JP6494681B2 - 電子材料用銅合金及び電子部品 - Google Patents

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この発明は、各種電子部品に用いることに好適な析出硬化型銅合金であるCu−Co−Ni−Si系合金に関するものであり、特には、電子材料に好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び疲労特性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金を提案するものである。
コネクタ、スイッチ、リレー、ピン、端子、リードフレーム等の各種電子部品に使用される電子材料用銅合金には、基本特性として高強度及び高導電性(又は熱伝導性)を両立させることが要求される。そして、近年は、電子部品の高集積化及び小型化・薄肉化が急速に進み、これに伴って電子機器部品に使用される銅合金に対する要求はさらに高度化している。特にコネクタを大型化させないためには、650MPa以上の圧延平行方向の0.2%耐力と50%IACS以上の導電率が望まれる。
高強度及び高導電性の観点から、電子材料用銅合金として従来のりん青銅、黄銅等に代表される固溶強化型銅合金に代えて、析出硬化型銅合金の使用量が増加している。析出硬化型銅合金では、溶体化処理された過飽和固溶体を時効処理することにより、微細な析出物が均一に分散して、合金の強度が高くなると同時に、銅中の固溶元素量が減少し電気伝導性が向上する。このため、ばね性などの機械的性質に優れ、しかも電気伝導性、熱伝導性が良好な材料が得られる。
析出硬化型銅合金のうち、コルソン系合金と一般に称されるCu−Ni−Si系合金は比較的高い導電性、強度、及び曲げ加工性を有する代表的な銅合金であり、当業界では現在活発に開発が行われている合金の一つである。この銅合金では、銅マトリックス中に微細なNi−Si系金属間化合物粒子を析出させることにより、強度と導電率の向上を図ることができる。
このようなコルソン系合金では、更なる特性の改善を目的として、Coを添加し、またはNiをCoに置き換えたCu−Co−Si系合金が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2013−067849)では、Co:0.5〜3.0質量%,Si:0.1〜1.0質量%を含有し、Co/Siの質量比:3.0〜5.0であって、残部が銅および不可避的不純物からなるCu−Co−Si系銅合金条について、銅合金条の圧延平行方向RDの厚み中央Cの組織M1の硬さB(Hv)を低くし、表面の組織M2の硬さA(Hv)を高くし、比A/Bを1.03以上としている。このようにすると、銅合金条の表面が中央より硬くなり、疲労特性が良好となると記載されている。
また、特許文献2(特許第5468798号)には、時効処理時に銅合金中の結晶粒界近傍に形成される無析出帯(Precipitate Free Zone:PFZ)の幅を制御した銅合金材料が記載されている。この無析出帯は粒内に比較し低強度であるため、銅合金に加工や繰り返し応力を加えた場合に優先的に変形が起こり曲げ加工性および耐疲労特性を劣化させる。この無析出帯の幅を狭くすればこれらの劣化を阻止し得るとの知見に基づき、粒界上に存在する化合物の粒子径や、結晶粒径を合わせて制御することで、高強度を有し、曲げ加工性に優れ、且つ、耐疲労特性にも優れる銅合金板材が得られることが記載されている。
また、特許文献3(特許第5224415号)には、高い導電性、高い強度、良好な曲げ加工性のすべてを満足するため、Cu−Co−Si系銅合金の結晶粒径の値が所定範囲に制御された銅合金材料が記載されている。具体的には、Co(コバルト)を0.7〜2.0質量%、Si(ケイ素)を0.1〜0.5質量%それぞれ含み、残部Cu(銅)及び不可避不純物からなる組成を有し、CoのSiに対する質量比(Co/Si)が3以上5以下である電気電子部品用銅合金材料であって、母材の銅合金の結晶粒径の算術平均が3〜20μm、標準偏差が8μm以下であって、前記標準偏差が前記算術平均よりも小さく、CoとSiからなる析出物の粒子径が5〜50nmで、前記析出物の密度が1×108〜1×1010個/mm2であり、かつ、銅合金材料としての引張強度が570MPa以上、導電率が60%IACS以上である。
