JP6490330B2 - 現金処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、現金を収納する収納部を有する現金処理装置に関する。
金融機関の営業店カウンタ等に、窓口用現金処理機に代表される現金処理装置が設置されている。現金処理装置は、紙幣や硬貨の入金取引や出金取引等に利用される。職員や顧客が投入した現金に対して、入金取引や出金取引を行うことができる。
下記の特許文献1には、入金口に投入された紙幣を一時保留部に一時保留した後にスタッカに収納する入金処理と、収納部に収納された紙幣を分離して出金口に搬送する出金処理とを行う現金処理装置が開示されている。
特開2001−93022号公報
現金処理装置においては、種々のメンテナンス(例えば、収納部の交換等)や保守等が行われる。かかる場合には、職員は、収納部であるカセットを装置本体から取り出して、新しいカセットと交換する。ところで、現金処理装置の構成によっては、顧客の目の前で収納部が取り出される場合がある。かかる場合には、収納部が顧客に晒されるため、内部機構が覗き見られ、防犯性が損なわれる恐れがある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、収納部が取り出される際の防犯性の低下を抑制可能な、新規かつ改良された現金処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、顧客に対向する装置本体の長手方向の一端側に設けられ、現金が投入され又は現金を排出する入出金部と、前記装置本体に対して着脱可能に設けられ、現金を収納する収納部と、を備え、前記収納部は、前記顧客から遠ざかる位置で前記装置本体から取り出される、現金処理装置が提供される。
また、上記の現金処理装置において、前記収納部は、前記装置本体に対して前記長手方向の他端側から引き出し可能に設けられ、前記収納部は、前記他端側から引き出された後に取り出されることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記入出金部は、前記装置本体に対して前記長手方向の一端側から引き出し可能に設けられていることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記収納部は、前記入出金部の下方に位置し、前記収納部と前記入出金部は、共に引き出されることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記長手方向の他端側に開閉可能な開閉扉を更に備え、前記開閉扉の開状態において、前記収納部が前記他端側から引き出されることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記現金処理装置は、前記顧客から遠ざかる位置へ向けて移動可能な設置台に取り付けられ、前記収納部は、前記装置本体に対して前記長手方向の一端側から引き出し可能に設けられ、前記設置台が前記位置へ移動した場合に、前記収納部は、前記一端側から引き出された後に取り出されることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記現金処理装置は、前記長手方向の中央部が対面用カウンタに挟まれるように設置され、前記収納部は、前記対面用カウンタから見て一方側に位置する前記入出金部が、前記設置台の移動に伴い前記対面用カウンタから見て他方側へ移動した後に、前記一端側から引き出されることとしても良い。
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、装置本体の長手方向の一端側に対向する顧客から受け取った現金を、前記装置本体の長手方向の他端側に対向する投入者が投入する現金処理装置であって、前記投入者により前記現金が投入される入金口を備え、前記入金口は、前記現金を渡した前記顧客の視界内に入るように、装置本体の上部側の位置に設けられている、現金処理装置が提供される。
また、上記の現金処理装置において、前記入金口は、前記装置本体の上面側において上方を向いた開口であることとしても良い。
また、上記の現金処理装置において、前記入金口は、前記装置本体の上部側面において前記一端側を向いた開口であることとしても良い。
以上説明したように本発明によれば、収納部が取り出される際の防犯性の低下を抑制することが可能となる。
