JP6492363B2 - 位置合わせ機能に優れた雄型面ファスナー - Google Patents

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Description

本発明は、位置合わせ機能に優れた雄型面ファスナー、具体的には、雄型面ファスナーと雌型面ファスナーのファスナー面を位置合わせするために軽い力で重ね合わせても係合が生じ難く、そして、正しい位置に重ね合わされたことを確認した状態で強い力で重ね合わせることによって初めて高い係合力が発現する雄型面ファスナーに関する。
従来から、物体の表面に対象物を取り付ける手段の一つとして、物体と対象物のいずれか一方の表面にフック型やきのこ型や鏃型の雄型係合素子を有する雄型面ファスナーを取り付けるとともに、もう一方の表面にループ状係合素子を有する雌型面ファスナーを取り付け、そして両方の面ファスナーを重ね合わせて両方の係合素子を係合させることにより、物体の表面に対象物を取り付ける方法が広く一般に用いられている。
このような面ファスナーにより物体の表面に対象物を取り付ける際の作業として、まず物体の表面に雄型または雌型係合素子を有する一方の面ファスナーを取り付けるとともに対象物の表面に一方の係合素子に対応するもう一方の面ファスナーを取り付け、そして両方の面ファスナーの表面を重ね合わせて押さえ付けて係合させて物体の表面に対象物を取り付ける方法が行われるが、この際に所定の位置からズレて対象物が取り付けられた場合や方向を間違えて取り付けられた場合等には、一旦対象物を取り外して、再度、正確な位置に対象物を付け直す必要があり、係合力によっては取外す際に、物体の表面や対象物に割裂や変形等の破損を生じることがある。
取り付けた対象物が自然にあるいは振動等により面ファスナーの係合が外れて対象物が物体から剥離することを防止するためには、面ファスナーの係合力が高い方が好ましいが、その反面、係合力が高い場合には、上記したように、正確な位置に付け直すために対象物を取り外す際に、物体の表面や対象物が割裂や変形等の損傷を生じ易いこととなる。
逆に面ファスナーの係合力が低い場合には、物体の表面や対象物の損傷を伴うことなく取り外すことが可能であるが、その反面、重力によりあるいは振動等により剥離を生じ易く、天井材等が自然落下して大きな問題を生じることとなる。
このようなことから、従来の面ファスナーの場合には、一般的に、係合力の高い面ファスナーが用いられており、正確な位置に付け直すために取り外す際に、係合力が強すぎるために物体の表面や対象物を損傷してしまうという問題点を有していた。
さらに、特に対象物が大きな形状である場合、例えば家屋用内装材である天井材や壁材、あるいは自動車用内装材である天井材やトランクルームの壁面材や床材等の場合には、一旦取り付けた対象物を取り外す為には多大な労力と手間を必要とし、さらに天井材や床材等を取外すときに破損させた場合には全て交換しなければならず費用が大きくなる。
そのような事態とならないように慎重に取り外そうとすると取り外し作業に時間が掛かり、効率良く作業できないため、取り外し作業が生じ難く、かつ取り外しの際に容易に対象物を破損させない面ファスナーを提供することは極めて重要となる。
天井材や床材の固定に雄型面ファスナーを使用することに関しては、我々は新たな発明を行い、その発明はすでに特許出願されている(特許文献1)。同文献には、天井基材に天井材を固定するのに適した雄型面ファスナーとして、係合素子の高さに対する係合素子最頂部から係合素子の係合用突起の下端部までの長さの比を大きくした、いわゆる頭が長く伸びた係合素子が高密度に存在している成形雄型面ファスナーを用いると、面ファスナー同士を近づけて位置合わせする際に無用な係合が生じないことから位置合わせし易く、かつ係合後には高い係合力が得られることが記載されている。
国際公開第2012/014667号
この成形雄型面ファスナーは、ノズルから熱可塑性樹脂を溶融押し出しして、長さ方向に頭が長く伸びた特徴を持つ係合素子断面の列条を表面に密に有するテープ状物を成形し、さらに、その係合素子列条に、ほぼ直交する方向に小間隔の切れ目を入れ、次いで、その切れ目の入ったテープ状物を長さ方向に延伸し、それにより、列条に入れられた切れ目の間隔が広がり、該列条が独立した多数の雄型係合素子の列となるような製造方法により製造されている。
このような方法により得られた成形面ファスナーは、係合の位置合わせ機能を十分に有してはいるものの、押し出し成形工程、切り目入れ工程、延伸工程という工程を経るため、成形面ファスナーの幅100mm若しくはそれを超える広幅の面ファスナーを得ようとすると形状安定性の管理が難しく、また、細かな寸法精度を以って成形することが困難であるために、係合素子を小さくしたり、係合部形状を微調整して所望の係合強力に調整することが難しいという問題点を有している。
