JP6486072B2 - 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法 - Google Patents

微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6486072B2
JP6486072B2 JP2014224770A JP2014224770A JP6486072B2 JP 6486072 B2 JP6486072 B2 JP 6486072B2 JP 2014224770 A JP2014224770 A JP 2014224770A JP 2014224770 A JP2014224770 A JP 2014224770A JP 6486072 B2 JP6486072 B2 JP 6486072B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fatty acid
triglyceride
odd
acid
fatty acids
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014224770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016089025A (ja
Inventor
邦光 彼谷
邦光 彼谷
啓二 池田
啓二 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SEA ACT CO., LTD.
Original Assignee
SEA ACT CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SEA ACT CO., LTD. filed Critical SEA ACT CO., LTD.
Priority to JP2014224770A priority Critical patent/JP6486072B2/ja
Publication of JP2016089025A publication Critical patent/JP2016089025A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6486072B2 publication Critical patent/JP6486072B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

本発明は、オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類を利用して、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを含有するトリグリセリド混合物を製造する方法、当該方法により製造されたトリグリセリド混合物、当該混合物を成分分離してトリグリセリド画分を取得する方法、及び当該方法により製造されたトリグリセリド画分に関する。
哺乳類や鳥類の体内の脂肪酸は、炭素数が偶数であるものがほとんどであるが、炭素数が奇数の脂肪酸も僅かに存在する。このような奇数脂肪酸は、発見当初は異常な脂肪酸として毒性があるのではないかと思われていた。1975年の奇数脂肪酸に関する総説では、奇数脂肪酸は偶数脂肪酸と同様にβ‐酸化によりエネルギー源となるもので毒性は無い旨、ヒトおよび家畜と家禽の体脂肪、筋肉、臓器、乳および卵に0.1〜数%程度の奇数脂肪酸が含まれており、臓器により組成が異なる旨、奇数脂肪酸は体外から取り込まれたものだけでなく、体内で生合成され得る旨が記載されている(非特許文献1)。更に1993年になって、Adachi らは、ペンタデカノイルモノグリセリドが毛母細胞のATPレベルを上昇させ、細胞を活性化させることを報告し(非特許文献2)、この知見に基づき育毛剤が開発され、製品化された。
脂肪酸は体内で酸化され、炭素数2個(C2)のアセチル−CoAとなってクエン酸サイクル(TCAサイクル)に入り、補酵素NAD (ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)やFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)をNADH2やFADH2に還元し、電子伝達系によりATPを産生する。ここで、炭素数が偶数の脂肪酸は、全ての炭素鎖がC2のアセチル−CoAに分解されてTCAサイクルに利用されるが、奇数脂肪酸の場合は、分解の最後にC3のプロピオニル−CoAが残る。
プロピオニル−CoAは、C4のメチル−マロニル−CoAに変換され、ビタミンB12を補酵素とする酵素メチルマロニル−CoAムターゼによって、TCAサイクルの一員であるスクシニル−CoAに変換される。TCAサイクルに導入されたスクシニル−CoAは、酵素スクシニルCoA シンセターゼによってコハク酸になる。この反応で、シグナル伝達物質であるGTP(グアノシン三リン酸)が生産される。TCAサイクルにおいて、GTPが生産されるのはこの反応だけである。なお、TCAサイクルにおいてATPは生産されない。
GTPはG−タンパク質と呼ばれる膜タンパク質に結合してシグナルを伝達する。GTPが結合した活性型Gタンパク質は、細胞の様々な生理機能を活性化させる重要な役割を担っている。したがって、奇数脂肪酸は、C2のアセチル−CoAから出発するATP生産に加えて、C3のプロピオニル−CoAから出発する細胞の生理機能活性化にも関与することが示唆される。
TCAサイクルを構成する分子は他の様々な代謝経路にも関与するものであるため、構成分子のいずれかが不足してTCAサイクルが充分に機能しなくなくなる場合がある。そのような場合、奇数脂肪酸が上記のように分解されて生成されたスクシニル−CoAがTCAサイクルに補充される(この現象を補充反応(anaplerosis)と呼ぶ)。また、逆にTCAサイクルの分子が過剰に存在する場合は、いずれかの構成分子を抜き取る反応(cataplerotic reaction)が生じ、TCAサイクルが正常に保たれる。奇数脂肪酸は、プロピオニル−CoAを経由してスクシニル−CoAを補充することにより、TCAサイクルを正常に維持する機能を担ってもいるのである(非特許文献3及び4)。