また、特許文献4(特開2013−095976)には、合金としてCu−Co−Si系合金に着目し、その結晶方位制御だけでなく、さらに加工硬化指数(n値)を制御することにより、優れた曲げ加工性が得られることが記載されている。具体的には、0.5〜3.0質量%のCo及び0.1〜1.0質量%のSiを含有し、残部が銅及び不可避的不純物からなり、EBSD(Electron Back−Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定を行い、結晶方位を解析したときに、Cube方位{0 0 1}<1 0 0>の面積率が5%以上、Brass方位{1 1 0}<1 1 2>の面積率が20%以下、Copper方位{1 1 2}<1 1 1>の面積率が20%以下であり、加工硬化指数が0.2以下である。
特開2013−067849号公報 特許第5468798号公報 特許第5224415号公報 特開2013−095976号公報
しかしながら、電子部品の軽薄化、短小化が進んでおり、それに伴い電子材料用金属部品に求められる曲げ加工性及び疲労特性も上昇傾向にある。そのため、0.2%耐力及び導電性を高いレベルに維持しつつ、曲げ加工性及び疲労特性をさらに改良した銅合金板材が希求されている。
特許文献1に係る銅合金条は、確かに疲労特性に優れているが、今後疲労特性に対する要求がさらに厳格になることが予想されるためこれに対応するには十分ではない。また、曲げ加工性の維持及び向上に関して具体的な提案がされていない。
特許文献2に係る銅合金板材は、曲げ加工性及び疲労特性の改善がみられるが、より高強度の材料で曲げ加工性、疲労特性の両立が求められる場合、十分に対応できないと思われる。
特許文献3及び特許文献4には、銅合金材料の疲労特性の維持及び向上に関して具体的な提案がされていないうえ、曲げ加工性に関しても今後の要求には十分に応えられない可能性がある。
銅合金材料の強度と疲労特性等の両立が難しい理由は、以下のように考えられる。
材料の疲労特性は静的引張強度の上昇とともに向上するが、一方で表層付近に応力集中源が存在した場合、そこを起点として疲労亀裂は進展するため、材料の疲労強度は低下する。材料中の微小欠陥、析出物、微視的な表面凹凸がこのような応力集中源となりうる。また金属組織が不均一な場合も、特定の箇所への応力集中により材料の疲労強度は低下する。
強度の高い材料では上記のような応力集中源となりうる因子の影響が大きくなるため、材料の静的強度を上昇させるだけでは疲労強度を有効に向上させることが難しい。Cu−Co−Si合金やCu−Co−Ni−Si合金は比較的高い導電性、強度、及び曲げ加工性を有するが、第二相粒子の組成の固溶限温度が高いため、高温での溶体化処理を行わなければならず、不均一な金属組織が生じやすい。よって従来技術では導電性、強度、曲げ加工性、疲労特性に優れたCu−Co−Si合金やCu−Co−Ni−Si合金を得ることができなかった。
本発明は、このような問題を解決することを課題とするものであり、その目的は、電子材料に用いて好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び疲労特性を向上させた、信頼性の高い電子材料用銅合金を提供することにある。
発明者は鋭意検討の結果、Cu−Co−Si系合金のCoの一部をNiに置換したCu−Co−Ni−Si系合金において、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定から得られる隣接測定点間の方位差(KAM値)及びその標準偏差を制御することで、0.2%耐力及び導電率を高いレベルに維持しつつ、曲げ加工性及び疲労特性を向上させることができることを見出した。そして、このようなKAM値及びその標準偏差の制御は、時効処理、バフ研磨、歪取焼鈍時など処理条件を調節することにより実現できるとの新たな知見を得た。
本発明は、0.5〜3.0質量%のCo、0.1〜1.0質量%のNi、0.1〜1.5質量%のSiを含有し、Coに対するNiの質量比(Ni/Co)が0.1〜1.0であり、質量割合で(Ni+Co)/Siが3〜5であり、残部が銅および不可避的不純物からなり、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定から得られる隣接測定点間の方位差(KAM値)が1.4〜2.6であり、かつ、当該KAM値の標準偏差が1.2以下である電子材料用銅合金である。
