JP6229589B2 - ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ式給湯機に関する。
ヒートポンプ式給湯機において、水を加熱する加熱用熱交換器の配管内などに、スケールが付着する場合がある。硬度の高い水が使用される場合には、スケールが特に多く付着する。スケールは、水に含まれるカルシウム成分等が、炭酸カルシウム等の固形物として析出したものである。
スケールが配管内に多く付着すると、加熱用熱交換器の配管内の水に熱が伝わりにくくなり、水への熱伝達性能が低下する。また、スケールが配管内に多く付着すると、配管内を流れる水に対する抵抗が大きくなるので、加熱用熱交換器へ水を送るポンプの消費電力が増加する。さらには、配管が閉塞して給湯機が運転不能になることがある。
下記特許文献1には、加熱用熱交換器からの出口温度を監視することでスケール詰まり発生を検知し、スケール詰まり発生が検知された場合にはリモコンから使用者に報知する給湯装置が記載されている。
特開2010−261651号公報
特許文献1の給湯装置では、加熱運転時に加熱用熱交換器からの出口温度を監視し、出口温度が設定上限温度を超えたことの検知により、スケール詰まり発生と検知している。このため、加熱運転を行わないと状況が把握できない。また、スケール詰まり発生を検知した時点では、配管がほぼ閉塞してしまっていることが多く、加熱用熱交換器の交換、または加熱用熱交換器を含めた機器本体の交換が必要になる、という問題がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、加熱用熱交換器の交換、または加熱用熱交換器を含めた機器本体の交換が必要な状態になるまでスケールの付着が放置されることを抑制することのできるヒートポンプ式給湯機を提供することを目的とする。
本発明に係るヒートポンプ式給湯機は、水を加熱する加熱用熱交換器と、加熱用熱交換器に水を流れさせるポンプと、加熱用熱交換器とポンプとの間の圧力、または加熱用熱交換器の入口側の圧力と加熱用熱交換器の出口側の圧力との差圧、を検知する圧力検知手段と、圧力検知手段の検知結果に基づいて、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を予測する予測手段と、貯湯タンクと、貯湯タンクの下部と、加熱用熱交換器と、貯湯タンクの上部とを順に接続する加熱循環経路と、貯湯タンクの下部と、加熱用熱交換器と、貯湯タンクの下部とを順に接続するバイパス循環経路と、加熱循環経路とバイパス循環経路とを切り替える流路切換手段と、を備え、予測手段が予測を行うときはバイパス循環経路で水を循環させるものである。
また、本発明に係るヒートポンプ式給湯機は、水を加熱する加熱用熱交換器と、加熱用熱交換器に水を流れさせるポンプと、加熱用熱交換器とポンプとの間の圧力、または加熱用熱交換器の入口側の圧力と加熱用熱交換器の出口側の圧力との差圧、を検知する圧力検知手段と、圧力検知手段の検知結果に基づいて、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を予測する予測手段と、を備え、予測手段で予測された時期より前に、加熱用熱交換器で水を加熱する加熱運転の実施を禁止するものである。
本発明によれば、加熱用熱交換器の交換、または加熱用熱交換器を含めた機器本体の交換が必要な状態になるまでスケールの付着が放置されることを抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態1のヒートポンプ式給湯機を示す構成図である。 測定圧力と、ヒートポンプ式給湯機の加熱運転の総運転時間との関係の例を示すグラフである。 本発明の実施の形態1で制御部がスケール詰まり時期の予測を行う方法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2のヒートポンプ式給湯機が備えるヒートポンプユニットの構成図である。 本発明の実施の形態2で制御部がスケール詰まり時期の予測を行う方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1のヒートポンプ式給湯機を示す構成図である。図1に示すように、本実施の形態1のヒートポンプ式給湯機1は、ヒートポンプユニット2及びタンクユニット3を有する。ヒートポンプユニット2は、圧縮機4、加熱用熱交換器5、膨張弁6及び蒸発器7を順に冷媒配管8で接続した冷媒回路装置(冷凍サイクル装置)を搭載している。ヒートポンプユニット2は、例えば、自然冷媒である二酸化炭素を冷媒として用いるものが好ましい。加熱用熱交換器5は、圧縮機4で圧縮された高温高圧の冷媒と、水とを熱交換することで、水を加熱する熱交換器である。
