JP5922190B2 - 取放水温度差管理装置および取放水温度差管理方法 - Google Patents

取放水温度差管理装置および取放水温度差管理方法 Download PDF

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この発明は、火力発電所や原子力発電所における、冷却水の取水温度と放水温度との温度差を管理する、取放水温度差管理装置および取放水温度差方法に関する。
火力発電所や原子力発電所では、火力や原子力の熱により蒸発させた高温高圧の水蒸気の圧力により、発電機のタービン(羽根車)を回転させることで、電力を発生させている。
ここで、タービンを回すには、タービンの前後で水蒸気の圧力差が存在する必要があり、この圧力差が大きいほど、タービンの熱効率は高くなる。発電所の水蒸気の経路には、タービンの直後に復水器という設備が設置されており、タービンを回転させた水蒸気は、復水器中において急冷され、液化して水に戻る。このとき水蒸気の体積が急激に減少し、復水器内の圧力は、真空に近い低圧にあるので、タービンの前後で圧力差が生じ、これがタービンを回転させる原動力となり、タービンが高速で回転して、電力を生産することができるのである。
復水器で液化された水は、給水管を通じて、ボイラーや原子炉に送られ、そこで熱せられ、再び水蒸気にされ、繰り返し発電に使用される。
ところで、復水器中で水蒸気の冷却には、復水器中に通された配管中に、冷却用の水を通水して、配管に水蒸気が接触する際に発する潜熱を冷却水が吸収することで行っている。
ここで、復水器中で冷却に使用する冷却水は、発電所周辺の海水から取水し、使用後は海中に放水される。この冷却水は、放水口から排出される段階では、上述の通り、タービンを回転させた高温の水蒸気から潜熱を奪っているため、取水口で吸い上げられた時よりも、温度が上昇している。
このような取水温度と放水温度の温度差は、取放水温度差といわれ、環境保護の観点から、事業者と地方自治体の間で締結される、環境保全協定によって一定の協定値が定められ、その範囲内で維持・管理されている。しかしながら、現実の運用においては、取放水温度差が協定値を超える事態がときおり発生している。その原因は、例えば、取水口近傍の海水の温度が低く、結果として協定値を超える温度差が発生してしまったことなどである。
この場合の対応として、発電所は発電出力を降下させ、蒸気の量を下げることにより、復水器の熱負荷を下げ、温度差を低減させることで対応しているが、この応急的な措置は、発電効率を下げるというデメリットを伴っている。
一方で、取放水温度差の協定値超えを未然に防ぐ策として、取水口の海水の温度や潮の干満の状態を監視し、その温度や潮の干満が一定の範囲を超えた時に、取放水温度差を予測し、それが協定値を超えた場合に、警報を発したり発電の出力を降下させたりして、取放水温度差の協定値超えを防止しようとする方法が知られている(例えば、特許文献1、2)。しかし予測の難しさから、無駄な出力降下を行うなどの人によるバラつきが生じている。
特開2010−121564号公報 特開2011−2127号公報
ところで、従来の管理方法では、同じ時点における取水温度と放水温度とを比較して取放水温度差を計算しており、取水温度の冷却水と放水温度の冷却水とが同じ冷却水ではない。すなわち、取水口から取水された冷却水が、水路や復水器を経由して放水口から放水されるまでの時間が考慮されておらず、取水された冷却水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を示すものではない。このため、従来の管理方法では、例えば、突発的に冷たい海水が取り込まれた場合、取水温度を放水温度の温度差が瞬間的に協定値を超えてしまう。
