JP4652078B2 - カラー原稿読取装置およびカラー画像形成装置 - Google Patents

カラー原稿読取装置およびカラー画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学系を走査して原稿を読み取るイメージスキャナ等の原稿読取装置に係り、特に、ディジタル複写機およびディジタルファクシミリ等におけるカラー原稿の読み取りに用いるカラー原稿読取装置およびカラー画像形成装置に関するものである。
ファクシミリやディジタル複写機の原稿読み取り部やイメ−ジスキャナにおいては、読み取るべき原稿の画像情報を原稿読取レンズで縮小して、CCD(電荷結合素子)のような素子を用いて光電変換を行うラインセンサ上に結像させて、原稿の画像情報を電気信号化する。また、原稿の画像情報をカラーで読み取るために、例えば赤色、緑色および青色のフィルタを有するラインセンサを1チップに3列に配列した、いわゆる3ラインCCDラインセンサを用い、この受光面に原稿の像を結像させることにより3原色に色分解し、カラー画像情報を信号化する光学系が広く用いられている。
このような原稿読取装置は、原稿の読取ライン上の同一点から出た光が、前記結像レンズの倍率色収差によって各ラインセンサ上の同一点には結像せず、このため読み取った原稿に色ずれが発生する。高解像度化および高画質化に伴い、CCDの画素ピッチが小さくなるにつれ、従来よりも倍率色収差による色ずれの問題が大きくなってきた。
これを補正する方法の一例が特許文献1(特許3314878号公報)等に開示されている。この特許文献1の方法は、CCDを傾けて赤色に対応するラインセンサを結像レンズ側に近づけ、青色に対応するラインセンサを結像レンズから遠ざけるようにしている。しかしながら、結像レンズは、必ずしも赤色が倍率色収差により遠くに結像しているわけではないため、赤色に対応したセンサを結像レンズに近付けても収差補正が成立しない場合がある。また、倍率の色収差が像高に対して正比例するわけではなく、例えば、図22は、ある結像レンズにおける倍率色収差を示しており、緑色に対する赤色の結像位置ずれ、緑色に対する青色の結像位置ずれを示している。図22のような倍率色収差の結像レンズの場合、補正する位置、例えば単に図示A点において色収差が最小となるように補正してしまうと、像高方向の端部ではかえって補正前よりも色収差が悪くなってしまう。
また、像面をずらすため本来の結像レンズの結像性能が得られなくなってしまうことから、あらゆるレンズで上述した特許文献1を適用することが可能であるわけではないと思われるが、このことについては、かならずしも充分に説明されていない。
また、特許文献2(特開平4−65965号公報)にも、異なる色情報を読み取る複数のラインセンサを組み付けた光電変換素子を用いて、結像光学系の色収差に応じて、前記光電変換素子を傾けるとともに組み付け配置を決定することが示されている。但し、この特許文献2にも調整方法については具体的に説明されてはいない。
一方、特許文献3(特開平9−230513号公報)には、光学系のミラーの表面と裏面の反射を利用して軸上の色収差を補正する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献3の技術では倍率の色収差については、補正することができない。また、特許文献4(特開2001−251475号公報)には、光路長を変化させて軸上の色収差を補正する技術が開示されているが、この特許文献4の場合には、光路長を変化させるための特別な部材が別途に必要となって、しかも倍率の色収差は補正することができない。
さらに、特許文献5(特開平7−226825号公報)、特許文献6(特開平8−9101号公報)および特許文献7(特開平8−223356号公報)等には、色収差の補正に関連するその他の各種の技術が開示されている。特許文献5には、読取結像光学系にテレセントリック性を持たせてCCDに光束を垂直に入射させることで、CCDを短手方向に傾けても倍率の色収差を変化させないようにして、各色のピント位置を調整できるようにすることが示されている。
このように読取光学系をテレセントリックにするためには、光学系の外形、特に絞りから像面に至る部分の外形が大きくなり、光学系の大幅なコストアップも招く。特許文献6には、多重ダイクロイックミラーを用いて軸上の色収差を補正することが示されている。多重ダイクロイックミラーという特殊な部品を追加する必要があり、しかもこのダイクロイックミラーが結像面の近傍に配置されるためミラーの面精度を極めて高くしなければならず、大幅なコストアップとなる。特許文献7には、複数色のセンサ画素を所定の繰り返し順序で配列して各色に分解するカラーリニアイメージセンサを用いて、画像処理により倍率の色収差を補正することが示されている。この場合、特殊なセンサおよび画像処理が必要となり、大幅なコストアップとなり、しかも倍率の色収差がレンズ毎にばらついた場合に対応することができず、軸上の色収差を補正することもできない。
特許3314878号公報 特開平4−65965号公報 特開平9−230513号公報 特開2001−251475号公報 特開平7−226825号公報 特開平8−9101号公報 特開平8−223356号公報
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成で且つ安価に、結像光学系の倍率色収差を効果的に補正し、さらには軸上色収差をも考慮し得て、どのような色収差を有する結像光学系についても良好に色ずれを補正することを可能とするカラー原稿読取装置およびカラー画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、結像光学系の色ずれを良好に補正し得る結像レンズの倍率色収差と軸上色収差の関係を把握することが可能なカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、原稿面全面において良好に色ずれ量を補正することが可能なカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、より良好な色ずれ補正を行うことが可能なカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、色ずれを良好に補正しながら、良好に組み付けを行うことが可能なカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、組み付けに際して容易に色ずれの量を測定することを可能とするカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、組み付けに際して、必要充分な色ずれの量を規定することが可能なカラー原稿読取装置を提供することにある
