JP5601216B2 - 読取レンズおよび画像読取装置および画像形成装置 - Google Patents

読取レンズおよび画像読取装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は読取レンズおよび画像読取装置および画像形成装置に関する。
ファクシミリやデジタル複写機等に用いられる画像読取装置は、読み取るべき画像情報を読取レンズで縮小して「CCDのような固体撮像素子」上に結像させて画像情報を信号化する。
画像読取りの対象となる画像情報は一般にカラー画像であり、例えば、赤・緑・青の3原色に色分解して読取られる。色分解された各原色画像を良好に読取りうるためには、読取レンズの色収差が良好に補正されている必要がある。
また、昨今強く要請される「高速の画像読取り」を実現するには、読取レンズは出来る限り大口径で明るいことが好ましい。
また、画像読取装置の小型化に資するためには、広画角の読取レンズが好ましい。
勿論、これらの条件のほかに「像面において高空間周波数領域での高いコントラスト」を有することや、開口効率が画角周辺部まで100%近くあることや、高空間周波数領域でも高いMTFを実現できることも必要である。
この発明の読取レンズは「5群7枚構成であり、絞りを挟んだ前側3枚、後側2枚のクセノタタイプに正の接合レンズを組み合わせた、クセノタタイプの変化形」である。
同じく、「5群7枚構成の読取レンズ」でFNo:4.0を達成したものとして、特許文献1記載のものが知られている。
特許文献1記載の読取レンズは、半画角:17度程度であり、これを用いる画像読取装置の小型化の面ではなお、改良の余地がある。
また、従来から提案されている読取レンズは、画像読取装置に用いられたときの「環境温度変化」に対する対策については開示されていない。
良く知られたように、ガラスレンズは、その光学特性が温度変化に影響され難い点で優れているとされる。しかし、温度変化に対して光学特性が全く変化しないと言うわけではない。
ガラスレンズに用いられるガラス材料は、温度上昇と共に「屈折率が微増」するものが一般的である。5群7枚構成の読取レンズは、複数の正レンズと複数の負レンズで構成されるが、温度上昇と共に、ガラスレンズの屈折率が微増する場合、正レンズの正のパワーが増大し、負レンズの負のパワーも増大する。
従って、温度上昇が生じたとき、正レンズの正のパワーの増大に対し、負レンズの負のパワーの増大がバランスする方向に作用し、読取レンズ全体としては「温度変化の影響」は実質的に小さい。
しかしながら、画像読取装置というシステムで考えたとき、以下の如き問題がある。
即ち、画像読取装置では、読取レンズによる原稿画像の結像面の位置と、撮像素子であるラインセンサ受光面(以下、「撮像面」とも言う。)位置が高精度に合致していなければならない。
このため、画像形成装置を構成するに際しては、読取レンズとラインセンサとを共通のホルダに設け、ホルダ上で両者の位置関係を調整して、両者をホルダに固定し、しかるのちに、ホルダを装置本体に取り付けることが一般に行なわれる。
ホルダとしては、比較的低コストで加工も容易なアルミニウムやステンレス、あるいは樹脂材料で形成されることが多い。
読取レンズとラインセンサを共通のホルダにより保持する場合、温度変化によりホルダが膨張・収縮し、読取レンズとラインセンサの間隔が変化すると、読取レンズの結像面とラインセンサ受光面との間にずれが発生することが考えられる。
画像形成装置に用いられる画像読取装置では、一般に、光源と読取レンズとラインセンサが一体として閉じたケーシング内に配置されるが、光源で発生する熱やラインセンサ自身の発熱、その他のモジュールからの熱の移動もあり、ケーシング内での温度変動が+20℃〜+40℃と大きい。
上記のように、温度上昇と共に「屈折率が微増」する通常のガラスレンズのみで、読取レンズを構成した場合には、ホルダの伸縮による受光面の変動量が、温度上昇に伴う結像面の変動量を凌駕してしまうことが考えられる。
なお、読取レンズ中に樹脂レンズを含めた場合、樹脂レンズでは温度変化に伴いその屈折力が大きく変化するため、結像面の移動量が受光面の変動量を大きく凌駕してしまう。
ホルダの構造や形状の調整により、ホルダが温度変化の影響を受けても、読取レンズとラインセンサの間隔の変動を十分に抑えることは可能であるが、ホルダが大型化して画像読取装置の大型化やコスト高を招来することが考えられる。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、FNo:4.2程度と明るく、半画角:23度程度と広画角で、性能良好な読取レンズの実現を可能とすることを第1の課題とする。
