出される6個のFETゲート信号のそれぞれに論理を反転する反転回路を設け、あるいは相ごとにハイサイドアームとローサイドアームを入れ替える反転回路を設け、前記マイクロコントローラはLH通電が必要な相に対して、いずれかの前記反転回路へPWMキャリアに同期して反転指令を出力し、当該通電相のHL通電モード状態の2個のFETゲート信号を論理反転あるいは入れ替えることでLH通電モード状態の信号に変換してLH通電を行うようにしてもよい。
これにより、LH通電モードを備えていないマイクロコントローラを用いても外付けでハードウェアを追加しFETゲート信号を反転させることでLH通電を実現し、クランプダイオード損失を解消しなおかつ開放相ブレーキ電流を阻止することができる。
前記PWM制御回路は、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の時はPWMキャリアに同期して、PWM制御モードをPWMオンサイクル中はL(ローサイドアームオン)、PWMオフサイクル中はZ(ハイインピーダンス状態)とする独立モードに切り替えてLZ通電にてPWM制御し、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時はPWMキャリアに同期して、PWM制御モードをPWMオンサイクル中はH(ハイサイドアームオン)、PWMオフサイクル中はL(ローサイドアームオン)とする相補モードに切り替えてHL通電にてPWM制御するようにしてもよい。
これによりスパイク電流はFETを経由して流れクランプダイオードを経由する期間を半分にすることができ、ソフトウェアの変更のみでクランプダイオード損失を半減しつつ開放相ブレーキ電流を阻止することができる。
上述した電動機の駆動方法を用いれば、効率を損なうPWMオフサイクルの開放相ブレーキ電流を完全に解消でき効率が向上する。また上述したPWM制御方法を用いれば、PWMオフサイクルのクランプダイオード損失を完全に解消または半減でき効率が向上する。これらの制御には複雑な演算を必要とせず演算時間が短くて済むことからPWMキャリア周波数を上げることも可能で、磁気回路の鉄損を減らすことで効率を向上できる。さらに通電開始位相角を前方に進める進角制御あるいは三相通電期間を挿入して通電角度を拡大するオーバーラップ通電なども可能で効率を向上しあるいは低振動化・静音化できる。
以上によりモータ効率が向上する結果、消費電力が削減でき、同じ電源電圧でも最高回転数が高くなる。
また、開放相の誘起電圧ゼロクロス点及び区間終点は誘起電圧及びインダクタンス変化から検出可能であることからセンサレス駆動に適し、位置検出のためのリーケージフラックスが不要となり磁気回路損失を減らすことができること、また位置センサ自体の消費電力の削減や位置センサでは取り除けない着磁誤差による励磁切り替えタイミング誤差によるトルク発生効率の低下を低減できることなどからもモータ効率が改善される。また、ゼロクロスコンパレータ(ゼロクロス検出回路)を用いADコンバータを省略することも可能で回路を簡素化できる。
あるいは三相サイン波通電のPWM制御回路ではセンターアライメント方式のデューティコントローラ及びデッドタイムコントローラが3チャンネル必要であったが、本案は二相矩形波通電であり3チャンネルを1チャンネルに減らすことができ、しかもエッジアライメント方式のため簡素な構成のデューティコントローラで済み回路を簡略化できる。
120°通電のコイル電圧及びコイル電流の実測波形である。 非通電区間の開放相誘起電圧の模式図である。 誘起電圧クランプレス通電の実施波形例である。 誘起電圧クランプレス通電に進角制御を設けた実施波形例である。 比較のための120°通電の実測波形例である。 LH通電を可能とするMPU外付け回路の実施例である。 制御プログラムフローチャートである。 三相ブラシレス直流(BLDC)センサレスモータの構成例である。 ADコンバータを用いたセンサレス駆動回路のブロック構成図である。 120°通電タイミングチャートである。 ゼロクロスコンパレータを用いたセンサレス駆動回路のブロック構成図である。 PWMオフサイクルに通電相を正極電源に接続した時の電流経路図である。 PWMオフサイクルに通電相をGND電源に接続した時の電流経路図である。
