JP5153855B2 - 発電機出力計算装置、方法及びプログラム - Google Patents
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Description
(1)取排水温度差は、発電機の出力に対してある一定の関係がある。例えば、発電機の出力の増減は、タービンへ流入する蒸気の増減に関係し、復水器で冷却される蒸気の増減に関係する。また、復水器で冷却される蒸気の増減は、海水との熱交換量の増減に関係し、取排水温度差の高低に関係する。
(2)取水温度は協定により、例えば、海面下60cmを測定した温度である。取排水温度差は、取水温度と、取水温度を測定したときの排水温度との差をリアルタイムで計算された温度差である(取水した海水が排水されるまでの約7分間タイムラグは考慮されていない)。
(3)冬季(11月〜2月)においては、風速・気温・波高等の条件により取水温度が短時間(5〜30分)に急激に降下(2〜3℃)する事象が発生することがある。これは、表層の冷たい海水が下層(海面下60cmより下方)へ下ることにより発生するものと推測されるがその場合、取水温度差は出力との相関以上に大幅に拡大する為、特許文献1の内容では瞬時制限に対して対応できない。
(4)又、取水温度の急降下は、朝の出力増加要請時と重なることが多く出力上昇という要素が加わると取排水温度差はさらに拡大する。出力の降下により、排水口海水温度が下がるまでにはやはり7分程度の時間遅れがある。
前記第1演算選択手段によって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第1の出力と、前記第2演算選択手段によって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第2の出力と、の関係から取排水温度差によって前記発電機の出力を演算する出力演算式を生成する出力演算式生成手段と、を備える発電機出力計算装置。
前記第1演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第1の出力と、前記第2演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第2の出力と、の関係から取排水温度差によって前記発電機の出力を演算する出力演算式を生成する出力演算式生成ステップと、を備える方法。
(1)取排水温度差(瞬時値)に相当する出力を演算させることで、環境規制値の遵守と給電運用の両立を図ることができる。さらに、海水温の急激な変化によって取水温度急降下の場合であっても、確保したい取排水温度差に相当する出力を瞬時に予測することができる。
(2)過去の実績を元に、例えば、310MWと175MWの2種類の出力について下記の6項目の演算を同時に行い、その結果について、ある範囲に収まるデータの数が多い演算式を自動で選択する。このため、単一の演算に頼らず、最も精度の高い演算を選択し、信頼性が向上した結果を出力することができる。
・第1演算式:取水海水温度から演算取排水温度差を演算
・第2演算式:復水器入口温度と取水温度の差から演算取排水温度差を演算
・第3演算式:復水器出入口温度差から演算取排水温度差を演算
・第4演算式:取水温度から復水器入口温度を演算し、演算した復水器入口温度から排水温度を演算し、演算した排水温度と取水温度とから演算取排水温度差を演算
・第5演算式:復水器入口温度から排水温度を演算し、演算した排水温度と取水温度とから演算取排水温度差を演算
・平均値の算出:第1演算式〜第5演算式の演算結果の平均値
(3)実績との差、演算時とデータ採取時の取水温度との差を補正し不確定要素による誤差を低減することができる。
(4)実績データの蓄積によって、労力を要さずに、さらに精度のよい演算式の選択を行い、信頼性のある結果を出力することができる。
(5)サンプルデータ採取時の取水温度と演算時の取水温度を補正するため、取水温度が不安定な状態においても、演算することができるため、実践的な結果を出力することができる。
11 測定部
12 演算式生成部
121 第1演算式生成部
122 第2演算式生成部
123 第3演算式生成部
124 第4演算式生成部
125 第5演算式生成部
126 平均値演算部
13 第1演算選択部
14 第2演算選択部
15 出力演算式生成部
16 補正部
17 演算結果出力部
31 第1取排水温度DB
32 第2取排水温度DB
301 復水器
311 取水温度センサ
312 排水温度センサ
313 復水器入口温度センサ
314 復水器出口温度センサ
Claims (7)
- 復水器を用いた発電機について、取水口における温度と排水口における温度との差である取排水温度差を所定の規定値の範囲内にするために、発電機の出力を計算する発電機出力計算装置であって、
前記取水口における取水の温度である取水温度を測定する取水温度測定手段と、
前記排水口における排水の温度である排水温度を測定する排水温度測定手段と、
前記復水器の入口における冷却水の温度である復水器入口温度を測定する復水器入口温度測定手段と、
前記復水器の出口における冷却水の温度である復水器出口温度を測定する復水器出口温度測定手段と、
前記発電機の第1の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第1取排水温度記憶手段と、
前記発電機の第2の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第2取排水温度記憶手段と、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶された前記取水温度及び前記排水温度から算出される取排水温度差である実測取排水温度差と、記憶されたデータと、の関係から、演算により算出される取排水温度差である演算取排水温度差を算出するための演算式を複数種類生成する演算式生成手段と、
前記第1取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成手段によって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第1取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第1演算選択手段と、
前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成手段によって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第2取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第2演算選択手段と、
前記第1演算選択手段によって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第1の出力と、前記第2演算選択手段によって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第2の出力と、の関係から取排水温度差によって前記発電機の出力を演算する出力演算式を生成する出力演算式生成手段と、
を備える発電機出力計算装置。 - 前記演算式生成手段は、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたそれぞれのデータに基づいて、前記取水温度と前記実測取排水温度差との関係から前記取水温度によって前記演算取排水温度差を演算するための第1演算式を生成する第1演算式生成手段と、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたそれぞれのデータに基づいて、前記復水器入口温度と前記取水温度との温度差と、前記実測取排水温度差との関係から、当該温度差によって前記演算取排水温度差を演算するための第2演算式を生成する第2演算式生成手段と、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたそれぞれのデータに基づいて、前記復水器入口温度と前記復水器出口温度との差である復水器出入口温度差と、前記実測取排水温度差との関係から、当該復水器出入口温度差によって前記演算取排水温度差を算出するための第3演算式を生成する第3演算式生成手段と、
