JP6493420B2 - X線発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は産業用X線検査装置や医療用X線検査装置、あるいはX線の回折や屈折を利用した各種X線分析装置や測定装置などに用いられるX線発生装置に関し、より詳しくは、真空容器内でターゲットに電子を衝突させて発生したX線を、電子の進行方向に沿った方向を中心として真空容器外に取り出す透過型のX線発生装置に関する。
真空容器内でターゲットに電子ビームを照射することによってX線を発生するタイプのX線発生装置は、電子の進行方向と異なる方向にX線を取り出す反射型ターゲットを用いるものと、電子の進行方向とおおよそ同じ方向にX線を取り出す透過型ターゲットを用いるものがある。反射型ターゲットを用いるものでは,そのX線焦点径(X線が発生する領域の径)はターゲットに照射する電子ビームの焦点径(電子ビームのターゲット表面への照射スポット径)と電子ビームに対するターゲットの表面角度に依存するのに対し、透過型ターゲットを用いるものにおけるX線焦点径はターゲットに照射する電子ビームの焦点径のみで決まる。
図8に透過型ターゲットを用いたX線発生装置の構成例を模式的断面図で示す。真空容器100の一端部にX線照射窓101が固定され、このX線照射窓101にはその下面側(容器内面側)にX線発生用のターゲット102が積層されている。これらのX線照射窓101とターゲット102は一体化されて不可分な部材であり、ターゲット積層構造体103を構成している。真空容器100内には、電子源と電極群を備えてなる電子銃104が収容されており、この電子銃104からの加速・集束した電子ビームをターゲット102に照射することによって発生したX線を、X線照射窓101を介して電子ビームBの照射方向とおおよそ同方向に取り出す。なお、X線照射窓という用語は、その部材を介してX線発生装置からX線が放出されるために用いられるのであるが、ターゲットを保持するための部材としての機能から見ればターゲット基板、あるいは単に基板とも称される。本明細書においてはこれらの用語のうち、もっぱらX線照射窓を用いる。
図9に、図8におけるターゲット102への電子ビームBの照射領域近傍の拡大図と、この構成によって外部に放出されるX線プロファイルを表すグラフとを併記して示す。X線プロファイルは横軸に位置を、縦軸にX線強度をとったグラフで表している。
この図9に示すように、ターゲット102に対する電子ビームBの焦点径、つまりターゲット102の表面へ照射される電子ビームBの照射スポット径が、X線発生装置におけるX線の焦点径となる。このX線焦点径を小さくすることにより、例えばX線透視装置により得られる透視像の空間分解能が向上してより鮮明な画像となる。
そこで従来、透過型ターゲットを用いたX線発生装置においては、X線焦点径を小さくするために、電子ビームを小さく絞ってターゲットに照射する方法が採用されてきた。しかし、電子ビームを絞るレンズの収差の問題で、電子源からの拡がりのある電子ビームを小さく絞ることは極めて困難である。その対策として、ビームアパーチャを設けて収差の影響を低減する方法がしばしば採用されてきたが、電子ビームをサブミクロンオーダーまで小さく形成する場合には、ターゲット内で電子が拡散することによってX線焦点径が大きくなってしまうという新たな問題が生じる。
そこで、一般にはX線照射窓の片面に薄膜状に積層されるタングステンなどのターゲットを、微細な柱状の金属ワイヤとして、軽金属製のX線照射窓に対して埋設した構造としたり(例えば特許文献1参照)、あるいはX線照射窓に微細な柱状の穴部を形成し、その穴部内にターゲット材料である金属を堆積すること(例えば特許文献2参照)によって、ターゲットに向けて照射する電子ビームの焦点径を小さく絞ることなく、X線焦点を小さくする技術が提案されている。
すなわち、図10に模式的断面図とこのターゲット構造により外部に放出されるX線プロファイルのグラフを併記して示すように、X線照射窓201に微細な柱状のターゲット202を保持した構造により、X線発生領域を制限すると同時に、ターゲット202内での電子拡散の影響を減じ、ターゲット202に向けて照射する電子ビームBの焦点径を小さく絞ることなくX線焦点径を小さくする技術が提案されている。
特開2004−28845号公報 特開2011−77027号公報
