JP6488198B2 - 制御装置 - Google Patents
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Description
又、プリントによる配線は回路設計の自由度は高いが、回路基板と複数の電子素子とのはんだ付けが必要となり、全加工工程の中ではんだ付け工程の占める割合も大きいため、加工時間を短縮する上で課題があった。
請求項2に記載した発明は、被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、前記ターミナルは、前記電子部品を電気的に接続する第一ターミナルと、前記パワーデバイスを電気的に接続する第二ターミナルとを備え、前記窓部は、前記第一ターミナルの一部を露出させる第一窓部と、前記第二ターミナルの一部を露出させる第二窓部とを備え、前記電子部品は、前記第一窓部から露出した前記第一ターミナルに電気的に接続され、前記パワーデバイスは、前記第二窓部から露出した前記第二ターミナルに電気的に接続されることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記第一ターミナルは、接地端子を有する接地ターミナルを備え、前記第一窓部は、前記接地端子を露出させる接地窓部を備え、前記接地ターミナルには、雑防素子が選択的に接続可能とされることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記電子部品は、前記窓部から露出した前記ターミナルに溶接結合されることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、前記ベース部材には、前記パワーデバイスが前記ベース部材から浮き上がることを防止する浮き上がり防止部が設けられることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記浮き上がり防止部には、前記パワーデバイスを前記ベース部材に係止する係止部が設けられることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記係止部は、前記ベース部材の第一面側に設けられる基部と、前記基部から前記ベース部材の第一面側とは反対側の第二面側に向けて延びる脚部と、前記脚部の末端部から前記第二面側に位置するパワーデバイスの側に突出して前記パワーデバイスを係止する爪部と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、前記凹部は、前記第一電子素子及び前記第二電子素子のうち少なくとも前記第二電子素子と対向する位置で窪む第一凹部と、前記パワーデバイスと対向する位置で窪む第二凹部とを備え、前記熱伝導材は、前記第一凹部に設けられる第一熱伝導材と、前記第二凹部に設けられる第二熱伝導材とを備えることを特徴とする。
請求項9に記載した発明は、前記筐体は、被駆動体としてのモータが一体的に連結されるモータ連結部を備えることを特徴とする。
請求項2に記載した発明によれば、電子部品が第一窓部から露出した第一ターミナルに電気的に接続され、パワーデバイスが第二窓部から露出した第二ターミナルに電気的に接続されることで、電子部品及びパワーデバイスをまとめて配置することができるため、設計自由度を高めつつ部品コストの削減及び加工時間の短縮を効果的に図ることができる。
請求項3に記載した発明によれば、接地ターミナルには雑防素子が選択的に接続可能とされることで、仕様に応じて雑防素子を配置することができるため、ノイズ対策が必要な場合であってもノイズ要件を満足させることができる。
請求項4に記載した発明によれば、電子部品が窓部から露出したターミナルに溶接結合されることで、電子部品をはんだ付けする場合と比較して、加工時間の短縮を効果的に図ることができる。
請求項5に記載した発明によれば、ベース部材にはパワーデバイスがベース部材から浮き上がることを防止する浮き上がり防止部が設けられることで、パワーデバイスをベース部材にしっかりと固定することができる。例えば、パワーデバイスを第二窓部から露出した第二ターミナルに溶接結合する場合であっても、パワーデバイスがベース部材から浮き上がることを防止することができる。
請求項6に記載した発明によれば、ベース部材にはパワーデバイスをベース部材に係止する係止部が設けられることで、ボルト等の締結部材を用いる場合と比較して、パワーデバイスをベース部材に容易に係止することができるため、取付工数を削減することができる。