第1の実施形態に係る紙幣処理装置10の内部構成の一例を示す図である。 紙幣処理装置10の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。 上部ユニット53の引き出し方向を示す模式図である。 下部ユニット56の引き出し方向を示す模式図である。 上部ユニット53と下部ユニット56が共に引き出された一例を説明するための図である。 比較例に係る紙幣処理装置900の営業店等における設置態様の一例を示す図である。 比較例に係る紙幣処理装置900おいて、下部ユニットの引き出しを説明するための模式図である。 第2の実施形態に係る紙幣処理装置100の内部構成の一例を示す図である。 紙幣処理装置100の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。 紙幣処理装置100を保持した設置台180がX1方向に移動した状態を示す模式図である。 紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35を取り出す流れを説明するための模式図である。 第3の実施形態に係る紙幣処理装置200の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。 第3の実施形態において、入金口への紙幣の投入の流れと顧客の視線との関係を説明するための図である。 比較例を説明するための図である。 第3の実施形態に係る紙幣処理装置200の変形例を説明するための図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.第1の実施形態>
(1−1.現金処理装置の内部構成例)
図1を参照しながら、第1の実施形態に係る現金処理装置の一例である紙幣処理装置10の内部構成例について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る紙幣処理装置10の内部構成の一例を示す図である。紙幣処理装置10は、金融機関の営業店等に設置されている。紙幣処置装置10は、装置の操作者である金融機関の職員又は顧客(以下、顧客等と呼ぶ)による操作に基づいて、紙幣の取引を行う端末である。
紙幣処理装置10は、図1に示すように、入金口12と、第1出金口14と、第2出金口15と、紙幣認識部20と、一時保留部22と、搬送部24と、紙幣カセット30A〜30Eと、収納専用カセット35とを有する。なお、入金口12、第1出金口14、及び第2出金口15が、入出金部に該当し、紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35が、収納部に該当する。
入金口12は、顧客(図2に示す顧客C)に対向する装置本体50の長手方向の一端側に設けられ、顧客等が紙幣を投入する投入口である。入金口12には、開口部を開閉するシャッタ(不図示)を設けるようにしてもよい。また、入金口12は、束で投入された紙幣を一枚ずつ分離して繰り出す分離機能を有する。
第1出金口14及び第2出金口15は、顧客等が受け取る紙幣が排出(出金)される排出口である。第1出金口14及び第2出金口15は、排出する紙幣を集積する集積機能を有する。図1に示す例では、出金口が2つ設けられているが、これに限定されず、例えば出金口が3つ以上であってもよい。なお、第1出金口14と第2出金口15には、それぞれ開口部を開閉するシャッタ(不図示)が設けられても良い。
紙幣認識部20は、1枚ずつ通過していく紙幣の鑑別を行う。紙幣の進行方向は双方向に対応しており、紙幣認識部20は、入金口12側の方向から搬送される紙幣、およびその逆方向から搬送される紙幣の鑑別を行うことができる。具体的には、紙幣認識部20は、搬送路を通って搬送された紙幣の金種、真偽(真券/偽券)、正損(正券/損券)および走行状態(正常/異常)などを鑑別し、通過する紙幣に対して、正常判定またはリジェクト判定を行う。
ここで、本明細書において真券とは紙幣と鑑別されたものをいい、偽券とは紙幣と鑑別されなかったものをいう。また、正券とは真券と鑑別された紙幣のうち入金/出金に適すると鑑別されたものをいい、損券とは真券と鑑別された紙幣のうち入金/出金に適さないと鑑別されたものをいう。また、リジェクト判定は、偽券、損券(汚損、損壊、外形異常等)、走行異常(スキュー紙幣、重走等)といった要因に基づいて行われる。また、リジェクト紙幣には、出金紙幣として取り扱えない紙幣(例えば二千円札や五千円札)を含んでもよいし、外国紙幣を含んでもよい。
一時保留部22は、紙幣の分離と集積の両方の機能を有する。例えば、一時保留部22は、入金取引時に入金口12から分離されて紙幣認識部20により正常と鑑別された紙幣を一時的に集積する。一時保留部22に集積された紙幣は、入金した紙幣の口座計上などが確定したなど、取引が成立した場合に繰り出され、紙幣認識部20を経て紙幣カセット30A〜30Eなどに搬送される。なお、一時保留部22は、紙幣を順次重ねて集積する集積式であってもよいし、紙幣を順次巻いて収納するドラム式であってもよい。
搬送部24は、搬送路、紙幣を搬送する搬送ローラ、および搬送ローラを駆動する駆動機構を含み、紙幣を一枚ずつ搬送する。駆動機構は、例えばDCサーボモータまたはパルスモータなどが回転することにより、搬送ローラを駆動する。
