JP6121072B1 - 反射型x線発生装置 - Google Patents

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Abstract

ターゲットの品質低下を十分に抑止することのできる反射型X線発生装置を提供する。反射型X線発生装置は、少なくともz軸方向に延在する内部空間(IS)を構成するチャンバー(10)と、内部空間(IS)においてチャンバー(10)に固定され、ターゲット(13)へ電子線を照射する電子銃(20)と、電子銃(20)から照射する電子線のz軸方向に対する傾斜角を調節する調節部(82)とを備え、チャンバー(10)は、ターゲット(13)から発生したX線を内部空間(IS)外へ導くウインドウ(12)を含む。

Description

本発明は、反射型X線発生装置に関し、より特定的には、ターゲットの品質低下を十分に抑止することのできる反射型X線発生装置に関する。
従来、X線撮影は、医療分野における診断や産業機器分野における非破壊検査などに用いられている。
X線を発生するX線発生装置は、電子(電子線)を放射する電子銃と、電子銃から放射された電子を集束するレンズ電極と、電子が衝突することでX線を発生するターゲットとを備えている。X線発生装置は、電子銃から放射された電子をターゲットに衝突させ、その衝突エネルギーによりターゲットからX線を発生させる。発生したX線は、ウインドウを通じて外部の対象物へ放射される。X線発生装置には、透過型と反射型という2つの方式がある。透過型は、電子銃からターゲットに向かう電子線の進行方向と同じ方面からX線を取り出す方式である。反射型は、電子銃からターゲットに向かう電子線の進行方向とは異なる方向からX線を取り出す方式である。
透過型では、ターゲットはウインドウに接触した位置に保持されるのに対し、反射型では、ターゲットはウインドウから離した位置に保持されるため、反射型は透過型に比べてターゲットを冷却しやすい。したがって、反射型では、電子線の強度を強くすることができ、より高感度なX線撮影を行うことができる。
近年、電子源から放射される電子線を、ターゲットにおける所望の位置に当てるための技術が提案されている。たとえば下記特許文献1には、真空容器内に、電子ビームを発生する電子銃を収容する透過型のX線管が開示されている。このX線管において、真空容器は、真空容器本体と、ターゲットと、ターゲットを支持するターゲット支持体と、真空容器本体とターゲット支持体とを連結する連結体とを備えている。連結体は、真空容器本体とターゲット支持体との各々に気密に固定されており、真空容器本体に対するターゲット支持体の変位を許容する。ターゲット支持体は、電子銃が発生する電子ビームの軸に対して傾斜可能であり、電子ビームの軸を中心とする円周方向に沿って傾斜させる方向を変更可能である。
また下記特許文献2には、カソードから電子入射方向に電子を放射する電子銃と、放射した電子をターゲット面に入射させてX線を放射する反射型のターゲットからなるアノードと、ターゲットに設けられ、ターゲット面で反射した電子を遮蔽する電子遮蔽手段とを備えた、反射型のX線管が開示されている。
特開2011−113705号公報 特開2004−111336号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、透過型に関するものである。透過型のターゲットは、反射型と比べてターゲットを冷却しにくいという問題があった。そのため、電子線の収束サイズの微小化と電子線エネルギーを増加させることは、ターゲットの寿命を短くしてしまうという問題があった。また、連結体の大型化を招くため、ターゲットにおける電子線の照射位置を広い範囲で変更することができず、ターゲットの品質低下を十分に抑止することはできなかった。特許文献2のような従来の反射型X線発生装置においては、ターゲットにおける電子ビームの照射位置が常に同じであるため、ターゲットの品質低下が顕著であるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、ターゲットの品質低下を十分に抑止することのできる反射型X線発生装置を提供することである。
本発明の一の局面に従う反射型X線発生装置は、少なくとも一の方向に延在する内部空間を構成するチャンバーと、内部空間においてチャンバーに支持され、ターゲットへ電子線を照射する電子銃とを備え、チャンバーは、ターゲットから発生したX線を内部空間外へ導くウインドウと、一の方向に沿って、一の方向に対して垂直な方向の長さが小さくなるヘッド部とを含み、ウインドウはヘッド部に固定され、ヘッド部は、円筒の上部が少なくとも第1の面および第2の面の各々によって削られた形状を含んでおり、第1の面にはウインドウが設けられ、第1の面は平面であり、第2の面は、第1の面との間で境界線を形成し、第1の面の法線および第2の面の全ての法線の各々は、円筒の回転軸に対して傾斜している
上記反射型X線発生装置において好ましくは、第2の面の全ての法線は、第1の面の法線と円筒の回転軸とを含む平面に対して傾斜している。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ターゲットの表面は平面であり、第2の面の法線は、ターゲットの平面の法線と円筒の回転軸とを含む平面に対して傾斜する。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、第2の面は曲面である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、第2の面は平面であり、第1の面と第2の面との境界線は、ヘッド部におけるX線を照射するターゲットに最も近い位置に位置する。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ヘッド部は、円筒の上部が第3の面によってさらに削られた形状を含んでおり、第2および第3の面はいずれも平面であり、第3の面は、第1の面との間で境界線を形成し、第2の面と第3の面とは、円筒の回転軸を含む平面に関して対称である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ヘッド部は、円筒の上部が第4の面によってさらに削られた形状を含んでおり、第1の面と第2の面との境界線、第2の面と第3の面との境界線、第3の面と第4の面との境界線、および第4の面と第1の面との境界線の各々は直線状であり、かつ円筒における削られていない部分と隣接する。