この発明はまた、画像読取装置に用いられたときの「環境温度変化」に対して対処可能な読取レンズの実現を可能とすることを第2の課題とする。
そして、これら読取レンズを用いる画像読取装置、画像形成装置の実現を第3の課題とする。
請求項1記載の読取レンズは「物体側から正の第1群、負の第2群、負の第3群、正の第4群、正の第5群を配し、第2群と第3群の間に絞りを有し、原稿画像の縮小像を撮像素子の撮像面上に結像する読取レンズ」であって、上記正・負・負・正・正の各群が以下の如きレンズ構成である。
図1に請求項1の読取レンズのレンズ構成を概念的に示す。
図1の左側は物体側、即ち、原稿側であり、符号OGはコンタクトガラス、符号L1は第1レンズ、符号L2は第2レンズ、符号L3は第3レンズ、符号Sは絞り、符号L4は第4レンズ、符号L5は第5レンズ、符号L6は第6レンズ、符号L7は第7レンズを示す。
図1の右側は像側、即ち、ラインセンサ側であり、符号Fは「透明平行平板」を示している。透明平行平板Fは、各種フィルタやラインセンサのカバーガラスを、これらに等価な1枚の透明板として表したものである。
図示の都合で、コンタクトガラスOGは第1レンズL1に、また、透明平行平板Fは第7レンズL7に密接して描いている。
第1群は、正の第1レンズL1により構成される。
第2群は、正の第2レンズL2の像側に負の第3レンズL3を接合して構成される。
第3群は、負の第4レンズL4により構成される。
第4群は、正の第5レンズL5により構成される。
第5群は、正の第6レンズL6の像側に負の第7レンズL7を接合して構成される。
従って、全系は「5群7枚構成」である。
第2レンズおよび第6レンズのガラス材料の、d線に対する屈折率:nd、アッベ数:νdが、条件:
(1) 1.48 < nd < 1.63
(2) 62.0 < νd < 83.0
を満足し、e線に対する全系の焦点距離:f、第5群のe線に対する焦点距離:f5が、条件:
(3) 1.5 < f5/f < 6.0
を満足する。
請求項1記載の読取レンズは、第2群における正の第2レンズが「全系中において最も大きい正の焦点距離」を有し、第2レンズのガラス材料の屈折率温度係数:β1(×10−6/℃)が、条件:
(4) −6.5 < β1 < −3.0
を満足することが好ましい(請求項2)。
請求項1または2記載の読取レンズにおける各レンズは、以下の如くであることが好ましい。
即ち、第1レンズは「物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ」、第2レンズは「第1面が物体側に凸である正レンズ」、第3レンズは「第2面が物体側に凸である負レンズ」、第4レンズは「物体側に凹面を向けた凹メニスカスレンズ」、第5レンズは「像側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ」、第6レンズは「像側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ」、第7レンズは「物体側に凹面を向けて配置された凹メニスカスレンズ」であることが好ましい(請求項3)。
請求項1〜3の何れか1項に記載の読取レンズは、第1レンズ〜第7レンズが全て「鉛、砒素などの有害物質を含有していないガラス材料によるガラスレンズ」であることが好ましい。
請求項4記載の画像読取装置は、照明系と、結像レンズと、ラインセンサを有する。
「照明系」は、原稿を照明する。
「結像レンズ」は、照明系で照明された原稿の反射光を縮小結像させる。
「ラインセンサ」は、結像レンズで結像された原稿像を光電変換する撮像素子である。
そして、結像レンズとして、上記請求項1〜3の何れか1項に記載の読取レンズが用いられる。
請求項4記載の画像読取装置は「結像レンズとラインセンサとが、共通のホルダにより所定の位置関係で保持され、結像レンズが請求項2記載の読取レンズであることができる(請求項5)。
請求項4または5記載の画像読取装置の照明系は「LED照明」であることが好ましい(請求項6)。
請求項7記載の画像形成装置は「請求項4〜6の何れか1項に記載の画像読取装置」を用いたものである。
請求項1における条件(1)、(2)を同時に満足するガラス材料としては、例えばSPHM52(OHARA製)やSFPL51(OHARA製)があるが、いずれも低屈折率、低分散のガラスである。これらのガラスを「正レンズと負レンズの貼り合わせで構成される第2群と第5群における正の第2レンズと正の第6レンズに用いる」ことで色収差を良好に補正することが可能である。