紙幣カセット30A〜30Eは、紙幣を金種毎に収納可能な紙幣収納部であって、紙幣の集積および分離の両方の機能を有する。紙幣カセット30A〜30Eは、同一金種のための複数の紙幣カセットを含んでもよい。また、紙幣カセット30A〜30Eは、紙幣処理装置10に対して着脱可能な構造になっており、個別に交換することで紙幣カセット30A〜30Eに紙幣を装填することも可能である。
収納専用カセット35は、紙幣を集積する集積機能のみを有する。収納専用カセット35には、紙幣カセット30A〜30Eから分離された紙幣を集積し、又は紙幣認識部20によって異常と鑑別(リジェクト判定)された紙幣(リジェクト紙幣)を集積する。収納専用カセット35も、紙幣処理装置10に対して着脱可能な構造になっており、交換することで、紙幣の回収が可能である。
上述した紙幣処理装置10は、金融機関の営業店等に設置される際に、図2に示す対面用カウンタの一例であるカウンタ90を挟んで対面する顧客と職員の間に位置する。これにより、顧客と職員が、紙幣処理装置10の操作を行うことが可能となる。
図2は、紙幣処理装置10の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。図2では、営業店等のカウンタ90の下方に紙幣処理装置10が設置されている。具体的には、紙幣処理装置10は、長手方向(図2のX方向)の中央部がカウンタ90に挟まれるように設置されている。そして、顧客Cが入金口12に入金紙幣を投入し、又は顧客が第1出金口14又は第2出金口15から出金紙幣を抜き取れるように、入金口12、及び出金口14、15は、顧客C側に配置されている。
次に、上述した紙幣処理装置10の処理について説明する。紙幣処理装置10は、例えば入金処理、出金処理等を行う。入金処理は、入金口12の紙幣を紙幣カセット30A〜30Eに集積する処理である。出金処理は、紙幣カセット30A〜30Eの紙幣を第1出金口14又は第2出金口15に集積する処理である。
入金処理においては、まず、顧客等により入金口12に投入された紙幣が、一枚ずつ分離して繰り出される。繰り出された紙幣は、搬送部24により紙幣認識部20に搬送される。その後、紙幣認識部20が紙幣の鑑別を行い、鑑別結果が正常であった紙幣は、一時保留部22へ搬送されて集積される。一方で、紙幣認識部20による鑑別結果が異常であった紙幣(リジェクト紙幣)は、第1出金口14又は第2出金口15に集積される。一時保留部22に集積された紙幣は、1枚ずつ分離され、紙幣認識部20に搬送される。紙幣認識部20による鑑別結果が正常であった紙幣は、金種に対応する紙幣カセット30A〜30Eに集積される。一方で、汚損券、折れ紙幣、スキュー紙幣などの走行異常紙幣のように、紙幣認識部20による鑑別結果が異常であった紙幣は、収納専用カセット35に集積される。
出金処理においては、まず、顧客等により指定された金額に応じて、紙幣カセット30A〜30Eから紙幣が1枚ずつ分離して繰り出される。繰り出された紙幣は、搬送部24により紙幣認識部20に搬送される。その後、紙幣認識部20が紙幣の鑑別を行い、鑑別結果が正常であった紙幣は、第1出金口14又は第2出金口15に集積される。具体的には、例えば出金する正常紙幣の金種や枚数に応じて、第1出金口14又は第2出金口15に選択的に集積(集金)される。一方で、鑑別結果が異常であった紙幣、すなわち、顧客に支払いできない紙幣は、収納専用カセット35に集積される。
(1−2.上部ユニット及び下部ユニットの引き出し)
紙幣処理装置10は、職員により種々のメンテナンス(例えば、紙幣のジャムの解消)や保守等が行われる。そして、紙幣処理装置10は、図1に示すように、装置本体50に対して引き出し又は挿入可能な上部ユニット53と下部ユニット56を有する。下部ユニット56は、上部ユニット53の下方に位置する。
上部ユニット53は、前述した入金口12、第1出金口14、第2出金口15、紙幣認識部20、一時保留部22、及び搬送部24を含む。搬送部24等において紙幣のジャムが発生した場合や上部ユニット53の保守をする場合には、職員が上部ユニット53を引き出して、ジャムとなった紙幣を取り除き、又は上部ユニット53の保守を行う。上部ユニット53は、装置本体50の上部筐体52のスライドレール(不図示)に沿って、引き出され、又は挿入される。
図3は、上部ユニット53の引き出し方向を示す模式図である。図3に示すように、上部ユニット53は、装置本体50に対して長手方向の一端側からX2方向(顧客側)へ引き出され、装置本体50に対してX1方向へ挿入される。
