JP7073407B2 - 電離放射線を生成するための小型放射源、複数の放射源を備えるアセンブリ、及び放射源を製造するためのプロセス - Google Patents

電離放射線を生成するための小型放射源、複数の放射源を備えるアセンブリ、及び放射源を製造するためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、電離放射線、特にX線を生成するための放射源と、複数の放射源を備えるアセンブリと、放射源を製造するためのプロセスと、に関する。
現在のところ、X線は、とりわけ画像診断及び放射線療法において多くの用途がある。X線撮像は、とりわけ医療分野、非破壊試験を行う業界、及び危険な物質又は物体を検出するセキュリティ分野において、広く用いられている。
X線からの画像の生成は、大いに進歩してきた。初めは、感光性フィルムのみが使用されていた。それ以後、デジタル検出器が出現した。これらの検出器は、ソフトウェアパッケージと関連付けられ、スキャナを用いて2次元又は3次元の画像を迅速に再構成することを可能にする。
これとは対照的に、1895年のレントゲンによるX線の発見以来、X線発生器は殆ど変化していない。第2次世界大戦後に登場したシンクロトロンでは、強力で焦点がよく合った放射を生成することが可能である。この放射は、荷電粒子の加速又は減速に起因するものであり、荷電粒子は任意選択的に磁場内を移動する。
線形加速器及びX線管は、ターゲットに衝突する加速された電子ビームを実現する。ターゲットの原子核の電場に起因するビームの減速により、制動放射X線の生成が可能になる。
X線管は一般的に、内部で真空が生成される外囲器から構成される。外囲器は、金属構造及び、通常はアルミナ又はガラスで出来ている電気絶縁体から形成される。この外囲器には2つの電極が配置される。負の電位にバイアスされた陰極電極は、電子エミッターを具備している。第1の電極に対して正の電位にバイアスされた陽極の第2の電極は、ターゲットに関連付けられている。2つの電極間の電位差によって加速された電子は、ターゲットに衝突すると、減速(制動放射)による電離放射線の連続スペクトルを生成する。金属電極は、必然的にサイズが大きくなり、表面上の電場を最小限に抑えるために、大きな曲率半径を有する。
X線管の出力に応じて、X線管は固定陽極か又は熱出力を拡散することができる回転陽極のいずれかを具備することがある。固定陽極管は数キロワットの出力を有し、特に低電力の医療用途、安全性用途、及び工業用途で使用される。回転陽極管は100キロワットを上回ることがあり、コントラストを向上させることができる高X線束を必要とする画像診断のために主に医療分野で用いられる。例として、工業用管の直径は、450kVで約150mm、220kVで約100mm、160kVで約80mmである。ここで示された電圧は、2つの電極間に印加される電位差に相当する。医療用回転陽極管の場合、直径は、陽極で消費されることになる電力に応じて、150~300mmの間で変化する。
従って、既知のX線管の寸法は大きなままとなり、数百mm程度となる。撮像システムでは、益々迅速で高性能化する3D再構成ソフトウェアパッケージを備えたデジタル検出器が登場したが、一方、これと同時に、X線管技術は1世紀に渡って実質的に変化がないままであり、これが、X線撮像システムの主な技術的制約となっている。
現在のX線管の小型化に対しては、幾つかの要因が障害となっている。
電気絶縁体の寸法は、30kV~300kVの高電圧に対して良好な電気的絶縁を保証するのに十分な大きさであることが必要である。これらの絶縁体を生成するのにしばしば用いられる焼結アルミナは、通常、約18MV/mの絶縁耐力を有する。
金属電極の曲率半径は、表面に印加される静電場を許容可能な限界値、通常25MV/m、未満に維持するために、小さすぎてはならない。その上、トンネル効果による寄生電子の放出は、制御が困難になり、壁の加熱、望ましくないX線の放射、及び微小放電につながる。従って、X線管において生じるような高電圧では、電子の寄生放出を制限するために、陰極電極の寸法は大きくなる。
従来の管では、熱電子陰極がしばしば用いられる。このタイプの陰極の寸法及び通常1000℃を超えるそれらの動作温度により、膨張問題、及びバリウムなどの導電性元素の蒸発がもたらされる。これにより、誘電性絶縁体と接触するこのタイプの陰極の小型化及び一体化が困難になる。
誘電体(アルミナ又はガラス)の表面であって、電子ビームの近傍にその表面がある場合に使用される誘電体の表面には、クーロン相互作用に関連した表面電荷効果が現れる。電子ビームと誘電体表面とが近接するのを防ぐために、誘電体の正面に配置される金属スクリーンを使用して静電シールドを形成するか、又は電気ビームと誘電体との間の距離を大きくする。スクリーンの存在又はこの大きくされた距離により、X線管の寸法が大きくなる傾向がある。
ターゲットを形成する陽極は、高い熱出力を放散しなくてはならない。この放散は、熱伝達流体を流すことによって、又は大きなサイズの回転陽極を生成することによって、達成されることがある。この放散の必要性により、X線管の寸法を大きくすることが求められる。
新たに出現した技術的解決策の中で、本文献はX線管構造におけるカーボンナノチューブベースの冷陰極の使用について説明しているが、現在提案している解決策は、冷陰極を囲む金属ウェーネルトを実装する従来のX線管構造に基づいたままである。このウェーネルトは、高電圧に引き上げられた電極であり、電子の寄生放出を制限するために、常に厳しい寸法制約を受ける。
本発明は、例えば、従来のX線管の寸法よりもはるかに小さい寸法の、高電圧三極管又は二極管の形態を取る、電離放射線の放射源を提供することにより、前述の問題のうちの全部又は一部を緩和することを目的とする。電離放射線の生成メカニズムは、既知の管で実装されるメカニズム、即ち電子ビームのターゲットとの衝突、と同様である。電子ビームは、陰極と陽極との間で加速され、これらの間には、例えば100kVを上回る電位差が印加される。所与の電位差において、本発明は、本発明による放射源の寸法を、既知の管と比べて実質的に小さくすることを可能にする。
この目的を達成するために、本発明は、陰極電極又はウェーネルトの表面における電場レベルに対する厳しい制約を緩和することができる。前述の制約は、電子ビームが伝搬するチャンバ内に存在する真空と電極との間の界面の金属性質に関係している。本発明は、主に、電極の金属/真空界面を、トンネル効果による電子の寄生放出をさせない誘電体/真空界面で置き換えることで成り立つ。そこで、金属/真空界面で許容される電場よりもはるかに高い電場を受け入れることが可能になる。初期の内部試験では、電子を寄生放出することなく、30MV/mよりもはるかに高い静電場を達成可能であることが示された。この誘電体/真空界面は、例えば、外部表面が電場にさらされる金属電極を、表面は電場にさらされ、且つ内部表面は静電ウェーネルト機能を果たす完全に付着した導電性堆積物でコーティングされている誘電体からなる電極で置き換えることにより、得ることができる。既知の電極の金属/真空界面を、電場が高い誘電体/真空界面で置き換えるために、電場にさらされる金属電極の外部表面を誘電体で覆うことも可能である。この構成は特に、電子の寄生放出がそれより下では発生しない最大電場を高めることができる。
許容電場の増加により、X線放射源、より一般的には電離放射線の放射源を小型化することが可能になる。
より正確には、本発明の1つの主題は、電離放射線を生成するための放射源であり、この放射源は、