そこで、本発明は、より適正な取放水温度差に基づく安定した発電を可能にする、取放水温度差および取放水温度差管理方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、発電所において取水される冷却水の取水温度と、放水される前記冷却水の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理装置であって、前記取水温度を測定する取水温度測定手段と、前記取水温度測定手段で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶手段と、前記放水温度を測定する放水温度測定手段と、前記放水温度測定手段で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定手段によって測定され前記記憶手段に記憶された取水温度、との温度差を取放水温度差として算出する温度差算出手段と、取水口から取水された前記冷却水が放水口から放水されるまでに要する経過時間を算出する経過時間算出手段と、を備え、前記経過時間算出手段で算出された経過時間を前記所定時間とする、ことを特徴とする。
この発明によれば、取水温度測定手段によって取水温度が測定されて、記憶手段によって取水温度が時系列に記憶され、放水温度測定手段によって放水温度が測定される。そして、温度差算出手段によって、放水温度と、この放水温度の測定時よりも所定時間前に測定、記憶された取水温度、との温度差が取放水温度差として算出される。
また、この発明によれば、経過時間算出手段によって、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでに要する経過時間が算出され、温度差算出手段において、この経過時間前に測定、記憶された取水温度と放水温度との温度差が取放水温度差として算出される。
つまり、放水口から放水された冷却水が取水口から取水された時点の取水温度に基づいて、取放水温度差が算出される。
請求項の発明は、発電所における冷却水の取水温度と放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理方法であって、前記取水温度を測定し、時系列に記憶する取水温度測定記憶工程と、前記放水温度を測定する放水温度測定工程と、前記放水温度測定工程で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定記憶工程で測定、記憶された取水温度、との温度差を取放水温度差として算出する温度差算出工程と、取水口から取水された前記冷却水が放水口から放水されるまでに要する経過時間を算出する経過時間算出工程と、を備え、前記経過時間算出工程で算出された経過時間を前記所定時間とする、ことを特徴とする。
請求項1、に記載の発明によれば、放水温度と、この放水温度の測定時よりも所定時間前に測定、記憶された取水温度、との温度差が取放水温度差として算出されるため、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。すなわち、従来のように同じ時点における取水温度と放水温度とを比較するのではなく、取水口から取水された冷却水が放水口から放水されるまでの時間を考慮して、放水温度の測定時よりも前に測定された取水温度に基づいて取放水温度差を算出する。このようにして、取水された冷却水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を取放水温度差として算出することが可能となり、より適正な取放水温度差を算出することが可能となる。このため、例えば、取水口の海水の温度が突発的に低下した場合でも、この低温の冷却水・海水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という取放水温度差が算出され、協定値を超えることを防止・抑制することが可能となる。
このようにして、より適正な取放水温度差が算出されて、協定値を超えることが防止・抑制される結果、復水器の熱負荷を調整する必要等が低減され、安定した発電(高い発電効率)が可能となる。
また、放水口から放水された冷却水が取水口から取水された時点の取水温度に基づいて、取放水温度差を算出するため、取水された冷却水がどのくらい温度上昇して放水されたか、を示す取放水温度差をより適正に算出することが可能となる。この結果、安定した発電が可能となる。