以下、本発明に係る電動機の高効率駆動方法の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本願発明は、電動機の一例として、回転子に永久磁石界磁を備え、固定子に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端がモータ出力回路に接続されたBLDCモータがあげられ、ここでは近年利用が拡大している位置センサレスモータを用いて説明する。
図8を参照して3相BLDCセンサレスモータの一実施例を示す。一例として2極永久磁石ローターと3スロットを設けた固定子4を備えた3相ブラシレスDCモータを例示する。モータはインナーローター型でもアウターローター型でもいずれでもよい。また、永久磁石型界磁としては永久磁石埋め込み型(IPM)モータや表面永久磁石型(SPM)モータのいずれであってもよい。
図8において、回転子軸1には回転子2が一体に設けられ、界磁として2極の永久磁石3が設けられている。固定子4には120°位相差で極歯U,V,Wが永久磁石3に対向して配置されている。固定子4の各極歯U,V,Wに巻線u,v,wを設けて相間をコモンCでスター結線して後述するモータ駆動装置に配線された3相ブラシレスDCモータとなっている。尚、コモン線は、不要であるので省略されている。
次に、図9に示す三相センサレスモータ駆動回路ブロック図を参照して説明する。本案はADコンバータを用いたセンサレスモータ駆動回路でも実現できる。MOTORは三相センサレスモータである。MPU51はマイクロコントローラ(制御回路)である。MPU51は、三相コイル(U,V,W)に対する6通りの通電パターンと各通電パターンに対応する120°通電の励磁切り替え区間(区間1〜区間6)を指定する界磁位置情報を記憶し、上位コントローラ50からのトルク指令に応じて後述する出力回路(ハーフブリッジ型インバータ回路52)をスイッチング制御して励磁状態を任意に切り替える。また、MPU51は、誘起電圧クランプレス通電が可能な反転PWM制御回路53及びAD変換回路54(ADC:ADコンコバータ(測定回路))を内蔵する。
ハーフブリッジ型インバータ回路52(INV:出力回路)は、三相コイルに通電し、モータトルクを制御するために励磁相切り替えあるいはPWM制御などのスイッチング動作を行う。上記ハーフブリッジ型インバータ回路52は、スイッチング素子として電界効果トランジスタ(FET)及びこれに逆並列に接続されるダイオードを備え、正極電源ライン及び接地電源ラインに任意に接続可能なハーフブリッジ型スイッチング回路が3相分設けられている。
ADコンバータ54(ADC)は、分圧回路RA(位置検出回路)を介してコイル出力端子U,V,Wが接続され、制御回路(MPU51)からの変換開始信号により三相それぞれのコイル電圧を同時サンプリングし、順次アナログ・デジタル変換し、変換結果を制御回路(MPU51)に送出する。通常ADコンバータ54はMPU51に内蔵されており、内蔵ADコンバータ54を利用する場合は最大入力電圧が低いため抵抗による分圧回路RAを設けることが望ましい。
上記センサレスモータを駆動する通電方式はセンサ付きモータと同様であり、図10を参照しながら代表的な通電方式である120°通電について説明する。
120°通電では相ごとに60°の非通電区間を挟んで正負120°の通電区間があり、相ごとに120°の位相差を持っている。従って1電気角は60°単位の6ステップで区切られ、区間1から6へU−V、U−W、V−W,V−U,W−U,W−Vと励磁される。U−V励磁とはU相が正極電源にV相がGND電源に接続されることを表す。
また、非通電区間の中間で誘起電圧は正負が切り替わるいわゆるゼロクロス点が発生する。センサレスモータではこのゼロクロス点を検出してタイマーを用いて30°ディレーを設けゼロクロスコンパレータ55(ゼロクロス検出回路)により励磁切り替えを行う位置センサレス駆動が多用されており(ゼロクロスコンパレータ方式:図11参照)、位置センサ付きブラシレスDCモータはホールセンサ出力HU〜HWにより励磁切り替え点を検出して励磁切り替えが行われる方式が主流である。
