JP6489420B2 - 画像読取用レンズ、画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
上述した画像読取用レンズにおいては、一般に、像面において高空間周波数領域での高いコントラストおよび画角周辺部まで大きな開口効率が要求される。さらに、カラー原稿を良好に読み取るためには、受光面上で赤、緑および青の各色の結像位置を光軸方向に合致させる必要があり、各色の色収差を極めて良好に補正しなければならない。
このような、温度変動による性能の劣化を抑制することを意図した画像読取用レンズとして、特許文献1(特開2014−174415号公報)に記載の画像読取用レンズが知られている。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、温度変化による結像位置のずれを補正すると共に、温度変化による像面湾曲の補正を可能とし、高品質な画像読取用レンズを提供することにある。
原稿画像を読み取るためのレンズであって、
物体側に前群レンズ系を、像側に後群レンズ系を、配置してなり、
少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させ、温度変化時の像面湾曲の補正をする第一の補正機構と、
レンズ間隔を変化させたときの結像位置の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも大きく、かつ、レンズ間隔を変化させたときの像面湾曲の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも小さい箇所で、少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させて温度変化時の結像位置の補正をする第二の補正機構を持つことを特徴としている。
原稿画像を読み取るためのレンズであって、
物体側に前群レンズ系を、像側に後群レンズ系を、配置してなり、
少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させ、温度変化時の像面湾曲の補正をする第一の補正機構と、
レンズ間隔を変化させたときの結像位置の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも大きく、かつ、レンズ間隔を変化させたときの像面湾曲の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも小さい箇所で、少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させて温度変化時の結像位置の補正をする第二の補正機構を持つことにより、温度変化に伴う結像位置の変動を補正すると共に、温度変化に伴う像面湾曲の変動を適正に補正することで、高品質な画像読取用レンズを提供することができる。
即ち、本発明に係る画像読取用レンズは、
原稿画像を読み取るためのレンズであって、
物体側に前群レンズ系を、像側に後群レンズ系を、配置してなり、
少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させ、温度変化時の像面湾曲の補正をする第一の補正機構と、
レンズ間隔を変化させたときの結像位置の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも大きく、かつ、レンズ間隔を変化させたときの像面湾曲の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも小さい箇所で、少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させて温度変化時の結像位置の補正をする第二の補正機構を持つことを特徴としている(請求項1に対応する)。
このような構成としたことにより、温度変化に伴う結像位置の変動を補正する一方、温度変化に伴う画像湾曲の変動を適正に補正し、高品質な画像読取用レンズを実現することができる。
前記前群レンズ系が二体構成で保持され、前記第一の補正機構は、二体構成部でのレンズ間隔の変化より温度変化時の像面湾曲を変化させることが望ましい(請求項2に対応する)。このように構成することで、温度変化による像面湾曲の変化を補正可能な高性能な画像読取用レンズを実現することができる。
また、請求項2に記載の画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系を保持している二体構成の部材の間に、異なる線膨張係数を持つ調整部材を挟んだ構成とすることが望ましい(請求項3に対応する)。このように構成することで、温度変化による像面湾曲の変化を補正可能な高性能な画像読取用レンズを実現することができる。
また、請求項3に記載の上記画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系を保持している二体構成の部材は、異なる線膨張係数を持つ前記調整部材で構成されていることが望ましい(請求項4に対応する)。
このように構成することで、温度変化による像面湾曲の変化を補正可能な高性能な画像読取用レンズを実現することができる。
また、本発明の画像読取装置に上記したいずれかの画像読取用レンズを備えることで、温度変化による像面湾曲および結像位置を調整可能な高性能な画像読取用レンズをもって高画質な画像読取装置を実現することができる(請求項6に対応する)。
また、上記画像読取装置を備えることで、温度変化による像面湾曲および結像位置を調整可能で高性能な画像形成装置を実現することができる(請求項7に対応する)。
