JP6493814B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、現像手段に供給するための現像バイアスの出力や、回転駆動される潜像担持体を一様に帯電させる帯電手段に供給するための帯電バイアスの出力を、周期的に変動させる画像形成装置に関するものである。
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、潜像担持体たるドラム状の感光体と、これに対して所定の間隙を介して対向する現像剤担持体たる現像スリーブを具備する現像装置とを備えている。そして、電子写真プロセスにより、回転駆動している感光体の表面上に形成した静電潜像を、回転駆動している現像スリーブの表面上に担持している現像剤によって現像してトナー像を得る。
かかる構成において、現像スリーブが真円度の低いものであったり、偏心していたりすると、現像スリーブの回転に伴って感光体と現像スリーブとの間隙(以下、現像ギャップという)が周期的に変動し、これに伴って現像ギャップに形成される電界の強度が変動する。そして、このような電界の強度変動により、現像スリーブの回転周期と同じ周期で画像濃度を増減させる周期的な画像濃度ムラが発生してしまう。
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置は、現像スリーブの回転角度姿勢と、周期的な画像濃度ムラのパターンとの関係を調査した結果に基づいて構築された、現像バイアス用の補正テーブルを予め記憶している。そして、現像スリーブの回転角度姿勢を検知しながら、その回転角度姿勢に対応する現像バイアスの補正量を特定し、特定結果に基づいて現像バイアスの出力を補正する。これにより、現像ギャップの周期的な変動に追従させて現像バイアスを周期的に変動させることで、現像ギャップに形成される電界の強度変動を抑えて、周期的な画像濃度ムラの発生を抑えることができる。
しかしながら、この画像形成装置においては、画像形成動作の開始時に、現像バイアスを一定の値から、特定した補正量に基づいて周期的に変化させる際に、地汚れやキャリア付着を引き起こしてしまうおそれがあった。地汚れは、現像スリーブの表面に担持されたトナー及びキャリアを含有する現像剤中のトナーを、感光体の地肌部(一様帯電された領域で非画像部となる)に逆転移させてしまう現象である。また、キャリア付着には、感光体の画像部で発生するものと、地肌部で発生するものとがあるが、この画像形成装置で発生するおそれがあるのは後者のキャリア付着である。
この画像形成装置において、地汚れやキャリア付着を発生させてしまう原因について詳述する。この画像形成装置のように現像バイアスを周期的に変動させる構成に限らず、一般的な画像形成装置では、地汚れの発生を抑える狙いで、現像スリーブの回転を開始するのとほぼ同時に、現像スリーブに現像バイアスを印加する。現像スリーブの回転と同時に現像バイアスを印加することにより、感光体の地肌部と現像スリーブとの間にトナーを感光体側に向けて押さえ付ける方向の電界を形成して、地汚れの発生を抑えるのである。特許文献1に記載の画像形成装置においても、現像スリーブの回転を開始するのとほぼ同時に、現像スリーブへの現像バイアスの印加を開始していると思われる。
図32は、現像バイアスを、特定した補正量に基づいて周期的に変化させたときの第1例を示す波形である。同図において、Vdは、感光体の地肌部電位を示している。また、Vsは、感光体の潜像電位を示している。また、図中において実線で示されているグラフが、現像バイアスを、特定した補正量に基づいて周期的に変化させたプロファイルを示している。ここでは説明のため簡易的に正弦波として例を示している。同図において、図中のt1のタイミングが現像スリーブの回転開始タイミングであり、このタイミングで現像スリーブへの現像バイアスの印加が開始されている。この開始時には、現像バイアスとして、図示のように一定の値の直流バイアスからなるものが印加される。特許文献1に記載の画像形成装置においても、印加開始時には、現像バイアスとして直流バイアスからなる一定の値のものを印加すると思われる。これは次に説明する理由による。即ち、現像スリーブの回転開始時において、スリーブ回転速度が上昇して一定の速度に安定するまでの間は、現像スリーブの回転周期が通常よりも長くなる。このため、現像バイアスを現像スリーブ回転周期に同期させて変動させる場合には、現像スリーブの回転速度が安定化するのを待つ必要がある。よって、特許文献1に記載の画像形成装置においても、印加開始時には一定値の現像バイアスを印加しているものと思われる。
現像バイアスの印加を開始した後、現像スリーブの回転速度が安定化したタイミング(図中のt2)が到来すると、現像バイアスが一定値のものから現像スリーブの回転周期で変動するものに切り替えられる。このとき、現像スリーブが偶然に現像ギャップを最も大きくする回転角度姿勢になっていた場合には、図示のように、現像バイアスにおける一周期の変動範囲における山側の最大値(P1)が現像スリーブに印加される。すると、そのときの現像ポテンシャルは一周期の中で最も大きな値になる。例えば、地肌部電位Vdが−750[V]であり、現像バイアスが谷側の最小値(P2)である−300[V]から、山側の最大値(P1)である−500[V]の範囲で変動し、且つ潜像電位Vsが−50[V]であるとする。この場合、現像バイアスが山側の最大値(P1)である−500[V]になったとき、現像バイアスと潜像電位Vsとの電位差である現像ポテンシャルは一周期の中で最大の450[V]になる。これにより、現像ギャップが最大になっていても、電界の強度を不足させることなく、目標に近い強度の電界をトナーに作用させることができる。この反面、現像バイアスと地肌部電位Vdとの電位差である地肌ポテンシャルは一周期の中で最小の250[V]になることから、地汚れが発生し易くなる。現像バイアスをその回転周期に従って周期的に変動させる場合には、補正量ゼロの一定値Pcから最大値(P1)まで約1/4周期をかけてゆっくりと変化させるので、山側の最大値(P1)のタイミングであっても、地汚れを発生させることは殆どない。しかし、図示のように、現像バイアスを補正量ゼロの一定値から山側の最大値(P1)まで一気に変化させてしまうと、地肌ポテンシャルを一気に減少させてトナーに反動力を付与してしまい、地汚れを発生させ易くなってしまう。このため、図示の例では、t2のタイミングで地汚れが発生し易くなるのである。
図33は、現像バイアスを、特定した補正量に基づいて周期的に変化させたときの第2例を示す波形である。この第2例は、現像スリーブの回転速度が安定化したタイミング(図中のt2)で、現像スリーブが偶然に現像ギャップを最も小さくする回転角度姿勢になった例である。この場合、図示のように、t2のタイミングで、現像バイアスの変動範囲における谷側の最小値(P2)の現像バイアスが現像スリーブに印加される。このときの現像ポテンシャルは一周期の中での最小値である250[V]になることから、現像ギャップが最小になっていても、目標に近い強度の電界をトナーに作用させることができる。この反面、地肌ポテンシャルは一周期の中で最大の450[V]になる。すると、トナーが現像スリーブに向けて強く押し付けられてキャリアが剥き出しになることで、キャリア付着を発生させ易くなる。つまり、図示のように、現像バイアスを補正量ゼロの一定値Pcから谷側の最小値(P2)まで一気に変化させてしまうと、地肌ポテンシャルを一気に増加させてキャリアに反動力を付与してしまい、キャリア付着を発生させ易くなってしまう。このため、図示の例では、t2のタイミングでキャリア付着が発生し易くなるのである。
なお、図32や図33では、現像スリーブの偏心に起因する現像ギャップの変動による画像濃度変動だけに着目して、現像バイアスの出力を現像スリーブの1回転周期あたりに1周期分の波形で変動させるようにしている。但し、現像ギャップの変動には、それらの図のような現像スリーブの1回転周期で1周期分の波形を描く変動成分の他に、通常はスリーブの1回転周期に対して1/2周期、1/3周期・・・1/n周期で変動する高次の周期変動成分が含まれる。それらの周期変動成分に起因する画像濃度変動も抑えるようにする場合には、それらの変動成分を重畳した画像濃度変動に対応する現像バイアスの出力の変動パターンが、きれいなサイン波にならず、複雑な波形になる。
また、現像ギャップの周期的な変動としては、現像スリーブの真円度誤差や偏心に起因するものの他、感光体の真円度誤差や偏心に起因するものも存在する。感光体の真円度誤差や偏心に起因する画像濃度変動は、感光体の1回転周期に対し、1周期で変動する変動成分を含むものになる。更に、1周期の変動成分の他に、1/2周期、1/3周期、1/4周期・・1/n周期で変動する高次の周期変動成分を含む場合もある。これらの画像濃度変動についても、感光体の回転角度姿勢を検知しながら、予めの実験に基づいて構築された所定の周期的な変動パターンで現像バイアスの出力を変動させることで、その発生を抑えることが可能である。更には、現像スリーブの回転角度姿勢を検知した結果に基づく現像バイアスの周期的な変動と、感光体の回転角度姿勢を検知した結果に基づく現像バイアスの周期的な変動とを重畳してもよい。何れにおいても、特許文献1に記載の画像形成装置と同様に、装置の立ち上げ時に、現像バイアスの出力を補正量ゼロの一定値から周期的に変動させる処理に切り替える際に、地汚れやキャリア付着を引き起こし易くなってしまう。
また、現像スリーブや感光体の偏心等に起因する現像ギャップの変動による周期的な画像濃度ムラについては、現像バイアスを周期的に変動させることに代えて又は加えて、帯電バイアスを周期的に変動させることによっても抑えることが可能である。かかる構成においても、装置の立ち上げ時に帯電バイアスの出力を補正量ゼロの一定値から周期的に変動させる処理に切り替える際に、地汚れやキャリア付着を引き起こし易くなる。
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次のような画像形成装置を提供することである。即ち、現像ギャップの周期的な変動に起因する画像濃度ムラの発生を抑えつつ、バイアスを一定値から周期的に変動するものに切り替える際の地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる画像形成装置である。
上記目的を達成するために、本発明は、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電する帯電ローラと、前記潜像担持体に対向する現像スリーブと、前記現像スリーブに印加する現像バイアスを出力する現像電源とを備え、画像濃度ムラの発生を抑える現像補正データに基づいて前記現像バイアスを周期的に変動させる画像形成装置であって、前記現像バイアスのバイアス制御が、周期的な変動範囲の中心的な値である固定バイアス値の前記現像バイアスを前記現像スリーブに印加した後、前記潜像担持体又は前記現像スリーブを、前記現像補正データに基づいて補正した現像バイアス値と前記固定バイアス値との差分が所定の閾値以下になる所定の回転角度姿勢にするタイミングで、前記固定バイアス値の前記現像バイアスの印加から、前記現像補正データに基づいて補正した値の前記現像バイアスの印加に替える制御であることを特徴とするものである。
これらの発明においては、現像バイアス又は帯電バイアスを周期的に変動させることで、現像ギャップの変動にかかわらず、ほぼ一定の強度の電界を現像手段のトナーに作用させる。これにより、現像ギャップの変動に起因する画像濃度ムラの発生を抑えることができる。