尚、位置センサレス駆動でも励磁切り替え点を直接検出或いは推定しセンサ付きと同等の閉ループ制御が可能な手法も提案されている。それによれば進角を設ける場合も進み位相の励磁切り替え点を直接検出或いは推定することが可能であり、ゼロクロス点から30°遅延タイマーにより励磁切り替え点を検出するよりも位置誤差が少なく速度変動に対しても有利であり制御プログラムも簡略化できる。
図11に一例としてゼロクロスコンパレータ55(位置検出回路)を用いる駆動回路のブロック構成図を示す。なお区間終点はゼロクロス点から30°遅延タイマーにて検出でき、あるいはホールセンサ等の位置センサを用いてもよい(図示せず)。
図9と同一部材には同一符号を付して説明を援用するものとし、異なる点のみを説明する。ZEROは相ごとのゼロクロスコンパレータ55である。中性点として三相を抵抗で合成したCOM(ダミーコモン)を用い、各相のコイル電圧と比較される。ゼロクロスコンパレータ出力はMPU51へ送出され、MPU51内にADコンバータは不要である。
開放相誘起電圧ゼロクロス点と区間終点が判れば、120°通電における通電区間をゼロクロス点で分割して12個の区間に分けることができる。上述のごとく通電パターンはゼロクロス点を境界として切り替わることから、区間をゼロクロス点で分けることで区間ごとに通電パターンを決定することができる。従って12分割された区間ごとにあらかじめ通電パターンを記憶しておき、区間に応じて通電パターンを切り換えるだけで誘起電圧クランプレス通電を実現できる。
表1に12区間の通電パターンを示す。
(表1)12区間の通電パターン
注1:通電欄
丸付き数字1〜6は120°通電の6区間の区間番号に対応している。
「UV」はU相をH通電しV相をL通電することを表す。UW〜WVも同様である。「前」及び「後」は、ゼロクロス点の前方区間及び後方区間を指す。
注2:U相〜W相欄
Hは、H固定通電を表しPWM周期を通じて出力される。
Lは、L固定通電を表しPWM周期を通じて出力される。
Zは、非通電状態を表しPWM周期を通じて出力される。
HLは、PWMオンサイクル中はHとしPWMオフサイクル中はLとするHL通電を表しPWMオフサイクル中はZとするHZ通電も含む。
LHは、PWMオンサイクル中はLとしPWMオフサイクル中はHとするLH通電を表しPWMオフサイクル中はZとするLZ通電も含む。
(誘起電圧クランプレス通電の実施例)
誘起電圧クランプレス通電は、PWMオフサイクルの開放相ブレーキ電流の解消方法である。具体的には、PWMオンサイクル時に三相のコイル電圧を測定し、通電2相の平均電圧(=中性点電位)と開放相電圧(=誘起電圧)の大小比較をする。中性点電位より開放相電圧が低いときはLH通電(相補モード)かLZ通電(独立モード)とし、高いときはHL通電(相補モード)かHZ通電(独立モード)とする。これによりPWMオフサイクルの中性点電位がゼロクロス点を境にLとHとで切り替わり、開放相誘起電圧は電源レール内に収まり開放相ブレーキ電流は流れなくなる。
図2に非通電区間に現れる開放相誘起電圧波形の模式図を示す。図中央の太い破線はPWMオンサイクル時の誘起電圧波形である。その上下の破線はPWMオフサイクル時の誘起電圧波形で、ゼロクロスより前方期間ではPWMオフサイクル時に通電二相をLとしたときの誘起電圧でありLを基準に発生し、ゼロクロスより後方期間ではPWMオフサイクル時に通電二相をHとしたときの誘起電圧でありHを基準に発生するものとした。図2からPWMオンサイクル及びPWMオフサイクルとも誘起電圧は+V電位及びGND電位からなる電源レールを超えないことは明白であり従って開放相にブレーキ電流が流れることはない。
なお上述のとおりPWMオフサイクル時に通電相をハイインピーダンス状態とする動作も含むことでいわゆる独立モードも許容する。その理由はPWMオフサイクルになって通電相が開放されるとスパイク電圧が発生し正極電源近傍あるいはGND電源近傍にクランプされてHあるいはLを出力した時とほぼ同じ電位となり、開放相誘起電圧が電源電圧を大きく超えることがなくなり開放相ブレーキ電流を防止できるからである。ただし、この場合はスパイク電流によりクランプダイオード損失が発生する。
