JP2014203674A - X線発生装置及びそれを用いたx線撮影装置 - Google Patents

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Koreyuki Yoshitake
惟之 吉武
塚本 健夫
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健夫 塚本
山田 修嗣
Nobutsugu Yamada
修嗣 山田
孝夫 小倉
Takao Ogura
孝夫 小倉
洋一 五十嵐
Yoichi Igarashi
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Abstract

【課題】小焦点かつ高出力の透過型X線発生装置を提供する。【解決手段】電子放出源11と、前記電子放出源と対向して配置され、前記電子放出源から放出された電子12の照射によりX線を発生するターゲット13と、前記ターゲットから放出されたX線を遮る遮蔽体14とを備える透過型X線発生装置において、前記遮蔽体とターゲット上主X線発生部によって規定されるX線源のX線束20を電子照射側に延長して出来る仮想錐体35内に副X線発生部18を含有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、医療機器及び産業機器分野におけるX線撮影等に適用できる、透過型X線発生管を備えるX線発生装置及びそれを用いたX線撮影装置に関する。
一般に医療用途等の診断画像に用いられる透過型X線発生管において、より高解像度の画像を取得するにはX線発生管が発生するX線束の焦点をより小さくすることが求められる。特許文献1には、ターゲットの後方、即ち電子放出源側に、電子線を通過または多重散乱させるチャネルを配置することで、ターゲットの微小領域に電子線を集束させることが開示されている。
また、撮影時間を短くして、被検体または撮影システムの不可避の振動に起因する画像ボケを小さくするために、X線強出力の強度は出来るだけ大きくすることが求められる。しかしながら、ターゲットに入力可能なエネルギー密度は、ターゲットの耐熱性等により制限を受ける。特許文献2には、ターゲットの後方に比重の高い構造体を配置すること、これによって、ターゲットから後方に散乱した反射電子によって二次的にX線(副X線という)を発生させて、高出力化を図ることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の構成を導入したX線発生管において、多重散乱毎に累積する非弾性散乱の影響によりターゲットに入射する電子のエネルギー分布がブロード化するので、線質の均質性の点で、改善が求められことがあった。
また、特許文献2に記載の構成を導入したX線発生管において、副X線の一部が、ターゲット上に形成された焦点の外を透過し、焦点径を大きくしてしまうという問題があった。
特開平9−171788号公報 特開2012−138168号公報
本発明の課題は、焦点を大きくすることなく、高い出力強度でX線を発生することが可能なX線発生装置、及びSN比の高い撮影画像を取得可能なX線撮影装置を提供することにある。
本発明は、電子放出源と、前記電子放出源と対向して配置され、前記電子放出源から放出された電子の照射によりX線を発生する主X線発生部を有したターゲットと、前記ターゲットが前記電子放出源と対向する側の反対側において、前記X線の一部を取り出す開口を有した遮蔽体と、を備える透過型X線発生装置において、
前記主X線発生部の後方に位置し、前記主X線発生部の後方に散乱した電子の入射を受けてX線を発生する副X線発生部をさらに備え、
前記副X線発生部は、前記開口と前記主X線発生部とによって、前記ターゲットの後方に規定される仮想錐体内に位置することを特徴とする透過型X線発生装置に関する。
また、本発明は、上記透過型X線発生装置と、前記透過型X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備えることを特徴とするX線撮影装置に関する。
本発明によれば、副X線発生部によって焦点内X線を高効率に発生させることができる。そのため、高解像度でのX線撮影に必要な小焦点、高出力のX線発生装置及びそれを用いたX線撮影装置を実現できる。
