JPWO2008062519A1 - X線発生装置 - Google Patents

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Abstract

この発明のX線発生装置によれば、カソード・ターゲット間に配設された少なくとも2つ以上の中間電極のうち、カソードに最も近い第1電極に、容器と同電位の電位を与えることで、第1電極の熱容量を大きくして容器に接触したとしても、X線発生装置の機能を損なうことはない。その結果、放熱対策として第1電極を大きくする、あるいは第1電極を容器に接触させることができるなどの第1電極は構造の制約が受け難くなる。また、第1電極を容器に接触させることで電子銃と容器との位置関係が決まり、X線発生装置の組み立てが容易となる。さらには、第1電極の電位に対してカソード、中間電極(例えば第2電極、第3電極)、ターゲットなど全ての電位が正極性になり、電源管理が容易となる。

Description

この発明は、工業分野、医療分野などに用いられるX線発生装置に関する。
X線発生装置(X線管)は工業分野、医療分野などに用いられ、例えば非破壊検査機器に用いられる。非破壊検査機器に搭載されたX線管は、開放型X線管と密閉型X線管とに大別される。開放型X線管の場合には、ターボ分子ポンプなどを用いて容器を真空引きする構造となっており、カソードを形成するフィラメントやターゲットなどの消耗品の交換が可能である。密閉型X線管の場合には、真空ポンプが不要で容器内が真空封止されている。このうち、密閉型X線管の電子銃には、長期安定性の観点からブラウン管に使用されているような平面型陰極がカソードとして搭載されることが多い。
図6は、平面型陰極の電子ビームの引き出し部分を模式化したものである。図6に示すように、電子ビームBを出射するカソード102a・ターゲット間には、2つ以上の中間電極を配設している。これら中間電極のうちカソード102a側から順に第1電極102b、第2電極102cとする。カソード102aの電位を基準電位として、第1電極102bの電位には負の電位が、第2電極102cには正の電位がそれぞれ印加される。カソード102aから出射した電子ビームBはこれらの電極の近傍(図6中の符号「D」を参照)でクロスオーバー(仮想光源)を形成する。
この電子銃をX線管に搭載した従来の模式図を図7または図8に示す。図7または図8に示すように、真空容器101内に電子銃102とターゲット103とを収納し、電子銃102から照射された電子ビームBをターゲット103に衝突させ、衝突部位から発生したX線を真空容器101に設けられたX線窓101bから取り出すようにX線管Tは構成されている。電子銃102は、電子ビームBを出射するカソード102aと、第1電極102bや第2電極102cなどの中間電極とで構成されている。実際のX線管では、上述したクロスオーバー像を目標の焦点径でターゲット103上に結像する必要があるので、中間電極として第3電極(「集束電極」とも呼ばれる)102dをさらに組み込んで電子光学系を構成する。
X線管Tの組み立ての構造上、電子銃102のカソード102aと第1電極102b、第1電極102bと第2電極102cは機械的にそれぞれ接続されているが、それぞれの別の電位を独立に印加する必要があるので、カソードや各電極は、例えばアルミナやサファイア、ビードガラスなどのような電気的絶縁物を介して組み立てられている。また、カソードや各電極に電位を印加する方法としては、図7または図8に示すように、ステム104のピン105(図7または図8を参照)と目的の電極とを細い支柱もしくはリボン電極106(図8を参照)を介して、電気的、機械的に接続してX線管T外から電位を与える。これら電極やおよびカソードには最大で数kVの電位が印加される可能性があるので、電子銃102部分と真空容器101とは最低でも1mm程度の空間ギャップで隔絶されている。なお、真空容器101は接地されている。また、これら電極の電位を規定したものとして、上述した第3電極を真空容器に当接して同電位とする方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2000−30641号公報(第2,3,5頁、図1) 特開2000−48746号公報(第2,3,5頁、図1)