下部ユニット56は、前述した紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35を含む。紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35の紙幣を回収・補充するためにカセットを交換する場合や、紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35で紙幣のジャムが発生した場合には、職員が下部ユニット56を引き出して、下部ユニット56内のカセットを交換し、又はジャムとなった紙幣を取り除く。
下部ユニット56には、紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35が着脱可能にセットされている。下部ユニット56は、下部筐体55のスライトレール(不図示)に沿って、引き出され、又は挿入される。そして、下部ユニット56が引き出されると、紙幣カセット30A〜30E、収納専用カセット35の交換が可能となる。
図4は、第1の実施形態における下部ユニット56の引き出し方向を示す模式図である。図4(a)は、紙幣処理装置10を上面から見た図であり、図4(b)は、紙幣処理装置10を正面から見た図である。下部ユニット56は、装置本体50に対して長手方向の他端側からX1方向(顧客から遠ざかる方向)へ引き出され、装置本体50に対してX2方向へ挿入される。このように、第1の実施形態では、上部ユニット53の引き出し方向と、下部ユニット56の引き出し方向とが、互いに逆方向である。
上記では、上部ユニット53と下部ユニット56が、別々に引き出ることとしたが、これに限定されない。例えば、図5に示すように、上部ユニット53と下部ユニット56は、共に引き出されても良い。上部ユニット53と下部ユニット56が共に引き出された場合には、両方のユニットについてメンテナンス等を行えるので、メンテナンス性が向上する。本実施形態では、下部筐体55の厚みが大きい金属製の筐体であるので、装置本体50が安定し、上部ユニット53と下部ユニット56を共に引き出すことが可能である。図5は、上部ユニット53と下部ユニット56が共に引き出された一例を説明するための図である。
紙幣処理装置10の長手方向の他端側には、開閉可能な開閉扉59(図1参照)が設けられている。開閉扉59は、通常施錠されており、下部ユニット56を引き出す際に施錠が解除される。そして、図4(a)に示すように開閉扉59の開状態において、下部ユニット56を引き出される。なお、図4(b)では、説明の便宜上、開閉扉59が省略されている。
ここで、紙幣カセット30A〜30Eと収納専用カセット35の引き出す迄の流れについて説明する。まず、職員は、開閉扉59の施錠を解除して開閉扉59を開けた後に、下部ユニット56を手前側(顧客から遠ざかる位置)に引き出す。次に、職員は、紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35を上方に移動させて、下部ユニット56から取り出す。このように、第1の実施形態では、紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35は、顧客から遠ざかる位置で引き出される。その後、職員は、新しいカセットを下部ユニット56にセットして装置本体50に挿入することで、紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35の交換が終了する。
(1−3.第1の実施形態の有効性について)
第1の実施形態に係る紙幣処理装置10の有効性について、図6及び図7に示す比較例と対比して、説明する。
図6は、比較例に係る紙幣処理装置900の営業店等における設置態様の一例を示す図である。紙幣処理装置900の上部の構成は、図1に示す紙幣処理装置10と同様であるが、紙幣処理装置900の下部の構成は、紙幣処理装置10と異なる。比較例においては、開閉扉959が顧客C側に位置しており、下部ユニット956が顧客C側に引き出される。
図7は、比較例に係る紙幣処理装置900おいて、下部ユニット956の引き出しを説明するための模式図である。比較例においては、職員は、例えば紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35を交換する際に、顧客C側に移動して顧客の目の前で、開閉扉959の施錠を解錠して開閉扉959を開けた後に、下部ユニット956を引き出す。なお、図7では、説明の便宜上、開閉扉959が省略されている。
比較例の場合には、職員が、顧客Cの前で、カセットの交換やジャム紙幣を取り除く作業を行うことになる。このため、紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35が顧客に晒されて、強奪される危険性や紙幣処理装置900の内部機構、筐体構造、扉の視点や施錠位置が覗き見られる恐れがある。また、職員の死角から顧客がジャム紙幣に触ることで、盗難の危険性がある。