本発明のX線発生装置の第一の実施形態を示す断面模式図である。 本発明のX線発生装置の第二の実施形態を示す断面模式図である。 仮想錐体の規定方法を説明する概念図である。 図3とは別の態様での仮想錐体の説明図である。 実施例1に係るX線発生装置の説明図である。 図1における支持部17のみを除外した比較用X線発生装置の断面模式図である。 実施例2に係るX線発生装置の説明図である。 実施例3に係るX線撮影装置の説明図である。
以下、図面を用いて本発明のX線発生装置の実施形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。尚、本明細書で特に図示又は記載されない部分に関しては当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
<第一の実施形態>
図1は本発明のX線発生装置の第一の実施形態を示す断面模式図である。図1(a)はX線取り出しの開口を正面から見た図、図1(b)は図1(a)中A−A’における断面図である。図1(c)は、図1(b)のX線発生装置の動作状態を示す断面図である。
本実施形態のX線発生装置40では、図1(b)、(c)に示すように、電子放出源11と、電子放出源11と対向して配置される透過型ターゲット13を備える。電子放出源11は、不図示の金属からなる陰極部材と接続され、陰極を構成している。即ち、電子放出源11は、陰極の部分を構成している。
また、透過型ターゲット13は、重金属から構成される遮蔽体14と接続され陽極を構成している。即ち、透過型ターゲット13および遮蔽体14は、それぞれ、陽極の部分を構成している。
本実施形態においては、X線の取りだされる範囲を制限する目的で、貫通孔を有した遮蔽体14が透過型ターゲット13を囲むように設けられている。かかる貫通孔は、透過型ターゲット13により分離され、貫通孔のうち透過型ターゲット13より電子放出源11に近い側は電子通過路、電子放出源11から遠い側をX線取出し開口と称する。
遮蔽体14は、電子放出源11に対向する開口を有する側を後方遮蔽体14bと称し、後方遮蔽体の反対側で、開口24を有する側を前方遮蔽体14fと称する。後方遮蔽体14bと前方遮蔽体14fとは、透過型ターゲット13の電子入射面を含む仮想平面Q−Q’により分離されている。
透過型ターゲット13と遮蔽体14とから構成される陽極と、電子放出源11を備える陰極は、不図示の駆動回路に接続されて、外囲器(図6及び7の符号16)内に加速電界が形成される。この結果、図1(c)に示すように、電子放出源11から放出された電子は、電子線束12となって透過型ターゲット13に入射する。透過型ターゲット13は、電子線束12の照射を受けてX線を発生する。
電子放出源11としてはフィラメント、含浸型カソードの様な熱電子源、カーボンナノチューブの様な冷陰極電子源などを用いることができる。透過型ターゲット13としてはタングステン、モリブデン、ロジウムやそれらを含む合金などをターゲット金属として用いることができる。また、ダイヤモンド、ベリリウム、シリコンカーバイドなどX線透過能が高く、かつ耐環境性、伝熱性が高い材料を支持基板として利用し、その上に前述のターゲット金属をターゲット層として形成した積層型ターゲットとして用いても良い。
図1には不図示であるが、X線発生装置40は、電子線束を制御する目的から、電子放出源11と透過型ターゲット13との間に引き出し電極、集束電極等の電子線束を制御する静電レンズを有していてもよい。
透過型ターゲット13で発生したX線は、電子入射面と対向する面から取り出される。透過型ターゲット13が積層型の場合には、透過型ターゲット13の電子入射面側に配置されたターゲット層においてX線が発生し、発生したX線は、ターゲット層と支持基板を透過して前方に取り出される。
本発明においては、透過型ターゲット13が電子線束12の照射を受けてX線が発生する領域を主X線発生部(後述の図3及び5中の符号21)と称する。積層型ターゲットの場合には、ターゲット層と電子線束12とで規定される電子線の焦点範囲を底面とし、ターゲット層への電子侵入長を深さとするディスク状の範囲に等しい。一般に、焦点径は電子侵入長に対して100倍以上大な数値であるので、簡略化のため、本発明においては、主X線発生部21は、電子侵入長の深さ方向を無視する。
