JP6490980B2 - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(2)(1)に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる精密部品。
本発明の樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド(A)と強化材(B)とカーボンナノファイバー(C)から構成される。
また、本発明の樹脂組成物は、精密部品のパッケージや運搬用ケースに用いることもできる。
(1)融点、ガラス転移温度
パーキンエルマー社製示差走査型熱量計DSC−7を用い、昇温速度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、その後、100℃/分で20℃まで降温し、20℃にて5分間保持後、350℃まで20℃/分でさらに昇温した(2nd Scan)。そして、2nd Scanで観測される結晶融解ピークのピークトップ温度を融点とし、ガラス転移に由来する2つの折曲点の温度の中間点をガラス転移温度とした。
96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定した。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、ファナック社製射出成形機(S−2000i)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、ISO 3167に準拠して、多目的試験片を作製した。
得られた多目的試験片を用いて、ISO527−1に準拠して、引張強度や引張弾性率を測定した。
(3)で得られた多目的試験片を用いて、ISO75−1、2に準拠して、荷重1.80MPaで荷重たわみ温度を測定した。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、ファナック社製射出成形機(S―2000i)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、幅60mm×長さ60mm×厚み3mmの板状試験片を作製した。
得られた板状試験片を、23℃の条件で蒸留水に24時間浸漬し、表面の水分をふき取った後、三菱化学社製カールフィシャー水分計を用いて、150℃の気化条件にて、吸水率を測定した。
(5)で得られた板状試験片を用いて、23℃で24時間静置後、静置前後の成形収縮率を測定した。
なお、射出方向をMD、平板表面に平行かつ射出方向と垂直の方向をTDとした。
表において、成形収縮率が5%以上の場合は、「>5」と表示する。
成形収縮率は、MD、TDともに1.0%以下を合格とした。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、ファナック社製射出成形機(S−2000i)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、幅20mm×長さ20mm×厚み0.5mmの平板試験片を作製した。金型は、20mm×0.5mmの面にフィルムゲートを有するものを用いた。
得られた平板試験片を85℃×85%RHにて168時間静置した。
その後、150℃で1分間加熱した後、100℃/分の速度で265℃まで昇温して10秒間保持する処理した。
上記熱処理後、目視でブリスターの発生の有無を確認した。
射出方向をMD、平板表面に平行かつ射出方向と垂直の方向をTDとして、上記熱処理前後の成形品寸法から、MD、TDそれぞれの寸法変化率を求め、以下の式により、異方寸法変化率比を求めた。
異方寸法変化率比=(TDの寸法変化率)/(MDの寸法変化率)
異方寸法変化率比は、2.0以下を合格とした。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、ファナック社製射出成形機(S−2000i)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、直径φ100mm,厚み1.6mmの円板試験片を作製した。
得られた円板試験片を用いて、23℃で50%RH環境下に24時間静置後、同環境下においてJIS−K−6911に準拠して、エレクトロメーター(アドバンテスト社製R8340)およびレジスティビティ・チャンバ(アドバンテスト社製R12704A)を用いて体積固有抵抗値を測定した。
体積固有抵抗値は、1010Ω・cm以下を合格とした。
得られた樹脂組成物のペレットを十分に乾燥した後、ファナック社製射出成形機(S―2000i)を用いて、シリンダー温度(Tm+15℃)、金型温度(Tm−190℃)の条件で、JIS−K7218に規定される中空円筒試験片を作製した。作製後は吸湿しないようにすぐに絶乾状態で保管した。
得られた中空円筒試験片について、JIS−K7218に準拠して、23℃50%RHの環境下、TOYO BALDEIN社製鈴木式摩擦摩耗試験装置EMF−III−E型を用いて連続すべり摩耗試験を実施した。相手材は金属S45C製の中空円筒試験片(樹脂組成物の中空円筒試験片と同形状)、荷重は5kgf、すべり速度は0.5m/s、すべり距離は5.4kmとした。
連続すべり摩耗試験終了後、試験片を120℃で4時間乾燥して水分を除去し、比摩耗量を測定した。
比摩耗量は、40mm3/(km・kN)以下を合格とした。
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
・TPA:テレフタル酸
・ODA:1,8−オクタンジアミン
・DA:1,10−デカンジアミン
・DDA:1,12−ドデカンジアミン
・NDA:1,9−ノナンジアミン
・STA:ステアリン酸(分子量:284)
・BA:安息香酸(分子量:122)
・CA:カプロン酸(分子量:116)
・SHP:次亜リン酸ナトリウム一水和物
・半芳香族ポリアミド(A−1)
[工程(i)]
