JP2007123022A - X線源およびそれに用いられるターゲット - Google Patents

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Abstract

【課題】径が正確で安定した微小X線焦点を得ることができるX線源およびそれに用いられるターゲットを提供することを目的とする。
【解決手段】ターゲット12は、X線を発生させるロジウム微粒子31と、そのロジウムよりも原子番号が小さいベリリウムからなる軽元素のベリリウム薄膜32とを備え、そのベリリウム薄膜32によってロジウム微粒子31を電子ビームB側の所定箇所に固定して保持している。電子ビームBのロジウム微粒子31への衝突によりロジウム微粒子31からX線が発生するとともに、一部の電子のベリリウム薄膜32への散乱・吸収でベリリウム薄膜32からもX線が発生する。ベリリウムが軽元素であるので、ベリリウム薄膜32からのX線はエネルギーが低く、X線強度も低い。その結果、ロジウム微粒子31の径φがX線焦点の径となり、径φの微小X線焦点を得ることができる。
【選択図】図2

Description

この発明は、工業分野、医療分野などに用いられるX線源およびそれに用いられるターゲットに関する。
電子銃を構成する陰極(電子源)から発生した電子ビームを加速させてターゲットに照射することでX線を発生させるタイプのX線源では、径が微小なX線焦点(微小X線焦点)を得るためには、例えばロジウム(Rh)などに代表されるX線を発生させる元素からなるターゲットの表面にその電子ビームを、径を絞った状態で照射する必要がある。
X線がターゲットから発生するメカニズムを、図7を参照して説明する。図7(a)に示すように、電子ビームBをターゲットTに照射させることで、入射した電子がターゲットTで吸収散乱され、X線が発生する。このターゲットTとしては、X線を発生させる元素のみからなる高純度のものを使用している。このとき、ターゲットTを構成する元素(ここではロジウム)から励起された特性X線のほかに、連続X線が発生する(符号X1を参照)。特性X線および連続X線の発生領域は、図7に示す散乱電子eが拡散する拡散領域D1(図7中の1点鎖線で囲まれた領域を参照)の中の図7(b)に示す深さRS1、半径RS2で囲まれた領域D2(図7中の2点鎖線で囲まれた領域を参照)から導かれる。この領域D2はX線の実効発生領域である(以下、『X線発生領域』とする)(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1の89頁にも示されているように、半径RS2は下記(1)〜(4)式で表される。
γ=0.187×Z2/3 …(1)
S=1/40×A×V1.7/(ρ×Z) …(2)
S1=(1+2×γ―0.21×r2)/{2×(1+r)2}×RS …(3)
S2=RS−RS1 …(4)
ただし、Zは原子番号で、Aは原子量で、Vは加速電圧で、ρは密度である。
ところで、電子ビームBを加速させる加速電圧によってX線発生領域D2は変わり、加速電圧が高ければ高いほどX線発生領域D2が拡がり、特性X線および連続X線の発生領域も拡がる。
したがって、たとえ電子ビームBの径を可能な限り絞ったとしても、発生するX線の径は、図7に示すように、上述したX線発生領域D2の横方向の径2RS2で決まる。このことから、微小X線焦点を得るためには、特性X線および連続X線のX線発生領域D2を抑える必要がある。このX線発生領域D2を抑えるために、従来、以下のような方法が採られている。図8に示すように、X線発生領域D2が深さ方向へ拡がる前に電子の拡散が終了するように、ターゲットTの厚みをさらに薄くする、さらには図9に示すようにさらに薄くした薄膜状のターゲットT(例えばロジウム)を軽元素(例えばアルミニウム)からなる保持材Hで保持して一体構成する、あるいは加速電圧を低くして、散乱電子eの拡散領域D1とX線発生領域D2とを抑えて、微小X線焦点を得る方法が採用されている(例えば、非特許文献2参照)。
上述した電子ビーム励起によるX線源では、ターゲットとしては、図7に示すようなX線を発生させる元素のみからなる高純度のターゲットTが用いられているのに対して、一方、レーザ励起によるX線源では、以下のような多数の粒子を散在させた保持材が近年に用いられる。例えば、保持材(例えば高分子フィルム)に多数の金属粒子(例えばアルミニウム、マグネシウム、銅、チタンなど)を分散させたもの(例えば、特許文献1参照)や、保持材(例えばガラス基板)に散在させて付着させたもの(例えば、特許文献2参照)などがある。