ところで、上記の特許文献1や2の技術によれば、X線プロファイルはその中心付近の強度が高くなり、照射している電子ビームの焦点径に対してのX線焦点径は改善される。しかしながら、X線が発生しにくい軽元素部材を用いたX線照射窓からも電子ビームの照射によってX線が発生し、また、電子拡散は軽元素部材の方がより広い領域に及ぶ。そのため、結局は柱状のターゲットの大きさに合わせて、ある程度の大きさに電子ビームを絞らなければ、意図する小ささのX線焦点径を得ることができないという問題があった。
また、図9に示した従来のターゲットと比較すると、提案技術では電子ビームを当てる場所が微細な柱状のターゲットを包含する場所である必要があり、電子ビームの照射位置に制限があるため、電子ビームの照射位置を調整する必要がある。X線焦点径を小さくするためには、ターゲットの大きさを例えばミクロンオーダーないしはサブミクロンオーダーにする必要があり、このよう微細なターゲットを用いて効率よくX線を発生させる電子ビーム照射範囲は極めて狭くなり、ターゲットを探すまでの照射位置調整が困難で極めて煩雑であるという問題も生じる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、ターゲットに対する電子ビームの焦点径に拠ることなく、確実にX線焦点径を小さくすることのできるX線発生装置を提供することをその課題としている。
また、本発明は、上記に加えて、ターゲット上への電子ビームの照射位置の調整を簡単化することを他の課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明のX線発生装置は、真空容器内に配置されたターゲットに対して電子ビームを照射することによって発生したX線を、上記ターゲットが一体に積層形成されたX線照射窓を介して電子ビームの照射方向に沿う方向に外部に取り出すX線発生装置において、上記ターゲットと上記X線照射窓からなるターゲット積層構造体の上記電子ビームの照射領域内に、当該電子ビームの照射方向へのX線吸収率が局所的に低いX線低吸収率部位が形成されていることによって特徴づけられる(請求項1)。
ここで、本発明においては、上記ターゲット積層構造体の上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率が、上記X線低吸収率部位を中心とする少なくとも所定領域において、当該X線低吸収率部位に近づくほど連続的もしくは段階的に低くなっている構成(請求項2)を採用することが望ましい。
また、本発明においては、上記X線低吸収率部位におけるターゲット厚さを、当該ターゲット内での電子拡散距離よりも大きくすること(請求項3)が望ましい。
本発明において、上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、上記ターゲットの厚さの相違によるものとした構成(請求項4)を採用することができる。
また、本発明においては、上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、上記X線照射窓の厚さの相違によるものとした構成(請求項5)を採用することもできる。
更に、本発明においては、上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、X線吸収率を相違させるためのX線吸収層を当該ターゲット積層構造体に積層したことによる構成(請求項6)を採用してもよい。
本発明は、ターゲットがX線照射窓に積層されてなるターゲット積層構造体自体のX線吸収率の相違により、電子ビームの照射領域中で発生したX線のうち、当該照射領域内に局所的な部位からのX線のみを外部に取り出すことで、課題を解決しようとするものである。
すなわち、ターゲットに対する電子ビームの照射領域内に、ターゲット積層構造体のX線吸収率が局所的に低いX線低吸収率部位を設け、他との差を大きくすることにより、X線吸収窓を介して外部に取り出されるX線は、X線低吸収率部位からのものが支配的となり、結果としてX線低吸収率部位が実質的なX線焦点となる。よって、電子ビームの焦点径に係わらず、確実にX線焦点径を小さくすることができる。
また、以上の本発明の構成によれば、X線低吸収率部位が電子ビームの照射領域内に位置していることが必要であり、そのためにX線低吸収率部位と電子ビームの照射領域とを位置調整する必要があるが、特許文献1や2のような微細な柱状のターゲットを用いる場合のように、ターゲットに照射されている部分以外の電子ビームがX線照射窓に直接的に作用してX線を発生させないように当該電子ビームを絞る必要がない分だけ、電子ビームの焦点径を大きくできるため、位置調整はより簡単となる。