また、これらの発明においては、現像バイアス又は帯電バイアスの出力を一定値(調整バイアス値)から周期的に変動させる処理に切り替える際に、現像バイアス又は帯電バイアスの周期的な変動の出力における初期値を次のようにする。即ち、周期的な変動範囲のうち、一定値からの差分が所定の閾値以下になる値を初期値とする。これにより、現像バイアス又は帯電バイアスを一定値から周期的に変動させる処理に切り替える際に、現像バイアス又は帯電バイアスの切り替え前後の電位差を殆どなくすことで、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機のプリント部を拡大して示す拡大構成図。 同プリント部における4つの作像ユニットのうちの2つを示す拡大構成図。 同プリント部の中間転写ベルトとベルトの表面に形成された各色のベタトナー像とを示す平面図。 同プリント部の光学センサユニットのKフォトセンサを中間転写ベルトとともに示す拡大構成図。 同光学センサユニットのカラーフォトセンサを中間転写ベルトとともに示す拡大構成図。 Kベタトナー像について、同Kフォトセンサからの出力に基づいて算出された画像濃度と、経過時間との関係を示すグラフ。 Kベタトナー像の画像濃度と経過時間との関係を示すグラフ。 現像ギャップの変動と、現像電界の変動との関係を説明するための模式図。 同複写機における電気回路の一部を示すブロック図。 画像濃度の変動と、現像バイアスの制御との関係を示すグラフ。 同複写機の制御部によって実施される補正データ構築処理の処理フローを示すフローチャート。 補正データ構築処理で検出される感光体1周期分の濃度変動波形の一例を示すグラフ。 感光体1周期における1次成分〜4次成分(n=1〜4)の画像濃度ムラの一例を示すグラフ。 補正データ構築処理で抽出された波形の一例を示すグラフ。 補正データ構築処理で構築された合成波形の一例を示すグラフ。 実施形態に係る複写機における現像バイアスの経時変化を示すタイムチャート。 同複写機の制御部によって実施されるジョブ開始時バイアス制御の処理フローを示すフローチャート。 補正データ構築処理で検出されたベタトナー像の画像濃度ムラの一例を示すグラフ。 同画像濃度ムラに基づいて構築された現像補正データテーブルに基づいて制御される現像バイアスの変動波形を示すグラフ。 感光体1周目から2周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフ。 感光体3周目から4周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフ。 感光体5周目から6周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフ。 第1変形例に係る複写機の現像スリーブを示す拡大斜視図。 同複写機のフォトインタラプタの出力変化を示すグラフ。 画像濃度の経時変動と、同フォトインタラプタの出力の経時変動とを示すグラフ。 ベタトナー像の画像濃度の変動波形を現像スリーブ回転周期毎の長さに分割して、それらを重畳したグラフ。 現像バイアスVbの変動波形と、帯電バイアスVcの変動波形との関係を示すグラフ。 実施例に係る複写機におけるプリントジョブ開始時の帯電バイアスVc及び現像バイアスVbの経時変化を示すグラフ。 実施例に係る複写機におけるプリントジョブ終了時の帯電バイアスVc及び現像バイアスVbの経時変化を示すグラフ。 実施例に係る複写機の変形例におけるプリントジョブ開始時の帯電バイアスVc及び現像バイアスVbの経時変化を示すグラフ。 現像バイアスの経時変動の第1例を示す波形。 現像バイアスの経時変動の第2例を示す波形。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、複数の感光体を設けたいわゆるタンデム型のフルカラー電子写真複写機(以下、単に「複写機」という)の実施形態について説明する。まず、実施形態に係る複写機の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機を示す概略構成図である。同図において、複写機は、画像形成を行うプリント部100、プリント部100に対して記録部材である記録紙5を供給する給紙装置200、プリント部100上に取り付けられ原稿画像を読み取るスキャナ300などを備えている。また、スキャナ300の上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400なども備えている。プリント部100には、記録紙5を手差し給紙させるための手差しトレイ6、及び、画像形成済みの記録紙5が排紙される排紙トレイ7が設けられている。
図2は、プリント部100を拡大た構成図である。プリント部100には、転写体たる無端状の中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、それら支持ローラの何れか1つの回転駆動により、図中時計回り方向に無端移動せしめられる。支持ローラ14,15,16のうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4つの作像ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。また第2支持ローラ15と第3支持ローラ16との間のベルト張架部分には、中間転写ベルト10上に形成されたベタトナー像の画像濃度(単位面積あたりのトナー付着量)を検知するための光学センサユニット150が取り付けられている。
図1において、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、レーザー書込装置21が設けられている。このレーザー書込装置21は、スキャナ300で読み取られた原稿の画像情報に基づいて、図示しないレーザー制御部によって半導体レーザー(図示せず)を駆動して書込光を出射する。そして、その書込光により、各作像ユニット18Y,18C,18M,18Kに設けられた潜像担持体たるドラム状の感光体20Y,20C,20M,20Kを露光走査して感光体に静電潜像を形成する。なお、書込光の光源としては、レーザーダイオードに限るものではなく、例えばLEDであってもよい。
図3は、4つの作像ユニット18Y,18C,18M,18Kのうちの2つを示す拡大構成図である。なお、4つの作像ユニット18Y,18C,18M,18Kは、使用するトナーの色が互いに異なる点の他はほぼ同様の構成になっているので、同図においては、各部材の符号の末尾に付すY,C,M,Kという添字を省略している。また、以下の説明においても、これら添字を必要に応じて適宜省略する。
作像ユニット18には、感光体20の周囲に、帯電装置60、現像装置61、感光体クリーニング装置63及び除電装置64が設けられている。また、感光体20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、1次転写装置62が設けられている。
帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体20に接触して電圧を印加することにより感光体20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
現像装置61では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。なお、現像剤としては一成分現像剤を使用してもよい。この現像装置61は、現像ケース70内に設けられた攪拌部66と現像部67とに大別できる。攪拌部66では、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての後述する現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュー68が設けられており、2本のスクリュー68の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置61内の現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。
一方、現像部67には、自らの周面の一部を現像ケース70の開口を通じて感光体20に対して所定の間隙を介して対向させながら回転駆動する現像スリーブ65が配設されている。現像スリーブ65内には、図示しないマグネットローラが現像スリーブ65に連れ回らないように固定配設されている。また、現像スリーブ65の表面に対しては、ドクターブレード73がその先端を近接させている。
現像装置61内においては、現像剤を2本のスクリュー68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、現像スリーブ65内に配設されたマグネットローラの発する磁力によってスリーブ表面に汲み上げられる。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクターブレード73によって適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。
現像スリーブ65によって感光体20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットローラの発する磁力によって穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体20上の静電潜像部へ転移して静電潜像を現像する。
現像領域を通過した現像剤は、マグネットローラの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れて攪拌部66に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
1次転写装置62としては、1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体20に押し当てるようにして設置している。1次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体20に押し当てられるように配置されたクリーニングブレード75を備えている。また、感光体20に接触する導電性のファーブラシ76も備えている。クリーニングブレード75やファーブラシ76によって感光体20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。
除電ランプ等からなる除電装置64は、光を照射して感光体20の表面電位を初期化する。作像ユニット18には、感光体20に対向する電位センサ120が設けられている。この電位センサ120は、感光体20に対向するように設けられ、感光体20表面電位を検出する。
帯電装置60により、感光体20の表面は例えば−700[V]に一様帯電せしめられ、レーザー書込装置21によってレーザー光が照射された静電潜像部分の電位は、例えば−150[V]となる。これに対して、現像バイアスは例えば−500[V]であり、静電潜像と現像スリーブとの間に350[V]の現像ポテンシャルが作用する。
図1において、作像ユニット18は、感光体20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体20の表面を一様に帯電せしめる。次いで、スキャナ300により読み取られた画像情報に基づいてレーザー書込装置21がレーザーによる書込光を発射して感光体20の表面を露光走査する。これにより、感光体20の表面に静電潜像が形成される。その後、現像装置61が静電潜像を現像してトナー像を得る。このトナー像は、1次転写装置62によって中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63によって除去され、その後、感光体20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
図2において、3つの支持ローラのうち、第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置である2次転写ローラ24が設けられている。そして、中間転写ベルト10上のトナー像が記録紙5上に2次転写される際には、2次転写ローラ24が第3支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てられて2次転写ニップを形成する。この2次転写ローラ24には、2次転写ローラ24に付着したトナーをクリーニングするローラクリーニング部91が当接している。なお、2次転写装置としては2次転写ローラ24を用いた構成でなくても、例えば転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。
2次転写ローラ24の記録紙5搬送方向下流側には、2つのローラ23a,23bによって張架されている無端ベルト状の搬送ベルト22が配設されている。また、搬送ベルト22のさらに搬送方向下流側には、トナー像を記録紙5に定着させるための定着装置25が設けられている。定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうち、第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、記録紙5に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
プリント部100には、図1に示したように、給紙装置200から給紙された記録紙5を、2次転写ローラ24を介して排紙トレイ7に案内する搬送路48が設けられている。また、この搬送路48に沿う位置に、搬送ローラ49a、レジストローラ49b、排出ローラ56などが設けられている。搬送路48の下流側には、転写後の記録紙5の搬送方向を排紙トレイ7又は用紙反転装置93に切り替える切替爪55が設けられている。用紙反転装置93は、記録紙5を反転させて再び2次転写ローラ24に向けて送り出すものである。
プリント部100には、手差しトレイ6から搬送路48へ合流する手差し給紙路53も設けられ、この手差し給紙路53の上流側には、手差しトレイ6にセットされた記録紙5を一枚ずつ給紙するための給紙ローラ50及分離ローラ51が設けられている。
給紙装置200は、記録紙5を収納する複数の給紙カセット44、これらの給紙カセット44に収納された記録紙を一枚ずつ送り出す給紙ローラ42及び分離ローラ45、送り出された記録紙を給紙路46に沿って搬送する搬送ローラ47などを有している。給紙路46は、プリント部100の搬送路48に接続している。
スキャナ300は、コンタクトガラス31上に載置される原稿(図示せず)の読み取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体33,34を往復移動させる。これらの走行体33,34により走査された画像情報は、結像レンズ35によってその後方に設置されている読取センサ36の結像面に集光され、読取センサ36によって画像信号として読込まれる。