TCAサイクルが正常に機能し、スクシニル−CoAの補充が必要でない場合、プロピオニル−CoAから生成するメチルマロニル−CoAはスクシニル−CoAに変換されず、ロイシン、バリン、イソロイシンといったメチル側鎖を有するアミノ酸(BCA)の生成に用いられる。これらのBCAは筋肉を構成するアミノ酸であると同時に、激しい運動などでTCAサイクルの分子が不足した場合にスクシニル−CoA を補充する分子でもある(非特許文献5)。激しい運動で血中のBCAが急激に減少するのも、上記の補充反応によりBCAがスクシニル−CoAの補充に消費されるためであると考えられる。また、運動後に起こる筋肉痛は筋繊維の断裂によるものであるが、BCAの補充により筋肉痛が緩和されるという研究もある。運動時の血中BCA濃度の減少は年齢が高くなるほど大きくなるが、これはTCAサイクルの機能が低下しているためと考えられる。従って、奇数脂肪酸を摂取してTCAサイクルの機能を維持することにより、運動時や運動後の筋肉の損傷により起こる筋肉痛を軽減出来ることが示唆される(非特許文献6〜8)。
以上のように、奇数脂肪酸は細胞の生理機能の改善や健康増進に有益な効果を有することが期待されているため、今後の産業上の需要が増大することが予想される。
奇数脂肪酸は、これまで商業的価値が充分に認識されていなかったため、確立された合成プロセスはこれまで開発されていない。また、上述のように、炭素数が奇数の脂肪酸は動物性脂肪中に僅かしか存在しないため、動物性脂肪からこれを抽出するのは甚だ非効率である。
従って、医薬又は機能性食品としての優秀な潜在的価値が見込まれる奇数脂肪酸を高品質かつ良好な効率で生産する技術を確立することは、将来の奇数脂肪酸の需要増大に備える上で重要である。
一方、高度不飽和脂肪酸、特にDHA、EPAに代表されるω‐3高度不飽和脂肪酸は多くの生理活性が報告されており、これらを有効成分として含有する市販製品も数多く存在する。しかしながら、DHAやEPAは主に魚油から分離されるため、臭気物質とエチルエステル化しており、分子蒸留による濃縮精製を経ても魚臭を完全に除去することが出来ない。そのため、魚油由来のDHAやEPA製品は、若干残る魚臭が購買者に不快感を与えているとの評価がある。特に欧米圏の購買者に対しては、そのような臭気は重大な忌避の要因となっている。
従って、従来の魚油からの分離に代替する、DHAやEPA等のω‐3高度不飽和脂肪酸生産技術を開発することは、それらに対する購買者の忌避を解消し、商業的価値を更に高めることとなるため、極めて重要である。
:特許第2764572号公報
:生雲 晴久、吉田 実. 家畜・家禽における奇数脂肪酸の分布とその代謝. 日本家禽学会誌 12,(4) 155-166 (1975) :Adachi K, Yokoyama D, Tamai H, Sadai M, and Oba K (1993) Effect of glyceride of pentadecanoic acid on energy metabolism in hair follicles. International Journal of Cosmetic Science 15 (3): 125-131. :Kasumov T et al. (2007) Mass isotopomer study of anaplerosis from propionate in the perfused rat heart. Arch Biochem Biophys. 463 (1): 110-117 :Owen O, Kalhan S, Hanson R (2002) The key role of anaplerosis and cataplerosis for citric acid cycle function.J. Biol. Chem. 277 (34): 30409-30412 :下村吉治、北浦靖之(2014) 化学と生物 52、No 3. 143-144. :Shimomura Y. Kobayashi H. Mawatari K, Akita K, Inaguma A, Watanabe S, Bajjoto G, Sato J. (2009) Effects of squat exercise and branched-chain amino acid supplementation on plasma free amino acid concentrations in young women. J. Nutr. Sci. Vitaminol. 55, 288-291. :Katsanos C S, Kobayashi H, Sheffield- Moore M, Aarsland A, Wolfe R R (2006) A high proportion of leucine is required for optimal stimulation of the rate of muscle protein synthesis by essential amino acids in the elderly. Am J. Physiol. Endocrinol. Metab. 291, E381-E387. :Minetti GC, Feige GN, et al (2011) Gai2 signaling promotes skeletal muscle hypertrophy, myoblast differentiation, and muscle regeneration. Science Signaling 4 ,ra80 :G. Chen. et al. New Biotechnology 27, 382-289 (2010) :Q. Li et al., J. Agric. Food Chem. 57(10), 4267-4272 (2009) :K. W. Fan et al., World J. Microbiol. Biotechnol. 26, 1303-1309 (2010) :BioScience, Biotechnology, and Biochemistry 75, 2246-2248 :Metz JG, Roessler P, Facciotti D, Levering C, Dittrich F, Lassner M, Valentine R, Lardizabal K, Dommergue F, Yamada A, Yazawa K, Knauf V, Browse J.(2001) Production of polyunsaturated fatty acids by polyketide synthases in both prokaryotes and eukaryotes. Science 293, 290-293. :Hayashi M, Yukino T, Watanabe F, Miyamoto E, Nakano Y. (2007) Effrct of vitamin B12-enriched thraustchytrides on the population growth of rotifers. Biosci. Biotechnol. Biochem.71, 222-225.
