JP6485179B2 - 取放水温度差管理システムおよび取放水温度差管理方法 - Google Patents

取放水温度差管理システムおよび取放水温度差管理方法 Download PDF

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この発明は、火力発電所や原子力発電所における冷却水(海水)の取水温度と放水温度との温度差を管理する、取放水温度差管理システムおよび取放水温度差管理方法に関する。
火力発電所や原子力発電所などでは、火力や原子力の熱により蒸発させた高温高圧の水蒸気の圧力により、発電機のタービン(羽根車)を回転させることで、電力を発生させている。タービンを回転させるには、タービンの前後で水蒸気の圧力差が存在する必要があり、この圧力差が大きいほど、タービンの熱効率は高くなる。また、発電所の水蒸気の経路には、タービンの下流側に復水器が設置されており、タービンを回転させた水蒸気が復水器で急冷され、液化して水に戻る。そして、復水器で液化された水は、給水管を通じてボイラーや原子炉などに送られ、再び熱せられて水蒸気となり、繰り返し発電に使用される。
この復水器は、発電所周辺の海中から取水した海水を冷却水として使用し、配管に水蒸気が接触する際に発する潜熱を冷却水が吸収することで、水蒸気を冷却して復水する。また、復水器で使用された冷却水は海中に放水されるが、この冷却水は、高温の水蒸気から潜熱を奪っているため温度が上昇している。つまり、海中への放水時の冷却水・海水の温度(放水温度)は、海中からの取水時の冷却水の温度(取水温度)に比べて高くなっている。
このような取水温度と放水温度との温度差(取放水温度差)は、環境保護の観点から、発電事業者と地方自治体との間で締結される、環境保全協定(公害防止協定)によって一定の協定値が定められ、この協定値以下になるように管理、維持されている。しかしながら、実際の運用においては、例えば、取水口近傍の海水の温度が急に低下することで、取放水温度差が協定値を超える事態が生じるおそれがある。
このような場合の措置として、発電出力を降下させて蒸気量を下げることにより、復水器の熱負荷を下げ、取放水温度差を低減させている。しかしながら、このような措置では、発電効率を下げるというデメリットがある。
一方で、取放水温度差が協定値を超えるのを未然に防ぐ方策として、取水口の海水の温度や潮の干満の状態を監視し、その温度や潮の干満が一定の範囲を超えた場合に、取放水温度差を予測し、それが協定値を超えた場合に、警報を発したり発電出力を降下させたりする技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
特開2010−121564号公報 特開2011−002127号公報
しかしながら、特許文献1、2の技術では、取放水温度差の予測が難しく、正確な予測ができないために、不必要なときに発電出力を降下したり、必要なときに発電出力を降下しなかったりする場合が生じる。
ところで、従来の取放水温度差の管理方法では、同じ時点(現時点)における取水温度と放水温度とに基づいて取放水温度差を算出しており、取水温度の冷却水と放水温度の冷却水とが同じ冷却水ではない。すなわち、取水口から取水された冷却水が、水路や復水器を経由して放水口から放水されるまでの時間が考慮されておらず、取水された冷却水が実際にどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を示すものではない。このため、従来の管理方法では、例えば、突発的に冷たい海水が取水された場合、取水温度と放水温度との温度差が一時的に協定値を超えてしまう。
そこで、本発明は、より適正な取放水温度差に基づく安定した発電を可能にする、取放水温度差管理システムおよび取放水温度差管理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、発電所において、海中から海水を冷却水として取水した際の取水温度と、復水器を経て冷却水を海中に放水する際の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理システムであって、前記取水温度を測定する取水温度測定手段と、前記取水温度測定手段で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶手段と、前記放水温度を測定する放水温度測定手段と、前記放水温度測定手段と前記取水温度測定手段とで同時に測定された放水温度と取水温度との温度差を、瞬時温度差として算出するとともに、前記放水温度測定手段で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定手段で測定され前記記憶手段に記憶された取水温度との温度差を、管理用温度差として算出する温度差算出手段と、前記温度差算出手段による算出結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、取水温度測定手段によって取水温度が測定されて、記憶手段によって取水温度が時系列に記憶され、放水温度測定手段によって放水温度が測定される。続いて、温度差算出手段によって、同時に測定された放水温度と取水温度との温度差が瞬時温度差として算出され、放水温度とこの放水温度の測定時よりも所定時間前に測定、記憶された取水温度との温度差が管理用温度差として算出される。そして、表示手段によって瞬時温度差と管理用温度差とが表示される。
