JP6789589B1 - 電動機の駆動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラシレスDCモータをPWM制御による120°通電方式で位置センサレス駆動する際、デューティ比0%から負荷の有無にかかわらず確実に界磁位置を検出できる電動機の駆動方法を提供する。【解決手段】MPU51は、回転数と出力デューティ比の関係を示す特性図において、回転数零かつ出力デューティ比が50%の点と最高回転数Nmaxかつ出力デューティ比100%の点を結ぶ直線上のデューティ比を零出力デューティ比Dzとし、零出力デューティ比Dz以上のデューティ比領域を出力可能領域Eとして当該出力可能領域Eを満たすデューティ比を選択して出力回路57に出力する。【選択図】図6

Description

本開示は、例えば三相ブラシレスDCモータ等をPWM制御による120°通電方式で二相矩形波通電する電動機の駆動方法に関する。
尚、以下の説明では二相通電というときは、スター結線及びデルタ結線された三相コイルのうちいずれか二相コイルに接続する2端子間に通電することを二相通電というものとし、デルタ結線の場合、任意の2端子間で三相コイルに分流して流れる場合も含むものとする。
従来、小型直流モータはブラシ付きDCモータが用いられてきたが、ブラシ音・電気ノイズ・耐久性等に問題がありブラシレスDCモータが登場した。さらに最近では小型軽量化・堅牢化・ローコスト化等の観点から位置センサを持たないセンサレスモータが注目され、まず情報機器分野のハードディスクドライブ等に採用されたがベクトル制御技術の発展により家電・車載分野でも採用され始めた。
図12に位置センサを備えないセンサレスモータの一例として三相ブラシレス直流(DC)モータの構成を示す。回転子軸1を中心に回転する回転子2にはS極とN極で一対の永久磁石3が設けられている。永久磁石界磁の磁極構造(IPM,SPM)あるいは極数等は様々である。固定子4には120°位相差で設けられた極歯に電機子巻線(コイル)U,V,Wが配置され、中性点(コモン)Cを介してスター結線されている。隣接相を接続し中性点を持たないデルタ結線されるものもある。
図13に従来のセンサレスモータ駆動回路の一例をブロック構成図に示す。MOTORは三相センサレスモータである。MPU51はマイクロコントローラ(制御部)である。出力回路57(INV)は、三相ハーフブリッジ構成のインバータ回路である。ZEROは零クロスコンパレータ59とダミーコモン生成部60(COM)である。尚、実際のセンサレスモータ駆動回路には、このほかに電源部、ホストインターフェース部等が必要であるが煩雑化を避けるため省略してある。
図14に三相ブラシレスDCモータの駆動方式の代表的な例として120°通電のタイミングチャートを示す。区間1はU相からV相に、区間2はU相からW相に、区間3はV相からW相に、区間4はV相からU相に、区間5はW相からU相に、区間6はW相からV相に、矩形波通電される。破線は誘起電圧波形である。HU〜HWはモータに内蔵されるホールセンサの出力波形であり、従来の位置センサ付き三相ブラシレスDCモータはこの信号に基づいて励磁切り替えが行われる。
位置センサを用いないセンサレス駆動方式により励磁切り替えを行う方法としては、中速度以上で回転時に中性点電位を基準として開放相(非通電相)電圧を比較し、誘起電圧零クロス点を検出し30°遅延タイマー等を用いて励磁切り替え点を検出する30°遅延法が広く知られており、先行技術として以下の文献がある(特許文献1:特許第5634963号公報)。
特許第5634963号公報
しかしながら、特許文献1に開示された30°遅延法は、オープンループ期間が30°発生するため動作が不確実という欠点がある。
正弦波通電方式ではコイル電流位相から位置を推定するベクトル制御正弦波通電法があるが演算負荷が大きくハードウェアが大がかりになる。あるいは60°ごとに位置検出する6ステップサイン波通電法があるが、オープンループ期間が60°発生し始動が困難で負荷変動に弱く用途が限定される。その他、通電電流に高周波電流を重畳する高周波重畳法やPWM制御による通電周波数を数パルスごとに変動させて検出するマルチ空間ベクトル法などが提唱されているが、いずれも変調復調手順が複雑でありセンシング音が発生するなどの欠点がある。
そこで、本件出願人は、三相モータの二相をPWM矩形波駆動する120°通電において開放相に現れる電圧変化から界磁位置を検出する方法を提案した(特許第6402276号公報)。これは位置検出信号即ちPWM制御による通電(以下単に「PWM通電」という)時の通電二相平均電圧(仮想中性点電圧)と開放相電圧との電位差(本書ではこれを位置検出信号VLと呼ぶことにする)が、ローター位相角に応じて変化することを利用して界磁位置検出するものである。
図15に位置検出信号VLの実測波形例を示す。横軸は位相角、縦軸は電圧である。小型IPMモータをU−V通電しながらローターをゆっくりと1電気角回転させたときの仮想中性点電圧と開放相電圧の差(位置検出信号VL)を表示している。基準となる0Vは仮想中性点電位である。
ここで使用しているPWM制御による通電方式は、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは通電しない単方向通電モードで、デューティ比を10%刻みで変更した時の10%〜80%の8波形を重ねて表示してある。参考に開放相の誘起電圧波形も表示した。回転時はVL波形にこの誘起電圧波形が重畳して現れる。
VL波形は歪があるものの概SIN2θ波形となっており120°通電方式の通電区間単位であればローター位置検出が可能であることを示している。励磁した通電パターンはU−V励磁であり位相角30°から90°の区間が対象となり区間内で位置検出信号は単調性が保たれている。従って、区間終点を検出するためには位相角90°のVL信号レベルにのみ着目すればよい。そこで区間終点のVL電圧を推定し開放相電圧と比較すれば区間終点を検出できるので次の区間の通電パターンに切り換え、以後これを繰り返せば連続回転できる。
この方法は位置検出手順が比較的簡単でセンシングロスやセンシング音がなくまた極めて安定した位置検出ができ高い実用性を備えており好ましいものであるが以下の課題がある。
上述のVL電圧による位置検出方法は、VL信号レベルがデューティ比によって変わり、例えばデューティ比が10%といった低デューティ比においては信号レベルが極端に小さくなり位置検出できないという課題がある。