本発明の電子材料用銅合金は、さらにCr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBから選択される少なくとも一種類以上の合計が1.0質量%以下であることが好ましい。
さらに、本発明は、本発明の電子材料用銅合金を備えた電子部品も提供する。
電子材料に用いて好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び疲労特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金を提供することができる。
図1は、KAM値の定義に関する概略図を示す。
以下に、この発明の実施の形態について詳細に説明する。
この発明の一の実施形態の電子材料用銅合金は、0.5〜3.0質量%のCo、0.1〜1.0質量%のNi、0.1〜1.5質量%のSiを含有し、Coに対するNiの質量比(Ni/Co)が0.1〜1.0であり、質量割合で(Ni+Co)/Siが3〜5であり、残部が銅および不可避的不純物からなり、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定から得られる隣接測定点間の方位差(KAM値)が1.4〜2.6であり、かつ、当該KAM値の標準偏差が1.2以下である。
(Co、Ni、Siの添加量)
Co、NiおよびSiは、適当な熱処理を施すことによりCo2SiやNi2Siとして母相中に析出し、導電率を劣化させずに高強度化が図れる。ただし、Ni濃度が0.1質量%未満の場合、Co濃度が0.5質量%未満の場合、またはSi濃度が0.1質量%未満の場合は、析出硬化が不十分となり、他方の成分を添加しても所望とする強度が得られない。また、Ni濃度が1.0質量%を超える場合、Co濃度が3.0質量%を超える場合、またはSi濃度が1.5質量%を超える場合は十分な強度が得られるものの、導電性や曲げ加工性、熱間加工性が低下する。
好ましくは、0.2〜0.8質量%のNi、1.0〜2.5質量%のCo、0.3〜1.0質量%のSiとする。
(Coに対するNiの濃度比(Ni/Co))
Ni/Coを調整することにより、強度と導電率の両立を図る。Niの比率を高くする(Coの比率を低くする)と、強度は高くなり、導電率は低下する。一方、Coの比率を高くする(Niの比率を低くする)と、強度は低下し、導電率は高くなる。圧延方向に平行な方向での0.2%耐力を650MPa以上とし、かつ、導電率を50%IACS以上とするためには、Ni/Coを0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.7となるように調整しておくとよい。
Co、Ni及びSiは質量割合で(Ni+Co)/Siが3〜5である。上記割合とすれば、析出硬化後の強度と導電率を共に向上させることができる。上記割合が5を超えると、時効処理でのCo2SiやNi2Siの析出が不十分になり、強度が低下する。上記割合が3未満であると、Co2SiやNi2Siとして析出しないSiが母相中に固溶し、導電率が低下する。
(Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBの添加量)
Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Alは、微量の添加で、導電率を損なわずに強度、応力緩和特性等の製品特性を改善する。Pは脱酸効果を有し、Bは鋳造組織の微細化効果を有し、熱間加工性を向上させる効果を有する。添加の効果は主に母相への固溶により発揮されるが、第二相粒子に含有されることで一層の効果を発揮させることもできる。しかしながら、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBの濃度が合計1.0質量%を超えると曲げ特性および疲労特性が低下するうえ、製造性も損なう。従って、本発明では、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBを合計1.0質量%以下添加することが好ましい。