従って、この公知の方法により得られる面ファスナーは、一般に、剛直で大きな係合素子を有するものにならざるを得ず、もし位置ずれや方向を間違って誤着を発生させた場合には、係合力が極めて高くなり易いことから、一旦強く取り付けた場合には取り外し方によっては対象物を破損する場合がある。
そこで本発明は、単に重ね合わせただけでは係合が生じ難く、位置合わせすることが容易であり、正しい位置に重ね合わされていることを確認した後に強く押し付けて本止めすることで初めて所望の高い係合力が発現する雄型成形面ファスナーであって、さらに好ましくは間違った位置に係合させてしまった場合でも、取り外す際に取り付け対象物が割裂や変形等の損傷が少なく容易に剥がすことができ、さらに素子が小さくとも高い係合力が発現する雄型面ファスナーを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、具体的には、ループ面ファスナーを相手材とする雄型面ファスナーであって、プラスチック基板の表面から立ち上がる多数の素子Aと多数の素子Bを有する面ファスナーにおいて、以下の条件1)〜4)を満足していることを特徴とする位置決め機能を有する雄型面ファスナー。
1)素子Aが、プラスチック基板の表面から立ち上がるステムと、そのステムからプラスチック基板に平行または近づく方向に突出する突出部からなり、波型の形状を有していること、
2)素子Bが、プラスチック基板の表面から立ち上がるステムであって、かつ素子Aが有するような突起部を有しておらずに、基板面から遠ざかる方向に直線状に伸びる突起状の形状を有しており、更に相手材のループ面ファスナーと係合しないこと、
3)素子Aのプラスチック基板から先端部までの高さ(HA)が0.8〜2.5mmであり、かつ素子Bの基板から先端部までの高さ(HB)が、(HA)の1.2〜2.0倍であること、
4)素子Aと素子Bの合計本数に占める素子Bの本数割合が10〜60%であり、かつ基板表面には素子Aと素子Bが混在していること、
好ましくは、本発明は、素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突出部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突出部の突出方向と反対方向である上記の雄型面ファスナーである。
また好ましくは、本発明は、素子Bの先端部から基板面に垂線を下ろした点を中心とし、高さ(H)の3倍の長さを半径とする円内に素子Aが存在している上記の雄型面ファスナ−であり、また素子Aが波型の形状を有し、一方、素子Bが基板面から遠ざかる方向に直線に伸びる突起状の形状を有している上記の雄型面ファスナーである。
さらに本発明は、好ましくは、雄型面ファスナー中央部に存在する素子Aの方が、その両端部に存在する素子Aよりも、ステムから突出する突出部の突出長が長い上記の雄型面ファスナーである。
さらに本発明は、上記の雄型面ファスナーにより、天井、壁または床面の基材に内装材を固定する内装材の固定方法であり、詳細には、上記の雄型面ファスナーを用いて、天井用内装材(以下、単に天井材と称する場合がある。)や壁面用内装材(以下、単に壁材と称する場合がある。)や床用内装材(以下、単に床材と称する場合がある。)を天井や壁面や床面等の基材に固定する内装材の固定方法である。
より詳細には、一例として天井基材に天井材を固定する場合に、基材と天井材のいずれかに一方にループ面ファスナーを取り付け、他方にループ面ファスナーと係合可能な本発明の雄型面ファスナーを取り付けて、両者を係合させることにより天井基材に天井材を固定する方法である。
そして、内装材が乗り物用内装材である内装材の固定方法であり、その具体的用途として、好ましくは自動車等の車両の内装材を本発明の雄型面ファスナーを用いて車両の構造基材に固定する方法である。また内装材が家屋用内装材である内装材の固定方法。
本発明の雄型面ファスナーを用いると、単に重ね合わせただけでは係合が生じ難く、その結果、位置合わせすることが容易で、正確に位置合わせをすることができる。そして、もし誤着してしまった場合でも、取り外しの際に対象物を損傷させることが少なく、取り外し作業が容易にできる。その結果、取り付け位置や方向が正確でないことによる付け直し作業や修理作業が減り、例え間違って取り付けても付け直し作業が容易で、しかも取り付けた後においては、従来の面ファスナーと遜色のない係合力が得られる。
車両、特に、自動車の生産の際に、一定速度で流れている生産ラインにおいて、自動車の天井用構造基材に天井材を固定する作業や自動車のトランクルームにトランクルーム用表面材を固定する作業において、固定する位置を間違えると、係合を一旦剥がして正確な位置に再度固定する作業が必要となり、そのために、生産ラインに混乱が生じたり、ライン速度を落としたりするなどの対応が必要となるが、本発明の面ファスナーを用いると、位置間違いを生じることが少なく、例え生じたとしても容易に修正することが可能となり、従来のように生産ライン速度を落としたり、生産ラインを止めたりする必要が大幅に少なくなる。