本発明の請求項の目的は、特に、廃棄による土壌汚染等を防止してリサイクル性を向上し地球環境の保護に寄与し得るカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、結像レンズの倍率色収差を一層適切に補正し色ずれをきわめて効果的に低減し得るカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項の目的は、特に、結像レンズの倍率色収差をより一層効果的に補正し色ずれを著しく低減し得るカラー原稿読取装置を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、色ずれを良好に補正したカラー画像を出力することを可能とするカラー画像形成装置を提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、上述した目的を達成するために、
原稿配置面に配置された原稿面を照明する照明光源と、
前記照明光源による照明光の前記原稿面における反射光により、原稿像を結像する結像レンズと、
前記結像レンズによる原稿像の結像位置に配置され、各々一方向に受光素子を配列してなり、それぞれ異なる波長に感度を有する3列のラインセンサを備えるセンサユニットと、
原稿と結像レンズの光路中に配置された少なくとも1つの折り返しミラーと、
を具備する原稿読取装置において、
光軸の方向は、結像レンズからセンサユニットに向かう方向を正とし、センサユニット上の結像位置ずれの方向は、結像レンズの光軸とセンサユニットが交わる点を基準点として、像高の絶対値が高い方向を正としたとき、
前記結像レンズは、結像レンズによる各ラインセンサでの結像位置が、両端のラインセンサのうち、少なくとも一方のラインセンサでの結像位置が中央のラインセンサの結像位置に対し、各々の感度波長の倍率色収差により像高方向にずれる方向と、各々の感度波長の軸上色収差により光軸の方向にずれる方向とが逆符号となる結像レンズであって、
前記センサユニットの傾斜角を調整することにより各ラインセンサの倍率色収差による結像位置ずれを補正してなることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1のカラー原稿読取装置であって、
前記3列のラインセンサは、
各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による像面位置からのずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1のカラー原稿読取装置であって、
前記3列のラインセンサは、
各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による色ずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1〜3のいずれ1項のカラー原稿読取装置であって、
それぞれ各ラインセンサ間で共通の像高位置に対応する複数箇所にて観測された特性値を用い、該特性値を演算処理した値が所望の値となるように前記センサユニットの傾斜角を決定することを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項のカラー原稿読取装置であって、
前記特性値は、原稿面にほぼ相当する位置に配置された線画等の画像から導出される重心位置に対応する値であることを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項のカラー原稿読取装置であって、
画素ピッチをPとし、各観測点における特性値の3つのラインセンサでの最大値−3つのラインセンサでの最小値をΔiとし、全観測点でのΔiの最大値Δmaxが、
Δmax<P
であることを特徴としている
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1〜のいずれか1項のカラー原稿読取装置であって、
前記結像レンズは、レンズ材料として、鉛を使用しない硝材を使用して構成したことを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1のカラー原稿読取装置であって、
波長感度の異なる3つのラインセンサの配列の順序を、倍率色収差による結像位置の大小関係に対応させてなることを特徴としている。
請求項に記載した本発明に係るカラー原稿読取装置は、請求項1のカラー原稿読取装置であって、
波長感度の異なる3つのラインセンサの間隔を非対称としてなることを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るカラー画像形成装置は、
原稿読取装置として請求項1〜請求項に記載のカラー原稿読取装置を用いることを特徴としている。
本発明によれば、簡単な構成で且つ安価に、結像光学系の倍率色収差を効果的に補正し、さらには軸上色収差をも考慮し得て、どのような色収差を有する結像光学系についても良好に色ずれを補正することを可能とするカラー原稿読取装置およびカラー画像形成装置を提供することができる。
すなわち本発明の請求項1のカラー原稿読取装置によれば、原稿配置面に配置された原稿面を照明する照明光源と、
前記照明光源による照明光の前記原稿面における反射光により、原稿像を結像する結像レンズと、