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、第2の面は、円筒を円錐形状に削る曲面であり、第1および第2の面の各々は、円筒の回転軸を取り囲むように配置されている。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、電子銃から照射する電子線の一の方向に対する傾斜角を調節する調節部をさらに備える。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、外部からの力により伸縮可能な伸縮部をさらに備え、電子銃は、伸縮部を介してチャンバーに支持され、調節部は、伸縮部を局所的に伸縮させる。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、電子銃を固定し、伸縮部と連結された固定台をさらに備え、チャンバーは、ウインドウとの間で電子銃および固定台を挟む位置に設けられた底部をさらに含み、伸縮部は底部に支持される。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、調節部は、電子銃と底部との距離を局所的に大きくする方向に固定台を押す押し部を含む。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、調節部は、電子銃と底部との距離を局所的に小さくする方向に固定台を引く引き部を含む。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、調節部は、電子銃と底部との距離を局所的に大きくする方向に固定台を押す押しネジと、電子銃と底部との距離を局所的に小さくする方向に固定台を引く引きネジとを含み、押しネジおよび引きネジによって固定台は固定される。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、外部に露出したウインドウの部分の面積は、0.5平方ミリメートル以上20平方ミリメートル以下である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ターゲットは、軽元素材料よりなる基板と、基板における電子線が照射される面に形成された重金属材料とを含む。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ターゲットにおける電子線が照射される面からウインドウの外面までの距離の最小値は、0.1mm以上4mm以下である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ターゲットにおける電子線が照射される面からウインドウの外面までの距離の最小値は、0.2mm以上2mm以下である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、ターゲットにおける電子線が照射される面からウインドウの外面までの距離の最小値は、0.3mm以上1.5mm以下である。
上記反射型X線発生装置において好ましくは、焦点径が0より大きく5μm以下である。
本発明によれば、ターゲットの品質低下を十分に抑止することができる。
本発明の一実施の形態におけるX線撮影装置の概略的な構成を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第1の構成を示す断面図である。 図2中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第2の構成を示す断面図である。 図4中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第3の構成を示す断面図である。 図6中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第1の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第2の構成を示す斜視図である。 本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第3の構成を示す第1の方向から見た場合の斜視図である。 本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第3の構成を示す第2の方向から見た場合の斜視図である。 ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、他の面との境界線が存在しない場合における、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図である。 ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または曲面CS2との境界線LN1が存在する場合における、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図である。 (a)は、図9の平面PL1面を模式的に表したものであり、図13におけるウインドウ12を矢印AR2が貫く点と境界線LN1との最短距離D11との位置関係を模式的に示す図である。(b)は、図9の平面PL1面を模式的に表したものであり、矢印AR2の位置を平面PL1の略三角形状の先端に近づけることで、外部に露出したウインドウの面積が(a)の場合よりも小さくする場合の位置関係を模式的に示す図である。 ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または局面CS2との境界線LN1が存在する場合において、外部に露出したウインドウの面積が図13の場合よりも小さい時の、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図14(b)に対応する図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
