JP2013051165A - 透過型x線発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】透過型ターゲットで反射した電子を有効利用することによりX線発生効率を向上させることができる透過型X線発生装置10を提供する。
【解決手段】周囲を電子通過路形成部材3で囲むことにより形成された電子通過路4を介して電子を透過型ターゲットに照射してX線を発生させる透過型X線発生装置10において、前記電子通過路4内に設けられた副X線発生面5に前記透過型ターゲットで反射された電子が照射されることにより発生するX線を外部に取出し可能とすると共に、前記透過型ターゲットの構成材料と、前記電子通過路形成部材3の少なくとも前記副X線発生面5の構成材料とを、原子番号が40以上の同じ材料とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、医療分野及び工業分野における診断や非破壊検査のためのX線撮影等に適用できる透過型X線発生装置に関する。
透過型ターゲットに電子を照射してX線を発生させる透過型X線発生装置は、装置の小型化に適しているが、X線の発生効率が極めて低い。これは、電子束を高エネルギーに加速し透過型ターゲットに照射してX線を発生させる際、衝突する電子のエネルギーの約1%以下がX線となり、残りの約99%以上が熱となるためである。このため、X線発生効率の向上が求められている。
特許文献1には、電子源とターゲットの間に、電子源からターゲットに向かって開口径を絞った円錐型チャンネルを有する陽極部材を配置し、電子をチャンネル表面で弾性散乱させターゲットに入射させることでX線発生効率を向上させたX線管球が開示されている。
特開平9−171788号公報
従来の透過型X線発生装置では、透過型ターゲットに電子が衝突する際には反射電子が発生するが、大部分の反射電子はX線の発生に寄与しない。そのため、入力電力に対するX線発生効率が十分ではなかった。
そこで、本発明は、透過型ターゲットで反射した電子を有効利用することによりX線発生効率を向上させることができる透過型X線発生装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のX線発生装置は、周囲を電子通過路形成部材で囲むことにより形成された電子通過路を有し、
前記電子通過路を介して電子を透過型ターゲットに照射してX線を発生させる透過型X線発生装置であって、
前記透過型ターゲットは、照射された電子の一部を反射し、
前記電子通過路内に電子の照射によりX線を生じる副X線発生面を有し、
前記副X線発生面と前記透過型ターゲットとは、前記透過型ターゲットに直接電子が照射されることにより発生するX線と、前記副X線発生面に前記透過型ターゲットで反射された電子が照射されることにより発生するX線とが重畳されて外部に取出し可能となるように配置され、
前記透過型ターゲットの構成材料と、前記電子通過路形成部材の少なくとも前記副X線発生面の構成材料とが、原子番号が40以上の同じ材料であることを特徴とする。
本発明によれば、透過型ターゲットで発生するX線に加えて、透過型ターゲットで発生した反射電子が電子通過路形成部材に照射されることで発生するX線を外部に取り出すことができる。また、少なくとも電子通過路形成部材の副X線発生面の構成材料が、原子番号が40以上の材料であることにより反射電子の照射により生じるX線量が多くなる。しかも、透過型ターゲットの構成材料と、少なくとも電子通過路形成部材の副X線発生面の構成材料とが同じ材料であるので発生するX線の特性が等しくなる。これにより、有効利用しやすいX線発生効率を向上させることができる。
本発明の透過型X線発生装置に用いる透過型X線発生管の模式図である。 図1に示されるターゲット部の拡大模式図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。 図1に示されるアノードを示す模式的拡大断面図である。 本発明に用いるアノードの第二の例を示す模式的断面図である。 本発明に用いるアノードの第二の例の変形例を示す模式的断面図である。 本発明に用いるアノードの第三の例を示す図で、(a)は模式的断面図、(b)はターゲット部の模式的平面図である。 図6に示されるターゲット部の変形例を示す模式図で、(a)は断面図、(b)は平面図である。 本発明の透過型X線発生装置の一例を示す模式図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。尚、本発明のX線発生装置は、中性子線等の他の放射線を発生させるものをも含む。
〔第1の実施形態〕
図1は本発明に用いる透過型X線発生管の模式図、図2は図1に示されるターゲット部の拡大図である。
真空容器9は、透過型X線発生管10の内部を真空に保つためのもので、ガラスやセラミクス材料等が用いられる。真空容器9内の真空度は10-4〜10-8Pa程度である。真空容器9は開口部を有しており、その開口部には電子通過路4を形成するための電子通過路形成部材3が接合されている。図1及び図2に示されるように、この電子通過路4の端面に、透過型ターゲット1(以下、単にターゲット1と略す)と支持基板2からなるターゲット部17が接合されることにより真空容器9が密閉される。ターゲット1は、電子通過路形成部材3と電気的に導通している。また、真空容器9には不図示の排気管を設けても良い。排気管を設けた場合、例えば排気管を通じて真空容器9内を真空に排気した後、排気管の一部を封止することで真空容器9の内部を真空にすることができる。真空容器9の内部には真空度を保つために、不図示のゲッターを配置しても良い。