・真空チャンバと、
・真空チャンバに電子ビームを放射することができる陰極と、
・電子ビームを受け取る陽極であって、電子ビームから受け取ったエネルギーから電離放射線を生成することができるターゲットを備える陽極と、
・陰極の近傍に配置され、ウェーネルトを形成する電極と、を含み、
電極は、誘電体の凹面に付着する導電性表面から形成されることを特徴とする。
有利にも、放射源は、誘電体から作製され且つ凹面を備える機械的部分を備える。
有利にも、導電性表面は、この凹面上に配置された金属堆積物から形成される。
有利にも、機械的部分は、1×10Ωスクウェア~1×1013Ωスクウェアの間に含まれる表面抵抗率を有する内面を備える。
有利にも、誘電体は窒化物ベースのセラミックから形成される。
内面の表面抵抗率は、機械的部分の誘電体上に半導体を堆積させることによって得ることができる。或いは、内面の表面抵抗率は、窒化物ベースのセラミックの塊に、その窒化物ベースのセラミックの固有抵抗率を低減することができる材料を加えることにより、得ることができる。
有利にも、陰極は電界効果を介して電子ビームを放出し、電極は陰極と接触して配置される。
有利にも、機械的部分は陰極のホルダーを形成する。
有利にも、機械的部分は真空チャンバの一部を形成する。
有利にも、機械的部分は陽極のホルダーを形成する。
有利にも、機械的部分は内部円錐台形状をした外側表面を備える。放射源はホルダーを備えており、そのホルダーの外部円錐台形状をした表面は、内部円錐台形状をした外側表面、及び陰極に給電する少なくとも1つの高電圧接点と相補形である。この接点と円錐台形状をした表面とが、放射源の高電圧コネクタを形成する。
有利にも、放射源は、ホルダーの円錐台形状をした表面と機械的部分の円錐台形状をした表面との間に配置されるしなやかな接合部を備える。ホルダーの円錐台形状をした表面は、機械的部分の円錐台形状をした表面よりも頂点の角度がより開いている。高電圧コネクタは、2つの円錐台形状をした表面間にある空気が、高電圧コネクタの内部から空洞に逃げるように構成されており、空洞は、コネクタによって運ばれる高電圧によって発生する電場の影響を受けない。
有利にも、機械的部分は外部円錐台形状をした外側表面を備える。ホルダーは、外部円錐台形状をした外側表面と相補形の内部円錐台形状をした表面を備える。
有利にも、陽極は機械的部分と密封可能に固定される。
有利にも、誘電体は30MV/mよりも高い絶縁耐力を有する。
本発明の別の主題は、電離放射線を生成するためのアセンブリであり、このアセンブリは、
・複数の放射源であって、アンセブリ内で並置され固定されている複数の放射源と、
・各放射源を予め設定された順序で切り替えるように構成された駆動モジュールと、を含む。
有利にも、複数の放射源を備えるアセンブリでは、機械的部分は全ての放射源で共通である。
放射源は、各陰極を通る軸上に整列させることができる。このとき、有利にも電極は様々な放射源で共通である。
全ての放射源の陽極は、有利にも共通である。
本発明の別の主題は、放射源を製造するためのプロセスであり、このプロセスは、電子ビームの軸に沿って、一方で陽極を、他方で陰極を平行移動することによって機械的部分と組み立てることから成り立ち、凹面によって形成される空洞は、ストッパーによって閉じられる。
例として与えられる一実施形態の詳細な説明を読むことで、本発明がよりよく理解され、他の利点が明らかになるであろう。この説明は、添付の図面によって図示される。
本発明によるX線生成放射源の主な要素を概略的に示す。 他のモードの電気的接続を可能にする図1の放射源の変形例を示す。 陰極の周りの図1の放射源の部分拡大図である。 2つの変形例による、陽極の周りの図1の放射源の部分拡大図である。 2つの変形例による、陽極の周りの図1の放射源の部分拡大図である。 本発明による複数の放射源を含む統合モードを断面図で示す。 同じ真空チャンバ内に複数の放射源を含むアセンブリの変形例を示す。 同じ真空チャンバ内に複数の放射源を含むアセンブリの変形例を示す。 同じ真空チャンバ内に複数の放射源を含むアセンブリの変形例を示す。 同じ真空チャンバ内に複数の放射源を含むアセンブリの変形例を示す。 同じ真空チャンバ内に複数の放射源を含むアセンブリの変形例を示す。 複数の放射源を含むアセンブリの電気的接続の複数のモードを示す。 複数の放射源を含むアセンブリの電気的接続の複数のモードを示す。 本発明による複数の放射源を含み、図5及び図6に示した変形例に従って製造することができる、アセンブリの3つの例を示す。 本発明による複数の放射源を含み、図5及び図6に示した変形例に従って製造することができる、アセンブリの3つの例を示す。 本発明による複数の放射源を含み、図5及び図6に示した変形例に従って製造することができる、アセンブリの3つの例を示す。
明確にするために、同一の要素には、様々な図において同じ参照符号を付与している。
図1は、X線生成放射源10を断面図で示す。放射源10は、陰極14及び陽極16が配置される真空チャンバ12を備える。陰極14は、陽極16の方向に向かって電子ビーム18をチャンバ12に放出するように意図されている。陽極16は、ビーム18によって衝突され、且つ電子ビーム18のエネルギーに応じてX線22を放射する、ターゲット20を備える。ビーム18は、陰極14及び陽極16を通過する軸19の周りに生成される。
X線生成管は、通常約1000℃の高温で動作する熱電子陰極を慣例的に採用している。このタイプの陰極は、一般的に熱陰極と呼ばれる。このタイプの陰極は、高温に起因した原子の振動によって引き起こされる電子束を放射する金属又は金属酸化物の基材から構成される。しかしながら、熱陰極は、複数の欠点、例えば、熱プロセスの時定数に関連して、制御するのには遅い電流の動的応答、及び電流を制御するために、陰極と陽極との間に配置され高電圧にバイアスされたグリッドを使用する必要性など、にさいなまれる。従って、これらのグリッドは、非常に高い電場の領域内に配置され、約1000℃の高い動作温度にさらされる。これらの制約の全てにより、統合に関する選択肢が大幅に制限され、電子銃が大きなサイズになることにつながる。
より近年では、電界放射メカニズムを採用した陰極が開発されている。これらの陰極は室温で動作し、一般的に冷陰極と呼ばれる。それらの大部分は、電場が集中するレリーフ構造を具備する導電性平面からなる。これらのレリーフ構造は、先端における電場が十分に高いと電子を放出する。レリーフ放出器は、カーボンナノチューブから形成することができる。そのような放出器は、例えば、本出願人の名前で出願された特許出願、国際公開第2006/063982A1号パンフレットに記載されている。冷陰極には、熱陰極の欠点はなく、とりわけはるかにコンパクトである。図示した例では、陰極14は冷陰極であり、従って、電界効果を介して電子ビーム18を放射する。陰極14を制御するための手段は、図1には図示されていない。陰極は、文献、国際公開第2006/063982A1号パンフレットにも記載されているように、電気的に又は光学的に制御されることがある。