また、家屋等の内装工事において、天井材や壁材の取り付けに本発明の面ファスナーを用いると、位置間違いが生じにくく、位置間違いが発生した場合においても、位置間違いを生じた天井材や壁材を取り外す際に天井材や壁材の損傷を防ぐことができ、さらに付け直す作業の手間が軽減でき、特に取り付ける対象物が大きなものである場合には、本発明の面ファスナーを用いる効果は非常に大きくなる。
本発明の雄型面ファスナーの好適な一例の斜視図である。 本発明の雄型面ファスナーの好適な一例の幅方向断面図である。 本発明の雄型面ファスナーの好適な一例の長さ方向断面図である。 本発明の雄型面ファスナーの他の好適な一例の斜視図である。 本発明の雄型面ファスナーの他の好適な一例の長さ方向断面図である。 本発明の雄型面ファスナーの素子Aの好適な一例の長さ方向側面図である。 本発明の雄型面ファスナーの素子Aの好適な一例の長さ方向側面図である。 本発明の雄型面ファスナーの素子Bの好適な一例の長さ方向側面図である。
以下、図1〜5を用いて本発明の好適な実施形態を説明する。
本発明の雄型面ファスナーの好適な例として、図1〜3のような雄型面ファスナーが挙げられ、また、より好適な例として、図4および5のような雄型面ファスナーが挙げられる。
これら図から明らかなように、プラスチック基板(1)上には、該基板(以下、単に基板と称する場合もある)表面から立ち上がるステムと、そのステムからプラスチック基板に平行または近付く方向に突出する突出部からなる素子A(2)が複数存在しており、また素子Aよりも背が高く、かつ素子Aが有しているような突出部を実質的に有していない誤着防止用の素子B(3)が複数存在しており、これら素子Aおよび素子Bはともに基板から立ち上がっており、かつ混在している。
なお、図4および5は、面ファスナー中央部(4)に存在する素子Aの方が、その両端部(5)に存在する素子Aよりも、ステムから突出する突出部(W)の突出長が長い場合であり、このような構造を有していることにより、両端部(5)は中央部(4)よりも係合を外し易く、したがって、間違った位置に取り付けた場合に、両端部(5)から剥がすことにより、損傷が生じることを防ぐことができる。ここでいう両端部および中央部とは、面ファスナーを所定の大きさに切断した場合の両端部と中央部を意味しており、長さ方向での中央部と両端部であっても、幅方向の中央部と両端部であっても、さらには長さ方向および幅方向の両方での中央部と両端部であってもよい。
図1や図4から明らかなように、これら図の面ファスナーでは、素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突出部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突出部の突出方向と反対方向となっている。このような構造と形状を有していると、位置ズレが生じ難く、正確な位置に位置合わせができ、また係合力に方向性が殆どないことから、使用中に位置ズレを生じることもなく、しかも素子Aと素子Bが混在していることから、面ファスナーのどの部分も軽く重ね合わせただけでは係合が生じ難いこととなる。
素子Aは、図6に示すように、基板表面から立ち上がるステムと、そのステムからプラスチック基板に平行または近づく方向に突出する突出部からなり、素子Aは図1〜7の場合には波型(逆J字型)の形状を有しているが、他にも鏃型、T型、逆L字型などの形状でもよく、特に限定されるものではなく、相手材の雌型面ファスナーとの係合性に合わせて適当な素子形状を用いることができる。突出部はステムの先端部から突出していても、あるいはステムの途中から突出していてもよいが、好ましくはステムの先端部から突出している場合である。そして、素子Aの形状としては、製造上の点で、さらに係合力の点で波型が好ましい。
さらに素子Aを構成するステムと突出部は明確に区別できるものであっても、あるいは波型のように、両者の境が明確でなく、図1〜7に示すように、ステムの途中から徐々に曲がり、突出部となっているものであってもよい。
素子Aの高さ(H:基板表面から素子の先端部まで間で最も高い垂直距離)としては、0.8〜2.5mmの範囲である。0.8mmより低い場合には、係合力が低くなり、大きく、重量のある天井材や壁面等を安定に支えることが難しい場合があり、2.5mmより高い場合には、誤着し易くかつ係合力が過大となり、誤着した場合に剥がす際に、無理やり剥がすことが必要となり、天井材や壁面材が損傷され易い。好ましくは、1.0〜2.2mmの範囲であり、より好ましくは1.2〜2.0mmの範囲である。
また素子Aの突出部の長さ(W)としては、面ファスナーの両端部で0.3〜1.0mm、中央部で0.3〜1.5mmの範囲が好ましい。両端部で0.3mmより短い場合には、素子Aの高さより軽微ではあるが、雌型係合素子のループ繊維を十分に突起部の下に留めることができず、剥がれ易いこととなり、両端部で1.0mmより長い場合にはループ繊維と係合し難く、さらに製造し難い。また中央部で0.3mmより短い場合には、高い係合力が得られない場合があり、一方1.5mmより長い場合には、ループ繊維と係合することが難しく、また製造し難い。