[X線撮影装置の概略的な構成]
始めに、本発明の一実施の形態におけるX線撮影装置の概略的な構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるX線撮影装置の概略的な構成を示す断面図である。なお図1は、電子銃からターゲットへの電子線の進行方向(矢印AR1)と、ウインドウからワークWKへのX線の放射方向の中で、ウインドウの外面の法線方向と一致するX線の進行方向(矢印AR2)とを含む断面で見た場合の断面図である。z軸方向は、電子線の進行方向(矢印AR1で示す方向)を示しており、z1軸方向は、ウインドウの外面の法線方向(矢印AR2で示す方向)を示している。x軸、y軸、およびz軸の各々は互いに直交しているものとする。さらに、x1軸、y軸、およびz1軸の各々は互いに直交しているものとする。
図1を参照して、本実施の形態のX線撮影装置は、X線発生装置1と、X線検出装置70と、制御部80と、操作部90などを備えている。検査およびX線照射の対象となるワークWKは、X線発生装置1側を向いたワークWKの平面の法線が、ウインドウの外面の法線に対して平行になるように配置される。なお矢印AR2は、X線の放射方向の中で、ウインドウの外面の法線方向と一致するX線の進行方向を示している。ワークWKは、X線発生装置1側を向いたワークWKの平面の法線がウインドウの外面の法線に対して傾斜するように配置されてもよい。ワークWKは平板であってもよく、ウインドウからはみ出る大きさのものであってもよい。ワークWKはウインドウに接触して配置されてもよい。
X線発生装置(X線源)1は、反射型のX線発生装置である。X線発生装置1において、チャンバー10は、密閉型であり、減圧された内部空間ISを構成している。内部空間ISはz軸方向に延在している。電子銃20は、内部空間ISにおいてチャンバー10に支持されている。X線発生装置1は、内部空間ISにおいて、電子銃20から矢印AR1で示すようにターゲットに対して電子線を照射することにより、ターゲットからX線を発生させる。ターゲットから発生したX線は、放射状に広がり、チャンバー10に設けられたウインドウ12から内部空間ISの外部に導かれ、ワークWKに照射される。矢印AR4は、放射状に広がるX線の端部の進行方向を示している。X線発生装置1の下部は、ケース100内に配置されている。ケース100内には、電源101が設けられている。チャンバー10の底部や電子銃20は電源101によって高電圧に保たれ、ケース100は接地電位に保たれる。ケース100内には、放電を防止する目的で、絶縁ガスや樹脂などが充填されている。
X線検出装置70は、ワークWKを透過したX線を受信し、受信したX線の強度を示す信号を制御部80に送信する。
制御部80は、X線発生装置1、X線検出装置70、および操作部90の各々と電気的に接続されており、X線撮影装置全体の制御を行う。制御部80は、X線発生制御部81と、位置角度調節部82と、画像生成部83とを含んでいる。
X線発生制御部81は、X線発生装置1の電子銃20およびレンズを構成する部分に印加する電圧、ならびにX線発生装置1内部の真空度などを制御することにより、X線発生装置1から発生するX線を制御する。
位置角度調整部82は、ワークWKを移動または傾斜させることにより、ワークWKの見たい位置(X線の照射位置)や見たい角度(X線の照射角度)を調節する。位置角度調整部82は、X線発生装置1およびX線検出装置70を、ターゲットにおける電子線の照射位置またはワークWKを中心に回転させることで、ワークWKの見たい位置や見たい角度を調節するものであってもよい。また位置角度調整部82は、X線検出装置70をx1軸方向やy軸方向に沿って移動させることで、ワークWKの見たい位置や見たい角度を調節するものであってもよい。
画像生成部83は、X線検出装置70から受信した信号に基づいて、ワークWKのX線画像を生成する。
操作部90は、X線撮影装置に関する各種操作を操作者から受け付け、受け付けた操作に基づく信号を制御部80に送信する。
[X線発生装置の構成]
続いて、本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の構成について説明する。
図2は、本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第1の構成を示す断面図である。
図2を参照して、第1の構成のX線発生装置1は、チャンバー10と、電子銃20と、伸縮部30と、調節部40と、電極51と、固定台52などを含んでいる。電子銃20、伸縮部30、および固定台52の各々は、チャンバー10の内部空間ISに設けられている。調節部40および電極51の各々は、チャンバー10の底部14に設けられている。
チャンバー10は、ヘッド部(アノード)11と、ウインドウ(X線取出窓)12と、ターゲット13と、底部14と、本体15と、金属板(接合リング)16aおよび16bなどを含んでいる。チャンバー10の内部空間ISは、少なくとも、電子銃20とターゲット13との間を電子が飛翔することができる程度の真空度(たとえば1×10-4Pa以下の真空度)を有している。内部空間ISの真空度は、使用する電子銃20の種類や、電子銃20の動作温度などを考慮して適宜設定されることが好ましい。
ヘッド部11は、本体15におけるワークWK側(図2中上側)に固定されている。ヘッド部11は、金属板16aに対して溶接などの方法で固定されており、金属板16aは、本体15に対してロウ付けなどの方法で固定されている。ヘッド部11およびターゲット13は、電子線照射時に接地電位(GND電位)に保たれる。ヘッド部11は、たとえば、z軸方向に沿って図2中上側に行くほど、z軸方向に対して垂直な方向の長さ(x軸方向またはy軸方向の長さ)が小さくなる先細りの形状を有している。ヘッド部11は、略多角円錐形状または略円錐形状の先端部を有していることが好ましい。ヘッド部11は、たとえば銅などの金属よりなっている。