本発明は、上記の状況に鑑み、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを、高効率で生産する方法を提供することを課題とする。
近年、微生物の炭素同化を利用した、炭化水素やトリグリセリド等の有用物質の生産技術の開発が盛んに行われている。所望の有用物質を生産する微生物を培養し、その生産物として様々な物質を取得することが出来る当該技術は、生産効率が極めて高く、生産規模を工業レベルに拡大することが比較的容易であることから、工業的利用が有望視されている。
物質生産に利用される微生物の例として、ラビリンチュラ類(Labyrinthulomycetes)に属する藻類が挙げられる。ラビリンチュラ類藻類は様々な炭化水素や油脂を生産するものが報告されており、微生物を利用した物質生産技術の有望な材料として注目されている。例えば物質生産性ラビリンチュラ類藻類として、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)等の高度不飽和脂肪酸を多量に蓄積する性質を有するもの(SR21株、特許文献1)や、スクワレンを生産するものが知られている。(非特許文献9〜11)。
ラビリンチュラ類藻類の中でも、特にオーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類は、水中の栄養分を同化して脂質を生産し、細胞内に大量に蓄積する特徴を有する。彼谷らは、スクワレンを生産するオーランチオキトリウム属藻類tsukuba−3株を同定し、その生産効率が、ボツリオコッカス・ブラウニー(Botryococcus braunii)等の従来から産業利用が研究されている炭化水素生産藻類よりも格段に優れていることを見出した(非特許文献12)。
オーランチキトリウム属藻類は、2つの脂肪酸合成経路を有することが知られている(非特許文献13)。一方は、飽和脂肪酸を合成する脂肪酸シンターゼ経路であり、他方は、デサチュラーゼの作用を受けずに高度不飽和脂肪酸を合成するポリケチドシンターゼ経路である。これらの両経路を利用して、オーランチキトリウム属藻類は、パルミチン酸(C16)、ペンタデカン酸(C15)、ドコサヘキサエン酸(DHA)を合成することが出来る(非特許文献14)。
本発明者らは、オーランチキトリウム属藻類が上記2つの脂肪酸合成経路を用いて、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドをそれぞれ独立に細胞内に大量に蓄積することが出来るという驚異的な知見に基づき、斯かる藻類を大量に培養して脂肪酸を抽出することにより、奇数脂肪酸及び高度不飽和脂肪酸を高効率で生産することが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
従って、本願は、以下の発明を提供する。
1.奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを含有するトリグリセリド混合物を製造する方法であって、以下の工程:
(1)オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類を培養して細胞内にトリグリセリドを蓄積させる工程;
(2)培養したオーランチオキトリウム属藻類からトリグリセリド成分を抽出する工程;
(3)抽出したトリグリセリドを精製する工程;
を含む、当該製造方法。
2.製造されたトリグリセリド混合物が、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドとしてペンタデカン酸を含有する、項目1に記載の製造方法。
3.製造されたトリグリセリド混合物が、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドとしてドコサヘキサエン酸又はドコサペンタエン酸を含有する、項目1又は2のいずれか1項に記載の製造方法。
4.製造されたトリグリセリド混合物中、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドが、高度不飽和脂肪酸を含有せず、かつ、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドが、奇数脂肪酸を含有しない、項目1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
5.皮膚若しくは皮膚付属器の健康の改善、アレルギー症状の軽減、筋肉痛の軽減、運動機能の向上、組織損傷の治癒、造血作用の改善に用いられる、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造されたトリグリセリド混合物。
6.項目1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造されたトリグリセリド混合物を成分分離することにより、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド画分及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド画分を製造する方法。
7.項目6に記載の方法により製造された、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド画分。
8.項目6に記載の方法により製造された、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド画分。
奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを細胞内に大量に蓄積するオーランチオキトリウム属藻類を培養し、蓄積したトリグリセリド混合物を抽出することにより、希少な奇数脂肪酸トリグリセリド及び商業的価値の高い高度不飽和脂肪酸トリグリセリドをそれぞれ独立に高効率で取得することが出来る。斯かる微生物の炭素同化を利用した有用物質の生産技術は、生産効率が極めて高く、生産規模を工業レベルに拡大することが比較的容易であることから、採算性の高い生産プロセスを構成することが出来る。
また、オーランチキトリウム属藻類は、上記のように、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドを別個の経路を用いて合成するため、両トリグリセリドを分離精製することが出来るという利点も有する。
図1は、偶数脂肪酸と奇数脂肪酸のTCAサイクルで代謝されるプロセスの比較を示す。偶数脂肪酸は、全ての炭素鎖がC2のアセチル−CoAに分解されてTCAサイクルに利用されるが、奇数脂肪酸の場合は、分解の最後にC3のプロピオニル−CoAが生成される。 図2は、本発明の方法により生産されるトリグリセリド混合物中の主要な有効成分である、奇数脂肪酸のペンタデカン酸、並びにω―3高度不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸及びドコサペンタエン酸の構造を示す。
1.藻類
本発明の方法において、オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類が用いられる。オーランチオキトリウム属は、ラビリンチュラ類(Labyrinthulomycetes)に属する従属栄養性のヤブレツボカビ目藻類であり、2007年に本多らによってシゾキトリウムから分離・独立した新属である。当該藻類は、細胞内に多量の脂質を大量に蓄積することを特徴としている。ラビリンチュラ類は、卵菌類に属する原生生物であるが、系統的には褐藻類や珪藻類等の不等毛植物と近縁であり、不等毛植物とともにストラメノパイル系統を構成する。ラビリンチュラ類藻類は、ω-3高度不飽和脂肪酸を多く含有することが知られていた。
本発明の方法に用いるオーランチオキトリウム属藻類として、所望のトリグリセリドを生産する能力の優れた株を用いるのが好ましい。そのような藻類株は、天然に採取及び分離されたものであっても、突然変異誘導及びスクリーニングを経てクローニングされたものであっても、あるいは遺伝子組み換え技術を利用して樹立されたものであってもよい。例えば、オーランチオキトリウムSp.又はオーランチオキトリウムNB6−3株(沖縄、オーピーバイオファクトリー株式会社)は、ビタミンB12欠乏培地で奇数脂肪酸のペンタデカン酸(PDA)を含有するトリグリセリドと、高度不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)やドコサペンタエン酸(DPA)を含有するトリグリセリドを細胞内に大量に蓄積する性質を有するため、本発明の方法に用いる藻類株、又は改変の出発株として、特に好ましい。
細胞増殖速度と細胞収量が顕著に高い株として単離されたオーランチオキトリウムNB6−3株は、本発明の方法に用いる藻類株として特に好ましい。
2.藻類培養条件
本発明の方法に用いる上記オーランチオキトリウム属藻類の培養は、当該技術分野において確立された方法で行われる。即ち、通常の維持培養は、成分調製した適当な培地に播種し、定法に従い行われる。培地としては、任意の公知のものを使用できる。例えば、炭素源としてはグルコース、フルクトース、サッカロース等の糖類がある。これらの炭素源を、例えば、培地1リットル当たり20〜120gの濃度で使用する。窒素源としては、グルタミン酸ナトリウム、尿素等の有機窒素、又は酢酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム等の無機窒素、又は酵母抽出物、コーンスチープリカー、ポリペプトン、ペプトン、トリプトン等の生物由来消化物等がある。また、上記培地は適宜ビタミン類を含むこともできる。上記培地は、適切な塩分濃度の人工海水で調製される。好ましくは、当該培地は、最終的な塩分濃度が海水(塩分濃度3.4%(w/v))の約10%(v/v)以上、又は約10%(v/v)〜約100%(v/v)、例えば塩分濃度が約1.0〜3.0%(w/v)となるように調製される。より好ましくは、当該培地は、最終的な塩分濃度が海水の約20%(v/v)〜80%(v/v)、約30%(v/v)〜70%(v/v)、約40%(v/v)〜60%(v/v)、又は約50%となるように調製される。
本明細書中、「塩分」とは、海水が含有する主要な塩類、即ち塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム及び塩化カリウムの、海水と同一の構成比率の混合物を意味する。他の態様において、「塩分」とは、75%(w/w)以上の塩化ナトリウムと、塩化ナトリウム以外の1つ以上の上記海水が含有する主要な塩類との混合物、又は塩化ナトリウム単体を意味する。
海水は、人工海水であってもよい。人工海水は、水に溶解させることで海水に近い各種イオン組成を構成することの出来る塩の混合物である。好ましくは、当該人工海水は、海水を模倣するように、適切な比率で塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、微量金属、有機物等を含有する。本明細書中、本発明の培地の成分として、人工海水に代えて、海水と等張の水溶液を構成する量の塩化ナトリウムを用いてもよい。あるいは、人工海水に代えて、天然の海水又は海水濃縮物を用いてもよい。
好ましくは、上記培地は、GTY培地(人工海水10−40g/L、D(+)グルコース20−100g/L、トリプトン10−60g/L、酵母抽出物5−40g/L)である。
上記培地は、調製後、適当な酸又は塩基を加えることにより適宜pHを調整できる。培地のpHは、pH2.0〜11.0、好ましくはpH3.0〜10.0、より好ましくはpH4.0〜9.0、より好ましくはpH4.5〜9.0であり、最も好ましくはpH6.5である。