図1は単方向通電時の制御量デューティ比Dと位置検出信号電圧の相関図である。横軸はデューティ比、縦軸は電圧である。図15の測定データを引用して、U−V通電の区間終点位相角90°でのVL電圧を制御量デューティ比Dごとにプロットしたものである(90%と100%は図示されていない)。なお、制御量デューティ比100%時は直流通電となりVL電圧は0となる。位置検出信号VL電圧の信号レベルは、デューティ比約20%から80%では充分大きいが、20%以下では小さくなり検出困難となる。そのため低デューティ比となる低負荷・低速時は位置検出ができず使用できないという制約が発生する。つまり無負荷時は最低デューティ比でもかなりの速度で回転しそれ以下の回転数にはできないと言うことである。
低デューティ比時に位置検出信号が小さくなる理由は、制御量デューティ比Dが小さい時はオンサイクル時間が短くなりPWM周期内での電流変化が小さくなることから通電二相間のインダクタンス偏差による起電圧も小さくなるためである。
また、位置検出信号はオンサイクルでしか検出できないため、制御量デューティ比Dが小さくなるほど検出時間が短くなり通電切り替え時のスパイクあるいはリンギングにより信号検出が困難になり、測定タイミングの面からも低デューティ比には限界がある。尚、80%以上の高デューティ比時にもVL電圧が小さくなるが、高デューティ比時は出力が大きく必ず回転していることから誘起電圧によって位置検出できるため問題とはならない。
図2に単方向通電モードPWMの使用不可能領域を示す。
図はトルク−回転数特性図で、横軸はトルク、縦軸は回転数である。BLDCモータの使用領域はT−Nカーブで制限されるが、使用領域の中で左下の低負荷低速回転エリアは上述の理由から位置検出できず使用不可能領域であり、本発明が解決すべき課題となっている領域である。
本発明は上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ブラシレスDCモータをPWM制御による二相矩形波通電により位置センサレス駆動する際、デューティ比0%から負荷の有無にかかわらず確実に界磁位置を検出できる電動機の駆動方法を提供することにある。
永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備える電動機を、パルス幅変調(PWM)方式にて二相矩形波通電する電動機の駆動方法であって、一対のハイサイドアーム及びローサイドアームを備えた出力素子を三相分備えた三相ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルのうち二相に出力する出力回路と、上位コントローラからの出力指令に基づいて所定の制御量デューティ比DでPWM通電方式にて前記出力回路の出力を制御し、オンサイクルは正方向に二相矩形波通電し、オフサイクルは逆方向に二相矩形波通電する制御回路と、を備え、Vmを電源電圧、Vfを出力段クランプダイオード電圧降下、Ke(0-p)を線間誘起電圧定数とするとき、前記制御回路は、三相コイルのうち二相に対して双方向通電モードにてPWM通電し、出力デューティ比を、停止時は50%とし、(Vm+Vf)/Ke(0-p) にて求められる最高回転数Nmax時は100%とする回転数と出力デューティ比の関係を示す特性図において、回転数零かつ出力デューティ比が50%の点と前記最高回転数Nmaxかつ出力デューティ比100%の点を結ぶ直線上のデューティ比を零出力デューティ比Dzとし、零出力デューティ比Dz以上のデューティ比領域を正転領域として当該正転領域を満たすデューティ比を選択して前記出力回路に出力することを特徴とする。
これにより駆動回路又は電源装置或いはモータ等を破損することなく二相双方向PWM通電を行い、出力0%から界磁位置の検出が可能となる。
前記制御回路は、前記正転領域に適合するように、前記制御量デューティ比Dに回転数に応じて決まる前記零出力デューティ比Dzを用いて(100%−零出力デューティ比Dz)/100%で算出される圧縮率Kを乗じて得られた値DKを前記零出力デューティ比Dzに加算して出力デューティ比D′を決定するようにしてもよい。
これにより、単方向通電では制御量デューティ比Dは出力デューティ比D′となるため、単方向通電と双方向通電とで、等しい出力量とすることができる。
前記制御回路は、逆転ブレーキをかける際に双方向通電モードを選択し、零出力デューティ比Dzから所定のオフセットデューティ比Doffを減算して逆転ブレーキをかける際の出力デューティ比Dbkを算出し、所定の回転数閾値以下となったら逆転ブレーキを解除し、出力回路への出力を停止して惰性回転するか、デューティ比を50%に固定し弱い逆転ブレーキをかけるか、あるいは三相コイルを短絡するショートブレーキをかけるかのいずれかを選択することが好ましい。
これにより、駆動回路又は電源装置或いはモータ等を破損することなく最短時間で減速あるいは停止可能な制動を実現することができる。
前記制御回路は、前記出力回路のハイサイドアームとローサイドアームを相ごとに対で制御し、通電二相をオンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは通電しない単方向通電モードと、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは逆方向に通電する双方向通電モードの二つのモードを備えPWM周期に同期して任意に切り換え可能なPWM制御回路を備え、前記PWM制御回路は、予め双方向通電モードと単方向通電モードを切り換える切換えデューティ比Dcを設定しておき、運転時は制御量デューティ比Dが変更になるたびに当該制御量デューティ比Dと切換えデューティ比Dcの大小比較を行い、D<Dcのときは双方向通電モードで通電し、D≧Dcのときは単方向通電モードで通電するようにしてもよい。
このように、PWM制御回路は双方向通電モードを低デューティ比時のみに適用することで、双方向通電モードによる通電効率の低下を最小に抑えることができる。
前記制御回路は、双方向通電モードで制御量デューティ比DがPWM周期の50%以上のときは、出力デューティ比にかかわらずPWM周期の50%時点の直前の所定タイミングで、制御量デューティ比DがPWM周期の50%未満のときは、オンサイクル完了時点の直前の所定タイミングで界磁位置検出に必要なコイル電圧の測定を行うことが好ましい。
これにより測定タイミング処理を簡素化でき、測定値はPWM制御による通電切換えにより発生するスパイク電圧やリンギングの影響を避けることができ、かつ測定後の界磁位置推定のための演算時間を十分に確保できる。