電子放出源6は、真空容器9の内部に、ターゲット1に対向して配置されている。電子放出源6にはタングステンフィラメントや、含浸型カソードのような熱陰極、又はカーボンナノチューブ等の冷陰極を用いることができる。電子放出源6より放出された電子線11は、電子通過路形成部材3により形成された電子通過路4の一端から入射して電子通過路4内を通過し、電子通過路4の他端側に設けられたターゲット1に照射される。ターゲット1に電子線11が照射されることにより、X線13が発生し、発生したX線は真空容器9の外部に取出される。透過型X線発生管10には、引出し電極7と集束電極8が設けられている。引出し電極7によって形成される電界によって電子放出源6から電子が放出され、放出された電子は集束電極8で収束され、ターゲット1に入射する。このとき、電子放出源6とターゲット1との間に印加される電圧Vaは、X線の使用用途によって異なるものの、概ね40kV〜150kV程度である。
ターゲット1は、支持基板2の電子放出源側の面に配置されている。ターゲット1と電子放出源6の間には、電子通過路形成部材3が配置され、周囲を電子通過路形成部材3で囲むことにより両端が開口した電子通過路4が形成されている。電子通過路形成部材3の内壁面は、副X線発生面5となっている。副X線発生面5は、電子通過路形成部材3の内壁面の一部として形成されていても良いし、電子通過路形成部材3の表面に電子通過路形成部材3とは別部材で形成されていても良い。
図1及び図2の構成において、電子放出源6から放出された電子線11は、電子通過路4を介してターゲット1に衝突する。加速された電子がターゲット1に衝突することでX線が発生し、この時発生したX線は、支持基板2を透過して透過型X線発生管10の外部に放出される。また、ターゲット1に電子が衝突した際には、X線が発生するとともに、反射電子も発生する。ターゲット1は原子番号が40以上の材料(金属)で構成されるため、電子の反射率は20〜60%と比較的大きい。ターゲット1で生成された反射電子は、副X線発生面5に衝突しX線を発生する。この時発生したX線(以下、「副X線」という)は、支持基板2を透過して透過型X線発生管10の外部に放出される。即ち、副X線発生面5に反射電子が照射されることで生じるX線の少なくとも一部が、ターゲット1に直接電子が照射されたことで生じるX線に重畳されて、支持基板2を透過して透過型X線発生管10の外部に放出される。
図3に示すように、本例のアノード16は、ターゲット部17(ターゲット1、支持基板2)、電子通過路形成部材3、遮蔽部材18により構成される。
ターゲット1の材料は、通常、原子番号26以上の金属材料を用いることができる。より好適には、熱伝導率が大きく、比熱が大きいものほど良い。また、ターゲット1の膜厚は、発生したX線が透過する厚さでなければならず、加速電圧によって電子線浸入深さすなわちX線の発生領域が異なるため最適な値は異なるが、1μm〜15μmである。支持基板2はダイヤモンド等を用いることができ、その厚みは、0.5mm〜5mmが適当である。
遮蔽部材18は、必須の部材ではないが、前方(ターゲット1から電子放出源6とは反対の方向)へ向かって放出されたX線のうち、必要とされるX線を開口から取り出し、不要なX線を遮蔽する機能を有する。遮蔽部材18に用いることができる材質は、40kV〜150kVで発生するX線を遮蔽できるものであれば良く、X線の吸収率が高く、かつ熱伝導率の高いものが好ましい。好適には、ターゲット1にタングステンを用いた場合、遮蔽部材18にはタングステン、タンタル等、またはこれらの合金材料を用いることができる。ターゲット1にモリブデンを用いた場合、遮蔽部材18にはタングステン、タンタルの他、モリブデン、ジルコニウム、ニオブ等を用いることができる。
遮蔽部材18の開口の形状は、円形であっても角形であっても良い。遮蔽部材18の開口の大きさは、少なくとも必要なX線が取り出せる大きさが必要である。開口の形状が円形の場合には直径0.1mm〜3mmが好ましく、開口の形状が角形の場合には1辺が0.1mm〜3mmが好ましい。これは、0.1mm以下では実質的に撮像時のX線量が少なくなり使用しにくく、3mm以上では実質的に遮蔽体18への放熱効果が得られにくいからである。
また、遮蔽部材18の開口は、前方に向かって徐々に広がっていることが望ましい。すなわち、遮蔽部材18のターゲット側開口端から、遮蔽部材18のターゲット1とは反対側の開口端に向かって徐々に広がっていることが望ましい。これは、ターゲット側開口端が狭いとターゲット1で発生した熱がより速やかに遮蔽部材18に伝わって放熱でき、かつターゲット1とは反対側の開口端が広いと撮像時のX線の照射領域を広くすることができるからである。