条件(3)は、第5群の「全系のパワーに相対的な正のパワー」を定めるもので、上限を超えると第5群の正のパワーが弱くなりすぎ、レンズ全長が大きくなってコストアップの原因となる。条件(3)下限を超えると、読取レンズのコンパクト化には有利であるが、第5群の正のパワーが強くなりすぎ、高次の像面湾曲を発生させやすい。
請求項1における条件(1)、(2)を満足するガラス材料として上に例示したSPHM52(OHARA製)やSFPL51(OHARA製)は、何れも、条件(4)を満足する。これら、条件(4)を満足するガラス材料を「全系中において最も大きい正の焦点距離を持つ第2レンズ」に用いる意義を説明する。
前述した如く、一般に、画像読取装置においては、読取レンズとラインセンサとはユニットとして一体化され、読取レンズとラインセンサとを保持する金属製や樹脂製のホルダが温度上昇により膨張するので、温度上昇と共に、読取レンズが原稿像を結像すべき「ラインセンサ受光面」が、読取レンズから離れる傾向にある。
第2レンズは正レンズであるので、これを構成するガラス材料の屈折率が「温度上昇に伴って小さくなる」と、正レンズとして屈折力が減少し、その影響は、読取レンズの結像面を「読取レンズから遠ざける」ように作用する。
「全系中において最も大きい正の焦点距離を持つ第2レンズ」に、条件(4)を満足するガラス材料を用いることにより、第2レンズの「正の屈折力の減少」による結像面位置の変位により、ラインセンサ受光面の変位の一部を相殺できる。
条件(4)の上限を超えると、第2レンズにおける「温度上昇に伴う屈折力の減少の程度」が小さくて、像距離を大きく伸ばす効果を期待できない。
条件(4)の下限を超えると、像距離を大きく伸ばすことはできるが、選択できるガラス材料が極端に減ってしまう。
即ち、第2レンズに条件(4)を満足するガラス材料を用いることにより、温度変化による「読取るべき原稿の像と撮像面との乖離」を有効に軽減できる。
また、第1〜第7レンズの各々を請求項3のようにすると、絞りの前後における隣接群間で、互いに隣り合うレンズ面の凹凸の向きが揃うので、読取レンズを高精度で組みつけてコンパクトに構成できる。
また、7枚のレンズを全て「鉛、砒素などの有害物質を含有しないガラス材料」で構成することにより、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染が無く、省資源化や加工時に発生するCO等を低減でき、地球環境に配慮した読取レンズとすることができる。
請求項6のように、画像読取装置の照明系を「LED照明」とすることにより、キセノンランプやハロゲンランプを用いる場合よりも省エネ化が可能である。
以上に説明したように、この発明によれば新規な読取レンズを実現できる。
この発明の読取レンズは後述の実施例に示すような良好な結像性能を実現できる。
また、請求項2記載の読取レンズを結像レンズとして用いる画像読取装置は、温度変動によりラインセンサ受光面が変位しても、読取レンズの結像位置が上記変位に追従するので、温度変動にかかわらず原稿の良好な読取りが可能である。
後述する各実施例の読取レンズは「半画角が23度以上と広画角」であるため、原稿面からラインセンサまでの共役長を短く設定でき、画像読取装置をコンパクト・低コストに実現できる。
また、このような画像読取装置を用いた画像形成装置は、原稿の良好な読取りにより高品質の画像を形成可能である。
読取レンズのレンズ構成を概念的に示す図である。 実施例1のレンズ構成を示す図である。 実施例1の収差図である。 実施例2のレンズ構成を示す図である。 実施例2の収差図である。 実施例3のレンズ構成を示す図である。 実施例3の収差図である。 画像読取装置の実施の1形態を説明するための図である。 画像形成装置の実施の1形態を説明するための図である。
以下、実施の形態を説明する。
図2、図4、図6に読取レンズの実施の形態を3例示す。これらの実施の形態は具体的には後述する実施例1〜3に対応する。繁雑を避けるため、これらの図において符号を共通化し、図1に示した符号を用いる。
図2、図4、図6に実施の形態を示す読取レンズは、物体側(図の左方)から正の第1群、負の第2群、負の第3群、正の第4群、正の第5群を配し、第2群と第3群の間に絞りSを有し、原稿画像の縮小像を撮像素子の撮像面上に結像する読取レンズであって、第1群は正の第1レンズL1により構成され、第2群は「正の第2レンズL2の像側に負の第3レンズL3を接合」して構成され、第3群は「負の第4レンズL4」により構成され、第4群は「正の第5レンズ」により構成され、第5群は「正の第6レンズL6の像側に負の第7レンズL7を接合」して構成される5群7枚構成である。