この発明の実施の形態に係る、取放水温度差管理装置の概略構成ブロック図である。 この発明の実施の形態に係る、取放水温度差の計算方法の概念図である。 従来の取放水温度差の計算方法の概念図である。 この発明の実施の形態に係る、発電所における冷却水の経路の模式図である。 火力発電所における、発電ユニット中の水の流れを示すための模式図。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1はこの発明の実施の形態に係る、取放水温度差管理装置1を示す概略構成ブロック図である。この取放水温度差管理装置1は、発電所において取水される冷却水の取水温度と、放水される冷却水の放水温度との温度差を管理する装置であり、主として、取水温度計(取水温度測定手段)2と、記憶部(記憶手段)3と、放水温度計(放水温度測定手段)4と、経過時間算出部(経過時間算出手段)5と、温度差算出部(温度差算出手段)6と、を備えている。
ここで、まず、本取放水温度差管理装置1が適用される、この実施の形態における火力発電所について説明する。この実施の形態では、発電所に3機の発電ユニットを備え、各発電ユニットでは、図5に示すように、ボイラー101で高温高圧に熱せられた水蒸気Sは、タービン102を回転させる。タービン102の回転は発電機103を駆動させ、発電機103の駆動が電力を発生させている。
水蒸気Sがタービン102を回転させる原理について、簡単に説明をすると、タービン102は復水器11に接続されており、タービン102を通って復水器11に送り込まれた水蒸気Sは、復水器11内で急冷されて、液体の水Wになる。このとき、水蒸気Sは急激に体積を減らすので、復水器11内の気圧は真空状態に近くなり、タービン102の前後で大きな気圧の差が発生する。これにより、タービン102には水蒸気Sが勢いよく流れ込み、タービン102が回転する。また、復水器11で液化された水Wは、給水ポンプ104により、再びボイラー101に送られ、繰り返し発電に使用される。ここで、図5中の矢印は、冷却水W、水Wおよび水蒸気Sの流れる方向を示している。
次に、復水器11が水蒸気Sを冷却する原理について簡単に説明をする。取水口8は海中に設置され、ここから取り込まれた海水は、冷却水Wとして、循環水ポンプ105により復水器11に送り込まれる。復水器11には、図には簡略化した形で描かれているが、直径数十mmの細管106が数万本張り巡らされており、冷却水Wは細管106を通る過程で水蒸気Sを冷却して水Wへ液化させ、自身はその潜熱を受け取って加温され、放水口13より再び海中に排出される。
また、図4は、発電所における冷却水Wの経路の模式図であり、この実施の形態においては、発電ユニット1号機と2号機の水路は、復水器11およびその近辺の水路を除いては、水路を共有している。従って、放水口温度Tは常に同じとなる。一方、発電ユニット3号機の冷却水Wの水路は1、2号機の水路とは完全に独立している。
次に、取放水温度差管理装置1の各構成2〜6について説明する。
取水温度計2は、取水温度を測定する温度計であり、取水口8の周辺の取水温度測定部7に配設され、取水口8から取水される冷却水W・海水の温度を常時、リアルタイムに測定する。
記憶部3は、取水温度計2で測定された取水温度を時系列に記憶するメモリである。すなわち、取水温度計2で測定された取水温度を、計測日時とともに順次記憶、蓄積するものである。
放水温度計4は、放水温度を測定する温度計であり、放水口13の周辺の放水温度測定部14に配設され、放水口13から海に放水される冷却水W・海水の温度を常時、リアルタイムに測定する。ここで、後述のように発電ユニット1、2号機の放水口131、2と3号機の放水口13とは異なり、それぞれの放水口13の周辺の放水温度測定部14に放水温度計4が配設されている。
経過時間算出部5は、取水口8から取水された冷却水Wが放水口13から放水されるまでに要する経過時間を算出するタスクである。すなわち、予め記憶された経路図(図4)や算出条件などに基づいて、各発電ユニットにおいて、取水口8から取水された冷却水Wが、各水路などを経由して放水口13から放水されるまでに要する経過時間を算出するものである。
具体的には、図4に示すように、冷却水Wが取水口8から設備を通過して放水口13から放水されるまでの経過時間・所要時間ΔTは、水路内の水量を循環水ポンプ105の容量で除して求められる。ここで、冷却水Wの水路は、大別すると、取水口8の温度計設置部7から、取水口8を経て、循環水ポンプ(図示略)105まで(以下、「取水路9」という。)、循環水ポンプ105から復水器11を経て放水路の入口まで(以下、「復水路10」という。)、及び復水路10以降、放水路の入口から放水口13を経て、放水口温度計設置部14まで(以下、「放水路12」という。)に分類される。次に、それぞれの水路の平均断面積を、その水路の長さにかけて、水路内の水量Vを求める。この水路内の水量Vを、循環水ポンプ105の水量で割ることで、冷却水Wが水路を通過する所要時間を算出する。