遮蔽部材18の厚さaは、発生したX線を実質的に問題ない範囲まで減少させる遮蔽効果を有する厚さであれば良い。この厚さは、発生するX線のエネルギーによって異なる。例えば、X線のエネルギーが30keV〜150keVの場合、遮蔽効果の大きいタングステンでも、少なくとも1mm〜3mmは必要である。X線を遮蔽する観点からはこれ以上の厚さであれば問題ないが、熱容量、コスト、重量の観点からは3mm〜10mmがより好ましい。
電子通過路形成部材3は、副X線発生面5として機能する以外に、後方(ターゲット1から電子放出源側に向かう方向)へ向かって放出されるX線を遮蔽する機能を有する。但し、電子通過路形成部材3の開口を通過して電子放出源側に放出されるX線は遮蔽できないため、別途遮蔽手段を設けてもよい。
ターゲット1で反射した反射電子により発生する副X線を効率的に発生させると共に、ターゲット1で発生するX線と特性を等しくするためには、ターゲット1の材料と、少なくとも電子通過路形成部材3の副X線発生面5の構成材料との組み合わせが重要である。
ターゲット1に衝突した電子の一部は、入射した時のエネルギーの一部を失い、反射電子となって、電子通過路形成部材3の副X線発生面5に衝突する。ターゲット1に直接衝突する電子には所望の電圧が印加されているが、反射電子はエネルギーの一部を失って、ターゲット1への入射電圧以下の電圧になっている。X線の発生は、電圧、電流、電子線が照射される材料によって影響を受けるため、反射電子によるX線の発生効率を高めるためには、少なくとも電子通過路形成部材3の副X線発生面5を構成する材料は、原子番号が40以上の材料であることが必要である。また、ターゲット1で発生するX線と特性を等しくするためには、少なくとも電子通過路形成部材3の副X線発生面5を構成する材料はターゲット1の材料と同じ材料であることが必要である。ターゲット1の材料と電子通過路形成部材3の材料としては、Mo、W、ランタノイドのいずれかを好ましく用いることができる。
本例の電子通過路形成部材3と副X線発生面5は一体的に同じ材料で構成されているが、電子通過路形成部材3の上に電子通過路形成部材3とは異なる材料の副X線発生面5が形成されていてもよい。例えば、ターゲット1の材料と副X線発生面5の構成材料をWとし、電子通過路形成部材3の材料を銅(Cu)とすることができる。このとき、副X線発生面5の厚みは、電子の侵入長以上であることが好ましく、1μm〜100μmが好ましい。
ここで、副X線発生面5が形成される領域の好ましい範囲について説明する。図3において、電子通過路4の断面形状を円形とした場合、その大きさ(半径=R)と電子通過路4の路長Z(副X線発生面5のターゲット1からの形成距離)の好ましい範囲について述べる。路長Zの好ましい範囲は、ターゲット1で発生した反射電子の周辺部への到達密度分布を考慮して設定することができる。ターゲット1で反射した反射電子の到達点は、ターゲット1からの距離Zが2R以下の電子通過路内の周辺部表面に多く存在し、全体の80%程度が存在する。また、距離Zが4R以下では全体の95%程度が存在する。さらに、距離Zが20Rになると、反射電子の到達密度は、ほぼゼロに集束する。従って、電子通過路4の開口幅(電子通過路形成部材3の開口の大きさ)を2Rとした時に、距離Zが少なくとも2R以下、好ましくは4R以下の領域には副X線発生面5が形成されていることが望ましい。従って、電子通過路形成部材3の開口の大きさ2Rと電子通過路の路長Zは(2R≦Z≦20R)の関係を満たすことが望ましい。さらに、好ましくは、(4R≦Z≦20R)の関係を満たすことが望ましい。本実施形態では、路長Zは電子通過路形成部材3の厚さbに等しい。
一方、電子通過路4の開口の大きさは、少なくとも電子線11がこの開口の中に入る大きさが必要である。その大きさは、電子放出源6の種類や集束電極8の種類により電子線11の集束状態が異なるため一意的には決まらないが、電子通過路4の断面形状を円形とすると、その直径は、0.5mm〜5.0mmであることが好ましい。また、電子通過路形成部材3の厚さbは、X線の遮蔽効果を得るためには1mm以上は必要であることから、1mm〜25mmが好適である。
電子通過路形成部材3の開口の形状は、円形以外に正多角形とすることもできる。これは、電子線11の断面の形状が、円形または四角形であることが多く、ターゲット1の電子線照射領域から電子通過路形成部材3までの距離をできるだけ等しくするためである。
遮蔽部材18とターゲット部17との接合及びターゲット部17と電子通過路形成部材3との接合は、ロウ附けや、機械的な加圧、ねじ締め等により行うことができる。
次に、図4を用いて第二の例に係るアノード16の構成及びX線の発生メカニズムについて説明する。
図4に示されるように、電子通過路4の断面積は、ターゲット1に向かって連続的に拡大している。具体的には、本例の電子通過路1のターゲット1側は、すり鉢状又はラッパ状にターゲット1に向かって連続的に拡大している。また、電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁面は、副X線発生面5となっている。尚、電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁面の少なくとも一部が副X線発生面5となっていれば良い。