請求項2の発明は、請求項1に記載の取放水温度差管理システムにおいて、前記所定時間は、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでに要する時間に基づいて設定されている、ことを特徴とする。
この発明によれば、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでに要する時間に基づく所定時間前に、測定された取水温度と放水温度との温度差が管理用温度差として算出される。つまり、放水口から放水された冷却水が取水口から取水された時点での取水温度に基づいて、管理用温度差が算出される。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の取放水温度差管理システムにおいて、発前記温度差算出手段で算出された瞬時温度差が所定値以上の場合に、該瞬時温度差に基づいて発電出力を制御する発電出力制御手段を備える、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の取放水温度差管理システムにおいて、前記発電出力制御手段は、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報に基づいて発電出力を制御する、ことを特徴とする。
請求項5の発明は、発電所において、海中から海水を冷却水として取水した際の取水温度と、復水器を経て冷却水を海中に放水する際の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理方法であって、前記取水温度を測定する取水温度測定工程と、前記取水温度測定工程で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶工程と、前記放水温度を測定する放水温度測定工程と、前記放水温度測定工程と前記取水温度測定工程とで同時に測定された放水温度と取水温度との温度差を、瞬時温度差として算出するとともに、前記放水温度測定工程で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定工程で測定され前記記憶工程で記憶された取水温度との温度差を、管理用温度差として算出する温度差算出工程と、前記温度差算出工程による算出結果を表示する表示工程と、を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項5に記載の取放水温度差管理方法において、前記温度差算出工程で算出された瞬時温度差が所定値以上の場合に、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報と前記瞬時温度差とに基づいて、発電出力を制御する発電出力制御工程を備える、ことを特徴とする。
請求項1、5に記載の発明によれば、放水温度とこの放水温度の測定時よりも所定時間前に測定、記憶された取水温度との温度差が、管理用温度差として算出されるため、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。すなわち、従来のように同じ時点(現時点)における取水温度と放水温度とを比較するのではなく、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでの時間を考慮して、放水温度の測定時よりも前に測定された取水温度に基づいて管理用温度差を算出する。このため、取水された冷却水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を管理用温度差として算出することが可能となり、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。このため、例えば、取水口の海水の温度が突発的に低下した場合でも、この低温の冷却水・海水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という管理用温度差が算出され、協定値を超えることを防止・抑制することが可能となる。この結果、復水器の熱負荷(発電出力)を調整する必要等が低減され、安定した発電(高い発電効率での発電)が可能となる。
一方、従来と同様に、同時に測定された放水温度と取水温度との温度差も瞬時温度差として算出され、管理用温度差と瞬時温度差とが表示手段で表示される。このため、管理用温度差によって協定値を超えているか否かを確認できるとともに、瞬時温度差によって放水温度と取水温度との温度差(取放水温度差)が大きくなる傾向にあるのか小さくなる傾向にあるのかを把握することができる。つまり、管理用温度差と瞬時温度差とによって、取放水温度差の変化傾向を予測することができる。この結果、管理用温度差が協定値を超える前に発電出力の調整などを行って、管理用温度差が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、放水口から放水された冷却水が取水口から取水された時点での取水温度に基づいて、管理用温度差を算出するため、取水された冷却水がどのくらい温度上昇して放水されたか、を示す管理用温度差をより適正に算出することが可能となる。この結果、安定した発電が可能となる。