例えば、この実施形態では、1号機の取水路9の長さは約330m、復水路10の長さは約100m、そして放水路121、2は1号機、2号機共通であり、長さは約622mである。また、それぞれの水路の平均断面積は、取水路9が6.8m、復水路10が0.8m、そして放水路121、2が7.8mである。また、循環水ポンプ105の容量は300m/分である。
以上の数値より、1号機の水路内の水量Vは、
=330m×6.8m+622m×7.8m+100m×0.8m
=7176m であり、
取水口8から取り込まれた冷却水Wが、1号機の水路を経由して放水口131、2から放水されるまでの第1の所要時間ΔTは、
ΔT=7176m÷300m/分≒24分 となる。
ここで、この第1の所要時間ΔTは発電ユニット1号機を単独で運転し、発電ユニット2号機を運転しない場合の時間であり、発電ユニット1、2号機を同時に運転する場合は、後述するように、これと異なる時間を計算して設定する。
また、2号機の取水路9の長さは約380m、水路の平均断面積は6.8mであり、復水路10の長さは約100m、水路の平均断面積は0.8mである(放水路121、2の水路の長さと平均断面積は、上記のとおり、1号機と同じであるので説明を省略する。)。循環水ポンプ105の容量は370m/分である。
以上の数値より、2号機の水路内の水量Vは、上記と同様の計算により、V=7516mであり、取水口8から取り込まれた冷却水Wが、2号機の水路を通過して放水口131、2から放水されるまでの第2の所要時間ΔTは、
ΔT=7516m÷370m/分≒20分 となる。
次に、3号機の場合、先ず、取水路9は、長さと太さの異なる2つの取水路93a、93bが直列に接続された構成をしており、第1の取水路93aの長さが、約290m、平均断面積が約8.4mであり、第2の取水路93bが長さ約220m、平均断面積が約15.7mである。また、復水路10は約100mであり、平均断面積が約0.8m、放水路12は長さ約470m、平均断面積が15.6mである。また、循環水ポンプ105の容量は756m/分である。
以上の数値より、3号機の水路内の水量Vは、上記と同様の計算により、V=13500mであり、取水口8から取り込まれた冷却水Wが、3号機の水路を通過して放水口13から放水されるまでの第3の所要時間ΔTは、
ΔT=13500m÷756m/分≒18分となる。
続いて、1、2号機を同時に運転する場合について説明をする。この場合、取水路9、復水路10、及び放水路12の長さと平均断面積は上記の通りである。
先ず、取水路を流れている段階では、上記の数値を用いて計算できる。すなわち1号機において、冷却水Wが取水路9を通過するための所要時間ΔTi1
ΔTi1=330m×6.8m÷300m/分≒7.5分 である。
一方、2号機において、冷却水Wが取水路9を通過するための所要時間ΔTi2
ΔTi2=380m×6.8m÷370m/分≒7分 である。
また復水路10の水量は、1号機、2号機とも100m×0.8m=80mである。
一方、放水路121,2は1、2号機とも共通であり、放水路121,2の水量Vo1、2
o1、2=622m×7.8m=4852m である。
ここで、循環水ポンプ105の容量は、復水路10と放水路121,2については、1号機と2号機の容量の和とするため、300m/分+370m/分=670m/分となる。
以上より、発電ユニット1、2号機を同時に運転させた場合に、冷却水Wが1号機の水路を通過するための所要時間ΔTは、
ΔT=7.5分+(4852m+80m)/670m/分≒14.9分 となる。
同様な計算により、1、2号機を同時に運転させた場合に、冷却水Wが2号機の水路を通過するための所要時間ΔTは、
ΔT=7分+(4852m+80m)/670m/分≒14.4分 となる。
これらの結果、所要時間ΔT1,2を15分と設定する。