これらの実施の形態に対応する後述の実施例1〜3に示すように、これら読取レンズは条件(1)〜(4)を満足し、第1〜第7レンズL1〜L7は、何れも、有害物質である「鉛や砒素」を含有していないガラス材料によるガラスレンズである。
図8を参照して「画像読取装置」の実施の1形態を説明する。
図8において、読取られるべき画像を有する原稿112は「原稿台」としてのコンタクトガラス111上に平面的に定置され、コンタクトガラス111の下部に「XeランプやLED光源等を用いた照明手段」として照明ユニット113Aを配置し、「図面に直交する方向に長いスリット状部分」を照明する。
原稿112の「照明された部分」からの反射光(画像による反射光)は、第1走行体113に設けられた第1ミラー113Bにより反射された後、第2走行体114に設けられた第2ミラー114A、第3ミラー114Bにより順次反射され、結像レンズ115を透過し、光電変換素子としてのラインセンサ116の撮像面上に原稿画像の縮小像として結像する。結像レンズ115は「読取レンズ」である。
読取レンズである結像レンズ115とラインセンサ116とはホルダHOLにより「相対的な位置関係を調整されて保持」され、ユニット化されている。
第1〜第3ミラー113B、114A、114Bは「反射光学系」を構成する。第1走行体113、第2走行体114は、図示されない駆動手段により、それぞれ矢印方向(図の右方)へ走行させられる。第1走行体113の走行速度は「V」、第2走行体114の走行速度は「V/2」である。この走行により、第1走行体113、第2走行体114は、それぞれ「破線で示す位置」まで変位する。
照明ユニット113Aと、第1ミラー113Bは、第1走行体113と一体的に移動し、コンタクトガラス1上の原稿112の全体を「照明走査」する。第1、第2走行体の移動速度比は「V:V/2」であるので、「照明走査される原稿部分から読取レンズ115に至る光路長」は不変に保たれる。
コンタクトガラス111、照明ユニット113A、上記反射光学系および駆動手段は、
「照明系」を構成する。
「撮像部」であるラインセンサ116は、「色分解手段として、赤(R)、緑(G)、青(B)のフィルタを持った光電変換素子(116A、116B、116C)を、1チップに3列に配列させた3ラインCCD(3ラインのラインセンサ)」であり、原稿112の照明走査に伴い、原稿画像を画像信号化する。このようにして原稿112の読取りが実行され、原稿112のカラー画像は、赤、緑、青の3原色に色分解して読取られる。
また、この実施の形態の画像読取装置は、画像をフルカラーで読取る装置であって、画像読取レンズ115の結像光路中に設けられた「色分解手段(前記3ラインCCDに設けられた赤、緑、青のフィルタ)」を有する。
なお、画像読取装置の他の形態として、「コンタクトガラス上の原稿をスリット状に照明する照明手段と、ラインセンサと、原稿の被照明部からラインセンサに至る結像光路を形成する複数のミラーと、上記結像光路上に配置される読取レンズと」を相互に一体化した読取ユニットを、駆動手段により原稿に相対的に走行させることにより原稿を読取走査するようにした形態のものとすることもできる。
「色分解」は、上記とは別に、画像読取レンズとラインセンサ(CCD)との間に色分解プリズムやフィルタを選択的に挿入し、R(赤)、G(緑)、B(青)に色分解する方法や「R、G、Bの光源を順次点灯させ原稿を照明する方法」を用いることができる。
このような画像読取装置において、結像レンズ115とラインセンサ116を保持するホルダHOLの熱膨張により、結像レンズとラインセンサの間隔がどの程度変化するかを、簡単化した例で、概算してみる。
読取る最大サイズとして、300mm(A列4版の長手方向の読取が可能である)とし、これをラインセンサの読み取り範囲:80mmで読取る場合を想定してみる。この場合だと、読取レンズの結像倍率は約1/4となる。
説明の簡単のために、読取レンズの半画角を20度とし、読取レンズを薄いレンズとみなして計算すると、読取レンズとラインセンサの間隔をXとして、
X・tan20(度)=40(mm)
から、間隔:Xは、
X=40/tan20=40/0.36≒110(mm)
となる。
即ち、上記の場合、読取レンズとラインセンサの間隔は略110mmと考えられる。