陰極14と陽極16との間の電位差の影響下で、電子ビーム18は加速されターゲット20と衝突し、ターゲット20は例えば膜20aを含み、膜20aは例えば、特にタングステン又はモリブデンなどの高い原子番号の材料に基づく合金から作製される薄層20bでコーティングされたダイアモンド又はベリリウムから作製される。層20bは、ビーム18の電子のエネルギーに応じて、例えば1~12μmの間に含まれる可変の厚さを有することがある。高速に加速される電子ビーム18の電子と薄層20bの材料との間の相互作用により、X線22を生成することが可能になる。図示した例では、ターゲット20は有利にも、真空チャンバ12の窓を形成する。言い換えると、ターゲット20は真空チャンバ12の壁の一部を形成する。この構成は、特に、透過で動作するターゲットに対して実装される。この構成の場合、膜20aは、X線22に対する透過性のために、ダイアモンド又はベリリウムなどの低い原子番号の材料から形成される。膜20aは、陽極16と共に、チャンバ12の真空気密性を確保するように構成される。
或いは、ターゲット20、又は少なくとも高い原子番号の合金から作製された層を、真空チャンバ12の内部にすっぽり配置することがあり、このとき、X線は、真空チャンバ12の壁の一部を形成する窓を通過することにより、チャンバ12から出射する。この構成は、特に、反射で動作するターゲットに対して実装される。このとき、ターゲットは窓から分離される。X線が生成される層は、厚いことがある。ターゲットは、ビーム18の電子との相互作用中に生成された熱出力を拡散させるように回転しているか又は静止していることがある。
放射源10は、陰極14の近傍に配置され、且つ電子ビーム18を集束させることを可能にする、電極24を備える。電極24はウェーネルトを形成する。本発明は、有利にも、冷陰極と呼ばれるものを用いて実施される。これは、電界効果を介して電子ビームを放射する陰極の問題である。このタイプの陰極は、例えば、本出願人の名前で出願された文献、国際公開第2006/063982A1号パンフレットに記載されている。冷陰極の場合、電極24は陰極14と接触して配置される。機械的部分28は、有利にも、陰極14のホルダーを形成する。電極24は、誘電体の凹面26上に配置された連続的な導電性領域から形成される。誘電体の凹面26は、陽極16に面する電極24の凸面を形成する。ウェーネルト機能を実行するために、電極24は本質的に凸形状を有する。面26の凹部の外側は、陽極16に向けられている。陰極14と電極が接触する場所では、局所的に、電極24の凸部はゼロであるか又はわずかに反転していることがある。
高い電場が生じるのは、電極24のこの凸面上である。従来技術では、電極のこの凸面上には、金属-真空界面が存在していた。従って、この界面が、真空チャンバの内部で電場の影響下で、電子の放出の中枢となることが可能であった。電極とチャンバの真空とのこの界面は取り除かれ、誘電体/真空界面で置き換えられている。誘電体は自由電荷を含んでいないので、電子の継続的な放出の中枢にはなれない。
空気で満たされた又は真空の空洞が、電極24と誘電体の凹面26との間に形成されるのを防ぐことが重要である。具体的には、電極24と誘電体との間に不確実な接触がある場合、電場は界面において非常に大きく増幅されることがあり、電子の放出が発生するか、又はプラズマがそこで生成されることがある。この理由のために、放射源10は、誘電体から作製される機械的部分28を備える。機械的部分28の複数の面のうちの1つが、凹面26である。この場合、電極24は、凹面26に完全に付着する導体の堆積物からなる。この堆積物を生成するために、様々な技術、例えば、特に、物理的気相堆積法(PVD)、又は化学気相堆積法(CVD)(これは、任意選択的にプラズマ化学気相堆積法(PECVD)である)などが用いられることがある。
或いは、バルク金属電極の表面上に誘電体の堆積物を生成することが可能である。バルク金属電極に付着する誘電体堆積物は、再度、電極/誘電体界面において空気で満たされた又は真空の空洞を回避するのを可能にする。この誘電体堆積物は、典型的には30MV/mを上回る高電場に耐え、且つバルク金属電極の潜在的な熱膨張に適合した十分なしなやかさを有するように、選択される。しかしながら、これとは逆の構成、誘電体から作製されたバルク部分の内面上に導体を堆積させることには、他の利点があり、特に、機械的部分28を使用して他の機能を実行できるという利点がある。
より正確には、機械的部分28は、真空チャンバ12の一部を形成することができる。真空チャンバのこの部分は、真空チャンバ12の圧倒的大部分でさえあり得る。図示した例では、機械的部分28は、一方では陰極14のホルダーを形成し、他方では陽極16のホルダーを形成する。部分28は、陽極16と陰極電極24との間の電気的絶縁を確実にする。
機械的部分28の製造に関しては、従来の誘電体、例えば焼結アルミナなどを使用するだけで、金属/真空界面を回避することが可能になる。しかしながら、約18MV/mというこのタイプの材料の絶縁耐力は、依然として放射源10の小型化を制限する。放射源10を更に小型化するために、20MV/mを超える、有利には30MV/mを超える絶縁耐力を有する誘電体が選択される。絶縁耐力の値は、例えば、20~200℃の間の温度範囲において30MV/mを上回り続ける。複合窒化物セラミックが、この基準を満たすことができる。内部試験では、この種のあるセラミックは、60MV/mを超えることすら可能であることが示された。
放射源10の小型化にあたり、電子ビーム18が確立されると、真空チャンバ12の内面30上には、特に機械的部分28の内面上には、表面電荷が蓄積されることがある。これらの電荷を排出できることが有用であり、この理由のために、内面30は、1×10Ωスクウェア~1×1013Ωスクウェアの間、典型的には1×1011Ωスクウェアの付近の、室温で測定された表面抵抗率を有する。そのような抵抗率は、誘電体の表面に、その誘電体と適合する導体又は半導体を加えることによって、得ることができる。半導体としては、例えば、内面30上にシリコンを堆積させることが可能である。例えば窒化物ベースのセラミックに対して適切な抵抗率範囲を得るために、約4×10-3Ω・mという低い抵抗率で知られる窒化チタンの粉末、又は炭化ケイ素SiCなどの半導体を数パーセント(通常は10%未満)追加することにより、その固有特性を変更することが可能である。
機械的部分28の材料全体に渡って均一な抵抗率を得るために、誘電体のかさ内で窒化チタンを分散させることが可能である。或いは、1500℃を超える温度での高温熱処理を介して内面30から窒化チタンを拡散させることにより、抵抗率勾配を得ることが可能である。
放射源10は、真空チャンバ12の密閉性を確保するストッパー32を備える。機械的部分28は、陰極14が内部に配置される空洞34を備える。空洞34は、凹面26によって境界をつけられている。ストッパー32は、空洞34を閉じる。電極24は、軸19に沿って離れている2つの端部36及び38を含む。第1の端部36は、陰極14と接触し、陰極14と電気的に導通している。第2の端部38は、第1の端部の反対側にある。機械的部分28は、ビーム18の軸19の周りに配置された円形断面の内部円錐台40を含む。円錐台40は、電極24の第2の端部38に配置される。円錐台は、陰極14から離れるにつれて広がる。ストッパー32は、円錐台40の内部に配置されるために、円錐台40と相補形の形状をしている。円錐台40は、機械的部分28内でのストッパー32の位置合わせを確実にする。ストッパー32は、この実施形態のように、電極24が誘電体の凹面26上に配置された導電領域の形態を取るかどうかに関わらずに実装されることがある。
有利にも、ストッパー32は、機械的部分28と同じ誘電体から作製される。これにより、放射源を使用中の機械的部分28とストッパー32との間の熱膨張差の潜在的な影響を制限することが可能になる。