なお、突出部の長さ(W)は、図6〜7に示すように、ステム根元における中心から垂直な線を引き、この線から突出部先端に至るまでの基板面に並行な最も遠い距離を意味する。図6は突出部が1箇所の場合、図7は突出部が左右の両方向の場合である。
そして、面ファスナーの中央部に存在する素子Aの突出部の長さが両端部に存在する素子Aの突出部の長さより0.1〜0.5mm長いのが、位置合わせを間違った場合に、取り外すのがし易い。すなわち、両端部から容易に係合を外すことができることから、損傷することが少ない。なお、ここで言う中央部および両端部とは、面ファスナーの表面を3等分した場合のそれぞれを言うのではなく、突出部が長い中央部の両端に突出部の短い領域が存在するという程度のことを意味する。例えば、素子の列方向の場合の中央部は、中心から左右にそれぞれ面ファスナーの長さの20%〜90%であり、より好ましい例としては、50%〜80%である。
素子の幅方向の場合の中央部は、中心から左右にそれぞれ面ファスナーの長さの20%〜90%であり、より好ましい例としては、50%〜80%である。
なお、上記したように、突出部の長さとは、突出部のもっとも突出している点から基板面まで垂線をおろした点からステム根元における中心までの長さを意味する。
そして、図1〜5に示すように、素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突起部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突起部の突出方向と反対方向である場合が、係合力の点で、および位置合わせの際に不要な係合が生じないことから、好ましい。
このように、素子Aが列となり、かつ突出部の突出方向が、列単位で一方向を向いており、かつ素子Bが混在している場合には、位置合わせにおいて間違いが生じ難く、さらに間違いが生じたとしても、剥がし易く、さらに製造も容易であるというメリットが得られる。このように素子Aが列となり、列内の素子が同一方向に突出している場合には、このような素子Aの列の隣あるいは間に素子Bの列を挟んでその隣に、反対方向に突出する素子Aの列が存在しているのが係合力や位置合わせ間違い解除の点で好ましい。
そして、本発明において、素子Aは、基板1cm当たり70〜250本存在しているのが好ましい。さらに、素子Aの太さとしては、その高さの中間部での太さとして0.3〜3.0mmが好ましい。
また、素子Bについても断面形状は、図8に記載されているような板状であっても、あるいは円柱、円錐、5角柱、6角柱などの多角柱でもよく、特に限定されるものではない。素子B自身は相手材の雌型面ファスナーと係合せず、且つ、素子Aの高さよりも高いことで、雌型面ファスナーのループ素子と素子Aとが容易に係合することを抑制できる突起状の形状であればよい。
具体的には、素子Bは、基板表面から立ち上がるステムであって、かつ素子Aのような突出部を実質的に有していないこと、さらに素子Aの基板から先端部までの高さ(H)が0.8〜2.5mmであり、かつ素子Bの基板から先端部までの高さ(H)が、素子Aの基板から先端部までの高さ(H)の1.2〜2.0倍であることが必要である。素子Bが、素子Aのような突出部を有している場合には、素子Bが雌型面ファスナーと係合を生じることとなり、素子Bの存在意義がなくなる。
また、素子Bの高さ(H)が素子Aの高さ(H)の1.2倍未満の場合には素子Aが容易にループ素子と係合して、近づけた際に係合が生じる。逆に2.0倍を超える場合には、素子Aの係合力に大きな影響を与え、強く押し付けても十分な係合力が得られないこととなる。好ましくは、1.3〜1.8倍の範囲である。
また、基板上に存在する素子Bの本数および分布状況も重要であり、素子Aと素子Bの合計本数に占める素子Bの本数割合が10〜60%であり、かつ基板表面には素子Aと素子Bが混在していることが必要である。素子Bの本数割合が10%未満の場合には、素子Aが容易にループ素子と係合して、本発明の目的を達成できない。逆に60%を超える場合には、素子Aの係合が劣ることとなり、強く押し付けても十分な係合力が得られないこととなる。より好ましくは20〜50%の範囲である。
そして、素子Bは素子A中に均一に分布していることが好ましく、一箇所に素子Bが集中して存在し、他の箇所には素子Bがほとんど存在していない場合には本発明の効果は得られない。
均一に分布している目安として、素子Bの先端部から基板面に垂線を下ろした点を中心とし、高さ(H)の3倍の長さを半径とする円内に素子Aが存在しているような状態が挙げられる。そして、図1や3に示すような、突出部が反対方向に突出している2列の素子Aの列の間に素子Bの列が存在しているような配置状態が特に好ましい。