タンクユニット3は、貯湯タンク9、送水ポンプ10、給湯配管13、混合弁14、逃がし弁16、四方弁17、減圧弁18、バイパス配管19、上部配管24及び第二バイパス配管25を搭載している。貯湯タンク9内には、上側が高温で下側が低温となる温度成層を形成して、湯水が貯留される。貯湯タンク9は、上部に温水導入導出口91を有し、下部に水戻り口92、水導入口93及び水導出口94を有する。給湯配管13は、貯湯タンク9の温水導入導出口91と、混合弁14とを接続する。逃がし弁16は、貯湯タンク9の上部に接続されており、圧力が過度に上昇した場合に圧力を逃がす。
四方弁17は、aポート、bポート、cポート及びdポートを有する流路切換手段である。減圧弁18は、水道等の水源から供給される水の圧力を所定圧力に減圧する。減圧弁18で減圧された水は、貯湯タンク9の水導入口93と、混合弁14とにそれぞれ供給される。混合弁14は、貯湯タンク9から給湯配管13により供給される湯と、水源から供給される水との混合比を調整することで、給湯温度を調整する。混合弁14で混合された湯は、例えば蛇口15などの給湯端末へ供給される。
貯湯タンク9の水導出口94と、加熱用熱交換器5の水入口とは、往き配管11を介して接続されている。送水ポンプ10は、往き配管11の途中に配置されている。加熱用熱交換器5の水出口と、四方弁17のcポートとは、戻り配管12を介して接続されている。四方弁17のdポートと、貯湯タンク9の温水導入導出口91とは、上部配管24を介して接続されている。四方弁17のaポートと、貯湯タンク9の水戻り口92とは、バイパス配管19を介して接続されている。送水ポンプ10の下流側の往き配管11の途中から第二バイパス配管25が分岐している。第二バイパス配管25は、四方弁17のbポートに接続されている。
送水ポンプ10と、加熱用熱交換器5の水入口との間の往き配管11には、水の圧力を検知する圧力検知手段20と、水の温度を検知する温度検知手段22と、水の流量を検知する流量検知手段23とが設けられている。
四方弁17は、cポートとdポートとの間を導通させてaポートおよびbポートを遮断する状態と、cポートとaポートとの間を導通させてbポートおよびdポートを遮断する状態とに少なくとも切り替え可能な流路切替手段である。四方弁17を前者の状態に切り替えることで加熱循環経路が形成される。四方弁17を後者の状態に切り替えることでバイパス循環経路が形成される。
加熱循環経路は、貯湯タンク9の水導出口94、往き配管11(送水ポンプ10を含む)、加熱用熱交換器5、戻り配管12、四方弁17、上部配管24、及び貯湯タンク9の温水導入導出口91の順に接続される経路である。
バイパス循環経路は、貯湯タンク9の水導出口94、往き配管11(送水ポンプ10を含む)、加熱用熱交換器5、戻り配管12、四方弁17、バイパス配管19及び貯湯タンク9の水戻り口92の順に接続される経路である。このように、バイパス循環経路は、貯湯タンク9の下部と、加熱用熱交換器5と、貯湯タンク9の下部とを順に接続する経路であり、貯湯タンク9の上部に接続されずに加熱用熱交換器5に接続される経路となる。
配管の凍結を防止する凍結防止運転では、バイパス循環経路で水を循環させることで、ヒートポンプユニット2とタンクユニット3とを接続する往き配管11及び戻り配管12に水が循環し、配管の凍結を防止できる。
タンクユニット3の内部には、上記の他に、風呂追い焚き加熱用の配管、熱交換器、弁類等もあるが、本発明の内容とは関連しないため、図示及び説明を省略する。
本実施の形態1のヒートポンプ式給湯機1は、リモコン21及び制御部50をさらに備える。制御部50は、例えばマイクロコンピュータ等により構成され、ROM、RAM、不揮発性メモリ等を含む記憶部と、記憶部に記憶されたプログラムに基いて演算処理を実行する演算処理装置(CPU)と、演算処理装置に対して外部の信号を入出力する入出力ポートとを備える制御手段である。制御部50は、上述したヒートポンプユニット2、送水ポンプ10、混合弁14及び四方弁17を含む各種アクチュエータ類と、圧力検知手段20、温度検知手段22及び流量検知手段23を含む各種センサ類とに電気的に接続されている。制御部50は、ヒートポンプ式給湯機1の運転動作を制御する。