また、前記最高回転数Nmaxを決定する際、モータが一定負荷かつ任意の回転数Nで回転中に、電源を遮断して惰性回転させた時の停止時間Tsと、任意の最大回転数Nmax′に基づいて前記零出力デューティ比Dzを演算して出力した時の停止時間Ts′を測定し、Ts=Ts′となる任意の最大回転数Nmax′を前記最大回転数Nmaxとしてもよい。
これにより駆動回路及びモータの特性を正確に反映した最大回転数Nmaxを求めることができる。
上述した電動機の駆動方法を用いれば、PWM制御による二相矩形波通電により双方向通電モードで120°通電を行うことで、出力0%から100%まで界磁位置検出が可能となり、低デューティ比となる無負荷低速回転も可能である。
その際に零出力デューティ比Dzを規定し逆転トルクが発生しないようにすることで、速度サーボ時のハンチングが低減され低速回転領域まで優れた制御性を発揮でき、特に極低速領域が拡大する。さらに安全なデューティ比領域を明確にすることで、意図しない逆転ブレーキを防止し過大な回生電流によるモータ駆動回路や電源装置の破損あるいはモータの焼損のおそれがなくなる。
双方向通電モードを利用して逆転ブレーキをかけることができ、停止時間あるいは減速時間を短縮できる。
また制御量デューティ比Dに応じて双方向通電モードと単方向通電モードを切り替え、低デューティ比時は双方向通電モード、高デューティ比時は単方向通電モードとすれば、双方向通電時の渦電流損やスイッチング損失やデッドタイムロス等による効率低下を最小に抑えて効率を改善できる。
さらにPWM制御回路(PWMコントローラ)は、単方向通電モードに追加して双方向通電モードを設けてもデッドタイムコントローラが1個追加となるだけで済むことから三相正弦波通電用のPWMコントローラと比べて大幅に簡略化できる。
また、双方向通電時は、コイル電圧測定をデューティ比50%時点の直前で行うことができ理想的なタイミングとなる。例えばPWM出力の切り換えから測定までのウェイト時間はPWM周期のほぼ1/2となりリンギングが収束し信号が安定した状態で測定できる。またウェイト時間はPWM周期により一義的に決定でき、モータ駆動回路設計時にあらかじめ決定できるのでデューティ比に応じてタイミング調整する必要がなくなりプログラムが簡素化される。さらに測定後の位置検出処理などの演算時間もほぼPWM周期の1/2が確保できプログラミングが容易となり、また低速クロックのMPUも使用可能となることから回路消費電流とコストを抑えることができる。
単方向通電モードのデューティ比と位置検出信号電圧の相関図である。 トルク‐回転数特性を用いた単方向通電モードPWMの使用不可能領域の説明図である。 図3Aは単方向通電のタイミングチャート、図3Bは双方向通電のタイミングチャートである。 双方向通電モードのデューティ比と位置検出信号電圧の相関図である。 トルク‐回転数特性を用いた双方向通電モードPWMの使用領域の説明図である。 回転数‐出力デューティ特性を用いた双方向通電モードPWMの正転領域の説明図である。 回転数‐出力デューティ特性を用いた双方向通電モードPWMの逆転ブレーキの出力領域の説明図である。 切換えデューティ比Dcを用いた双方向通電モードと単方向通電モードの切り換え例を示すグラフ図である。 双方向通電モードPWM周期のコイル電圧測定タイミングチャートである。 モータ駆動回路のブロック図である。 通電制御プログラムのフローチャートである。 三相モータの説明図である。 従来のモータ駆動回路のブロック図である。 120°通電のタイミングチャートである。 単方向通電の界磁位置検出信号VLの実測波形図である。
以下、本発明に係る電動機の駆動方法の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本願発明は、電動機の一例として、回転子に永久磁石界磁を備え、固定子に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端がモータ出力回路に接続されたBLDCモータがあげられ、ここでは近年利用が拡大している位置センサレスモータを用いて説明する。
図12を参照して三相BLDCセンサレスモータの一実施例を示す。一例として2極永久磁石ローターと3スロットを設けた固定子4を備えた3相ブラシレスDCモータを例示する。モータはインナーローター型でもアウターローター型でもいずれでもよい。また、永久磁石型界磁としては永久磁石埋め込み型(IPM)モータや表面永久磁石型(SPM)モータのいずれであってもよい。
図12において、回転子軸1には回転子2が一体に設けられ、界磁として2極の永久磁石3が設けられている。固定子4には120°位相差で極歯U,V,Wが永久磁石3に対向して配置されている。固定子4の各極歯U,V,Wに巻線u,v,wを設けて相間をコモンCでスター結線して後述するモータ駆動装置に配線された3相ブラシレスDCモータとなっている。尚、コモン線は、不要であるので省略されている。
次に、三相センサレスモータのモータ駆動回路の一例について図10に示すブロック図を参照して説明する。煩雑化を避けるため、クロック発生部や通信部等の記載は省略する。
MPU51(Micro Processor Unit:制御回路)は、演算部52(LOGIC)、PWMコントローラ53(PWM制御回路:PWMC)とタイマー54(TM)及びADコンバータ55(ADC)を内蔵している。MPU51は、後述するように、上位コントローラ50からの出力指令(RUN)或いは速度サーボ制御量などに基づいて決定される所定の制御量デューティ比DでPWM通電方式にて後述するプリドライバ56(PRE)及び出力回路57(INV)の出力を制御する。具体的には、オンサイクルは正方向に二相矩形波通電し、オフサイクルは逆方向に二相矩形波通電する。
演算部52(LOGIC)は、120°通電の通電パターンを記憶し上位コントローラ50からのRUN指令を受けてモータ(MOTOR)を回転させ、またコイル電圧のAD変換結果から界磁位置を推定して通電パターンを選択し、回転数から速度サーボ演算を行って制御量デューティ比Dを決定し、該制御量デューティ比Dに応じて通電モードを選択する。
PWMコントローラ53(PWMC)は、1個のエッジアライメント型デューティコントローラとデッドタイムコントローラを備えており、演算部52(LOGIC)からの指定に応じて所定の通電パターンを出力可能となっている。また、PWMコントローラ53は、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは非通電とする単方向通電モードと、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは逆方向に通電する双方向通電モードとを備え、演算部52(LOGIC)からの指定にてPWM周期に同期して所定の切換えデューティ比Dc未満では双方向通電モード、所定の切換えデューティ比Dc以上では単方向通電モードに切り替え可能となっており、通電パターンと通電モードと制御量デューティ比Dを反映したゲート信号出力PWMC1〜6を備えプリドライバ56(PRE)に出力する。