次に、電子通過路4の好ましい形状について説明する。副X線発生面5とターゲット1とのなす角度θの好ましい範囲について述べる。θ>90°では、発生したX線15の多くが副X線発生面5内を通過中に吸収され、外部にはわずかしか放出されない。θ=90°では、発生したX線15の半分程度が副X線発生面5内で吸収される。θ<90°では、発生したX線15の多く(少なくとも半分程度以上)が吸収されずに外部に放出される。よって、θ<90°、即ち電子通過路4のターゲット1側の端部における断面積が、ターゲット1とは反対側に比して拡大した形状とすることで、発生したX線15が副X線発生面5内で吸収される割合を低減し、X線15の取り出し量を増大できる。
また、X線強度の出射角度依存を考慮して、角度θの好ましい範囲を設定することもできる。一般に10kV〜200kVに加速された電子は、入射角度に強く依存することなく、副X線発生面5の数μm程度内部に侵入するため、副X線も副X線発生面5表面から数μm程度内側で多く発生する。発生する副X線は様々な角度に放出されるが、副X線の出射角度φ(副X線発生面5の表面からの角度)が小さい場合、副X線発生面5内部を通過する距離が長くなる。そのため、例えばφ<5°では、φが小さくなるに従って、X線強度が急激に小さくなる。従って、X線強度の出射角度依存性を考慮して出射角度の下限をφ0とした場合、角度θの好ましい範囲は、前述の好ましい範囲と合わせると、θ<90−φ0となる。φ0を5°とすると、θ<85°となる。また、ターゲットで反射された電子を内壁面に効率良く衝突させるための限界値を考慮すると、θの下限は10°<θとなる。よって、角度θの好ましい範囲は10°<θ<85°である。
図1〜図3で説明した第一の例に係るアノード16と同様に、本例においても、電子通過路4の開口の大きさ2Rと副X線発生面5のターゲット1からの形成長さZは(2R≦Z≦20R)の関係を満たすことが望ましい。さらに、好ましくは、(4R≦Z≦20R)の関係を満たすことが望ましい。
尚、図4では、副X線発生面5は電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁全面に形成されているが、副X線発生面5は必ずしも電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁全面に形成されていなくても良い。少なくとも上記好ましい距離Zの範囲を含む領域に形成されていれば良い。
また、電子通過路4内に設けられた副X線発生面5に、反射電子12を衝突させて副X線を発生させ、副X線を透過型X線発生管10(図1参照)の外部に取り出す構成とするためには、副X線発生面5とターゲット1を次のように配置すれば良い。例えば、副X線発生面5を、ターゲット1の電子が照射される側の上方を覆うように張り出して配置すれば良い。他にも、ターゲット1に直接電子が照射されることにより発生するX線と副X線とが重畳されて外部に取出し可能となるように、副X線発生面5とターゲット1を配置すれば良い。この配置の場合、ターゲット1としては、照射された電子の20%〜60%を反射する材料を用いることができる。これらの配置の場合でも、副X線発生面5は、電子通過路形成部材3と同じ材料で形成されていても良いし、電子通過路形成部材3とは異なる材料で形成されていても良い。
副X線発生面5の形態は、副X線発生面5に反射電子が照射されることで生じたX線であって、ターゲット1の電子が照射される領域を透過するX線量を増大させる形態としておくことが好ましい。
図4に示される例で用いられるターゲット1、支持基板2、電子通過路形成部材3の材料や形状は図1〜図3で説明した第一の例と同じである。また、第一の例に係るアノード16と同様に、電子通過路形成部材3の表面に電子通過路形成部材3とは異なる材料の副X線発生面5が形成されていてもよい。
以上、本例によれば、ターゲット1で発生するX線14に加えて、ターゲット1で発生した反射電子12により発生するX線15も、効率良く取り出す構成とすることにより、X線発生効率を向上させることが可能となる。
図5は、上記第二の例の変形例を示している。この例では、電子通過路形成部材3に形成された電子通過路4の形状が、上記第二の例と異なっている。即ち、本例における電子通過路4は、ターゲット1側が半球状となっている。電子通過路形成部材3及び電子通過路4の形状以外は、上記第二の例と同様とすることができる。この場合も上記第二の例と同様の効果が得られる。
図6は、第三の例に係るアノード16を示している。アノード16は、X線透過窓を兼ねる支持基板2と、導電層60と、ターゲット1と、電子通過路形成部材3とで構成される。
支持基板2は、ダイヤモンド、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化アルミ、窒化アルミ、グラファイト、ベリリウム等を用いることができる。より好ましくは、X線の透過率がアルミニウムよりも小さく熱伝導率がタングステンよりも大きい、ダイヤモンドが望ましい。支持基板2の厚さは、材料によって異なるが、0.3mm〜2mmが好ましい。