特開2001−100000号公報(第3−7頁、図4−8) 特開平10−31099号公報(第2−4頁、図3) 副島啓義著 「電子線マイクロアナリシス」日刊工業新聞社出版、p.89,107−110 Hideyuki Yoshimura, Daisuke Shoutsu, Toshihiko Horikoshi, Hisahiro Chiba, Shinya Kumagai, Katsunori Takahashi and Toshio Mitsui 「Application of SEM-modified X-ray microscope to entomology and histology, and effects of X-ray coherence in imaging」Japan、Journal of Electron Microscopy、Vol.49、No.5、2000、p.621-6280
従来のように、図7に示すような薄膜状のターゲットTを用いる場合には、ターゲットTの全体が、X線を発生させる元素で形成されている。したがって、加速電圧によっては、上述したように散乱電子eの拡散領域D1(図7を参照)が拡がるとともに、特性X線や連続X線のX線発生領域D2(図7を参照)も拡がって、微小X線焦点を得られないという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、上述したように、図8に示すようにターゲットTの厚みをさらに薄くする、さらには図9に示すようにさらに薄くした薄膜状のターゲットTを軽元素からなる保持材Hで保持する、あるいは加速電圧を低くすることが行われている。しかし、図8に示すようにターゲットTの厚みをさらに薄くしても、深さ方向の電子の拡散は抑えられるが、横への拡がりがRSWだけまだ存在する(図7、図8のRSWを参照)。
また、図8に示すようにターゲットTをさらに薄くすると、ターゲットTへの電子ビームBの照射による発熱が、ターゲットTに十分に伝導、吸収されず、熱を逃すことができない。図9では、それを改善するために、薄膜状のターゲットTの下に軽元素からなる保持材Hを設けているが、やはり横方向への拡がりがRSWだけまだ存在する(図9のRSWを参照)。また、加速電圧を低くすると、電子ビームBの径を絞って電流を大きくすることが困難になる場合があり、発生するX線のエネルギーも低くなり、高エネルギーを必要とする装置に適用するなどの目的に使えなくなる場合もある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、微小X線焦点を得ることができるX線源およびそれに用いられるターゲットを提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、電子ビームを発生させる電子源と、電子源からの電子ビームの加速電圧と電流、および電子ビームを集束させる電子レンズを制御する制御手段と電子源からの電子ビームの照射によりX線を発生させるターゲットとを備えたX線源であって、前記ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素からなる保持材とを備え、その保持材によって前記粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持し、電子ビームを前記粒子に照射することによりX線を発生させることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素(軽元素)からなる保持材とを備え、その保持材によって上述した粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持している。電子源から発生した電子ビームを電子レンズにより、ターゲットの保持材に固定された粒子に照射する。この電子ビームは粒子の中で一部は吸収され、一部は散乱され、粒子元素の特性X線および連続X線が発生する。
このとき、一部の電子は粒子を透過し、保持材の中でさらに散乱されて吸収される。この散乱電子の散乱・吸収過程で、保持材の元素の特性X線および連続X線が発生する。保持材が軽元素で構成されているので特性X線についてはK線でもエネルギーが低く、いわゆる蛍光収率が小さいのでX線強度も小さい。連続X線についても入射電子が粒子の中を吸収・散乱する段階で電子の数が減少し、かつ大部分のエネルギーを失っているので、エネルギーが低い。そして、電子の数が減少し、かつ連続X線の強度が原子番号Zに比例するので、X線強度も小さい(図10(b)を参照)。したがって、保持材からの特性X線および連続X線については、保持材自体の内部とX線焦点から放射したX線の光路に設けられた軽元素で構成される薄膜(例えばX線管の窓材など)とで吸収される(図10(d)を参照)。
一方、粒子からの特性X線および連続X線はエネルギーが高く、保持材およびX線焦点から放射したX線の光路に設けられた軽元素で構成される薄膜にはほとんど吸収されず、透過する。したがって、粒子元素からの特性X線および連続X線の強度と比較すると保持材からの特性X線および連続X線とも無視できる(図10(a)〜図10(d)を参照)。その結果、粒子の径がX線焦点の径となり、微小X線焦点を得ることができる。