プリドライバ56(PRE)は、PWMコントローラ53からゲート信号出力PWMC1〜6が入力され、電力変換して出力回路57(INV)にゲート信号PRE1〜6を出力する。プリドライバ56(PRE)は、一般的に各種保護回路の他、PRE1〜6の出力電圧を昇圧するチャージポンプ、出力短絡を防止するインターロック、プリドライバ内の上下アーム貫通を防止するデッドタイムコントローラ、ゲートドライブ電流調整部などを備える。
出力回路57(INV)は、三相ハーフブリッジインバータ回路であり、プリドライバ56(PRE)からゲート信号PRE1〜6が入力されると各相のハイサイドアームまたはローサイドアームの出力素子が駆動され、電力増幅したコイル出力U〜Wを出力する。それぞれの出力素子はnチャンネルFETで構成され逆並列に接続された保護ダイオードを内蔵している。
分圧回路58(RA)は、界磁位置検出のためにコイル出力U〜Wを分圧し必要に応じてフィルタリングしてコイル電圧信号u〜wをADコンバータ55(ADC)に送出する。
タイマー54(TM)は、PWMコントローラ53からPWM周期開始信号を受けPWM周期に同期して測定ウェイト時間を計測する。ウェイト時間は通電モードにより異なり、双方向通電モードではPWM周期の1/2よりADCアクイジョンタイムだけ短い所定の時間を計測し、単方向通電モードでは制御量デューティ比Dに応じたオンサイクル時間からADCアクイジョンタイムを減算した時間を計測する。これらの演算は演算部52(LOGIC)にて行われタイマー54(TM)にプリセットされる。タイマー54(TM)はタイムアップするとADコンバータ55(ADC)に対しトリガー信号を送出する。
ADコンバータ55(ADC)は、三相の入力信号を同時サンプリングするサンプルホールド回路を備え、タイマー54(TM)からのトリガー信号によりコイル電圧信号u〜wをサンプルホールドし引き続きAD変換し、変換結果を演算部52(LOGIC)に送出する。
通電方式はPWM120°矩形波通電とし、図14に示す通電タイミングチャートを参照して説明する。60°の通電区間が6個で1電気角回転する。区間1はU相からV相へ、区間2はU相からW相へ、区間3はV相からW相へ、区間4はV相からU相へ、区間5はW相からU相へ、区間6はW相からV相へ、と通電することで正方向回転する。残りの1相は開放され非通電となり位置検出に利用する。逆方向回転は通電相の通電パターンを180°進め通電区間の歩進を正方向回転とは逆順とすることで行う。
以上の構成によりBLDCモータを位置センサなしで120°通電にて連続回転させるモータ駆動回路を実現できる。MPU51は、双方向通電モードを備えており出力0%から100%まで位置検出でき、低負荷時のストール運転や低速回転あるいは逆転ブレーキ等も可能であり、単方向通電に切り換えることで高効率化が図れる。
以下では上述したモータ駆動回路を用いた界磁位置検出の原理について具体的に説明する。
(双方向通電モードPWMによる位置検出)
PWMコントローラ53によるPWM通電モードには、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは通電しない単方向通電モードと、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは逆方向に通電する双方向通電モードがある。
単方向通電モードでは出力トルクはデューティ比に比例しデューティ比50%時は出力トルクも正方向に50%相当となるが、双方向通電モードではデューティ比50%時はオンサイクル出力とオフサイクル出力が打ち消しあい出力トルクは0となり、50%より大きい時は正方向出力>逆方向出力となることから正転トルクが発生し、50%未満では正方向出力<逆方向出力となることから逆転トルクが発生する。
図3A,Bに単方向通電モードと双方向通電モードのタイミングチャートを示す。出力回路57は相ごとにハイサイドアームとローサイドアームで構成され全部で6個の出力素子があり、MPU51に内蔵したPWMコントローラ53はそれぞれをコントロールする6個のゲート制御信号をプリドライバ56に出力する。U+信号はU相をH(ハイ)電位に、U−信号はU相をL(ロウ)電位に接続する。V+信号はV相をH電位に、V−信号はV相をL電位に接続する。W+信号はW相をH電位に、W−信号はW相をL電位に接続する。符号HはH(ハイ)電位に接続することを、LはL(ロウ)電位に接続することを、Zは非通電状態とすることを表す。
図3A,BではPWM通電にてU−V相通電時の上記の6個のゲート制御信号の出力状態を示す。PWMcycleはPWM周期であり、ONcycle(オンサイクル)は単方向通電においてコイルに通電するオン期間であり通電時間はデューティ比で指定される。OFFcycle(オフサイクル)は単方向通電においてコイルに通電しないオフ期間である。
図3Aに示す単方向通電モードは、U相ハイサイドアームU+をPWM通電し、オンサイクルはH通電しオフサイクルは非通電状態Zとしている。V相ローサイドアーム出力V−はPWM周期を通じてL通電し、その結果オンサイクル時はU相からV相へ電流が流れ、オフサイクル時は電源からの電流は流れない。W相はハイサイドアームもローサイドアームも動作せず非通電状態Zとなる。通電パターンは6パターンあり、U−V通電以外のパターンも同じ要領で通電される。
図3Bに示す双方向通電モードは、オンサイクル時にU相からV相に電流が流れ、オフサイクル時はV相からU相に電流が流れる。オフサイクル時にも逆方向に電流が流れる点が単方向通電とは異なる点である。W相はハイサイドアームもローサイドアームも動作せず非通電状態Zとなる。通電パターンは6パターンあり、U−V通電以外のパターンも同じ要領で通電される。
本案では正転しか扱わないこととし回転方向の切り換えは通電パターンを180°進め通電区間の歩進は正方向回転とは逆順とすることで行うこととする。従って、双方向通電モード時の出力デューティ比は回転方向に関わらず50%から100%の範囲となる。ただし逆転ブレーキ時は除く。