上記培地は、オーランチオキトリウム属藻類の播種前にオートクレーブ、ろ過滅菌や紫外線照射等により殺菌されてもよい。
培養は、培養温度5〜40℃、好ましくは10〜35℃、より好ましくは10〜30℃にて行われる。継代は、通常1〜10日間、好ましくは3〜7日間置きに行われる。培養は通気攪拌培養、振とう培養又は静置培養で行うことができるが、好ましくは通気攪拌培養又は振とう培養で培養する。
藻類細胞内のトリグリセリド組成は、培養条件に応じて顕著に変動し得る。従って、好ましい態様において、上記培養は、藻類細胞内のトリグリセリド組成の変化を誘導する条件で行われる。当該トリグリセリド組成の変化の誘導は、所望のトリグリセリドを高効率で取得することを目的として実施されてもよい。
細胞培養において、培地中のアミノ酸の含有量を制限することにより、細胞内のトリグリセリドの蓄積量を増大させられることが知られている。斯かる方法を用いると、標準的なアミノ酸含有量の培地を用いた場合と比較して、トリグリセリドを含有する油滴状脂肪の蓄積が顕著に増大する。アミノ酸制限培養の条件は、他の培養条件や藻類の種類、状態等に依存して、当業者による通常の条件検討により設定することが出来る。
3.トリグリセリドの抽出
本発明の方法において、微生物が生産したトリグリセリド混合物は、当業者に既知の方法で抽出及び分析することができる。例えば、上記の通り藻類細胞を培養及び増殖させ、得られた培養液から遠心分離又は濾過等により回収したペレットを、凍結乾燥又は加温による乾燥等により乾燥させる。または、培養後の藻類細胞が懸濁した培地をそのままトリグリセリドの抽出ステップに用いてもよい。
得られた微生物の乾燥体、又は培養物から、有機溶媒を用いて所望のトリグリセリドを含有する脂質を抽出できる。抽出は、異なる有機溶媒を用いて複数回行ってもよい。有機溶媒としては、n-ヘキサン・エタノール混合溶媒、クロロホルム・メタノール混合溶媒、又はエタノール・ジエチルエーテル混合溶媒等の極性溶媒と弱極性溶媒の混合液を用いることができる。得られた抽出液は、当業者に既知の方法で精製される。例えば、シリカゲルや酸性白土を用い、極性脂質を吸着させて精製することができる。また、精製したトリグリセリドを、NMR、IR、ガスクロマトグラフィー、GC/MS等により分析する。
4.トリグリセリド及び脂肪酸
本発明の文脈において、「トリグリセリド」とは、CH2(OOCR1)CH(OOCR2)CH2(OOCR3)という一般化学式を有する、3個の脂肪酸残基とグリセロールとのエステルであり、式中、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3は、各々、エステル結合した脂肪酸残基を表す。本発明において、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3の1つ以上が奇数脂肪酸であるトリグリセリドを意味する。また、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3の1つ以上が高度不飽和脂肪酸であるトリグリセリドを意味する。
本発明の文脈において、「脂肪酸」とは直鎖モノカルボン酸を指し、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、長鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、短鎖脂肪酸を含む。他に言及の無い限り、脂肪酸は、遊離脂肪酸に加えて金属塩、有機塩基との塩、トリ、ジ、およびモノグリセリドを含む脂肪酸とアルコールのエステルやアミドの形態のものを含む。
本発明の文脈において、「高度不飽和脂肪酸」とは、複数の不飽和結合を有する炭素鎖を有する脂肪酸を意味し、ω−3、ω−6、ω−7、ω−9のいずれの不飽和脂肪酸であってもよい。ω‐3脂肪酸として、α―リノレン酸、ω‐3エイコサペンタエン酸(EPA)、ω‐3ドコサペンタエン酸(ω‐3DPA)コサヘキサエン酸(DHA)が挙げられる。
本発明の文脈において、「奇数脂肪酸」は、炭素数が奇数の炭素鎖を有する脂肪酸を意味し、C3プロピオン酸、C5吉草酸、C7エナント酸、C9ペラルゴン酸、C11ウンデカン酸、C13トリデカン酸、C15ペンタデカン酸、C17マルガリン酸、C19ノナデカン酸、C21ヘンイコシル酸、C23トリコシル酸が挙げられる。
特に好ましくは、本発明の方法を用いて生産されるトリグリセリド混合物が含有する、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれも高度不飽和脂肪酸でなく、また、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドは、OOCR1、OOCR2、およびOOCR3のいずれも奇数脂肪酸ではない。このように、奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸が同一のトリグリセリドの枝に共存しないのは、オーランチキトリウム属藻類が、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドを別個の経路を用いて合成するためである。斯かる特徴を有するため、本発明の方法を用いて生産されるトリグリセリド混合物は、後述するように、奇数脂肪酸トリグリセリドと、高度不飽和脂肪酸トリグリセリドとを、分離精製出来るという利点を有する。