素子Bの太さとしては、その高さの中間部分で0.3〜3.0mmが好ましく、隣り合う素子Bの頂点間距離としては0.5〜5.0mmが好ましい。
本発明において、基板、素子Aおよび素子Bは、いずれもプラスチックからなり、それぞれ別々の樹脂から形成されても良いが、生産性の点から通常は同一の樹脂から構成されているのが好ましい。
用いられる樹脂に関しては特に限定されるものではなく、通常の成形に用いられる樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6やナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられるが、これら以外に、ポリエステル系のエラストマー樹脂やポリオレフィン系、ポリスチレン系やポリウレタン系等のエラストマー樹脂でもよく、これらは共重合体であってもよい。また樹脂は単独で、あるいは2種以上をブレンドして用いられていてもよい。
なかでも、本発明の雄型面ファスナーの場合、素子Aの突出部が係合したループ状係合素子が外れ難いため、無理に剥がすとループ状係合素子が切断され易い傾向にあり、それを防ぐためには、雄型面ファスナーをエラストマー樹脂で成形するのも好ましい。例えば、ポリエステル系のエラストマーが、係合力とループ繊維の切断防止の点でその代表例として挙げられる。
図1および図4は、本発明の好適な面ファスナーの一部分の斜視図であり、特に図4は上記した中央部と両端部で突出部の長さが相違している場合を示したものである。そして図2は、図1に記載した面ファスナーの幅方向に平行な面での側面を表し、図3および図5は、それぞれ、図1および図4に示した面ファスナーの長さ方向に平行な面での側面図を表す。図4および図5では、長さ方向における中央部に存在している素子Aは、突出長が長い突出部を有している。図4および図5では、便宜上、突出部の長さが長い素子Aは2列あるいは1列に3本しか記載していないが、実際には、もっと多くの列あるいは本数が存在している。
なお、本発明で言う素子の高さは、素子のもっとも高い点から基板面に垂線を下ろし、距離を測ったものであり、任意に選び出した10本の素子の平均値を意味する。図6および図7は素子Aの高さ(H)、図8は素子Bの高さ(H)をそれぞれ示している。
次に本発明の雄型面ファスナーの製造方法について説明する。
本発明の雄型面ファスナーを製造する好ましい方法の一例として、国際公開第WO87/06522号に示される方法に準じて製造する方法が挙げられる。具体的には、まず、所望の厚み、幅および溶融温度に調整された溶融プラスチックをシート状に押し出す工程、次に所望の素子Aの形状を外円周上に彫られたリング状金型片と、素子Bの形状を外円周上に彫られたリング状金型片、所望の素子Aの形状でかつ突出部の方向が前記素子Aの形状を外円周上に彫られたリング状金型片と逆である形状が外円周上に彫られたリング状金型片、外円周上にそのような形状が掘られていない金属製リングとを順々に複数枚重ね合わせることで、その外円周上に素子A成形用のキャビティ、素子B形成用のキャビティおよび突出部の方向が前記素子A成形用キャビティと逆方向の素子A成形用のキャビティを有する金型ローラーを作り、その金型ローラーと相対する位置に存在する別のドラムローラーとの隙間に押し出された溶融プラスチックシートを通し、圧延伸することにより、そのキャビティ内にプラスチックを充填させる工程、金型ローラーが回転する間にローラー内に常時循環される冷媒とキャビティ内の溶融プラスチックが熱交換することによりプラスチックシートを冷却する工程、得られる成形面ファスナーの厚みに隙間調整されたニップローラーによって、冷却されたプラスチックシートを引き剥がす工程からなり、これらの工程を連続的に行なうことで本発明の雄型面ファスナーを、連続的に且つ形状安定的に製造することが出来る。
このような方法以外の方法、例えば、ノズルから熱可塑性樹脂を溶融押し出しして、突出部を有する素子Aの断面の列条と突出部を有していない素子Bの断面の列条を表面に有するテープ状物を成形し、さらに、その素子列条に、ほぼ直交する方向に小間隔の切れ目を入れ、次いで、その切れ目の入ったテープ状物を長さ方向に延伸し、それにより、列条に入れられた切れ目の間隔が広がり、該列条が独立した多数の素子Aの列および素子Bの列となるような製造方法により製造してもよいが、この方法の場合には、幅の広い面ファスナーを安定的に製造し難い点があり、したがって前記の方法が推奨される。
本発明で得られる雄型面ファスナーは、位置合わせ機能に優れており、したがって軽い力で雌型面ファスナーに重ね合わせても係合が生じ難く、そして強い力で重ね合わせた場合に初めて高い係合力が発現することとなる。したがって、雌型面ファスナーとの位置関係が分かり難い分野や取り付け対象物が大きく、位置確認がし難く、しかも、位置を間違えると剥がして再度取り付けるのに多大な手間を要するものに適している。