ところで、上述したこの発明では、ターゲットが粒子と保持材とを備えた点においては、上述した特許文献1および2と共通するが、構成、目的および作用・効果について異なる。以下に詳しく説明する。
すなわち、特許文献1および2では、上述したようにレーザ励起によりX線を発生する。より具体的には、レーザを保持材に照射して、保持材に散在された多数の粒子をプラズマ化させてから軟X線を発生させている。つまり、粒子が高温プラズマ状態で気化して軟X線が発生する。したがって、レーザを照射するたびに保持材および粒子が消耗する。そこで、特に、特許文献1では、レーザの保持材への照射位置を変えるために、保持材を駆動させている。そして、照射位置を変えながら軟X線を長時間連続して発生させる。また、軟X線を長時間連続して発生させるために、特許文献1および2では多数の粒子をアトランダムに散在させている。また、散在した多数の粒子の一部にμm程度の径のレーザを照射させる。
これに対して、この発明では励起源はレーザではなく、電子ビームを用いており、また特許文献1および2のレーザを電子ビームに単に置換しただけではこの発明を実現することができない。この発明では、電子ビームをターゲットに照射して、ターゲット中の保持材に固定・保持された粒子から励起された特性X線および連続X線を発生させている。したがって、粒子がプラズマ化して消耗することなくX線が発生する。このことから、特許文献1および2のように多数の粒子をアトランダムに散在させる必要がなく、この発明では、粒子を所定箇所のみに固定させる構造となっている。そしてこの発明では、電子ビームをその所定箇所に固定された粒子へ照射してX線を発生させればよい。
上述した発明において、保持材によって粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的に固定して保持する一例は、粒子を保持材の電子ビーム側の所定箇所の表面に接触させて固定、あるいは表面に埋め込んで固定して保持することである(請求項2に記載の発明)。このように固定することで、保持材によって粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的に固定して保持する。
また、保持材によって粒子を電子ビーム側の所定箇所に間接的に固定して保持する一例は、ターゲットは、上述した粒子よりも原子番号が小さい元素からなる導電体をさらに備え、保持材に粒子の径よりも大きい径の開口部を設け、その開口部に跨るように上述した導電体を保持材の電子ビーム側に配設し、その導電体のさらなる電子ビーム側に粒子を開口部の部分に配設することで、粒子を固定して保持することである(請求項3に記載の発明)。このように固定し、粒子よりも開口部の径の方が大きいので、導電体を介して保持材によって粒子を電子ビーム側の所定箇所に間接的に固定して保持する。また、電子ビームの照射によって発生した電流や熱を導電体によって逃し易くして、拡散することができるので、発熱し難くなる。
さらに、上述した請求項2に記載の発明の場合には、保持材からの特性X線や連続X線の強度が粒子元素からの特性X線や連続X線の強度と比較して無視できずに、いわゆる『焦点ボケ』を起こす可能性があるが、この請求項3に記載の発明の場合には、粒子が導電体に接触している面積が小さく、導電体の厚さが薄いので、粒子を透過した電子の大部分は、周囲の真空中に放出された後、ターゲット等を収容し真空環境を維持する収容部材(ハウジング部材)に吸収される。したがって、保持材からの特性X線や連続X線に起因した焦点ボケを抑制することができる。
上述したこれらの各発明において、保持材の一例はベリリウム(Be)であり(請求項4に記載の発明)、保持材の他の一例は導電性パイロリティックグラファイト(Pyrolytic Graphite)である(請求項5に記載の発明)。ベリリウムは原子番号が4の元素で、導電性パイロリティックグラファイトは、炭化水素を分解し気相成長によって得られた黒鉛結晶であって、導電性パイロリティックグラファイトの元素は原子番号が6の炭素(C)である。したがって、原子番号が4あるいは6を超える原子番号で、かつX線を発生させる元素であれば、その元素によって粒子に適用することができる。したがって、粒子から見れば、原子番号が4であるベリリウムや原子番号が6である炭素は軽元素となり、保持材に適用することができる。また、導電性パイロリティックグラファイトは、熱伝導性も高い。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線源に用いられるターゲットであって、前記ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素からなる保持材とを備え、その保持材によって前記粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項6に記載の発明によれば、ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素(軽元素)からなる保持材とを備え、その保持材によって上述した粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持している。