このように、経過時間算出部5は、予め記憶、設定された各水路の長さ、断面積およびポンプ容量などのパラメータに基づいて、取水口8から放水口13に至るまでに要する経過時間を算出し、各算出結果をメモリに記憶する。この際、各発電ユニットが単独運転時の場合と、発電ユニット1、2号機が同時運転の場合との経過時間を記憶する。また、経過時間算出部5は、経過時間に影響を与える上記のパラメータに変更が生じた場合に起動し、最新の算出結果がメモリに記憶されるとともに、任意に起動可能となっている。
温度差算出部6は、放水温度計4で測定された放水温度Tと、この放水温度Tの測定時よりも所定時間前に取水温度計2によって測定され記憶部3に記憶された取水温度T、との温度差を取放水温度差Tとして算出するタスク・回路であり、経過時間算出部5で算出された経過時間を上記の所定時間ΔTとする。
具体的には、取水温度をTとし、発電ユニット1号機から放水される冷却水Wの放水温度をTo1とし、取放水温度差をTd1とした場合、取放水温度差Td1は、
d1=To1−T となる。
同様に、発電ユニット2号機および3号機での取放水温度差Td2、Td3は、
d2=To2−T
d3=To3−T となる。
この式において、放水温度To1〜To3は、この実施の形態においては、温度差算出部6の起動時、つまり、現時点において放水温度計4で測定された放水温度Tであり、取水温度Tは、現時点よりも所定時間(経過時間)ΔT前に取水温度計2によって測定され記憶部3に記憶された取水温度Tである。そして、具体的には、各発電ユニットの運転状態に応じて、後述するようにして、取放水温度差Tを算出する。
次に、このような取放水温度差管理装置1の作用および、取放水温度差管理装置1による取放水温度差管理方法について説明する。
まず、経過時間算出工程として、上記のようにして経過時間算出部5によって、取水口8から取水された冷却水Wが放水口13から放水されるまでに要する経過時間を算出する。続いて、取水温度測定記憶工程として、取水温度計2によって取水温度Tを測定し、取水温度Tを時系列に記憶部3に記憶するとともに、放水温度測定工程として、放水温度計4によって放水温度Tを測定する。次に、定期的に取放水温度差Tを管理する時に温度差算出工程として、上記のようにして温度差算出部6によって、放水温度計4で測定された放水温度Tと、この放水温度Tの測定時よりも所定時間ΔT前に取水温度測定記憶工程で測定、記憶された取水温度T、との温度差を取放水温度差Tとして算出するものである。
具体的に、先ず発電ユニット1号機が単独運転している場合について説明する。
経過時間算出部5のメモリには、経過時間ΔTとして、上記の方法で算出した、24分という数値が記憶され、この数値が温度差算出部6に送られている。
次に、温度差算出部6には、取水温度計2で測定された現時点での放水温度To1と、放水温度計4で測定され、記憶部3に記憶されている取水温度Tの時系列データから、現時点より24分以前の取水温度Tのデータが送られる。温度差算出部6では両者を温度差を計算して、発電ユニット1号機が単独運転している場合の取放水温度差Td1を算出する。
発電ユニット2号機、3号機を単独運転した場合も同様である。
次に、発電ユニット1、2号機を同時運転した場合について説明する。
この場合、経過時間算出部5のメモリには、経過時間ΔT1、2として、上記の方法で算出した15分という数値が記憶され、温度差算出部6に送られている。
次に、温度差算出部6には、取水温度計2で測定された現時点の放水温度To1、2のデータと、放水時点より15分以前の取水温度Tのデータが送られる。温度差算出部6では両者の温度差を計算して、取放水温度差Td1、2を算出する。
ここで、温度差算出部6は、記憶部3のデータベースから、取水温度Tのデータを取得するにあたり、発電ユニットの運転状態を自動的に判断して、1、2号機単独運転の場合には放水時より経過時間ΔTまたはΔT以前のデータを、同時運転の場合には、放水時より経過時間ΔT1、2以前のデータを記憶部3から受け取る。ここで、各発電ユニットの運転状態については、各発電ユニットを管理、監視等する外部システムからの監視結果に基づいて判断されるようになっている。
