JP6489677B2 - トンネル二次覆工天端付近の背面の隙間充填方法及び隙間充填装置 - Google Patents
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本発明のトンネル天端付近の背面の隙間充填方法及び隙間充填装置は、例えば、NATM工法を用いて構築した山岳トンネルに対して、好適に適用する事ができる。図示しないが、このトンネルは、ジャンボ等の掘削装置により掘削を行った後に、トンネル側面にロックボルトを装入するとともに支保工を施工する。
本発明の実施形態に係る隙間充填装置は、トンネル天端付近の背面に生じた隙間に充填材を充填するための装置であり、複数の充填材リーク防止部材50と、流体の圧入装置とを主要な構成部材としている。なお、充填材リーク防止部材50を設置する位置は、トンネル縦断方向において任意であるが、一般的なトンネル覆工では、型枠(セントル)のトンネル延長方向の長さは約10m程度であり、一度に施工できる覆工の長さも同程度である。このため、覆工コンクリートの打設単位を1ブロックとした場合に、各ブロック間に生じる打ち継ぎ目が生じることになる。したがって、覆工コンクリート30の打設単位を1ブロックとして、各ブロックの両端部に充填材リーク防止部材50を設置することが好ましい。
本実施形態の充填材リーク防止部材50は、各ブロックのトンネル延長方向の両端部において、防水シート40と覆工コンクリート30との間に位置するよう、トンネル横断方向に設置した、中空状で柔軟性を有する部材である。この充填材リーク防止部材50は、専用の部材を用いることもできるが、中空状で柔軟性を有すればよく、例えば、ゴム製あるいは合成樹脂製のチューブやホースを転用することができる。なお、充填材リーク防止部材50は、一端部が閉塞されており、他端部が圧入装置80に連通接続可能となっている。
圧入装置80は、充填材リーク防止部材50の中空部内に流体を圧入する装置である。この圧入装置80は、例えば、充填材リーク防止部材50の端部に接続して、中空部内に流体を送出するポンプからなる。充填材リーク防止部材50の中空内に圧入する流体は、充填材リーク防止部材50を膨張させることができればどのような材料であってもよく、例えば、空気、水、粘性流体等を用いることができる。また、充填材リーク防止部材50を膨張させた後に、膨張状態を維持させるためには、例えば、圧入時には流動性を有し、所定時間経過後に硬化する硬化材を用いればよい。
本実施形態では、覆工コンクリート30の内空面側から防水シート40側へ貫通するとともに、通常状態では閉塞され、充填材70を注入する際に開放可能な充填材注入部60を備えている。この充填材注入部60は、例えば、覆工コンクリート30を、その厚み方向に貫通するパイプからなり、覆工コンクリート30の内空面側にボルト等の栓部材61を取り付ける。そして、通常状態では、栓部材61により充填材注入部60を閉塞状態としておく。そして、防水シート40と覆工との隙間に充填材を注入する際に、栓部材61を取り外して充填材注入部60の一端部(トンネル内空面側)に充填材圧入装置80(図2及び図3参照)を取り付け、充填材注入部60を介して、防水シート40と覆工コンクリート30との隙間に充填材70を充填する。
充填材は、モルタル系、ガラス系、合成樹脂等、どのようなものを用いてもよいが、特に隙間の厚みが小さい(防水シート40と覆工コンクリート30との間隔が狭い)場合には、隙間の隅々まで充填材を行き渡らせるために、低粘性の充填材を用いることが好ましい。
本実施形態の隙間充填方法では、トンネル二次覆工天端付近の背面の隙間に充填材を充填する際に、二次覆工の打ち継ぎ目から充填材がリークすることを防止する。すなわち、図1及び図2に示すように、トンネル延長方向の適宜位置に、防水シート40と覆工コンクリート30との間に位置するようにして、トンネル横断方向に中空状で柔軟性を有する充填材リーク防止部材50を設置しておく。そして、防水シート40と覆工コンクリート30との間に隙間が生じた場合に、当該隙間を挟んだ一対の充填材リーク防止部材50の中空部内に流体を圧入することにより、充填材リーク防止部材50を膨張させて膨張部51を形成し、充填材リーク防止部材50の外周面を覆工コンクリート30及び防水シート40に密着させる(図1下段、図3参照)。
20 凝固剤
30 覆工コンクリート
31 打ち継ぎ目
40 防水シート
50 充填材リーク防止部材
51 膨張部
60 充填材注入部
61 栓部材
70 充填材
80 圧入装置
Claims (4)
- トンネル天端付近に生じた防水シートと覆工コンクリートとの隙間に充填材を充填するための隙間充填方法であって、
トンネル横断方向において、防水シートと覆工コンクリートとの間に位置するように、中空状で柔軟性を有するとともに、通常状態では扁平となった複数の充填材リーク防止部材を、一対の充填材リーク防止部材で挟まれる隙間に、覆工コンクリートに設けられた充填材注入部及び打ち継ぎ目のいずれか一方のみが連通するように設置し、
前記トンネル天端付近で、前記防水シートと前記覆工コンクリートとに隙間が生じた場合に、当該隙間を挟んで設置した一対の前記充填材リーク防止部材の中空部内に流体を圧入することにより、前記充填材リーク防止部材を膨張させて覆工コンクリート及び防水シートに密着させ、打ち継ぎ目からの充填材のリークを防止し、確実に前記隙間内に充填材を注入する、
ことを特徴とするトンネル二次覆工天端付近の背面の隙間充填方法。 - 前記充填材注入部は、覆工コンクリートの内空面側から防水シート側へ貫通するとともに、通常状態では閉塞されており、
前記防水シートと覆工コンクリートとの間に隙間が生じた場合に、前記充填材注入部の閉塞を開放して、前記隙間に充填材を注入する、
ことを特徴とする請求項1に記載のトンネル二次覆工天端付近の背面の隙間充填方法。 - トンネル天端付近に生じた防水シートと覆工コンクリートとの隙間に充填材を充填するための隙間充填装置であって、
トンネル横断方向において、防水シートと覆工コンクリートとの間に位置するように複数設置されるとともに、中空状で柔軟性を有して通常状態では扁平となっており、膨張させて覆工コンクリート及び防水シートに密着させた状態とすることにより、防水シートと覆工コンクリートとの間に生じた隙間を閉塞するための部材であって、一対の当該部材で挟まれる隙間に、覆工コンクリートに設けられた充填材注入部及び打ち継ぎ目のいずれか一方のみが連通する状態で配設された充填材リーク防止部材と、
前記充填材リーク防止部材の中空部内に流体を圧入する圧入装置と、
を備えたことを特徴とするトンネル二次覆工天端付近の背面の隙間充填装置。 - 前記充填材注入部は、覆工コンクリートの内空面側から防水シート側へ貫通するとともに、通常状態では閉塞状態となっており、充填材を注入する際に開放状態とすることが可能であることを特徴とする請求項3に記載のトンネル二次覆工天端付近の背面の隙間充填装置。
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