本複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス31上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス31上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体34が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス31上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体20Y,20C,20M,20Kも回転駆動する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づいて、レーザー書込装置21から、各作像ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体20Y,20C,20M,20K上に書込光がそれぞれ照射される。これにより、各感光体20Y,20C,20M,20Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61Y,61C,61M,61Kにより可視像化される。そして、各感光体20Y,20C,20M,20K上には、それぞれ、Y,C,M,Kトナー像が形成される。
このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写ローラ62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した記録紙5に応じた給紙装置200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから記録紙5が送り出される。送り出された記録紙5は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47によりプリント部100内の搬送路48まで搬送される。このようにして搬送された記録紙5は、レジストローラ49bに突き当たったところで止められる。
レジストローラ49bは、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成されたトナー像が2次転写ローラ24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。レジストローラ49bにより送り出された記録紙5は、中間転写ベルト10と2次転写ローラ24との間に送り込まれ、2次転写ローラ24によって中間転写ベルト10上のトナー像が記録紙5上に2次転写される。その後、記録紙5は、2次転写ローラ24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25において熱と圧力によってトナー像が定着せしめられる。
定着装置25を通過した記録紙5は、排出ローラ56により排紙トレイ7に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した記録紙5の搬送方向を切替爪55によって切り換えてから、用紙反転装置93に送り込む。記録紙5は、そこで反転して再び2次転写ローラ24に案内される。
以上の構成において、感光体20の真円度が低かったり、感光体20が偏心していたりすると、感光体20の回転に伴って感光体20と現像スリーブ65との間の現像ギャップが変動する。これにより、感光体20の回転周期に同期する周期的な画像濃度ムラが発生してしまう。
図2において、本複写機は、作像手段たる作像ユニット18Y,18C,18M,18Kによって形成されたY,C,M,Kトナー像の画像濃度を検知する画像濃度検知手段たる光学センサユニット150を備えている。この光学センサユニット150は、中間転写ベルト10の周方向における全域のうち、第1支持ローラ14に対する掛け回し箇所に対し、ベルトおもて面側から所定の間隙を介して対向している。
実施形態に係る複写機は、後述する補正データ構築処理において、濃度ムラ検知用のYベタトナー像,Cベタトナー像,Mベタトナー像,Kベタトナー像を中間転写ベルト10の表面に形成する。
図4は、中間転写ベルト10と、ベルトの表面に形成された各色のベタトナー像とを示す平面図である。なお、この平面図は、鉛直方向下方から上方に向けて見上げた状態の中間転写ベルト10を示している。光学センサユニット150は、ベルト幅方向に所定の距離をおいて並ぶKフォトセンサ154Kとカラーフォトセンサ154Caとを有している。
Kベタトナー像Kpgは、中間転写ベルト10のベルト幅方向における全域のうち、Kフォトセンサ154Kに対向する領域に形成される。ベルト周方向に延在する細長い形状になっており、その長さは感光体周長よりも大きくなっている。
Yベタトナー像Ypg,Cベタトナー像Cpg,Mベタトナー像Mpgは、それぞれ、中間転写ベルト10のベルト幅方向における全域のうち、カラーフォトセンサ154Caに対向する領域に形成される。それぞれ、互いにベルト周方向のずれた位置において、ベルト周方向に延在する細長い形状で形成され、その長さは感光体周長よりも大きくなっている。
図5は、光学センサユニット(150)のKフォトセンサ154Kを中間転写ベルト10とともに示す拡大構成図である。正反射型光学センサからなるKフォトセンサ154Kは、光源たる発光素子154aKと、正反射受光素子154bKとを有している。そして、発光素子154aKから発した後、中間転写ベルト10上に形成されたKベタトナー像Kpgの表面で正反射した正反射光を、正反射受光素子154bKによって受光しながら、受光量に応じた電圧を正反射受光素子154bKから出力する。図示しない制御部は、正反射受光素子154bKからの出力電圧値の変化に基づいて、Kベタトナー像の画像濃度を検知する。
図6は、光学センサユニット(150)のカラーフォトセンサ154Caを中間転写ベルト10とともに示す拡大構成図である。マルチ反射型光学センサからなるカラーフォトセンサ154Caは、光源たる発光素子161Caと、正反射受光素子162Caと、拡散反射受光素子163Caとを有している。発光素子161Caから発した後、中間転写ベルト10上に形成されたYベタトナー像Ypg,Cベタトナー像Cpg,Mベタトナー像Mpgの表面で正反射した正反射光を、正反射受光素子162Yによって受光する。そして、正反射光の受光量に応じた電圧を正反射受光素子162Yから出力する。また、発光素子161Caから発した後、中間転写ベルト10上のYベタトナー像Ypg,Cベタトナー像Cpg,Mベタトナー像Mpgの表面で拡散反射した拡散反射光を、拡散反射受光素子163Caによって受光する。そして、拡散反射光の受光量に応じた電圧を拡散反射受光素子163Caから出力する。図示しない制御部は、正反射受光素子162Caからの出力電圧値と、拡散反射受光素子163Caからの出力電圧値とに基づいて、中間転写ベルト10上に形成されたYベタトナー像Ypg,Cベタトナー像Cpg,Mベタトナー像Mpgの画像濃度を把握する。
何れのフォトセンサ(154K,154Ca)においても、発光素子としては、発光される光のピーク波長が950[nm]であるGaAs赤外発光ダイオードが用いられている。また、受光素子としては、ピーク受光感度が800[nm]であるSiフォトトランジスタなどが用いられている。ピーク波長およびピーク受光感度はこれらに限られるものではない。フォトセンサとベルト表面との距離は5[mm]程度である。
ベタトナー像の画像濃度の検知については、本複写機のように、中間転写ベルト10上で検知する態様に限られるものではない。感光体20上で検知してもよいし、記録紙上で検知してもよい。受光素子からの出力電圧値に基づいて画像濃度をどのように求めるのかについては、特開2007−33770号公報に詳しく開示されているので、説明を省略する。
図7は、Kベタトナー像について、Kフォトセンサ154Kからの出力に基づいて算出された画像濃度と、経過時間との関係を示すグラフである。図示のように、所定の期間だけ、かなり高い画像濃度が検出されているが、この期間にKベタトナー像KpgがKフォトセンサ154Kとの対向位置を通過している。つまり、前述の期間内において、Kベタトナー像Kpgのベルト移動方向における各部の画像濃度が検出されているのである。なお、図7のグラフは、次のような実験条件で得られた結果に基づいて作成されたものである。即ち、感光体20として直径100[mm]のものを用い、プロセス線速を440[mm/s]に設定し、感光体地肌部の電位を−700[V]にし、現像バイアスを500[V]に設定し、且つレーザー書込パワーを70[%]に設定した条件である。
図8は、Kベタトナー像の画像濃度と経過時間との関係を示すグラフである。図示のように、Kベタトナー像の画像濃度の検知結果は経時的に変動している。これは、Kベタトナー像の画像濃度が感光体20Kの周方向において変動していることを意味している。このような画像濃度の変動が起こるのは、感光体20Kの偏心に起因して、感光体20Kの回転角度姿勢の変化に応じて現像ギャップが変化するからである。
Kトナー像の画像濃度ムラについて説明したが、Yトナー像,Cトナー像,Mトナー像においても、感光体20Y,20C,20Mの偏心に起因してそれぞれ感光体回転周期に同期する画像濃度ムラが発生する。感光体20Y,20C,20M,20Kの偏心に起因する感光体1回転あたりの現像ギャップの変動パターンは、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kが交換されない限り同じである。ところが、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kが交換されると、感光体20Y,20C,20M,20Kの偏心量が交換前とは変わることから、感光体1回転あたりの現像ギャップの変動パターンが変化する。
そこで、本複写機は、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kについてそれぞれ交換されたことを検知する交換検知手段を個別に備えている。この交換検知手段としては、例えば、作像ユニット18Y,18C,18M,18Kに搭載されたICタグのID情報を読み取るものなどを例示することができる。
また、本複写機においては、感光体20Y,20C,20M,20Kに対して、その回転軸部材に固定されて感光体と一体的に回転する図示しない感光体ギヤを介して回転駆動力を付与するようになっている。そして、感光体ギヤの回転方向における全域のうち、所定の領域にスリット又は反射鏡を設けている。また、感光体ギヤの回転周囲における所定の領域に、スリット又は反射鏡を検知するための透過型フォトセンサ又は反射型フォトセンサを配設している。そして、感光体ギヤのスリット又は反射鏡と、前述の透過型フォトセンサ又は反射型フォトセンサとの組み合わせを、感光体20Y,20C,20M,20Kについてそれぞれ所定の回転角度姿勢になったことを検知する回転角度姿勢検知手段として機能させている。Y,C,M,K用の回転角度姿勢検知手段は、回転する感光体20Y,20C,20M,20Kが1回転内における所定の回転角度姿勢になったときに、前述のスリット又は反射鏡を検知する。これにより、感光体20Y,20C,20M,20Kについて所定の回転角度姿勢になったタイミングを検知して、検知信号を制御部に送る。
なお、各色の回転角度姿勢検知手段として、ロータリーエンコーダーを用いてもよい。ロータリーエンコーダーを用いた場合には、感光体について、様々な回転角度姿勢になったタイミングをそれぞれ個別に検知することが可能である。
次に、実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図9は、現像ギャップの変動と、現像電界の変動との関係を説明するための模式図である。感光体20が偏心していると、図示のように、感光体20の回転角度が変化するのに伴って、現像ギャップが変動する。図中の実線で示される感光体20は、現像ギャップを感光体1周期のうちの最大値であるG1にする回転角度姿勢になっている。また、図中の点線で示される感光体20は、現像ギャップを感光体1周期のうちの最小値であるG2にする回転角度姿勢になっている。このように現像ギャップが変動するにもかかわらず、現像スリーブ65に対して回転角度にかかわらず一定の現像バイアスを印加すると、現像ギャップの変動に応じて、現像電界Eの現像スリーブ65表面位置における強度が変化してしまう。現像ギャップが最小値であるG2まで狭まっているときには、現像電界Eのスリーブ表面位置における強度が感光体1周期のうちで最大になる。このため、画像濃度が感光体1周期のうちで最も高くなる。一方、現像ギャップが最大値であるG1まで拡大しているときには、現像電界のスリーブ表面位置における強度が感光体1周期のうちで最小になる。このため、画像濃度が1周期のうちで最も低くなる。
図10は、本複写機における電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部190は、演算手段たるCPU190aと、制御プログラムなどを記憶しているROM190cと、各種データを一時的に記憶するRAM190bと、各種データを消去可能に記憶するフラッシュメモリー180dとを有している。この制御部190には、I/Oインターフェース191を介して、レーザー書込装置の制御を専用に司る光書込制御回路192、光学センサユニット150の各フォトセンサ、D/A変換器181などが接続されている。また、Y,C,M,K用の回転角度姿勢検知手段(180Y,C,M,K)や、Y,C,M,K用の交換検知手段(183Y,C,M,K)なども接続されている。
Y交換検知手段183Yは、作像ユニット18Yの交換を検知するものである。また、C交換検知手段183C,M交換検知手段183M,K交換検知手段183Kは、作像ユニット18C,18M,18Kの交換を検知するものである。
デジタルデータをアナログデータに変換するためのD/A変換器181には、Y現像電源182Y、C現像電源182C、M現像電源182M及びK現像電源182Kが接続されている。これら現像電源は、Y,C,M,K用の現像スリーブ65Y,65C,65M,65Kに対して現像バイアスをそれぞれ個別に出力するものである。