図3に相補モードPWM制御にて実際に動作させたときの実施波形例を示す。三相のうちのU相について図示してあり、上段はコイル電圧波形、下段はコイル電流波形である。残る二相も120°位相差で同様の波形となるので省略する。
コイル電流ゼロの水平な直線部分に着目すると、この区間は非通電区間であり従来は図1で示したとおりパルス状のブレーキ電流が流れていたが図から明らかなように全く流れていないことが判る。それは誘起電圧クランプレス通電が行われているからでありこれにより開放相ブレーキ電流が完全に解消されていることが検証できる。
ここで開放相ブレーキ電流について詳しく説明する。二相通電では1相をPWM制御しもう1相を正極電源あるいはGND電源に固定して通電が行われる。従って、PWMオンサイクルの中性点電位はほぼ電源電圧の半分となる。一方、PWMオフサイクルもコイル蓄積エネルギーによりPWMオンサイクルと同じ方向に電流が流れており、PWMオフサイクルの通電二相は同極電源に接続されるため中性点電位はほぼ正極電源電圧あるいはほぼGND電源電圧となる。
開放相端には中性点電位を基準として正負に誘起電圧が発生し、PWMオフサイクル時の誘起電圧は正極電源電圧あるいはGND電源電圧を基準に振れる。そのため開放相誘起電圧のゼロクロス点より前方期間あるいは後方期間で開放相電圧は電源電圧を超えることとなり、電源電圧±クランプダイオード順方向電圧降下VFを超えるとクランプダイオードを経由して開放相に電流が流れる。この電流は励磁電流とは逆方向に流れるため制動作用となることから本案では開放相ブレーキ電流と呼んでいる。
図12にPWMオフサイクルに通電相を正極電源に接続した時の電流経路図を示す。
L1〜L3はコイル、COMは中性点、+Vは正極電源、Q1及びQ2はハイサイドアーム出力素子、D1〜D3はクランプダイオードである。通電する二相コイルL1及びL2を正極電源に接続するHH接続は、ハイサイドアーム出力素子Q1及びQ2を通じて行われる。コイルL3を開放相とするHZ接続は、クランプダイオードD1又はD2を通じて正極電源+Vに接続されスパイク電圧の発生により中性点COMもHとなり、開放相コイルL3の誘起電圧がHを超えるとクランプダイオードD3を経由して開放相コイルL3から正極電源+Vにスパイク電流が流れる。
図13にPWMオフサイクルに通電相をGND電源に接続した時の電流経路図を示す。符号は図12を援用する。Q11及びQ12はローサイドアーム出力素子、D11〜D13はクランプダイオードである。通電する二相コイルL1及びL2をGND電源に接続するLL接続は、ローサイドアーム出力素子Q11及びQ12を通じて行われる。コイルL3を開放相とするLZ接続は、クランプダイオードD11又はD12を通じてGNDに接続されスパイク電圧の発生によりCOMもLとなり、開放相コイルL3の誘起電圧がLを超えるとクランプダイオードD13を経由してGND電源から開放相コイルL3にスパイク電流が流れる。
以上から開放相ブレーキ電流が流れる原因は中性点電位が電源電位になりそのため開放相誘起電圧が電源電圧を超えてしまうことにあることが判った。従って開放相ブレーキ電流を阻止するためにはPWMオフサイクルの中性点電位を制御すればよい。即ち、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時は中性点電位をGND電源電圧に、負の時は正極電源電圧にすれば誘起電圧が電源電圧を超えることを回避でき開放相ブレーキ電流は流れない。そこで開放相誘起電圧が中性点電位に対して正の時はPWMオフサイクル時に通電二相をGND電源に接続(LL接続)あるいは一相はLに接続し他相はハイインピーダンス状態(LZ接続)とし、負の時は通電二相を正極電源に接続(HH接続)あるいは一相はHに接続し他相はハイインピーダンス状態(HZ接続)とする。これにより非通電区間において、誘起電圧ゼロクロス点を境界として中性点電位が正極電源とGND電源とに切り替わり、誘起電圧が電源電圧を超えることはなくなり開放相ブレーキ電流を完全に防止することができる。