電子ビームの粒子への照射により粒子からX線(特性X線および連続X線)が発生するとともに、散乱した一部の電子が粒子の中を透過し、保持材の中へ散乱・吸収過程で保持材からもX線が発生する。保持材が軽元素で構成されているので、保持材から発生する特性X線および連続X線ともに、エネルギーが低く、X線強度も低い。したがって、保持材からのX線は保持材自体の内部とX線管の窓材とで吸収される。その結果、粒子の径がX線焦点の径となり、微小X線焦点を得ることができる。
この発明に係るX線発生源およびそれに用いられるターゲットによれば、ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素(軽元素)からなる保持材とを備え、その保持材によって上述した粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持している。電子ビームの粒子への照射により粒子からX線(特性X線および連続X線)が発生するとともに、散乱した一部の電子が粒子の中を透過し、保持材の中で散乱・吸収過程で保持材からもX線が発生する。保持材が軽元素で構成されているので、保持材から発生する特性X線および連続X線ともに、エネルギーが低く、X線強度も低い。したがって、保持材からのX線は保持材自体の内部とX線管の窓材とで吸収される。その結果、粒子の径がX線焦点の径となり、微小X線焦点を得ることができ、さらに下記の効果がある。
1.従来の電子ビームを薄膜ターゲットに集束、照射して得られる微小X線焦点径に比べて、さらに微小なX線焦点径が得られる。
2.ターゲット粒子に集束、照射する電子ビームの径や位置が変動しても、安定したX線焦点を得ることができる。
3.作製する粒子の径を正確に調整することにより、任意の正確な径のX線焦点径が得られる。
4.従来の薄膜状ターゲットが作製困難な元素であっても粒子の作製が可能な元素はターゲット元素として選択でき、ターゲット元素の選択範囲が広くなる。
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。本発明によるX線源として、後述する実施例2も含めて、本実施例1では、電子ビーム側に反射したX線を使用する反射型のX線管を備えたX線源を例に採って説明する。
図1は、実施例1に係る本発明X線源をX線撮像装置に適用した構成例を示す概略断面図であり、図2は、X線管内のターゲットの構成を示す概略断面図である。
図1に示すX線管1はX線非破壊検査機器など代表されるX線撮像装置に用いられ、X線撮像装置は、内部が真空とされるX線管1と、そのX線管1の電子源11の管電流・管電圧および後述する電子レンズ13を制御する制御部2と、X線管1から照射されたX線を検出するX線検出器3とを備えている。X線検出器3は、例えばイメージインテンシファイア(I.I)やフラットパネル型X線検出器(FPD)などがある。X線管1から照射されたX線を検査試料(図示省略)に入射し、その検査試料からの透過X線をX線検出器3が検出することで、検出されたX線に基づいて検査試料のX線画像を撮像する。制御部2は、この発明における制御手段に相当し、X線管1および制御部2はこの発明におけるX線源に相当する。
制御部2は、中央演算処理装置(CPU)あるいは管電圧用高電圧発生装置などで構成されている。電子ビームBを後述するターゲット12のロジウム微粒子31(図2を参照)に安定に照射するために、制御部2は、X線管1の管電流・管電圧と電子レンズ13を制御する。
X線管1は、電子ビームBを発生させる電子源11と、電子源11からの電子ビームBの照射によりX線を発生させるターゲット12と、電子源11とターゲット12との間に配置され、電子ビームBを集束させる電子レンズ13とを備えている。電子源11はこの発明における電子源に相当し、ターゲット12はこの発明におけるターゲットに相当し、電子レンズ13は、この発明における電子レンズに相当する。電子源11は、熱電子放出型であってもよいし、電界放出型であってもよく、電子源11のタイプについては特に限定されない。
熱電子放出型の場合には、タングステン(W)で形成されたフィラメント、または6ほう化ランタン(LaB6)や6ほう化セリウム(CeB6)で形成された単結晶あるいは焼結体のチップを用いており、フィラメントやcfggチップなどのエミッタを加熱して熱電子を放出させることで電子ビームBを発生させる。電界放出型の場合には、電子ビームBの出射側であるエミッタの先端部分を細く尖らせて、その先端部分に強電界をかけ、トンネル効果やショットキー効果を利用して電子を放出させることで電子ビームBを発生させる。