導電層19は、電子線11がターゲット1に照射され、電子によるターゲット部17のチャージアップを防ぐ目的で設けられるため、導電性を有するものであれば良く、多くの金属材料又は炭化物、酸化物等を用いることができる。支持基板2への導電層19の成膜は、スパッタ、蒸着によって行われる。支持基板2がグラファイトやベリリウムのような導電体、又は絶縁体に添加物によって導電性を付与できる材料であれば、導電層19は不要である。しかし、通常、市販されているダイヤモンドのような絶縁体では、導電性がないため、導電層19を設ける必要がある。また、導電層19を設けることにより、導電層19を介してターゲット1に電圧を供給することもできる。
導電層19がターゲット部17のチャージアップを防ぐことのみを目的とするのであれば、導電性を有していれば、材料の種類や厚さに何ら制限はない。しかし、本実施形態では、導電層19には、電子通過路形成部材3に形成された電子通過路4の内壁面で発生する副X線を外部に取り出すための機能を持たせることを目的としているため、材料の種類や厚さについても影響を受ける。
本例で用いられるターゲット1及び電子通過路形成部材3の材料や形状は前記第一の例に係るアノード16と同じである。また、第一の例と同様に、電子通過路形成部材3とは異なる材料で副X線発生面5が形成されていてもよい。
第一の例に係るアノード16と同様に、電子通過路形成部材3は、両端が開口した電子通過路4を有し、電子通過路4の一端(電子放出源6側の端部の開口部)から電子が入射し、電子通過路4の他端側(電子放出源6と反対側)に設けられたターゲット1に電子が照射されてX線が発生する。電子通過路4は、ターゲット1よりも電子放出源6側では、電子線11をターゲット1の電子線照射領域(X線発生領域)に導くための通過路になっている。電子通過路4は、電子放出源6側から見たときの形状が円形でも良いし、四角形や楕円形等適宜、選択することができる。また、電子通過路形成部材3は、ターゲット1に衝突して反射した電子を電子通過路4の副X線発生面5に衝突させ、副X線を発生させる機能も有している。
本例におけるターゲット部17は、支持基板2上に導電層19を設け、導電層19上の中央領域にターゲット1を設けた構成をとる。図6において、d1はターゲット1の径、d2は電子通過路4の内径である。ターゲット部17と電子通過路形成部材3は不図示のロウ材によりロウ付けされ、真空容器9(図1参照)の内部が真空維持されている。図6(b)における破線より外側の領域の導電層19は、ターゲット部17と電子通過路形成部材3を一体化すると、電子通過路形成部材3によって覆われる。
電子放出源6から発生した電子線11は、電子通過路形成部材3により形成された電子通過路4を介してターゲット1に衝突し、ターゲット1からX線13が発生する。X線13の一部はターゲット1の自己吸収により減衰し、更にX線透過窓を兼ねる支持基板2によっても減衰するが、これらの減衰の程度は少なく、実質上、許容される。ターゲット1の径d1は、電子線11の断面の径にほぼ等しいことが望ましい。
一方、ターゲット1に衝突した電子のうち、一部の電子は反射され、反射電子となって電子通過路4の内壁面に衝突し、内壁面から副X線を発生する。
副X線がターゲット部17を透過するとき、導電層19、支持基板2の2層を透過するものと、ターゲット1、導電層19、支持基板2の3層を透過するものがある。ターゲット1は、電子を衝突させてX線を効率良く発生させる材料や厚さでなければならないので、使用条件に応じて最適化されていなければならない。一方、導電層60は、電子が衝突してX線を発生させることがほとんどないため、本来の機能である導電性と、X線透過性を考慮すれば良い。但し、副X線のエネルギーは、ターゲット1から放出されるX線のエネルギーに比べて小さいため、導電層60がターゲット1と同じ材質、同じ厚さであると、X線の吸収が大きくなり、充分に副X線を取り出すことができない場合がある。
導電層19に用いるX線透過性の良い材料としては、軽元素が望ましく、例えばアルミ、チタン、窒化ケイ素、シリコン、グラファイト等を用いることができる。ターゲット1に比して質量の軽いこれらの元素を用いた場合の導電層19の厚さは、0.1nm〜1μmが好ましい。導電層19の材料は、ターゲット1の材料と同じでも良い。導電層19の材料がターゲット1の材料と同じ場合、導電層19の厚さは、X線を透過させるために実質的に支障のない薄さであれば良い。一般的なターゲット1として通常用いられる原子番号26以上の金属材料であっても、その厚さが薄ければ、X線の透過率が高いため、導電層19として用いることができる。例えばタングステンを用いた場合には、0.1nm〜0.2μmであれば、X線を僅かに遮る程度であり、軽元素の場合と同様に用いることができる。
また、本例では、支持基板2上に導電層19、導電層19上にターゲット1を設けているが、この順でなくても良く、ターゲット1上から支持基板2上に跨るように導電層60を設けることもできる。
導電層19上にターゲット1を設けた場合には、ターゲット1で覆われた領域における導電層19の厚さを0.1nm〜0.1μmとするのが好ましい。この範囲の厚さにすることでX線放射時の良好な線形性と出力安定性を確保できるからである。尚、導電層19の厚さは、ターゲット1で覆われた領域以外では上記範囲でなくても良い。また、導電層19とターゲット1とが同じ材料の場合には、ターゲット1で覆われた領域における導電層60の厚さは上記範囲でなくても良い。