前記結像レンズによる原稿像の結像位置に配置され、各々一方向に受光素子を配列してなり、それぞれ異なる波長に感度を有する3列のラインセンサを備えるセンサユニットと、
原稿と結像レンズの光路中に配置された少なくとも1つの折り返しミラーと、
を具備する原稿読取装置において、
光軸の方向は、結像レンズからセンサユニットに向かう方向を正とし、センサユニット上の結像位置ずれの方向は、結像レンズの光軸とセンサユニットが交わる点を基準点として、像高の絶対値が高い方向を正としたとき、
前記結像レンズは、結像レンズによる各ラインセンサでの結像位置が、両端のラインセンサのうち、少なくとも一方のラインセンサでの結像位置が中央のラインセンサの結像位置に対し、各々の感度波長の倍率色収差により像高方向にずれる方向と、各々の感度波長の軸上色収差により光軸の方向にずれる方向とが逆符号となる結像レンズであって、
前記センサユニットの傾斜角を調整することにより各ラインセンサの倍率色収差による結像位置ずれを補正してなることにより、簡単な構成で且つ安価に、結像光学系の倍率色収差を効果的に補正し、さらに軸上色収差を考慮し得て、どのような色収差を有する結像光学系についても良好に色ずれを補正することが可能となり、さらに、良好に色ずれ補正を行うことを可能とする結像レンズの倍率色収差と軸上色収差の関係を把握することが可能となる。
また、本発明の請求項2のカラー原稿読取装置によれば、請求項1のカラー原稿読取装置において、前記3列のラインセンサは、
各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による像面位置からのずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことにより、特に、原稿面全面において、良好に色ずれ量を補正することが可能となる。
また、本発明の請求項3のカラー原稿読取装置によれば、請求項1のカラー原稿読取装置において、前記3列のラインセンサは、
各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による色ずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことにより、特に、より良好な色ずれ量を補正を行うことが可能となる。
また、本発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項1〜3のいずれ1項のカラー原稿読取装置において、それぞれ各ラインセンサ間で共通の像高位置に対応する複数箇所にて観測された特性値を用い、該特性値を演算処理した値が所望の値となるように前記センサユニットの傾斜角を決定することにより、特に、色ずれを良好に補正しながら、良好に組み付けを行うことが可能となる。
本発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項のカラー原稿読取装置において、前記特性値は、原稿面にほぼ相当する位置に配置された線画等の画像から導出される重心位置に対応する値とすることにより、特に、組み付けに際して容易に色ずれの量を測定することが可能となる。
本発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項のカラー原稿読取装置において、画素ピッチをPとし、各観測点における特性値の3つのラインセンサでの最大値−3つのラインセンサでの最小値をΔiとして、全観測点でのΔiの最大値Δmaxを、
Δmax<P
とすることにより、特に、組み付けに際して、必要充分な色ずれの量を規定することが可能となる。
発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項1〜のいずれか1項のカラー原稿読取装置において、前記結像レンズは、レンズ材料として、鉛を使用しない硝材を使用して構成することにより、特に、廃棄による土壌汚染等を防止してリサイクル性を向上し地球環境の保護に寄与し得る。
本発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項1のカラー原稿読取装置において、波長感度の異なる3つのラインセンサの配列の順序を、倍率色収差による結像位置の大小関係に対応させてなることにより、特に、結像レンズの倍率色収差を一層適切に補正し色ずれをきわめて効果的に低減し得る。
本発明の請求項のカラー原稿読取装置によれば、請求項1のカラー原稿読取装置において、波長感度の異なる3つのラインセンサの間隔を非対称としてなることにより、特に、結像レンズの倍率色収差をより一層効果的に補正し色ずれを著しく低減し得る。
また、本発明の請求項10のカラー画像形成装置によれば、原稿読取装置として請求項1〜請求項に記載のカラー原稿読取装置を用いることにより、簡単な構成で且つ安価に、結像光学系の倍率色収差を効果的に補正し、さらには軸上色収差をも考慮し得て、どのような色収差を有する結像光学系についても良好に色ずれを補正することが可能となる。
まず、本発明の具体的な実施の形態を説明する前にカラー原稿読取装置における本発明による色収差補正の原理について説明する。
特定の像高のみについての補正では、良好に倍率色収差を補正することができないことは既に述べた。これは、結像レンズの倍率の色収差は、物体高と像高との関係で定まるが、像高が変化すると、それに伴って縮率が変化するためである。
以下、図23を参照して本発明に係る色ずれの補正方法を具体的に説明する。
色ずれを補正する基準原稿RMを原稿面と等しい位置に配置する。基準原稿RMは、任意の位置に色ずれを補正するためのマークを配置している。例えば基準原稿RMには、色ずれを補正するための線画を、最外周縁部を1.0として、±1.0、±0.9、±0.75、±0.5および0の物体高に配置した画像を描画している。もちろん、マークの位置は、補正しようとしている結像レンズの倍率色収差に基づいて任意に選定してかまわない。