請求項7に記載した発明によれば、係止部が、ベース部材の第一面側に設けられる基部と、基部からベース部材の第一面側とは反対側の第二面側に向けて延びる脚部と、脚部の末端部から第二面側に位置するパワーデバイスの側に突出してパワーデバイスを係止する爪部とを備えることで、脚部のたわみを利用しつつ爪部をパワーデバイスに引っ掛けることによって、パワーデバイスをベース部材に容易に係止することができる。又、脚部がベース部材の第一面側の基部から第二面側に向けて延びることで、ベース部材の厚みを利用して脚部の長さを十分に確保することができ、脚部のたわみの作用を効果的に発揮することができる。
請求項8に記載した発明によれば、凹部が少なくとも第二電子素子と対向する位置で窪む第一凹部と、パワーデバイスと対向する位置で窪む第二凹部とを備え、熱伝導材が第一凹部に設けられる第一熱伝導材と、第二凹部に設けられる第二熱伝導材とを備えることで、第二電子素子及びパワーデバイスが過度に発熱した場合であっても、これらを効果的に放熱することができる。
請求項9に記載した発明によれば、筐体は被駆動体としてのモータが一体的に連結されるモータ連結部を備えることで、制御装置とモータとを一体化した構成において、設計自由度を高めつつ部品コストの削減及び加工時間の短縮を図ることができる。
<電動モータ全体>
図1〜図3は、実施形態に係る制御装置3を備える電動モータ1の一例を示す。
図1〜図3を参照し、電動モータ1は、ブラシレスモータ2(被駆動体)と、ブラシレスモータ2を制御する制御装置3と、を備える。
尚、図中符号CLはブラシレスモータ2の出力軸20の軸線を示す。以下、軸線CLに沿う方向を「モータ軸方向」、軸線CLと直交する方向を「モータ径方向」、軸線CL回りに周回する方向を「モータ周方向」という。
又、図中符号V1はモータ軸方向の一方側、符号V2はモータ軸方向の他方側をそれぞれ示す。
図2及び図3を参照し、ブラシレスモータ2は、軸線CLを形成する出力軸20と、出力軸20と共に回転可能なロータ21と、出力軸20と共にロータ21を回転させるための磁界を発生可能なステータ22とを備える。
図4及び図5を併せて参照し、制御装置3は、複数のバスバー100(導電性板材)を含むターミナル4と、ターミナル4を埋設する樹脂製のベース部材5と、複数のバスバー100にそれぞれ電気的に接続される複数の電子素子60を含む電子部品6と、ブラシレスモータ2に電力を供給すると共にブラシレスモータ2の駆動を制御するパワーデバイス7と、ベース部材5が取り付けられる筐体8(図3参照)と、ベース部材5を覆う樹脂製のカバー9,10(本体カバー9及びターミナルカバー10)とを備える。
ここで、ターミナル4のうち、電子部品6を電気的に接続するものは請求項に記載の「第一ターミナル」に相当し、パワーデバイス7を電気的に接続するものは請求項に記載の「第二ターミナル」に相当する。
尚、図4及び図5においては、便宜上、筐体8及びカバー9,10の図示を省略する。図中符号30は、制御装置3のうち筐体8及びカバー9,10を除いた部分、即ちベース部材5の内部に複数のバスバー100が配設されたインサート成形部品(以下「バスバーモジュール」という。)を示す。
図6を併せて参照し、ベース部材5は、モータ軸方向に厚みを有し、且つ、モータ軸方向から見た平面視で矩形板状をなすベース本体50を備える。ベース本体50は、平面視で、第一辺50aと、第一辺50aに対向する第二辺50bと、第一辺50a及び第二辺50bに直交する第三辺50cと、第一辺50aに隣接して傾斜する第四辺50dと、第四辺50dに対向し且つ第二辺50bに隣接して傾斜する第五辺50eとを有する。
図6においては、便宜上、ベース部材5のうち窓部55、貫通孔50h及び開口部53h等の開口を除く本体部分をハッチングで示す。
ベース本体50には、第一辺50a及び第二辺50bと第三辺50cとが交差する角部に、平面視で頂部に角丸を有する三角形状をなすフランジ部50gが形成される。
フランジ部50f,50gには、ベース部材5の厚み方向に開口する貫通孔50hが形成される。
ターミナル接続部53には、出力軸20に臨む位置に、ベース部材5の厚み方向に開口する開口部53hと、3つのターミナル接続孔53mが形成される。このターミナル接続孔53mは、ブラシレスモータ2の3つの給電端子25aをターミナル接続部53内に導き、後述する三相バスバー121〜123のモータ側端部125と面どうしで付き合わせて電気的に溶接するためのものである。