透過型ターゲット13で発生したX線は、主X線発生部を起点として球状に放射される。本実施形態の透過型X線発生装置40においては、前方遮蔽体14fが有する開口24を通過して、透過型X線発生装置40の前方に取り出される。
このようにX線19をターゲット前方側に取り出すX線源の構成を、一般に透過型X線源と呼ぶ。また、このような取出し方法で動作するX線ターゲット、X線発生装置を、それぞれ、一般に透過型ターゲット、透過型X線発生装置と呼ぶが、本発明においては、特に断りの無い限りこれ以降、簡略化の為、それぞれをターゲット、X線発生装置と称する。
(第一の実施形態の特徴部)
次に、図1(b)、(c)を用いて、本発明の特徴である副X線発生部について説明する。
本実施形態においては、遮蔽体14は、主X線発生部18より電子放出源11の側に向けて延長された管状の後方遮蔽体14fを部分として有し、副X線発生部18は、後方遮蔽体14fの管内面から主X線発生部18に近づく方向に突出した領域に配置されている。言い換えると、本実施形態においては、副X線発生部18は、後方遮蔽体14bの電子通過路内においてターゲット13に向けて突出した構造体17のうち、ターゲット13に対向する面に一致する。さらに、言い換えると、前述の突出した構造体17は、副X線発生部18の支持部17である。
図1(b)に示した本実施形態においては、支持部17によりターゲットに近接している副X線発生部18は、その周辺より、ターゲット13から臨む立体角が大となるので、後方散乱電子の入射確率が高く副X線の発生が増大している。
また、支持部17の周辺の部材で発生した副X線の一部は、支持部17に照射され減衰される。従って、副X線発生部18が、ターゲット13の後方側にある電子通過路において、突出して配置されることは、副X線の発生確率が相対的に高い領域を選択することを意味する。
副X線発生部18は、図1(b)に示すように、仮想上の錐体(仮想錐体)35の内側に内包されている。そのため、前記X線束20内にて撮像する際には、副X線発生部18で高効率に発生した副X線はX線発生部21を通過してのみ観察されるため、副X線による焦点の拡大を抑制しながら高出力のX線を得ることができる。
主X線発生部とは、電子照射を受ける領域でありかつターゲット金属が存在している領域のことである。即ち、本発明の主X線領域とは、ターゲット層上に照射された電子線束が形成する電子ビームスポットのことと捉えられる。
本発明における仮想錐体の規定の方法について、図3(b)を用いて説明する。
本発明の仮想錐体を規定する際にはまず、主X線発生部21を前記遮蔽体14の開口24を含む平面に対して、主X線発生部21の後方に位置する仮想の点光源により投影する。得られた投影像23が開口24を内包する条件の点光源の群のうち、最も主X線発生部21より遠方に位置する点を頂点Oと決定する。頂点Oと主X線発生部21を底面として決定される錐体が、本発明の仮想錐体である。
図3の各図は、仮想錐体を決定可能な、主X線発生部21と開口24と投影像23との配置関係を類別して示している。
図3(a)は、主X線発生部21と開口24とが、相似形であって、かつ、互いの、方位角、仰角の位相が一致している場合である。この場合は、投影像23と開口24は、完全に重なる。
図3(b)は、上述の図1の実施形態に対応し、主X線発生部21と開口24とが、相似形であるが、方位角は一致しているものの、仰角が不一致の場合である。
主X線発生部21と開口24とが、相似の関係にない態様も本発明の範疇である。すなわち、図3(c)は主X線発生部21が四角形で遮蔽体の開口24が円形の場合の例を示し、図3(d)は主X線発生部21が円形で遮蔽体の開口24が四角形の場合の例を示している。
以上により規定された仮想錐体35内に位置する副X線発生部18で発生したX線は、遮蔽体の開口を通して取り出される際、主X線発生部21の内側を通過して取り出されるため、副X線束は、主X線束によって規定される焦点を拡大させずに、該焦点のX線強度を増大することが可能となる。
なお、本発明において、「仮想錐体35内に位置する」とは、仮想錐体35の内側に副X線発生部18が内包されていることを意味する。かかる「内包」な幾何学的な関係を満たすことによって、主X線発生部18により規定される焦点の外に、副X線発生部21による焦点を形成することを防止することが可能となる。