一方、読取レンズとラインセンサを保持するホルダHOLがアルミニウムで形成され、温度変化による伸縮量が、上記ラインセンサと読取レンズの間隔変化に等しくなると考えると、20℃におけるアルミニウムの熱膨張率は「23.1×10−6」であるので、画像読取装置内の温度が20℃(設計温度とする)から40℃に上昇したとすると、上記間隔の伸び量は、20×23.1×10−6×110=0.051mmとなる。
結像レンズの縦倍率は、横倍率の2乗であるから、縮小の縦倍率は1/16となり、ラインセンサと読取レンズの間隔が、0.051mmずれたとすると、この「ずれ」は、原稿面の位置ずれとしては略0.82mmとなる。
原稿面でこれだけのズレがあると、ラインセンサ上の像には「ピンぼけ」が生じ得る。
読取りに必要な解像度が低い場合には、さほど問題とならないにしても、例えば600dpiというような高密度での読取りを行なう場合には、無視できない。
従って、このような場合、画像読取装置内の温度上昇に応じて、読取レンズの結像面位置を、ラインセンサ受光面に向けて近づける必要が生じるのである。
図9は、画像形成装置の実施の1形態を示す図である。
画像形成装置は、装置上部に位置する画像読取装置200と、その下位に位置する「画像形成部」とを有する。画像読取装置200の部分は、図8に即して説明したのと同様のものであり、各部には図8と同じ符号を付してある。なお、図8においては、画像読取装置200におけるホルダは図示を省略されている。
画像読取装置200の3ラインのラインセンサ(撮像手段)116から出力される画像信号は画像処理部1200に送られ、画像処理部1200において処理されて「書込み用の信号(イエロー・マゼンタ・シアン・黒の各色を書込むための信号)」に変換される。
画像形成部は、「潜像担持体」として円筒状に形成された光導電性の感光体1100を有し、その周囲に、帯電手段としての帯電ローラ1110、リボルバ式の現像装置1130、転写ベルト1140、クリーニング装置1150が配設されている。帯電手段としては帯電ローラ1110に代えて「コロナチャージャ」を用いることもできる。
信号処理部1200から書込み用の信号を受けて光走査により感光体1100に書込みを行う光走査装置1170は、帯電ローラ1110と現像装置1130との間において感光体1100の光走査を行うようになっている。
符号1160は定着装置、符号1180はカセット、符号1190はレジストローラ対、符号1220は給紙コロ、符号1210はトレイ、符号Sは「記録媒体」としての転写紙を示している。
画像形成を行うときは、光導電性の感光体1100が時計回りに等速回転され、その表面が帯電ローラ1110により均一帯電され、光走査装置1170のレーザビームの光書込による露光を受けて静電潜像が形成される。形成された静電潜像は所謂「ネガ潜像」であって画像部が露光されている。
「画像の書込み」は、感光体1100の回転に従い、イエロー画像、マゼンタ画像、シアン画像、黒画像の順に行われ、形成された静電潜像はリボルバ式の現像装置1130の各現像ユニットY(イエロートナーによる現像を行う)、M(マゼンタトナーによる現像を行う)、C(シアントナーによる現像を行う)、K(黒トナーによる現像を行う)により順次反転現像されてポジ画像として可視化され、得られた各色トナー画像は、転写ベルト1140上に、転写電圧印加ローラ114Aにより順次転写され、上記各色トナー画像が転写ベルト1140上で重ね合わせられてカラー画像となる。
転写紙STを収納したカセット1180は、画像形成装置本体に脱着可能であり、図のごとく装着された状態において、収納された転写紙Sの最上位の1枚が給紙コロ1220により給紙され、給紙された転写紙Sはその先端部をレジストローラ対1190に捕えられる。
レジストローラ対1190は、転写ベルト1140上の「トナーによるカラー画像」が転写位置へ移動するのにタイミングを合わせて転写紙Sを転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙Sは、転写部においてカラー画像と重ね合わせられ、転写ローラ114Bの作用によりカラー画像を静電転写される。転写ローラ114Bは、転写時に転写紙STをカラー画像に押圧させる。
カラー画像を転写された転写紙STは定着装置1160へ送られ、定着装置1160においてカラー画像を定着され、図示されないガイド手段による搬送路を通り、図示されない排紙ローラ対によりトレイ1210上に排出される。各色トナー画像が転写されるたびに、感光体1100の表面はクリーニング装置1150によりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