窓部55は、ベース部材5の厚み方向にベース本体50を貫通するように形成される。窓部55は、ベース本体50の所定位置に配置される複数の窓部55a〜55oを備える。
ここで、窓部55のうち、電子部品6を電気的に接続する第一ターミナルを露出させるものは請求項に記載の「第一窓部」に相当し、パワーデバイス7を電気的に接続する第二ターミナルを露出させるものは請求項に記載の「第二窓部」に相当する。
窓部55b,55cは、平面視でそれぞれ幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55aよりも第三辺50c側で幅方向に並ぶように配置される。
窓部55dは、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55bよりも第一辺50a寄りに配置される。
窓部55eは、平面視で高さ方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55dの窓部55b側に配置される。
窓部55fは、平面視で矩形状をなすと共に、窓部55bと窓部55eとの間の部分よりも第三辺50c側に配置される。
窓部55gは、平面視で矩形状をなすと共に、第一辺50a寄りで窓部55dよりも第三辺50c側に配置される。
窓部55iは、平面視で第二辺50b側から窓部55g近傍まで至るように窓部55hよりも幅方向に長く延びると共に、窓部55hよりも第三辺50c側に配置される。
窓部55jは、平面視で高さ方向に延びるクランク状をなすと共に、幅方向の中央部で第三辺50c寄りに配置される。
窓部55kは、平面視で高さ方向に延びるクランク状をなすと共に、窓部55jの第二辺50b側に配置される。
窓部55mは、平面視で矩形状をなすと共に、窓部55jの第一辺50a側に配置される。
窓部55nは、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55mよりも第三辺50c側で且つ窓部55jの第一辺50a側に配置される。
窓部55oは、平面視で幅方向に対して傾斜して延びる台形状をなすと共に、第二コネクタ52寄りに配置される。
電子部品配置部56は、電子部品6を収容するように、ベース本体50に厚み方向の内側に窪む凹状に形成される。電子部品配置部56は、電子部品6が配置される六つの配置部56a〜56f(第一配置部56a、第二配置部56b、第三配置部56c、第四配置部56d、第五配置部56e及び第六配置部56f)を備える。
第一配置部56aは、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55d〜55gに囲まれる部分に配置される。
第二配置部56bは、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55f,55g,55iに囲まれる部分に第一配置部56aと高さ方向で並ぶように配置される。
第三配置部56cは、平面視で高さ方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55g,55i,55lに囲まれる部分に第一辺50aに沿うように配置される。
第四配置部56dは、平面視で高さ方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55hの第五辺50eの側に第二辺50bに沿うように配置される。
第五配置部56eは、平面視で高さ方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55iの第三辺50cの側に第二辺50bに沿うように配置される。
第六配置部56f(図4参照)は、平面視で高さ方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55iに囲まれる部分に第五配置部56eの窓部55i側に配置される。
パワーデバイス配置部57は、パワーデバイス7を収容するように、ベース本体50に厚み方向の内側に窪む凹状に形成される。パワーデバイス配置部57は、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすと共に、窓部55j,55k,55m,55n,55oと重なる部分を含み且つ第三辺50cに沿うように配置される。