遮蔽体の開口が同一平面上に無い場合、例えばX方向とY方向の制限ばね25、26をZ方向にずれた形で持つコリメータなどを想定する図4の様な場合にも、X線束は一意に規定できる。その場合、X線束の任意の面を選択し遮蔽体の開口部がなす平面であるとすると、上記と同様の操作によって仮想錐体を規定することができる。
遮蔽体14は、X線遮蔽能の高い材料を選択すると良く、一般に比重の高い、タングステン、モリブデン、タンタル、金等を適用可能である。また、遮蔽体14は、かかる高比重金属と、銅、銀等の熱伝導性の高い金属との固溶体、または、合金とすることが好ましい。
<第二の実施形態>
次に、本発明のX線発生装置の第二の実施形態について説明する。上記第一の実施形態では、副X線発生部の配置・幾何学的見地からのアプローチであったのに対し、第二の実施形態は副X線発生部の物理量・材料の見地からのアプローチであり、図2及び図7に示すように、副X線発生部18は遮蔽体14もしくは支持部15表面上に設けることができる。
本実施形態においては、副X線発生部18としては、副X線発生部18の周囲より、X線発生効率の高い材料を配置する。本実施形態においてX線発生効率が高いとは、周囲より比重の大きな材料で副X線発生部18を構成することで実現可能である。
また、副X線発生部18は、耐熱性の観点からタングステン、モリブデン、ロジウム、または、それらを含む合金などを用いることが好ましい。また、線質の均質性の観点から主X線発生部21と同一材料から構成されることが好ましい。その場合にも図1を用いて前述のように、支持部17を周囲より反射電子の入射確率が高くなるよう配置することで本発明の効果を発生することができる。もちろん、前述のタングステン、モリブデン、ロジウム等を用いた支持部17を、周囲より反射電子の入射確率が高くなるよう配置しても良い。
電子放出源11、ターゲット13、支持体15、支持部17、副X線発生部18は外囲器16に収納されており、外囲器16の内部は真空となっている。
外囲器16は容器としての十分な強度を有していれば良く、ガラス、プラスチック、セラミックス等から構成される。
また、電子放出源11、ターゲット13、支持体15、支持部17はいずれも外囲器16の内部に設けられても良いし、いずれかが外囲器16の一部をなしていても良い。
また、第一の実施形態と第二の実施形態との、双方の条件を満たす変形例も本発明の実施形態として含まれる。このような実施形態によれば、副X線の強度をより一層大きくすることが可能となる。
以下、本発明のX線発生装置の実施例を説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、相対配置、工程の順序などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例1>
実施例1では図1及び5のX線発生装置を用いた。各部材の説明、及びX線発生装置の説明については上述のとおりであるため省略する。
本実施例においては、ターゲット13としてダイヤモンドからなる支持基材の一方の上にタングステンからなるターゲット層を形成したものを用い、タングステンから構成された遮蔽体14を用いた。
以下のような手順にてターゲット13を作製した。
まず、表面を脱脂した単結晶ダイヤモンドからなり、長径7.1mm、短径5.0mm、板厚1.2mmの基材を用意した。次に、基材の一方の面にタングステンをスパッタリング法を用いて層厚6μmとなるように成膜しターゲット層とした。ターゲット13と遮蔽体14は不図示の銀ろうを用いてろう付けした。本実施例において、ろう材(銀ろう)は、遮蔽体14とターゲット13との接着だけでなく、金属からなる遮蔽体14とターゲット層との電気的な接続を兼ねている。
ここで、ターゲットの形成方法としては前述のスパッタリング法の他、蒸着等一般的な成膜法を用いて形成してもよいし、金属加工により部材を形成し接着してもよい。接着の方法としては前述の金属はんだのほか、溶接、接合等の一般的な接着方法を用いても良い。
本実施形態の電子放出源11は、含侵型電子放出部を備え、不図示の駆動回路に接続され、X線発生管外部より放出電子の電流密度とオンオフタイミングを制御可能となっている。
ターゲット、遮蔽体及び主X線発生部、副X線発生部の実施形態の概略断面を図5に示す。以降の説明の便宜上、図5に示すx−z軸を仮定する。