電子レンズ13は円環状の集束コイルで構成されており、その中心には電子ビームBを絞る絞り孔14を有したアパーチャ15を配設している。電子レンズ13は、制御部2のレンズ電源から電子レンズ13に電流を流すことで磁界を発生させて、光学の集束レンズと同様に電子ビームBを集束させる。なお、電子レンズは、それに流す電流、すなわち励起強度を変えることで電子ビームBの焦点距離を自在に変えることができる。なお、図1では、電子レンズを2段に設けているが、電子レンズは1段のみであってもよいし、3段以上であってもよく、電子レンズの数については特に限定されない。また、電子レンズは、後述するロジウム微粒子31(図2を参照)の固定位置のような微細な位置に電子ビームBを照射するように調整することが可能である。
また、ターゲット12から発生したX線を透過させるために、X線管1にはX線管窓材16を設けている。このX線管窓材16は、例えばアルミニウム(Al)薄膜で形成されている。
本実施例1に係るターゲット12は、図2に示すように、径φが10nm程度のロジウム微粒子31と、そのロジウム微粒子31の元素であるロジウムよりも原子番号が小さい元素(軽元素)(本実施例1では原子番号が4であるベリリウム(Be))からなるベリリウム薄膜32とを備えている(φは小文字)。ロジウム微粒子31は、X線を発生させる元素であり、具体的には入射された電子がロジウム微粒子31の中で吸収、散乱されて(図2の散乱電子eを参照)、ロジウムから特性X線と連続X線(符号X1を参照)が発生する。また、本実施例1では、ベリリウム薄膜32によってロジウム微粒子31を電子ビームB側に直接的に固定して保持している。ロジウム微粒子31はこの発明における粒子に相当し、ベリリウム薄膜32はこの発明における保持材に相当する。
ベリリウム薄膜32によってロジウム微粒子31を電子ビームB側に直接的に固定して保持するには、ロジウム微粒子31をベリリウム薄膜32の電子ビームB側の表面に接触させて固定、あるいは表面に埋め込んで固定して保持する。本実施例1では、ロジウム微粒子31をベリリウム薄膜32の電子ビームB側の表面に埋め込んで固定して保持する。
表面に埋め込んで固定する方法としては、例えば、半導体プロセスを利用した微細加工技術を利用したMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いる。具体的には、ナノピンセットによって粒径が10nm程度のロジウム微粒子31を摘出して、その粒径と同じ径で、同じ深さの穴をベリリウム薄膜32に開け、その穴にロジウム微粒子31を圧入することで固定する。なお、固定方法は、上述したMEMS技術に限定されず、ロジウム微粒子を液相の溶媒に溶かし、その溶媒にベリリウム薄膜32を浸漬させることで、ベリリウム薄膜32にロジウム微粒子を付着させて、顕微鏡等で観察して、必要なロジウム微粒子31のみを残して、残りの不要なロジウム微粒子をカットする方法などのように、化学的な方法で固定してもよい。この方法の場合には、ロジウム微粒子31をベリリウム薄膜32の電子ビームB側の表面に接触させて固定して保持する。このように、粒子を固定する周知の方法であれば、特に限定されない。
なお、MEMS技術で用いられるナノピンセットの場合には、圧入するロジウム微粒子31が1個になるように調節することができる。また、この方法では、ロジウム微粒子31をベリリウム薄膜32の電子ビームB側の所定箇所に固定することができる。なお、所定箇所とは、電子ビームBをターゲット12へ照射させてX線を発生させる照射位置である。
以上のように構成されたターゲット12を備えたX線管1によれば、ターゲット12は、X線を発生させるロジウム微粒子31と、そのロジウム微粒子31の元素であるロジウムよりも原子番号が小さい原子番号が4のベリリウムからなるベリリウム薄膜32とを備え、そのベリリウム薄膜32によってロジウム微粒子31を電子ビームB側の所定箇所に直接的に固定して保持している。電子源11から発生した電子ビームBを電子レンズ13により、ターゲット12のベリリウム薄膜32に固定されたロジウム微粒子31に照射して照射させる。この電子ビームBはロジウム微粒子31の中で一部は吸収され、一部は散乱され、ロジウム微粒子31から特性X線および連続X線が発生する。
図2に示すように、一部の電子はロジウム微粒子31の中を拡散した後に透過し、ベリリウム薄膜32の中へ拡散して吸収される。この散乱電子eのベリリウム薄膜32での散乱・吸収過程で、ベリリウムの特性X線および連続X線(図2中の符号X2を参照)が発生するが、ベリリウム薄膜32を構成するベリリウムが軽元素であるので特性X線についてはK線でもエネルギーが低く、いわゆる蛍光収率が小さいのでX線強度も小さい。連続X線についても入射電子がロジウム微粒子31の中を散乱する段階でエネルギーを失っているので、エネルギーが低い。また、ロジウム粒子中での吸収により、電子の数が減少し、かつ連続X線の強度が原子番号Zに比例するので、X線強度も小さい。