図7を併せて参照し、複数のバスバー100は、信号系ターミナルバスバー101〜106と、二つのパワー用ターミナルバスバー111,112(第一パワー用ターミナルバスバー111及び第二パワー用ターミナルバスバー112)と、三相バスバー121〜123と、パワー用バスバー131と、グランドバスバー141と、を備える。例えば、複数のバスバー100は、それぞれ銅等の金属板材を所望の形状に屈曲することによって形成される。
ここで、接地端部111a、第一パワー用ターミナルバスバー111、窓部55dは、それぞれ請求項に記載の「接地端子」、「接地ターミナル」、「接地窓部」に相当する。
図中符号120は、三相バスバー121〜123のうちパワーデバイス側端部124及びモータ側端部125とを連結する部分(以下「バスバー本体」という。)を示す。バスバー本体120の板厚方向は、厚み方向と略平行をなす。即ち、バスバー本体120の板厚方向は、モータ軸方向と略平行をなす。以下、バスバー本体120の板厚方向を単に「板厚方向」という。
複数の電子素子60は、雑防素子61、一対の平滑コンデンサ65,66、レジスタ67及びダイオード68を備える。
雑防素子61は、Xコンデンサ62及び二つのチョークコイル63,64(第一チョークコイル63及び第二チョークコイル64)を備える。
Xコンデンサ62は、ラジオノイズを抑制するために設けられる。例えば、Xコンデンサ62は、円筒状の電解コンデンサである。Xコンデンサ62は、ベース本体50の第三配置部56cに配置される。Xコンデンサ62の中心軸線は、ベース本体50の第一辺50aに沿うように配置される。
第一チョークコイル63はベース本体50の第一配置部56aに配置され、第二チョークコイル64はベース本体50の第二配置部56bに配置される。第一チョークコイル63及び第二チョークコイル64のコアの中心軸線は、幅方向に沿うように配置される。
一方の平滑コンデンサ65における一対のリード線の先端は、窓部55h内に配置され、例えば抵抗溶接等によって、窓部55hから露出したパワー用バスバー131の舌片部136とグランドバスバー141の舌片部145とにそれぞれ電気的に接続される。
他方の平滑コンデンサ66における一対のリード線の先端は、窓部55i内に配置され、例えば抵抗溶接等によって、窓部55iから露出したパワー用バスバー131の舌片部133とグランドバスバー141の舌片部143とにそれぞれ電気的に接続される。
レジスタ67の両端部は、窓部55i内に配置される。レジスタ67の一端部は、例えば抵抗溶接等によって、窓部55iから露出したパワー用バスバー131の舌片部134に電気的に接続される。レジスタ67の他端部は、例えば抵抗溶接等によって、窓部55iから露出した信号系ターミナルバスバー104の舌片部104aに電気的に接続される。
ダイオード68の一端部は、例えば抵抗溶接等によって、信号系ターミナルバスバー104の舌片部104bに電気的に接続される。ダイオード68の他端部は、例えば抵抗溶接等によって、窓部55kから露出した信号系ターミナルバスバー101の舌片部101bに電気的に接続される。
図5を併せて参照し、パワーデバイス7は、パワーデバイス配置部57に配置される。パワーデバイス7は、幅方向に延びる矩形板状に形成される。例えば、パワーデバイス7は、エポキシ樹脂等のモールド体の内部に集積回路等が内蔵されることよって構成される。例えば、前記集積回路には、FET(Field effect Transistor:電界効果トランジスタ)及びIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子を含む電子素子が含まれる。
図8を併せて参照し、パワーデバイス7には、上述したXコンデンサ62、チョークコイル63,64、平滑コンデンサ65,66、レジスタ67及びダイオード68が電子素子60が電気的に接続される。
尚、図中符号69は、例えば、セラミックコンデンサ等のノイズ対策用のコンデンサを示す。ノイズ対策が必要な場合を想定して、ベース本体50のパワーデバイス7が配置されるパワーデバイス配置部57のベース本体裏面(第二面側)には、二ヶ所の拡張用電子部品配置部50kが設けられており、このスペースにコンデンサ69(電子部品)が配設可能に構成されている。この拡張用電子部品配置部50kに配される電子部品から突出する一対のリード線は、一方が窓部55jから露出する信号系ターミナルバスバー105の接続部105a,105bに電気的に接続可能に構成され、他方が窓部55jから露出する信号系ターミナルバスバー102,103の接続部102a,103aにそれぞれ電気的に接続可能に構成されている。尚、バスバー100の所定位置に他のコンデンサ69の実装部を設けるようにしてもよい。これにより、制御装置3に求められるタフネス要件が変わってノイズ対策が必要となった場合には、拡張用電子部品配置部50kにコンデンサ69を実装することで、所望のノイズ対策が可能となる。尚、パワーデバイス配置部57のベース本体裏面(第二面側)以外のバスバー100の所定位置に、別の拡張用電子部品配置部を設けるようにしてもよい。