X線管Tが搭載される非破壊検査機器では、図7または図8に示すようにX線窓101b近傍に試料Sを近接させて拡大投影して、より精密な検査を行う。拡大投影すべく拡大率を大きく取るためには、電子ビームBのターゲット103への衝突部位(「X線発生点」とも呼ばれる)からX線窓101bまでの距離(図7または図8中の符号「L」を参照)をできるかぎり小さくする必要がある。図7または図8のような構造では、電子ビームBがターゲット103に衝突した後に電子ビームBの光軸Oに対して直交方向にX線が発生する。したがって、光軸Oとターゲット103の軸とが機械的に直交配置されるので、上述した距離Lを小さくするということは電子銃102部分の電極サイズを小さくすることを意味している。また、各電極に上述したように独立して電位を与える必要があるので、各電極サイズは必然的に小さくなり、熱容量も小さくなる。
一方、非破壊検査機器で電子部品等の微細構造を観察する場合、クリアな画像を得るためには焦点も微細化する必要があり、焦点径がミクロンオーダー、サブミクロンオーダーのX線管(「マイクロフォーカスX線管」とも呼ばれている)が必要である。このX線管の場合には、電子光学系の電極配置についても所定の位置に高精度で配置されることが必要条件となる。
このようなX線管の焦点の微小化を図る場合、球面収差を低減させてクロスオーバー径を小さくするという目的から、図6に示される電子銃寸法(ディメンジョン)のうち、第1電極102bの開口(図6中の符号「D1」を参照)を小さくする必要がある。その結果、カソード102aに対して正の電位を有する第2電極(「引き出し電極」とも呼ばれる)102cの電界が開口D1の微小化によってカソード102a面へ到達しにくくなる。第2電極102cの電界をカソード102a面へ到達させるために、カソード102aと第1電極102bとの距離(図6中の符号「d1」を参照)をできるかぎり小さくして、カソード102aと第1電極102bとをサブミリオーダーで近接させる必要が生じる。また、同じ観点から、第1電極の厚み(図6中の符号「t1」を参照)もできる限り薄い方が好ましく、厚みt1もサブミリオーダーまで薄くする必要がある。
その結果、約1000℃で点灯・制御されているカソード102a面が第1電極102bの近傍に配置されることになり、輻射熱によって薄板である第1電極102bの温度も大きく上昇することになる。このとき、第1電極102bと接合されているアルミナなどの絶縁物は一般的に熱伝導が悪く、また細い支柱やリボン電極106からの熱の逃げ(放熱)も悪いので、第1電極およびその近傍部品の温度上昇による熱膨張により所定の光学ディメンジョンが得られない。また、第1電極からカソードへの再輻射でカソード温度が設定以上に上昇し、寿命が劣化するという不都合が生じる。
しかるに、各電極の熱容量を大きくして放熱を図ろうとしても、上述したように各電極サイズが小さく設定されている構造上、電子銃ディメンジョンの制約を受けてしまう。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、構造の制約が受け難いX線発生装置を提供することを目的とする。
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明のX線発生装置は、電子銃とターゲットとを容器内に収容し、前記電子銃から照射された電子ビームを前記ターゲットに衝突させ、衝突部位から発生したX線を前記容器に設けられたX線窓から取り出すように構成されたX線発生装置であって、電子銃を、前記電子ビームを出射するカソードと、カソード・ターゲット間に配設された少なくとも2つ以上の中間電極とで構成し、これら中間電極のうち前記カソードに最も近い第1電極に、容器と同電位の電位を与えることを特徴とするものである。
この発明のX線発生装置によれば、カソード・ターゲット間に配設された少なくとも2つ以上の中間電極のうち、カソードに最も近い第1電極に、容器と同電位の電位を与える。したがって、第1電極の熱容量を大きくして容器に接触したとしても、容器と同電位の電位が第1電極に与えられているので、X線発生装置の機能を損なうことはない。その結果、放熱対策として第1電極を大きくする、あるいは第1電極を容器に接触させることができるなどの第1電極は構造の制約が受け難くなる。
上述した発明の一例は、上述した容器および第1電極の電位を接地電位にすることである。元来、容器は接地されているので、第1電極の電位を接地電位にすれば、容器と同電位の電位を第1電極に簡易に与えることができる。容器および第1電極の電位を接地電位にすると、上述したカソード、ターゲットおよび中間電極を含めた装置内の全ての電極の電位を0または正の電位にすることが可能である。また、0または正の電位にすることで第1電極の電位に対してカソード、中間電極(例えば第2電極、第3電極)、ターゲットなどの全ての電極の電位が正極性になり、電源管理が容易となる。