(相補モードPWM制御によるクランプダイオード損失の解消)
ハーフブリッジ型インバータ回路52のインバータ出力素子を電界効果トランジスタ(FET)にて構成し相補PWMモードで通電すると、FETは逆方向にも電流が流せることからスパイク電流はクランプダイオードを経由せずFETを通って電源レールにクランプされる。
FETのオン抵抗は通常数mΩ〜数十mΩと小さいのでスパイク電流による電圧降下は非常に小さくそのためクランプダイオード損失に比べてFET損失は小さくなり損失を抑えることができる。
図3に誘起電圧クランプレス通電による実施波形例が示されており、開放相ブレーキ電流が完全に解消されている。ここで図3の上段コイル電圧波形の電源レール部に着目すると、ノイズを除くすべての波形が電源電圧内に収まっている。これは即ち出力素子FETによりスパイク電圧がクランプされていることを意味しておりクランプダイオード損失も完全に解消されていることが判る。以下にその通電制御方法を詳しく説明する。
相補モードPWM制御時はPWMオンサイクル中をHとしPWMオフサイクル中をLとするHL通電と、PWMオンサイクル中をLとしPWMオフサイクル中をHとするLH通電の二通りがある。図3のコイル電流が+側に流れているH通電区間をみると、コイル電圧波形はまず断続通電する30°期間があり続いて連続通電する60°期間となり再び30°断続通電期間がある。断続通電期間が上述の相補モードHL通電に相当し、PWMオンサイクル中はHとなりPWMオフサイクル中はLに落ちている。また、連続通電期間は出力をHに固定している期間であり両者を合わせて120°位相角がH通電されている。
同様にコイル電流が−側に流れているL通電区間をみると、コイル電圧波形は断続通電する30°期間が2か所と連続通電する60°期間が1か所あり、断続通電期間が上述の相補モードLH通電に相当し、PWMオンサイクル中はLとなりPWMオフサイクル中はHに上昇している。連続通電期間は出力をLに固定している期間であり両者を合わせて120°位相角がL通電されている。このようにHL通電とLH通電を使い分けることでH通電区間とL通電区間が実現される。
引き続きコイル電流波形がゼロで直線状となっている2か所の60°非通電区間についてみると、コイル電圧波形は傾斜した開放相誘起電圧となっており、中央部の波形がPWMオンサイクルの誘起電圧波形であり、上下に分かれている波形がPWMオフサイクルの誘起電圧波形である。
PWMオンサイクルの誘起電圧より高電位側の波形は、通電二相をともにHとすることで中性点電位をHとした時の開放相誘起電圧波形である。通電二相の内の一相についてはHに固定することでPWMオフサイクルもHとすることができる。他相については相補モードPWM制御とし、PWMオンサイクルはL、PWMオフサイクルはHとするLH通電によりPWMオフサイクルをHとすることができる。これにより通電二相ともHレベルとなる。
同様に低電位側の波形は、通電二相をともにLとすることで中性点電位をLとした時の開放相誘起電圧波形である。通電二相の内の1相はLに固定することでPWMオフサイクルもLとすることができる。他相は相補モードPWM制御とし、PWMオンサイクルはH、PWMオフサイクルはLとするHL通電によりPWMオフサイクルをLとすることができる。これにより通電二相ともLレベルとなる。
このように相補モードPWM制御しHL通電とLH通電を使い分けることでPWMオフサイクルの誘起電圧波形もコントロールできる。通電区間及び非通電区間を通じてスパイク電流は出力素子FETを経由して電源レールにクランプされる為、クランプダイオード損失が解消される。なおかつ開放相誘起電圧が電源レールを超えることがないので開放相ブレーキ電流も流れず高効率化される。