これに対して、第1の実施形態では、下部ユニット56を顧客C側とは反対側に引き出して、顧客Cから遠ざかる位置で紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35が取り出される。かかる場合には、下部ユニット56を顧客から引き離すことができるため、顧客がジャム紙幣に触ることを防止できる。また、下部ユニット56を引き出す際に、カウンタ90が下部ユニット56を見る顧客の視界を遮るので、顧客は紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35の内部構造を視認することが困難となり、防犯性を向上できる。
上記では、現金処理装置として紙幣処理装置10を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、現金処理装置は、硬貨の入出金と収納が可能な硬貨処理装置であっても良い。かかる場合にも、硬貨を収納する収納部を含む下部ユニットを顧客側から離れる方向に引き出すことにより、顧客が硬貨処理装置の内部構造を視認することが困難となり、防犯性を向上できる。
<2.第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係る紙幣処理装置100の内部構成の一例を示す図である。第1の実施形態では、図1に示すように開閉扉59が職員側に設けられていたが、第2の実施形態では、図8に示すように開閉扉59が顧客側に設けられている。また、第1の実施形態では、下部ユニット56が装置本体の長手方向の他端側からX1方向に引き出されることとしたが、第2の実施形態では、下部ユニット56が装置本体の長手方向の一端側からX2方向に引き出される。
図9は、紙幣処理装置100の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。紙幣処理装置100は、図9(b)に示すように、カウンタ190の下方の設置台180に取り付けられている(具体的には、固定されている)。設置台180は、カウンタ190の下方のカウンタ土台192に対して、紙幣処理装置100を保持したままX1、X2方向に移動できるスライド機構182を有する。例えば、設置台180は、X1方向に移動することにより、顧客から遠ざかる位置に移動することになる。
第2の実施形態に係るカウンタ190は、図9(b)に示すように、紙幣処理装置100がX1方向に移動する際に干渉しないための開口部193を有する。
次に、図10及び図11を参照しながら、第2の実施形態における紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35の取り出しについて説明する。図10は、紙幣処理装置100を保持した設置台180がX1方向に移動した状態を示す模式図である。図11は、紙幣カセット30A〜30E、及び収納専用カセット35を取り出す流れを説明するための模式図である。
まず、職員は、図10に示すように、紙幣処理装置100が固定された設置台180をX1方向(顧客から離れる位置)に移動させる。これにより、入金口12、第1出金口14、第2出金口15が、カウンタ190の反対側に位置する。設置台180のX1方向への移動量は、X2方向に引き出される本体部がカウンタ190の開口部193を通過しない量(図11参照)である。
次に、職員は、顧客から遠ざかった位置に位置する紙幣処理装置100とカウンタ190との間に位置し、開閉扉59の施錠を解除し開閉扉59を開けた後に、図11に示すように下部ユニット56を装置本体50の一端側からX2方向に引き出す。次に、職員は、紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35を上方に移動させて取り出す。
第2の実施形態においても、設置台180をX1方向に移動させて顧客から遠ざかった位置で紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35を取り出す。かかる場合にも、紙幣処理装置100の下部ユニット56を顧客から引き離すことができるため、顧客がジャム紙幣に触ることが防止できる。また、本体部を引き出す際に、カウンタ190が下部ユニット56を見る顧客の視界を遮るので、顧客は紙幣カセット30A〜30Eや収納専用カセット35の内部構造を視認することが困難となり、防犯性を向上できる。
<3.第3の実施形態>
第1の実施形態及び第2の実施形態では、顧客が、入金口12に入金紙幣を投入し、第1出金口14又は第2出金口15から出金紙幣を抜き取っている。これに対して、第3の実施形態では、投入者である職員が、入金口に入金紙幣の投入し、出金口から出金紙幣を抜き取るように、紙幣処理装置が金融機関の営業店に設置されている。