遮蔽体14はタングステンに穴あけ加工を施して形成した。穴あけ方法としてはドリル加工を選択した。穴あけにはその他放電加工など、任意の加工法を用いても良い。遮蔽体14のX線取り出し用として開口径27がφ5mmの円筒状の空孔を形成した。これにより遮蔽体14にはφ5mmの開口24が形成される。遮蔽体には空孔を塞ぐように楕円盤状のターゲット13を斜めに配置した。ターゲット13のタングステンの厚みを10um、ダイヤモンド基板の厚みを2mmとした。ターゲット13のタングステン部の大きさは円状φ5mm、ダイヤモンド基板の大きさは長軸直径7mm、短軸直径5mmの楕円状とした。空孔の深さ、つまり開口24とターゲット13との距離は、短い方の深さ28が15mm、長い方の深さ29が20mmになるよう形成した。
電子線束12は開口方向(z方向)と直角になる様に、かつターゲット13と45°の角度になる様に図5に示す方向(−x方向)に入射した。このように配置することで、入射した電子線束12の焦点形状と出力されるX線の焦点形状を同様の形状にすることができる。電子線束12の焦点径30は2mmになる様、不図時の電子レンズに電圧を加えた。入射位置はターゲット13中心が電子線束12中心と一致するようにした。
本実施例では上記のようにターゲットの傾きと取り出し方向、電子入射方向、入射位置を規定したが、装置制約、要求焦点サイズ、電子放出源の形状等によりそれらの方向や位置は様々に取りうる。いずれの配置を選択した場合にも本件の機能は失われない。
図5の配置において、主X線発生部21の中心は、ターゲット13が電子放出源11に面する側の面の中心に一致させた。短軸直径2mm、長軸直径3mmの楕円形状となる。この主X線発生部21と遮蔽体の開口とで規定される仮想錐体35は、主X線発生部21の中心から−z方向に10mm離れたところに頂点Oを有する円錐形となる。
本実施例では、副X線発生部18と主X線発生部21の中心とのz方向距離31を1.2mmとした。仮想錐体35の頂点Oから伸ばした垂線と平行な法線を有し、主X線発生部21の中心を通る仮想平面に射影される主X線発生部21の形状は、直径1.6mmΦの円となった。支持部17は直径1.5mmΦ高さ1.2mmの柱状部材を遮蔽体14に接続した。材料はタングステンとした。支持部17はねじ状加工を施してあり、副X線発生部18と主X線発生部21の中心との距離が1.2mmになる様に長さを調節して遮蔽体上に固定した。
副X線発生体の固定については、他に金属はんだ等一般的に用いられる固定方法を用いてもよい。
上記の配置によって、ターゲット中心から1.2mmの位置にφ1.5mmの円形の副X線発生部18が形成できる。
図1において支持部17のみを除外した構成を図6に示す。支持部以外の寸法や構成は図1及び図5で述べたものと同一である。
図1の構成と図6の両構成からなるX線源を作製し、不図示の電源により100kVの電圧をかけて電子線束によりX線を出力させた。X線の出力と焦点径を比較したところ、図1の構成の方が出力が約10%増加し、焦点径が約15%小さくなった。
以上、上記実施例では小焦点・高出力のX線発生装置を実現することができた。
<実施例2>
実施例2では図2及び図7のX線発生装置を用いた。各部材の説明、及びX線発生装置の説明については上述のとおりであるため省略する。
本実施例では、副X線発生部が周囲と異なる材料を有し、その周囲よりも副X線を発生しやすい材料からなる例を示す。
図7に示すX線発生装置において、電子線束12、ターゲット13、遮蔽体開口14は実施例1と同様の位置関係、寸法になる様作製した。本実施例では、副X線発生部18の周囲に位置する銅からなる後方遮蔽体14bの電子通過路の内壁に対して、相対的に比重の高い材料で副X線発生部を構成したことが、第一の実施形態と相違する。
副X線発生部18は支持体15の上にタングステン薄膜をスパッタリング成膜して形成した。副X線発生部18の膜厚は5umとした。ターゲット13、遮蔽体14、電子線束12と副X線発生部18が実施例1での副X線発生部との位置関係と同等になる様に、支持体の形状を加工した。
なお、ラザフォード後方散乱分光分析法(RBS法)により電子通過路の内壁、および、副X線発生部18の比重を測定したところその比重は、それぞれ、8.8(×103kg/m3、25℃)、19.2(×103kg/m3)であった。
図7において、副X線発生部18を形成しない構成のX線源を作製した。この構成において、反射電子の大多数は支持体15である銅に衝突する。