上述したこれらの発明において、第1電極を容器に当接させることで直接的に接触させてもよいし、第1電極と容器との間に単数または互いに当接した複数の導電部材を配設し、その導電部材を第1電極に当接させるとともに容器に当接させることで、導電部材を介して第1電極を容器に間接的に接触させてもよい。このように積極的に接触させることで、接触させた時点で第1電極と容器とが電気的に接続されて、第1電極に、容器と同電位の電位を簡易に与えることができる。また、電子銃と容器との位置関係が決まり装置の組み立てが容易となる。
第1電極の物質の好適な一例として、第1電極をMo(モリブデン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Ir(イリジウム)あるいはそれらのいずれかを含む物質で形成する。モリブデン、タンタル、タングステン、イリジウム、あるいはそれらを含む物質は蒸気圧が低く高融点であるので、第1電極中のガスがアウトガスとなって放出され難い。その結果、容器内にアウトガスが放出されずに容器内に悪影響を与えない。ここで、高融点とは融点が2000℃以上を言う。
また、第1電極の物質の好適な他の一例として、第1電極をステンレス鋼で形成する。ステンレス鋼の場合には、モリブデンなどと比較すると蒸気圧が高く1500℃〜1600℃と低融点であるので、本来であれば、ステンレス鋼のクロムのガスが高温によってアウトガスとなって放出されるが、第1電極の熱容量を大きくすることで高温になり難くなってアウトガスが放出され難くなる。その結果、容器内にアウトガスが放出されずに容器内に悪影響を与えない。また、モリブデンは高価で難削材であるのに対して、ステンレス鋼は安価で加工性が良いので、第1電極のサイズや形状を自在に設定することができる。また、ここで、低融点とは融点が2000℃未満を言う。
他の低融点の材料として、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Ni(ニッケル)あるいはそれらのいずれかを含む合金も適用可能である。
この発明に係るX線発生装置によれば、カソード・ターゲット間に配設された少なくとも2つ以上の中間電極のうち、カソードに最も近い第1電極に、容器と同電位の電位を与えることで、第1電極の熱容量を大きくして容器に接触したとしても、X線発生装置の機能を損なうことはない。その結果、放熱対策として第1電極を大きくする、あるいは第1電極を容器に接触させることができるなどの第1電極は構造の制約が受け難くなる。
また、第1電極と容器に接触させることで電子銃と容器との位置関係が決まり、X線発生装置の組み立てが容易となる。さらには、第1電極の電位に対してカソード、中間電極(例えば第2電極、第3電極)、ターゲットなど全ての電位が正極性になり、電源管理が容易となる。
実施例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 変形例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 さらなる変形例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 さらなる変形例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 さらなる変形例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。 平面型陰極方電子銃の3極管部(アノード、第1および第2電極)の模式図である。 従来のX線管の構成を示す概略断面図である。 従来のX線管の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 真空容器
1b … X線窓
2 … 電子銃
2a … カソード
2b … 第1電極
2c … 第2電極
2d … 第3電極
3 … ターゲット
8 … 導電部材
T … X線管
以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。図1は、実施例に係るX線管の構成を示す概略断面図である。なお、本実施例では、電子ビームの光軸に対して直交方向にX線を出射するように電子銃およびターゲットを配設して、ターゲットで電子ビームBを衝突および反射させてX線を発生させる反射型X線管を例に採って説明する。また、本実施例では、容器内が真空封止されて構成された密閉型X線管を例に採って説明する。