本発明の方法を用いて生産されるトリグリセリド混合物は、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドの両方を、顕著な量で含有する。好ましい態様において、当該トリグリセリド混合物は、抽出された混合物の重量に対して、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを、10%〜90%、15%〜85%、20%〜80%、25%〜75%、30%〜70%、35%〜65%、40%〜60%、45%〜55%含有する。更に好ましい態様において、当該トリグリセリド混合物は、抽出された混合物の重量に対して、高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを、10%〜90%、15%〜85%、20%〜80%、25%〜75%、30%〜70%、35%〜65%、40%〜60%、45%〜55%含有する。
5.奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドの分離精製
本発明の方法により生産されるトリグリセリド混合物は、奇数脂肪酸と高度不飽和脂肪酸が同一のトリグリセリドの枝に共存しないという特徴を有するため、奇数脂肪酸トリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸トリグリセリドを分離精製することが出来る。
トリグリセリドを分離する手法は、当業者に既知の分画手法が採用される。分画するトリグリセリド分子の極性、溶媒への溶解度、融点、比重、分子量等の様々な物理化学的特性を利用して分離精製が行われてもよく、好ましくはカラムクロマトグラフィー技術が用いられる。トリグリセリド分離手段の条件は、トリグリセリド混合物の組成及び分画すべきトリグリセリドの種類に依存して、当業者による通常の条件検討により設定することが出来る。
7.生産物の用途
本発明の方法を用いて生産される、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを含有するトリグリセリド混合物は、様々な生理機能の改善や健康増進に有益な効果を有することが期待される。
DHA等のω−3高度不飽和脂肪酸の機能性については研究が進んでおり、不整脈に関連する健康リスクの低下、循環器疾患のリスクの低下、血中トリグリセリドレベルの低下、血液の流動性の改善、脳機能の増強、細胞の酸化的損傷からの保護、炎症性疾患、アレルギー性疾患、自己免疫性疾患、神経変性疾患、代謝性症候群に関連する疾患及び癌関連疾患の緩和等の、広範な健康増進効果を有することが知られている。
高度不飽和脂肪酸と比較して、奇数脂肪酸の機能性については研究が進んでいないが、上記のようにTCAサイクルの循環において奇数脂肪酸が重要な役割を果たすことが判明していることから、TCAサイクルが関与する様々な生理機能に影響することが予想される。例えば、奇数脂肪酸は、皮膚若しくは皮膚付属器の健康の改善、細胞活性化作用、アレルギー症状の軽減、筋肉痛の軽減、運動機能の向上等の機能を有すると推察される。
藻類の培養及び回収
オーランチキトリウムSp.株を、250mlのGTY培地(1%トリプトン、2%グルコース、0.5%酵母エキス、1.0%海水塩)を用いて、500mlの坂口培養フラスコの中で増殖させた。細胞を一定温度25℃かつ100ストローク/分で72時間培養した。当該培養物を、3,000rpmで15分間遠心分離して、藻体を沈殿物として回収し、これを凍結乾燥させた。
脂質の抽出
上記凍結乾燥させた藻類細胞にn−ヘキサン/エタノール混合物(混合比率は試料の水分含量に応じて適宜変化させた。一例として、3:1、v/v。)で黄色の色素が抽出されなくなるまで繰り返し抽出した。当該抽出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固し、n−ヘキサン/アセトン(85:15, v/v)に溶解し、これをシリカゲルカラム用試料とした。脂質の収量は、藻体の乾燥重量に対し20%であった。
脂質の分画
上記シリカゲルカラム用試料を、n−ヘキサンで調整したシリカゲルカラム(充填剤シリカゲル−60)に添加し、更にカラム床体積の4倍量のn−ヘキサン/アセトン(85:15, v/v)またはn−ヘキサン/クロロホルム (1:1, v/v)を添加することにより、中性脂質を溶出させた。当該溶出液をロータリーエバポレーターで減圧乾固し、 n−ヘキサンに溶解した。
当該中性脂質を溶解したn−ヘキサン溶液を、n−ヘキサンで調整したシリカゲルカラム(充填剤シリカゲル−60)に添加し、更にカラム床体積の2倍量のn−ヘキサン/アセトン(92:8, v/v)またはn−ヘキサン/クロロホルム (1:1, v/v)を添加することにより、炭化水素および無極性カロチノイドを溶出させた。更に、カラム床体積の3倍量のn−ヘキサン/アセトン(85:15, v/v)またはクロロホルムを添加することにより、トリグリセリドを溶出させた。当該トリグリセリドの収量は、乾燥藻類10gに対し、0.7gであった。
本実施例で取得されたトリグリセリドの脂肪酸組成を、表1に示す。C13, C15, C17からなる奇数飽和脂肪酸が約30%、ドコサヘキサエン酸(DHA)とドコサペンタエン酸(DPA)が約35%含まれていた。生物が生産するトリグリセリドの脂肪酸組成は、2位に不飽和脂肪酸、1または3位に飽和脂肪酸が結合していることが定説であり、DHAを25%程度含有するトリグリセリドにおいて、飽和脂肪酸だけで構成されているトリグリセリドが全トリグリセリドの50%に及ぶ例はこれまでにない。しかも、生体由来のトリグリセリドにおいてペンタデカン酸の割合が30%に達した例は初めてである。従って、本実施例において取得された藻類由来のトリグリセリド混合物は、奇数脂肪酸であるC15のペンタデカン酸と、ω−3高度不飽和脂肪酸であるドコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸を大量に含有していることが示された。
Figure 0006486072
奇数飽和脂肪酸を主成分とするトリグリセリドの単離