ウインドウ12は、ヘッド部11における最もワークWK側の位置の付近に固定されている。ウインドウ12は、内部空間ISとヘッド部11の外部との間に設けられた孔11aを塞いでいる。ウインドウ12の外面は平面であり、z1軸方向の法線を有している。ウインドウ12の外面と、ヘッド部11の外面とは略同一平面上にある。ウインドウ12は、ヘッド部11よりも高いX線透過率を有している。ウインドウ12は、Be(ベリリウム)、SiN(窒化シリコン)、SiC(炭化シリコン)、またはダイヤモンドライクカーボンなどよりなっている。ウインドウ12は、たとえば円板、四角板、または台形板などの形状を有している。ウインドウ12の厚みは、たとえば0.01mm以上1mm以下であり、好ましくは0.05mm以上0.5mm以下であり、より好ましくは0.1mm以上0.3mm以下である。また外部に露出したウインドウ12の面積は、0.5平方ミリメートル以上20平方ミリメートル以下であることが好ましい。外部に露出したウインドウ12の面積を0.5平方ミリメートル以上とすることで、X線の放射角を確保することができる。外部に露出したウインドウ12の面積を20平方ミリメートル以下とすることで、ヘッド部11を小型化することができる。
ターゲット13は、ヘッド部11における内部空間ISに面した部分に固定されている。ターゲット13は、ウインドウ12に近接している。ターゲット13の一端は、ウインドウ12とヘッド部11との接合部に近接している。ターゲット13は、電子線が照射された場合にX線を発生するX線の発生源である。ターゲット13は、通常、原子番号26以上の重金属よりなっている。ターゲット13は、熱伝導率が大きく融点が高いものが好ましい。具体的には、ターゲット13は、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Rh(ロジウム)、Mo(モリブデン)、またはCr(クロム)などよりなっている。ターゲット13の厚みは、たとえば0.1μm以上1mm以下である。
ターゲット13は、基板の一方の面にスパッタや蒸着などの方法で形成され、基板の他方の面がヘッド部11の内壁面に接合されることにより、ヘッド部11に固定されてもよい。この場合の基板は、たとえばダイヤモンドライクカーボン、ダイヤモンド、グラファイトシート、またはベリリウムなどの軽元素の材料よりなる。またターゲット13は、圧延や研磨などにより作製された薄膜によって形成されてもよい。ターゲット13の厚みは、たとえば0.1μm以上3μm以下である。ターゲット13が、軽元素よりなる基板の一方の面(電子線が照射される面)に重金属が形成されたものである場合、基板の厚みは電子線の電子が基板内で停止する程度の厚みを有することが好ましい。重金属から発生するX線の強度は、軽元素から発生するX線の強度よりも大きくなる。このようにすることで、ターゲット13におけるX線発生部の大きさを小さくすることができる。
底部14は、本体15におけるワークWKの反対側(図2中下側)に固定されている。底部14は、ウインドウ12との間で電子銃20および固定台52を挟む位置に設けられている。底部14は、金属板16bに対して溶接などの方法で固定されており、金属板16bは、本体15に対してロウ付けなどの方法で固定されている。底部14はたとえばステンレスなどの金属よりなっている。底部14の中央部には複数の孔14aが開口されており、複数の孔14aの各々には複数の電極51が挿入されている。電極51と底部14との間には、たとえばガラスなどの絶縁材料が気密になるように埋められている。複数の電極51の各々は、電子銃20に電位または電力を供給するためのものである。
本体15は、円筒形状を有しており、ワークWK側およびワークWKの反対側の各々に開口を有している。ワークWK側の開口は、ヘッド部11およびウインドウ12によって覆われている。ワークWKの反対側の開口は、底部14によって覆われている。本体15は、電子銃20とターゲット13(ヘッド部11)とを絶縁している。本体15は、たとえばセラミックなどの絶縁体よりなっている。
電子銃20は、円筒形状の固定台52に固定されている。電子銃20は、伸縮部30および固定台52を介して底部14に支持されている。電子銃20は、電子線照射時に負電位に保たれる。電子銃20は、防熱型カソード、タングステンフィラメント、もしくはLaB6カソードなどの結晶電子源、またはコールドFEもしくはサーマルFEなどの電界放射型のものを使用することができる。
なお、電子銃20は、電子銃20から発生した電子を内部空間ISに引き出して収束するためのレンズ(図示無し)を含んでいる。電子銃20のレンズは、静電レンズ型のものであっても磁気レンズ型のものであってもよい。
図3は、図2中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。なお図3、図5、および図7では、固定台下端部52aにおける押しネジ41が接触する部分を三角形の記号で示しており、固定台下端部52aにおける引きネジ42が接触する部分を四角形の記号で示している。
図2および図3を参照して、固定台52は、z軸方向から見た場合に円周の平面形状を有する固定台下端部52aを含んでいる。伸縮部30は、固定台下端部52aと連結されており、底部14に支持されている。伸縮部30は、外部からの力により伸縮可能である。伸縮部30は、固定台下端部52aから内径側(図2中電極51側)に延在し、底部14に達する内径側部分30aと、固定台下端部52aから外径側(図2中本体15側)に延在し、底部14に達する外径側部分30bとを含んでいる。
調節部40は、伸縮部30を局所的に伸縮させることにより、電子銃20から照射する電子線(矢印AR1で示す方向)の、内部空間ISの延在方向(z軸方向)に対する傾斜角を調節する。調節部40は、押しネジ41(押し部の一例)と、引きネジ42(引き部の一例)とを含んでいる。押しネジ41および引きネジ42の各々は、たとえば3個である。押しネジ41は、底部14に設けられた孔14bに螺合している。孔14bの内壁にはねじ山が形成されている。引きネジ42は、底部14に設けられた孔14cに挿入されている。孔14cは貫通孔であり、孔14cの内壁にはねじ山が形成されていない。引きネジ42の頭の部分は底部14の孔14cの周辺面に接している。押しネジ41および引きネジ42の各々は、固定台下端部52aの縁の円周形状に沿って等間隔で交互に設けられている。