また本案は進角制御あるいはオーバーラップ通電など各種の通電手法にも容易に適用できる。図4に誘起電圧クランプレス通電を15°進角制御した実測波形例を示す。図4は上段から下段に向かって、ホールセンサ波形HU,U相のコイル電圧波形Vu、U相のコイル電流波形Iu、三相全体のコイル電流波形Is(レンジはIuとは異なる)である。なおハードディスク用のSPMモータを位置センサレス駆動しており、ホールセンサ波形HUはエンコーダ信号から生成したもので位相角を示すためだけに用いている。
図5に効率比較のため従来の120°通電の実測波形例を示す。図4は誘起電圧クランプレス通電及び相補モードPWM等を行っており、図5と比較することでその効果を評価できる。コイル電流波形Isを比較すると明らかに電流値が少なく高効率化されていることが判り、本案適用時は消費電力が約16%減少し効率は約10%向上した。これはサイン波駆動をほぼ5%上回る効率である。また電流リップルが見受けられるがこれは定トルク制御時の波形に類似しており、特段の制御をせずとも定トルク性が発揮されていることを意味しており好ましい特性と言える。
(ハードウェア追加によるLH通電の実施例)
前述した相補モードにてLH通電を行えばクランプダイオード損失を完全に解消できるがLH通電モードを備えていないMPU51(マイクロコントローラ)も多い。以下は、MPU51に外付けでハードウェアを追加し、FETゲート信号を反転することでLH通電を実現し、クランプダイオード損失を解消しなおかつ開放相ブレーキ電流を阻止できる場合を説明する実施例である。
図6にLH通電を可能とするMPU外付け回路例を示す。一例として反転回路56としてエクスクルーシブオワゲート(XOR回路:排他的論理和回路)を6個用いてFETゲート信号を相ごとに反転させることでLH通電を行う。
MPU51はマイクロコントローラで6本のFETゲート信号をFETプリドライバに出力する。UH〜WHはハイサイドアームのFETゲート信号、UL〜WLはローサイドアームのFETゲート信号である。反転回路UH〜WLは6個のXORゲートである。反転指令U〜Wは反転回路UH・UL、VH・VL,WH・WLを制御するMPU51のデジタル出力である。UH′〜WL′は反転回路を経由しFETプリドライバに出力される6個のFETゲート信号である。なおFETプリドライバ(図示せず)は6個のFETゲート信号UH′〜WL′を電力増幅してハーフブリッジ型インバータ回路52のFETを駆動する回路である。またFETゲート信号の反転動作はPWM周期に同期して行う必要があり、PWMキャリア割り込みが発生したら直ちに反転指令を出力することとする。
ここではFETゲート信号の論理を反転させる方法としてXORゲートを用いる方法を例示したが、その他マルチプレクサにてハイサイドアーム側とローサイドアーム側の信号を入れ替える方法など様々考えられ例示した回路に限定するものではない。
また反転指令U〜Wの出力タイミングと対象相は12個の通電区間に応じて決定されており下記に一覧表を示す。表2は前出表1に最下段の反転指令欄を追加したもので、符号は表1を援用する。
(表2)反転指令を用いる通電パターン
注1:U相〜W相欄のLHは、相補モードLH通電を表す。この区間ではMPUはHL通電を出力しているが反転指令により外部回路にて反転されLH通電となる。
注2:反転指令欄のU〜Wは、反転指令を出力する対象相を表す。これにより該当相はLH通電モードとなる。
実施波形例は図3に示されているので、図3を参照しながら表2のU相を例として説明する。表の区間7及び区間10がLH通電期間であり、図3ではL通電期間の開始時と終了時の30°断続通電期間に該当する。この時MPUはHL通電を出力し反転指令により反転回路が動作しLH通電となる。これ以外の区間はHL通電なので反転せずそのまま出力する。
このようにLH通電モードを備えないMPU51では、HL通電パターンを出力しておいて該当相の反転指令をIOポートから出力してLH通電とすればよい。反転指令の対象相と出力タイミングは表2の反転指令欄に記載されている通りである。V相及びW相についても120°位相差で同様に通電される。
(ソフトウェアによるLH通電の実施例)
LH通電モードを備えていないMPU51(マイクロコントローラ)を使用して、PWM制御モード(独立モードと相補モード)をソフトウェアで切り替えることでLH通電のかわりにLZ通電を行い、クランプダイオード損失を半減し尚かつ開放相ブレーキ電流を阻止できる実施例について説明する。