たとえば、自動車や電車、飛行機、船舶等の乗り物用内装材(天井材や壁材等)を構造材に取り付けるのに、さらに住宅や建造物等の家屋用内装材(天井材や壁材等)を構造材に取り付けるのに適している。
以下、本発明を実施例により説明する。これら実施例中、係合力はJIS L3416に記載されている方法に準じて、係合面を垂直方向及び割裂剥離方向に剥離するようにして測定した。
本発明者等は、通常係合させる際の押圧について観測したところ、約900g/cm程度であることを確認し、この事実から押圧900g/cmで雄型面ファスナーとループ面ファスナーの係合させたときに発生する係合力を測定した。また、クリープ耐熱試験を以下のクラレファスニング法にて実施した。
クラレファスニング法:雄型面ファスナーとループ面ファスナーを6cm係合させ90℃雰囲気下で面直方向に2kg荷重を掛けた状態で24時間養生させ24時間後落下しなければ合格とする。
実施例1
ポリエステル系エラストマー樹脂(東レデュポン社製、ハイトレル6347)を前記したようなリング状金型片を用いた金型ロールを使用する方法により雄型面ファスナーを製造した。すなわち上記プラスチックスを溶融押し出しして、キャビティを有する金型ローラー(キャビティ保有型幅150mm)と相対する位置に存在する別のドラムローラーにて圧延伸し、回転させながら冷却し、そしてニップローラーにて引き剥がして、図1に示すような素子A及び素子Bを表面に有する雄型面ファスナー(フック有効幅150mm)シートを成形した。得られた雄型面ファスナーシートを幅20mm、長さ40mmの雄型面ファスナー片にカットした。
得られた雄型面ファスナーの係合素子Aの形状は、図3に示すようにステムから基板長さ方向に突出した突出部を有する、いわゆる波型形状の雄型係合素子(以降、波型係合素子と称する)を有していた。その素子高さHは1.5mm、突出部の突出長Wは0.8mmであり、素子Bの高さHは2.3mmであった。そして、素子Aの密度は150本/cm、素子Bの密度は50本/cmであった。
この雄型面ファスナーは、素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突出部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突出部の突出方向と反対方向であり、このような3列の素子からなる構造を繰り返し単位として、平行に複数列有していた。さらに、この雄型面ファスナーは、素子Bの先端部から基板面に垂線を下ろした点を中心とし、素子Bの高さ(H)の3倍の長さを半径とする円内にいずれの素子Aも存在している構造を有していた。
一方、この雄型面ファスナー片と係合させる雌型面ファスナー片として、以下の製造方法により作製された織成のループ状面ファスナー(クラレファスニング株式会社製B9750YP400)を用いた。
まず、地経糸として、ポリエチレンテレフタレートからなる167デシテックスで30フィラメントからなるマルチフィラメント糸、地緯糸として、ポリエチレンテレフタレートからなる99デシテックスで24フィラメントからなるマルチフィラメント糸、ループ状係合素子用糸として、ポリブチレンテレフタレートからなる265デシテックスの7フィラメントからなるマルチフィラメント糸を用い、織密度として地経糸(ループ状係合素子用糸を含む)75本/cm、地緯糸20本/cmとし、平織りで面ファスナー用生機を作製した。ループ状係合素子は、地緯糸を1本潜り、次の地緯糸上に出てくる毎にループを形成するようにし、かつ地経糸とは交差しないようにした。得られた生機を160℃で熱処理し、裏面にポリウレタン溶液を固形分35g/cm塗布し、乾燥させて、ループ状面ファスナーを得た。
このような雄型面ファスナーとループ状面ファスナーを用いて、それぞれをプラスチック板に、面ファスナー基板長さ方向(L)が板の端部と平行になるように貼り付け、まず位置合わせ時の誤着防止性能を測定するために、押圧100g/cmで両方のファスナー片を押さえ付けた時に、不要な係合が発生していないかの評価を行なって、不要な係合が無いことから誤着防止性能有りとした。また、両方のファスナーを押圧900g/cmで押さえ付けて板端部からの割裂剥離強力と面直剥離強力、及びクリープ耐熱試験を行なった。
その結果、割裂剥離強力は10.1N/cm、面着剥離強力は20.8N/cm、上述の貼りあわせと手剥離を5回繰り返した後(以降、5回手剥離後と表記)は17.9N/cmであり、クリープ耐熱試験は24時間保持、押し圧100g/cmでの係合は発生せず、誤着防止機能を有していた。これらの結果から、この雄型面ファスナーは位置合わせ機能を保有しつつ、面着強力は強く、割裂剥離強力は面直張力の1/2程度でやや強いものの、作業性が良いことが確認された。