図1に示すように、真空容器1内に電子銃2とターゲット3とを収納し、電子銃2から照射された電子ビームBをターゲット3に衝突させ、衝突部位(X線発生点)から発生したX線を真空容器1に設けられたX線窓1bから取り出すようにX線管Tは構成されている。X線管Tは、この発明におけるX線発生装置に相当し、真空容器1は、この発明における容器に相当し、電子銃2は、この発明における電子銃に相当し、ターゲット3は、この発明におけるターゲットに相当し、X線窓1bは、この発明におけるX線窓に相当する。
電子銃2は、電子ビームBを出射するカソード2aと、第1電極102bや第2電極102cや第3電極102dの中間電極とで構成されている。これら中間電極のうちカソード2a側から順に第1電極2b、第2電極2c、第3電極2dとする。カソード2aは、この発明におけるカソードに相当し、第1電極2b、第2電極2cおよび第3電極2dは、この発明における中間電極に相当する。
カソード2aとして、ブラウン管に使用されているような平面型陰極が用いられる。この陰極は、タングステンで形成されたフィラメントと比較すると長寿命である。カソード2aには、正の電位が印加されて与えられる。第2電極2cは「引き出し電極」とも呼ばれており、本実施例では、第2電極2cには正の電位が印加されて与えられる。第3電極2dは「集束電極」とも呼ばれており、クロスオーバー像を目標の焦点径でターゲット3上に結像する電子光学レンズの機能を有する。目標とする焦点径や各電極間の距離に応じて第3電極2dには、0または正の電位が印加されて与えられる。
本実施例では、第1電極2bは接地されており、同じく接地されている真空容器1と同電位になる。第1電極2bを形成する物質としては、好ましくはMo(モリブデン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Ir(イリジウム)あるいはそれらのいずれかを含む物質等に代表される高融点金属、または低融点の材料であるステンレス鋼、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Ti(チタン)やステンレス鋼以外の各種の合金である。
カソードや各電極に電位を印加するには、ステム4のピン5と目的の電極とを細い支柱もしくはリボン電極(図示省略)を介して、電気的、機械的に接続してX線管T外から電位を与える。本実施例ではピン5に第1電極保持部材7を取り付け、この第1電極保持部材7を第1電極2bに当接あるいは溶接させる。第1電極保持部7は導電部材で形成され、導電部材の材料については特に限定されない。この第1電極保持部7によって、第1電極2bの熱容量を大きくすることができる。
なお、第1電極2bの熱容量を大きくする構造は、ピン5に取り付けられた第1電極保持部7に限定されず、第1電極2bそのものを大きな構造体で構成すればよい。また、構造体は、光軸Oに軸対称な円盤、円筒状でもよい。
第1電極保持部7は、真空容器1に接触していないが、第1電極2bの熱容量をできる限り大きくするために、真空容器1に近接させる程度にまで第1電極保持部7を大きくして取り付けている。したがって、真空容器1に接触する可能性があるが、第1電極2bには真空容器1と同電位の電位がX線管T外から与えられているので、真空容器1に仮に接触したとしても問題はない。
本実施例に係るX線管Tによれば、カソード2a・ターゲット3間に配設された3つの中間電極のうち、カソード2aに最も近い第1電極2bに、真空容器1と同電位の電位を与える。一方、本実施例では、第1電極保持部材7を第1電極2bに当接あるいは溶接させることで、第1電極2bの熱容量を大きくしている。したがって、第1電極2bの熱容量を大きくして真空容器1に接触したとしても、真空容器1と同電位の電位が第1電極2bに与えられているので、X線管Tの機能を損なうことはない。その結果、放熱対策として第1電極2bを大きくする、あるいは第1電極2bを真空容器1に接触させることができるなどの第1電極2bは構造の制約が受け難くなる。