請求項3、6に記載の発明によれば、瞬時温度差が所定値以上の場合に、該瞬時温度差に基づいて発電出力が制御されるため、管理用温度差が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となり、この結果、より安定した発電が可能となる。
しかも、請求項4、6に記載の発明によれば、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報、つまり、発電出力をいくつ変えれば放水温度(取放水温度差)がどのくらい変わるかを示す情報に基づいて発電出力を制御するため、簡易な構成で、適正かつ容易、迅速に制御することが可能となる。
この実施の形態に係る取放水温度差管理システムを示す概略構成ブロック図である。 図1の取放水温度差管理システムが適用される発電ユニットを示す模式図である。 図1の取放水温度差管理システムによる監視結果を示す図である。 図1の取放水温度差管理システムにおける警報設定値を示す図である。 図1の取放水温度差管理システムにおける負荷抑制早見表を示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1〜図5は、この発明の実施の形態を示し、図1は、この実施の形態に係る取放水温度差管理システム1を示す概略構成ブロック図である。この取放水温度差管理システム1は、火力発電所や原子力発電所を含む発電所において、海中から海水を冷却水Wとして取水した際の取水温度と、復水器104などを経て冷却水Wを海中に放水する際の放水温度との温度差を管理するシステムであり、主として、取水温度計(取水温度測定手段)2と、放水温度計(放水温度測定手段)3と、管理コンピュータ4と、を備えている。取水温度計2と放水温度計3は、管理コンピュータ4と通信自在に接続されている。
ここで、まず、水蒸気S1や冷却水Wの流れなどについて簡単に説明する。図2に示すように、ボイラー101で生成された水蒸気S1がタービン102に送られてタービン102が回転し、タービン102に連結された発電機103によって発電される。また、タービン102を通過した水蒸気S1は、復水器104によって復水されて発電用水S2となり、第1のポンプ105によってボイラー101に送られて、再び水蒸気S1となる。
一方、海中の海水は、第2のポンプ108によって取水口106から冷却水Wとして取水され、復水器104に送られる。そして、冷却水Wは、復水器104において水蒸気S1を冷却して復水することで昇温し、放水口107から海中に放水される。また、この実施の形態では、このような発電ユニットを3機備えているものとする。
取水温度計2は、冷却水Wの取水温度を測定する温度計である。すなわち、取水口106の周辺に配設され、取水口106から取水される冷却水(海水)Wの温度を常時、リアルタイムに測定し、測定結果を管理コンピュータ4に送信する。
放水温度計3は、冷却水Wの放水温度を測定する温度計である。すなわち、放水口107の周辺に配設され、放水口107から海中に放水される冷却水Wの温度を常時、リアルタイムに測定し、測定結果を管理コンピュータ4に送信する。
管理コンピュータ4は、各発電ユニットを管理、制御する管理室に配設され、図1に示すように、主として、記憶部(記憶手段)41と、温度差算出部(温度差算出手段)42と、発電制御部(発電出力制御手段)43と、ディスプレイ(表示手段)44と、これらを制御などする中央処理部45と、を備えている。
記憶部41は、取水温度計2で測定された取水温度を時系列に記憶するメモリである。すなわち、取水温度計2で測定された取水温度を、計測日時とともに順次記憶、蓄積するものである。
温度差算出部42は、放水温度計3と取水温度計2とで同時に測定された放水温度と取水温度との温度差を、瞬時温度差として算出するとともに、放水温度計3で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に取水温度計2で測定され記憶部41に記憶された取水温度との温度差を、管理用温度差として算出などするタスク・プログラムである。また、ディスプレイ44は、温度差算出部42による算出結果などを表示するものである。すなわち、温度差算出部42は、瞬時温度差や管理用温度差などをリアルタイムに順次算出して、その算出結果などをディスプレイ44に表示する。
具体的には、図3に示すような監視結果Rを逐次リアルタイムに取得、算出してディスプレイ44に表示するものであり、監視結果Rには、各発電ユニット(各号機)の発電機出力R1、取水口瞬時温度R2、取水口管理用温度R3、放水口瞬時温度R4、瞬時温度差R5、管理用温度差R6、予想海水平均温度差R7、平均海水温度差R8および緊急時負荷抑制目安R9を含む。