回転駆動中の感光体20Yが所定の回転角度姿勢になると、Y回転角度姿勢検知手段180Yがそのことを検知してホームポジション検知信号を制御部190に出力する。同様に、感光体20C,20M,20Kが所定の回転角度姿勢になると、C回転角度姿勢検知手段180C、M回転角度姿勢検知手段180M、K回転角度姿勢検知手段180Kがそのことを検知してホームポジション検知信号を制御部190に出力する。
制御部190のフラッシュメモリー190dには、Y現像電源182Yからの現像バイアスの出力を補正するためのY現像補正データテーブルが記憶されている。また、C現像電源182C、M現像電源182M、K現像電源182Kからの現像バイアスの出力をそれぞれ個別に補正するためのC現像補正データテーブル、M現像補正データテーブル、K現像補正データテーブルも記憶されている。これらの現像補正データテーブルは、例えば図8に示される感光体回転周期で発生する画像濃度ムラとは逆位相の濃度変化を発生させるための現像バイアスの出力変動パターンを発現させるためのデータを格納したものである。予めの実験により、感光体回転周期で発生する画像濃度ムラの波形を調べた結果に基づいて構築されたものである。
制御部190は、Y回転角度姿勢検知手段180Yからホームポジション検知信号が送られてくると、Y現像補正データテーブルにおけるテーブル番号1の補正データを読み込んで、その結果に対応する制御信号をY現像電源182Yに向けて出力する。出力された制御信号はアナログ信号に変換されてから、Y現像電源182Yに入力される。そして、Y現像電源182Yは、現像スリーブ65Yに対して出力する現像バイアスの値をその制御信号に応じた値に変化させる。
例えば、感光体20Yが所定の回転角度姿勢になったタイミングでは、現像ギャップが標準値よりも広がることから、−500[V]の現像バイアスの条件では画像濃度が目標濃度よりも低くなるとする。そして、その値を目標濃度にするためには、作像ユニット18Yの現像能力を変化させ得る所定の制御パラメータである現像バイアスを−510[V]にしなければならないことが予めの実験によって判明しているとする。この場合、Y補正テーブルのテーブル番号1には、Y現像電源182Yからの現像バイアスの出力値を−510[V]に変化させるための補正データが格納されている。このため、制御部190がその補正データに基づいて制御信号を出力すると、Y現像電源182Yからの現像バイアスの出力値が−510[V]に変化する。これにより、感光体20Yが所定の回転角度姿勢になったタイミングで、静電潜像を目標濃度で現像することが可能になる。
制御部190は、Y回転角度姿勢検知手段180Yからホームポジション検知信号が送られてきたことに基づいてY現像補正データテーブルにおけるテーブル番号1の補正データに対応する制御信号を出力したら、次のような処理を行う。即ち、所定の時間間隔で、Y現像補正データテーブルにおける読み込みデータのテーブル番号を1つずつずらしながら補正データを読み込んで、その結果に対応する制御信号をY現像電源182Yに向けて出力する。これにより、感光体回転周期で発生するY画像濃度ムラとは逆位相の濃度変化を発生させるための現像バイアスの出力変動パターンをY用の現像装置61Yで発現させる。制御部190は、このような一連の処理を出力制御処理として実行する。
Y用の現像バイアスの制御について説明したが、C,M,K用の現像バイアスについても制御部190は同様の出力制御処理を行う。なお、制御信号としてPWM信号を送信させるように制御部190を構成した場合には、D/A変換器181を省略することが可能である。
図11は、画像濃度の変動と、現像バイアスの制御との関係を示すグラフである。同図において、Tは感光体の1周期を示している。現像バイアスを現像ギャップ変動に応じて補正せずに一定にしている場合(補正なし)には、現像ギャップ変動に起因して周期的な画像濃度ムラが発生する。同図は、様々な要因で発生する画像濃度ムラを感光体1周期分について切り出したときの波形を示している。この変動成分は、主に感光体の偏心に起因して発生するものである。このような画像濃度ムラは、現像バイアスを感光体の偏心に起因する現像ギャップ変動に応じて変動させる(補正後)ことで、図示のように大幅に改善される。なお、画像濃度ムラにおいては、通常、感光体1周期で発生する変動成分の他、1/2周期、1/3周期・・1/n周期で発生する高次の周期変動成分が含まれる。この場合、それらの変動成分を重畳した波形は、きれいなサイン波状の形状にならず、複雑な周期変動波形になる。
制御部190は、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、作像ユニット(18Y,C,M,K)の交換が検知されると、補正データ構築処理を実施するようになっている。図12は、制御部190によって実施される補正データ構築処理の処理フローを示すフローチャートである。この補正データ構築処理は、各色についてそれぞれ個別に行われる。例えば、Y用の作像ユニット18Yの交換がY交換検知手段183Yによって検知された場合、制御部190は、Y現像補正データテーブルを新たに構築するための補正データ構築処理を実施する。
補正データ構築処理では、作像ユニットの交換が検知されるまで待機される(ステップ1でN:以下、ステップをSと記す)。そして、作像ユニットの交換が検知されると(S1でY)、中間転写ベルト10上にベタトナー像を形成する(S2)。このベタトナー像の形成開始タイミングは、回転角度姿勢検知手段からホームポジション信号が送られてきたタイミングから所定時間だけ遅れたタイミングに決定される。これにより、例えば、感光体が所定の回転角度姿勢になったタイミングで、ベタトナー像の長手方向における全域のうち、先端部が現像領域に進入して現像される。
制御部190は、次に、フォトセンサ(154K、154Ca)からの出力に基づいて、ベタトナー像の長手方向における各部の画像濃度を把握してその結果をRAM190bに一時記憶する。これにより、感光体20が所定の回転角度姿勢になったタイミングを基準にする濃度ムラ検出用トナー像(パターン像)を得たら、その画像濃度ムラを抑え得る現像バイアスの出力変動パターンを解析する。そして、解析結果に基づいて、現像補正データテーブルを構築して(S4)、フラッシュメモリー190d内の現像補正データテーブルを新たに構築したものに更新する(S5)。
かかる構成においては、現像補正データテーブルから読み込んだ補正データに従って、現像バイアスの出力を感光体20の回転角度姿勢に対応する値に制御することで、感光体20の回転周期で発生する周期的な画像濃度ムラを抑える。これにより、現像スリーブ65の回転周期で発生する周期的な画像濃度ムラについての対策しか講じていなかった従来の画像形成装置に比べて、現像ギャップの変動に起因する周期的な画像濃度ムラを抑えることができる。
また、実施形態に係る複写機においては、感光体20が交換された場合であっても、補正データ構築処理の実施により、交換後の感光体の部品精度誤差に対応した現像補正データテーブルを新たに構築する。これにより、交換後にも交換前の感光体20の偏心に対応する現像補正データテーブルを使い続けることに起因して現像バイアスを不適切に制御してしまうことによる画像濃度ムラの悪化を回避することができる。
感光体20の偏心に起因する周期的な画像濃度ムラは、感光体1回転周期で周期的に発生するものであり、これは、感光体20の部品精度の誤差に起因する周期的な画像濃度ムラの1つにすぎない。感光体20の部品精度の誤差に起因する周期的な画像濃度ムラとしては、その他に、感光体20の真円度の誤差に起因するものなどがある。
また、周期的な画像濃度ムラとしては、現像スリーブ65の偏心に起因して現像スリーブ65の回転周期で発生するものもある。この画像濃度ムラは、現像スリーブ65の回転周期で周期的に発生する。
上述した補正データ構築処理で検出される濃度変動パターンの波形は、次のような複数の波形が重畳されたものである。即ち、感光体20の部品精度の誤差に起因して感光体回転周期の1/1〜1/nの周期で発生する画像濃度ムラの波形や、現像スリーブ65の偏心に起因して現像スリーブ回転周期の1/1〜1/nの周期で発生する画像濃度ムラの波形などが重畳されたものである。
本複写機において、感光体20の回転位相と、現像スリーブ65の回転位相とは、互いに全く無関係(非同期)であり、それら回転位相の関係はプリントジョブ毎に異なったものになる。例えば、あるプリントジョブでは、それら2つの回転位相が所定の関係にあるとする。しかし、そのプリントジョブが終了する際には、感光体20と現像スリーブ65とが互いに微妙に異なったタイミングで回転停止する。そして、次のプリントジョブ開始時には、感光体20と現像スリーブ65とが互いに異なった加速度で回転を開始することから、それらの回転位相の関係は先のプリントジョブにおける関係とは異なってくる。このため、作像ユニットが交換されていなくても、補正データ構築処理で検出される濃度変動パターンの波形は、感光体20と現像スリーブ65との回転位相の関係に応じて異なったものになる。
補正データ構築処理で検出される濃度変動パターンの波形に対して、忠実に逆位相の関係になる濃度変動を生じせしめる現像補正データテーブルを作成したとする。そして、この現像補正データテーブルに基づいて現像バイアスを制御したとしても、周期的な画像濃度ムラを効果的に低減することができない場合がある。
出力制御処理においては、感光体20の部品精度誤差に起因する画像濃度ムラを抑える狙いで、感光体20についてのホームポジション信号が発生したタイミングを基準にして、現像バイアスの補正が行われる。この場合、補正データ構築処理で検出された濃度ムラパターンの波形から、感光体20の回転振れに起因して発生する回転周期の濃度ムラパターンを、前記タイミングを基準にして抽出し、それに基づいて現像補正データテーブルや帯電補正データテーブルを構築すればよい。現像スリーブの回転角度姿勢を監視しながら現像バイアスや帯電バイアスの出力を周期変動させる場合も同様である。
図13は、補正データ構築処理で検出される感光体1周期分の濃度変動波形の一例を示すグラフである。この濃度変動波形は、感光体の1周期で1回増減する1次成分の画像濃度ムラ、1周期で2回増減する2次成分の画像濃度ムラ・・・・・・1周期でn回増減するn次成分の画像濃度ムラを含んでいる。更には、現像ローラの回転周期で発生する画像濃度ムラも含んでいる。
図14は、感光体1周期における1次成分〜4次成分(n=1〜4)の画像濃度ムラの一例を示すグラフである。検出された感光体1周期分の画像濃度ムラのデータに対してFFT(高速フーリエ変換)処理や直交検波等の処理を施すことで、図示のように、感光体周期のn次成分の画像濃度ムラを抽出することができる。
そこで、制御部190は、補正データ構築処理で検出された感光体周期分で切り出した濃度変動波形にFFT処理(高速フーリエ変換処理)を施すことで、その波形から感光体回転周期の1/1〜1/nの周期で発生する画像濃度ムラの波形を抽出する。図15は、その処理によって抽出された波形の一例を示すグラフである。
次に、制御部190は、抽出された1次成分〜n次成分の画像濃度ムラの波形を合成して、図16に示されるような合成波形を構築する。そして、この合成波形に対して逆位相のパターンの関係になる画像濃度変動を発生させるための現像補正データテーブルを構築する。このようにすることで、画像濃度ムラに含まれる、感光体の回転周期に対する1次の変動成分だけでなく、2次〜n次の変動成分も、その発生を抑えることができる。なお、現像スリーブの真円度誤差や偏心に起因する画像濃度ムラについても、同様に、現像スリーブが所定の回転角度姿勢になったタイミングを基準にして1次からn次の変動成分を抽出して、それらの合成波形を得ることが可能である。よって、現像スリーブの真円度誤差や偏心に起因する画像濃度ムラについても、現像スリーブの回転周期に対する1次の変動成分だけでなく、2次〜n次の変動成分も、その発生を抑えるようにすることが可能である。
合成波形を相殺し得る逆位相の画像濃度変動を発生させる現像バイアスの出力変動パターンのアルゴリズムは、次式によって表すことができる。
「Vb=Vbofs+{A1・sin(θ+φ1)+A2・sin(2θ+φ2)+・・・+An・sin(n・θ+φn)}」
この式において、Vbは、現像バイアスの標準値を示している。また、Vbofsは現像バイアスの補正量を示している。また、A1、A2・・・Anは、感光体回転周期の1、2、・・・n倍の周期で発生する濃度変動パターンの波形の振幅を示している。また、φ1、φ2、・・・φnは、感光体回転周期の1、2、・・・n倍の周期で発生する濃度変動パターンの波形の位相を示している。θは、感光体20の回転角度を示している。
振幅Aは、高圧電源等の周波数特性により、各次数で減衰特性が異なってくるため、その分を補正して制御する必要がある。その補正を反映させた現像バイアスVbの関係式は、次のようになる。
「Vb=Vbofs+{G1・A1・sin(θ+φ1)+G2・A2・sin(2θ+φ2)+・・・+Gn・An・sin(n・θ+φn)}」
この式において、G1、G2、G3は、感光体回転周期の1、2、・・・n倍の周期で発生する濃度変動パターンの波形の振幅に応じた振幅制御ゲインを示している。
また、振幅に応じた特性を反映させるための補正も加えた現像バイアスの関係式は、次のようになる。
「Vb=Vbofs+Gb・{G1・A1・sin(θ+φ1)+G2・A2・sin(2θ+φ2)+・・・+Gn・An・sin(n・θ+φn)}」