この雄型面ファスナーを自動車の内装材の外側用不織布に粘着剤で取り付け、一方自動車の車体パネルにループ素子を有する雌型面ファスナーを取り付け、これら2つの面ファスナーを係合させることにより、自動車用パネルに内装材を取り付けた。すなわち、天井材(内装材)の10箇所に、上記の雄型面ファスナーを粘着剤で取り付け、一方車体パネルにも対応する場所にループ面ファスナーを取り付け、これら面ファスナー同士を重ね合わせるようにして、自動車用パネルに内装材を位置合わせした上で取り付けた。すなわち、両者を重ね合わせて、正確な位置に重ね合わされていることを確認した上で、内装材を強く車体パネルに押し付けることで、位置ズレを生じることなく、取り付けることができた。しかも、位置合わせの際に、両面ファスナー間で不要な係合は全く生じず、位置合わせが極めて容易であった。
また、一旦誤着した状態でも取り外しの際に、内装材や雄型面ファスナーが損傷することなく、取り外し作業が容易であった。
実施例2
金型ローラーを構成する素子Aのリング状金型片を得られる素子Aの高さHが1.5mm、突出長Wが0.8mmとなるように、また、リング状金型片の円周30mm毎に5mm分が素子Aの突出長Wが0.6mmとなるようにし、さらに、素子Bのキャビティを得られる素子Bの高さが2.3mmになるように深さを変更し、それ以外は実施例1と同様な方法および樹脂を用いて、雄型面ファスナーを製造した。得られた素子Aの高さHは1.5mm、素子Bの高さは2.3mm、且つ、幅×長さ方向に20mm×40mmにカットした面ファスナー片のうち、中央部の素子Aの突出部の突出長Wが0.8mm、その両端部(端からそれぞれ5mmの部分)の素子Aの突出部の突出長Wが0.6mmであり、その面ファスナー片において、それぞれの存在数は突出部の長さが短い素子Aが両端にそれぞれ60個(120個/cm2)、素子Bが400個(50個/cm)、突出部の長さの長い素子Aが中央部に660個(110個/cm)、素子Bが上記の密度と同一の密度で存在する雄型面ファスナーを得た。
この雄型面ファスナーは、素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突出部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突出部の突出方向と反対方向であり、このような3列の素子からなる構造を繰り返し単位として、平行に複数列有していた。さらに、この雄型面ファスナーは、素子Bの先端部から基板面に垂線を下ろした点を中心とし、素子Bの高さ(H)の3倍の長さを半径とする円内に素子Aが存在している構造を有していた。
この面ファスナー片を用いて実施例1と同様の評価の結果、割裂剥離強力は6.4N/cm、面直剥離強力は17.5N/cm、貼りあわせと手剥離を5回繰り返した後は14.3N/cmであり、クリープ耐熱試験は24時間保持、押し圧100g/cmでの係合は発生せず誤着防止性能を有していた。これらの結果から、この雄型面ファスナーは誤着防止性能を保有しつつ、面着強力は強く、割裂剥離強力は面直張力の1/3程度で、上記実施例1の面ファスナーよりもさらに作業性が良いことが確認された。すなわち、剥がす際に滑らかに剥がすことができ、この点で実施例1のものより一層優れていた。
この雄型面ファスナーも、実施例1のものと同様に、自動車内装材の取り付けに使用したところ、作業性において極めて優れており、しかも、位置が正確でなかった場合に、剥がして付け直す際に剥がすことに無理がなく、作業性に極めて優れていた。また、一旦誤着した状態でも取り外しの際に、内装材や雄型面ファスナーが損傷することなく、取り外し作業が容易であった。
比較例1
金型ローラーを構成する素子Bのリング状金型片のキャビティを無くした以外は実施例1と同様な方法および樹脂を用いて、雄型面ファスナーを製造した。得られた雄型面ファスナーの基板上には高さHが1.6mm、突出部の突出長Wが0.8mmである波型素子Aのみが存在(すなわち素子Bが存在しない)し、隣り合う素子A列に存在するそれぞれの素子Aは互いに反対方向を向いていた。それを20mm×40mmのカット片として、実施例1と同様な方法により性能評価を行なった。
その結果、割裂剥離強力は12.5N/cm、面直剥離強力は21.3N/cm、貼りあわせと手剥離を5回繰り返した後は16.4N/cmであり、クリープ耐熱試験は24時間保持で、やや割裂剥離強力が強いものの剥離性能、耐熱性能に大きな問題はないが、押し圧100g/cmにおいて強い係合が発生してしまい、誤着防止機能が全く無いことが確認された。
比較例2
金型ローラーを構成する素子Bのリング状金型片のキャビティを素子Bの高さが1.5mmになるように変更すること以外は実施例1と同様な方法および樹脂を用いて、雄型面ファスナーを製造した。得られた雄型面ファスナーの基板上には素子Aの高さHおよび素子Bの高さHがともに1.5mm、素子Aの突出部の突出長Wが0.8mmである波型素子Aと素子Bが存在するものであった。この雄型面ファスナーを20mm×40mmのカット片として、実施例1と同様な方法により性能評価を行なった。
その結果、割裂剥離強力は13.0N/cm、面直剥離強力は22.1N/cm、貼りあわせと手剥離を5回繰り返した後は16.6N/cmであり、クリープ耐熱試験は24時間保持したが、押し圧100g/cmにおいてかなり強い係合が発生してしまい、誤着防止機能が殆ど無いことが確認された。