発電機出力R1は、発電機103による現在(現時点)の発電出力を示し、発電ユニットを監視、制御するシステムから受信、取得して表示する。取水口瞬時温度R2は、取水温度計2で測定された現在の取水温度を示し、取水温度計2から受信、取得して表示する。取水口管理用温度R3は、現在よりも所定時間前に取水温度計2で測定された取水温度を示し、記憶部41から取得して表示する。
ここで、所定時間は、取水口106から取水された冷却水Wが放水口107から放水されるまでに要する時間に基づいて設定されている。つまり、放水口107から放水された冷却水Wが取水口106から取水された時点では何度であったかを、取水口管理用温度R3が示すように設定されている。具体的には、過去の実測値やシミュレーションなどに基づいて、予め設定されている。シミュレーションの場合、冷却水Wが通過する経路や通過速度などに基づいて、取水口106から取水された冷却水Wが放水口107から放水されるまでに要する時間を算出し、この時間を所定時間として設定する。
放水口瞬時温度R4は、放水温度計3で測定された現在の放水温度を示し、放水温度計3から受信、取得して表示する。ここで、この実施の形態では、3つの発電ユニットが同じ取水口106から冷却水Wを取水しており、取水口瞬時温度R2と取水口管理用温度R3は、すべての発電ユニットにおいて同値となる。これに対して、各発電ユニットで放水口107が異なり、放水口瞬時温度R4および以下の瞬時温度差R5等は、発電ユニットごとに異なる値となる。
瞬時温度差R5は、放水温度計3と取水温度計2とで現在(同時に)測定された放水温度と取水温度との温度差であり、次式によって算出して表示する。
瞬時温度差R5=放水口瞬時温度R4−取水口瞬時温度R2
この瞬時温度差R5は、現時点における放水温度と取水温度との温度差を示す。
管理用温度差R6は、放水温度計3で測定された現在の放水温度と、該放水温度の測定時(現在)よりも所定時間前に取水温度計2で測定された取水温度との温度差であり、次式によって算出して表示する。
管理用温度差R6=放水口瞬時温度R4−取水口管理用温度R3
この管理用温度差R6は、取水された冷却水Wが復水器104などを経てどのくらい温度上昇して放水されたか、を示す。
予想海水平均温度差R7は、現在(現時刻)から24時まで、現在の管理用温度差R6が続いた場合の当日(今日)の平均温度差(管理用温度差R6の平均値)であり、次式によって算出して表示する。
予想海水平均温度差R7=(「当日の現在までの管理用温度差R6の平均値」×「当日の現在までの経過時間」+「現在の管理用温度差R6」×「当日の24時までの残り時間」)÷「1日の時間」
ここで、「1日の時間」=24時間×60分=1440分 である。
平均海水温度差R8は、当日の現在までの管理用温度差R6の平均値であり、次式によって算出して表示する。
平均海水温度差R8=「当日の現在までの放水口瞬時温度R4の平均値」−「当日の現在までの取水口管理用温度R3の平均値」
ここで、発電事業者と地方自治体等との間では、取水温度と放水温度との温度差(取放水温度差)を協定値以下にすることが締結されている。すなわち、瞬間的・一時的な取放水温度差が所定値M1(例えば、10℃)以下であり、平均的な取放水温度差が所定値M2(M2<M1、例えば、7℃)以下でなければならないと定められている。そして、管理用温度差R6が瞬間的・一時的な取放水温度差に該当し、平均海水温度差R8が平均的な取放水温度差に該当する。
緊急時負荷抑制目安R9は、発電出力の変化量と放水温度(取放水温度差)の変化量との関係を示す情報であり、この実施の形態では、単位出力だけ負荷降下させた場合の取放水温度差の減少量を示す。例えば、発電出力を10MW降下させた場合の取放水温度差(瞬時温度差R5、管理用温度差R6)の減少温度を示す。
この緊急時負荷抑制目安R9は、過去の実測値やシミュレーションなどに基づいて、予め設定されている。また、この実施の形態では、1号機と2号機の緊急時負荷抑制目安R9が同値で、3号機の緊急時負荷抑制目安R9とは異なる値となっている。
発電制御部43は、温度差算出部42で算出された瞬時温度差R5が所定値以上の場合に、該瞬時温度差R5に基づいて発電出力を制御するものであり、この際、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報に基づいて発電出力を制御する。すなわち、図4の警報設定値Aに示すように、警報設定項目である、瞬時海水温度差A2(瞬時温度差R5と同義)、海水温度変化率A3、平均海水温度差A4(平均海水温度差R8と同義)に対して、それぞれ所定値(閾値)が設定されている。ここで、海水温度変化率A3と平均海水温度差A4は、23時以前と23時以降とでそれぞれ所定値(閾値)が設定されている。
そして、瞬時温度差R5が瞬時海水温度差A2の閾値以上の場合、海水の温度変化率が海水温度変化率A3の閾値以上の場合、あるいは、平均海水温度差R8が平均海水温度差A4の閾値以上の場合に、警報を発する。さらに、瞬時温度差R5が瞬時海水温度差A2の閾値以上の場合に発電出力を制御する。この際、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報、つまり緊急時負荷抑制目安R9に基づいて発電出力を制御する。具体的には、緊急時負荷抑制目安R9の値に従って、瞬時温度差R5を瞬時海水温度差A2の閾値未満にするには、どのくらい発電出力を降下させればよいかを割り出して制御する。