リモコン21は、制御部50と通信可能に接続されており、ユーザーインターフェースとして機能する。リモコン21は、台所または浴室などに設置される。リモコン21には、給湯温度などの情報を表示する表示部と、ボタン等の操作部とが設けられている。
次に、ヒートポンプ式給湯機1の加熱運転について説明する。加熱運転は、ヒートポンプユニット2で水を加熱する運転である。加熱運転では、圧縮機4及び送水ポンプ10が駆動される。加熱運転を行い、加熱循環経路で水を循環させることで、以下のようにして貯湯タンク9に高温水を貯えることができる。冷媒は、圧縮機4で圧縮されて高温高圧となった後、加熱用熱交換器5で熱交換し、冷却される。加熱用熱交換器5で冷却された高圧冷媒は、膨張弁6により減圧され、低圧冷媒となる。この低圧冷媒は、蒸発器7により大気から吸熱して蒸発し、圧縮機4に吸入される。一方、貯湯タンク9の水導出口94から導出された水は、送水ポンプ10により往き配管11を通って加熱用熱交換器5に送られ、加熱される。加熱用熱交換器5で加熱されることで高温となった水は、戻り配管12、四方弁17及び上部配管24を通り、温水導入導出口91から貯湯タンク9に流入する。このようにして、高温水が貯湯タンク9の上部から順次貯えられていく。このとき、制御部50は、加熱用熱交換器5から出る水の温度が所定の目標温度に保たれるように、送水ポンプ10によって流量を制御する。
ヒートポンプ式給湯機1が長期間にわたって使用されるにつれて、加熱用熱交換器5内の水流路及び戻り配管12の水流路の内面に、水に含まれるカルシウム成分等が炭酸カルシウム等として析出することで、スケール(固形析出物)が付着し堆積する。
本実施の形態1のヒートポンプ式給湯機1は、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を、圧力検知手段20で検知される圧力に基づいて予測する予測手段を備える。本実施の形態1では、制御部50が予測手段として機能する。ここで、「水流路にスケールが詰まる」とは、例えば、ヒートポンプ式給湯機1が運転不能の状態になる程度に水流路の通過抵抗が大きくなることである。「水流路のスケールの除去が必要になる」とは、ヒートポンプ式給湯機1を使用し続ける上で、堆積したスケールを取り除く配管洗浄を行う必要が生じることである。以下の説明では、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を総称して「スケール詰まり時期」という。また、「水流路にスケールが詰まること」、または、「水流路のスケールの除去が必要になること」を総称して「スケール詰まり」という。
制御部50は、スケール詰まり時期の予測を定期的に行う。制御部50は、スケール詰まり時期の予測を、1日に1回、またはそれ以上の頻度で行うことが望ましい。制御部50は、加熱運転を行っていないときに、スケール詰まり時期の予測を行う。制御部50は、スケール詰まり時期の予測を行う場合には、バイパス循環経路で水を循環させる。すなわち、四方弁17のcポートとaポートとの間を導通させる状態として送水ポンプ10を駆動する。これにより、貯湯タンク9の下部の水が、水導出口94、往き配管11、加熱用熱交換器5、戻り配管12、四方弁17及びバイパス配管19の順に流れ、水戻り口92に戻るように循環する。制御部50は、スケール詰まり時期の予測を行う場合、送水ポンプ10の運転条件を常に同一条件(例えば回転数3000rpm)とし、送水ポンプ10の下流側に設けられた圧力検知手段20で圧力を測定し、測定された圧力を記憶する。このようにして測定された圧力を以下「測定圧力」と称する。
上記のように、本実施の形態1では、加熱運転を行うことなく、スケール詰まり時期の予測を行うことができるという利点がある。前述したように、加熱運転では、加熱用熱交換器5から出る水の温度が所定の目標温度に保たれるように送水ポンプ10の流量が制御される。このため、送水ポンプ10の運転条件(回転数)が変動し、それに伴って圧力検知手段20で検知される圧力も変動する。これに対し、本実施の形態1では、スケール詰まり時期の予測を行う場合に、バイパス循環経路で水を循環させ、送水ポンプ10の運転条件を常に同一条件とすることで、同一条件の下で得られた測定圧力に基づいてスケール詰まり時期を予測できる。よって、スケール詰まり時期を精度良く予測できる。