ターゲット1上に導電層19を設けた場合には、ターゲット1を覆う領域の導電層19の厚さを0.1nm〜0.1μmとするのが好ましい。この範囲の厚さにすることで電子が導電層19に直接衝突することにより発生するX線量が許容範囲以下になるからである。尚、導電層19の厚さは、ターゲット1を覆う領域以外では電子が導電層19に直接衝突しないため上記範囲でなくても良い。また、導電層19とターゲット1が同じ材料の場合には、ターゲット1を覆う領域の導電層19の厚さは上記範囲でなくても良い。
図7は、図6に示されるターゲット部17の変形例に係るターゲット部17の断面図及び平面図(ターゲット部17をターゲット1側から見た図)である。
導電層19の形状が異なること以外は、図6の例と同じである。支持基板2上の中央領域に導電層19を設け、支持基板2上の中央領域以外の領域の一部にも中央領域から周縁に延びる導電層19を設けている。また、支持基板2の中央領域に位置する導電層19上にターゲット1を設けている。ターゲット1で覆われていない支持基板2上の周縁領域において、導電層19はこの周縁領域の一部に設けられており、この周縁領域のその他の部分は、支持基板2の露出面になっている。
本例によれば、ターゲット1で覆われていない支持基板2の周縁領域において、導電層19が覆っているのは一部だけであり、周縁領域の他の部分は支持基板2の露出面になっている。このため、この周縁領域における副X線の透過性が良好になる。従って、ターゲット1で発生した反射電子により発生する副X線も、効率良く取り出すことができる。これにより、X線発生効率を向上させることが可能となる。
次に、図8を用いて透過型X線発生管を備えた本発明のX線発生装置について説明する。図8は本実施形態のX線発生装置の構成図である。
まず、本発明に用いられる透過型X線発生管10を備えたX線発生装置24について説明する。X線発生装置24は、外囲器20の内部に、透過型X線発生管10を収納している。外囲器20には、X線取出し窓21が備えられており、透過型X線発生管10より放出されたX線は、X線取出し窓21を透過して、X線発生装置24外部に放出される。
外囲器20の内部に透過型X線発生管10を収納した余空間には絶縁性媒体23が充填されていても良い。絶縁性媒体23としては、例えば絶縁媒体及び透過型X線発生管10の冷却媒体としての役割を有する電気絶縁油を用いるのが好ましい。電気絶縁油としては、鉱油、シリコーン油等が好適に用いられる。その他に使用可能な絶縁性媒体23としては、フッ素系電気絶縁液体等が挙げられる。
また、外囲器20の内部には、本実施形態のように不図示の回路基板及び絶縁トランス等から構成される電圧制御部22を設けても良い。電圧制御部22を設けた場合、例えば透過型X線発生管10に、電圧制御部22から電圧信号が印加されX線の発生を制御することができる。
以上、本実施形態によれば、透過型ターゲット1で発生するX線14に加えて、透過型ターゲット1で発生した反射電子12により発生するX線15も取り出せるため、X線発生効率を向上させた透過型X線発生装置を実現できる。
(実施例1)
図1〜図3で説明したような透過型X線発生管10を作成した。
高圧合成ダイヤモンドをターゲット1の支持基板2として用意した。高圧高温ダイヤモンドは、直径5mm、厚さ1mmのディスク状(円柱状)の形状である。予め、UV−オゾンアッシャにより、ダイヤモンドの表面にある有機物を除去した。
このダイヤモンド基板の一方の面上に、スパッタ法により、Arをキャリアガスとして、あらかじめ、チタン層を形成し、その後、ターゲット1として8μmの厚さのタングステン層を形成した。このようにして、ターゲット部17を得た。
このターゲット部17の周りにチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成し、その上に、銀、銅、チタンからなるろう材を付けた。
一方、電子通過路形成部材3としてタングステンの部材を用意し、ターゲット部17の保持部及び電子通過路4を形成した。保持部の直径は5.3mm、電子通過路4の半径R及び電子通過路4の長さZは、表1に条件1〜18として示すごとくパラメータとして異なる値で作製した。
ろう材を付けたターゲット部17を、上記のような形状に加工した電子通過路形成部材3にセットして、850℃で焼成し、アノード16を作製した。
次に、図1に示すように、ターゲット部17と電子通過路形成部材3を一体としたアノード16を、電子放出源6を有する含侵型の熱電子銃をターゲット1と対向させて、電子線11が電子通過路4の中に入るように位置決めした。そして、ゲッターを配置し、真空封止し、透過型X線発生管10を作製した。
ターゲット部17は、支持基板2とその表面に形成されたターゲット1により構成される。ターゲット1は、電子通過路形成部材3と電気的に導通している。ターゲット1は、支持基板2の電子放出源6側の面に配置されている。ターゲット1と電子放出源6の間には、電子通過路形成部材3が配置され、周囲を電子通過路形成部材3で囲むことにより、両端が開口した電子通過路4が形成されている。電子通過路形成部材3の内壁面は、副X線発生面5となっている。