次に、本発明の実施の形態を具体的に説明する前に、本発明の原理的な実施の形態を説明する。
温度特性を考慮した画像読取用レンズとして上述したように、特許文献1に記載の画像読取用レンズが知られている。しかしながら、上記特許文献1は、撮像素子が温度変化後も変形していない場合の結像位置の変動は補正できるが、撮像素子の撓みの発生による画像品質の低下については考慮していない。撮像素子を駆動させると、撮像素子および周辺の温度が上昇する。そのため、撮像素子周りの材質の違いによる線膨張係数の影響により撮像素子が撓んでしまう。撓んだ分だけ結像位置から撮像素子がずれることになり周辺部の性能が劣化してしまうのである。
第一の補正機構を持つことにより、温度変化時の像面湾曲の形状を変化させることが可能となる。即ち、撮像素子は、単一の物質で成り立っていないため、温度変化した時に撮像素子は撓みを発生してしまうが、この第一の補正機構を持つことで、撓みに沿った形状に像面湾曲を変化させることが可能となり、温度変化が生じても周辺部まで高品質な画像を得ることが出来る。
また、第二の補正機構を持つことにより、温度変化時の結像位置を変化させることが可能となる。画像読取装置内部の温度変化によって、画像読取用レンズの材料の膨張・縮小や屈折率変化が生じる。また、撮像部の発熱は、撮像部と画像読取用レンズを保持する保持部材に熱膨張をもたらし、画像読取用レンズの結像位置と本来合焦すべき撮像面の位置関係をずらしてしまう。しかし、この第二の補正機構を持つことで、温度変化時の結像位置を変化させることができ、温度変化時の撮像面の位置を追随するように補正をすることで、温度変化が生じても周辺部まで高品質な画像を得ることが出来る。
さらに、物体側に前群レンズ系を、像側に後群レンズ系をそれぞれ配置してなり、前記前群レンズ系が二体構成で保持され、二体構成部で温度変化後の像面湾曲を補正することが可能な画像読取用レンズを得ることができる。
温度変化後のレンズ間隔の変化は、レンズを保持する部材の線膨張係数によって決まる。レンズ間隔の変化により像面湾曲は変わるが、一体構成では保持している一つの部材の一つの線膨張係数で全てのレンズ間隔が変化するため、温度変化に伴うレンズ間隔の変化は調整出来ない。つまり、温度変動での像面湾曲を調整することができず、撮像素子が温度変化により撓んでも撓みの形状に沿うような像面湾曲の調整が一体型では達成できない。
一方、二体構成の場合は、分割されたところを境に、温度変動時の変化具合を変えることが出来る。レンズ間隔の変化が像面湾曲に大きく寄与するところを境に二体で保持することで、温度変化に伴うレンズ間隔の変化量の調整を容易に行うことができる。それにより、温度変化時の像面湾曲を調整することが可能となる。
さらに、本発明の画像読取用レンズは、前群レンズ系を保持している二体構成の部材の間に、異なる線膨張係数を持つ部材を挟んだ構成とすることで、画像読取用レンズの更なる像面湾曲の補正を可能にし、高い画像品質を図ることが出来る。
挟み込んだ部材は、保持部材と異なる線膨張係数を持つ。保持部材の線膨張係数と挟み込んだ部材の線膨張係数に差があるため、温度変動時の分割部のレンズ間隔を変えることができる。挟み込む部材の線膨張係数と厚みにより温度変化でのレンズ間隔の変化を調整でき、温度変化による像面湾曲の変化と温度変化による撮像素子の撓み量が同等になるように部材を選べば、温度変化しても周辺部まで結像位置がずれていない高い画像品質を得ることが可能となる。また、二体の保持部材自体は、同じ線膨張係数を持つ部材でも異なる線膨張係数を持つ部材でも良い。
二体の保持部材は、線膨張係数が異なる。そのため線膨張係数の差により、分割部の温度変化によるレンズ間隔の変化を変えることが出来る。像面湾曲を撮像素子の撓みと同等になるように、間隔が変化する部材の線膨張係数を選ぶようにすれば、温度変化後の画像品質も温度変化前と同等の高い画像品質を実現することが可能となる。
さらに、本発明の画像読取用レンズは、前群レンズ系と後群レンズ系の固定位置を調整する機構(固定位置調整機構)を備えることで、前群レンズ系と後群レンズ系の間で温度変化後の結像位置を補正することを可能にし、温度変化後においても画像読取用レンズのより高い画像品質を図ることが出来る。
固定位置を基準として温度変動時に物質は膨張・縮小するため、結像位置変化が大きい前群レンズ系と後群レンズ系の固定位置を調整できる機構を持つ事により、温度変動時の前群レンズ系と後群レンズ系との間隔を任意に変えることが出来る。前群レンズ系と後群レンズ系の間隔の変化は、結像位置の変化をもたらすため、前群レンズ系と後群レンズ系の固定位置を調整することで、画像読取装置内部の温度変化による画像読取用レンズの結像位置と撮像面の位置関係のずれを防ぎ、性能の劣化を抑えることが可能となる。
さらに、本発明の画像読取用レンズを用いることにより、温度変化に伴う画像読取精度の低下を良好に補正可能な高性能な画像読取装置が可能となる。
さらに、本発明の画像読取装置を用いることにより、温度変化に伴う画像読取精度の低下を良好に補正可能で高性能な画像形成装置が可能となる。
以下に、本発明の第1〜第4の実施の形態に係る画像読取用レンズの具体的な実施の形態を示す。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取用レンズの具体的な構成を模式的に示す断面図である。
図1において、画像読取用レンズ1は、物体側に前群レンズ系Gfを配置し、像側に後群レンズ系Grを配置している。