図9、図10に示した実施の形態における読取レンズ115としては、この発明の読取レンズ、具体的には、例えば、以下にあげる実施例1〜3の読取レンズの何れかを用いることができる。
以下、読取レンズの実施例を7例挙げる。各実施例における記号の意味は下記の通りである。
f :全系のe線の合成焦点距離
FNo :Fナンバ
m :縮率
ω :半画角
Y :物体高
以下に示す記号は図1に示されている。
ri(i=1〜13) :物体側から数えてi番目の面(絞りの面を含む。)の曲率半径
di(i=1〜12) :物体側から数えてi番目の面間隔
nj(j=1〜7) :物体側から数えてj番目のレンズの材料の屈折率
νj(j=1〜7) :物体側から数えてj番目のレンズの材料のアッベ数
rc1 :コンタクトガラスの物体側の曲率半径
rc2 :コンタクトガラスの像側の曲率半径
rc3 :CCDカバーガラスの物体側の曲率半径
rc4 :CCDカバーガラスの像側の曲率半径
dc1 :コンタクトガラスの肉厚
dc3 :CCDカバーガラスの肉厚
nc1 :コンタクトガラスの屈折率
nc3 :CCDカバーガラスの屈折率
νc1 :コンタクトガラスのアッベ数
νc3 :CCDカバーガラスのアッベ数
nd :d線の屈折率
νd :d線のアッベ数
ne :e線の屈折率 。
なお、特に断らない限り、長さの次元を持つ量の単位は「mm」である。また、屈折率を表す記号「n」は、図1においては大文字の「N」で表している。
「実施例1」
実施例1は、図2にレンズ構成を示したものである。
f=67.964 、FNo=4.21 、m=0.23622 、Y=152.4 、ω=23.2°
実施例1のデータを表1に示す。
Figure 0005601216
「実施例2」
実施例2は、図4にレンズ構成を示したものである。
f=68.324 、FNo=4.21 、m=0.23622 、Y=152.4 、ω=23.1°
実施例2のデータを表2に示す。
Figure 0005601216
「実施例3」
実施例3は、図6にレンズ構成を示したものである。
f=67.971 、FNo=4.21 、m=0.23622 、Y=152.4 、ω=23.2°
実施例3のデータを表3に示す。
Figure 0005601216
「条件(3)のパラメータの値」
各実施例における条件(3)のパラメータの値を表4に示す。
Figure 0005601216
図3、図5、図7に順次、実施例1〜3に関する収差図を示す。
収差図において、「E」はe線(546.07nm)、「G」はg線(436.83nm)、「C」はc線(656.27nm)、「F」はF線(486.13nm)を示す。また、球面収差の図において、波線は正弦条件を示し、非点収差の図において、実線はサジタル光線、点線はメリディオナル光線を示す。
実施例1〜3とも各収差は良好に補正され、性能良好であり、半画角:23°程度と広画角で、Fナンバが4.2程度と明るく、また開口効率が周辺部まで100%に近く、高空間周波数領域で高いコントラストを有し、フルカラー読取にも対応可能である。
また、全てのレンズが「化学的に安定で鉛や砒素等の有害物質を含まない光学ガラス」で構成され、材料のリサイクル化が可能で、加工時の廃液による水質汚染の無い地球環境を考慮した、小型で低コストな5群7枚構成の「球面のみによる読取レンズ」となっている。
条件(1)、(2)に関する数値は、各実施例のデータを示す表中に与えてある。
即ち、上記「SPHM52」、「SFPL51」のd線に対する屈折率およびアッベ数は、表中に示されたように条件(1)、(2)を満足している。
付言すると、各実施例では、第2、第5レンズに条件(1)、(2)、(4)を満足するガラス材料(OHARAのSPHM52やSFPL51)を用いている。
「+20℃〜+40℃での平均屈折率温度係数:β1」は、
「SPHM52」においてβ1=−3.5、
「SFPL51」においてβ1=−6.1
であり、条件(4)を満足する。
第2レンズに、このようなガラス材料を用いることにより、温度変化で熱膨張し移動する撮像面に対して、それをキャンセルする方向に像距離を大きく伸ばすことができ、温度変化による「像と撮像面の乖離」を有効に軽減できる。
上記以外のレンズのガラス材料は、何れも「温度上昇と共に屈折率が微増する通常のガラス材料」である。