を含む請求項1に記載の発電機出力計算装置。 - 前記演算式生成手段は、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたそれぞれのデータに基づいて、前記取水温度と前記復水器入口温度との関係から前記取水温度によって前記復水器入口温度を演算するための演算式を生成し、前記復水器入口温度と前記排水温度との関係から、当該演算式によって演算された前記復水器入口温度によって前記排水温度を演算するための演算式を生成し、前記取水温度と当該演算式によって演算された排水温度との前記演算取排水温度差を演算する第4演算式を生成する第4演算式生成手段と、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたそれぞれのデータに基づいて、前記復水器入口温度と前記排水温度との関係から前記復水器入口温度によって前記排水温度を演算するための演算式を生成し、前記排水温度と前記実測取排水温度差との関係から、当該演算式によって演算された排水温度によって前記演算取排水温度差を演算するための第5演算式を生成する第5演算式生成手段と、
をさらに含む請求項2に記載の発電機出力計算装置。 - 前記演算式生成手段は、
前記第1演算式から前記第5演算式によって演算された前記演算取排水温度差の平均値を算出する平均値演算手段をさらに含む請求項3に記載の発電機出力計算装置。 - 前記発電機の出力から、前記出力演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、サンプリングした前記取水温度と前記排水温度とから算出された前記実測取排水温度差との差によって、前記出力演算式の切片を移動した出力演算式である補正出力演算式を生成し、前記補正出力演算式によって演算された前記演算取排水温度差に、前記補正出力演算式を生成したときの取水温度と、前記補正出力演算式によって演算するときの取水温度との差を加算して補正する補正手段をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の発電機出力計算装置。
- 復水器を用いた発電機について、取水口における温度と排水口における温度との差である取排水温度差を所定の規定値の範囲内にするために、発電機の出力を計算する発電機出力計算装置が実行する方法であって、
前記発電機出力計算装置は、
前記取水口における取水の温度である取水温度を測定する取水温度測定手段と、
前記排水口における排水の温度である排水温度を測定する排水温度測定手段と、
前記復水器の入口における冷却水の温度である復水器入口温度を測定する復水器入口温度測定手段と、
前記復水器の出口における冷却水の温度である復水器出口温度を測定する復水器出口温度測定手段と、
前記発電機の第1の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第1取排水温度記憶手段と、
前記発電機の第2の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第2取排水温度記憶手段と、を備え、
前記方法は、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶された前記取水温度及び前記排水温度から算出される取排水温度差である実測取排水温度差と、記憶されたデータと、の関係から、演算により算出される取排水温度差である演算取排水温度差を算出するための演算式を複数種類生成する演算式生成ステップと、
前記第1取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成ステップによって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第1取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第1演算選択ステップと、
前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成ステップによって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第2取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第2演算選択ステップと、
前記第1演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第1の出力と、前記第2演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第2の出力と、の関係から取排水温度差によって前記発電機の出力を演算する出力演算式を生成する出力演算式生成ステップと、
を備える方法。 - 復水器を用いた発電機について、取水口における温度と排水口における温度との差である取排水温度差を所定の規定値の範囲内にするために、発電機の出力を計算する発電機出力計算装置に実行させるためのプログラムであって、
前記発電機出力計算装置は、
前記取水口における取水の温度である取水温度を測定する取水温度測定手段と、
前記排水口における排水の温度である排水温度を測定する排水温度測定手段と、
前記復水器の入口における冷却水の温度である復水器入口温度を測定する復水器入口温度測定手段と、
前記復水器の出口における冷却水の温度である復水器出口温度を測定する復水器出口温度測定手段と、
前記発電機の第1の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第1取排水温度記憶手段と、
前記発電機の第2の出力で稼動している場合に測定された前記取水温度と、前記排水温度と、前記復水器入口温度と、前記復水器出口温度と、を対応付けて定期的に記憶して蓄積する第2取排水温度記憶手段と、を備え、
前記プログラムは、前記発電機出力計算装置に、
前記第1取排水温度記憶手段又は前記第2取排水温度記憶手段に記憶された前記取水温度及び前記排水温度から算出される取排水温度差である実測取排水温度差と、記憶されたデータと、の関係から、演算により算出される取排水温度差である演算取排水温度差を算出するための演算式を複数種類生成する演算式生成ステップと、
前記第1取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成ステップによって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第1取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第1演算選択ステップと、
前記第2取排水温度記憶手段に記憶されたデータについて、算出された前記実測取排水温度差と、前記演算式生成ステップによって生成された複数種類の演算式によって演算された前記演算取排水温度差と、をそれぞれ比較し、比較した差が所定の範囲内であるデータの個数が最も多い演算式を、前記第2取排水温度記憶手段について前記演算取排水温度差を演算する演算式として選択する第2演算選択ステップと、
前記第1演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第1の出力と、前記第2演算選択ステップによって選択された演算式によって演算される前記演算取排水温度差の平均値及び前記発電機の第2の出力と、の関係から取排水温度差によって前記発電機の出力を演算する出力演算式を生成する出力演算式生成ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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