図5を参照し、ベース部材5には、パワーデバイス7がベース部材5のパワーデバイス配置部57から浮き上がることを防止する浮き上がり防止部70が形成される。浮き上がり防止部70には、パワーデバイス7をベース部材5に係止する係止部71が設けられる。係止部71は、平面視で幅方向に延びる長方形状をなすパワーデバイス7の四隅の近傍に、パワーデバイス7の短辺方向に沿うように両側一対ずつ合計四つ設けられる。
パワーデバイス7の複数の端子列7aをバスバー100の各パワーデバイス側端部107,124,132,142とそれぞれ電気的に抵抗溶接する場合、窓部55iの貫通方向のそれぞれから一対の電極を接続部に当接させ、一対の電極間に電流を流して行うが、この際、その電極の当接圧によって、パワーデバイス7がベース部材5のパワーデバイス配置部57から浮き上がろうとする事象が発生し、抵抗溶接の作業性が低下することがあるが、本実施形態の場合、パワーデバイス配置部57に浮き上がり防止部70が形成されているため、抵抗溶接の作業性を向上させることができる。
尚、浮き上がり防止部70には、係止部71に限らず、ボルト等の締結部材が設けられてもよい。
図9及び図10を併せて参照し、係止部71は、ベース本体50の第一面側に設けられる基部72と、基部72から第二面側に向けて延びる脚部73と、脚部73の末端部から第二面側に位置するパワーデバイス7の側に突出してパワーデバイス7を係止する爪部74とを備える。
爪部74は、図9の断面視で、パワーデバイス7の平坦な一面7s(第二面側の面)に当接する平坦な当接部74aと、厚み方向に対して傾斜するテーパ部74bとを備える。
パワーデバイス7の係止部71に臨む側面には、幅方向外側に向けて凸のV字状をなすように傾斜するテーパ部7eが形成される。
図11及び図12を併せて参照し、筐体8は、モータ軸方向で、ベース本体50の外形に沿う形状をなす筐体本体80と、ターミナル接続部53の外形に沿う形状をなすモータ連結部81と、ブラシレスモータ2の外形に沿う形状をなすモータブラケット部82とを備える。例えば、筐体8は、アルミニウム等の熱伝導性の良い金属材料によって形成される。
図1〜図3を併せて参照し、筐体本体80は、モータ軸方向の他方側V2に平坦な面を有する本体ベース部80aと、本体ベース部80aの幅方向両端部から幅方向外側に突出する複数(例えば本実施形態では幅方向両端に一つずつ計二つ)のフランジ部80bと、本体ベース部80aの面上にモータ軸方向の他方側に向けて突出する複数のピン型の放熱フィン80cと、図2における上下の隣接する複数の放熱フィン80cの間を繋ぐように直線状に延びる連結リブ80dと、本体ベース部80aの幅方向両端部から幅方向外側に突出する複数の凸型の放熱フィン80eとを備える。フランジ部80bには、モータ軸方向に開口する貫通孔80hが形成される。
モータ連結部81には、モータ軸方向に開口する開口部81hが形成される。モータ連結部81において開口部81hに臨む部分には、ブラシレスモータ2が一体的に連結されるモータ連結ボス部81aが設けられる。
モータブラケット部82は、モータ軸方向の一方側に平坦な面を有するベース部82aと、ベース部82aの外周部からモータ径方向の外側に突出する複数(例えば本実施形態では三つ)のフランジ部82bと、ベース部82aの面上にモータ軸方向の一方側V1に向けて突出する複数のピン型の放熱フィン82cとを備える。フランジ部82bには、モータ軸方向に開口する貫通孔82hが形成される。
図2中、上側に位置する2つのフランジ部82bの間には、ベース部80aとモータカバー部82との間に、ロータ21(鍔部21d)の外形に沿って設けられた多角形状の壁部82dが設けられている。
このように、本体筐体80には、放熱フィン80c、連結リブ80d、放熱フィン80e、放熱フィン82cが設けられることによって、筐体本体80の表面積を増やすことができ、制御装置3やブラシレスモータ2の熱を効果的に放熱することができる。