この式において、Gbは、振幅に応じた現像バイアスゲインを示している。制御部190は、この式に基づいて、現像補正データテーブルを構築するようになっている。
図17は、実施形態に係る複写機における現像バイアスの経時変化を示すタイムチャートである。同図において、t0は、現像スリーブ65に対する現像バイアスの印加が開始されたタイミングである。このタイミングt0に先立って、各色の感光体の回転駆動が開始されたり、現像スリーブ65の回転駆動が開始されたりする。プリントジョブが開始されてからしばらくすると、図示のように、一定の値の直流バイアスからなる現像バイアスが印加される。この値は、後述する変動波形のピークツウピークの中心値Pcである。
同図において、各種の電位における単位の極性は全てマイナスである(−V)。よって、地肌部電位Vdは、周期的な変動範囲における最大値P1、周期的な変動範囲の中心的な値としての中心値Pc、周期的な変動範囲における最小値P2、潜像電位Vsは、全て絶対値で表されている。そして、それらの値は、地肌部電位Vd>最大値P1>中心値Pc>最小値P2>潜像電位Vsという大小関係になっている。
同図において、t2は、プリントジョブがスタートした後、感光体の回転速度が安定化するタイミングを示している(回転安定タイミング)。また、HPは、回転角度姿勢検知手段(180)がホームポジションを検知したタイミングである(ホームポジション検知タイミング)。制御部190は、プリントジョブを開始してから、ホームポジション検知タイミングが到来し、その後、所定時間taが経過したタイミングで、次のような処理を行っている。即ち、現像バイアスの出力を中心値Pcで一定にする処理から現像バイアス制御データたる現像補正データテーブルに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えている。この切り替えによって出現する変動波形は、図示のように、中心値Pcから立ち上がるものになる。つまり、所定時間taは、感光体がホームポジションから、現像ギャップを変動幅の中心の値にする回転角度姿勢まで回転するのに要する時間である。ホームポジション検知タイミングから所定時間taが経過した時点では、感光体が現像ギャップを変動幅の中心の値にする回転角度姿勢になっていることから、このときの現像バイアスの適正値は中心値Pcになる。よって、その時点で現像補正データテーブルに基づいた現像バイアスの補正を開始することで、変動波形を中心値Pcから立ち上げることが可能になるのである。つまり、中心値Pcからの差分がゼロになるタイミングで、変動波形を出現させ始めることができる。
このような処理を実現するために、制御部190は、上述した補正データ構築処理を実施した直後に、Y,M,C,K用の現像補正データテーブルについてそれぞれ、補正値がゼロになるテーブル番号を特定する。そして、そのテーブル番号(ゼロ補正テーブル番号)、テーブル番号を読み込む時間間隔とに基づいて、ホームポジション検知タイミングから、ゼロ補正テーブル番号の補正データを読み込むタイミングまでの時間差である所定時間taを算出しておく。
図18は、制御部190によって実施されるジョブ開始時バイアス制御の処理フローを示すフローチャートである。制御部190は、ジョブ開始時バイアス制御を開始すると、まず、現像スリーブ65に対する中心値Pcの現像バイアスの印加を開始してから(S1)、現像スリーブの回転を開始する(S2)。このとき同時に経時処理を開始する。その後、現像スリーブの回転開始から、所定の回転安定時間が経過するまで待機する(S3)。回転安定時間が経過すると(S3でY)、現像スリーブが安定して所定速度で回転し始めたことになる。そこで、次に、ホームポジション検知信号が送られてくるまで待機する(S4)。そして、ホームポジション検知信号が送られてくると、感光体の回転角度姿勢を把握することが可能になるため、現像補正データテーブルに基づく現像バイアスの補正が可能になる。但し、ホームポジション検知タイミングでは、現像バイアスの中心値Pcからの補正量がかなり大きくて、その補正量で補正すると地汚れやキャリア付着を発生させるおそれがある。そこで、その後、所定時間taが経過するのを待って(S5)、現像補正データテーブルに基づく現像バイアスの補正を開始する(S6)。これにより、現像バイアスの変動波形を、中心値Pcからゆっくりと立ち上げることが可能になる。
かかる構成では、現像バイアスを中心値Pcから、変動波形に従って変動するものに切り替える際に、現像バイアスの切り替え前後の電位差を殆どなくすことで、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
図19は、補正データ構築処理で検出されたベタトナー像の画像濃度ムラの一例を示すグラフである。また、図20は、その画像濃度ムラに基づいて構築された現像補正データテーブルに基づいて制御される現像バイアスの変動波形を示すグラフである。図19に示されるように、この例では、感光体1周期あたりの画像濃度ムラの変動幅が比較的小さい。つまり、感光体の回転周期で発生する現像ギャップの変動幅が比較的小さい。このような場合、現像ギャップの変動による画像濃度変動はあまり視認されなくなる。そして、図20に示されるように、現像補正データテーブルに基づく現像バイアスの変動波形のピークツウピークが所定値以下になる。
制御部190は、現像補正データテーブルに基づく現像バイアスの変動波形のピークツウピークが所定値以下になった場合には、次のような処理を行うようになっている。即ち、現像バイアスの出力を現像補正データテーブルに基づいて変動させる処理に代えて、中心値Pcの現像バイアスを出力させ続ける処理を実施する。より詳しくは、プリントジョブ開始後、ホームポジション検知タイミングが到来し、更に所定時間taが経過しても、現像バイアスを変動させる処理を開始せずに、その後も中心値Pcを出力させ続ける。かかる構成では、感光体周期で発生する画像濃度変動の変動幅が比較的小さい場合には、現像バイアスを変動させる処理を実施しないことで、制御部190の演算負荷を軽減して、制御部190の長寿命化を図ることができる。更には、現像バイアス変動時の誤動作等によって画像濃度変動を却って大きくしてしまうという事態の発生を回避することができる。
制御部190は、図4に示される、ベタトナー像Kpg、Yベタトナー像Ypg、Cベタトナー像Cpg、Mベタトナー像Mpgとして、それぞれ感光体の周長の6周分以上のものを形成する。そして、それぞれのベタトナー像について、フォトセンサによって検知し始めてから、感光体1周期が経過するまでを感光体1周期分の画像濃度ムラとし、それ以降、感光体1周期が経過する毎にそれぞれ感光体1周期分の画像濃度ムラとして検知していく。これにより、感光体1周目から6周目までの画像濃度ムラをそれぞれ検出し、それら周回の画像濃度ムラの変動波形を重畳して平均化したものに基づいて、感光体1周当たりの画像濃度ムラの変動波形を構築する。かかる構成では、感光体1周分だけの画像濃度ムラを検知する場合に比べて、画像濃度ムラをより正確に検知することができる。
しかしながら、感光体の突発的な回転速度ムラなどにより、各周回の画像濃度ムラの変動波形に位相ズレが発生するおそれがある。例えば、図21は、感光体1周目から2周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフである。また、図22は、感光体3周目から4周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフである。また、図23は、感光体5周目から6周目までの画像濃度ムラとして特定される波形部分の一例を示すグラフである。1周目から2周目までの波形部分(図21)に対し、3周目から4周目までの波形部分(図22)は、30[deg]も位相ずれしている。また、5周目から6周目までの波形部分(図23)は、5[deg]位相ずれしている。このような場合には、位相ずれが大きいことから、画像濃度ムラを相殺し得る現像補正データテーブルを構築することが困難になり、場合によっては、補正によって画像濃度ムラを却って大きくしてしまうおそれがある。
そこで、制御部190は、各周回について検出した画像濃度ムラの変動波形において、閾値を超える位相ズレが発生している場合には、次のような処理を行うようになっている。即ち、現像バイアスの出力を現像補正データテーブルに基づいて変動させることに代えて、中心値Pcの現像バイアスを出力させる処理を実施する。かかる構成では、画像濃度ムラを正確に検出できなかったことに起因して画像濃度ムラを却って大きくしてしまうという事態の発生を回避することができる。
なお、現像バイアスの変動波形をそのピークツウピークの中心値Pcから出現させるタイミングで、現像バイアスの出力を一定値から変動波形に切り替える例について説明したが、出現させるタイミングは中心値Pcに限られるものではない。中心値Pcからの差分が所定の閾値になる波形箇所から変動波形を出現させてもよい。
次に、変形例に係る複写機について説明する。なお、以下に特筆する点を除き、変形例に係る複写機の構成は、実施形態と同様である。
[第1変形例]
感光体の回転角度姿勢に応じて現像バイアスを変動させる例について説明したが、そのような変動に代えて、又は加えて、現像スリーブの回転角度姿勢に応じて現像バイアスを変動させるようにしてもよい。この場合、画像濃度ムラを検出して得られた画像濃度変動波形を周波数解析して、現像スリーブの回転周期で発生する画像濃度ムラを抽出し、その画像濃度ムラを相殺し得る現像補正データテーブルを構築すればよい。
図24は、現像スリーブを示す拡大斜視図である。現像スリーブ65の近傍には、現像スリーブ65の回転角度姿勢を検知するための回転角度検知装置200が配設されている。回転角度検知装置200は、各色の現像スリーブ(65Y,M,C,K)の近傍にそれぞれ配設されている。それらの構成は互いに同じであるので、同図においては、符号の末尾に付すY,M,C,Kという添字を省略している。現像スリーブ65の回転軸部材65aは、カップリング210を介してスリーブ駆動モータ211に接続されている。そして、スリーブ駆動モータ211のモータ軸に遮光部材201が固定されている。遮光部材201は、現像スリーブ65が所定の回転角度姿勢になったときに、フォトインタラプタ202の中に進入してフォトインタラプタ202に検知される。これにより、現像スリーブ65について、所定の回転角度姿勢になったことが検知される。
同図では、現像スリーブをスリーブ駆動モータ211に直結したダイレクトドライブ方式を採用した例を示しているが、スリーブ駆動モータ211からの動力伝達の間に減速機構などを配設してもよい。但し、減速機構を採用する場合、遮光部材211は現像スリーブ65と同じ回転数になるようにすることが望ましい。
図25は、フォトインタラプタ202の出力変化を示すグラフである。現像スリーブ65の1周期毎に、フォトインタラプタ202の出力が矩形状に1回だけ立ち上がっている。この立ち上がりのタイミングは、現像スリーブ65が所定の回転角度姿勢になったタイミングである。
図26は、画像濃度の経時変動と、フォトインタラプタ202の出力の経時変動とを示すグラフである。画像濃度の変動は、フォトインタラプタ202の周期に同期するものと、その周期よりも大きな周期で全体的にサイン波状に変化するものとが存在している。フォトインタラプタ202のパルス周期でサイン波状に発生しているのが、現像スリーブ65の回転に伴う現像ギャップの変動による画像濃度ムラである。また、フォトインタラプタ202のパルス周期よりも大きな周期で全体的にサイン波状に変化しているのが、感光体の回転に伴う現像ギャップの変動による画像濃度ムラである。制御部190は、各色のベタトナー像を検知して図示のような画像濃度ムラの波形を構築した後、フォトインタラプタ202のパルス周期で発生している波形成分だけを抽出する。そして、その波形成分を相殺することができる現像バイアスの変動波形を構築し、その結果に基づいて現像補正データテーブルを構築する。
図27は、ベタトナー像の画像濃度の変動波形を現像スリーブ回転周期毎の長さに分割して、それらを重畳したグラフを示している。図示の例では、現像スリーブの10周期分の変動波形を10個(N1〜N10)に分割してそれらを重畳した例を示している。同図において太線で示される波形(Avg)は、それら10個の分割波形(N1〜N10)を平均化したものである。それぞれの分割波形(N1〜N10)は、互いに異なる周期変動成分を含んでいるが、平均波形(Avg)は、それらの周期変動成分を殆ど含まないものになっている。このように、複数の分割波形を平均化することで、現像スリーブの回転周期で発生する画像濃度変動成分を抽出することができる。制御部190は、このような平均化処理により、フォトインタラプタ202のパルス周期(=現像スリーブの回転周期)で発生している波形成分だけを抽出するようになっている。
なお、分割波形の数は、10個以上であっても、10個未満であってもよい。また、平均化処理としては、単純平均処理(相加平均処理)に限られるものではなく、他の平均処理でもよい。
制御部190は、プリントジョブ中には、フォトインタラプタ202からの出力と、現像補正データテーブルとに基づいて、現像バイアスの出力をサイン波状に変化させる。そのサイン波の周期は、現像スリーブ65の回転周期と同じである。プリントジョブの開始時は、実施形態に係る複写機と同様に、まず、現像バイアスとして、サイン波のピークツウピークの中心値で安定している直流バイアスからなるものを出力させる。そして、現像スリーブ65の回転開始から回転安定時間が経過した後、初めにフォトインタラプタ202の出力が立ち上がったタイミングから経時処理を開始する。この経時結果が所定時間taになった時点で、その時点に対応する補正データを現像補正データテーブルから読み込んで、現像バイアスをサイン波状に変動させ始める。これにより、現像バイアスの変動波形を、そのピークツウピークの中心値から出現させる。