上記トリグリセリド画分を同体積のn−ヘキサンに溶解し、4℃に12時間以上静置すると、白色の沈殿が生成する。上澄み液を濃縮・乾固し、同体積のn−ヘキサンに溶解し同様の操作を行うと、再び白色沈殿が生成する。この沈殿は、奇数及び偶数の飽和脂肪酸トリグリセリドだけからなり、不飽和脂肪酸は含まれていなかった。当該トリグリセリド沈殿において奇数脂肪酸トリグリセリドの占める割合は、66%に達した。一方、溶液部分は、約36%が奇数飽和脂肪酸であり、44%がドコサヘキサエン酸とドコサペンタエン酸であった。奇数飽和脂肪酸を主成分とする沈殿画分の収量は、乾燥藻類10gあたり0.4gであり、奇数飽和脂肪酸、ドコサヘキサエン酸及びドコサペンタエン酸を主成分とする溶液画分のトリグリセリドの混合物の収量は、乾燥藻類10gあたり、0.3gであった。
特筆すべきは、この微生物は奇数飽和脂肪酸を主成分とするトリグリセリドと高度不飽和脂肪酸を主成分とするトリグリセリドが別々に生合成されていることであり、他の生物ではグリセリドの2位に不飽和脂肪酸が主に結合し、1及び3位には飽和脂肪酸が結合している場合が一般的であることから、本トリグリセリドは極めて稀な脂肪酸組成を有している。
n−ヘキサンに代えて、アセトン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、シクロヘプタン等を用いても同様の結果が得られた。
Figure 0006486072
当該分画によって、元のグリセリド混合物において29.5%であったペンタデカン酸の割合が47.4%に濃縮された全飽和脂肪酸からなるトリグリセリドを得ることができる。また、一方では、溶液画分ではドコサヘキサエン酸及びドコサペンタエン酸が44.1%に濃縮されており、高度不飽和脂肪酸の濃縮も達成されている。

Claims (5)

  1. 奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを製造する方法であって、以下の工程:
    (1)オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属藻類を培養して細胞内にトリグリセリドを蓄積させる工程;
    (2)培養したオーランチオキトリウム属藻類からトリグリセリド成分を抽出する工程;
    (3)抽出したトリグリセリド成分を成分分離して、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリド、及び高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを取得する工程;
    を含み、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドが、3つの脂肪酸基の1つ以上が奇数脂肪酸であり、不飽和脂肪酸を含有しない、当該製造方法。
  2. 製造された奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドがペンタデカン酸を含有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 製造された高度不飽和脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドが、3つの脂肪酸基の1つ以上がドコサヘキサエン酸又はドコサペンタエン酸である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記成分分離が、前記抽出したトリグリセリド成分を晶析によって沈降物を形成させることを含み、沈降物部分が奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドを含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. オーランチオキトリウム属藻類由来であり、奇数脂肪酸を主要成分として含有するトリグリセリドであって、3つの脂肪酸基の1つ以上が奇数脂肪酸であり、不飽和脂肪酸を含有しない、トリグリセリド
JP2014224770A 2014-11-04 2014-11-04 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法 Active JP6486072B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014224770A JP6486072B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014224770A JP6486072B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016089025A JP2016089025A (ja) 2016-05-23
JP6486072B2 true JP6486072B2 (ja) 2019-03-20

Family

ID=56018763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014224770A Active JP6486072B2 (ja) 2014-11-04 2014-11-04 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6486072B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6938163B2 (ja) * 2017-02-06 2021-09-22 長瀬産業株式会社 脂質組成物、その用途及びその製造方法
WO2021107084A1 (ja) * 2019-11-27 2021-06-03 リファインホールディングス株式会社 インスリン分泌促進剤並びにこれを用いた血糖値改善剤、糖尿病改善剤及び食品