又、本体ベース部80aには、隣接する複数の放熱フィン80c同士を天地縦方向に連結する連結リブ80dが形成され、ベース部80aとモータカバー部82との間に、ロータ21(鍔部21d)の外形に沿って設けられた壁部82dが設けられているため、本体筐体80に付着した雨水は、本体ベース部80a上に留まることなく下方に誘導されて、さらに、図2中、壁部82dに沿って左右に誘導されて本体筐体80から排水されることになって、この経路からの雨水によるブラスレスモータ2の被水が効果的に軽減される。
図12を併せて参照し、筐体本体80とモータ連結部81との間には、モータ軸方向でベース部材5のフランジ部50fと対向する部位に、ベース部材取付部80fが形成される。
筐体本体80には、モータ軸方向でベース部材5のフランジ部50gと対向する部位に、ベース部材取付部80gが形成される。
ベース部材取付部80f,80gには、モータ軸方向に開口する取付孔80kが形成される。
図1及び図11を併せて参照し、本体カバー9は、モータ軸方向から見て、ベース本体50の外形に沿う矩形状をなす。本体カバー9は、ベース本体50に板厚方向の一方側から接近してベース本体50を覆う。尚、「板厚方向の一方側」は、モータ軸方向の一方側に相当する。
本体カバー9は、ベース本体50を板厚方向の一方側から覆う天板部90と、天板部90からベース本体50に向けて起立すると共にモータ軸方向から見てベース本体50を囲む矩形環状のカバー壁部91とを備える。
係止部92は、天板部90からベース本体50に向けて延びる一対の脚部92aと、一対の脚部92aの末端部を連結する連結部92bとを備える。
ベース本体50には、係止部92の連結部92bに板厚方向の一方側から係止する爪部50jが設けられる。爪部50jは、本体カバー9の係止部92に対向するように、ベース本体50の幅方向両端部に複数(例えば本実施形態では幅方向両端に二つずつ計四つ)設けられる。
図1及び図3を併せて参照し、ターミナルカバー10は、モータ軸方向から見て、ターミナル接続部53の外形に沿う形状をなす。ターミナルカバー10は、ターミナル接続部53に板厚方向の一方側から接近してターミナル接続部53を覆う。ターミナルカバー10は、三相バスバー121〜123のモータ側端部125と、出力軸20の締結部20jとを覆う位置に配置され、ブラシレスモータ2の3つの給電端子25aと対応するモータ側端部125との電気的接続部を覆蓋するものである。ターミナル接続部53とターミナルカバー10との間には、環状のシール材40が設けられる。
ターミナル接続部53は、カバー壁部12の外周側にシール材40を介して接する環状のベース壁部53aを備える。
ターミナルカバー10は、カバー壁部12及びベース壁部53aの径方向でシール材40を圧縮した状態で、ターミナル接続部53に取り付けられる。
尚、カバー壁部12及びベース壁部53aの径方向は、板厚方向に直交する方向(カバー壁部12及びベース壁部53aが対向する方向)に相当する。
第一係止部13は、天板部11の外側からターミナル接続部53に向けて延びる一対の第一脚部13aと、一対の第一脚部13aの末端部を連結する第一連結部13bとを備える。
ターミナル接続部53には、第一係止部13の第一連結部13bに板厚方向の一方側から係止する第一爪部53jが設けられる。
第二係止部14は、天板部11の内側で且つ出力軸20の締結部20jに臨む側からターミナル接続部53に向けて延びる一対の第二脚部14aと、一対の第二脚部14aの末端部を連結する第二連結部14bとを備える。
ターミナル接続部53には、第二係止部14の第二連結部14bに板厚方向の一方側から係止する第二爪部53kが設けられる。
図11及び図12を併せて参照し、筐体本体80には、複数の電子素子60及びターミナル4の一部と対向する位置で窪む複数の第一凹部86と、パワーデバイス7と対向する位置で窪む第二凹部87とが形成される。
ここで、第一凹部及び第二凹部は、請求項に記載の「凹部」に相当する。
図11においては、便宜上、凹部に設けられる熱伝導材をハッチングで示す。
ここで、複数の電子素子60のうち、Xコンデンサ62、二つのチョークコイル63,64及び一対の平滑コンデンサ65,66は、請求項に記載の「第二電子素子」に相当する。又、複数の電子素子60のうち、レジスタ67及びダイオード68は、請求項に記載の「第一電子素子」に相当する。
第一凹部86には第一熱伝導材88が充填され、第二凹部87には第二熱伝導材89が充填される。第一熱伝導材88及び第二熱伝導材89は、ベース部材5よりも高い熱伝導率を有する。例えば、第一熱伝導材88及び第二熱伝導材89は、エポキシ系接着剤にアルミナフィラーを混在させたものを用いる。筐体8は、第一凹部86に設けた第一熱伝導材88及び第二凹部87に設けた第二熱伝導材89を介してベース部材5に固定される。