ストッパー32は、例えば、円錐台40内に、より一般的にはストッパー32と機械的部分28との間の界面領域内に生成されたろう付けフィルム42によって、機械的部分28に固定される。ストッパー32及び機械的部分28のろう付けしようとしている表面を金属被覆し、融点が放射源10の使用時の最大温度よりも高い金属合金によってろう付けを実行することが可能である。金属被覆及びろう付けフィルム42は、電極24の端部38と電気的に導通して配置される。ストッパー32と機械的部分28との間の金属被覆された界面の円錐台形状は、電場に対する潜在的なエッジ効果を制限するために、電極24に対して及び電極24を延長する導電性領域に対して非常に角張った形状を回避することを可能にする。
或いは、ろう付け合金にストッパー32の材料及び機械的部分28の材料と反応する活性元素を混合することにより、表面を金属被覆する必要性を回避することが可能である。窒化物ベースのセラミックの場合、チタンがろう付け合金に取り込まれる。チタンは、窒素と反応し、セラミックとの強い化学的結合を生み出すことを可能にする材料である。バナジウム、ニオブ、又はジルコニウムなどの他の反応性金属を使用することもできる。
有利にも、ろう付けフィルム42は導電性であり、電極24を放射源10の電源に電気的に接続するのに使用される。ろう付けフィルム42による電極24の電気的接続は、他のタイプの電極、特に誘電体堆積物で覆われた金属電極を用いて実施することができる。電極24との接続を補強するために、ろう付けフィルム42に金属接点を埋め込むことが可能である。この接点は、誘電体堆積物で覆われたバルク金属電極を接続するのに有利である。電極24の電気的接続は、この電気接点によって確実になる。或いは、ストッパー32の表面43を部分的に金属被覆することが可能である。表面43は、真空チャンバ12の端部に位置する。表面43の金属被覆は、ろう付けフィルム42と電気的に接触する。表面43の金属被覆上に、放射源10の電源に電気的に接続され得る接点をろう付けすることが可能である。
ろう付けフィルム42は、電極24の軸対称の形状を拡張し、それにより電極24の主要機能に寄与する。これは、電極24が凹面26上に配置された導電性領域から形成される場合に、特に有利である。ろう付けフィルム42は、電極24を形成する導電性領域を、軸19から離れる方向に延びる角張った縁部又は不連続部を伴うことなく直接的に拡張する。ろう付けフィルム42が導電性である場合にろう付けフィルム42に関連付けられる電極24は、等電位領域を形成し、この等電位領域は、電子ビーム18を集束させるのを助け、陰極14にバイアスをかけるのに使用される。これにより、放射源10のコンパクトさを高める目的で、局所的な電場を最小化することが可能になる。
面26は、例えば円錐台40との接合部などにおいて、局所的に凸状領域を含むことがある。実際には、面26は少なくとも部分的に凹状である。面26は、全体的に凹状である。
図1では、放射源10は高電圧源50によってバイアスをかけられており、高電圧源50の負の端子は、例えばろう付けフィルム42の金属被覆によって電極24に接続され、正の端子は陽極16に接続されている。このタイプの接続は、単極モードでの放射源10の動作の特徴であり、このモードでは、陽極16は接地52に接続される。また、図2に示すように放射源10を二極モードで動作させるために、高電圧源50を直列の2つの高電圧源56及び58で置き換えることも可能である。このタイプの動作は、関連する高電圧発生器の製造を簡素化するので、有利である。例えば、高電圧、高周波数、パルス動作モードの場合、放射源10における正及び負の2つの半分の電圧を加算することによって絶対電圧を低くすることが、有利であることがある。この理由のために、高電圧源は、ハーフHブリッジを介して駆動される出力変圧器を含むことがある。
図1に示すような放射源10を用いると、発電機56及び58の共通点を接地52に接続することにより、二極動作モードを達成することができる。或いは、図2に示すように、高電圧源50を接地52に対してフローティング状態に保つことも可能である。
二極動作モードは、図1に示すような放射源を用いて、2つの直列接続された高電圧源の共通点をフローティング状態に保つことにより、達成される。或いは、図2に示すように、この共通点を使用して、放射源10の別の電極にバイアスをかけることができる。この変形例では、放射源10は、機械的部分28を2つの部分28aと28bとに分割する中間電極54を備える。中間電極54は、ビーム18の軸19に対して垂直に延び、ビーム18によって通過される。電極54が存在することにより、2つの直列接続された高電圧源56及び58の共通点に電極54を接続することで、二極動作モードを達成することが可能になる。図2では、2つの高電圧源56及び58によって形成されるアセンブリは、接地52に対してフローティング状態にある。図1に示すように、放射源10の電極のうちの1つ、例えば中間電極54を、接地52に接続することも可能である。
図3は、陰極14の周りの放射源10の部分拡大図である。陰極14は、電極24の端部36に隣接して空洞34内に配置される。ホルダー60は、電極24に対して陰極14を中心合わせすることを可能にする。電極24が軸19を中心として軸対称であるので、陰極14は軸19に中心合わせされ、軸19に沿って電子ビーム18を放射することが可能になる。ホルダー60は、軸19に中心合わせされた座ぐり穴61を備え、この座ぐり穴61内に陰極14が配置される。ホルダー60は、その周囲に、電極24に中心合わせされた環状領域63を備える。ばね64は、電極24に隣接して陰極14を保持するように、ホルダー60を支える。ホルダー60は絶縁体から作製される。ばね64は、制御信号を陰極14に伝達可能にする電気的機能を有することがある。より正確には、陰極14は、陽極16の方向を向いている前面と呼ばれる面65を介して、電子ビーム18を放射する。陰極14は、背面66、即ち、前面65の反対側にある面を介して、電気的に制御される。ホルダー60は、軸19に中心合わせされた円形断面の開口部67を含むことがある。開口部67は、ばね64と陰極14の背面66とを電気的に接続するように、金属被覆されていることがある。ストッパー32は、ストッパー32を貫通する金属被覆されたビア68、及びストッパー32にしっかりと固定された接点69によって、陰極14を制御するための手段が電気的に接続されることを可能にすることがある。接点69は、陰極14を電極24に隣接して保つために、軸19に沿ってばね64を支える。接点69は、ビア68とばね64との間の電気導通性を確保する。
真空チャンバ12の外部に位置するストッパー32の表面43は、2つの別個の領域、即ち、軸19に中心合わせされた領域43a、及び軸19の周りの周辺環状領域43bにおいて金属被覆されることがある。金属被覆された領域43aは、金属被覆されたビア68と電気的に導通している。金属被覆された領域43bは、ろう付けフィルム42と電気的に導通している。中央接点70は、領域43aを支え、周縁接点71は領域43bを支える。2つの接点70及び71は、金属被覆された領域43a及び43bによって、且つ金属被覆されたビア68及びろう付けフィルム42によって、陰極14と電極24とを電気的に接続する同軸コネクタを形成する。
陰極14は、別々にアドレス指定可能な複数の別々の放射領域を含むことがある。このとき、背面66は複数の別々の電気接点領域を有する。これに応じて、ホルダー60及びばね64が修正される。接点69に似た複数の接点、及びビア68に似た複数の金属被覆されたビアにより、背面66の様々な領域を接続することができる。ストッパー32の表面43、接点69、及びばね64は、領域43aに似た複数の領域を、金属被覆されたビアの各々と電気的に導通させて提供するために、それに応じて仕切られる。