以下に課題の解決方法を述べる。すでに述べたように低デューティ比では位置検出信号が小さくなり位置を検出できないことから低負荷時の低速回転はできないという課題があったが、それは単方向通電モードのPWM通電を行っていることに起因する。しかし双方向通電モードとすれば出力トルク0状態でもデューティ比は50%となり、低出力時でも大きなレベルの位置検出信号を得ることができ課題は解決される。
図4は双方向通電時の制御量デューティ比Dと位置検出信号電圧VLの相関図である。横軸はデューティ比、縦軸は電圧である。U−V通電の区間終点位相角90°での位置検出信号VL電圧を実測し、デューティ比ごとにプロットしたものである。デューティ比は双方向通電であることから50%以上を5%刻みで測定した。デューティ比100%時は直流通電となり位置検出信号電圧VLは0となる。なお、図1と同じモータを使用したが試験条件がやや異なったため、測定値には若干の相違が生じているが傾向は把握できる。
デューティ比50%(単方向通電の0%相当)から80%(単方向通電の60%相当)程度まで信号レベルは大きく、位置検出可能なことが判る。特にデューティ比50%〜60%の低出力領域(単方向通電時の0%〜20%に相当)で非常に大きく、低速回転あるいは静止時の界磁位置検出に有効である。従ってPWM通電モードを双方向通電モードとすればデューティ比の小さな低負荷低速回転時も位置検出して駆動することが可能となる。なお、高デューティ比時には回転子は回転しており誘起電圧から位置検出可能であるので位置検出信号VL電圧が小さくなっても界磁位置検出でき問題とはならない。
図5はトルク‐回転数特性を用いた双方向通電モードPWMの使用領域の説明図である。横軸はトルクT、縦軸は回転数Nである。使用領域はT−Nカーブで制限されるが、図2に示す単方向通電時では使用不可能であった領域もカバーしており低負荷低速回転から高速回転まで全域で使用することができる。
(双方向通電モード時のデューティ比の規制)
しかしながら、三相DCブラシレスモータを双方向通電モードでPWM制御により二相矩形波通電する場合、単純にオフサイクル時に逆方向に通電するだけでは双方向通電モードを使用できない。制御量デューティ比Dによっては逆方向に回転し、正方向に回転している場合も適正な値より小さなデューティ比を出力すると過大な回生電流が流れモータ駆動回路や電源装置(充電式バッテリーも含む)が破損するおそれやモータが焼損するおそれがある。これらの不具合の発生を防止し双方向通電モードでPWM制御により二相矩形波通電を安全に運用するためには出力デューティ比の制御が必須となる。
そこで本案は双方向通電モードでPWM制御による二相矩形波通電を安全に運用できるデューティ比範囲を明確に規定する正転領域Eを設けることとした。
図6は回転数‐出力デューティ特性を用いた双方向通電モードPWMの正転領域Eの説明図である。横軸は制御量デューティ比D、縦軸は回転数Nである。
Nmaxは無負荷時の理論的な最大回転数で、
Nmax=(Vm+Vf)/Ke(0-p) (式1)
;Vmは電源電圧、Vfは出力段クランプダイオード電圧降下、Ke(0-p)は線間誘起電圧定数(ゼロツーピーク)とする。
誘起電圧(ゼロツーピーク)は線間誘起電圧定数Ke(0-p)×回転数Nで表され、電源電圧Vmと出力段クランプダイオードの順方向電圧降下Vfを加算した電圧が誘起電圧(ゼロツーピーク)の最大値である。なお、Vf及びKe(0-p)は回路あるいはモータの固有値である。
一方、Nmaxとモータ停止時間には以下の関係がある。
Nmaxが(式1)の理論値通りであれば、一定負荷で任意の回転数Nで回転中に、電源を遮断して惰性回転させた時の停止時間Tsと、零出力デューティ比Dz(次項で述べる)で惰性回転させた時の停止時間Ts′は等しい。即ちNmax=理論値の時、Ts=Ts′となる。
Nmaxが理論値より小さいと、零出力デューティ比Dzを出力しても実効出力は0より大きくなり加速するため停止時間が長くなり、Ts<Ts′となる。
Nmaxが理論値より大きいと、零出力デューティ比Dzを出力しても実行出力は0より小さくなり逆転ブレーキがかかるため停止時間は短くなり、Ts>Ts′となる。
従って、Nmaxを実験的手法で求めるには、モータが一定負荷かつ任意の回転数Nで回転中に、電源を遮断して惰性回転させた時の停止時間Tsを測定しておき、次にモータを再度上述と同一条件にて回転数Nで回転させ、暫定的に任意のNmax′を選択しそれに基づいて零出力デューティ比=Dzを演算して出力し惰性回転させた時の停止時間Ts′を測定し、Ts=Ts′となるNmax′を求めその値をNmaxとすればよい。
これにより駆動回路及びモータの特性を正確に反映した最大回転数Nmaxを求めることができる。
回転数零かつデューティ比50%のA点と、Nmaxかつデューティ比100%のB点を結ぶ直線上のデューティ比を双方向通電モード時の零出力デューティ比Dzとし下式で表される。
Dz=(1+N/Nmax)×50% (式2)
;Nは回転数
モータ回転中に零出力デューティ比Dzを出力すると、出力は0となりモータは惰性回転し、零出力デューティ比Dzを出力し続ければ減速して徐々に回転数は低下しやがてモータは停止する。零出力デューティ比Dzより大きなデューティ比の部分が正転領域で始動や定常回転が可能である。またこのエリアは回生電流が発生しない領域でもあり回生電流を避けるためには出力デューティ比はこの範囲に制限する必要がある。
回転時にこの正転領域Eより小さな値を出力するとモータは回生電流により逆転ブレーキがかかり、出力素子保護ダイオード等を経由して誘起電圧/コイル抵抗値の電流が電源側に流れる。回転数が高いと誘起電圧も大きくなり過大な回生電流が流れモータ駆動回路あるいは電源装置が焼損するおそれがある。さらに電源装置(充電式バッテリーを含む)に回生電流を吸収する手段がない場合は電源電圧が上昇し異常に高くなった電源電圧によりモータ駆動回路あるいは電源装置が破損するおそれがある。従って、回生電流吸収手段を備えずに双方向通電モードを使用する場合は、回生電流が発生しないようにする必要がありそのためには常に出力デューティ比を零出力デューティ比Dzより大きくなるように制御しなければならない。
零出力デューティ比Dzでデューティ比を制限するもう一つの重要な目的は、低速回転時の速度サーボによるハンチングを防止することにある。速度サーボ系出力は速度がオーバーすると制御量デューティ比Dを0%にまで落とす。そのとき出力デューティ比を50%まで落とすと零出力デューティ比Dz以下になり想定外の回生制動がかかることになり速度が低下しすぎ、次の速度制御周期で速度サーボ系は大きな加速量を出力することから振動いわゆるハンチングが発生する。従って、零出力デューティ比Dz以下にならないように制御すればハンチングを抑制でき極低速領域が拡大する。実際に3.5インチディスク付きハードディスク用モータを使った実験によれば最小デューティ比50%の条件ではハンチングが発生し最低回転数が約240rpmであったが、最小デューティ比を零出力デューティ比Dzとした場合はハンチングせず最低回転数も60rpmに改善された。