また、比較のために、図1中の電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管も作製した(条件19)。最後に本発明の効果を確認するため、透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管によって得られるX線量を測定した。このX線量の測定は電離箱方式の線量計で行った。透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管の駆動は、加速電圧が100kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
表1は、比較用透過型X線発生管によって得られるX線量を100としたときの条件1から条件19までの透過型X線発生管10のX線量を示している。表1に示されるように、条件1から条件18(実施例)の全てにおいて、X線量が104〜164で、副X線の発生がない、電子通過路形成部材3のない条件19(比較例)に対し、より多くのX線が得られた。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。
支持基板2は、実施例1と同様なダイヤモンド基板で、同様な処理をした。その後、ターゲット1として8μmの厚さのモリブデン層を形成した。このようにして、ターゲット部17を得た。尚、その他のターゲット部17の構成は実施例1と同様である。
このターゲット部17の周りにチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成し、その上に、銀、銅、チタンからなるろう材を付けた。
一方、電子通過路形成部材3としてモリブデン部材を用意し、実施例1と同様な寸法、形状とした。また、電子通過路4の半径Rと電子通過路の長さZは、表2に従って、条件20から条件37の寸法とし、さらに、実施例1と同様にアノード16を作製して、透過型X線発生管10を完成させた。また、比較のために、図1中の電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管も作製した(条件38)。この透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管のX線量の測定は電離箱方式の線量計で行った。
透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管の駆動は、加速電圧が40kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
表2は、電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管によって得られるX線量を100としたときの条件20から条件38までの透過型X線発生管10のX線量を示している。表2に示されるように、条件20から条件37(実施例)の全てにおいて、X線量が103〜151で、副X線発生がしない電子通過路形成部材3のない条件38(比較例)に対してより多くのX線が得られた。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。
支持基板2は、実施例1と同様なダイヤモンド基板で、同様な処理をした。その後、ターゲット1として8μmの厚さのセリウム層を形成した。このようにして、ターゲット部17を得た。尚、その他のターゲット部17の構成は実施例1と同様である。
このターゲット部17の周りにチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成し、その上に、銀、銅、チタンからなるろう材を付けた。
一方、電子通過路形成部材3としてセリウム部材を用意し、実施例1と同様な寸法、形状とした。また、電子通過路4の半径Rと長さZは、表3に従って、条件39及び条件40の寸法で作製し、さらに、実施例1と同様にアノード16を作製して、透過型X線発生管10を完成させた。また、比較のために、図1中の電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管も作製した(条件41)。この透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管のX線量の測定は電離箱方式の線量計で行った。
透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管の駆動は、加速電圧が40kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
表3は、電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管によって得られるX線量を100としたときの条件39と条件40の透過型X線発生管10のX線量を示している。表3に示されるように、条件39及び40(実施例)におけるX線量が150及び143で、反射電子を受けることのできる電子通過路形成部材3のない条件41(比較例)に対してより多くのX線が得られた。
(実施例4)
次に、実施例4を説明する。
支持基板2は、実施例1と同様なダイヤモンド基板で、同様な処理をした。その後、ターゲット1として8μmの厚さのランタン層を形成した。このようにして、ターゲット17を得た。尚、その他のターゲット部17の構成は実施例1と同様である。