チャンバ12内の真空の品質を低下させがちなあらゆる粒子を捕捉するために、陰極14とストッパー32との間に、空洞34内に少なくとも1つのゲッター35が配置されることがある。ゲッター35は、一般的に、化学吸着により動作する。ジルコニウム又はチタンをベースにした合金を使用して、空洞34を囲む放射源10の様々な構成要素によって放出される粒子を捕捉することができる。ゲッター35は、図示した例では、ストッパー32に固定される。ゲッター35は、積層され接点69を取り囲む、環状のディスクから構成される。
図4aは、電離放射線の変形放射源75を示しており、この放射源では、上述した陽極16が陽極76で置き換えられている。図4aは、陽極76の周りの放射源75の部分拡大図である。陽極16と同様に、陽極76は、ビーム18によって衝突され、X線22を放射するターゲット20を備える。陽極16とは異なり、陽極76は空洞80を含み、電子ビーム18はこの空洞80を貫通してターゲット20に到達する。より正確には、電子ビーム18は、薄層20bを支える内面84を介してターゲット20に当たり、外面86を介してX線22を放射する。図示した例では、空洞80の壁は、軸19の周りに、2つの端部88aと88bとの間に延びる円筒形部分88を有する。端部88aは、ターゲット20と接触し、端部88bは陰極14のより近くにある。空洞80の壁は、環状部分90も有し、環状部分90は穴89を含み、端部88bにおいて円筒形部分を閉じる。電子ビーム18は、部分90内の穴89を介して空洞80に進入する。
電子ビーム18によるターゲット20への打ち込み中、ターゲット20の温度の上昇により、X線22の影響下で電離している分子のターゲット20からのガス抜きがもたらされることがある。ターゲット20の内面84に現れるイオン91は、陽極と陰極との間にある加速電場内を移動する場合、陰極を損傷させることがある。有利にも、空洞80の壁を使用して、イオン91を捕捉することができる。この目的のために、空洞80の壁88及び90は、導電体であり、また、真空チャンバ12の内部にターゲット20によって放出されることがある寄生イオンに対してファラデーケージを形成する。真空チャンバ12の内部にターゲット20によって放出される可能性のあるイオン91は、大部分が空洞80内に閉じ込められる。部分90の穴89のみが、それらのイオンが空洞80から出て、その後おそらくは陰極14に向かって加速されるのを可能にする。イオンを空洞80内によりよく閉じ込めるために、少なくとも1つのゲッター92が空洞80内に配置される。ゲッター92は、空洞80の壁88及び90からは分離されている。ゲッター92は、空洞80内に配置される特定の構成要素である。ゲッター35と同様に、ゲッター92は一般的に、化学吸着により動作する。ジルコニウム又はチタンをベースにした合金を使用して、放出されたイオン91を捕捉することができる。
イオンの捕捉に加えて、空洞80の壁は、真空チャンバ12の内部で生成される寄生電離放射線82に対して遮蔽スクリーンを形成し、任意選択的に陰極14と陽極76との間に生成される電場に対して静電シールドを形成することがある。X線22は、放射源75によって放出される有用な放射を形成する。しかしながら、寄生X線が、内面84を介してターゲット20から出射することがある。この寄生放射は、有用でも望ましくもない。従来、このタイプの寄生放射線を遮断する遮蔽スクリーンがX線発生器の周りに配置されていた。しかしながら、このタイプの実施形態には欠点がある。具体的には、遮蔽スクリーンがX線源から離れて配置されるにつれ、即ち、遮蔽スクリーンがターゲットから離れるにつれ、それらの距離のせいで、スクリーンの面積をより大きくしなくてはならない。本発明のこの態様は、そのようなスクリーンを出来る限り寄生発生源の近くに配置し、それによって小型化を可能にすることを提案する。
陽極76及び特に空洞80の壁は、寄生放射82を止めるために、例えばタングステン又はモリブデンをベースにした合金などの、原子番号の大きい材料から、有利にも作製される。タングステン又はモリブデンは、寄生イオンの捕捉に関して、殆ど何の効果もない。空洞80の壁とは別個にゲッター92を製造することにより、その材料を自由に選択することが可能になり、選択にあたっては、ゲッター92によって行われる寄生イオンの捕捉機能、及び空洞80の壁によって行われる寄生放射92のスクリーニング機能の両方が、妥協無しに出来る限り良好に確実に行われることを目指す。この理由のために、ゲッター92及び空洞80の壁は、異なる材料から作製され、それらの材料の各々は、ゲッター92及び空洞80の壁に割り当てられた機能に適したものである。空洞34の壁に関してゲッター35に対しても同じことが言える。
空洞80の壁は、ターゲット20の付近で電子ビーム18を取り囲む。
有利にも、空洞80の壁は真空チャンバ12の一部を形成する。
有利にも、空洞80の壁は、軸19の周りに一定の距離で放射状に配置され、その結果、寄生放射線に出来る限り近くなるように、軸19と同軸に配置される。端部88aにおいて、円筒形部分88はターゲット20を部分的に又は完全に取り囲むことがあり、従って、寄生X線が軸19に対して放射状にターゲット20から逃げていくのを防止する。
従って、陽極76は幾つかの機能、即ち、電気的機能、真空チャンバ12の内部にターゲット20によって放出されることがある寄生イオンを遮断するファラデーケージ機能、寄生X線に対する遮蔽機能、及び真空チャンバ12の壁の機能、を実行する。単一の機械的部分、この場合には陽極76によって幾つかの機能を実行することにより、放射源75のコンパクトさが増加し、重量が減少する。
更に、空洞80の周りに、電子ビーム18をターゲット20に集束させることができる少なくとも1つの磁石又は電磁石94を配置することが可能である。有利にも、磁石又は電磁石94は、寄生イオンが部分90内の穴89を介して空洞から出ていくのを防止するために、1つ又は複数のゲッター92に向かって寄生イオン91をそらせるように、又は、少なくとも、陰極14を通過する軸19に対してそらせるように、配置されることがある。この目的のために、磁石又は電磁石94は、軸19に沿って向けられた磁場Bを生成する。図4aでは、ゲッター92に向かってそれたイオン91は、経路91aを辿り、空洞80を出てゆくイオンは、経路91bを辿る。
ターゲット20によって放出されることがある寄生イオン91を捕捉するための手段は複数ある。空洞80の壁によって形成されるファラデーケージ、空洞80内のゲッター92の存在、及び寄生イオンをそらせるための磁石又は電磁石94の存在、がそうである。これらの手段は、独立して実施されることも、又は寄生X線に対する遮蔽機能及び真空チャンバ12の壁の機能に加えて実施されることもある。
陽極76は、有利にも、軸19の周りに軸対称である一体の機械的部分の形態を取る。空洞80は、陽極76の中央管状部分を形成する。磁石又は電磁石94は、真空チャンバ12の外側に有利にも配置される環状空間95内で空洞80の周りに配置される。磁石又は電磁石94の磁束が、電子ビーム18、及びターゲット20によってチャンバ12の内部にガス抜きされたイオンに影響を及ぼすことを確実にするために、空洞80の壁は、非磁性材料から作製される。より一般的には、陽極76全体が、同じ材料から出来ている、例えば機械加工されている。