このような基準原稿RMを照明し、結像レンズILで、センサユニットSUに投影結像する。センサユニットSUは、図24に示すように、赤色光に対応するラインセンサ(以下、「赤色ラインセンサ」と称する)RLと、緑色光に対応するラインセンサ(以下、「緑色ラインセンサ」と称する)GLと、青色光に対応するラインセンサ(以下「青色ラインセンサ」と称する)BLとが、互いに平行に順次並設されて形成される。センサユニットSUは、基準原稿RMのマークとしての線画の像を、各ラインセンサRL、GL、BLの該当位置で受光し、光電変換して、各ラインセンサRL、GL、BLから電気出力し、図示していないA/D変換器を介して、画像処理に供する。この画像処理においては、各ラインセンサRL、GL、BLで受光した線画の配列方向における重心を、各像高および各ラインセンサRL、GL、BL毎に解析する。
ここで、任意の物体高に配置された線画像を読み取り、重心を求める方法の一例を説明する。
まず、ある物体高Yiに配置された線画像の像は、センサユニットSU上のYi′(=m(横倍率)×Yi)近傍に形成される(図25参照)。そこで、例えば緑色ラインセンサGL上のYi′近傍で、前記線画像の像が充分に評価できる範囲(Yi′‐A〜Yi′+A)において、各画素の信号レベルIを読み取った場合に図26のようになるものとすれば、式(1)に示すように、各画素の信号レベルIjと画素番号Xjの積の和を、Yi′近傍の信号レベルの和で割ることにより、線画像の像の重心位置を特定することができる。
赤色および青色についても、このような重心位置を、対応する各ラインセンサRL、BL毎に評価することによって、各色毎の重心位置を求めることができる。なお、上述においては、画素の位置として画素番号を用いて計算しているが、各画素の位置を光軸からの距離に換算してもよい。このような重心位置から、次のようにして、各像高Yi′毎に色ずれ量ΔRGiおよびΔBGiを算出することができる。
すなわち、色ずれは、上述したラインセンサRL、GL、BLの出力を、各物体高の位置に対する像高位置において、
ΔRGi=|YRi(赤色の像高)|−|YGi(緑色の像高)|
ΔBGi=|YBi(青色の像高)|−|YGi(緑色の像高)|
(i=0,±0.5,±0.75,±1.0) (2)
として表現できる。
そして、センサユニットSUを、各ラインセンサRL、GL、BLのラインに平行で且つ中央のラインセンサ上またはその近傍に位置する軸上で、色ずれ量ΔRGiおよびΔBGiのすべてが小さくなるように回転させることにより、原稿面全面において良好に色ずれ量を補正することができる。
図1および図2は、色ずれの補正のためのセンサユニットSUの回転についての説明図である。
例えば図1および図2に示すように各ラインセンサRL、GL、BLが配置されたセンサユニットSUにおいて、赤色の倍率色収差が、緑色に対して小さく(ΔRGの符号がマイナス(−))、青色の倍率色収差が緑色に対して大きい(ΔBGの符号がプラス(+))場合、センサユニットSUを中央の緑色ラインセンサGLに軸上で図1に示す方向に回転させる。このようにセンサユニット(SU)をまわすと、赤色ラインセンサRLは結像レンズILから離れて、任意像高での結像位置は、図2の○印から●印に移る。したがって、赤色の倍率色収差が、緑色の倍率色収差より小さい場合は、赤色ラインセンサにおける任意像高の結像位置は像高が高くなることにより、緑色ラインセンサ上の任意像高の結像位置に近づくことになる。また、青色のラインセンサBLでは、結像レンズILに近づき、任意像高での結像位置が図2の△印から▲印に移る。したがって、青色の倍率色収差が、緑色の倍率色収差より大きい場合、青色ラインセンサにおける任意像高の結像位置は像高が低くなることにより、緑色ラインセンサ上の任意像高の結像位置に近づくことになり、色ずれを補正することができる。
図22に示したような色ずれを有する結像レンズを用いた場合、図3に示す色ずれの最大値と最小値の間の間隔Δmaxが最も狭くなる位置が色ずれが最適に補正された位置ということになる。但し、同じ物体高からの光線が同じ像高に入射するようにすれば、色ずれは目立たなくなる。つまり、各ラインセンサRL、GL、BL上の同じ像高のCCDの画素に入ればよいので、先に示したΔmaxの値が図4の画素ピッチP、すなわち画素のサイズ、に対して、
Δmax<P (3)
であれば充分である。なお、上述においては、基準画像を線画としているが、点画像や、等ピッチの線画の集合体で重心を算出するようにしてもかまわない。
また、上述においては、結像レンズILと、センサユニットSUとを組み付ける時点において、その都度調整する方法として説明したが、結像レンズにおける倍率色収差は、同等の結像レンズであればほぼ等しくなるため、組み付け時においては、レンズの特性によって予め明確化されている倍率色収差の影響から算出したセンサユニットの取り付け角度に固定することによって、組み付けの時間を短縮するようにして、完全ではないが充分な色ずれを補正することができる。
以上においては、結像レンズSUの倍率色収差についてのみ説明したが、以下においては、軸上色収差の影響とあわせての色ずれ補正について説明する。
当然のことであるが、上述した色ずれの補正方法は、各ラインセンサRL、GL、BLの受光位置を前後させているため、各色に対する像面の特性が変化する。
例えば、図5のような像面をもつ結像レンズを考える。図5は、各ラインセンサRL、GL、BLで評価した像面の解像度をあらわすMTF(modulation transfer function:変調伝達関数)と像面位置からのずれ量(デフォーカス)との関係を模式的にあらわしたものでる。図5においては、MTFの値が高いほど、解像度が優れていること示しているが、色収差の影響によって、緑色のMTF特性に対し、赤色はプラス方向、青色はマイナス方向にずれた位置で最良な像面が得られている。したがって、カラー原稿読取装置として使用可能な範囲はこれらの曲線が重なり合っている範囲ADである。
このとき、先に示した色ずれの補正方法のように、赤色ラインセンサRLを結像レンズILから遠ざけると、図5上では、赤色ラインセンサの位置はプラス(+)方向にシフトしていく、つまり、赤色のラインセンサの位置はMTF特性の最大位置の方に近づく。