前群レンズ系Gfは、物体側から順に、第1レンズL1〜第5レンズL5を有し、このうち、第1レンズL1と第2レンズL2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
また、第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
但し、これら第1レンズL1〜第5レンズL5が、正レンズか負レンズか、また、両凸レンズか両凹レンズか、さらには、正・負のいかなるメニスカスレンズかについては、特定するものではないので、ここでは、その具体的説明は、省略する。
また、後群レンズ系Grを構成する第6レンズL6については、図1においては、負メニスカスレンズで描かれているが、これに特定(限定)されるものではない。
尚、これら二体構成でなる第1の保持部材1Aと第2の保持部材1Bは、独立の例えば、保持環、保持枠、鏡筒などに保持され、間隔補正機構によって間隔が調整される。
第1の保持部材1Aは、像側端部に小径の凹陥部が形成され、一方、第2の保持部材1Bの物体側端部に小径の凸部が形成されている。上記第1の保持部材1Aの端部の凹陥部に第2の保持部材1Bの端部の凸部が嵌合し、光軸方向に摺動可能な状態となっている。
尚、第1の保持部材1Aの端部に凸部が形成され、第2の保持部材1Bの端部に凹陥部が形成されていてもよく、要は、凸部と凹陥部が入れ換わっても、第1の保持部材1Aと第2の保持部材1Bとが嵌合して光軸方向に相対的な摺動が可能となっていればよい。
ここで、前群レンズ系Gfのレンズを保持する第1の保持部材1Aと第2の保持部材1Bおよび後群レンズ系Grを保持する保持部材(図示せず)を、それぞれ保持する共通の支持部材をベース部材Bと称することとする。
ベース部材Bは、図1に四角枠をもって示す。先ず、前群レンズ系Gfを保持する第1の保持部材1Aと、第2の保持部材1Bは、図1に示すように、固定手段F1、F2、F3のどこかで、上記ベース部材Bに対して固定する。
また、後群レンズ系Grのレンズ保持部材(図示せず)は、固定手段F4、F5のどこかで、ベース部材Bに対して固定する。
これにより、固定位置間の間隔を調整することができ、温度変化での結像位置ずれを抑えられるように、調整することができる。
例えば、固定手段F3とF4でそれぞれベース部材Bに対して固定すると、固定位置が狭くなり、また、固定手段F1とF5でそれぞれ固定すると、固定位置間が広くなるので、温度変化による前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔の変動がそれぞれ異なることになり、結像位置ずれを調整することが可能となる。
前群レンズ系Gfを、第1の保持部材1Aと、第2の保持部材1Bという異なる線膨張係数を持つ部材で保持する構成とすることで、温度変化時に、両者の分割部を基準にレンズ間隔を調整することが可能となっている。
また、前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの固定位置を固定手段F1〜F5として示した。各群の固定位置を固定位置調整機構により変えることで、温度変化での前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔変化を任意に変えることができ、温度変化による結像位置の変化を調整することが可能となっている。
図2は、本発明の第2の実施の形態に係る画像読取用レンズの具体的な構成を模式的に示す断面図である。
図2において、画像読取用レンズ2は、物体側に前群レンズ系Gfを配置し、像側に後群レンズ系Grを配置している。
前群レンズ系Gfは、物体側から順に、第1レンズL1〜第5レンズL5を有し、このうち、第1レンズL1と第2レンズL2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
また、第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
但し、これら第1レンズL1〜第5レンズL5が、正レンズか負レンズか、また、両凸レンズか両凹レンズか、さらには、正・負のいかなるメニスカスレンズかについては、特定するものではないので、ここでは、その具体的説明は、省略する。
また、後群レンズ系Grを構成する第6レンズL6については、図2においては、負メニスカスレンズで描かれているが、これに特定(限定)されるものではない。
尚、これら二体構成でなる第1の保持部材2Aと第2の保持部材2Bは、独立の、例えば、保持環、保持枠、鏡筒などに保持され、間隔補正機構によって間隔が調整される。
第1の保持部材2Aは、物体側端部に小径の凹陥部が形成され、一方、第2の保持部材2Bの内側の像側端部に小径の凸部が形成されている。上記第1の保持部材2Aの端部の凹陥部に第2の保持部材2Bの端部の凸部が嵌合し、嵌合部において互いに光軸方向に摺動可能な状態となっている。
尚、第1の保持部材2Aの端部に凸部が形成され、第2の保持部材2Bの端部に凹陥部が形成されていてもよく、要は、凸部と凹陥部が入れ換わっても、第1の保持部材2Aと第2の保持部材2Bとが嵌合して光軸方向に相対的な摺動が可能となっていればよい。
ここで、前群レンズ系Gfのレンズを保持する第1の保持部材2Aと第2の保持部材2Bおよび後群レンズ系Grを保持する保持部材(図示せず)を、それぞれ保持する共通の支持部材をベース部材Bと称することとする。
ベース部材Bは、図2に四角枠をもって示す。先ず、前群レンズ系Gfを保持する第1の保持部材2Aと、第2の保持部材2Bは、図2に示すように、固定手段F1、F2、F3のどこかで、上記ベース部材Bに対して固定する。
また、後群レンズ系Grのレンズ保持部材(図示せず)は、固定手段F4、F5のどこかで、ベース部材Bに対して固定する。