[第2変形例]
現像バイアスを変動させることに代えて、帯電ローラに印加する帯電バイアスを変化させることによっても、画像濃度を変化させることが可能である。帯電バイアスを変動させると、それに応じて地肌部電位Vdが変動する。そして、それに伴って潜像電位Vsが変動することから、現像ポテンシャルも変動する。このような現像ポテンシャルの変動により、画像濃度を変動させることが可能なのである。
そこで、第2変形例に係る複写機の制御部190は、補正データ構築処理において、現像補正データテーブルを構築することに代えて、帯電バイアスを補正するための帯電補正データテーブルを構築する。制御部190には、Y,M,C,K用にそれぞれ個別に設けられた4つの帯電電源が接続されている。制御部190は、これらの帯電電源にそれぞれ制御信号を送ることで、帯電電源からの出力を変化させることができる。制御部190は、プリントジョブ時には、ホームポジション検知タイミングと、帯電補正データテーブルとに基づいて、感光体の回転角度姿勢に応じた補正量で帯電バイアスを補正する。これにより、感光体の回転周期で発生する画像濃度ムラを抑えるようになっている。
なお、プリントジョブ開始時には、まず、感光体の回転速度が安定化するまでピークツウピークの中心値の帯電バイアスを帯電ローラに印加する。その後、ホームポジション検知タイミングが到来し、更に所定時間taが経過した時点で、帯電補正データテーブルに基づいて帯電バイアスを変動させ始める。これにより、帯電バイアスの変動波形におけるピークツウピークの中心値から変動波形を出現させて、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
[第3変形例]
第3変形例に係る複写機の制御部190は、現像バイアスVbの周期変動を開始するときに、変動波形における1周期分の領域のうち、中心値の箇所から出現させるのではなく、中心値との差分が所定の閾値以下になる「第1所定値」の箇所から出現させる。これにより、ホームポジション検知タイミングの後、変動波形の中心値に対応するタイミングを待つよりもより早い段階で、現像バイアスVbの周期変動を開始することができる。但し、それまで中心値であった現像バイアスVbを急に上下させると、僅かな差分であっても、多少の地汚れやキャリア付着を発生させてしまうおそれがある。そこで、現像バイアスVbの変動波形を「第1所定値」にするタイミング(以下、「第1タイミング」という)よりも少しだけ遡った時点であるホームポジション検知タイミングで、現像バイアスVbを段階的に「第1所定値」まで少しずつ変化させ始める。そして、「第1タイミング」で現像バイアスVbの周期変動を開始させる。これにより、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
次に、実施形態に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は、実施形態と同様である。
[実施例]
これまで説明してきた画像濃度ムラは、画像のベタ部(暗部)における画像濃度ムラである。現像バイアスを変動波形に従って変動させることで、現像ギャプの変動に起因する画像のベタ部の画像濃度ムラを抑えることができる。しかしながら、本発明者らは実験により、このようにしてベタ部の画像濃度ムラを抑えると、画像の中間調部で画像濃度ムラを発生させてしまうことを見出した。具体的には、現像バイアスの値を周期的な変動範囲における最大値(P1)あたりにしたときには、中間調部の画像濃度を目標よりも濃くしてしまう。また、現像バイアスの値を周期的な変動範囲における最小値(P2)あたりにしたときには、中間調部の画像濃度を目標よりも薄くしてしまう。これは、ベタ部に合わせて最大値P1と最小値P2との差分(振幅)を設定すると、中間調部ではその振幅が大きくなり過ぎて画像濃度過多や画像濃度不足を引き起こしてしまうのである。
本発明者らは、更に鋭意研究の結果、現像バイアスの変動周期に同期させて、帯電バイアスを変動させることで、中間調部の画像濃度ムラを抑え得ることを見出した。図28は、現像バイアスVbの出力を現像補正データテーブルに従って変動させた場合の変動波形と、帯電バイアスVcの出力を帯電補正データテーブルに従って変動させた場合の変動波形との関係を示すグラフである。なお、このグラフの縦軸は電位を示しているが、その電位は、変動波形の中心値からのずれ量を示している。例えば、現像バイアスVbの中心値は−500[V]程度であるのに対し、帯電バイアスVcの中心値は−700[V]程度であるが、縦軸が中心値からのずれ量であることから、2つの変動波形は縦軸の同じ位置を中心にした状態で上下している。
また、同図においては、便宜上、現像バイアスVbの変動波形の位相と、帯電バイアスVcの変動波形の位相とを同期させて示しているが、実際には、それら変動波形は位相ずれしている。これは、感光体20の表面が帯電装置60との対向位置で帯電された後、その帯電箇所が感光体20と現像装置61との対向領域である現像領域に進入するまでにタイムラグがあるからである。例えば、感光体20が帯電装置60による帯電位置から現像領域まで移動するのにその周長の1/4だけ移動する場合には、現像バイアスVcの変動波形は、帯電バイアスVcの変動波形に対して90[deg]だけ位相ずれする。
現像バイアスVbが最大値(P1)にあるときには、現像ギャップが感光体1周期の中で最も大きくなっており、現像ポテンシャルが感光体1周期の中で最も大きくなる。この最大値によって現像が行われる感光体箇所は、帯電バイアスVcの最小値(P2)で帯電された箇所であることから、地肌部電位が感光体1周期の中で最も高くなる。すると、その地肌部に対する露光によって得られる潜像の電位は、感光体1周期の中で最も高くなることから、帯電バイアスVcを変動させない場合に比べて現像ポテンシャルが低くなる。これにより、中間調部の画像濃度過多が抑えられる。
また、現像バイアスVbが最小値(P2)にあるときには、現像ギャップが感光体1周期の中で最も小さくなっており、現像ポテンシャルが感光体1周期の中で最も小さくなる。この最小値(P2)によって現像が行われる感光体箇所は、帯電バイアスVcの最小値で帯電された箇所であることから、その地肌部電位が感光体1周期の中で最も低くなる。すると、その地肌部に対する露光によって得られる潜像の電位は、感光体1周期の中で最も低くなることから、帯電バイアスVcを変動させない場合に比べて現像ポテンシャルが高くなる。これにより、中間調部の画像濃度不足が抑えられる。
そこで、制御部190は、上述した補正データ構築処理において現像補正データテーブルを構築したら、その現像補正データテーブルに基づいて現像バイアスを変動させながら、Y,M,C,Kの4つの中間調トナー像を形成する。これら中間調トナー像は、面積階調による中間調で形成される点の他は、図4に示されるベタトナー像と同様に形成される。そして、光学センサによってその画像濃度ムラが検知される。
制御部190は、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、次のようにして帯電補正データテーブルを構築する。即ち、中間調トナー像において検出された感光体1周期分の画像濃度ムラのデータに対してFFT(高速フーリエ変換)処理や直交検波等の処理を施すことで、感光体1周期のn次成分の画像濃度ムラを抽出する。以下、ベタトナー像と同様にして、それら変動成分の合成波形を構築したら、その合成波形を打ち消すことが可能な帯電バイアスの周期変動の波形を構築する。そして、この波形に基づいて、帯電補正データテーブルを構築する。
図29は、実施例に係る複写機における帯電バイアスVc及び現像バイアスVbの経時変化を示すグラフである。本複写機では、感光体20が帯電装置60による帯電位置から現像領域まで移動するのにその周長の1/4だけ移動する。よって、制御部190は、現像バイアスVbの周期変動の波形を、帯電バイアスVcの周期変動の波形に対して90[deg]だけ位相ずれさせる。
制御部190は、図中のt0のタイミングで感光体の回転駆動を開始すると同時に、計時処理を開始する。この複写機では、感光体の回転駆動を開始してからtb秒後に感光体の回転速度が所定速度で安定化することが解っている。tb秒が経過するまでの期間(以下、加速期間という)は、感光体の回転速度が加速しており、感光体の回転周期は一定ではなく徐々に短くなっていく。このような加速期間では、ホームポジション検知信号が発生した瞬間には、感光体の回転角度姿勢についてホームポジションになっていると解る。しかし、その後、次のホームポジション検知信号が発生するまでの間は、どの程度の回転角度になっているのかを把握することができない。このため、帯電補正データテーブルに基づく帯電バイアスの出力の制御や、現像補正データテーブルに基づく現像バイアスの出力の制御を正しく行うことができない。そこで、制御部190は、感光体の回転駆動を開始すると、その後、帯電バイアスVcをゼロから中心値に立ち上げたり、現像バイアスVbをゼロから中心値に立ち上げたりした後には、加速期間が経過するまで待機する。図示の例では、帯電バイアスVcや現像バイアスVbを立ち上げた後、加速期間が経過する前に、ホームポジション検知信号がタイミングt1で発生しているが、このタイミングt1はバイアス制御切り替え決定のトリガーとしては利用されない。なお、加速期間における帯電バイアスVcは、周期的な変動範囲の中心値で安定している直流バイアスからなるものである。また、加速期間における現像バイアスは、周期的な変動範囲の中心値で安定している直流バイアスからなるものである。
制御部190は、加速期間(タイミングt2)が経過すると、ホームポジション検知信号の監視を開始する。そして、直後にホームポジション検知信号を受信したタイミングt3で、再び計時処理を開始する。帯電バイアスVcの出力を帯電補正データテーブルに基づいて周期変動させる上で、ホームポジション検知信号を受信したタイミングt3では、出力値が中心値よりも小さく、最小値の付近の値になっている。このため、タイミングt3では帯電バイアスVcの出力制御を帯電補正データテーブルに基づく制御に切り替えずに、その後、変動範囲の中心値で出力し得るタイミングを見計らう。タイミングt3で計時処理を開始するのは、かかるタイミングを見計らうためである。タイミングt3からta秒が経過した時点(t4)において、タイミングt3の後に、帯電バイアスVcの出力を周期変動させる上で出力値を中心値にし得るタイミングが初めて訪れる。そこで、制御部190は、その時点(t4)で、そのタイミングに対応する補正データを帯電補正データテーブルから読み込んで、帯電バイアスVcの出力制御を、中心値に制御する処理から、帯電補正データテーブルに基づいて周期変動させる処理に切り替える。その後、時点t4からtc秒(所定時間)だけ経過した時点t5で、感光体の周面のうち、帯電補正データテーブルに基づいて出力制御された帯電バイアスVcの条件下で一様帯電せしめられた箇所の先端が現像領域に進入する。そこで、制御部190は、その時点t5を見計らって、現像バイアスVbの出力制御を、中心値で一定にする処理から、現像補正データテーブルに基づいて周期変動させる処理に切り替える。この時点t5は、感光体回転速度の突発的な変動などがなければ、図示のように、周期的に変動する現像バイアスVbを変動範囲の中心値にするタイミングである。
かかる構成では、帯電バイアスVcを変動させることで、現像バイアスVbを変動させることに起因する中間調部の画像濃度ムラの発生を抑えることができる。また、帯電バイアスVcの変動波形における1周期分の領域のうち、中心値になる箇所を出現させるタイミングで、帯電バイアスVcの出力を中心値で一定にする処理から周期的に変動させる処理に切り替えている。これにより、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
なお、現像バイアスVbの出力を中心値で一定にする処理から周期的に変動させる処理に切り替えた後、帯電バイアスVcの出力を中心値で一定にする処理から周期的に変動させる処理に切り替えてもよい。また、それらバイアスの出力を同時に、中心値で一定にする処理から周期的に変動させる処理に切り替えてもよい。何れにしても、切り替える時点で、変動波形を中心値からの差分が閾値以下になる箇所から出現させるようにする。
また、周期変動を開始させた時点の帯電バイアスVcで帯電させた感光体箇所を現像領域に進入させるタイミングで現像バイアスの周期変動を開始させているが、必ずしも、かかる構成を採用する必要はない。但し、かかる構成を採用することで、地汚れやキャリア付着の発生をより確実に抑えることが可能になる。これは次に説明する理由による。実施形態のように、感光体20を一様に帯電させて現像バイアスVbを周期的に変動させる場合には、現像バイアスVbにおける最大値(P1)を出現させるタイミングで、地肌ポテンシャルを最小にして地汚れを発生させ易くなる。この一方、帯電バイアスVcを周期変動させる場合、感光体1周の中で最も高く帯電させた箇所を前述のタイミングで現像領域に進入させることから、地肌ポテンシャルをより大きくする。これにより、地汚れの発生を抑えることができる。現像バイアスVbの周期変動を開始するときには、既に周期変動させた帯電バイアスVcで帯電させた感光体箇所を現像領域に進入させているので、その時点から地汚れの発生を抑えることができる。