比較例3
金型ローラーを構成する素子Bのリング状金型片のキャビティを素子Bの高さが4.0mmになるように変更すること以外は実施例1と同様な方法および樹脂を用いて、雄型面ファスナーを製造した。得られた雄型面ファスナーの基板上には素子Bの高さHが4.0mm、素子Aの高さHが1.5mm、素子Aの突出部の突出長Wが0.8mmである波型素子Aと非常に高い素子Bが存在する雄型面ファスナーを得た。このものは、成形における引き剥がしを行なうニップローラーに導糸される際に、素子Bの約1/3が潰されて折れてしまい、成形性が悪く、形状保持が難しかった。得られた雄型面ファスナーを20mm×40mmのカット片として、実施例1と同様な方法により性能評価を行なうことを試みた。
その結果、剥離強力の評価において、素子Bが高すぎるためにトリコット生地とは殆ど係合ができず、評価できなかった。
比較例4
金型ローラーを構成するリング状金型片が素子Aの金型片1枚の次に素子Bの金型片を連続して4枚並び、その隣には始まりの素子Aとは反対方向に突出部が存在する素子Aとなるように金型片の並びを変更すること以外は実施例1と同様な方法および樹脂を用いて、雄型面ファスナーを製造した。得られた雄型面ファスナーの基板上には、高さHが2.3mmの素子B、高さHが1.5mmの素子Aが、素子Aと素子Bの合計本数に占める素子Bの本数割合が80%である雄型面ファスナーを得た。このものでは、素子Bの列が4列連続して存在しており、その両隣に素子Aの列が1列存在しており、その隣には素子Bの列が4列連続して存在しており、そしてその隣には素子A(素子の突出部方向が4列向こうのものと逆方向)の列が1列存在している。
この雄型面ファスナーを用いて実施例1と同様の試験を行った。その結果、押し圧100g/cmでの係合は殆ど発生せず誤着防止性能を有していたが、割裂剥離強力は2.2N/cm、面着剥離強力は5.3N/cm、5回後手剥離後は5.2N/cmであり、クリープ耐熱試験は24時間保持できなかった。
これらの結果から、この雄型面ファスナーは誤着防止性能を保有するものの、面着剥離強力、割裂剥離強力ともに極めて弱くなっており、さらにクリープ性能も低下しており、自動車の内装材を固定する面ファスナーとしては適していないことが確認された。
1:基板
2:素子A
3:素子B
4:中央部
5:端部
6:突出部
7:ステム
:素子Aの基板から先端部までの高さ
:ステムから突出する突出部の突出長
:素子Bの基板から先端部までの高さ
L:素子の列方向

Claims (7)

  1. ループ面ファスナーを相手材とする雄型面ファスナーであって、プラスチック基板の表面から立ち上がる多数の素子Aと多数の素子Bを有する面ファスナーにおいて、以下の条件1)〜4)を満足していることを特徴とする位置決め機能を有する雄型面ファスナー。
    1)素子Aが、プラスチック基板の表面から立ち上がるステムと、そのステムからプラスチック基板に平行または近づく方向に突出する突出部からなり、波型の形状を有していること、
    2)素子Bが、プラスチック基板の表面から立ち上がるステムであって、かつ素子Aが有するような突起部を有しておらずに、基板面から遠ざかる方向に直線状に伸びる突起状の形状を有しており、更に相手材のループ面ファスナーと係合しないこと、
    3)素子Aのプラスチック基板から先端部までの高さ(HA)が0.8〜2.5mmであり、かつ素子Bの基板から先端部までの高さ(HB)が、(HA)の1.2〜2.0倍であること、
    4)素子Aと素子Bの合計本数に占める素子Bの本数割合が10〜60%であり、かつ基板表面には素子Aと素子Bが混在していること、
  2. 素子Bの列を挟んでその両側に素子Aの列が存在しており、かつ素子Aの突出部の突出方向が、素子Aの列に平行な方向で、さらに素子Bの列を挟んで反対側に存在する素子Aの列の突出部の突出方向と反対方向である請求項1に記載の雄型面ファスナー。
  3. 素子Bの先端部から基板面に垂線を下ろした点を中心とし、素子Bの高さ(HB)の3倍の長さを半径とする円内に素子Aが存在している請求項1または2に記載の雄型面ファスナー。
  4. 雄型面ファスナー中央部に存在する素子Aの方が、その両端部に存在する素子Aよりも、ステムから突出する突出部の突出長(WA)が長い請求項1に記載の雄型面ファスナー。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の雄型面ファスナーにより,天井、壁または床面の基材に内装材を固定する内装材の固定方法。
  6. 内装材が乗り物用内装材である請求項に記載の内装材の固定方法。
  7. 内装材が家屋用内装材である請求項に記載の内装材の固定方法。
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