これにより、固定位置間の間隔を調整することができ、温度変化での結像位置ずれを抑えられるように、調整することができる。
例えば、固定手段F3とF4でそれぞれベース部材Bに対して固定すると、固定位置が狭くなり、また、固定手段F1とF5でそれぞれ固定すると、固定位置間が広くなるので、温度変化による前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔の変動がそれぞれ異なることになり、結像位置ずれを調整することが可能となる。
前群レンズ系Gfを、第1の保持部材2Aと、第2の保持部材2Bという異なる線膨張係数を持つ部材で保持する構成とすることで、温度変化時に、両者の分割部を基準にレンズ間隔を調整することが可能となっている。
適切な線膨脹係数を持つ部材を選ぶことで、温度変化でのレンズの間隔を変えられ、像面湾曲の調整を行うことが可能な構成となっている。また、前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの固定位置を固定手段F1〜F5として示した。各群の固定位置を固定位置調整機構により変えることで、温度変化での前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔変化を任意に変えることができ、温度変化による結像位置の変化を調整することが可能となっている。
第1の保持部材2Aの線膨脹係数が第2の保持部材2Bの線膨脹係数より大きい場合、温度上昇するとレンズ間隔が挟まる構成である。一方、第1の保持部材2Aの線膨張係数が第2の保持部材2Bの線膨張係数より小さい場合、温度上昇するとレンズ間隔が広がる構成である。適切な線膨張係数を持つ部材を選ぶことで、温度変化でのレンズの間隔を変えられ、像面湾曲の調整を行うことが可能な構成となっている。また、前群レンズ系Gfと後群レンズGrの固定手段F1〜F5による固定位置を幾つか示した。各群の固定位置を変えることで、温度変化での前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔変化を任意に変えることができ、温度変化による結像位置の変化を調整することが可能となっている。
図3は、本発明の第3の実施の形態に係る画像読取用レンズの具体的な構成を模式的に示す断面図である。
図3において、画像読取用レンズ3は、物体側に前群レンズ系Gfを配置し、像側に後群レンズ系Grを配置している。
前群レンズ系Gfは、物体側から順に、第1レンズL1〜第5レンズL5を有し、このうち、第1レンズL1と第2レンズL2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
また、第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
但し、これら第1レンズL1〜第5レンズL5が、正レンズか負レンズか、また、両凸レンズか両凹レンズか、さらには、正・負のいかなるメニスカスレンズかについては、特定するものではないので、ここでは、その具体的説明は、省略する。
また、後群レンズ系Grを構成する第6レンズL6については、図3においては、負メニスカスレンズで描かれているが、これに特定(限定)されるものではない。
尚、これら二体構成でなる第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bは、独立の例えば、保持環、保持枠、鏡筒などに保持され、間隔補正機構によって間隔が調整される。
第1の保持部材3Aは、像側端部に小径の凹陥部が形成され、一方、第2の保持部材3Bの物体側端部に小径の凸部が形成されている。上記第1の保持部材3Aの端部の凹陥部に第2の保持部材3Bの端部の凸部が嵌合し、当該嵌合部に介挿部材3cを介挿し、互いに、光軸方向に摺動可能な状態となっている。
尚、第1の保持部材3Aの端部に凸部が形成され、第2の保持部材3Bの端部に凹陥部が形成されていてもよく、要は、凸部と凹陥部が入れ換わっても、第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bとが嵌合して光軸方向に相対的な摺動が可能となっていればよい。
ここで、前群レンズ系Gfのレンズを保持する第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bおよび後群レンズ系Grを保持する保持部材(図示せず)を、それぞれ保持する共通の支持部材をベース部材Bと称することとする。
ベース部材Bは、図3に四角枠をもって示す。
また、第1の保持部材3Aと、第2の保持部材3Bの共通の保持部材を前群保持部材Yと称することとする。
また、後群レンズ系Grを保持する部材を後群保持部材Zと称することとする。
先ず、前群レンズ系Gfの第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bを前群保持部材Yに固定して、後群レンズ系Grの保持部材(図示せず)を後群保持部材Zに固定する。
前群保持部材Yと後群保持部材Zを、ベース部材Bに対して、その固定位置を固定手段F1〜F6をもって適宜選択することで、それぞれの間隔を調整することが可能となっている。
但し、前群保持部材Yと後群保持部材Zは、ベース部材Bと異なる材質、即ち、線膨張係数を異ならせる必要がある。