ゲッター92は空洞80内に配置され、磁石又は電磁石94は空洞の外部に配置される。有利にも、ゲッター92の機械的ホルダー97は、ゲッター92を保持し、磁性材料から作製される。ホルダー97は、磁石又は電磁石94によって生成された磁束を導くように、空洞内に配置される。電磁石94の場合には、それは、磁気回路99の周りに形成されることがある。ホルダー97は有利にも、磁気回路99の延長部に配置される。機械的ホルダー97を使用して2つの機能、即ち、ゲッター92を保持すること、及び磁束を導くこと、を実行する事により、陽極76、ひいては放射源75の寸法を更に低減することが可能になる。
環状空間95の周囲に、陽極は、機械的部分28を支える領域96を備える。この支持領域96は、例えば、軸19に垂直に延びる平坦なリングの形態を取る。
図4aでは、正規直交座標系X、Y、Zが定義されている。Zは、軸19の方向である。Z軸に沿った場Bzにより、電子ビーム18をターゲット20に集束させることが可能になる。ターゲット20上の電子スポット18aのサイズは、XY平面内のターゲット20に近接して示されている。電子スポット18aは円形である。ターゲット20によって放射されるX線スポット22aのサイズも、XY平面内のターゲット20に近接して示されている。ターゲット20は軸19に垂直なので、X線スポット22aも円形である。
図4bは陽極76の変形例を示しており、この変形例では、ターゲット21は、軸19に垂直なXY平面に対して傾いている。この傾斜により、電子ビーム18が衝突するターゲット20の面積を大きくすることが可能になる。この面積を拡大することにより、電子との相互作用に起因するターゲット20の温度の上昇が、よりよく分散される。放射源75が画像診断のために使用される場合、出来る限り点状の、又は図4aの変形例のように少なくとも円形のX線スポット22aを保持することが有用である。傾斜したターゲット21でこのスポット22aを保持するために、XY平面での電子スポットの形状を修正することが有用である。図4bの変形例では、電子スポットは参照符号18bで参照され、XY平面においてターゲット21に近接して示されている。このスポットは、有利にも楕円形状をしている。そのようなスポット形状は、スポット18bに望まれる形状に似た形状で陰極の平面内に分布している陰極放射領域を使用して、得ることができる。或いは、又はこれに加えて、Y軸に沿って向けられた、例えば環状空間95内にやはり配置された巻線98を保有する四重極磁石によって生成される、磁場Byによって、電子ビーム18の断面の形状を修正することが可能である。四重極磁石は、軸19を横切る磁場を生成する能動磁気システムを形成し、電子スポット18bについて予期される形状を得ることを可能にする。例えば、X方向に対して傾斜しているターゲットの場合、円形のX線スポット22aを保持するために、電子ビーム18はX方向には広がり、Y方向には集束する。能動磁気システムは、他の電子スポット形状、及び任意選択的に他のX線スポット形状を得るように駆動されることもある。能動磁気システムは、ターゲット21が傾斜している場合に特に有利である。能動磁気システムは、軸19に垂直なターゲット20と共に使用されることもある。
電極24が誘電体の凹面26上に配置された導電性領域の形態をとるかどうかに関わらず、且つストッパー32が使用されるかどうかに関わらず、陽極16及び76のあらゆる変形例を実現することが可能である。
図1~図4に図示された変形例では、全ての構成要素は、同じ軸、この場合には軸19に沿って、それぞれを平行移動させることによって組み立てることができる。これにより、製造を自動化することによって、本発明による放射源の製造を単純化することができる。
より正確には、誘電体から作製される機械的部分28は、その上で様々な金属被覆、特に電極24を形成する金属被覆が生成されるのであるが、この機械的部分28は、一体構造のホルダーを形成する。陰極14とストッパー32とをこのホルダーの片側上で組み立てることが可能である。このホルダーの他方の側上で、陽極16又は76を組み立てることが可能である。陽極16又は17及びストッパー32は、超高真空ろう付けによって機械的部分に固定することができる。ターゲット20又は21は、軸19に沿った平行移動により、陽極76と組み立てることができる。
図5は、同じホルダー100に取り付けられた2つの同一の放射源75を示す。このタイプの取り付けは、3つ以上の放射源を取り付けるのに使用されることがある。この例は、放射源10にも当てはまる。図1及び図2に示すような放射源10が、ホルダー100に取り付けられることもある。ホルダー100及び補足的な部分についての説明は、放射源の数がいくらであろうと、依然として有効である。機械的部分28の真空チャンバ12に対して外側の表面は、有利にも、軸19の周りに延びる2つの円錐台形状102及び104を含む。形状102は、陽極16に向かって広がる外部円錐台である。形状104は、陰極14から、より正確にはストッパー32の外面43から広がる内部円錐台である。2つの円錐台102及び104は、やはり軸19に中心合わせされた冠部106で交わる。冠部106は、円錐台102の最小直径を形成し、円錐台104の最大直径を形成する。冠部106は、例えば、円環体の一部の形状をしており、2つの円錐台102及び104を鋭い縁部を伴うことなく接続することができる。機械的部分28の外側表面の形状により、ホルダー100内での放射源75の配置が容易になり、ホルダー100は、やはり2つの円錐台形状108及び110を含む相補形の表面を有する。ホルダー100の円錐台108は、機械的部分28の円錐台102と相補形である。同様に、ホルダー100の円錐台110は、機械的部分28の円錐台104と相補形である。ホルダー100は、機械的部分28の冠部106と相補形の冠部112を有する。
ホルダー100と機械的部分28との間の高電圧界面に空気で満たされた空隙が形成されるのを防止するために、例えば、シリコーンをベースにしたしなやかなシール114が、ホルダー100と機械的部分28との間に、より正確には相補形の円錐台及び冠部の間に、配置される。有利にも、ホルダー100の円錐台108は、機械的部分28の円錐台102よりも頂点の角度がより開いている。同様に、ホルダー100の円錐台110は、機械的部分28の円錐台104よりも頂点の角度がより開いている。円錐台間の頂点での角度値の差は、1度よりも小さく、例えば約0.5度であることがある。従って、放射源75がホルダー100に取り付けられたとき、より正確には、シール114がホルダー100と機械的部分28との間で押しつぶされたとき、空気が、冠部106と112との間の界面から、一方では、陽極16の方向に2つの円錐台102及び108のより広がった部分に向かって、他方では、陰極14の方向に、より正確にはストッパー32の方向に2つの円錐台104及び110のより狭い部分に向かって、逃げることができる。2つの円錐台102と108との間にある空気は周囲環境に逃げ、2つの円錐台104と110との間にある空気はストッパー32に逃げる。閉じ込められた空気が高い電場にさらされるのを防ぐために、放射源75及びホルダー100は、2つの円錐台104と110との間にある空気が、2つの接点70及び71によって形成され且つ陰極14に給電する同軸リンクの内部に逃げるように、構成される。これを達成するために、電極24の給電を確実にする外部接点71は、接点71とストッパー32との間の機能的な遊びをもたらすばね116によって、金属被覆された領域43bと接触する。これに加えて、ストッパー32は、2つの金属被覆された領域43a及び43bを分離する環状溝118を含むことがある。従って、円錐台104と110との間から逃げる空気は、接点71とストッパー32との間の機能的遊びを通過して、接点70と71との間にある空洞120に到達する。この空洞120は、高い電場から保護される、というのも、同軸接点71の内部に位置するからである。言い換えると、空洞120は、放射源10の主電場、即ち、陽極16と陰極電極24との間の電位差に起因する電場からは、遮蔽されている。