押しネジ41は、孔14bに入り込む方向に回転された場合、固定台下端部52aを底部14から離れる方向に押す。これによって、押しネジ41が固定台下端部52aを押す位置の付近における伸縮部30が局所的に伸び、電子銃20および固定台52と、底部14との距離は、押しネジ41が固定台下端部52aを押す位置の付近において局所的に大きくなる。
引きネジ42の先端は、固定台下端部52aの内部に設けられた溝52bと螺合している。引きネジ42が固定台下端部52aに入り込む方向に回転された場合、引きネジ42の頭の部分は底部14に接し押しつけられる。そのため、引きネジ42は固定台下端部52aを底部14の方向へ引っ張る。これによって、引きネジ42が固定台下端部52aを引っ張る位置の付近における伸縮部30が局所的に縮み、電子銃20および固定台52と、底部14との距離は、引きネジ42が固定台下端部52aを引く位置の付近において局所的に小さくなる。
たとえば、図2中右側の押しネジ41が孔14bに入り込む方向に回転され、図2中左側の引きネジ42が溝52bに入り込む方向に回転された場合には、電子銃20は、矢印M1で示す方向に傾斜し、それによって電子線の軌跡も矢印M11で示す方向に変化する(電子線の傾斜角が大きくなる)。その結果、ターゲット13における電子線の照射位置が変化し、ターゲット13における電子線の照射位置とウインドウ12の大気側表面との距離(最小FOD)が変化する。また、図2中右側の押しネジ41の両隣りの引きネジ42が溝52bに入り込む方向に回転され、図2中左側の引きネジ42の両隣りの押しネジ41が孔14bに入り込む方向に回転された場合には、電子銃20は、矢印M2で示す方向に傾斜し、それによって電子線の軌跡も矢印M12で示す方向に変化する(電子線の傾斜角が大きくなる)。その結果、ターゲット13における電子線の照射位置が変化し、ターゲット13における電子線の照射位置とウインドウ12の大気側表面との距離(最小FOD)が変化する。
電子銃20を目的の角度に調整した後、角度が傾かないように押しネジ41は押す力を固定台52に与えるとともに、引きネジ42は固定台52を引き付ける。押しネジ41および引きネジ42の各々は、固定台52に対して、固定台下端部52aの周方向に沿って互いに反対の方向に力を加える。これにより、固定台52は安定に固定される。その結果、振動などによって電子銃20の傾きが不要に変化するのを防止することができる。
図4は、本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第2の構成を示す断面図である。図5は、図4中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。
図4および図5を参照して、第2の構成のX線発生装置1では、チャンバー10の内部空間ISが、チャンバー10、伸縮部30、および固定台52によって構成されている。底部14は、環状を有している。本体15は、たとえばガラスなどの絶縁体よりなっている。
固定台52は、円筒状であり、z軸方向から見た場合に円の平面形状を有する固定台下端部52aを含んでいる。固定台下端部52aは固定台52の円筒形状における一方の開口を覆っている。固定台下端部52aには4つの孔52cが開口されており、4つの孔52cの各々には4つの電極51の各々が挿入されている。電極51の各々の孔52cには、固定台下端部52aと電極51との間を気密に埋めるように、たとえばガラスなどの絶縁材料が設けられている。
なお、第2の構成のX線発生装置1における上述以外の構成、および電子銃20を傾斜させる方法は、第1の構成のX線発生装置の場合と同一であるため、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図6は、本発明の一実施の形態におけるX線発生装置の第3の構成を示す断面図である。図7は、図6中下側から見た場合の伸縮部30および固定台下端部52aの構成を示す平面図である。
図6および図7を参照して、第3の構成のX線発生装置1では、チャンバー10の内部空間ISが、チャンバー10、伸縮部30、および固定台52によって構成されている。チャンバー10の本体15は、ヘッド部11と一体化している。なお、本体15とヘッド部11とは互いに分離してもよい。本体15は、たとえばステンレスよりなっており、ヘッド部11は、たとえば銅などの金属よりなっていてもよい。チャンバー10は開放型である。本体15には、開口15aが設けられており、開口15aには真空ポンプ60が接続されている。これにより、開口15aを大気に開放して電子銃20などを交換することができる。底部14は、本体15に対して銅ガスケットやOリングなどを挟み、ネジなどで気密に固定されている。底部14は、環状を有している。ヘッド部11および本体15は、たとえば銅などの金属よりなっている。
固定台52は、円錐台形状を有しており、z軸方向から見た場合に円周の平面形状を有する固定台下端部52aを含んでいる。固定台52は、電子銃20とターゲット13(本体15)とを絶縁している。固定台52の一部(固定台下端部52a以外の部分)は、たとえばセラミックなどの絶縁体よりなっている。固定台下端部52aには4つの孔52cが開口されており、4つの孔52cの各々には4つの電極51の各々が挿入されている。伸縮部30は、固定台下端部52aと連結されており、底部14に支持されている。伸縮部30は、ベローズの形状を有している。伸縮部30は、z軸方向から見た場合に固定台下端部52aと重なる位置に配置されている。
なお、第3の構成のX線発生装置1における上述以外の構成、および電子銃20を傾斜させる方法は、第1の構成のX線発生装置の場合と同一であるため、同一の部材には同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
X線発生装置の構成は、上述の第1〜第3の構成のいずれであってもよく、上述の第1〜第3の構成の各々における各部材を適宜組み合わせたものであってもよい。また、X線発生装置の構成は、上述の第1〜第3の構成以外のものであってもよい。
[ヘッド部の外観形状]
続いて、本発明の一実施の形態におけるヘッド部の外観形状について説明する。