ここで、瞬時温度差R5を瞬時海水温度差A2の閾値未満にすることで、管理用温度差R6が協定値を超えるのを抑制できるように、瞬時海水温度差A2の閾値が設定されている。同様に、平均海水温度差R8が平均海水温度差A4の閾値に達した際に警報を発すれば、後述する発電出力の制御を行うことで、平均海水温度差R8が協定値を超えるのを抑制できるように、平均海水温度差A4の閾値が設定されている。海水温度変化率A3の閾値についても、同様に設定されている。また、この実施の形態では、発電ユニットを直接制御するのではなく、発電ユニットを監視、制御するシステムに制御指令(出力変動量を含む)を送信することで、発電出力を制御する。
次に、このような構成の取放水温度差管理システム1の作用や、この実施の形態における取放水温度差管理方法などについて説明する。
まず、常時リアルタイムに、取水温度計2によって取水温度が測定されて(取水温度測定工程)、管理コンピュータ4の記憶部41によって取水温度が時系列に記憶され(記憶工程)、放水温度計3によって放水温度が測定される(放水温度測定工程)。続いて、温度差算出部42によって、上記のようにして、現在(現時点)における瞬時温度差R5や管理用温度差R6などが逐次算出され(温度差算出工程)、その算出結果などがディスプレイ44に表示される(表示工程)。
そして、瞬時温度差R5が所定値以上の場合、警報が発せられ、上記のようにして発電出力が制御される(発電出力制御工程)。この際、人の判断によって制御するようにしてもよい。すなわち、緊急時負荷抑制目安R9に基づいて、図5に示すような負荷抑制早見表C、つまり、発電出力(負荷)をいくつ下げると取放水温度差が何度減少するかを示す表を作成する。そして、この負荷抑制早見表Cと瞬時温度差R5に従って、瞬時温度差R5を所定値(所望値)未満にするにはどのくらい発電出力を降下させればよいかを割り出して、制御する。
同様に、海水の温度変化率が所定値以上に達して警報が発せられた場合や、平均海水温度差R8が所定値以上に達して警報が発せられた場合に、瞬時温度差R5に基づいて発電出力を制御する。ここで、平均海水温度差R8が所定値以上の場合、緊急時においては、緊急時負荷抑制目安R9や負荷抑制早見表Cに従って発電出力を制御し、その後、所定の算出プログラムに従って負荷抑制開始時刻と抑制負荷量とを算出して、平均海水温度差R8が所定値(所望値)未満になるようにする。
以上のように、この取放水温度差管理システム1によれば、放水温度とこの放水温度の測定時よりも所定時間前に測定、記憶された取水温度との温度差が、管理用温度差R6として算出されるため、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。すなわち、従来のように同じ時点(現時点)における取水温度と放水温度とを比較するのではなく、取水口106から取水された冷却水Wが放水口107から放水されるまでの時間を考慮して、放水温度の測定時よりも前に測定された取水温度(放水口107から放水された冷却水Wが取水口106から取水された時点での取水温度)に基づいて管理用温度差R6を算出する。このため、取水された冷却水Wがどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を管理用温度差R6として算出することが可能となり、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。
このため、例えば、取水口106の海水の温度が突発的に低下した場合でも、この低温の冷却水・海水Wがどのくらい温度上昇して放水されたか、という管理用温度差R6が算出されるため、管理用温度差R6(取放水温度差)が協定値を超えることを防止・抑制することが可能となる。この結果、復水器104の熱負荷(発電出力)を調整する必要等が軽減され、安定した発電(高い発電効率での発電)が可能となる。
一方、従来と同様に、現時点で同時に測定された放水温度と取水温度との温度差も瞬時温度差R5として算出され、管理用温度差R6と瞬時温度差R5とがディスプレイ44に表示される。このため、管理用温度差R6によって協定値を超えているか否かを確認できるとともに、瞬時温度差R5によって放水温度と取水温度との温度差(取放水温度差)が大きくなる傾向にあるのか小さくなる傾向にあるのかを把握することができる。つまり、管理用温度差R6と瞬時温度差R5とによって、取放水温度差の変化傾向を予測することができる。この結果、管理用温度差R6が協定値を超える前に発電出力の調整などを行って、管理用温度差R6が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となる。
また、瞬時温度差R5が所定値以上の場合に、該瞬時温度差R5に基づいて発電出力が制御されるため、管理用温度差R6が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となり、この結果、より安定した発電が可能となる。しかも、発電出力をいくつ変えれば取放水温度差(放水温度)がどのくらい変わるかを示す情報、つまり、緊急時負荷抑制目安R9や負荷抑制早見表Cに基づいて発電出力を制御するため、簡易な構成で、適正かつ容易、迅速に制御することが可能となる。