またモータ始動時は通常大きな出力デューティ比で初期状態を通過するが、ソフトスタート動作時の始動直後等では出力と負荷条件によっては上記と同様の現象が発生するので、たとえ低速回転を目的としない機器でも零出力デューティ比Dzによる制限は必要である。
(双方向通電モード時の制御量デューティ比の圧縮)
制御量デューティ比Dは、外部からのトルク指令値あるいはサーボ系の制御量あるいは過電流制限量などで決定され0%〜100%の値をとる。単方向通電モードの出力可能なデューティ比範囲は0%〜100%であり、出力デューティ比D´は制御量デューティ比Dをそのまま使用できる。一方、双方向通電モードの出力可能なデューティ比範囲は回転数に応じて零出力デューティ比Dz〜100%であるので、この範囲に収まるように制御量デューティ比Dを圧縮しなければならない。
そこでコイル印可電圧から(式1)により最高回転数Nmaxを、回転数から(式2)により零出力デューティ比Dzを求め、
次に圧縮率Kを下式で求める。
K=(100%−Dz)/100% (式3)
双方向通電モード時の出力デューティ比D′は
D′=Dz+D×K (式4)
;Dは制御量デューティ比
即ち、双方向通電モード時の最終出力デューティ比D′は、零出力デューティ比Dzと、演算処理により圧縮された制御量デューティ比(D×K)とを加算したデューティ比とする。例えば0速で制御量デューティ比20%の時、Dz=50%、K=(100%−50%)/100%=0.5、よって出力デューティ比D′=50%+20%×0.5=60%となる。
(双方向通電モードによる逆転ブレーキ)
双方向通電モード時に、あらかじめ逆転ブレーキによる回生電流値が電源装置等で吸収可能な回生電流値以下となるオフセットデューティ比Doffを設定しておき、逆転ブレーキをかける場合は双方向通電モードPWM通電として、零出力デューティ比Dzからオフセットデューティ比Doffを減算して制動時の出力デューティ比Dbkとする。逆転ブレーキ時には制御量デューティ比Dは無関係となる。こうすることで零出力デューティ比Dzより小さくなった出力デューティ比Dbkに相当する回生電流が流れ逆転ブレーキ力が発生する。
以上から逆転ブレーキ時の出力デューティ比Dbkは下式で求められる。
Dbk=Dz−Doff (式5)
一方、停止時に逆転をしないために、逆転ブレーキ中に所定の回転数閾値Nbk以下になったら逆転ブレーキを解除し、出力を停止させ惰性回転とするか、あるいはデューティ比を50%に固定し弱い逆転ブレーキとするか、あるいは三相コイルを短絡してショートブレーキとする。
図7は双方向通電モードPWM通電の逆転ブレーキの出力領域示す回転数‐出力デューティ特性の説明図である。横軸は出力デューティ比、縦軸は回転数、Dbkは逆転ブレーキ時の出力デューティ比である。零出力デューティ比DzからオフセットDoffを減算することで逆転ブレーキ時の出力デューティ比Dbkは小さくなる方向に平行移動している。なお、回転数閾値Nbk以下は出力を停止する場合を例示してある。
回転時から停止に切り替わった時あるいは目標回転数が小さな値に変更されるなどして大きな回転数オーバー状態が発生した時などブレーキをかけて急速に目標回転数に移行したい場合が多いが、例えば三相を短絡させるショートブレーキでは位置を検出できなくなり回転数が判らず目標回転数を検出できず、高速回転時は過大なブレーキ電流が流れ、さらに低速回転になるとほとんど制動力が無くなるという欠点もある。
一方、上述した逆転ブレーキは中低速回転域も制動力が落ちないためショートブレーキに比べ半分以下の短時間で停止することができる。
また、ブレーキ電流は回転数に関わらず一定でありDoffにより任意に設定でき、減速時間あるいは停止時間を所望の値に調整でき、しかもブレーキ電流及びマイナス加速度も比較的小さく抑えることができる。
さらに制動中も界磁位置と回転数を検出し速度サーボ演算を行うことが可能である。従って回転数オーバー状態が発生した時は逆転ブレーキをかけ、目標速度近傍になったら逆転ブレーキを解除して直ちに目標回転数で回転することが可能である。これにより急減速して迅速に目標速度に到達し、スムーズに新たな目標速度の定常回転に移行する追従性の高い制御を実現できる。
尚、逆転ブレーキは双方向通電モード時に可能である。仮に単方向通電モードで逆転ブレーキ要求が発生した場合は、通電モードを双方向通電モードに切り替えてからブレーキをかけ、ブレーキ解除するときは改めて通電モードを選択すればよい。
通電モードの切り換えはMPU51に内蔵した演算部52(LOGIC)がPWMコントローラ53に通電モードをセットすれば、あとはハードウェアがPWM周期に同期して遅延なく実行するので、最短でPWM1サイクルごとでも切り換え可能である。
(単方向通電モードと双方向通電モードの切り換え)
双方向通電時は、PWM周期ごとにハイサイドアームとローサイドアームの貫通電流を防ぐためにデッドタイムが設けられ通電効率が低下する。また正方向と逆方向に交互通電することにより渦電流損失も大きくなる。またスイッチングする出力素子数も単方向通電の4倍に増加しスイッチング損失も増大する。これらの損失は三相正弦波通電に比べれば小さいものの二相単方向通電と比較すると大きい。
このように双方向通電時は単方向通電時に比べ効率が低下するため、厳しく効率を求められる場合は中速〜高速回転時には単方向通電に切り換えて効率の改善を図ることが考えられる。
単方向通電モードで位置検出可能な最低デューティ比はあらかじめ判るから、最低デューティ比よりわずかに大きい制御量デューティ比Dで双方向通電モードから単方向通電モード通電モードを切り替えれば制御量デューティ比0%から位置検出が可能となる。従って通電モードを比較的低いデューティ比で切り替えることで制御量デューティ比0%から位置検出が可能となりかつ通電効率が改善される。なお一般的には切り換えデューティ比Dcは制御量デューティ比20%前後が使用される。
そこで、予め通電モード切換えデューティ比Dcを設定しておき、制御量デューティ比Dに応じて双方向通電モードと単方向通電モードを切り替えることとする。通電モード切換えデューティ比Dcは厳密に設定する必要はないことから、制御量デューティ比Dが上昇する時と下降する時とでヒステリシスを設け切り替え時の発振を防止することも可能である。運用時はPWM周期ごとに制御量デューティ比Dと通電モード切換えデューティ比Dcの大小比較を行い、制御量デューティ比Dが通電モード切換えデューティ比Dcより小さい時は双方向通電モードとし、大きい時は単方向通電モードとすればよい。