そして、この位置調整は、請求項2に係る発明の構成を採用することにより、より容易化される。すなわち、請求項2に係る発明では、X線低吸収率部位を中心として、その周辺の所定領域において当該部位に近づくほど、ターゲット積層構造体のX線吸収率を低くする構成を採用しており、これにより、X線低吸収率部位と電子ビームの照射領域との位置調整に際して、発生するX線強度をモニタして、より強いX線が発生する向きに相対位置を変化させればよい。
また、本発明におけるターゲット積層構造体のX線低吸収率部位におけるターゲット厚さを、当該ターゲット内での電子拡散距離よりも厚くする請求項3に係る発明の構成により、他部位はもとより、このX線低吸収率部位においてさえ、照射された電子がX線照射窓に至ることがなく、X線照射窓での電子拡散、およびX線発生が起こらず、より確実にX線焦点径を小さくすることが可能となる。
本発明によれば、ターゲットとX線照射窓とが一体に積層されたターゲット積層構造体の電子ビームの照射領域内に、X線吸収率が局所的に低いX線低吸収率部位を設け、電子ビームの照射により発生したX線のうち、実質的にX線低吸収率部位からのもののみを外部に取り出すようにしているので、ターゲットに照射する電子ビームを絞ることなく、確実にX線低吸収率部位の大きさに依存したX線焦点径が得られる。
また、ターゲット積層構造体のX線吸収率を、X線低吸収率部位の周辺において当該部位に近づくほど連続的もしくは段階的に低くする構成の採用により、X線低吸収率部位と電子ビーム照射領域との位置合わせを容易化することができる。
本発明の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図と、この構成により外部に放出されるX線プロファイルを表すグラフとを併記して示す図。 本発明の他の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 本発明の更に他の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 本発明の更にまた他の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 電子ビームの照射位置合わせを容易化した機能を持つ本発明の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 電子ビームの照射位置合わせを容易化した機能を持つ本発明の他の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 電子ビームの照射位置合わせを容易化した機能を持つ本発明の更に他の実施の形態のターゲット積層構造体の電子ビーム照射領域近傍の模式的断面図。 透過型ターゲットを用いたX線発生装置の構成例を示す模式的断面図。 図8におけるターゲットへの電子ビームの照射領域近傍の拡大図と、この構成によって外部に放出されるX線プロファイルを表すグラフとを併記して示す図。 X線照射窓に微細な柱状のターゲットを保持した構造の従来のX線発生装置におけるターゲットへの電子ビームの照射領域近傍の模式的断面図と、この構成によって外部に放出されるX線プロファイルを表すグラフとを併記して示す図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の要部の模式的断面図と、この構成によって外部に放出されるX線のプロファイルを表すグラフとを併記して示す図である。この実施の形態は、X線発生装置としての基本構成は図8に示したものと同等であり、ターゲット積層構造体が図9に示したものから図1に示すものに変更されている点が最大の特徴である。
真空容器の一端部を閉鎖するように固定されたターゲット積層構造体3は、図9のものと同様に、X線照射窓1とその容器内面側に積層されたターゲット2によって構成され、このターゲット2に対して真空容器内の電子銃から加速および集束した電子ビームBが照射され、X線が発生する。ターゲット2の材料としては、W,Mo,Cuなど、X線照射窓1としてはAl,Be,あるいはダイヤモンドなどが一般に用いられる。なお、図1から図10において、電子ビームBの中に記載された矢印は電子ビームの照射方向を示している。
ターゲット積層構造体3には、ターゲット2への電子ビームBの照射領域内に、電子ビームBの照射方向(X線取り出し方向)へのX線吸収率が局所的に低いX線低吸収率部位3aが形成されている。この例におけるX線低吸収率部位3aは、ターゲット2の厚さを薄くすることによって形成されている。