前群レンズ系Gfを保持している第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bとは異なる線膨張係数を持つ調整部材としての介挿部材3Cを二体の間に挟む構成とすることで、温度変化時に分割部を基準にレンズ間隔を調整することが可能となっている。この時、第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bからなる二体の保持部材は同じ線膨張係数を持つ部材でも異なる線膨張係数を持つ部材でも良い。
また、各群を固定している保持部材の各保時手段を一体化する連結保持部材に対する固定手段F1〜F6による固定位置を示した。第1の保持部材3Aおよび第2の保持部材3Bと各保時手段を一体化する連結保持部材(図示せず)の線膨張係数が異なる場合、第1の保持部材3Aと第2の保持部材3Bの固定位置を、各保時手段を一体化する連結保持部材に対して変えることで、各群の固定位置自体は変えなくても、温度変化での前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔変化を任意に変えることができ、温度変化による結像位置の変化を調整することが可能となっている。
図4は、本発明の第4の実施の形態に係る画像読取用レンズの具体的な構成を模式的に示す断面図である。
図4において、画像読取用レンズ4は、物体側に前群レンズ系Gfを配置し、像側に後群レンズ系Grを配置している。
前群レンズ系Gfは、物体側から順に、第1レンズL1〜第5レンズL5を有し、このうち、第1レンズL1と第2レンズL2の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
また、第4レンズL4と第5レンズL5の2枚のレンズは、互いに密接して貼り合わされてなる接合レンズを形成している。
但し、これら第1レンズL1〜第5レンズL5が、正レンズか負レンズか、また、両凸レンズか両凹レンズか、さらには、正・負のいかなるメニスカスレンズかについては、特定するものではないので、ここでは、その具体的説明は、省略する。
また、後群レンズ系Grを構成する第6レンズL6については、図4においては、負メニスカスレンズで描かれているが、これに特定(限定)されるものではない。
尚、これら第1の保持部材4Aと第2の保持部材4Bは、独立の、例えば、保持環、保持枠、鏡筒などと称されるもので構成されてもよい。
第1の保持部材4Aは、物体側端部に小径の凹陥部が形成され、一方、第2の保持部材4Bの内側の像側端部に像側に向けた小径の凸部が形成されている。上記第1の保持部材4Aの端部の凹陥部と第2の保持部材4Bの端部の凸部との嵌合部に調整部材としての介挿部材4Cが介挿され、嵌合部において介挿部材4Cを挟んだ状態で互いに光軸方向に摺動可能な状態となっている。
尚、第1の保持部材4Aの端部に凸部が形成され、第2の保持部材4Bの端部に凹陥部が形成されていてもよく、要は、凸部と凹陥部が入れ換わっても、第1の保持部材4Aと第2の保持部材4Bとが嵌合して光軸方向に相対的な摺動が可能となっていればよい。
ここで、前群レンズ系Gfのレンズを保持する第1の保持部材4Aと第2の保持部材4Bおよび後群レンズ系Grを保持する保持部材(図示せず)を、それぞれ保持する共通の支持部材をベース部材Bと称することとする。
ベース部材Bは、図4に四角枠をもって示す。先ず、前群レンズ系Gfを保持する第1の保持部材4Aと、第2の保持部材4Bは、図4に示すように、固定手段F1、F2、F3のどこかで、上記ベース部材Bに対して固定する。
また、後群レンズ系Grのレンズ保持部材(図示せず)は、固定手段F4、F5のどこかで、ベース部材Bに対して固定する。
これにより、固定位置間の間隔を調整することができ、温度変化での結像位置ずれを抑えられるように、調整することができる。
例えば、固定手段F3とF4でそれぞれベース部材Bに対して固定すると、固定位置が狭くなり、また、固定手段F1とF5でそれぞれ固定すると、固定位置間が広くなるので、温度変化による前群レンズ系Gfと後群レンズ系Grの間隔の変動がそれぞれ異なることになり、結像位置ずれを調整することが可能となる。
前群レンズ系Gfを保持している第1の保持部材4Aと第2の保持部材4Bとは異なる線膨張係数を持つ調整部材としての介挿部材4Cを二体の間に挟む構成とすることで、温度変化時に分割部を基準にレンズ間隔を調整することが可能となっている。この時、第1の保持部材4Aと第2の保持部材4Bからなる二体の保持部材は同じ線膨張係数を持つ部材でも異なる線膨張係数を持つ部材でも良い。
次に、上述した本発明の第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る画像読取用レンズを画像読取用の結像レンズとして採用して構成した本発明の第5の実施の形態に係る画像読取装置について説明する。
図5は、本発明の第5の実施の形態に係る画像読取装置の縦断面の構成を模式的に示す断面図である。この第5の実施の形態に係る画像読取装置においては、上述した第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る画像読取用レンズのいずれかを画像読取用の結像レンズとして用いる(請求項6に対応する)。
図5に示す画像読取装置200は、コンタクトガラス31、第1走行体33、第2走行体34、画像読取用レンズ35および撮像素子からなるラインセンサ36を具備している。第1走行体33は、照明光源33a、光源ミラー33bおよび第1ミラー33cを備え、第2走行体34は、第2ミラー34aおよび第3ミラー34bを備えている。ラインセンサ36は、色分解手段として赤(R)、緑(G)および青(B)のフィルタを有し、1チップに3列にライン状に配列して3ラインCCDセンサを構成する光電変換素子36a、36bおよび36cを備えている。画像読取用レンズ35は、上述した第1〜第4の実施の形態に係るいずれかの画像読取用レンズを用いて構成する。