また、実施形態のように、感光体20を一様に帯電させて現像バイアスVbを周期的に変動させる場合には、現像バイアスVbにおける最大値(P1)を出現させるタイミングで、地肌ポテンシャルを最大にしてキャリア付着を発生させ易くなる。この一方、帯電バイアスVcを周期変動させる場合、感光体1周の中で最も低く帯電させた箇所を前述のタイミングで現像領域に進入させることから、地肌ポテンシャルをより小さくする。これにより、キャリア付着の発生を抑えることができる。現像バイアスVbの周期変動を開始するときには、既に周期変動させた帯電バイアスVcで帯電させた感光体箇所を現像領域に進入させているので、その時点からキャリア付着の発生を抑えることができる。
制御部190は、帯電補正データテーブルに基づく帯電バイアスVcの周期的な変動範囲が所定の変動幅以下になった場合には、次のような処理を行うようになっている。即ち、帯電バイアスVcの出力を帯電補正データテーブルに基づいて変動させる処理に代えて、中心値の帯電バイアスVcを出力させ続ける処理を実施する。より詳しくは、プリントジョブ開始後、ホームポジション検知タイミングが到来し、更に所定時間taが経過しても、帯電バイアスVcを変動させる処理を開始せずに、その後も中心値を出力させ続ける。かかる構成では、感光体周期で発生する画像濃度変動の変動幅が比較的小さい場合には、帯電バイアスVcを変動させる処理を実施しないことで、制御部190の演算負荷を軽減して、制御部190の長寿命化を図ることができる。更には、帯電バイアス変動時の誤動作等によって画像濃度変動を却って大きくしてしまうという事態の発生を回避することができる。
制御部190は、プリントジョブの終了時には、図30に示されるように、まず、ホームポジション検知信号が発生するタイミングを監視し、そのタイミングが到来したら、更にta秒が経過するのを待つ。ホームポジション検知信号が発生してからta秒後は、既に説明したように、帯電補正データテーブルに基づいて出力制御される帯電バイアスVcの出力値が変動範囲の中心値になるタイミングである。このタイミングで、制御部190は図示のように、帯電バイアスVcの出力を、帯電補正データテーブルに基づいて変動させる処理から、一定の中心値にする処理に切り替える。その後、感光体の周面のうち、その中心値で帯電処理を施された箇所の先端が現像領域に進入するタイミング、即ち、帯電バイアスの出力制御を切り替えたタイミングからtc秒後(1/4周期)が経過したタイミングで、次の切り替えを行う。即ち、現像バイアスVbの出力を、現像補正データテーブルに基づいて変動させる処理から、一定の中心値にする処理に切り替える。この後、制御部190は、帯電バイアスVcを中心値からゼロに立ち下げた後、その立ち下げからtc秒後(1/4周期後)のタイミングで、現像バイアスVbを中心値からゼロに立ち下げる。
なお、プリントジョブの開始時において、帯電バイアスVcをゼロからいきなり所望の値まで立ち上げても、感光体の表面の帯電電位の上昇はそれに迅速応答せずに、ある程度遅れて帯電電位が上昇する場合がある。このような帯電電位の応答遅れがあると、現像領域では、応答遅れがないことを前提とした現像バイアスと、電位が十分に上昇していない感光体の帯電電位との電位差が、大きくなってしまうおそれがある。そこで、図31に示されるように、時点t4よりも前の期間で、帯電バイアスVcをゼロから段階的に立ち上げるようにしてもよい。この場合、帯電バイアスVcの段階的立ち上げによる感光体の帯電電位の段階的な上昇と現像バイアスの段階的な上昇とを現像領域で同期させるように、図示のように、現像バイアスを段階的に立ち上げることが望ましい。より詳しくは、本複写機では、感光体表面が帯電ローラとの接触位置から現像領域まで移動するのに感光体回転周期の1/4を要する。このため、帯電バイアスの段階的な立ち上げの開始から1/4周期送らせたタイミングで、現像バイアスの段階的な立ち上げを開始する。このように帯電バイアスや現像バイアスを段階的に立ち上げることで、感光体の帯電の応答遅れに起因する現像領域での感光体と現像スリーブとの電位差の異常な増大の発生を回避することができる。
次に、実施例に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した具体例の複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、具体例に係る複写機の構成は、実施例と同様である。
[第1具体例]
第1具体例に係る複写機の制御部190は、帯電バイアスVcの周期変動を開始するときに、変動波形における1周期分の領域のうち、中心値の箇所から出現させるのではなく、中心値との差分が所定の閾値以下になる「第2所定値」の箇所から出現させる。これにより、ホームポジション検知タイミングの後、変動波形の中心値に対応するタイミングを待つよりもより早い段階で、帯電バイアスVcの周期変動を開始することができる。但し、それまで中心値であった帯電バイアスVcを急に上下させると、僅かな差分であっても、多少の地汚れやキャリア付着を発生させてしまうおそれがある。そこで、帯電バイアスVcの変動波形を「第2所定値」にするタイミング(以下、「第2タイミング」という)よりも少しだけ遡った時点であるホームポジション検知タイミングで、帯電バイアスVcを段階的に「第2所定値」まで少しずつ変化させ始める。そして、「第2タイミング」で帯電バイアスVcの周期変動を開始させる。これにより、地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
[第2具体例]
Y,M,C,K用の感光体20Y,M,C,Kについてそれぞれ所定の回転角度姿勢になったことを検知する回転角度姿勢検知手段180Y,M,C,Kが何らかの理由によって出力をしなくなることがある。すると、感光体20Y,M,C,Kの回転角度姿勢を正確に把握することができなくなってしまう。にもかかわらず、単純な周期だけに頼って現像バイアスVbや帯電バイアスVcの出力変動の制御を継続すると、それらの変動波形の位相を適切な位相から大幅にずらしてしまい、画像濃度ムラを却って悪化させてしまうことになりかねない。
そこで、制御部190は、Y,M,C,Kの各色についてそれぞれ、感光体20の回転駆動中に、回転角度姿勢検知手段180からのホームポジション検知信号を、所定期間を超えて受信しない場合に、次のような処理を実施するようになっている。即ち、まず、帯電バイアスVcの出力を帯電補正データテーブルに基づいて変動させる処理に代えて、変動波形の中心値で一定にする処理を実施する。この際、帯電バイアスVcの変動波形の中心値を出現させたタイミング(以下、「第1切り替えタイミング」という)で、出力を周期変動させる処理から、中心値で一定にする処理に切り替える。これにより、帯電バイアスVcの値を急激に変化させることによる地汚れやキャリア付着の発生を抑える。
次に、制御部190は、「第1切り替えタイミング」から所定時間tcが経過したタイミングで、現像バイアスVbの出力を現像補正データテーブルに基づいて変動させる処理から、変動波形の中心値で一定にする処理に切り替える。所定時間tcは、「第1切り替えタイミング」において帯電バイアスVcの中心値で帯電せしめられた感光体箇所が、「第1切り替えタイミング」で帯電装置60に対向している状態から、現像領域に進入した状態になるまでに要する時間である。よって、「第1切り替えタイミング」から所定時間tcが経過したタイミングは、現像バイアスVbの変動波形の中心値を出現させるタイミングである。このタイミングで現像バイアスVbを変動波形から中心値に切り替えることで、現像バイアスVbの値を急激に変化させることによる地汚れやキャリア付着の発生を抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、回転駆動される潜像担持体(例えば感光体20)と、前記潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(例えば帯電装置60)と、一様帯電後の前記表面に潜像を書き込む潜像書込手段(例えばレーザー書込装置21)と、前記潜像を現像してトナー像を得る現像手段(例えば現像装置61)と、前記現像手段に供給するための現像バイアスを出力する現像電源(例えば現像電源182)と、現像バイアス制御データに基づいて前記現像電源からの前記現像バイアスの出力を周期的な変動波形が得られるように変動させる処理を実施するバイアス制御手段(例えば制御部190)とを備える画像形成装置において、画像形成動作の開始後、前記現像バイアスの出力を前記変動波形のピークツウピークの中心値で一定にする処理を実施した後、前記変動波形における1周期分の領域のうち、前記中心値からの差分が所定の閾値以下になる箇所を出現させるタイミングで、前記現像バイアスの出力を前記中心値で一定にする処理から前記現像バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、回転駆動される潜像担持体と、前記潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段と、一様帯電後の前記表面に潜像を書き込む潜像書込手段と、前記潜像を現像してトナー像を得る現像手段と、前記帯電手段に供給するための帯電バイアスを出力する帯電電源と、帯電バイアス制御データに基づいて前記帯電電源からの前記帯電バイアスの出力を周期的な変動波形が得られるように変動させる処理を実施するバイアス制御手段とを備える画像形成装置において、画像形成動作の開始後、前記帯電バイアスの出力を前記変動波形のピークツウピークの中心値で一定にする処理を実施した後、前記変動波形における1周期分の領域のうち、前記中心値からの差分が所定の閾値以下になる箇所を出現させるタイミングで、前記帯電バイアスの出力を前記中心値で一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様C]
態様Cは、請求項1の画像形成装置において、前記帯電手段に供給するための帯電バイアスを出力する帯電電源を設けるとともに、帯電バイアス制御データに基づいて前記帯電電源からの前記帯電バイアスの出力を周期的な変動波形が得られるように変動させる処理を実施し、且つ、画像形成動作の開始後、前記帯電バイアスの出力を前記変動波形のピークツウピークの中心値で一定にする処理を実施した後、前記変動波形における1周期分の領域のうち、前記中心値からの差分が所定の閾値以下になる箇所を出現させるタイミングで、前記帯電バイアスの出力を前記中心値で一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記潜像担持体について所定の回転角度姿勢になったことを検知する回転姿勢検知手段(例えば回転角度姿勢検知手段180)を設けるとともに、前記回転姿勢検知手段によって前記回転角度姿勢になったことが検知されたタイミングである姿勢検知タイミング(例えばホームポジション検知タイミング)と、前記現像バイアス又は前記帯電バイアスの変動波形とに基づいて、前記現像バイアス又は前記帯電バイアスの出力を一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるタイミングを決定するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記現像バイアスの出力をその中心値から、前記中心値との差分を前記閾値以下にする所定値まで段階的に変化させた後、前記現像バイアスの出力を前記現像バイアス制御データに基づいて変動させる処理を開始するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様F]
態様Fは、態様D又はEにおいて、前記帯電バイアスの出力をその中心値から、前記中心値との差分を閾値以下にする所定値まで段階的に変化させた後、前記帯電バイアスの出力を前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理を開始するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様G]
態様Gは、態様Dにおいて、前記現像バイアスの変動波形における1周期分の領域のうち、前記中心値からの差分がゼロになる箇所を出現させるタイミングで、前記現像バイアスの出力を前記中心値で一定にする処理から前記現像バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様H]
態様Hは、態様D又はGにおいて、前記帯電バイアスの変動波形における1周期分の領域のうち、前記中心値からの差分がゼロになる箇所を出現させるタイミングで、前記帯電バイアスの出力を前記中心値で一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて周期的に変動させる処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様I]
態様Iは、態様D〜Hの何れかにおいて、前記潜像担持体上のトナー像、又は前記潜像担持体から転写体に転写されたトナー像の画像濃度を検知する画像濃度検知手段(例えば光学センサーユニット150)と、前記潜像担持体上に画像濃度変動検知用のベタトナー像を形成する処理を前記姿勢検知タイミングに基づいて開始した後、前記ベタトナー像における潜像担持体表面移動方向の画像濃度変動を前記画像濃度検知手段によって検知した結果に基づいて前記現像バイアス制御データ(例えば現像補正データテーブル)を構築する制御データ構築手段(例えば制御部190)とを設けたことを特徴とするものである。