また、青色ラインセンサBLも結像レンズにILに近づけることにより、青色ラインセンサの位置は、マイナス(−)方向にシフトし、青色のラインセンサの位置もMTF特性の最大位置のほうに近づく。逆に言えば、デフォーカスが零の位置を各色のラインセンサの位置であると考えれば、図1のようにセンサユニットを傾けていくと、擬似的に図7のように赤色のMTF特性は、デフォーカスのマイナス(−)方向にシフトしていき、青色のMTF特性は、デフォーカスのプラス(+)方向にシフトしてくると考えることができる。
このことから、センサユニットSUを傾けて色ずれを補正するためには、緑色に対する赤色の色ずれΔRGの符号が、マイナスのときは、赤色のMTF特性の最大位置は、緑色のMTF特性の最大位置に対してプラス側にある方がよい。同様に緑色に対する青色の色ずれΔBGの符号がプラスのときは、青色のMTF特性の最大位置は、緑色のMTF特性の最大位置に対してマイナス側にあるほうがよい。この両者の関係を満たすようにすれば、色ずれの補正方向と、カラー原稿読取装置として使用可能な範囲が広がる方向とが一致することから、色ずれ補正において都合がよい状態であると言うことができる。逆に、倍率色収差の色ずれの方向と軸上色収差の色ずれ方向が同符号であるとすると、倍率色収差を補正したとしても、図6のように、カラー原稿読取装置として使用可能な範囲が狭くなってしまう。
しかしながら、かならずしも両方を満たしていなくても、片一方の色についてだけ満たしていれば、色ずれ補正は、例えば赤色のMTFのフォーカス位置と青色のMTFのフォーカス位置を置換することとほぼ同義であるので、使用可能な範囲の低減を気にする必要はない。
以上の説明においては、倍率の色収差の大小関係が、赤色、緑色、青色と波長の大小関係に対応する関係があるものとして説明してきたが、これらの関係は、レンズ設計によって変化させることができるため、例えば、結像位置に、緑色、赤色、青色という順序の大小関係がある場合は、その順序に対応させてラインセンサの配列を緑色ラインセンサ、赤色ラインセンサ、青色ラインセンサの順序で配置すれば、上述の説明と同様にして色ずれを補正することが可能である。
また、倍率の色収差により、結像位置に、赤色、緑色、青色の順序の大小関係があり、図8のように、軸上の色収差が、倍率の色収差の中央である緑色に対して赤色と、青色のMTFの最大値が、デフォーカス方向で3:1の位置関係にある場合であれば、赤色ラインセンサRL、緑色ラインセンサGL、青色ラインセンサBLの順序で配列してセンサユニットSU′を構成し、それらのライン間隔を、赤色ラインセンサRLと緑色ラインセンサGLの間隔と、緑色ラインセンサGLと青色ラインセンサBLの間隔とが3:1の関係となるように配置することによって、色ずれの補正を行うと、赤と青のMTFの最大位置は3:1の対応関係にて緑色のMTFの最大位置に近付くので、良好な色ずれ補正を行うことが可能となる。
以下、上述した本発明の原理に基づくカラー原稿読取装置および画像形成装置を、実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係るカラー原稿読取装置の要部の構成を模式的に示している。
図10に示すカラー原稿読取装置は、コンタクトガラス1、第1の走行体3、第2の走行体4、縮小結像レンズ5およびセンサユニット6を有している。コンタクトガラス1は、原稿2を密着載置するための透明板からなり、このコンタクトガラス1の下部に、第1の走行体3、第2の走行体4、縮小結像レンズ5およびセンサユニット6等が配置されている。第1の走行体3は、ミラー3aを有しており、図示3′の位置までを走行する。第2の走行体4は、第1ミラー4aおよび第2ミラー4bを有しており、図示4′の位置までの間を走行する。縮小結像レンズ5は、図23および図1における結像レンズILに相当し、センサユニット6は、図23、図1および図9におけるセンサユニットSUおよびSU′に相当する。
原稿読取装置は、原稿2を照明する照明系(図示されていない)と、該照明系によって照明された原稿2の反射光を結像レンズ5へ導く1枚以上の折り返しミラー3a、4a、4bおよびミラー3a、4a、4bを介して原稿2からの反射光を縮小結像させる結像レンズ5を含む光学系と、結像レンズ5で結像された原稿像を赤色、緑色および青色の各色毎に光電変換する3列のラインセンサを含むセンサユニット6とを具備している。
原稿2は、コンタクトガラス1上に原稿面を当接して密着載置され、該原稿2は、コンタクトガラス1の下方に配置された照明系によって照明される。照明光の原稿2による反射光は、第1の走行体3のミラー3aにより反射された後、さらに第2の走行体4の第1ミラー4aと第2ミラー4bで順次反射され、縮小結像レンズ5に導かれる。この反射光は、結像レンズ5によって3つのラインセンサを配列してなるセンサユニット6上に結像される。原稿2の長手方向を読み取る場合には、第1の走行体3が速度Vで図示3′まで移動し、それと同時に第2の走行体4が、第1の走行体3の半分の速度1/2Vで、図示4′まで移動して、原稿全体を読み取るようにする。
光学系の光路中の任意の箇所に色分解機能を有して、この場合、赤色、緑色および青色の各色毎のラインセンサに結像入射することによって、原稿2のカラー原稿情報をフルカラーで読み取ることができる。この場合、赤色、緑色および青色の各色のフィルタを持ったCCD受光素子からなるラインセンサが3列に配列されている、いわゆる3ラインCCDからなるセンサユニット6の受光面にカラー原稿を結像させることにより3原色に色分解する方法が用いられる。このカラー原稿読取装置において、上述したセンサユニット6の中央のラインセンサ近傍のラインセンサに平行な軸線を軸として回転傾斜角を調整することによる色ずれ補正方法を適用することによって、色ずれを適切に補正した画像を取得することが可能となる。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の要部の構成を模式的に示している。図11の画像形成装置は図10に示したカラー原稿読取装置を用いて複写機として構成した画像形成装置である。