また、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBの合計は、0.7質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。但し、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBの合計が0.01質量%未満ではその効果が小さいので、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBの合計は、好ましくは0.01質量%以上である。また、0.05質量%以上がさらに好ましく、0.1質量%以上がさらに好ましい。
(0.2%耐力)
コネクタ等の所定の電子材料で要求される特性を満たすため、圧延平行方向の0.2%耐力は好ましくは650MPa以上、より好ましくは680MPa以上とする。0.2%耐力の上限値は、特に規制されないが、50%IACS以上の導電率となるには、典型的には850MPa以下である。
0.2%耐力は、引張試験機を用いてJIS Z2241に準拠して測定する。
(導電率)
導電率は好ましくは50%IACS以上とする。これにより、電子材料として有効に用いることができる。導電率はJIS H0505に準拠して4端子法で測定することができる。導電率は、55%IACS以上であることが好ましい。
(KAM値)
図1に例示する六角形のピクセルはEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定の各測定点を示しており、KAM値は測定点Aと隣接する測定点1〜6との方位差の平均値として定義される。このKAM値は転位密度と相関があり、KAM値が高いほど転位による方位変化が大きい。本発明者が鋭意検討を重ねた結果、材料のKAM値が1.4〜2.6かつKAM値の標準偏差が1.2以下であるときに、0.2%耐力が高くかつ疲労特性、曲げ加工性に優れることを見出した。
KAM値の標準偏差を上記範囲にする理由について、特定の理論によって本発明が限定されることを意図するものではないが、KAM値の標準偏差が大きい場合は歪が多く蓄積された部分と歪がほとんど蓄積されていない部分が不均一に存在することになり、疲労亀裂はそれらの不均一な歪帯を起点として進展するため、KAM値の標準偏差を小さくすることで疲労特性が向上すると考えられる。
上記観点から、KAM値の標準偏差は1.0以下が好ましく、0.9以下がさらに好ましい。前記の範囲を満たさない場合、疲労特性および曲げ加工性が低下する。またKAM値は1.5〜2.5が好ましく、1.6〜2.4がより好ましい。KAM値が前記の範囲より低い場合、0.2%耐力が低下する。またKAM値が前記の範囲より高い場合、疲労特性および曲げ加工性が低下する。
(製造方法)
上述したようなCu−Co−Ni−Si系合金は、インゴットを製造する工程、均質化焼鈍工程、熱間圧延工程、第1時効処理工程、中間冷間圧延工程、バフ研磨工程、溶体化処理工程、第2時効処理工程、最終冷間圧延工程、歪取焼鈍工程を順次に行うことにより製造することができる。なお熱間圧延後、必要に応じて面削を行うことが可能である。また上記各工程の合間には、表面の酸化スケール除去のための研削、研磨、ショットブラスト酸洗等を適宜行うことができる。
具体的には、まず大気溶解炉等を用いて電気銅、Co、Ni、Si等の原料を溶解し、所望の組成の溶湯を得る。そしてこの溶湯をインゴットに鋳造する。その後、均質化焼鈍、熱間圧延を行い、第1時効処理(350〜450℃で4〜8時間)、中間冷間圧延、バフ研磨、溶体化処理、第2時効処理、最終冷間圧延、歪取焼鈍を行う。
ここで、この製造方法では、インゴット製造の後に、所定の条件の第1時効処理工程、バフ研磨及び歪取焼鈍を行うことが肝要である。従来技術では、これらの工程の条件が最適化されず、この発明のような特性を得ることができず、特に曲げ加工性及び疲労特性が十分でなかった。
以下に、これらの第1時効処理工程、バフ研磨及び歪取焼鈍の各工程を中心に詳細に述べる。なおその他の工程は、Cu−Co−Ni−Si系合金の製造工程において通常採用される条件とすることが可能である。
<インゴット製造>