図12は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置200の金融機関の営業店等における設置態様の一例を示す図である。紙幣処理装置200は、対面する顧客Cと職員Uの間のカウンタ290の下方に設けられている。そして、第3の実施形態では、顧客が、紙幣処理装置200の入金口212、第1出金口214、第2出金口215が設けられた長手方向の一端側に対向し、職員Uが、紙幣処理装置200の長手方向の他端側に対向する。
かかる場合に、営業店に来店した顧客は、カウンタ290の向こう側に座っている職員Uに紙幣を渡す。職員Uは、受け取った紙幣を紙幣処理装置200の入金口212に投入する。投入された紙幣は、紙幣処理装置200の内部へ取り込まれて、枚数がカウントされ、紙幣の種別が判別され、カセット等に収納される。
ところで、第3の実施形態に係る紙幣処理装置200では、職員が紙幣を入金口へ投入する行為を顧客Cが確認しやすいように、入金口212の位置が設定されている。具体的には、図11に示すように、入金口212が、紙幣を渡した顧客の視界内に入るように、紙幣処理装置200の上部側の位置に設けられている。
図13は、第3の実施形態において、入金口212への紙幣の投入の流れと顧客の視線との関係を説明するための図である。図13に示すように、入金口212は、紙幣処理装置200の後ろ側に立っている顧客Cから見て紙幣処理装置200の影に隠れない角度において、上方を向くように紙幣処理装置200の上面側に配置された開口である。なお、第1出金口214と第2出金口215は、入金口212よりも職員側に配置されている(図12参照)。
図14は、比較例を説明するための図である。比較例に係る紙幣処理装置950では、入金口952が職員に対向する前面側に配置されている。かかる構成においては、職員が顧客から受け取った紙幣を入金口952に投入する際に、紙幣が紙幣処理装置950の影に隠れてしまい、顧客の視線の死角に位置する。かかる場合には、顧客は、職員が入金口952に投入されるべき紙幣を抜き取っても、確認できない。このため、例えば、顧客が職員に渡した紙幣の総額と、入金口952に投入された紙幣の総額とに不一致が発生した場合に、顧客との間でトラブルが発生する恐れがある。
これに対して、図13に示す位置に入金口212を設けた場合には、顧客から受け取った紙幣を入金口212に投入する際に職員の腕が、紙幣処理装置200の上側だけを通過する。これにより、紙幣が紙幣処理装置200の影に隠れることを防止できるので、顧客は、職員が紙幣を入金口212へ投入するまでの動きを確認し続けることができる。この結果、顧客との間でのトラブルの発生を防止できる。
図15は、第3の実施形態に係る紙幣処理装置200の変形例を説明するための図である。変形例においては、入金口213が、後ろ側(顧客側)を向くように、紙幣処理装置200の上部側面に配置されている。この入金口213の位置は、紙幣処理装置200の後ろ側に立っている顧客の視界内の位置である。
変形例の場合にも、顧客から受け取った紙幣を入金口213に投入する際に職員の腕が、紙幣処理装置200の上側だけを通過する。これにより、紙幣が紙幣処理装置200の影に隠れることを防止できるので、顧客Cは、職員が紙幣を入金口213へ投入するまでの動きを確認し続けることができる。この結果、顧客との間でのトラブルの発生を防止できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
10 紙幣処理装置
12 入金口
14 第1出金口
15 第2出金口
30A〜30E 紙幣カセット
35 収納専用カセット
50 装置本体
53 上部ユニット
55 下部筐体
56 下部ユニット
59 開閉扉
180 設置台
212、213 入金口
C 顧客

Claims (1)

  1. 顧客と職員とが対面して操作する現金処理装置において、
    前記顧客と前記職員との間には対面用カウンタが配置され、
    前記対面用カウンタは、前記現金処理装置の長手方向の中央部を挟むように配置され、
    前記顧客に対向する前記現金処理装置本体の前記長手方向の前記顧客側に設けられ、現金が投入され又は現金を排出する入出金部と、
    前記入出金部の下方において、前記現金処理装置本体に対して着脱可能に設けられ、現金を収納する収納部と、
    を備え
    記入出金部は、前記現金処理装置本体に対して前記長手方向の前記顧客側から引き出し可能であり、
    前記収納部は、前記現金処理装置本体に対して前記長手方向の前記職員側から前記顧客から遠ざかるように引き出し可能に設けられ、
    前記収納部を前記職員側へ、前記入出金部を前記顧客側へ、共に引き出ことが可能であり、
    前記収納部は、前記職員側から引き出された後に取り出される、現金処理装置。
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