LH通電のかわりにPWMオフサイクル時にZ(ハイインピーダンス)とするLZ通電としてもよい。なぜならば、PWMオンサイクル時にLに通電した相をオフサイクル時にZ(開放)とするとスパイク電圧が発生しコイル電圧はHとなりLH通電と同じ効果が得られるからである。ただしクランプダイオード損失が発生する。
一方、LZ通電は独立モードにて実現できる。従ってLH通電が必要となる期間は相補モードから独立モードへと替えてLZ通電とすれば、相補モードLH通電と同様の動作となりLH通電モードを備えていないMPUが使用可能となる。モード切り換え機能は一般的なPWM制御回路でも標準的ファンクションとして備えており、PWMキャリア割り込みに同期してモード切り換えを実行すればタイミングも問題ない。この方法はクランプダイオード損失が全期間の半分で発生するがソフトウェアのみで簡易的に開放相ブレーキ電流を阻止できるメリットがある。
図7に区間終点検出後の制御プログラムフローチャート例を示す。以下ステップごとに説明する。
区間終点検出すると制御フローチャートが開始する(START)。
PWM制御回路は、通電区間番号を歩進する。励磁切り替えは次のPWM周期にて実行する(STEP1)。通電区間前半30°の通電パターンを出力レジスタにセットする(STEP2)。上位コントローラからのトルク指令に基づきPWMデューティ比をレジスタにセットする(STEP3)。
次に、PWMキャリアの割り込み待ちを行う。割り込みが無ければLOOP2へ戻る(STEP4)。PWMキャリア割り込みがあれば、PWMモード設定(独立モードまたは相補モード)を行う(STEP5)。PWMオンサイクル時にADCにより三相のコイル電圧測定する(STEP6)。
次に、三相コイルのうち開放相にスパイク電圧が発生したか否かを判定する(スパイク判定)。スパイク電圧を検出したらLOOP2へ戻る(STEP7)。スパイク電圧でなければ、誘起電圧のゼロクロス判定を行う。ゼロクロス点でなければLOOP2へ戻る(STEP8)。セロクロス点を検出すると、区間後半30°の通電パターン(LZ通電)を出力レジスタにセットする(STEP9)。
次に、PWMキャリアの割り込み待ちを行う。割り込みが無ければLOOP3へ戻る(STEP10)。PWMキャリア割り込みがあれば、PWMモード設定(独立モードまたは相補モード)を行う(STEP11)。PWMオンサイクル時にADCにより三相のコイル電圧測定する(STEP12)。PWM制御回路は、通電区間終点か否かを判定し、通電区間終点でなければLOOP3へ戻る。また、通電区間終点ならLOOP1へ戻る(STEP13)。
以上の手順で期間の半分を相補モードとしてクランプダイオード損失を半減し、残りの半分を独立モードとしてLZ通電を行い誘起電圧クランプレス通電を実現できる。
なお、モータ駆動回路の構成や制御プログラム構成は様々考えられ、本実施例に開示された態様に限定されるものではなく、本案主旨を逸脱しない範囲で電子回路技術者あるいはプログラマー(当業者)であれば当然なし得る回路構成の変更やプログラム構成の変更も含まれる。
1 回転子軸 2 回転子 3 永久磁石 4 固定子 50 上位コントローラ 51 MPU 52 ハーフブリッジ型インバータ回路(INV) 53 反転PWM制御回路 54 AD変換回路(ADコンバータ:ADC) 55 ゼロクロスコンパレータ 56 反転回路

Claims (5)

  1. 永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備える電動機を、パルス幅変調(PWM)方式にて二相通電する電動機の駆動方法であって、
    前記永久磁石界磁位置を検出あるいは推定する位置検出回路と、
    三相コイル電圧をAD変換して制御回路に送出する測定回路と、
    ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルに双方向通電する出力回路と、