溶解鋳造は一般的には大気溶解炉で行うが、真空中又は不活性ガス雰囲気中で行うことも可能である。電気銅を溶解した後に、Co、Ni、Si等各試料の組成に応じて原料を添加し、撹拌後一定時間保持して、所望の組成の溶湯を得る。そして、この溶湯を1250℃以上に調整した後、インゴットに鋳造する。Ni、Co、Si以外、Cr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBから選択される少なくとも一種類以上を合計1.0質量%以下になるように添加することもできる。
<均質化焼鈍>
鋳造時の凝固過程では粗大な晶出物が、その冷却過程では粗大な析出物が生成する。均質化焼鈍を適切な温度・時間で行った後に熱間圧延を行うことで、これらの第二相粒子を母相に再固溶させる。均質化焼鈍温度が低すぎる場合は粗大な第二相粒子を母相に再固溶させることができず、製品強度や曲げ加工性が損なわれる。均質化焼鈍温度が高すぎる場合は材料が溶解する可能性があるため好ましくない。具体的には均質化温度は950〜1025℃が、時間は1〜24hが好ましい。
<熱間圧延>
均質化焼鈍終了後のインゴットを炉から抽出して熱間圧延を行う。液体金属脆化を防止するために、960℃以下の温度域で熱間圧延を開始することが好ましい。また熱間圧延後は速やかに冷却することが望ましい。冷却速度が遅い場合、粗大な第二相粒子が析出してしまう。熱間圧延終了後400℃以下まで急冷(=水冷)することにより、この第二相粒子の析出を抑制することができる。具体的には400℃までの冷却速度は15℃/sec以上が好ましい。
<第1時効処理>
熱間圧延後に適切な温度・時間で第1時効処理を行うことで、合金中に微細なCo−Ni−Si粒子を析出させることができる。次工程の中間冷間圧延において、このCo−Ni−Si粒子にトラップされる形で合金中により多くの歪が導入され、後に溶体化処理時においてこの歪エネルギーを駆動力として均一な再結晶粒が得られる。このような再結晶粒の下では不均一な歪の蓄積が起こりにくいため、製品においてKAM値の標準偏差が小さくなる。このように中間圧延前のCo−Ni−Si粒子の析出状態によって溶体化後の金属組織、ひいては製品の歪分布が変化するため、第1時効処理を適切な温度・時間で行うことが重要である。第1時効処理の条件は350〜450℃で4〜8時間、より好ましくは375〜425℃で4〜8時間とする。この時効処理を行わない場合、製品のKAM値の標準偏差が大きくなり、疲労特性、曲げ加工性が損なわれる。時効処理温度が低すぎる、もしくは時効時間が短すぎる場合も同様に疲労特性、曲げ加工性が損なわれる。時効処理温度が高すぎる、もしくは時効時間が長すぎる場合は粗大なCo−Ni−Si粒子が合金中に析出する。これらの粗大粒子は後述の溶体化処理では固溶させることができず、また歪を十分に蓄積させることができないため、製品の平均KAM値が低くなり製品の強度および疲労特性が低下する。
また、第1時効処理はAr、N2、H2等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
<中間冷間圧延>
第1時効処理終了後のインゴットにについて中間冷間圧延を行う。ここで、十分な加工歪を蓄積するため、中間冷間圧延の加工度は95%以上が望ましい。
<バフ研磨>
中間冷間圧延後にバフ研磨を行うことで、材料表層付近により多くの加工歪を蓄積させ、溶体化処理時の均一な再結晶粒形成を励起することができる。またバフ研磨を行うことにより材料の表面粗さが大きくなるため、溶体化処理時の加熱効率が上がるという点でもメリットがある。バフ研磨に用いるバフ材は、ナイロン繊維不織布にアルミナ製の砥粒を含有させたものを用いた。砥粒の番手は#1500〜#4000が好ましい。ここで砥粒の番手は、JIS R6001に規定する方法で定められる。研磨後はただちに水洗を実施する。
<溶体化処理>
溶体化処理の目的は、溶解鋳造時の晶出粒子や熱間圧延時に析出したCo−Ni−Si粒子を固溶させ、溶体化処理以降の時効硬化能を高めることである。温度が低すぎるとこれらの析出物を十分に固溶させることができず、所定の強度が得られない。温度が高すぎると析出物による粒界のピン止め効果がなくなり、結晶粒が粗大化して強度が低下する。溶体化処理の際は、溶体化処理前の銅合金素材が第二相粒子組成の固溶限付近の温度になるまで加熱することが好ましい。具体的には、850〜1000℃で0.5〜10min加熱する。また、第二相粒子の析出や再結晶粒の粗大化を防止する観点から、溶体化処理後の冷却速度はできるだけ速い方が好ましい。具体的には、材料温度が溶体化処理温度から400℃まで低下するときの平均冷却速度を15℃/sec以上とするのが好ましく、50℃/sec以上とするのがより好ましい。