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2764572B2 (ja) * 1995-04-17 1998-06-11 工業技術院長 ドコサヘキサエン酸生産能を有する新規微生物及びそれを用いたドコサヘキサエン酸の製造方法
CA2659603C (en) * 2006-08-01 2017-03-07 Ocean Nutrition Canada Limited Oil producing microbes and methods of modification thereof
EP2947141B1 (en) * 2013-01-18 2019-11-06 Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. Microorganisms producing docosahexaenoic acid and utilization thereof
JP6135144B2 (ja) * 2013-01-22 2017-05-31 富士電機株式会社 油脂製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016089025A (ja) 2016-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103827289B (zh) 裂殖壶菌诱变方法及其产生的变异株
Fan et al. Production of high-value products by marine microalgae thraustochytrids
Wynn et al. Production of single cell oils by dinoflagellates
KR102202287B1 (ko) 미세조류 시조카이트리움 만그로베이의 바이오매스 및 이의 제조 방법
JP6715252B2 (ja) スラウストキトリウム(Thraustochytrium)属の微細藻類のバイオマスをDHAで、かつアミノ酸ARG及びGLUで富化するプロセス
JP5678180B2 (ja) 高度精製に適した、エイコサペンタエン酸を含む組成物
US20140088317A1 (en) Production of omega-3 fatty acids from crude glycerol
US20220372430A1 (en) Protists enriched with lipids rich in polyunsaturated fatty acids
CN102037130A (zh) 使用网粘菌目微生物来生产含有pufa的油的方法
JP6667242B2 (ja) 培養オーランチオキトリウム属藻類の奇数脂肪酸含有量を増大させる培地
JP2024087087A (ja) 奇数脂肪酸エステルを含む培養組成物
US20170327851A1 (en) Microalgae Aurantiochytrium sp. LA3 (KCTC12685BP) and Method for Preparing Bio-Oil Using the Same
Min et al. The effects of culture condition on the growth property and docosahexaenoic acid production from Thraustochytrium aureum ATCC 34304
JP6486072B2 (ja) 微生物由来の奇数脂肪酸又は高度不飽和脂肪酸含有するトリグリセリドの製造方法
JP6406978B2 (ja) 脂肪酸混合物
Praharyawan et al. Characterization of lipid productivity and fatty acid profile of three fast-growing microalgae isolated from Bengkulu for possible use in health application
JP3931219B2 (ja) 高度不飽和脂肪酸含有油脂の製造方法
WO2012033855A1 (en) Commercial production docosahexaenoic acid using phototrophic mecroalgae
JPWO2008149542A1 (ja) 微生物発酵によるdha含有リン脂質の製造方法
AU2013395768A1 (en) Methods for the production of diatom biomass
JP7262536B2 (ja) 脂質組成物、その用途及びその製造方法
al-Kathem et al. Effect of nitrogen stress and temperature on the yield of some fatty acids Lyngbya algae
KR102712998B1 (ko) 원생생물에서 다중불포화 지방산, 특히 오메가 3 부류의 다중불포화 지방산이 풍부한 지질을 풍부화시키는 방법, 및 상기 풍부화된 원생생물 및 상기 지질의 제조를 위한 그의 구현
JPH08163990A (ja) 油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法
JP2003000292A (ja) 高度不飽和脂肪酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180612

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180810

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6486072

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250