各X線のエネルギーおよび強度について、図10を参照して説明する。図10は、横軸がエネルギー、縦軸が強度のX線のエネルギー分布を表すグラフであって、図10(a)は、ロジウム微粒子31内で発生するX線のグラフであり、図10(b)は、ベリリウム薄膜32から発生するX線のグラフであり、図10(c)は、ベリリウム薄膜32とX線管窓材(X線窓材)16とを透過したとき後のロジウム微粒子(ロジウム粒子)31およびベリリウム薄膜32からのX線のグラフである。なお、参考のために、図10(d)に、ベリリウム薄膜32とX線管窓材(X線窓材)16によるX線の吸収率とエネルギーの関係を、横軸がエネルギー、縦軸が吸収率で表す。
ロジウム微粒子31内で発生する特性X線(図10(a)中のRhKα、RhKβを参照)と連続X線とのエネルギーおよび強度の関係は図10(a)のグラフの通りである。これらのロジウムからのX線がベリリウム薄膜32およびX線管窓材16を透過しても、図10(c)に示すように、エネルギーおよび強度はともに損失は少ない。これに対して、ロジウム微粒子31を透過した電子がベリリウム薄膜32の中へ散乱・吸収されることによって、ベリリウム薄膜32から発生する特性X線と連続X線とのエネルギーおよび強度は、以下のようになる。
すなわち、ベリリウム薄膜32から発生する連続X線については、図10(b)に示すように、図10(a)のロジウム微粒子31で発生する連続X線の強度と比較して、入射電子がロジウム微粒子31の中を散乱したことによって、ロジウム微粒子31の中を吸収・散乱する段階で電子数が減少し、エネルギー損失が大きく、エネルギーが低い。同様に、ロジウム微粒子31の中を吸収・散乱する段階で電子数が減少し、かつ連続X線の強度が軽元素であるベリリウムの原子番号Z(ここでは原子番号は4)に比例するので、X線強度も小さい。
ベリリウム薄膜32から発生するベリリウム薄膜32から発生した特性X線のエネルギーおよび強度についても、ベリリウムが軽元素であるので、K線(図10(b)中のBeKαを参照)でもエネルギーが低く、蛍光収率が小さいのでX線強度も小さい。
ベリリウム薄膜32からの特性X線および連続X線については、図10(d)に示すように、ベリリウム薄膜32自体の内部とX線管窓材(Al薄膜)16とによる吸収が大きく、それらを透過した後は、図10(c)に示すように、両者ともロジウム微粒子31からの特性X線および連続X線の強度と比較すると無視できる。その結果、ロジウム微粒子31の径φがX線焦点の径となり、径φの微小X線焦点を得ることができる。本実施例1の場合には、径φが10nm程度のロジウム微粒子31を用いており、ロジウム微粒子31の径φとほぼ同じ10nm程度の径のX線焦点を得ることができる。
本実施例1では、保持材としてベリリウム薄膜32を採用しているため、粒子としてベリリウムの原子番号4を越える原子番号45のロジウムを採用したが、これに限定するものではなく、保持材の原子番号を超える原子番号で、かつX線を発生させる元素であれば、粒子に適用することができる。
同様に、本実施例1では、この発明における粒子としてロジウム微粒子31を採用するとともに、この発明における保持材としてベリリウム薄膜32を採用したが、粒子がロジウム微粒子31の場合には、保持材はベリリウム薄膜32に限定されない。ロジウム微粒子31の元素であるロジウムよりも原子番号が小さい軽元素であれば、特に限定されない。例えば、保持材としてベリリウム薄膜32の替わりに導電性パイロリティックグラファイトを採用してもよい。導電性パイロリティックグラファイトは、炭化水素を分解し気相成長によって得られた黒鉛結晶であって、導電性パイロリティックグラファイトの元素は原子番号が6の炭素(C)である。したがって、粒子(この場合にはロジウム微粒子31)から見れば、原子番号が6である炭素は軽元素となり、この発明における保持材に適用することができる。また、導電性パイロリティックグラファイトは、熱伝導性も高い。
また、電子ビームBの照射によって発生した電流や熱を逃して、発熱を抑制するために、この発明における保持材を、本実施例1のようにベリリウムや導電性パイロリティックグラファイトのような熱伝導性が高く、かつ導電性物質で構成するのが好ましい。
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図3は、実施例2に係るターゲットの構成を示す概略図であり、図3(a)は、ターゲットの概略平面図、図3(b)は、ターゲットの概略断面図である。なお、本実施例2に係るX線管1は、ターゲット12を除けば、上述した実施例1と同様の構成である。したがって、実施例1と共通する箇所については同じ符号を付して、その箇所の説明については省略する。