[態様J]
態様Jは、態様Iにおいて、前記現像バイアス制御データに基づいて前記現像バイアスの出力を変動させている状態で、前記潜像担持体上に画像濃度変動検知用の中間調トナー像を形成する処理を前記姿勢検知タイミングに基づいて開始した後、前記中間調トナー像における潜像担持体表面移動方向の画像濃度変動を前記画像濃度検知手段によって検知した結果に基づいて前記帯電バイアス制御データ(例えば帯電補正データテーブル)を構築する処理を実施するように、前記制御データ構築手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様K]
態様Kは、態様Jにおいて、画像形成動作の開始後、前記姿勢検知タイミングに基づいて前記帯電バイアスの出力を変動波形の中心値で一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理に切り替えた後、潜像担持体の表面移動方向における全域のうち、前記帯電バイアスを前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理によって帯電せしめられた箇所の先端が前記潜像担持体と前記現像手段との対向領域である現像領域に進入するタイミングで、前記現像バイアスの出力を変動波形の中心値で一定にする処理から前記現像バイアス制御データに基づいて変動させる処理に切り替える処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様L]
態様Lは、態様Kにおいて、前記潜像担持体の回転駆動開始後、前記潜像担持体の回転速度が所定速度まで上昇するのに必要な時間が経過した直後の前記姿勢検知タイミングに基づいて、前記帯電バイアスの出力を変動波形の中心値で一定にする処理から前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理に切り替えるタイミングを決定する処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様M]
態様Mは、態様I〜Lの何れかにおいて、前記現像バイアスの変動波形におけるピークツウピークが所定値以下である場合には、前記現像バイアスの出力を前記現像バイアス制御データに基づいて変動させることに代えて、一定値の前記現像バイアスを出力させる処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様N]
態様Nは、請求項I〜Mの何れかにおいて、前記帯電バイアスの変動波形におけるピークツウピークが所定値以下である場合には、前記帯電バイアスの出力を変動波形に従って変動させることに代えて、一定値の前記帯電バイアスを出力させる処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様O]
態様Oは、態様I〜Nの何れかにおいて、前記潜像担持体の表面移動方向にて潜像担持体2周以上の長さの前記ベタトナー像を形成するか、又は潜像担持体1周以上の長さの前記ベタトナー像を互いに異なる周回で前記潜像担持体に複数形成するかし、且つ、前記現像バイアスの変動波形として、潜像担持体の互いに異なる周回に個別に対応する複数の変動波形を前記検知結果に基づいて構築する処理を実施ように前記制御データ構築手段を構成するとともに、それら変動波形に閾値を超える位相ズレが発生している場合には、前記現像バイアスの出力を前記現像バイアス制御データに基づいて変動させることに代えて、一定値の前記現像バイアスを出力させる処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様P]
態様Pは、態様I〜Oの何れかにおいて、前記潜像担持体の表面移動方向にて潜像担持体2周以上の長さの前記中間調トナー像を形成するか、又は潜像担持体1周以上の長さの前記中間調トナー像を互いに異なる周回で前記潜像担持体に複数形成するかし、且つ、前記帯電バイアスの変動波形として、潜像担持体の互いに異なる周回に個別に対応する複数の変動波形を前記検知結果に基づいて構築する処理を実施するように前記制御データ構築手段を構成するとともに、それら変動波形に閾値を超える位相ズレが発生している場合には、前記帯電バイアスの出力を前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させることに代えて、一定値の前記帯電バイアスを出力させる処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様Q]
態様Qは、態様D〜Pの何れかにおいて、前記帯電バイアスの出力を前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理に代えて、前記中心値で一定にする処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様R]
態様Rは、態様Qにおいて、前記帯電バイアスの前記差分が前記閾値以下になったタイミングで前記帯電バイアスの出力を前記帯電バイアス制御データに基づいて変動させる処理から、前記中心値で一定にする処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様S]
態様Rは、態様Rにおいて、前記潜像担持体の回転駆動中に、前記回転姿勢検知手段から送られてくる検知信号を、所定期間を超えて受信しない場合に、前記現像バイアスの出力を前記現像バイアス制御データに基づいて変動させる処理に代えて、前記中心値で一定にする処理を実施するように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様T]
態様Tは、態様Rにおいて、前記現像バイアスの前記差分が前記閾値以下になるタイミングで前記現像バイアスの出力を前記現像バイアス制御データに基づいて変動させる処理から、前記中心値で一定にする処理に切り替えるように、前記バイアス制御手段を構成したことを特徴とするものである。
20Y,M,C,K:感光体(潜像担持体)
21:レーザー書込装置(潜像書込手段)
60Y,M,C,K:帯電装置(帯電手段)
61Y,M,C,K:現像装置(現像手段)
150:光学センサーユニット(画像濃度検知手段)
180Y,M,C,K:回転角度姿勢検知手段(回転姿勢検知手段)
182Y,M,C,K:現像電源
190:制御部(バイアス制御手段)
特開平9−62042号公報

Claims (15)

  1. 潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電する帯電ローラと、前記潜像担持体に対向する現像スリーブと、前記現像スリーブに印加する現像バイアスを出力する現像電源とを備え、画像濃度ムラの発生を抑える現像補正データに基づいて前記現像バイアスを周期的に変動させる画像形成装置であって、
    前記現像バイアスのバイアス制御が、周期的な変動範囲の中心的な値である固定バイアス値の前記現像バイアスを前記現像スリーブに印加した後、前記潜像担持体又は前記現像スリーブを、前記現像補正データに基づいて補正した現像バイアス値と前記固定バイアス値との差分が所定の閾値以下になる所定の回転角度姿勢にするタイミングで、前記固定バイアス値の前記現像バイアスの印加から、前記現像補正データに基づいて補正した値の前記現像バイアスの印加に替える制御であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記バイアス制御が、ゼロから前記固定バイアス値に至るまで段階的に値を変化させる制御であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記タイミングが、前記固定バイアス値と、前記現像補正データに基づいて補正した値との差分がゼロになるタイミングであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記現像バイアスの前記バイアス制御を、前記潜像担持体の回転速度が所定速度まで上昇した後に行うことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記現像バイアスを前記現像補正データに基づいて補正した値の変動範囲が所定の変動幅以下である場合には、前記タイミングの到来後であっても前記固定バイアス値の前記現像バイアスを前記現像スリーブに印加することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1の画像形成装置であって、
    前記所定の回転角度姿勢を検知する姿勢検知手段から送られてくる検知信号を、所定期間を超えて受信しない場合には、前記現像バイアスを前記現像補正データに基づいて補正した値の変動範囲の中心値の前記現像バイアスを前記現像スリーブに印加することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1の画像形成装置において、
    前記潜像担持体上のトナー像、又は前記潜像担持体から転写体に転写されたトナー像の画像濃度を検知する画像濃度検知手段を有し、
    前記所定の回転角度姿勢の前記タイミングに基づいて、前記潜像担持体上にベタトナー像を形成した後、前記ベタトナー像を前記画像濃度検知手段によって検知して前記現像補正データを構築することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項7の画像形成装置であって、
    前記帯電ローラに印加する帯電バイアスを出力する帯電電源を備え、
    前記帯電バイアスのバイアス制御が、固定バイアス値の前記帯電バイアスを前記帯電ローラに印加した後、前記潜像担持体又は前記帯電ローラを所定姿勢にするタイミングで、前記固定バイアス値の前記帯電バイアスの印加から、画像濃度ムラの発生を抑える帯電補正データに基づいて補正した値の前記帯電バイアスの印加に替える制御であり、
    且つ、前記現像補正データに基づいて前記現像バイアスを出力している状態で、前記潜像担持体上に中間調トナー像を形成した後、前記中間調トナー像を画像濃度検知手段によって検知して前記帯電補正データを構築することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8の画像形成装置であって、
    前記中間調トナー像を前記画像濃度検知手段によって検知して得られる複数の画像濃度変動波形において位相ズレが発生している場合には、前記タイミングの到来後であっても前記固定バイアス値の前記帯電バイアスを前記帯電ローラに印加することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項7の画像形成装置であって、
    前記ベタトナー像を前記画像濃度検知手段によって検知して得られる複数の画像濃度変動波形において位相ズレが発生している場合には、前記タイミングの到来後であっても前記固定バイアス値の前記現像バイアスを前記現像スリーブに印加することを特徴とする画像形成装置。
  11. 潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電する帯電ローラと、前記潜像担持体と対向する現像スリーブと、前記帯電ローラに印加する帯電バイアスを出力する帯電電源とを備え、画像濃度ムラの発生を抑える帯電補正データに基づいて前記帯電バイアスを周期的に変動せる画像形成装置であって、
    前記帯電バイアスのバイアス制御が、周期的な変動範囲の中心的な値である固定バイアス値の前記帯電バイアスを前記帯電ローラに印加した後、前記潜像担持体又は前記帯電ローラを、前記帯電補正データに基づいて補正した帯電バイアス値と前記固定バイアス値との差分が所定の閾値以下になる所定の回転角度姿勢にするタイミングで、前記固定バイアス値の前記帯電バイアスの印加から、前記帯電補正データに基づいて補正した値の前記帯電バイアスの印加に替える制御であり、
    前記タイミングでの前記バイアス制御が、ゼロから前記固定バイアス値に至るまで段階的に値を変化させる制御であることを特徴とする画像形成装置
  12. 求項11の画像形成装置であって、
    前記タイミングが、前記固定バイアス値と、前記帯電補正データに基づいて補正した値との差分がゼロになるタイミングであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項11の画像形成装置であって、
    前記帯電バイアスの前記バイアス制御を、前記潜像担持体の回転速度が所定速度まで上昇した後に行うことを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項11の画像形成装置であって、
    前記帯電バイアスを前記帯電補正データに基づいて補正した値の変動範囲が所定の変動幅以下である場合には、前記タイミングの到来後であっても前記固定バイアス値の前記帯電バイアスを前記帯電ローラに印加することを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項11の画像形成装置であって、
    前記所定の回転角度姿勢を検知する姿勢検知手段から送られてくる検知信号を、所定期間を超えて受信しない場合には、前記帯電バイアスを前記帯電補正データに基づいて補正した値の変動範囲の中心値の前記帯電バイアスを前記帯電ローラに印加することを特徴とする画像形成装置。
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