図8は、本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第1の構成を示す斜視図である。
図8を参照して、第1の構成のヘッド部11は、円筒の上部が複数の面によって削られた形状を含んでいる。ヘッド部11の先端は、略多角錐形状を有している。ヘッド部11は、円筒を削る平面である平面PL1およびPL2と、円筒の側面である曲面CS1とを有している。ウインドウ12は、平面PL1におけるヘッド部11の先端付近に設けられている。平面PL1およびPL2の法線は、円筒の回転軸OAに対して傾斜している。平面PL1と平面PL2とは境界線LN1で隣接している。境界線LN1は、直線状であり、ヘッド部11における最も先端(最もワークWKに近い位置)に位置している。平面PL1およびPL2の各々は、略半円状の平面形状を有している。
図9は、本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第2の構成を示す斜視図である。
図9を参照して、第2の構成のヘッド部11もまた、円筒の上部が複数の面によって削られた形状を含んでいる。ヘッド部11の先端は、略多角錐形状を有している。ヘッド部11は、円筒を削る平面である平面PL1、PL2、PL3、およびPL4と、円筒の側面である曲面CS1とを有している。ウインドウ12は、平面PL1におけるヘッド部11の先端付近に設けられている。平面PL1、PL2、PL3、およびPL4の各々の法線は、円筒の回転軸OAに対して傾斜しており、平面PL1、PL2、PL3、およびPL4の各々は、円筒の回転軸OAを取り囲むように配置されている。平面PL1と平面PL2とは境界線LN1で隣接しており、平面PL1と平面PL3とは境界線LN2で隣接しており、平面PL2と平面PL4とは境界線LN3で隣接しており、平面PL3と平面PL4とは境界線LN4で隣接している。境界線LN1、LN2、LN3、およびLN4の各々は、直線状である。平面PL1、PL2、PL3、およびPL4の各々は、略三角形状の平面形状を有している。平面PL1と平面PL2とは、円筒の回転軸OAを含む平面PL10に関して対称である。
図10および図11は、本発明の一実施の形態におけるヘッド部の第3の構成を示す斜視図である。
図10および図11を参照して、第3の構成のヘッド部11もまた、円筒の上部が複数の面によって削られた形状を含んでいる。ヘッド部11の先端は、略円錐形状を有している。ヘッド部11は、円筒を削る平面である平面PL1と、円筒を円錐形状に削る曲面である曲面CS2と、円筒の側面である曲面CS1とを有している。ウインドウ12は、平面PL1におけるヘッド部11の先端付近に設けられている。平面PL1の法線は、円筒の回転軸OAに対して傾斜しており、平面PL1および曲面CS2の各々は、円筒の回転軸OAを取り囲むように配置されている。平面PL1と曲面CS2とは境界線LN1およびLN2の各々で隣接している。境界線LN2およびLN3の各々は、曲線状である。平面PL1は、略三角形状の平面形状を有している。
ヘッド部の構成は、上述の第1〜第3の構成のいずれであってもよく、またこれら以外の構成であってもよい。また、第1〜第3の構成のヘッド部の各々は、上述の第1〜第3の構成のX線発生装置のいずれに適用されてもよく、上述以外のX線発生装置に適用されてもよい。
[実施の形態の効果]
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態によれば、電子線の傾斜角を調節することができるので、ターゲット13を移動する場合に比べてより簡素な方法で、ターゲット13における電子線の照射位置を広い範囲で変更することができる。その結果、ターゲット13の品質低下を十分に抑止することができる。
また、ウインドウ12に不純物が混入した場合(この現象は、ウインドウ12がBeよりなる場合に起こりやすい)、不純物を回避してX線を照射することができるので、ワークWKの撮影画像の品質の低下を抑止することができる。
また、ウインドウ12に最も近い位置のターゲット13に電子線を照射することで、FODをある程度短くすることができる。
さらに、電子線の傾斜角を調節することができるので、ターゲットにおける電子線の照射位置を広い範囲で適切に設定することができる。これにより、ウインドウを小型化することができ、ヘッド部の先端付近のサイズを小さくすることができる。その結果、特に第2および第3のヘッド部の構成のように、ウインドウ12が設けられている平面の付近に、他の面との境界線が存在する構成をヘッド部11が有している構成の場合には、ワークWKにおけるX線が照射される側の平面の法線がウインドウ12の外面の法線(z1軸方向)に対して傾斜した状態でも、FODを小さくすることができる。FODを小さくすることができる効果について、図12〜図14を用いて詳細に説明する。
図12は、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、他の面との境界線が存在しない場合における、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図である。
図12を参照して、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、他の面との境界線が存在しない構成をヘッド部11が有している場合とは、たとえばヘッド部11の先端が単一の平面よりなる場合(ヘッド部11が略円筒形状を有する場合)などである。この場合、ワークWKにおけるヘッド部11側の平面の法線(矢印AR3)をウインドウ13の外面の法線(矢印AR2)に対して傾斜させると(ワークWKを傾けると)、丸印X1で示す位置においてワークWKの端部がヘッド部11と干渉し、ワークWKをターゲット13に接近させることができない。その結果、FODは距離D1という大きな値になる。
図13は、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または曲面CS2との境界線LN1が存在する場合における、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図である。