本実施例2に係るターゲット12は、図3に示すように、上述した実施例1のロジウム微粒子31およびベリリウム薄膜32の他に、導電性カーボンナノチューブ33をさらに備えている。そして、本実施例2では、ベリリウム薄膜32にロジウム微粒子31の径φよりも大きい径の孔34を設け、その孔34に跨るように導電性カーボンナノチューブ33をベリリウム薄膜32の電子ビームB側に配設し、その導電性カーボンナノチューブ33のさらなる電子ビームB側にロジウム微粒子31を孔34の部分に配設することで、ロジウム微粒子31を電子ビームB側の所定箇所に固定して保持する。なお、このように固定し、ロジウム微粒子31よりも孔34の径の方が大きいので、導電性カーボンナノチューブ33を介してベリリウム薄膜32によってロジウム微粒子31を間接的に固定して保持する。導電性カーボンナノチューブ33はこの発明における導電体に相当し、孔34はこの発明における開口部に相当する。
孔34を設ける方法としては、例えば、上述したMEMS技術、あるいはMEMS技術よりも微細なナノメートルオーダの微細加工が可能なNEMS(Nano Electro Mechanical Systems)技術を用いる。なお、孔34を設ける方法は、上述したMEMS技術やNEMS技術に限定されず、開口部を設ける周知の方法であれば特に限定されない。また、貫通した孔34以外にも、窪みの凹部(穴)を設けてもよく、開口部であれば特に限定されない。
導電性カーボンナノチューブ33をベリリウム薄膜32に配設する方法としては、例えば、電子ビーム励起堆積(EBID: Electron Beam Induced Deposition)法を用いる。なお、配設方法は、上述したEBID法に限定されず、導電性カーボンナノチューブ33に代表される導電体をベリリウム薄膜32に代表される保持材に配設する周知の方法であれば特に限定されない。
以上のような構成によれば、上述した実施例1と同様に、ロジウム微粒子31の径φがX線焦点の径となり、径φの微小X線焦点を得ることができる。
本実施例2の場合には、電子ビームBの照射によって発生した電流や熱を導電性カーボンナノチューブ33に代表される導電体を通じて保持材へ逃し易くして、拡散することができ、且つ、保持材の厚さをX線の吸収と無関係に厚くすることができるので、発熱し難くなる。その結果、大きな電流を流すことができ、より輝度の高い微小X線焦点が得られる。
また、実施例1の場合には、ベリリウム薄膜32からの特性X線や連続X線の強度がロジウム微粒子31からの特性X線や連続X線と比較して無視できずに、いわゆる『焦点ボケ』を起こす可能性があるが、本実施例2の場合には、ロジウム微粒子31が導電性カーボンナノチューブ33に接触している面積が小さく、導電性カーボンナノチューブ33の厚さが薄いので、ロジウム微粒子31を透過した電子の大部分は、X線管1内の真空中に放出した後、X線管1を収容する収容部材(ハウジング部材)に吸収される。したがって、ベリリウム薄膜32からの特性X線や連続X線に起因した焦点ボケを抑制することができる。
なお、本実施例2では、この発明における導電体として導電性カーボンナノチューブ33を採用したが、導電体は導電性カーボンナノチューブ33に限定されない。導電性カーボンナノチューブ33以外の導電体であっても、粒子(本実施例ではロジウム微粒子31)よりも原子番号が小さい元素の導電体であれば、特に限定されない。
また、上述した実施例1と同様に、ロジウム微粒子31から見れば、原子番号が6であるカーボン(炭素)および原子番号が4であるベリリウムは軽元素となり、導電性カーボンナノチューブ33を、この発明における導電体に適用することができるとともに、ベリリウム薄膜32を、この発明における保持材に適用することができる。なお、粒子がロジウム微粒子31の場合には、保持材はベリリウム薄膜32に限定されず、ロジウム微粒子31の元素であるロジウムよりも原子番号が小さい軽元素であれば、導電性パイロリティックグラファイトを構成する炭素に例示されるように、特に限定されない。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例では、X線を発生させる元素からなる粒子はロジウム微粒子31であったが、例えば、アルミニウム(Al)あるいはマグネシウム(Mg)から励起された特性X線を用いる場合には、アルミニウム微粒子あるいはマグネシウム微粒子をこの発明における粒子として用いてもよい。この場合には、アルミニウムの原子番号が13で、マグネシウムの原子番号が12なので、それよりも原子番号が小さい元素を軽元素として、この発明における導電体や保持材に適用すればよい。この場合においても、各実施例と同様に、原子番号が6である炭素からなる導電性パイロリティックグラファイトや、原子番号が4であるベリリウムを保持材に適用するのが、導電性や熱伝導性がよいので、電子ビームBの照射によって発生した電流や熱を逃して、発熱を抑制する点においては好ましい。
(2)上述した各実施例では、ロジウム微粒子などに代表される粒子の径は10nm程度であったが、用いるX線の径によって適宜変更することができる。X線の径がマイクロメートルオーダであれば、それに応じて粒子の径もマイクロメートルオーダのものを用いればよい。