X線照射窓1を構成する元素は、ターゲット2を構成する元素に比して軽元素であり、X線低吸収率部位3a内の図中矢印aを通るX線に比して、他の部位の矢印bを通るX線はより多くの吸収を受けて減衰する。その結果、X線照射窓1を介して外部に放出されるX線のプロファイルは、図1に示すように相対的にX線低吸収率部位3aの形成位置に対応する中心付近の強度が増す。このため、X線焦点径は図9に示した一様な厚さのターゲットを用いる場合に比してより小さくなる。
この構成によれば、X線低吸収部位3aに入射した電子が拡散してその部位以外のターゲット2にまで至って発生したX線についても減衰するため、特に1μm以下のX線焦点径を得るのに適している。また、X線低吸収率部位3aに入射した電子ビームBにより、そこから斜めに放出されるX線についても、当該X線低吸収率部位3a以外の部位を通るX線については同様に減衰するので、X線照射角を小さくする場合にも適している。
以上の実施の形態においては、X線低吸収率部位3aをターゲッ2の厚さを局所的に薄くすることによって、より具体的にはターゲット2のX線照射窓1に接する側の面に凹所を設けることによって形成したが、以下の図2〜図4に示す構造によってもX線低吸収率部位を形成することができる。
図2に示すターゲット積層構造体13では、ターゲット12のX線照射窓11と接する面と反対側の面、従ってターゲット12の電子ビームBの照射側の面に凹所を設けることによってX線低吸収率部位13aを形成している。
この図2に例示する構造によれば、X線低吸収率部位13aに入射した電子ビームBの他部位への電子拡散による影響は軽減できないが、X線照射角を大きくする場合に適している。
図3に示すターゲット積層構造体23では、X線照射窓21とターゲット22の間にX線吸収材24を積層し、そのX線吸収材24に孔を設けることによって相対的にX線吸収率の低いX線低吸収率部位23aを形成している。X線吸収材24の材質は、ターゲット22よりもX線吸収率が高い金属が好ましく、例えばターゲット22にWを用いる場合にはPb、ターゲット22にCuを用いる場合にはWを用いることができる。この図3に例示する構造によれば、図1に示した例と同等の効果を得ることができる。
図4に示すターゲット積層構造体33では、ターゲット32は一様な厚さとするとともに、X線照射窓31に、当該X線照射窓31の材質よりも更にX線吸収率の低い材質からなるX線透過部材35を部分的に埋め込むことにより、ターゲット積層構造体33中のX線低吸収率部位33aを形成している。X線透過部材35の材質としては、例えばX線照射窓31にAlやダイヤモンドを用いる場合にはBeを用いることができる。この構成によっても図1に示した例と同等の効果を得ることができる。
なお、X線透過部材35を用いず、X線照射窓31に凹所を設ける構成、つまりX線透過部材35として空気を用いる構成を採用してもよい。
以上の各実施の形態において、X線低吸収率部位はターゲットに対する電子ビームBの照射領域の内側に位置している必要があることは勿論であるが、本発明においては、電子ビームを絞ることなくX線焦点径を小さくすることが可能であり、従って電子ビームの照射領域を広く設定することによって、特にこれら両者の位置を調整する必要もなくなる。
しかし、X線強度を増大させる場合には、電子ビーム密度を増大させる必要がある。電子ビームの照射領域を広くしたまま電子ビーム密度を増大させることは、必要な電力が大きくなること、ターゲットの発熱量が増加することなどの別の問題が生じる。よって、電子ビームはある程度絞ってその照射領域を狭くすることが有用となる。その場合、電子ビームの照射位置をX線低吸収率部位に合わせる調整が必要となる。このような電子ビームとX線低吸収率部位との位置調整を容易化するための構成を以下に述べる。
図5に示すターゲット積層構造体43においては、図1の例と同様にターゲット42のX線照射窓41側の面に凹所を形成することによってX線低吸収率部位43aを形成するとともに、そのターゲット42の同じ側の面のX線低吸収率部位43aの周辺を斜面46で構成することにより、X線低吸収率部位43aに近づくほどX線吸収率が次第に低くなるように構成している。これにより、電子ビームBの照射位置を調整する際に、X線強度が強くなる向きに電子ビームBの照射位置を変化させていくだけでよく、調整作業が容易化される。
図6に示すターゲット積層構造体53においては、上記と同様にして形成したX線低吸収率部位53aの周囲のターゲット52のX線照射窓51側の面に、X線低吸収率部位53aに近づくほどターゲット厚さが段階的に薄くなるような階段状面57を形成している。この構成によっても、上記と同様の効果を奏することができる。