図13を参照して、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または曲面CS2との境界線LN1が存在する場合、ワークWKが平面PL2または曲面CS2に接近するように境界線LN1を支点としてワークWKを傾けることができる。これにより、図12の場合に比べてワークWKをターゲット13に接近させることができる。その結果、FODは、距離D1よりも小さい距離D2という値になる。なお図13の場合、外部に露出したウインドウ12をAR2が貫く点と境界線LN1との最短距離は、距離D11となる。
図14(a)は図9の平面PL1面を表したものであり、図13におけるウインドウ12を矢印AR2が貫く点と境界線LN1との最短距離D11が描かれている。図14(b)は、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または局面CS2との境界線LN1が存在する場合において、矢印AR2の位置を平面PL1の略三角形状の先端に近づけることで、外部に露出したウインドウの面積が図13(図14(a))の場合よりも小さくする時の、図である。ウインドウ12を矢印AR2が貫く点と境界線LN1との最短距離D12が描かれている。距離D12は距離D11より短くできることがわかる。
図15は、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または局面CS2との境界線LN1が存在する場合において、外部に露出したウインドウの面積が図13の場合よりも小さい時の、ヘッド部11とワークWKとの位置関係を模式的に示す図14(b)に対応する図である。
図15を参照して、本実施の形態の第2および第3の構成のヘッド部11では、ウインドウ12が設けられている平面PL1の付近に、平面PL2または曲面CS2との境界線LN1が存在している。このような構成では、上述のようにウインドウ12の面積を従来の面積(図13の場合の面積)よりも小さくすることにより、外部に露出したウインドウ12を矢印AR2が貫く点と境界線LN1との最短距離は、距離D11より小さい距離D12となる。その結果、FODは、距離D2よりも小さい距離D3という値になる。
なお、本実施の形態における最小FOD(ターゲット13における電子線が照射される面からウインドウ12の外面までの距離の最小値)を示す距離D4は、たとえば0.1mm以上4mm以下であり、好ましくは0.2mm以上2mm以下であり、より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは1mm以上1.5mm以下である。従来のX線発生装置では、組み立て精度の再現性が悪く、最小FODに大きな変動が生じていたが、本実施の形態のようにX線発生装置に電子線の角度調節機能を付加することで、最小FODを上述の範囲のように精度良く調整することができる。
透過型では標準的にはウインドウ12の厚みを0.5mmにして使われている。したがって、最小FODは0.5mmとなる。一方、反射型では標準的には10mm程度で使われている。反射型で最小FODがたとえば1mmから1.5mm程度の場合を説明する。この場合、透過型と比べて大差なく使える。たとえばワークWKの厚みが3mmの場合、透過型では厚みを含めたFODが3.5mm、本実施の形態では厚みを含めたFODが、たとえば4mmから4.5mmとなり、よく用いられるワークWKの厚みでは大差がない。また、反射型では冷却できる分、X線量を多くすることができるので、透過型と比べて、X線検出装置70を離すことで透過型と同等の拡大率を実現することもできる。
さらに本実施の形態によれば、FODが小さくなることにより、次のような効果を得ることができる。
X線発生装置1とX線検出装置70との距離を従来の場合の距離と同じにした場合には、FODが小さくなることで、ワークWKの撮影画像の幾何倍率を大きくすることができ、ワークWKの撮影画像を拡大して見ることができる。
幾何倍率を従来の場合と同じにした場合には、FODが小さくなることで、X線検出装置70におけるX線の受光量が増加する。これにより、X線の受光量を従来の場合と同程度に減らす場合、ターゲット13に衝突させる電子線の量を減らすことができる。その結果、電子線の広がりを小さくすることができ、ターゲット13におけるX線発生部の大きさを小さくすることができる。すなわち、分解能の向上することができる。また、電子線の量を減らすことができるので、ターゲット13の損傷を小さくすることができる。
[その他]
X線発生装置は、密閉型および開放型の他、マイクロフォーカス型(10μm以下の焦点径を有するもの)であってもよい。X線発生装置がマイクロフォーカス形である場合、焦点径は、5μm以下であることが好ましい。
調節部は、底面に設けられる代わりにチャンバーの側面や前面などに設けられていてもよい。
チャンバーが構成する内部空間の形状は任意であり、内部空間は複数の延在方向を有していてもよい。内部空間が複数の延在方向を有している場合、調節部は、内部空間の少なくとも一の延在方向に対する電子銃から照射する電子線の傾斜角を調節するものであればよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 X線発生装置
10 チャンバー
11 ヘッド部
11a ヘッド部の孔
12 ウインドウ
13 ターゲット
14 底部
14a,14b,14c 底部の孔
15 本体
15a 本体の開口
16a,16b 金属板
20 電子銃
30 伸縮部
30a 伸縮部の内径側部分
30b 伸縮部の外径側部分
40 調節部
41 押しネジ
42 引きネジ
51 電極
52 固定台
52a 固定台下端部
52b 固定台の溝
52c 固定台の孔
60 真空ポンプ
70 X線検出装置
80 制御部
81 X線発生制御部
82 位置角度調節部
83 画像生成部
90 操作部
100 ケース
101 電源
AR1 電子線の進行方向を示す矢印
AR2 ウインドウからワークへのX線の放射方向の中で、ウインドウの法線方向と一致するX線の進行方向を示す矢印
AR3 ワークにおけるヘッド部側の平面の法線の方向を示す矢印
AR4 放射状に広がるX線の端部の進行方向
CS1,CS2 曲面