上記2構成のX線源について、不図時の電源により100kVの電圧をかけて電子線束によりX線を出力させた。X線の出力と焦点径を比較したところ、副X線発生部18を有する図7の構成の方が出力が約10%増加し、焦点径が約10%小さくなった。
以上、上記実施例では小焦点・高出力のX線発生装置を実現することができた。
<実施例3>
次に、図8を用いて本発明のX線発生装置を用いたX線撮影装置について説明する。本実施例のX線撮影装置は、X線発生装置40、X線検出器41、信号処理部42、装置制御部43及び表示部44を備えている。X線発生装置40としては、例えば実施例1乃至2のX線発生装置が好適に用いられる。X線検出器41は信号処理部42を介して装置制御部43に接続され、装置制御部43は表示部44及びX線発生装置40に接続されている。X線発生装置40における処理は装置制御部43によって統括制御される。例えば、装置制御部43はX線発生装置40とX線検出器41によるX線撮影を制御する。X線発生装置40から放出されたX線は、被検体45を介してX線検出器41で検出され、被検体45のX線透過画像が撮影される。撮影されたX線透過画像は表示部44に表示される。また例えば、装置制御部43はX線発生装置40の駆動を制御する。
本実施例ではX線発生装置40として実施例1に示すX線発生装置を用いたX線撮影装置を作製したところ、より微細な対象物を高コントラストで撮影することができた。
以上、上記実施例では本発明を用いて、描出能の高いX線撮影装置を実現できた。
以上説明したように、本発明は、X線発生装置及びそれを用いたX線撮影装置について有用であり、小焦点、高出力なX線発生装置が必要とされる医療機器、工業用途等の分野において特に有用である。
11:電子放出源、12:電子線束、13:ターゲット、14:遮蔽体、15:支持体、16:外囲器、17:支持部、18:副X線発生部、19:X線取り出し方向、20:X線束、21:主X線発生部、23:主X線発生部拡大像、24:開口、25:X方向制限ばね、26:Y方向制限ばね、27:遮蔽体開口径、28:遮蔽体深さ、29:遮蔽体深さ、30:電子線束焦点径、31:副X線発生部−主X線発生部中心間距離、35:仮想錐体、40:X線発生装置、41:X線検出器、42:信号処理部、43:装置制御部、44:表示部、45:被検体

Claims (5)

  1. 電子放出源と、前記電子放出源と対向して配置され、前記電子放出源から放出された電子の照射によりX線を発生する主X線発生部を有したターゲットと、前記ターゲットが前記電子放出源と対向する側の反対側において、前記X線の一部を取り出す開口を有した遮蔽体と、を備える透過型X線発生装置において、
    前記主X線発生部の後方に位置し、前記主X線発生部の後方に散乱した電子の入射を受けてX線を発生する副X線発生部をさらに備え、
    前記副X線発生部は、前記開口と前記主X線発生部とによって、前記ターゲットの後方に規定される仮想錐体内に位置することを特徴とする透過型X線発生装置。
  2. 前記仮想錐体は、前記開口を含む平面に、前記開口を内包するように前記主X線発生部を投影する仮想の点光源のうち、前記主X線発生部から後方において最も遠方の点を頂点とし、前記主X線発生部を底面とする仮想上の錐体であることを特徴とする請求項1に記載の透過型X線発生装置。
  3. 前記遮蔽体は、前記主X線発生部より前記電子放出源側に延長された管状の後方遮蔽体を部分として有し、
    前記副X線発生部は、前記後方遮蔽体の管内面から前記主X線発生部に近づく方向に突出した領域に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透過型X線発生装置。
  4. 前記副X線発生部が、その周囲よりも比重が大きい材料からなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の透過型X線発生装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の透過型X線発生装置と、前記透過型X線発生装置から放出され被検体を透過したX線を検出するX線検出器とを備えることを特徴とするX線撮影装置。
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