以上のように、本発明に係る取放水温度差管理装置1および取放水温度差管理方法によれば、放水温度Tと、この放水温度Tの測定時よりも所定時間ΔT前に測定、記憶された取水温度T、との温度差が取放水温度差Tとして算出されるため、より適正な取放水温度差Tを算出することが可能となる。すなわち、従来のように同じ時点における取水温度Tと放水温度Tとを比較するのではなく、取水口8から取水された冷却水W1が放水口13から放水されるまでの時間を考慮して、放水温度Tの測定時よりも前に測定された取水温度Tに基づいて取放水温度差Tを算出する。このようにして、取水された冷却水W1がどのくらい温度上昇して放水されたか、という温度差を取放水温度差Tとして算出することが可能となり、より適正な取放水温度差Tを算出することが可能となる。このため、例えば、取水口8の海水の温度が突発的に低下した場合でも、この低温の海水がどのくらい温度上昇して放水されたか、という取放水温度差Tが算出され、協定値を超えることを防止・抑制することが可能となる。
このようにして、より適正な取放水温度差Tが算出されて、協定値を超えることが防止・抑制される結果、復水器11の熱負荷を調整する必要等が低減され、安定した発電(高い発電効率)が可能となる。
また、放水口13から放水された冷却水W1が取水口8から取水された時点の取水温度Tに基づいて、取放水温度差Tを算出するため、取水された冷却水W1がどのくらい温度上昇して放水されたか、を示す取放水温度差Tをより適正に算出することが可能となる。この結果、安定した発電が可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、本実施の形態では、放水温度計4で放水温度Tが測定された時点で取放水温度差Tを算出しているが、放水温度Tをメモリに記憶し、その後、取放水温度差Tを算出してもよい。
また、温度差算出部6において、発電ユニットの1号機、2号機が同時運転状態であるか単独運転状態であるかを判断して所定時間(経過時間)を選定しているが、経過時間算出部5において運転状態を判断して所定時間(経過時間)を選定、決定するようにしてもよい。さらに、火力発電所を例にとっているが、勿論これに限らず、その他の発電ユニット、例えば原子力発電所においても適用可能である。
1 取放水温度差管理装置
2 取水温度計(取放水温度測定手段)
3 記憶部(記憶手段)
4 放水温度計(放水温度測定手段)
5 経過時間算出部(経過時間算出手段)
6 温度差算出部(温度差算出手段)
7 取水温度測定部
8 取水口
9 取水路
10 復水路
11 復水器
12 放水路
13 放水口
14 放水温度測定部
101 ボイラー
102 タービン
103 発電機
104 給水ポンプ
105 循環水ポンプ
106 細管
取水温度
放水温度
取放水温度差
S 水蒸気
冷却水

Claims (2)

  1. 発電所において取水される冷却水の取水温度と、放水される前記冷却水の放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理装置であって、
    前記取水温度を測定する取水温度測定手段と、
    前記取水温度測定手段で測定された取水温度を時系列に記憶する記憶手段と、
    前記放水温度を測定する放水温度測定手段と、
    前記放水温度測定手段で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定手段によって測定され前記記憶手段に記憶された取水温度、との温度差を取放水温度差として算出する温度差算出手段と、
    取水口から取水された前記冷却水が放水口から放水されるまでに要する経過時間を算出する経過時間算出手段と、
    を備え、前記経過時間算出手段で算出された経過時間を前記所定時間とする、ことを特徴とする取放水温度差管理装置。
  2. 発電所における冷却水の取水温度と放水温度との温度差を管理する取放水温度差管理方法であって、
    前記取水温度を測定し、時系列に記憶する取水温度測定記憶工程と、
    前記放水温度を測定する放水温度測定工程と、
    前記放水温度測定工程で測定された放水温度と、該放水温度の測定時よりも所定時間前に前記取水温度測定記憶工程で測定、記憶された取水温度、との温度差を取放水温度差として算出する温度差算出工程と、
    取水口から取水された前記冷却水が放水口から放水されるまでに要する経過時間を算出する経過時間算出工程と、
    を備え、前記経過時間算出工程で算出された経過時間を前記所定時間とする、ことを特徴とする取放水温度差管理方法。
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