照明光源33aは、図5の図面に直交する方向を長手方向とする細長い光源である。この照明光源33aとしては、ハロゲンランプ、Xe(いわゆるキセノン)ランプ、または冷陰極管等の蛍光ランプのような管灯を用いても良い。また、LED(発光ダイオード)等の点光源を一列に並べたものや、点光源を線光源に変換する導光体を用いた線状光源を用いても良く、あるいは有機EL(エレクトロルミネッセンス)に代表される面発光光源を細長い形状として用いることも可能である。照明光源33aは、第1走行体33が図5の右方向へ移動変位するときに発光するように制御される。この照明光源33aの発光は、やはり図5の図面に直交する方向に長い半筒状の光源ミラー33bによって導光して、コンタクトガラス31上に載置された原稿32における図5の図面に直交する主走査方向に長いスリット状部分を照明する。
第2走行体34は、図5の図面に直交する方向に長く、鏡面を互いに直交的に傾けて対をなす第2ミラー34aおよび第3ミラー34bを保持している。この第2走行体34は、第1走行体33の変位に同期して第2走行体34′として示される位置まで一定の走行速度V/2(すなわち第1走行体33の半分の速度)で変位する。
原稿32の照明された部分からの反射光(画像による反射光)は、第1走行体33に設けられた第1ミラー33cにより反射された後、第2走行体34に設けられた第2ミラー34a、さらには第3ミラー34bによって順次反射され、画像読取用レンズ35に入射し、この画像読取用レンズ35によって、撮像素子としてのラインセンサ36のカバーガラスを介してラインセンサ36の撮像面(入力面)上に原稿画像の縮小光学像を結像させる。
この走行によって、第1走行体33および第2走行体34は、それぞれ図示破線の位置まで変位する。照明光源33a、光源ミラー33bおよび第1ミラー33cは、第1走行体33と一体的に移動し、コンタクトガラス31上の原稿32の全体を照明走査する。既に述べたように第1走行体33と第2走行体34の移動速度比は、V:V/2=2:1であるので、照明走査される原稿部分から画像読取用レンズ35に至る光路長は、ほぼ不変に保たれる。
撮像素子であるラインセンサ36は、それぞれ色分解手段として赤(R)、緑(G)および青(B)のフィルタを持ったライン状の光電変換素子36a、36bおよび36cを、1チップに3列配列させた3ラインCCDセンサであり、原稿32の照明走査に伴い、原稿画像を画像信号化する。このようにして、原稿32の読取りが実行され、原稿32のカラー画像は、赤、緑および青の3原色に色分解して読取られる。
上述したように、画像読取用レンズ35に入射した結像光束は、画像読取用レンズ35の結像作用により、撮像素子であるラインセンサ36の受光面に原稿32の縮小像を結像する。この場合、ラインセンサ36は、CCDラインセンサであり、微小な光電変換部が図5の図面に直交する方向に密接して配列されていて、原稿32の照明走査に伴い、原稿画像を画素単位の電気信号として出力する。既に述べたように、ラインセンサ36は、結像画像を3色(赤、緑および青)に色分解して色情報を読み取り、各色の光電変換部で変換された電気信号を合成することによってカラー原稿を読み取ることができる。この電気信号は、A/D(アナログ−ディジタル)変換等の信号処理を経て画像信号に変換され、必要に応じてメモリ(図示されていない)に記憶される。
このように、図5に示した画像読取装置200に本発明の第1〜第4の実施の形態に係るいずれかの画像読取用レンズを用いることによって、画像読取装置の小型化が可能となる。
すなわち、本発明の第5の実施の形態に係る画像読取装置は、上述した第1〜第4の実施の形態の画像読取用レンズのいずれかを結像レンズとして使用した画像読取装置である。そして、この画像読取装置は、結像レンズによる結像光路内に色分解機能を設けて、原稿情報をフルカラーで読み取るようにしても良い。
なお、画像読取装置としては、コンタクトガラス上の原稿をスリット状に照明する照明手段と、ラインセンサと、原稿の被照明部からラインセンサに至る結像光路を形成する複数のミラーと、結像光路上に配置される画像読取用レンズとを一体化して画像読取ユニットを構成し、この画像読取ユニットを駆動手段により原稿に相対的に走行させることにより原稿を読み取り走査するようにした形態の画像読取装置とすることもできる。これが本発明の第6の実施の形態に係る画像読取装置の構成である。
すなわち、上述した本発明の第1に係る画像読取用レンズを画像読取用の結像レンズとして採用して構成した本発明の第6の実施の形態に係る画像読取装置について図6を参照して説明する。
図6は、本発明の第6の実施の形態に係る画像読取装置の縦断面の概念的な構成を模式的に示している。この第6の実施の形態に係る画像読取装置においても、上述した第1〜第4の実施の形態に係る画像読取用レンズを画像読取装置の結像レンズとして用いる(請求項6に対応する)。
画像読取ユニット43は、第1の照明光源43a、第1の光源ミラー43b、第2の照明光源43c、第2の光源ミラー43d、第1ミラー43e、第2ミラー43fおよび第3ミラー43gを備えており、ラインセンサ45は、色分解手段として赤(R)、緑(G)および青(B)のフィルタを有し、1チップに3列にライン状に配列して3ラインCCDセンサを構成する光電変換素子45a、45bおよび45cを備えている。画像読取用レンズ44は、上述した第1〜第4の実施の形態に係るいずれかの画像読取用レンズを用いて構成する。