本実施例では、真空容器1および第1電極2bの電位を接地電位にしている。元来、真空容器1は接地されているので、第1電極2bの電位を接地電位にすれば、真空容器1と同電位の電位を第1電極2bに簡易に与えることができる。真空容器1および第1電極2bの電位を接地電位にすると、上述したカソード2a、ターゲット3および中間電極を含めたX線管T内の全ての電極の電位を0または正の電位にすることが可能である。また、0または正の電位にすることで第1電極2bに対してカソード2a、中間電極(例えば第2電極2c、第3電極2d)、ターゲット3などの全ての電極の電位が正極性になり、電源管理が容易となる。
また、第1電極2bをMo(モリブデン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Ir(イリジウム)、あるいはそれらのいずれかを含む物質等に代表される高融点金属で形成した場合、これらの材料は蒸気圧が低く高融点であるので、第1電極2b中のガスがアウトガスとなって放出され難い。その結果、真空容器1内にアウトガスが放出されずに真空容器1内に悪影響を与えない。
また、第1電極2bをステンレス鋼で形成した場合、ステンレス鋼の場合には、モリブデン等に代表される高融点金属と比較すると蒸気圧が高く低融点であるので、本来であれば、ステンレス鋼のクロムのガスが高温によってアウトガスとなって放出されるが、第1電極2bの熱容量を大きくすることで高温になり難くなってアウトガスが放出され難くなる。その結果、真空容器1内にアウトガスが放出されずに真空容器1内に悪影響を与えない。また、モリブデンは高価で難削材であるのに対して、ステンレス鋼は安価で加工性が良いので、第1電極2bのサイズや形状を自在に設定することができる。この他の低融点材料として、TiやZr、Niあるいはそれらのいずれかを含む合金が挙げられる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、非破壊検査機器などの工業用装置を例に採って説明したが、この発明は、X線診断装置などの医用装置にも適用することができる。
(2)上述した実施例では、カソードとして、平面型陰極を用いたが、これ以外の陰極を用いてもよい。
(3)上述した実施例では、真空容器1に近接させる程度にまで第1電極保持部7を大きくして取り付けており、第1電極2aを真空容器1に積極的に接触させなかったが、この変形例(3)も含めて、下記変形例(4)、(5)のように第1電極2aを真空容器1に積極的に接触させてもよい。例えば、図2に示すように、第1電極2bを真空容器1に当接させることで直接的に接触させる。このように積極的に接触させることで、接触させた時点で第1電極2bと真空容器1とが電気的に接続されて、第1電極2bに、真空容器1と同電位の電位を簡易に与えることができる。また、電子銃2と真空容器1との位置関係が決まり、X線管Tの組み立てが容易となる。この場合には、X線管T外からステム4やピン5を介して第1電極1bに電位を印加する必要はない。
(4)上述した実施例では、真空容器1に近接させる程度にまで第1電極保持部7を大きくして取り付けており、第1電極2aを真空容器1に積極的に接触させなかったが、上述した変形例(3)も含めて、この変形例(4)および下記変形例(5)のように第1電極2aを真空容器1に積極的に接触させてもよい。例えば、図3に示すように、第1電極2bと真空容器1との間に単数の導電部材8を配設し、その導電部材8を第1電極2bに当接させるとともに真空容器1に当接させることで、導電部材8を介して第1電極2bを真空容器1に間接的に接触させてもよい。導電部材8はこの発明における導電部材に相当する。このように積極的に接触させることで、接触させた時点で第1電極2bと真空容器1とが電気的に接続されて、第1電極2bに、真空容器1と同電位の電位を簡易に与えることができる。また、電子銃2と真空容器1との位置関係が決まり、X線管Tの組み立てが容易となる。この場合にも、X線管T外からステム4やピン5を介して第1電極1bに電位を印加する必要はない。
(5)上述した変形例(4)では、第1電極2bと真空容器1との間に単数の導電部材8を配設し、その導電部材8を第1電極2bに当接させるとともに真空容器1に当接させることで、導電部材8を介して第1電極2bを真空容器1に間接的に接触させたが、第1電極2bと真空容器1との間に互いに当接した複数の導電部材を配設し、その導電部材を第1電極2bに当接させるとともに真空容器1に当接させることで、導電部材を介して第1電極2bを真空容器1に間接的に接触させてもよい。例えば、図4に示すように、第1電極2bと真空容器1との間に互いに当接した2つの導電部材8a,8bを配設し、導電部材8aを第1電極2bに当接させるとともに導電部材8bを真空容器1に当接させることで、導電部材8a,8bを介して第1電極2bを真空容器1に間接的に接触させる。互いに当接した3つ以上の導電部材においても同様である。