ここで、第一熱伝導材88及び第二熱伝導材89は、請求項に記載の「熱伝導材」に相当する。
チョークコイル用熱伝導材88bの厚みは、例えば2.60mm以上且つ2.80mm以下の範囲の値とし、本実施形態では2.70mmとする。
一対の平滑コンデンサ用熱伝導材88c,88dの厚みは、それぞれ例えば2.30mm以上且つ2.40mm以下の範囲の値とし、本実施形態では2.35mmとする。
接地端部用熱伝導材88eの厚みは、例えば1.83mm以上且つ3.15mm以下の範囲の値とし、本実施形態では2.49mmとする。
一対のV相用熱伝導材88f及びW相用熱伝導材88gの厚みは、それぞれ例えば1.70mm以上且つ3.24mm以下の範囲の値とし、本実施形態では2.47mmとする。
U相用熱伝導材88hの厚みは、例えば1.70mm以上且つ2.82mm以下の範囲の値とし、本実施形態では2.26mmとする。
パワーデバイス7用の第二熱伝導材89の厚みは、例えば0.65mm以上且つ1.65mm以下の範囲の値とし、本実施形態では1.15mmとする。
このように、第一熱伝導材88及び第二熱伝導材89の厚みを、各電子素子60及びパワーデバイス7ごとに規定することによって、各電子素子60及びパワーデバイス7ごとに適した絶縁性を確保できる。
又、熱伝導材88,89は、PBT(polybutylene terephthalate)等の樹脂材料を用いてもよい。これにより、優れた絶縁特性を発揮できる。
又、熱伝導材88,89は、凹部及び電子素子等の表面に対して、優れた濡れ広がり性および接着性を有してもよい。これにより、凹部及び電子素子から接着剤が剥離することを抑制できるため、優れた耐振性及び放熱特性を確保できる。
又、熱伝導材88,89は、放熱シートと固定用接着剤とを組み合わせたり、放熱ゲルと固定用接着剤とを組み合わせたりしてもよい。
図12及び図13を併せて参照し、バスバーモジュール30を筐体8に取り付けるときには、接地端部用凹部86eにコンタクトプレート115を配置した状態で取り付ける。
コンタクトプレート115は、導電性及び弾性変形可能な部材を用いる。例えば、コンタクトプレート115は、銅等の金属片を折り曲げ加工することによって形成される。
コンタクトプレート115は、バスバーモジュール30に向けて凸をなして湾曲する弾性変形部115aと、弾性変形部115aの幅方向外端から幅方向内側に延びる一対の支持片115bとを備える。
これにより、コンタクトプレート115のバネ力で接地端部111aを筐体8に電気的に接続できる。例えば、他のグランド接続方法としては、バスバーをねじで締め付け固定する方法があるが、ねじ締付けによる応力及び冷熱衝撃による応力がバスバーにかかる懸念があった。これに対し、本実施形態によれば、ねじ締付けが不要であるため、ねじ締付けによる応力がバスバー100にかかる懸念を排除できる。又、弾性変形部115aの弾性変形によって冷熱衝撃による応力を吸収できるため、冷熱衝撃による応力がバスバー100にかかる懸念も排除できる。
更に、脚部73の基端部には湾曲部73aが形成されることで、湾曲部73aを利用して、脚部73のたわみの作用を効果的に発揮することができる。
又、爪部74がパワーデバイス7の平坦な一面7sに当接する平坦な当接部74aを備えることで、爪部74の平坦な当接部74aをパワーデバイス7の平坦な一面7sに当接させることができるため、パワーデバイス7をベース部材5に安定して係止することができる。
又、爪部74が厚み方向に対して傾斜するテーパ部74bを備えることで、爪部74のテーパ部74bに沿ってパワーデバイス7の側面を摺動させることができるため、パワーデバイス7をベース部材5に容易に係止すると共に、脚部73のたわみの作用を効果的に発揮することができる。
又、パワーデバイス7の係止部71に臨む側面には、幅方向外側に向けて凸のV字状をなすように傾斜するテーパ部7eが形成されることで、パワーデバイス7の側面のテーパ部7eに沿って摺動させることができるため、パワーデバイス7をベース部材5に更に容易に係止すると共に、脚部73のたわみの作用を更に効果的に発揮することができる。
3 制御装置
4 ターミナル
5 ベース部材
6 電子部品
7 パワーデバイス
8 筐体
55 窓部
55d 窓部(接地窓部)
60 電子素子
61 雑防素子
69 コンデンサ(電子部品)