図11に示す画像形成装置は、いわゆるレーザプリンタを構成する画像形成部100と、図10に示したものと同様のカラー原稿読取装置200とを備えている。すなわち、カラー原稿読取装置200は、コンタクトガラス1、第1の走行体3、第2の走行体4、縮小結像レンズ5およびセンサユニット6を有している。コンタクトガラス1は、原稿2を密着載置するための透明板からなり、このコンタクトガラス1の下部に、第1の走行体3、第2の走行体4、縮小結像レンズ5およびセンサユニット6等が配置されている。第1の走行体3は、ミラー3aを有しており、図示3′の位置までを走行する。第2の走行体4は、第1ミラー4aおよび第2ミラー4bを有しており、図示4′の位置までの間を走行する。縮小結像レンズ5は、図23および図1における結像レンズILに相当し、センサユニット6は、図23、図1および図9におけるセンサユニットSUおよびSU′に相当する。カラー原稿読取装置200は、原稿情報を読み取って原稿画像情報を示す電気信号として出力する。
画像形成部100は、潜像担持体111、帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114、クリーニング装置115、定着装置116、光走査装置117、カセット118、レジストローラ対119、給紙コロ120、搬送路121、排紙ローラ対122およびトレイ123を有している。
このような画像形成部100において、潜像担持体111は、この場合、円筒状に形成された光導電性の感光体により構成している。潜像担持体111の周囲には、帯電ローラ112、現像装置113、転写ローラ114およびクリーニング装置115が配備されている。帯電ローラ112に代えて、コロナチャージャ等の帯電手段を用いることもできる。光走査装置117は、カラー原稿読取装置200のセンサユニット6からの原稿画像情報を受けて、レーザビームLBによって、光走査を行って、帯電ローラ112と現像装置113との間で光書き込みによる露光を行う。カセット118には、記録媒体としての転写紙Pを格納しており、このカセット118から、転写紙Pを、給紙コロ120によって、1枚ずつ取り出して、レジストローラ対119を介して、転写ローラ114と潜像担持体111の間を通り、定着装置116を経て、搬送路121を通って、排紙ローラ対122まで搬送して、排紙ローラ対122からトレイ123上に排出する。
画像形成を行うときは、光導電性の感光体である潜像担持体111が、図示時計回りに等速回転駆動され、その表面が帯電ローラ112により均一に帯電され、光走査装置117のレーザビームLBの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。このように形成された静電潜像は、いわゆるネガ潜像であって画像部が露光されている。この静電潜像は現像装置113により反転現像され、潜像担持体111上にトナー画像が形成される。
転写紙Pを収納したカセット118は、画像形成装置100本体に脱着可能であり、図示のように画像形成装置100本体に装着された状態において、収納された転写紙Pの最上位の1枚が給紙コロ120によって取り出されて転写紙搬送系に給紙される。転写紙搬送系においては、給紙された転写紙Pが、その先端部がレジストローラ対119に捕らえられる。レジストローラ対119は、潜像担持体111上のトナー画像が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて、転写紙Pを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Pは、転写部においてトナー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114の作用によりトナー画像が転写紙Pに静電転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは定着装置116へ送られ、定着装置116において画像が定着され、搬送路121を通って、排紙ローラ対122によりトレイ123上に排出される。トナー画像が、転写紙Pに転写された後の像担持体111の表面は、クリーニング装置115によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。すなわち、潜像担持体111は、光導電性の感光体であり、その均一帯電と光走査とにより静電潜像が形成され、形成された静電潜像がトナー画像として可視化され、転写紙Pに転写される。
次に、上述した本発明の第1の実施の形態のカラー原稿読取装置、すなわち第2の実施の形態におけるカラー原稿読取装置200において縮小結像レンズ5として採用し得る結像レンズILの光学系およびその色収差の補正についての具体的な実施例を詳細に説明する。本発明に係る光学系の実施例においては、結像レンズILの構成およびその具体的な数値例を示している。
なお、この実施例においては、非球面は、いわゆるモールド非球面レンズのように、各レンズ面を直接非球面とするものとして説明しているが、それと同等の非球面を、球面レンズのレンズ面に非球面を形成する樹脂薄膜を敷設して得る、いわゆるハイブリッドレンズ形式の非球面レンズを構成しても良い。
実施例における記号の意味は、以下の通りである。
f:全系の焦点距離
F:Fナンバ
m:倍率
Y:最大物体高
ω:半画角
R:曲率半径
D:面間隔
nd:屈折率(d線)
νd:アッベ数
ne:屈折率(e線)
ng:屈折率(g線)
nF:屈折率(F線)
nC:屈折率(C線)
K:非球面の円錐定数
:4次の非球面係数
:6次の非球面係数
:8次の非球面係数
10:10次の非球面係数
但し、ここで用いられる非球面は、近軸曲率半径の逆数(近軸曲率)をC、光軸からの高さをHとするとき、次式で定義される。
なお、長さの次元を持つ量の単位はmmである。
図12は、本発明の一実施例に係る結像レンズILの模式的な構成を示している。