D1,D2,D3,D4,D11,D12 距離
IS 内部空間
LN1,LN2,LN3,LN4 境界線
M1,M2 電子銃の傾斜方向を示す矢印
M11,M12 電子線の軌跡の変化する方向を示す矢印
OA 円筒の回転軸
PL1,PL2,PL3,PL4,PL10 平面
WK ワーク
X1 ワークの端部がヘッド部と干渉する位置

Claims (20)

  1. 少なくとも一の方向に延在する内部空間を構成するチャンバーと、
    前記内部空間において前記チャンバーに支持され、ターゲットへ電子線を照射する電子銃とを備え、
    前記チャンバーは、前記ターゲットから発生したX線を前記内部空間外へ導くウインドウと、前記一の方向に沿って、前記一の方向に対して垂直な方向の長さが小さくなるヘッド部とを含み、
    前記ウインドウは前記ヘッド部に固定され、
    前記ヘッド部は、円筒の上部が少なくとも第1の面および第2の面の各々によって削られた形状を含んでおり、前記第1の面には前記ウインドウが設けられ、前記第1の面は平面であり、前記第2の面は、前記第1の面との間で境界線を形成し、前記第1の面の法線および第2の面の全ての法線の各々は、前記円筒の回転軸に対して傾斜している、反射型X線発生装置。
  2. 前記第2の面の全ての法線は、前記第1の面の法線と前記円筒の回転軸とを含む平面に対して傾斜している、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  3. 前記ターゲットの表面は平面であり、
    前記第2の面の法線は、前記ターゲットの平面の法線と前記円筒の回転軸とを含む平面に対して傾斜する、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  4. 前記第2の面は曲面である、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  5. 前記第2の面は平面であり、
    前記第1の面と前記第2の面との境界線は、前記ヘッド部における前記X線を照射するターゲットに最も近い位置に位置する、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  6. 前記ヘッド部は、円筒の上部が第3の面によってさらに削られた形状を含んでおり、前記第2および第3の面はいずれも平面であり、前記第3の面は、前記第1の面との間で境界線を形成し、前記第2の面と前記第3の面とは、前記円筒の回転軸を含む平面に関して対称である、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  7. 前記ヘッド部は、円筒の上部が第4の面によってさらに削られた形状を含んでおり、
    前記第1の面と前記第2の面との境界線、前記第2の面と前記第3の面との境界線、前記第3の面と前記第4の面との境界線、および前記第4の面と前記第1の面との境界線の各々は直線状であり、かつ前記円筒における削られていない部分と隣接する、請求項6に記載の反射型X線発生装置。
  8. 前記第2の面は、前記円筒を円錐形状に削る曲面であり、
    前記第1および第2の面の各々は、前記円筒の回転軸を取り囲むように配置されている、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  9. 前記電子銃から照射する電子線の前記一の方向に対する傾斜角を調節する調節部をさらに備えた、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  10. 外部からの力により伸縮可能な伸縮部をさらに備え、
    前記電子銃は、前記伸縮部を介して前記チャンバーに支持され、
    前記調節部は、前記伸縮部を局所的に伸縮させる、請求項に記載の反射型X線発生装置。
  11. 前記電子銃を固定し、前記伸縮部と連結された固定台をさらに備え、
    前記チャンバーは、前記ウインドウとの間で前記電子銃および前記固定台を挟む位置に設けられた底部をさらに含み、
    前記伸縮部は前記底部に支持される、請求項10に記載の反射型X線発生装置。
  12. 前記調節部は、前記電子銃と前記底部との距離を局所的に大きくする方向に前記固定台を押す押し部を含む、請求項11に記載の反射型X線発生装置。
  13. 前記調節部は、前記電子銃と前記底部との距離を局所的に小さくする方向に前記固定台を引く引き部を含む、請求項11に記載の反射型X線発生装置。
  14. 前記調節部は、
    前記電子銃と前記底部との距離を局所的に大きくする方向に前記固定台を押す押しネジと、
    前記電子銃と前記底部との距離を局所的に小さくする方向に前記固定台を引く引きネジとを含み、
    前記押しネジおよび前記引きネジによって前記固定台は固定される、請求項11に記載の反射型X線発生装置。
  15. 外部に露出した前記ウインドウの部分の面積は、0.5平方ミリメートル以上20平方ミリメートル以下である、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  16. 前記ターゲットは、軽元素材料よりなる基板と、前記基板における電子線が照射される面に形成された重金属材料とを含む、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  17. 前記ターゲットにおける電子線が照射される面から前記ウインドウの外面までの距離の最小値は、0.1mm以上4mm以下である、請求項1に記載の反射型X線発生装置。
  18. 前記ターゲットにおける電子線が照射される面から前記ウインドウの外面までの距離の最小値は、0.2mm以上2mm以下である、請求項17に記載の反射型X線発生装置。
  19. 前記ターゲットにおける電子線が照射される面から前記ウインドウの外面までの距離の最小値は、0.3mm以上1.5mm以下である、請求項18に記載の反射型X線発生装置。
  20. 焦点径が0より大きく5μm以下である、請求項1に記載の反射型X線発生装置。

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