陰極14及び陽極76を具備する機械的部分28が取り付けられた後で、塞ぎ板130が、ホルダー100内に、陰極14及び陽極76を具備した機械的部分28を保持することができる。板130は、陽極76の電気的接続を確保するために、導電性材料から作製されることがあり、又は、金属被覆された面を備えることがある。板130は、陽極76を冷却できることがある。この冷却は、陽極76と、例えば陽極76の空洞80の円筒形部分88との間の接点による伝導によって、達成されることがある。この冷却を強化するために、板130内に、円筒形部分88を囲むチャネル132を設けることが可能である。陽極76を冷却するために、熱伝達流体がチャネル132を通って流れる。
図5では、全ての放射源75は別個の機械的部分28を有している。図6aは、複数(図示した例では4つ)の放射源75に共通の1つの機械的部分152が機械的部分28の全ての機能を実行する、複数放射源アセンブリ150の変形例を示している。真空チャンバ153は、様々な放射源75に共通である。ホルダー152は、有利にも誘電体から作製されており、この誘電体内で、これらの放射源75の各々に対して、凹面26が生成されている。これらの放射源毎に、電極24(図示せず)が対応する凹面26上に配置される。図を詰め込みすぎにしないために、様々な放射源75の陰極14は図示されていない。
図6aの変形例では、全ての放射源75の陽極は有利にも共通であり、まとめて参照符号154が付与されている。製造を容易にするために、陽極は板156を備え、板156は機械的部分152と接触し、4つの穴158を開けられており、穴158の各々は、放射源75の陰極のそれぞれによって生成された電子ビーム18を通過させる。板156は、放射源75のそれぞれに対して、上述した部分90の機能を実行する。壁88及びターゲット20によって境界を付けられる空洞80が、各開口部158の上方に配置される。或いは、別々の陽極を保持し、それによってそれらの電気的接続を分離することが可能である。
図6bは、複数放射源アセンブリ160の別の変形例を示しており、ここでは、機械的部分162がやはり複数の放射源に共通であり、これらの放射源のそれぞれの陰極14が、各陰極14を通過する軸164上に整列されている。軸164は、これらの放射源の各々の軸19と垂直である。様々な陰極14によって放射される電子ビームを集束させる電極166は、全ての陰極14に共通である。図6bの変形例は、2つの隣接する放射源を分離する距離を更に短くすることを可能にする。
図示した例では、機械的部分162は、誘電体で出来ており、様々な陰極14の近傍に配置される凹面168を備える。電極166は、凹面168上に配置された導電性領域から形成される。電極166は、上述した電極24の機能全てを実行する。
或いは、複数の放射源に共通の電極が、誘電体に関連付けられていない、即ち金属/真空界面を有する、金属電極の形態を取ることも可能である。同様に、陰極は熱電子的であることがある。
複数放射源アセンブリ160は、全ての放射源に共通のストッパー170を備えることがある。ストッパー170は、上述したストッパー32の全ての機能を実行することができる。ストッパー170は、電極166を電気的に接続するのに使用される導電性ろう付けフィルム172によって、特に機械的部分162に固定されることがある。
図6aの変形例と同様に、複数放射源アセンブリ160は、図6bに図示すように、様々な放射源に共通の1つの陽極174を備えることがある。陽極174は、図6aの変形例の陽極154に類似している。陽極174は、図6aを参照して説明した板156の全ての機能を実行する板176を備える。図6bの詰め込みすぎを回避するために、陽極174については、板176のみが図示されている。
図6bに図示した例では、軸164は直線である。図6cに図示するように、陰極を湾曲した軸、例えば円弧などの上に配置し、全ての放射源のX線22を、この円弧の中心にある点に集束させることも可能である。他の形状、特に放物線状の湾曲した軸も、X線をある点に集束させることができる。湾曲した軸は、各放射源の電子ビームがその周りに生成される軸19の各々に対して、局所的に垂直のままである。
1つの軸上に陰極14を配置することにより、1つの方向に分布した放射源を得ることが可能になる。同一点で交わる複数の軸に沿って陰極が分布している複数放射源アセンブリを製造することも可能である。例えば、放射源を複数の湾曲した軸に沿って配置することが可能であり、これらの軸の各々は1つの平面内に位置し、平面は割線である。例として、例えば、図6dに図示するように、放物線状の回転表面全体に渡って分布する複数の軸180および182を設けることが可能である。これにより、全ての放射源のX線22を、放物面の焦点上に集束させることができる。図6eに図示するように、同一点で交わらない複数の軸190、192、194もまた可能である。
図7a及び図7bは、図6aに示したアセンブリの電力供給の2つの実施形態を示す。図7a及び図7bは、様々な放射源75の複数の軸19を通る平面で切り取った断面図である。図7aでは2つの放射源が示されており、図7bでは3つの放射源が示されている。当然ながら、複数放射源アセンブリ150の説明は、放射源75又は任意選択的に10の数がいくらであっても、有効である。
これらの2つの実施形態では、陽極114はアセンブリ150の全ての放射源75で共通であり、それらの電位は同じであり、例えば接地52の電位である。両方の実施形態とも、各放射源10は別々に駆動することができる。図7aでは、2つの高電圧源V1及びV2が、各放射源10の電極24に別々に給電する。機械的部分152の絶縁性により、例えば2つの異なるエネルギーでパルス化されていることがある2つの高電圧源V1及びV2を分離することができる。同様に、別個の電流源I1及びI2のそれぞれにより、様々な陰極14のうちの1つを制御することが可能になる。
図7bの実施形態では、全ての放射源75の電極24は、例えば機械的部分152上に生成された金属被覆によって、一緒に接続される。高電圧源Vcommunは、全ての電極24に給電する。様々な陰極14は、依然として別個の電流源I1及びI2を介して制御される。図7bを参照して説明した複数放射源アセンブリの電力供給は、図6bを参照して説明した変形例に非常に適している。
図8a、図8b、及び図8cは、電離放射線を生成するためのアセンブリの複数の例を示しており、それぞれが複数の放射源10又は75を含んでいる。これらの様々な例では、図5を参照して説明したようなホルダーが、全ての放射源10に共通である。高電圧コネクタ140により、様々な放射源10に電力を供給することが可能になる。ドライバコネクタ142は、アセンブリの各々を駆動モジュール(図示せず)に接続することを可能にし、駆動モジュールは、これらの放射源10の各々を予め設定された順序で切り替えるように構成される。