このターゲット部17の周りにチタンを活性金属成分としたメタライズ層を形成し、その上に、銀、銅、チタンからなるろう材を付けた。
一方、電子通過路形成部材3としてランタン部材を用意し、電子通過路4の半径Rと長さZは表4に従って、条件42及び条件43の寸法で作製し、さらに、実施例1と同様にアノード16を作製して、透過型X線発生管10を完成させた。また、比較のために、図1中の電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管も作製した(条件44)。この透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管のX線量の測定は電離箱方式の線量計で行った。
透過型X線発生管10及び比較用透過型X線発生管の駆動は、加速電圧が40kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
表4は、電子通過路形成部材3を設けない比較用透過型X線発生管によって得られるX線量を100としたときの条件42と条件43の透過型X線発生管10のX線量を示している。表3に示されるように、条件42及び43(実施例)におけるX線量が151及び144で、反射電子を受けることのできる電子通過路形成部材3のない条件44(比較例)に対してより多くのX線が得られた。
(実施例5)
次に、実施例5について説明する。
本実施例では、図4に示すように、電子通過路4の断面積を、ターゲット1に向かって連続的に拡大したものとした。また、電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁面は、副X線発生面5となっている。尚、電子通過路4の断面積が拡大した領域の内壁面の少なくとも一部が副X線発生面5となっていれば良く、その他は実施例1と同様である。尚、電子通過路4の半径Rは1mm、電子通過路4の長さZは11mmとした。
透過型X線発生管10を完成後、X線量の測定を電離箱方式の線量計で行った。透過型X線発生管10の駆動は、加速電圧が100kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
その結果、実施例1で作成した比較用透過型X線発生管に対してより多くのX線が得られた。
(実施例6)
本実施例では、図6に示すようなアノード16とした。アノード16は、X線透過窓を兼ねる支持基板2と、導電層19と、ターゲット1と、電子通過路形成部材3とで構成されている。導電層19は、電子線11がターゲット1に照射され、電子によるターゲット部17のチャージアップを防ぐ目的で設けられている。また、導電層19を介してターゲット1に電圧を供給することもできる。
本実施例で用いられるターゲット1及び電子通過路形成部材3の材料や形状は実施例1と同じである。尚、電子通過路4の8の半径Rは1mm及び電子線導入孔の長さZは11mmとした。
透過型X線発生管10を完成後、X線量の測定を電離箱方式の線量計で行った。透過型X線発生管10の駆動は、加速電圧が100kVで、電流が5mA、照射時間が100msecで行った。電子線の直径は、0.3mmから2mmの間で、電子レンズにより制御した。
その結果、実施例1で作成した比較用透過型X線発生管に対してより多くのX線が得られた。
Figure 2013051165
Figure 2013051165
Figure 2013051165
Figure 2013051165
1:透過型ターゲット(ターゲット)、2:支持基板、3:電子通過路形成部材、4:電子通過路、5:副X線発生面

Claims (4)

  1. 周囲を電子通過路形成部材で囲むことにより形成された電子通過路を有し、
    前記電子通過路を介して電子を透過型ターゲットに照射してX線を発生させる透過型X線発生装置であって、
    前記透過型ターゲットは、照射された電子の一部を反射し、
    前記電子通過路内に電子の照射によりX線を生じる副X線発生面を有し、
    前記副X線発生面と前記透過型ターゲットとは、前記透過型ターゲットに直接電子が照射されることにより発生するX線と、前記副X線発生面に前記透過型ターゲットで反射された電子が照射されることにより発生するX線とが重畳されて外部に取出し可能となるように配置され、
    前記透過型ターゲットの構成材料と、前記電子通過路形成部材の少なくとも前記副X線発生面の構成材料とが、原子番号が40以上の同じ材料であることを特徴とする透過型X線発生装置。
  2. 前記電子通過路の長さzと半径Rの関係が2≦Z/R≦20であることを特徴とする請求項1に記載の透過型X線発生装置。
  3. 前記電子通過路の長さzと半径Rの関係が4≦Z/R≦20であることを特徴とする請求項1に記載の透過型X線発生装置。
  4. 前記透過型ターゲットと前記電子通過路形成部材の構成材料が、Mo、W、ランタノイドのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の透過型X線発生装置。
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