図6において、読み取るべき画像が記載されている読み取り対象としての原稿42は、原稿台としての平坦な原稿載置ガラスであるコンタクトガラス41上に読み取り面を伏せて平面的に載置される。コンタクトガラス41の下方に配置した画像読取ユニット43は、いずれも図6の図面に直交する方向に長い第1の照明光源43a、第1の光源ミラー43b、第2の照明光源43c、第2の光源ミラー43d、第1ミラー43e、第2ミラー43fおよび第3ミラー43gを保持しており、画像読取用レンズ44およびラインセンサ45も、この画像読取ユニット43と一体的に設けられる。
画像読取ユニット43が図6に示す画像読取ユニット43の位置から画像読取ユニット43′として示される位置まで一定速度で移動する間に、原稿42の照明された部分からの反射光(画像による反射光)は、画像読取ユニット43に設けられた第1ミラー43e、画像読取ユニット43に設けられた第2ミラー43f、さらには画像読取ユニット43に設けられた第3ミラー43gによって順次反射され、画像読取用レンズ44に入射し、この画像読取用レンズ44によって、撮像素子としてのラインセンサ45のカバーガラスを介してラインセンサ45の撮像面(入力面)上に原稿画像の縮小光学像を結像させる。
すなわち、第1ミラー43e、第2ミラー43fおよび第3ミラー43gは、反射光学系を構成している。画像読取ユニット43は、図示されていない駆動手段によって、図6における図示右方へ走行させられる。
このとき、第1ミラー43e、第2ミラー43f、そして第3ミラー43gの全てが、画像読取ユニット43に一体的に保持されているため、原稿42の照明走査中における原稿42の被照明部位から画像読取用レンズ44に至る光路長は一定である。
画像読取用レンズ44に入射した結像光束は、画像読取用レンズ44の結像作用により、撮像素子であるラインセンサ45の受光面に原稿42の画像を縮小結像する。ラインセンサ45の受光面に結像された画像は、図5において、先に述べた画像読取装置200の第5の実施の形態の場合と同様にして電気信号に変換され、原稿情報が読み取られる。
本発明の第7の実施の形態においては、上述した本発明の第5の実施の形態および第6の実施の形態等に示す画像読取装置を用いて、画像形成装置を構成する(請求項7に対応する)。このような本発明の第7の実施の形態の画像形成装置について説明する。
図7は、本発明の第7の実施の形態に係る画像形成装置を説明するためのものである。
図7は、本発明の第7の実施の形態に係る画像形成装置の縦断面の概念的な構成を模式的に示している。この画像形成装置においては、上述した第5の実施の形態に係る図5に示した画像読取装置を画像読み取りに用いている。
図7に示す画像形成装置は、画像読取装置200と、画像形成部100とを有している。画像読取装置200は、図5と同様の構成を有しており、図5と同様の部分には同符号を付して示し、その詳細な説明は省略する。すなわち、画像読取装置200は、コンタクトガラス31、第1走行体33、第2走行体34、画像読取用レンズ35およびラインセンサ36を具備している。第1走行体33は、照明光源33a、光源ミラー33bおよび第1ミラー33cを備え、第2走行体34は、第2ミラー34aおよび第3ミラー34bを備えており、ラインセンサ36は、色分解手段として赤(R)、緑(G)および青(B)のフィルタを有し、1チップに3列にライン状に配列して3ラインCCDセンサを構成する光電変換素子36a、36bおよび36cを備えている。
なお、画像読取装置として、コンタクトガラス上の原稿をスリット状に照明する照明手段と、ラインセンサと、原稿の被照明部からラインセンサに至る結像光路を形成する複数のミラーと、結像光路上に配置される画像読取用レンズとを一体化して画像読取ユニットを構成し、この画像読取ユニットを駆動手段により原稿に相対的に走行させることにより原稿を読み取り走査するようにした形態の画像読取装置を用いることもできる。すなわち、第5の実施の形態に係る図5に示した画像読取装置に代えて、本発明の第6の実施の形態に係る図6に示した画像読取装置を用いて、画像形成装置を構成しても良い。
また、画像形成部100は、画像読取装置200の下方に位置しており、感光体110、帯電ローラ111、現像装置113、転写ベルト部114、クリーニング装置115、定着装置116、光走査装置117、カセット118、レジストローラ対119、画像処理部120、トレイ121および給紙コロ122を具備している。転写ベルト部114は、転写電圧印加ローラ114Aおよび転写ローラ114Bを有している。
画像形成部100は、潜像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光体110を有し、その周囲に、帯電手段としての帯電ローラ111、ターレット式の現像装置113、転写ベルト部114およびクリーニング装置115を配設している。帯電手段としては帯電ローラ111に代えてコロナチャージャを用いることもできる。
光走査装置117は、画像処理部120から書込み用の信号を受けて光走査により感光体110に書込みを行う。また、光走査装置117は、帯電ローラ111と現像装置113との間において感光体110の光走査を行うようになっている。
画像形成を行うときは、光導電性の感光体110が図示時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ111により均一に帯電され、光走査装置117のレーザビームの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、いわゆるネガ潜像であって、画像部が露光されている。