図12に示す画像読取レンズILは、4群5枚構成であり、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、絞りFA、コンタクトガラスCGおよびCCDカバーガラスCCを具備している。コンタクトガラスCGは、図10におけるコンタクトガラス1に相当し、CCDカバーガラスCCは、センサユニット6(図23および図1等におけるセンサユニットSU)のカバーガラスに相当する。この場合、第1レンズL1〜第3レンズL3は、第1のレンズ群である前群GFを構成し、第4レンズL4および第5レンズL5は、第2のレンズ群である後群GRを構成しており、それぞれ各群毎に共通の保持部材(図示されていない)によって支持される。なお、絞りFAは、この場合、後群GRの保持部材によって、後群GRを構成するレンズL4およびL5と一体に保持されている。図12には、主要な光学面の面番号も示している。
図12において、画像読取レンズの光学系を構成する各光学要素は、物体側から像面側に向かって、順次、例えば原稿画像物体が載置されるコンタクトガラスCG、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞りFA、第4レンズL4、第5レンズL5およびCCDカバーガラスCCの順で配列されており、CCDカバーガラスCCの背後のCCDラインセンサの入力面上に結像される。
第1レンズL1は、物体側に凸に形成された正メニスカスレンズ、第2レンズL2は、物体側に凸に形成された、正メニスカスレンズ、第3レンズL3は、像側に強い凹面を向けた負メニスカスレンズであり、これら第2レンズL2および第3レンズL3は、密接して貼り合わせられて一体に接合され、接合レンズ(L2/3)を形成している。これら第1レンズL1〜第3レンズL3によって、前群GFを構成している。第4レンズL4は、像側に凸に形成され、像側の面を非球面とした負メニスカスレンズであり、第5レンズL5は、像側に強い凸面を向けて像側に凸に形成された正メニスカスレンズであり、これら第4レンズL4および第5レンズL5によって、後群GRを構成している。
まず、レンズ数値例であるが、全系の焦点距離f,FナンバF,倍率m,最大物体高Yそして半画角ωが、それぞれf=45.321,F=4.49,m=0.11102,Y=152.4そしてω=18.6゜であり、各光学面の特性は、次表の通りである。
表1において面番号に「*(アスタリスク)」を付して示した第8面が非球面であり、非球面の(1)式におけるパラメータは、次表の通りである。
図13の収差図に示した波長は、設計基準波長(光線1)と各ラインセンサBL、RL、GLに対応する波長(光線2〜4)について作図している。本来ラインセンサは、十nm〜数十nm程度の波長帯域内の光を信号として取り出すことが可能であるが、ここでは、説明の明確化のために最も感度の高い波長のみを抽出して計算している。収差図から、球面収差図の軸上の値を拡大すると図14に示すようになり、緑色に対する赤色の値は、プラスのデフォーカス方向にあることが分かる。また横収差図から、最大像高を拡大してみると、図15に示すようになり、緑色に対する赤色の瞳中心光線の値は、マイナス方向に発生している(請求項を満足している)。
このレンズデータにおける色ずれ量ΔRGおよびΔBGを図16に示したセンサユニットSUによる補正なしの状態で計算すると図17のようになる。
ここで、センサユニットを傾斜させて補正する方法について説明する。
図16においてそれぞれのラインセンサRL〜GLおよびGL〜BL間の間隔をそれぞれH1およびH2とすると、図18のようにセンサユニットを角度θだけ傾斜させたことによる各画素のデフォーカス量ΔZ1およびΔZ2は、
とおくことができる。例として、各ラインセンサ間の間隔H1およびH2がいずれも8画素ピッチであり、画素ピッチpが4.7μmであるとすると、
となる。
図19は、傾斜角θ=8°だけ傾けたときの色ずれ量の計算結果である。図17の補正なしの時の色ずれ量の最大値は約2.6μmであるのに対し、図19のような補正を行うことで、色ずれ量の最大値を、約1.4μmまで低減することができる。
さらに、このレンズデータにおける上述した補正についての補正なしのときと、補正ありのときのMTF特性をそれぞれ図20と、図21に示す。図20および図21は、波長615nm(赤色)、570nm(緑色)、470nm(青色)それぞれにおける光軸方向のデフォーカス量に対するMTF値を、像高0%(光軸上)、25%、50%、75%、100%で計算しプロットしたものである。補正なしのときMTF特性(図20)において、使用可能なMTF値を50%であると仮定すると、その深度(図中矢印の幅)は約57μmとなっている。そして、傾斜角θ=8°の場合のMTF特性値(図21)では、使用可能なMTF値を満足する深度は、63μmとなり、傾けることにより深度が減少することなく、補正前よりも深度が広がっている。深度が広がるということは、組み立て時の調整の余裕が広がることになるので、原稿読取装置としての仕様を一層満足し易くなる。なお、上述においては使用可能なMTF値を50%として説明したが、これはあくまでも仮の値であり、カラー原稿読取装置の規格値によって変化する値であるため、50%に限らず種々の値をとり得ることはいうまでもない。
本発明の第1の実施の形態に係るカラー原稿読取装置の原理を説明するための結像レンズとセンサユニットの構成を模式的に示す図である。 図1のセンサユニットの傾斜を説明するための図である。 図1のセンサユニットの傾斜による色収差補正を説明するための図である。 図1のセンサユニットの傾斜による色収差補正に係る画素ピッチを説明するための図である。 図1のセンサユニットの傾斜による色収差補正を説明するための解像度−デフォーカス特性図である。 図1のセンサユニットの傾斜による色収差補正を説明するための他の解像度−デフォーカス特性図である。 図1のセンサユニットの傾斜による色収差補正を説明するためのその他の解像度−デフォーカス特性図である。 センサユニットの傾斜による色収差補正を説明するためのさらにその他の解像度−デフォーカス特性図である。 