<第2時効処理>
適切な大きさの析出物が均一に分布するように第2時効処理を行うことで、所望の強度および導電率が得られる。第2時効処理の温度は、450℃より低いと導電率が低くなり、550℃より高いと強度が低下するので、450〜550℃とすることが好ましい。また時効処理の時間は1〜24hが好ましい。第2時効処理は、酸化被膜の発生を抑制するためにAr、N2、H2等の不活性雰囲気で行うことが好ましい。
<最終冷間圧延>
時効処理後に引き続いて最終の冷間圧延を行うことで、転位を導入し強度上昇をはかる。圧延加工度が高いほど高強度の材料が得られるが、圧延加工度が高すぎると歪分布が不均一な部分が生じ、局所的に歪の多い部分から曲げ割れおよび疲労破壊が進展しやすい。強度と曲げ加工性の良好なバランスを得るために、圧延加工度を10〜50%、好ましくは20〜40%とする。
<歪取焼鈍>
歪取焼鈍を行うことによって、加工中に材料に生じた残留応力を取り除くことができ、ばね性が向上する。本発明の歪取焼鈍は連続焼鈍炉を用いて行う。バッチ炉の場合、コイル状に巻き取った状態で材料を加熱するため、加熱中に材料が変形を起こし材料に反りが生じるため好ましくない。
歪取焼鈍時の保持温度は450〜550℃、より好ましくは460〜530℃とする。また保持時間は0.5〜5min、より好ましくは1〜3minとする。保持温度が高すぎると、または保持時間が長すぎると粗大なCo−Ni−Si粒子が析出して、製品の平均KAM値が低くなり強度および疲労特性が低下する。保持温度が低すぎると、または保持時間が短すぎると曲げ加工性および疲労特性が低下する。
歪取焼鈍時の昇温速度も材料特性に大きな影響を与える。昇温速度は60℃/sec以下が好ましく、50℃/sec以下がより好ましい。60℃/secを上回る場合は、不均一な歪の分布が解消されず、製品のKAM値標準偏差が大きくなって曲げ加工性および疲労特性が低下する。昇温速度の下限は特に限定されないが、昇温速度が遅すぎる場合は生産効率が低下するので、一般的には20℃/sec以上が好ましい。
また材料の炉内張力は5〜10MPaとする。この範囲を満たさない条件では、曲げ加工性および疲労特性が低下するおそれがある。
炉内の雰囲気はAr等の不活性雰囲気とすることが好ましい。
この発明のCu−Co−Ni−Si系合金は種々の伸銅品、例えば板、条、管、棒及び線に加工することができ、更に、このCu−Co−Ni−Si系銅合金は、リードフレーム、コネクタ、ピン、端子、リレー、スイッチ、二次電池用箔材等の電子部品等に使用することができる。
次に、この発明の電子材料用銅合金を試作し、その性能を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的とするものであり、それに限定されることを意図するものではない。
表1に示す成分組成の銅合金を、高周波溶解炉を用いて1300℃で溶製し、厚さ30mmのインゴットに鋳造した。次いで、このインゴットに対し950℃で3h均質化焼鈍を行った後、板厚10mmまで熱間圧延し、速やかに水中冷却を行った。そして、表面のスケール除去のため厚さ9mmまで面削を施した後、表1に示す条件で第1時効処理を行い、中間冷却圧延を実施した後、表1に示すように一部についてバフ処理を行い、900℃で5minの溶体化処理、500℃で12hの条件で第2時効処理した後、最終冷間圧延により厚さ0.1mmの板とした。最後に、表1に示す条件で歪取焼鈍を行った。
このようにして得られた各試験片に対し、以下の特性評価を行った。その結果を表2に示す。
<強度(0.2%耐力)>
引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS13B号試験片を作製し、JIS Z2241に準拠して、引張試験機により圧延方向と平行に引張試験を行い、0.2%耐力を測定した。
<導電率>
試験片の長手方向が圧延方向と平行になるように試験片を採取し、JIS H0505に準拠し、4端子法で導電率(EC:%IACS)を測定した。
<KAM値>