図8は通電モードを切り換える切換えデューティ比Dcを用いた双方向通電モードと単方向通電モードの切り換え例を示すグラフ図である。横軸は経過時間、縦軸は制御量デューティ比Dである。図中のBDはバイディレクションの略語で双方向通電モードを、UDはユニディレクションの略語で単方向通電モードを表す。また切換えデューティ比Dcにはヒステリシスを設けており、DcHは上昇時の切り換えデューティ比Dcを、DcLは下降時の切換えデューティ比Dcを表す。始動時は双方向通電モードBDでスタートし、デューティ比が上昇しDcH以上となると単方向通電モードUDに切り替わり、デューティ比が下降しDcL以下となると双方向通電モードBDに切り替わる。
(位置検出信号の測定タイミング)
界磁位置検出は、PWM周期ごとにコイル電圧をオンサイクル時に検出して行われる。一方、PWM出力の切り換え時はスパイク電圧とリンギングが発生する。従って誤差を小さくして正しい位置を検出するためにはPWM出力切り替え後できるだけ長い待ち時間を設けてコイル電圧を測定する必要がある。そこで、オンサイクル終了間際に測定するという手順が必要となり、例えば制御量デューティ比Dが変更になるとオンサイクルのパルス幅を出力デューティ比から演算し、データアクイジョン時間を減算して測定ウェイト時間を求め、PWM周期ごとにタイマー54にウェイト時間をセットし、タイマー54がタイムアップしたら電圧測定を行うなどの、制御量デューティ比Dに応じた煩雑なタイミング処理が行われている。
一方、上述の双方向通電モード時のオンサイクルデューティ比は必ず50%以上である。従って、制御量デューティ比Dごとに測定タイミングを調整することなく50%時点即ちPWM周期の1/2の直前で測定してもよい。こうすれば測定待ち時間を計測するタイマー54はデューティ比に関わりなくPWM周期ごとに所定の値をセットするだけでよいのでタイミング制御プログラムが簡略化される。
図9に双方向通電モードPWM周期の測定タイミングチャートを示す。双方向通電モードにてU−V通電時の三相のタイミング波形を例示しており、50%時点の直前の丸印がADコンバータ55のデータアクイジョンタイムである。図中のHはH電位に、LはL電位に接続し、Z及び破線は非通電状態を表す。
開放相電圧はW相電圧から、仮想中性点電圧は(U相電圧+V相電圧)/2で求めることができる。なお三相の電圧を同時にサンプリングすれば電源変動や負荷変動の影響を低減でき、そのためにはADコンバータ55の入力部にサンプルホールド回路を設け同時サンプリングすればよい。
逆転ブレーキをかけているときはデューティ比が50%を下回る場合も有り得る。その時は単方向通電モード時と同様にオンサイクル終了の直前で測定すればよい。
図11に図10に示すモータ駆動回路を用いて通電制御するプログラムのゼネラルフローチャート例を示し、以下それに基づいてステップごとに制御動作を説明する。なお、動作プログラムは演算部52(LOGIC)に格納されている。
プログラムが開始されるとまずモータ出力を停止させ(STEP0)、スタンバイ状態となる(STEP1)。スタンバイ状態においてMPU51は上位コントローラ50からRUN指令を受信したらSTEP2へ進み、STOP指令ならSTEP0に示すスタンバイ状態に戻る。
演算部52は回転子の現在位置から通電パターンを選択し、PWMコントローラ53は前回通電モードと前回デューティ比にてプリドライバ56にPWMC1〜6を出力する。その結果、該当するプリドライバ出力(PRE)及び出力回路57(FET)がオンとなりコイルU〜Wが励磁されモータ(MOTOR)は回転する(STEP2)。
演算部52は前回回転数と目標速度から速度誤差演算を行い、今回の制御量デューティ比を計算する。速度サーボは一般的なPI制御を想定しているが設定値をそのまま出力するノンサーボでも構わない。その他トルク制御あるいは過電流制限などにより制御量デューティ比Dを決定してもよい(STEP3)。
演算部52は、今回デューティ比から通電モードを選択する。予め設定されている通電モード切換えデューティ比Dcと今回制御量デューティ比Dの大小比較により通電モードを決定する(STEP4)。
演算部52は、通電モードに基づいて制御量デューティ比Dを圧縮する。単方向通電モード時は圧縮せずそのままとする。双方向通電モード時は回転数Nに基づいて算出される零出力デューティ比Dzを用いて圧縮率Kを演算し出力デューティ比D′を以下のように決定する(STEP5)。
最高回転数Nmax=(Vm+Vf)/Ke(0-p)
;Vmは電源電圧、Vfは出力段クランプダイオード電圧降下、Ke(0-p)は線間誘起電圧定数(ゼロツーピーク)
零出力デューティ比Dz=(1+N/Nmax)×50%
圧縮率K=(100%−Dz)/100% ;Dzは零出力デューティ比
出力デューティ比D′=Dz+D×K ;Dは制御量デューティ比
PWMコントローラ53は、新たな通電モードと制御量デューティ比Dを反映したゲート信号出力PWMC1〜6をプリドライバ56へ出力する(STEP6)。
PWMコントローラ53は、タイマー54に測定ウェイト時間をセットし、PWM周期に同期して計時開始する。測定ウェイト時間は通電モードにより異なり、通電モードに応じて演算する(STEP7)。
タイマー54がタイムアップしたらADコンバータ55はコイル電圧信号u〜wをAD変換する。ADコンバータ55はサンプルホールド回路を備え、タイマー54がトリガーを送出すると3チャンネル同時サンプリング・順次AD変換されるものとする(STEP8)。
MPU51は、STOP指令を受信したらL1に戻りスタンバイ状態に戻る(STEP9)。
MPU51は、RUN指令を受信したら、AD変換結果と通電区間終点閾値を大小比較し、通電区間終点ならL2に戻り次の区間の励磁を開始し、そうでなかったらL7に戻り現在区間の励磁を継続する(STEP10)。
以上の手順でセンサレスPWM120°通電が行われ、双方向通電モードと単方向通電モードを切り換えることでデューティ比0%から100%まで使用して0速から最高回転数まで制御できかつ効率も向上する。また制御量デューティ比Dを適正に制御して過大な回生電流を防止し安全な運用ができる。
上述したように、120°矩形波によるPWM双方向通電モードで二相通電を行うことで、出力0%から100%まで電動機の界磁位置検出が可能となる。その際に無負荷デューティ比を規定し安全なデューティ比領域を明確にすることで、過大な回生電流によるモータ駆動回路や電源あるいはモータが焼損するのを防ぐことができる。