図8の色収差補正に係るセンサユニットの模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係るカラー原稿読取装置を説明するための要部の構成を模式的に示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置を説明するための要部の構成を模式的に示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る一実施例の結像レンズの構成を模式的に示す図である。 図12の結像レンズに係る各種収差特性を示す収差図である。 図13の収差図における収差特性をさらに詳細に説明するための図である。 図13の収差図における収差特性をさらに詳細に説明するための他の図である。 図12の実施例に係るセンサユニットの構成を示す模式図である。 図12の実施例に係る非補正時の物体高に対する色ずれ特性を示す図である。 図12の実施例に係る色収差補正のためのセンサユニットの傾斜を示す模式図である。 図12の実施例に係る補正時の物体高に対する色ずれ特性を示す図である。 図12の実施例に係る非補正時の詳細な解像度−デフォーカス特性を示す図である。 図12の実施例に係る補正時の詳細な解像度−デフォーカス特性を示す図である。 本発明の原理に関連する像高に対する色ずれ特性を示す図である。 本発明の原理に関連する調整時の測定系の構成を説明するための模式図である。 本発明に係るセンサユニットの構成を示す模式図である。 本発明の原理に関連する線画像の重心の算出を説明するための模式的構成図である。 本発明の原理に関連する線画像の重心の算出を説明するための図である。
符号の説明
1,CG コンタクトガラス
3 第1の走行体
4 第2の走行体
5 縮小結像レンズ
6,SU,SU′ センサユニット
3a ミラー
4a 第1ミラー
4b 第2ミラー
IL 結像レンズ
200 カラー原稿読取装置
100 画像形成部
111 潜像担持体
112 帯電ローラ
113 現像装置
114 転写ローラ
115 クリーニング装置
116 定着装置
117 光走査装置
118 カセット
119 レジストローラ対
120 給紙コロ
121 搬送路
122 排紙ローラ対
123 トレイ
FA 絞り
CC CCDカバーガラス
L1〜L5 レンズ
GF 前群
GR 後群

Claims (10)

  1. 原稿配置面に配置された原稿面を照明する照明光源と、
    前記照明光源による照明光の前記原稿面における反射光により、原稿像を結像する結像レンズと、
    前記結像レンズによる原稿像の結像位置に配置され、各々一方向に受光素子を配列してなり、それぞれ異なる波長に感度を有する3列のラインセンサを備えるセンサユニットと、
    原稿と結像レンズの光路中に配置された少なくとも1つの折り返しミラーと、
    を具備するカラー原稿読取装置において、
    光軸の方向は、結像レンズからセンサユニットに向かう方向を正とし、センサユニット上の結像位置ずれの方向は、結像レンズの光軸とセンサユニットが交わる点を基準点として、像高の絶対値が高い方向を正としたとき、
    前記結像レンズは、結像レンズによる各ラインセンサでの結像位置が、両端のラインセンサのうち、少なくとも一方のラインセンサでの結像位置が中央のラインセンサの結像位置に対し、各々の感度波長の倍率色収差により像高方向にずれる方向と、各々の感度波長の軸上色収差により光軸の方向にずれる方向とが逆符号となる結像レンズであって、
    前記センサユニットの傾斜角を調整することにより各ラインセンサの倍率色収差による結像位置ずれを補正してなることを特徴とするカラー原稿読取装置。
  2. 前記3列のラインセンサは、
    各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
    倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による像面位置からのずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことを特徴とする請求項1に記載のカラー原稿読取装置。
  3. 前記3列のラインセンサは、
    各々の感度波長の倍率色収差よる色ずれ量の順に配列され、
    倍率色収差の中央である感度波長に対する他の感度波長の結像位置の軸上色収差による色ずれ量の比と、倍率色収差の中央である感度波長を有するラインセンサと他の感度波長を有するラインセンサの配列間隔比が等しいことを特徴とする請求項1に記載のカラー原稿読取装置。
  4. それぞれ各ラインセンサ間で共通の像高位置に対応する複数箇所にて観測された特性値を用い、該特性値を演算処理した値が所望の値となるように前記センサユニットの傾斜角を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカラー原稿読取装置。
  5. 前記特性値は、原稿面にほぼ相当する位置に配置された線画等の画像から導出される重心位置に対応する値であることを特徴とする請求項に記載のカラー原稿読取装置。
  6. 画素ピッチをPとし、各観測点における特性値の3つのラインセンサでの最大値−3つのラインセンサでの最小値をΔiとし、全観測点でのΔiの最大値Δmaxが、
    Δmax<P
    であることを特徴とする請求項に記載のカラー原稿読取装置。
  7. 前記結像レンズは、レンズ材料として、鉛を使用しない硝材を使用して構成したことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のカラー原稿読取装置。
  8. 波長感度の異なる3つのラインセンサの配列の順序を、倍率色収差による結像位置の大小関係に対応させてなることを特徴とする請求項1に記載のカラー原稿読取装置。
  9. 波長感度の異なる3つのラインセンサの間隔を非対称としてなることを特徴とする請求項1に記載のカラー原稿読取装置。
  10. 原稿読取装置として請求項1〜請求項に記載のカラー原稿読取装置を用いることを特徴とするカラー画像形成装置。
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