図8aでは、ホルダー144は円弧状を有しており、様々な放射源10がこの円弧状の上に整列されている。このタイプの配置は、例えば、X線放射源を患者の周りで動かす必要性を回避するために、医療用スキャナにおいて有用である。様々な放射源10のそれぞれが、X線を順番に放射する。スキャナは、放射線検出器と、この検出器によって取り込まれた情報から3次元画像を再構成できるモジュールと、も備える。図に詰め込みすぎないように、検出器及び再構成モデルは図示されていない。図8bでは、ホルダー146及び放射源10は、直線セグメント上に整列されている。図8cでは、ホルダー148は板状を有しており、放射源はホルダー148全体に渡って2方向に分布している。図8a及び図8bに示した電離放射線を生成するためのアセンブリの場合、図6bの変形例が特に有利である。この変形例は、様々な放射源間のピッチを低減することを可能にする。

Claims (21)

  1. 電離放射線を生成するための放射源であって、
    真空チャンバ(12;153)と、
    前記真空チャンバ(12;153)に電子ビーム(18)を放射することができる陰極(14)と、
    前記電子ビーム(18)を受け取る陽極(16;76;154;174)であって、前記電子ビーム(18)から受け取ったエネルギーから電離放射線(22)を生成することができるターゲット(20;21)を備える陽極(16;76;154;174)と、
    前記陰極(14)の近傍に配置され、ウェーネルトを形成する電極(24;166)と、を含む放射源において、
    前記電極(24)は、誘電体の凹面(26;168)に付着する導電性表面から形成されることを特徴とする、放射源。
  2. 前記誘電体から作製され且つ前記凹面(26;168)を備える機械的部分(28;152;162)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の放射源。
  3. 前記導電性表面は、前記凹面(26;168)上に配置された金属堆積物から形成されることを特徴とする、請求項2に記載の放射源。
  4. 前記機械的部分(28;152;162)は、1×10Ωスクウェア~1×1013Ωスクウェアの間に含まれる表面抵抗率を有する内面(30)を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載の放射源。
  5. 前記誘電体は、窒化物ベースのセラミックから形成されることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の放射源。
  6. 前記内面(30)の前記表面抵抗率は、前記機械的部分(28;152;162)の前記誘電体上に半導体を堆積させることによって得られることを特徴とする、請求項4又は5に記載の放射源。
  7. 前記内面(30)の前記表面抵抗率は、前記窒化物ベースのセラミックの塊に、前記窒化物ベースのセラミックの固有抵抗率を低減することができる材料を加えることによって得られることを特徴とする、請求項4又は5に記載の放射源。
  8. 前記陰極(14)は電界効果を介して前記電子ビーム(18)を放射すること、及び前記電極(24;166)は前記陰極(14)と接触して配置されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の放射源。
  9. 前記機械的部分(28;152;162)は、前記陰極(14)のホルダーを形成することを特徴とする、請求項2、又は請求項2に従属する場合の請求項3~8の何れか一項に記載の放射源。
  10. 前記機械的部分(28;152;162)は、前記真空チャンバ(12)の一部を形成することを特徴とする、請求項2、又は請求項2に従属する場合の請求項3~9の何れか一項に記載の放射源。
  11. 前記機械的部分(28;152;162)は、前記陽極(16;76;154)のホルダーを形成することを特徴とする、請求項2、又は請求項2に従属する場合の請求項3~10の何れか一項に記載の放射源。
  12. 前記機械的部分(28;152;162)は内部円錐台形状をした外面(104)を備えること、前記放射源(10;76;154)はホルダー(100)を備え、前記ホルダー(100)の外部円錐台形状をした面(110)は、前記内部円錐台形状をした外面(104)及び前記陰極(14)に給電する少なくとも1つの高電圧接点(71)と相補形であること、並びに前記接点及び前記円錐台形状をした面(104、110)は前記放射源(10;76;154)の高電圧コネクタを形成すること、を特徴とする、請求項2、又は請求項2に従属する場合の請求項3~11の何れか一項に記載の放射源。
  13. 前記放射源は、前記ホルダー(100)の前記円錐台形状をした面(110)と前記機械的部分(28;152)の前記円錐台形状をした面(104)との間に配置されるしなやかな接合部(114)を備えること、前記ホルダー(100)の前記円錐台形状をした面(110)は前記機械的部分(28;152)の前記円錐台形状をした面(104)よりも頂点の角度がより開いていること、及び、前記高電圧コネクタは、前記2つの円錐台形状をした面(104、110)の間にある空気が、前記高電圧コネクタの内部から、前記コネクタによって伝達される高電圧によって生成される電場の影響を受けない空洞(120)に逃げるように構成されていること、を特徴とする、請求項12に記載の放射源。
  14. 前記機械的部分(28;152;162)は外部円錐台形状をした外面(102)を備えること、及び前記ホルダー(100)は前記外部円錐台形状をした外面(102)と相補形の内部円錐台形状をした面(108)を備えること、を特徴とする、請求項12又は13に記載の放射源。
  15. 前記陽極(16;76;154;174)は、前記機械的部分(28;152;162)に密封可能に固定されることを特徴とする、請求項2、又は請求項2に従属する場合の請求項3~14の何れか一項に記載の放射源。
  16. 前記誘電体は30MV/mよりも高い絶縁耐力を有することを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載の放射源。
  17. 電離放射線を生成するためのアセンブリにおいて、
    請求項1~16の何れか一項に記載の複数の放射源(10、75)であって、前記アセンブリ内で並置され固定されている複数の放射源(10、75)と、
    前記放射源の各々を予め設定された順序で切り替えるように構成された駆動モジュールと、を含むことを特徴とするアセンブリ。
  18. 前記機械的部分(152;162)は全ての前記放射源(10、75)に共通であることを特徴とする、請求項2に記載の複数の放射源を含み、且つ請求項17に記載のアセンブリ。
  19. 前記放射源は前記陰極(14)の各々を通る軸上に整列されていること、及び前記電極(166)は前記様々な放射源に共通であることを特徴とする、請求項18に記載のアセンブリ。
  20. 全ての前記放射源(10、75)の前記陽極(154;174)は共通であることを特徴とする、請求項17~19の何れか一項に記載のアセンブリ。
  21. 請求項4又は6に記載の放射源を製造するためのプロセスにおいて、前記電子ビーム(18)の軸(19)に沿って、一方で前記陽極(16;76;154;174)を、他方で前記陰極(14)を平行移動することにより前記機械的部分(28;152;162)と組み立てることから成り立ち、前記凹面(26)によって形成される空洞(34)は、ストッパー(32;170)によって閉じられることを特徴とする、プロセス。
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