(6)上述した実施例では、電子ビームの光軸に対して直交方向にX線を出射するように電子銃およびターゲットを配設して、ターゲットで電子ビームBを衝突および反射させてX線を発生させる反射型X線管を例に採って説明したが、電子ビームの光軸に対して平行にX線を出射するように電子銃およびターゲットを配設して、ターゲットで電子ビームBを衝突および透過させてX線を発生させる透過型X線管に適用してもよい。例えば、図5に示すように、実施例1と同様に真空容器1に近接させる程度にまで第1電極保持部7を大きくして取り付けてもよい。もちろん、透過型X線管に上述した変形例(3)〜(5)を組み合わせて、第1電極2bを真空容器1に積極的に接触させてもよい。
(7)上述した実施例では、真空容器1は接地されていたが、正または負の電位を真空容器1に与えてもよい。その場合には、第1電極2bも真空容器1と同電位の正または負の電位が印加される。
(8)従来のX線管でも述べたように、リボン電極を介してカソードや各電極に電圧を印加してもよい。
(9)上述した実施例では、密閉型X線管を例に採って説明したが、開放型X線管にも適用できる。
(10)上述した実施例では、中間電極は3つであったが、中間電極の数が複数であれば、特に限定されない。例えば中間電極は4つ以上であってもよいし、中間電極は2つのみであってもよい。中間電極が2つのみの場合には、第3電極である集束電極の機能を第2電極が兼用して、第1電極および第2電極のみで中間電極を構成すればよい。

Claims (9)

  1. 電子銃とターゲットとを容器内に収容し、前記電子銃から照射された電子ビームを前記ターゲットに衝突させ、衝突部位から発生したX線を前記容器に設けられたX線窓から取り出すように構成されたX線発生装置であって、電子銃を、前記電子ビームを出射するカソードと、カソード・ターゲット間に配設された少なくとも2つ以上の中間電極とで構成し、これら中間電極のうち前記カソードに最も近い第1電極に、容器と同電位の電位を与えることを特徴とするX線発生装置。
  2. 請求項1に記載のX線発生装置において、前記容器および第1電極の電位を接地電位にすることを特徴とするX線発生装置。
  3. 請求項2に記載のX線発生装置において、前記カソード、ターゲットおよび前記中間電極を含めた装置内の全ての電極の電位が0または正の電位であることを特徴とするX線発生装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線発生装置において、前記第1電極を前記容器に当接させることで直接的に接触させることを特徴とするX線発生装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のX線発生装置において、前記第1電極と容器との間に単数または互いに当接した複数の導電部材を配設し、その導電部材を第1電極に当接させるとともに容器に当接させることで、導電部材を介して第1電極を容器に間接的に接触させることを特徴とするX線発生装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線発生装置において、前記第1電極をMo(モリブデン)、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Ir(イリジウム)あるいはそれらのいずれかを含む物質で形成することを特徴とするX線発生装置。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線発生装置において、前記第1電極をステンレス鋼で形成することを特徴とするX線発生装置。
  8. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のX線発生装置において、前記第1電極を低融点金属あるいはそれを含む物質で形成することを特徴とするX線発生装置。
  9. 請求項8に記載のX線発生装置において、前記低融点金属は、Ti(チタン)、Zr(ジルコニウム)、Ni(ニッケル)あるいはそれらのいずれかを含む合金であることを特徴とするX線発生装置。
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