70 浮き上がり防止部
71 係止部
72 基部
73 脚部
74 爪部
81 モータ連結部
86 第一凹部(凹部)
87 第二凹部(凹部)
88 第一熱伝導材(熱伝導材)
89 第二熱伝導材(熱伝導材)
100 バスバー(導電性板材)
111 第一パワー用ターミナルバスバー(接地ターミナル)
111a 接地端部(接地端子)
Claims (9)
- 複数の導電性板材を含むターミナルと、前記ターミナルが配設されるベース部材と、前記ターミナルに電気的に接続される複数の電子素子を含む電子部品と、を備える制御装置であって、
前記ベース部材には、前記ターミナルの一部を露出させる窓部が前記ベース部材の厚み方向に貫通するように形成されるとともに、拡張用電子部品配置部が設けられており、
前記電子部品は、前記窓部から露出した前記ターミナルに電気的に接続されるとともに、前記拡張用電子部品配置部によって、前記複数のターミナル間に選択的に電子部品を電気的接続可能とされ、
前記ベース部材に取り付けられると共に、前記ベース部材よりも高い熱伝導率を有する筐体を更に備え、
前記複数の電子素子は、第一電子素子と、前記第一電子素子よりも高い発熱性を有する第二電子素子とを備え、
前記筐体には、前記第一電子素子及び前記第二電子素子のうち少なくとも前記第二電子素子と対向する位置で窪む凹部が形成され、
前記凹部には、前記ベース部材よりも高い熱伝導率を有する熱伝導材が設けられ、
前記筐体は、前記凹部に設けた前記熱伝導材を介して前記ベース部材に固定されることを特徴とする制御装置。 - 被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、
前記ターミナルは、前記電子部品を電気的に接続する第一ターミナルと、前記パワーデバイスを電気的に接続する第二ターミナルとを備え、
前記窓部は、前記第一ターミナルの一部を露出させる第一窓部と、前記第二ターミナルの一部を露出させる第二窓部とを備え、
前記電子部品は、前記第一窓部から露出した前記第一ターミナルに電気的に接続され、
前記パワーデバイスは、前記第二窓部から露出した前記第二ターミナルに電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。 - 前記第一ターミナルは、接地端子を有する接地ターミナルを備え、
前記第一窓部は、前記接地端子を露出させる接地窓部を備え、
前記接地ターミナルには、雑防素子が選択的に接続可能とされることを特徴とする請求項2に記載の制御装置。 - 前記電子部品は、前記窓部から露出した前記ターミナルに溶接結合されることを特徴とする請求項1から3までの何れか一項に記載の制御装置。
- 被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、
前記ベース部材には、前記パワーデバイスが前記ベース部材から浮き上がることを防止する浮き上がり防止部が設けられることを特徴とする請求項1から4までの何れか一項に記載の制御装置。 - 前記浮き上がり防止部には、前記パワーデバイスを前記ベース部材に係止する係止部が設けられることを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
- 前記係止部は、
前記ベース部材の第一面側に設けられる基部と、
前記基部から前記ベース部材の第一面側とは反対側の第二面側に向けて延びる脚部と、
前記脚部の末端部から前記第二面側に位置するパワーデバイスの側に突出して前記パワーデバイスを係止する爪部と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の制御装置。 - 被駆動体に電力を供給すると共に前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスを更に備え、
前記凹部は、前記第一電子素子及び前記第二電子素子のうち少なくとも前記第二電子素子と対向する位置で窪む第一凹部と、前記パワーデバイスと対向する位置で窪む第二凹部とを備え、
前記熱伝導材は、前記第一凹部に設けられる第一熱伝導材と、前記第二凹部に設けられる第二熱伝導材とを備えることを特徴とする請求項1から7までの何れか一項に記載の制御装置。 - 前記筐体は、被駆動体としてのモータが一体的に連結されるモータ連結部を備えることを特徴とする請求項1から8までの何れか一項に記載の制御装置。
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