読取レンズの「設計の基準温度」は何れも20℃であり、このとき読取レンズの最も像側の面(第7レンズの像側面)とラインセンサ受光面との「距離」は、実施例1〜3の各々に対し以下の通りである。
実施例1 45.6mm
実施例2 44.6mm
実施例3 43.7mm 。
「読取レンズとラインセンサを保持するホルダ」はアルミニウムにより形成した。
画像読取装置内の温度が20℃から40℃に上昇するときの上記「距離」の「伸び量」は、ホルダの材料アルミニウムの20℃における線膨張係数が「23.1×10−6」なので、各実施例について以下の如くになる。
実施例1 21.1μm
実施例2 20.6μm
実施例3 20.2μm 。
一方、画像読取装置内の温度が20℃から40℃に上昇するとき、結像面のラインセンサ側への「変位量」は、各実施例について以下の如くになる。
実施例1 18.2μm
実施例2 22.4μm
実施例3 15.8μm 。
従って、画像読取装置内の温度が20℃から40℃に上昇するとき、ラインセンサの撮像面と結像面との乖離量は、各実施例について以下の如くになり、極めて小さい。
実施例1 2.9μm
実施例2 1.8μm
実施例3 4.4μm 。
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
L4 第4レンズ
L5 第5レンズ
L6 第6レンズ
L7 第7レンズ
特開平10−333028号公報

Claims (7)

  1. 物体側から正の第1群、負の第2群、負の第3群、正の第4群、正の第5群を配し、第2群と第3群の間に絞りを有し、原稿画像の縮小像を撮像素子の撮像面上に結像する読取レンズであって、
    第1群は正の第1レンズにより構成され、
    第2群は、正の第2レンズの像側に負の第3レンズを接合して構成され、
    第3群は、負の第4レンズにより構成され、
    第4群は、正の第5レンズにより構成され、
    第5群は、正の第6レンズの像側に負の第7レンズを接合して構成される5群7枚構成であり、
    第2レンズおよび第6レンズのガラス材料の、d線に対する屈折率:nd、アッベ数:νdが、条件:
    (1) 1.48 < nd < 1.63
    (2) 62.0 < νd < 83.0
    を満足し、e線に対する全系の焦点距離:f、第5群のe線に対する焦点距離:f5が、条件:
    (3) 1.5 < f5/f < 6.0
    を満足することを特徴とする読取レンズ。
  2. 請求項1記載の読取レンズにおいて、
    第2レンズが、全系中において最も大きい正の焦点距離を有し、第2レンズのガラス材料の屈折率温度係数:β1(×10−6/℃)が、条件:
    (4) −6.5 < β1 < −3.0
    を満足することを特徴とする読取レンズ。
  3. 請求項1または2記載の読取レンズにおいて、
    第1レンズは、物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ、
    第2レンズは、第1面が物体側に凸である正レンズ、
    第3レンズは、第2面が物体側に凸である負レンズ、
    第4レンズは、物体側に凹面を向けた凹メニスカスレンズ、
    第5レンズは、像側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ、
    第6レンズは、像側に凸面を向けた凸メニスカスレンズ、
    第7レンズは、物体側に凹面を向けて配置された凹メニスカスレンズ、であることを特徴とする読取レンズ。
  4. 原稿を照明する照明系と、
    この照明系で照明された原稿の反射光を縮小結像させる結像レンズと、
    この結像レンズで結像された原稿像を光電変換する撮像素子であるラインセンサを有する画像読取装置であって、結像レンズとして請求項1〜3の任意の1に記載の読取レンズを用いたことを特徴とする画像読取装置。
  5. 請求項4記載の画像読取装置において、
    結像レンズとラインセンサとが、共通のホルダにより所定の位置関係で保持され、
    結像レンズが請求項2記載の読取レンズであることを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項4または5記載の画像読取装置において、
    照明系がLED照明であることを特徴とする画像読取装置。
  7. 請求項4〜6の何れか1項に記載の画像読取装置を用いた画像形成装置。
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