以上のようにX線低吸収率部位に近づくほどX線吸収率が低くなる構成は、図2〜図4に示した構造のターゲット積層構造体にも適用することができ、図2の構造においてはターゲット12の電子ビームBの照射側の面に図5と同等の斜面もしくは階段状面を形成すればよく、また、図4の構造では、X線照射窓31の厚さが外側ほど厚くなる向きに上面を斜面ないしは階段状面とすればよい。更に、図3の構造では、図7に示すように、X線照射窓61とターゲット62の間にX線吸収材64を積層したターゲット積層構造体63において、X線吸収材64の厚さを、X線低吸収率部位63aに近づくほど薄くすればよい。
ここで、以上の各実施の形態において、X線低吸収率部位の輪郭の電子ビームBの照射方向から見た形状は特に限定されるものではなく、円形、四角形、多角形など任意とすることができ、また、斜面や階段状面についても、円錐や円形階段状、角錐や角形階段状など、任意とすることができる。
また、以上の各実施の形態においては、X線低吸収率部位におけるターゲットの厚さを電子拡散距離よりも大きくすることが望ましい。そうすることにより、X線低吸収率部位に入射した電子がターゲットを越えてX線照射窓にまで至ることがなく、従ってX線照射窓内において電子が広く拡散して、微弱ではあるものの意図しない比較的広い領域からX線が発生してしまう不具合を防止して、本発明の効果をより確実なものとすることができる。ターゲット中における電子拡散距離は、その材質や電子ビームの加速エネルギによって異なるため、装置仕様に合わせて適宜の形態や寸法を採用すればよい。
本発明は、透過型のX線発生装置のターゲットとX線照射窓とからなるターゲット積層構造体自体でX線焦点を改善するものあり、X線照射窓の外側に不要な方向へのX線を遮蔽するコリメータを配置する技術とは異なり、本発明では真空容器の外側に何らの構造物を必要としないが故に構造がシンプルでコンパクトでありながら、所期の作用効果を達成することができる。
1,11,21,31,41,51,61 X線照射窓
2,12,22,32,42,52,62 ターゲット
3,13,23,33,43,53,63 ターゲット積層構造体
3a,13a,23a,33a,43a,53a,63a X線低吸収率部位
24,64 X線吸収材
35 X線透過部材
46 斜面
57 階段状面
100 真空容器
101 X線照射窓
102 ターゲット
103 ターゲット積層構造体
104 電子銃
B 電子ビーム

Claims (6)

  1. 真空容器内に配置されたターゲットに対して電子ビームを照射することによって発生したX線を、上記ターゲットが一体に積層形成されたX線照射窓を介して電子ビームの照射方向に沿う方向に外部に取り出すX線発生装置において、
    上記ターゲットと上記X線照射窓からなるターゲット積層構造体の上記電子ビームの照射領域内に、当該電子ビームの照射方向へのX線吸収率が局所的に低いX線低吸収率部位が形成されていることを特徴とするX線発生装置。
  2. 上記ターゲット積層構造体の上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率が、上記X線低吸収率部位を中心とする少なくとも所定領域において、当該X線低吸収率部位に近づくほど連続的もしくは段階的に低くなっていることを特徴とする請求項1に記載のX線発生装置。
  3. 上記X線低吸収率部位におけるターゲット厚さが、当該ターゲット内での電子拡散距離よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載のX線発生装置。
  4. 上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、上記ターゲットの厚さの相違によるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のX線発生装置。
  5. 上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、上記X線照射窓の厚さの相違によるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のX線発生装置。
  6. 上記ターゲット積層構造体における上記電子ビームの照射方向へのX線吸収率の位置による相違が、X線吸収率を相違させるためのX線吸収層を当該ターゲット積層構造体に積層したことによるものであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のX線発生装置。
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