KAM値はEBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定を用いて算出した。まず試験片を20mm四方に切り出し、圧延面表面をリン酸67%+硫酸10%溶液中で15Vの電圧下で60sec電解研磨して、組織を現出させた。測定には日本電子株式会社製JXA8500Fを用い、試験片の圧延面法線方向(ND:Normal Direction)を入射電子線に対して70°傾け、圧延平行方向(RD:Rolling Direction)を試料ホルダーの傾斜方向に合わせて設置し、その傾斜面にフォーカスした電子線を照射した。加速電圧:20kV、照射電流量:5×10-8A、ワーキングディスタンス25mmとし、観察視野200μm×200μm(ステップ幅0.5μm)でn=5で測定を行い、KAM値の平均値および標準偏差を算出した。測定プログラムはTSL OIM data collection、解析プログラムはTSL OIM Analysisを用いた。
<疲労特性>
JIS Z2273に従い、各試料について圧延平行方向に200MPaの両振り応力を107回繰り返して加えて試験し、破断の無かったものを○、破断したものを×とした。
<曲げ加工性>
曲げ加工時の割れも疲労破壊と同様に歪分布が不均一な部分から進展するため、KAM値の標準偏差を特定の範囲に制御することは曲げ加工性の向上にも効果がある。本発明は、より厳しい条件での曲げ加工を想定し、180°曲げ試験により曲げ加工性を評価した。
幅10mm、長さ30mmに切り出した試験片を用いて180°曲げ加工性を評価した。R/t=1.0となるような所定の曲げ半径(R)でBadway(曲げ軸が圧延方向と平行)方向に170°程度曲げた後、曲げ内側半径(R)の2倍の厚さの挟み物をし試験片の両端を押し曲げて180°曲げを行った。曲げ部分の外面の亀裂の有無を目視判定し、以下の基準で評価した。評価が○であれば、曲げ加工性が良好である。
○:曲げ部分の外面の亀裂が見られない
×:曲げ部分の外面の亀裂が見られる
表1、2に示すように、発明例1〜21はいずれも、所定の条件の第1時効処理工程、バフ研磨及び歪取焼鈍等を行ったことにより、好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び疲労特性を向上させることができた。
比較例1は、第1時効処理を行わなかったため、KAM値の標準偏差が所定の範囲から外れ、疲労特性と曲げ加工性が悪化した。
比較例2は、第1時効処理を行ったが、温度が高すぎたため、KAM値が所定の範囲から外れ、0.2%耐力が低下し、疲労特性が悪化した。
比較例3は、バフ処理を行わなかったので、KAM値の標準偏差が所定の範囲から外れ、疲労特性と曲げ加工性が悪化した。
比較例4〜8は、所定の条件で歪取処理を行わなかったため、KAM値もしくはKAM値の標準偏差が所定の範囲から外れ、疲労特性と曲げ加工性が悪化した。
比較例9〜18は、添加元素の量が所定の範囲から外れたため、所要の特性を十分に達成することができなかった。
比較例19は特許文献1、比較例20は特許文献2、比較例21は特許文献3、比較例22は特許文献4に記載の工程に従ってそれぞれ製造したものであるが、いずれも疲労特性と曲げ加工性が悪化した。
以上より、この発明によれば、電子材料に用いて好適な0.2%耐力、導電率を有し、曲げ加工性及び疲労特性を向上させた信頼性の高い電子材料用銅合金が得られることがわかった。

Claims (3)

  1. 0.5〜3.0質量%のCo、0.1〜1.0質量%のNi、0.1〜1.5質量%のSiを含有し、Coに対するNiの質量比(Ni/Co)が0.1〜1.0であり、質量割合で(Ni+Co)/Siが3〜5であり、残部が銅および不可避的不純物からなり、EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定から得られる隣接測定点間の方位差(KAM値)が1.4〜2.6であり、かつ、当該KAM値の標準偏差が1.2以下である電子材料用銅合金。
  2. さらにCr、Zr、Zn、Sn、Mg、Mn、Fe、Ti、Al、P及びBから選択される少なくとも一種類以上の合計が1.0質量%以下である請求項1に記載の電子材料用銅合金。
  3. 請求項1又は2に記載の電子材料用銅合金を備えた電子部品。
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