双方向通電時に、制御量デューティ比Dを適正な範囲に圧縮して出力することから、出力0%から100%まで適正に出力を制御でき、低デューティ比となる無負荷低速回転も可能である。
また所定の低デューティ比時だけ双方向通電モードとしそれ以上のデューティ比時は単方向通電モードに切り替えることで、双方向通電時の高速回転時に発生する過大な回生電流あるいは異常な電源電圧上昇によるモータ駆動回路や電源の焼損のおそれがなくなる。
また双方向通電時の渦電流損やスイッチング損失やデッドタイムロスによる効率低下を最小に抑えて通電効率を改善できる。
さらにPWMコントローラ53は、双方向通電モードを設けてもデューティコントローラ及びデッドタイムコントローラが1個で済むことから三相通電に比べて大幅に簡略化できる。
また双方向通電時は、コイル電圧測定タイミングをデューティ比50%時点の直前の所定タイミングとすれば、測定タイミング処置プログラムが簡略化され、測定時間及び演算時間も余裕があることから低速ローコストなMPU(CPU)が使える。
なお、上述したモータは、固定子に巻き線を120°位相差で配置してスター結線し、相端がモータ出力回路に接続されたBLDCモータを例示したが、固定子に巻き線を120°位相差で配置してデルタ結線し、相端がモータ出力回路に接続されたBLDCモータであっても同様に適用できる。
また、モータ駆動回路の構成や制御プログラム構成は様々考えられ、本実施例に開示された態様に限定されるものではなく、本案主旨を逸脱しない範囲で電子回路技術者あるいはプログラマー(当業者)であれば当然なし得る回路構成の変更やプログラム構成の変更も含まれる。
D 制御量デューティ比 Dc 切換えデューティ比 Dz 零出力デューティ比 E 正転領域 1 回転子軸 2 回転子 3 永久磁石 4 固定子 50 上位コントローラ 51 MPU 52 演算部(LOGIC) 53 PWMコントローラ(PWMC) 54 タイマー(TM) 55 ADコンバータ(ADC) 56 プリドライバ(PRE) 57 出力回路(INV) 58 分圧回路(RA)

Claims (6)

  1. 永久磁石界磁を有する回転子と三相コイルを有する固定子を備える電動機を、パルス幅変調(PWM)方式にて二相矩形波通電する電動機の駆動方法であって、
    一対のハイサイドアーム及びローサイドアームを備えた出力素子を三相分備えた三相ハーフブリッジ型インバータ回路を介して前記三相コイルのうち二相に出力する出力回路と、
    上位コントローラからの出力指令に基づいて所定の制御量デューティ比DでPWM通電方式にて前記出力回路の出力を制御し、オンサイクルは正方向に二相矩形波通電し、オフサイクルは逆方向に二相矩形波通電する制御回路と、を備え、
    Vmを電源電圧、Vfを出力段クランプダイオード電圧降下、Ke(0-p)を線間誘起電圧定数とするとき、前記制御回路は、三相コイルのうち二相に対して双方向通電モードにてPWM通電し、出力デューティ比を、停止時は50%とし、(Vm+Vf)/Ke(0-p) にて求められる最高回転数Nmax時は100%とする回転数と出力デューティ比の関係を示す特性図において、回転数零かつ出力デューティ比が50%の点と前記最高回転数Nmaxかつ出力デューティ比100%の点を結ぶ直線上のデューティ比を零出力デューティ比Dzとし、零出力デューティ比Dz以上のデューティ比領域を正転領域として当該正転領域を満たすデューティ比を選択して前記出力回路に出力することを特徴とする電動機の駆動方法。
  2. 前記制御回路は、前記正転領域に適合するように、前記制御量デューティ比Dに、回転数に応じて決まる前記零出力デューティ比Dzを用いて(100%−零出力デューティ比Dz)/100%で算出される圧縮率Kを乗じて得られた値DKを前記零出力デューティ比Dzに加算して出力デューティ比D′を決定する請求項1記載の電動機の駆動方法。
  3. 前記制御回路は、逆転ブレーキをかける際に双方向通電モードを選択し、零出力デューティ比Dzから所定のオフセットデューティ比Doffを減算して逆転ブレーキをかける際の出力デューティ比Dbkを算出し、所定の回転数閾値以下となったら、出力回路への出力を停止して惰性回転するか、デューティ比を50%に固定し弱い逆転ブレーキをかけるか、あるいは三相コイルを短絡するショートブレーキをかけるかのいずれかを選択する請求項1又は請求項2記載の電動機の駆動方法。
  4. 前記制御回路は、前記出力回路のハイサイドアームとローサイドアームを相ごとに対で制御し、通電二相をオンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは通電しない単方向通電モードと、オンサイクルは正方向に通電しオフサイクルは逆方向に通電する双方向通電モードの二つのモードを備えPWM周期に同期して任意に切り換え可能なPWM制御回路を備え、
    前記PWM制御回路は、予め双方向通電モードと単方向通電モードを切り換える切換えデューティ比Dcを設定しておき、運転時は制御量デューティ比Dが変更になるたびに当該制御量デューティ比Dと切換えデューティ比Dcの大小比較を行い、D<Dcのときは双方向通電モードで通電し、D≧Dcのときは単方向通電モードで通電する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動機の駆動方法。
  5. 前記制御回路は、双方向通電モードで制御量デューティ比DがPWM周期の50%以上のときは、出力デューティ比にかかわらずPWM周期の50%時点の直前の所定タイミングで、制御量デューティ比DがPWM周期の50%未満のときは、オンサイクル完了時点の直前の所定タイミングで界磁位置検出に必要なコイル電圧の測定を行う請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電動機の駆動方法。
  6. 前記最高回転数Nmaxを決定する際、モータが一定負荷かつ任意の回転数Nで回転中に、電源を遮断して惰性回転させた時の停止時間Tsと、任意の最大回転数Nmax′に基づいて前記零出力デューティ比Dzを演算して出力した時の停止時間Ts′を測定し、Ts=Ts′となる任意の最大回転数Nmax′を前記最大回転数Nmaxとする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電動機の駆動方法。
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