    上位コントローラからのトルク指令に基づいてPWM方式にてコイル出力を制御し、連続回転が可能な通電角度情報と通電パターン情報とを記憶し、前記位置検出回路の出力に基づいて前記出力回路を制御して通電状態を切り替える制御回路と、を備え、
    PWM周期内の通電期間において正極電源に接続する相を電源相、接地電源に接続する相を接地相、ハイインピーダンス(開放)状態とする相を開放相とし、三相の共通接続点電位を中性点電位として、前記制御回路は前記測定回路の出力に応じて当該PWM周期内の遮断期間の電源相及び接地相の出力状態を切り替え、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時は遮断期間において接地相を接地電源に接続し電源相も接地電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とし、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の時は遮断期間において電源相を正極電源に接続し接地相も正極電源に接続するかまたはハイインピーダンス状態とすることを特徴とする電動機の駆動方法。
  2. 開放相誘起電圧ゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を設け、120°通電における通電区間を前記ゼロクロス点で前方区間と後方区間に分けて電気角を12区間とし、
    PWM周期の遮断期間において接地相を接地電源に接続し電源相も接地電源に接続またはハイインピーダンス状態とするか、あるいは電源相を正極電源に接続し接地相も正極電源に接続またはハイインピーダンス状態とするかを、前記12区間に応じて選択する請求項1記載の電動機の駆動方法。
  3. 前記出力回路はスイッチング素子として電界効果トランジスタ(FET)を備え、
    PWM制御回路は、相ごとに前記ハーフブリッジ型インバータ回路のハイサイドアームとローサイドアームを対で制御し、PWMオフサイクル中はPWM周期内の通電期間(PWMオンサイクル)とは逆サイドのアームをオンとする相補モードでPWM制御を行い、
    PWMオンサイクル中はH(ハイサイドアームオン)としPWMオフサイクル中はL(ローサイドアームオン)とするHL通電と、PWMオンサイクル中はL(ローサイドアームオン)としPWMオフサイクル中はH(ハイサイドアームオン)とするLH通電の双方の通電モードを備え、
    開放相の誘起電圧と中性点電位の大小関係に応じて通電モードを切り換え、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の期間はLH通電し、正の期間はHL通電することで開放相ブレーキ電流を阻止する請求項1記載の電動機の駆動方法。
  4. マイクロコントローラに内蔵されるPWM制御回路からFETプリドライバに送出される6個のFETゲート信号のそれぞれに論理を反転する反転回路を設け、あるいは相ごとにハイサイドアームとローサイドアームを入れ替える反転回路を設け、
    前記マイクロコントローラはLH通電が必要な相に対して、いずれかの前記反転回路へPWMキャリアに同期して反転指令を出力し、当該通電相のHL通電モード状態の2個のFETゲート信号を論理反転あるいは入れ替えることでLH通電モード状態の信号に変換してLH通電を行う請求項3記載の電動機の駆動方法。
  5. 前記PWM制御回路は、開放相の誘起電圧が中性点電位に対して負の時はPWMキャリアに同期して、PWM制御モードをPWMオンサイクル中はL(ローサイドアームオン)、PWMオフサイクル中はZ(ハイインピーダンス状態)とする独立モードに切り替えてLZ通電にてPWM制御し、
    開放相の誘起電圧が中性点電位に対して正の時はPWMキャリアに同期して、PWM制御モードをPWMオンサイクル中はH(ハイサイドアームオン)、PWMオフサイクル中はL(ローサイドアームオン)とする相補モードに切り替えてHL通電にてPWM制御する請求項3記載の電動機の駆動方法。
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