TPA粉末4560質量部、SHP9質量部、STA490質量部を、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、ダブルヘリカル型の攪拌翼を用いて回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、100℃に加温したDA4950質量部を、33質量部/分の速度で、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)にTPA粉末に添加し反応物を得た。原料モノマーのモル比は、DA:TPA:STA=47.4:49.6:3.0(原料モノマーの末端基の当量比率はDA:TPA:STA=48.1:50.4:1.5)であった。
[工程(ii)]
工程(i)で得られた反応物を、引き続き工程(i)で用いたリボンブレンダー式の反応装置内で、窒素気流下、230℃に昇温し、230℃で5時間加熱して重合し半芳香族ポリアミド(A−1)を得た。
樹脂組成を表1のように変更する以外は、半芳香族ポリアミド(A−1)を製造した場合と同様の操作をおこなって、半芳香族ポリアミドを得た。
ユニチカ社製A125J、融点265℃
ユニチカ社製A1030BRL、融点225℃
三菱エンジニアリングプラスチックス社製ユーピロンS−2000、ガラス転移点150℃
・ガラス繊維(B−1)
日本電気硝子社製T−249H、繊維径10.5μm×繊維長3μm
・ウォラストナイト(B−2)
NYCO社製NYGLOS 8、繊維径8μm×繊維長136μm
・タルク(B−3)
日本タルク社製MSZ−C、アミノシランで表面処理したもの、平均粒径11μm
・炭素繊維(B−4)
三菱レイヨン社製TR06NEB4J、繊維径7μm×繊維長 6mm
(7)カーボンナノファイバー(C)
・CNT−1(C−1)
ナノシル社製MWCNT NC−7000、カーボンナノチューブ、平均径9.5nm、平均長さ1.5μm
・CNT−2(C−2)
クムホ社製MWCNT K−NANOs−100T、カーボンナノチューブ、平均径8〜15nm、平均長さ 26μm
半芳香族ポリアミド(A−1)58質量部を、ロスインウェイト式連続定量供給装置CE−W−1型(クボタ社製)を用いて計量し、スクリュー径26mm、L/D50の同方向二軸押出機TEM26SS型(東芝機械社製)の主供給口に供給して、溶融混練をおこなった。途中、サイドフィーダーよりウォラストナイト20質量部とタルク20質量部とCNT−1(C−1)2質量部を供給し、さらに混練をおこなった。ダイスからストランド状に引き取った後、水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。押出機のバレル温度設定は、(半芳香族ポリアミドの融点+5℃)〜(半芳香族ポリアミドの融点+15℃)、スクリュー回転数250rpm、吐出量25kg/時間とした。
ポリアミド樹脂組成物の組成を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなったが、強化材の配合量が多かったため溶融混練が困難となり、ペレットを得ることができなかった。
ポリアミド樹脂組成物の組成を表2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の操作をおこなったが、カーボンナノファイバーの配合量が多かったため溶融混練が困難となり、ペレットを得ることができなかった。
実施例1、比較例5、6、10の対比から、分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸を含む半芳香族ポリアミドに、カーボンナノファイバーを用いることにより、体積平均抵抗値が相乗的に高くなり、比摩耗量が相乗的に少なくなっていることがわかる。
実施例6、比較例11の対比から、ナノファイバーにより帯電防止性を付与した場合は、炭素繊維により帯電防止機能を付与した場合よりも、ほぼ同じ体積平均抵抗を有しているにもかかわらず、異方寸法変化率比が小さいことがわかる。
実施例1、11、12と参考例1の対比から、特定ジアミンを用いた半芳香族ポリアミドの方が、特定ジアミンを用いていない半芳香族ポリアミドよりも、ブリスター特性等の耐熱性が優れていることがわかる。
比較例4の樹脂組成物は、カーボンナノファイバーの配合量が本発明で規定する量よりも少なかったため、体積固有抵抗値が大きく、比摩耗量が多かった。
比較例5、6の樹脂組成物は、それぞれ、安息香酸、カプロン酸(分子量140未満)を含有する半芳香族ポリアミドを用いたため、体積固有抵抗値が高く、比摩耗量が多かった。
比較例7の樹脂組成物は、ポリアミド66を用いたため、ブリスターが発生した。また、異方寸法変化率比が大きく、比摩耗量も多かった。
比較例8の樹脂組成物は、ポリアミド6を用いたため、ブリスターが発生した。また、異方寸法変化率比が大きく、比摩耗量も多かった。
比較例9の樹脂組成物は、ポリカーボネートを用いたため、異方寸法変化率比が大きく、比摩耗量が多かった
比較例10の樹脂組成物は、カーボンナノファイバーを用いなかったため、体積固有抵抗値が高く、比摩耗量が多かった。
比較例11の樹脂組成物は、カーボンナノファイバーを用いなかったため、異方寸法変化率比が大きかった。
Claims (2)
- 半芳香族ポリアミド(A)40〜89.5質量%、強化材(B)10〜50質量%、およびカーボンナノファイバー(C)0.5〜10質量%を含有し、半芳香族ポリアミド(A)が、芳香族ジカルボン酸成分と脂肪族ジアミン成分と脂肪族モノカルボン酸とから構成され、芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸を主成分とし、脂肪族ジアミン成分が、1,8−オクタンジアミンまたは1,10−デカンジアミンを主成分とし、脂肪族モノカルボン酸成分が、分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸を含有することを特徴とするポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる精密部品。
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