このようにして、瞬時温度差R5に基づいて発電出力を制御することで、管理用温度差R6が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となる。これに対して、管理用温度差R6に基づいて発電出力を制御した場合、管理用温度差R6では所定時間だけ算出結果や制御結果が遅れる(ずれる)ため、管理用温度差R6が協定値を超えるおそれがある。
同様に、海水の温度変化率や平均海水温度差R8が所定値以上に達した場合に、これらの値と瞬時温度差R5に基づいて発電出力を制御するため、管理用温度差R6や平均海水温度差R8が協定値を超えるのをより確実に防止・抑制することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、管理用温度差R6を算出するために使用する、所定時間前に測定、記憶された取水温度、における所定時間を固定値としているが、発電ユニットの運転状態等に応じて可変値としてもよい。
1 取放水温度差管理システム
2 取水温度計(取水温度測定手段)
3 放水温度計(放水温度測定手段)
4 管理コンピュータ
41 記憶部(記憶手段)
42 温度差算出部(温度差算出手段)
43 発電制御部(発電出力制御手段)
44 ディスプレイ(表示手段)
104 復水器
106 取水口
107 放水口
W 冷却水(海水)

Claims (6)

  1. 発電所において、海中から海水を冷却水として取水した際の取水温度と、復水器を経て冷却水を海中に放水する際の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理システムであって、
    前記取水温度を測定する取水温度測定手段と、
    前記取水温度測定手段で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶手段と、
    前記放水温度を測定する放水温度測定手段と、
    前記放水温度測定手段と前記取水温度測定手段とで同時に測定された放水温度と取水温度との温度差を、瞬時温度差として算出するとともに、前記放水温度測定手段で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定手段で測定され前記記憶手段に記憶された取水温度との温度差を、管理用温度差として算出する温度差算出手段と、
    前記温度差算出手段による算出結果を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする取放水温度差管理システム。
  2. 前記所定時間は、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでに要する時間に基づいて設定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の取放水温度差管理システム。
  3. 前記温度差算出手段で算出された瞬時温度差が所定値以上の場合に、該瞬時温度差に基づいて発電出力を制御する発電出力制御手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の取放水温度差管理システム。
  4. 前記発電出力制御手段は、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報に基づいて発電出力を制御する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の取放水温度差管理システム。
  5. 発電所において、海中から海水を冷却水として取水した際の取水温度と、復水器を経て冷却水を海中に放水する際の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理方法であって、
    前記取水温度を測定する取水温度測定工程と、
    前記取水温度測定工程で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶工程と、
    前記放水温度を測定する放水温度測定工程と、
    前記放水温度測定工程と前記取水温度測定工程とで同時に測定された放水温度と取水温度との温度差を、瞬時温度差として算出するとともに、前記放水温度測定工程で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定工程で測定され前記記憶工程で記憶された取水温度との温度差を、管理用温度差として算出する温度差算出工程と、
    前記温度差算出工程による算出結果を表示する表示工程と、
    を備えることを特徴とする取放水温度差管理方法。
  6. 前記温度差算出工程で算出された瞬時温度差が所定値以上の場合に、発電出力の変化量と放水温度の変化量との関係を示す情報と前記瞬時温度差とに基づいて、発電出力を制御する発電出力制御工程を備える、
    ことを特徴とする請求項5に記載の取放水温度差管理方法。
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