記録媒体としての転写紙Sを収納したカセット118は、画像形成装置本体に脱着可能であり、図示のように装着された状態において、収納された転写紙Sの最上位の1枚が給紙コロ122により取り出されて給紙され、給紙された転写紙Sはその先端部がレジストローラ対119に捕えられる。
レジストローラ対119は、転写ベルト部114上のトナーによるカラー画像が転写位置に移動するのにタイミングを合わせて転写紙Sを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Sは、転写部においてカラー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114Bの作用によりカラー画像が静電転写される。転写ローラ114Bは、転写時に転写紙Sにカラー画像を押圧転写させる。
すなわち、本発明の第7の実施の形態に係る画像形成装置は、上述した第5の実施の形態または第6の実施の形態のような画像読取装置、つまり第1の実施の形態〜第4の実施の形態に係る画像読取用レンズのいずれかを結像レンズとして使用した画像読取装置を用いて構成した画像形成装置である。
もちろん、本発明に係る画像形成装置は、カラー画像を形成する構成に限らず、モノクロームの画像形成を行うように構成することもできることはいうまでもない。
また、紙出力が画像読取装置と画像形成部との間に形成されている胴内排紙型の省スペースな画像形成装置において、上述した本発明に係る画像読取用レンズを用いた画像読取装置を用いることにより、画像読取装置を薄型化することができ、画像形成部との間隔が広がることによって、出力された紙等の作業者への視認性を高めることによって、作業を容易にするという効果もある。
なお、本発明の記載は、すべて円形のレンズを用いて説明しているが、レンズの大きさ、特に画像読取装置の高さ方向の大きさを低減するために、レンズの上下を切断した小判型のレンズを用いて、本発明に従った画像読取用レンズを構成することも可能である。
Y 前群保持部材
Z 後群保持部材
1、2、3、4 画像読取用レンズ
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
1A、2A、3A、4A 第1の保持部材
1B、2B、3B、4B 第2の保持部材
3C、4C 介挿部材
F1、F2、F3、F4、F5、F6 固定手段
Gf 前群レンズ系
Gr 後群レンズ系
31、41 コンタクトガラス
32、42 原稿
33 第1走行体
33a 照明光源
33b 光源ミラー
33c,43e 第1ミラー
34 第2走行体
34a,43f 第2ミラー
34b,43g 第3ミラー
35、44 画像読取用レンズ
36、45 ラインセンサ
36a,36b,36c,45a,45b,45c 光電変換素子
43 画像読取ユニット
43e 第1ミラー
43f 第2ミラー
43g 第3ミラー
100 画像形成部
110 感光体
111 帯電ローラ
113 現像装置
114 転写ベルト
114A 転写電圧印加ローラ
114B 転写ローラ
115 クリーニング装置
116 定着装置
117 光走査装置
118 カセット
119 レジストローラ対
120 画像処理部
121 トレイ
122 給紙コロ
200 画像読取装置
Claims (7)
- 原稿画像を読み取るためのレンズであって、
物体側に前群レンズ系を、像側に後群レンズ系を、配置してなり、
少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させ、温度変化時の像面湾曲の補正をする第一の補正機構と、
レンズ間隔を変化させたときの結像位置の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも大きく、かつ、レンズ間隔を変化させたときの像面湾曲の変化が、前記第一の補正機構による補正箇所よりも小さい箇所で、少なくとも1枚のレンズを光軸方向に沿って移動させてレンズ間隔を変化させて温度変化時の結像位置の補正をする第二の補正機構を持つことを特徴とする画像読取用レンズ。 - 請求項1に記載の画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系が二体構成で保持され、前記第一の補正機構は、二体構成部でのレンズ間隔の変化より温度変化時の像面湾曲を変化させることを特徴とする画像読取用レンズ。 - 請求項2に記載の画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系を保持している二体構成の部材の間に、異なる線膨張係数を持つ調整部材を挟んだ構成とすることを特徴とする画像読取用レンズ。 - 請求項3に記載の画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系を保持している二体構成の部材は、異なる線膨張係数を持つ前記調整部材で構成されていることを特徴とする画像読取用レンズ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像読取用レンズにおいて、
前記前群レンズ系と前記後群レンズ系の固定位置を調整する固定位置調整機構を備え、前記前群レンズ系と前記後群レンズ系との間で温度変化時の結像位置を補正することを特徴とする画像読取用レンズ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像読取用レンズを備えたことを特徴とする画像読取装置。
- 請求項6に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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