(3)上述した実施例2では、孔34に代表される開口部に跨るように導電性カーボンナノチューブ33に代表される導電体をベリリウム薄膜32に代表される保持材の電子ビームB側の所定箇所に配設する形態は、図3に示すような配設形態であったが、図4の平面図に示すように複数の導電体(ここでは導電性カーボンナノチューブ33)が放射状に開口部(ここでは孔34)に跨るような配設形態であってもよいし、図5の平面図に示すように開口部(孔34)全面を導電体薄膜が覆って跨るような配設形態であってもよい。
(4)上述した各実施例では、電子ビーム側に反射したX線を使用する反射型を例に採ってX線管を説明したが、この発明は、図6に示すように、電子ビーム側とは逆側に透過したX線を使用する透過型のX線管にも適用することができる。この場合には、X線管窓材16もターゲット12の電子ビーム側とは逆側に設ける。
(5)上述した各実施例では、非破壊検査機器などの工業用装置を例に採ってX線撮像装置を説明したが、この発明は、X線診断装置などの医用装置や分析装置にも適用することができる。
各実施例に係るX線源の構成を示す概略断面図である。 実施例1に係るX線管内のターゲットの構成を示す概略断面図である。 実施例2に係るターゲットの構成を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。 実施例2に関する変形例に係るターゲットの構成を示す概略平面図である。 実施例2に関するさらなる変形例に係るターゲットの構成を示す概略平面図である。 変形例に係るX線源の構成を示す概略断面図である。 (a)は、従来のターゲットにおけるX線発生のメカニズムを概略的に説明するのに供するターゲットの概略断面図であり、(b)は、X線発生領域に関する寸法を概略断面図に示した図である。 従来のターゲットの厚みを薄くしたときにおけるX線発生のメカニズムを概略的に説明するのに供するターゲットの概略断面図である。 図8の構造に、さらに軽元素からなる保持材で薄膜状のターゲットを保持して一体構成した概略断面図である。 (a)〜(c)は、横軸がエネルギー、縦軸が強度のX線のエネルギー分布を表すグラフであって、(d)は、ベリリウム薄膜とX線窓材によるX線の吸収率について、横軸がエネルギー、縦軸が吸収率で表したグラフである。
符号の説明
1 … X線管
11 … 電子源
12 … ターゲット
31 … ロジウム微粒子
32 … ベリリウム薄膜
33 … 導電性カーボンナノチューブ
34 … 孔
1 … (ロジウム微粒子から発生する)特性X線および連続X線

Claims (6)

  1. 電子ビームを発生させる電子源と、
    電子源からの電子ビームの加速電圧と電流、および電子ビームを集束させる電子レンズを制御する制御手段と電子源からの電子ビームの照射によりX線を発生させるターゲットとを備えたX線源であって、前記ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素からなる保持材とを備え、その保持材によって前記粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持し、電子ビームを前記粒子に照射することによりX線を発生させることを特徴とするX線源。
  2. 請求項1に記載のX線源において、前記粒子を前記保持材の電子ビーム側の所定箇所の表面に接触させて固定、あるいは表面に埋め込んで固定して保持することを特徴とするX線源。
  3. 請求項1に記載のX線源において、前記ターゲットは、前記粒子よりも原子番号が小さい元素からなる導電体をさらに備え、前記保持材に粒子の径よりも大きい径の開口部を設け、その開口部に跨るように前記導電体を保持材の電子ビーム側に配設し、その導電体のさらなる電子ビーム側に粒子を開口部の部分に配設することで、粒子を固定して保持することを特徴とするX線源。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線源において、前記保持材は、ベリリウムであることを特徴とするX線源。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線源において、前記保持材は、導電性パイロリティックグラファイトであることを特徴とするX線源。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線源に用いられるターゲットであって、前記ターゲットは、X線を発生させる元素からなる粒子と、その粒子の元素よりも原子番号が小さい元素からなる保持材とを備え、その保持材によって前記粒子を電子ビーム側の所定箇所に直接的あるいは間接的に固定して保持することを特徴とするターゲット。
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