図2は、測定圧力と、ヒートポンプ式給湯機1の加熱運転の総運転時間との関係の例を示すグラフである。加熱運転の総運転時間とは、ヒートポンプ式給湯機1が加熱運転を行った時間をすべて累積した時間である。以下の説明では、加熱運転の総運転時間を単に「総運転時間」と称する。図2に示すように、総運転時間が少ない間、すなわちヒートポンプ式給湯機1の設置当初から間もない期間においては、測定圧力の変化は見られない。総運転時間が、ある時間を経過すると、スケール付着量の増大に伴って、測定圧力が徐々に大きくなっていく。このように、測定圧力とスケール付着量との間には相関がある。本実施の形態1では、このことを利用して、スケール詰まり時期の予測を行う。
図3は、本実施の形態1で制御部50がスケール詰まり時期の予測を行う方法を説明するための図である。制御部50は、スケール詰まりの閾値を予め記憶している。スケール詰まりの閾値は、スケール詰まりの状態になった場合に想定される測定圧力に相当する値である。図3に示すように、制御部50は、ヒートポンプ式給湯機1の設置当初から現時点までに測定及び記憶された測定圧力の値を総運転時間に対してプロットする。そして、制御部50は、そのプロットした曲線を将来へ外挿することで、測定圧力がスケール詰まりの閾値に到達するまでの、加熱運転の残り時間を計算する。このようにして、制御部50は、スケール詰まりまでの加熱運転の残り時間を予測できる。制御部50は、予測されたスケール詰まりまでの加熱運転の残り時間を、スケール詰まりまでの残り日数に換算しても良い。例えば、1日当たりの加熱運転時間を8時間とした場合には、残り時間を8で割ることで、スケール詰まりまでの残り日数を計算できる。
上述したスケール詰まりの閾値は、例えば、過去にスケール詰まりが発生した事例において圧力を測定した結果から定めることができる。スケール詰まりは、スケールが層状に堆積していくことで流路が塞がれる場合と、層状に一定量堆積したスケールが振動または温度変化などにより剥がれ落ちて流れていき、貯湯タンク9に至る途中で、スケールの堆積量または形状などの偶発的な要因により滞留して堰を形成し、流路が塞がれる場合とがある。後者の場合は、測定圧力が比較的小さな値を取る一方で詰まりが発生することになるため、スケール詰まりの閾値の設定においては、過去の事例を充分考慮して設定することが望ましい。
本実施の形態1のヒートポンプ式給湯機1は、上記のようにして予測されたスケール詰まり時期に関する情報を以下のようにして使用者に報知する報知手段を備える。制御部50は、上記のようにして予測されたスケール詰まりまでの残り日数が所定日数(本実施の形態1では3ヶ月とする)に比べて短い場合には、使用者に配管洗浄を行うように促すメッセージをリモコン21の表示部に表示する。このようにして予測されたスケール詰まり時期までの残り日数が3ヶ月(90日)以上である場合には、まだ使用者に配管洗浄を促す必要はないので、制御部50は、スケール詰まり時期に関する情報を使用者に報知しない。これに対し、予測されたスケール詰まりまでの残り日数が3ヶ月(90日)未満である場合には、制御部50は、予測されたスケール詰まり時期の日付(月日)を計算し、リモコン21の表示部に、スケール詰まりが予測されること、その日付、及び配管洗浄を行うように指示するメッセージを表示する。このようにすることで、本実施の形態1では、スケール詰まりの発生が予測される場合に、前もって、使用者に配管洗浄サービスの利用を促すことができる。このため、使用者は、スケール詰まりが実際に発生する前に、自身の都合の良い日程で、余裕を持って配管洗浄サービスを依頼することができる。よって、ある日突然にスケール詰まりが発生してヒートポンプ式給湯機1が運転不能になるようなことを確実に回避することができる。また、洗浄してもスケールが除去できないほどにスケールが付着してしまう前に、使用者に配管洗浄サービスの利用を確実に促すことができる。このため、加熱用熱交換器5の交換、または加熱用熱交換器5を含むヒートポンプユニット2全体の交換が必要な状態になるまでスケールの付着が放置されることを確実に抑制できる。よって、加熱用熱交換器5の交換、またはヒートポンプユニット2の交換に多額の費用がかかることを確実に防止できる。
本実施の形態1では、上記所定日数を3ヶ月としたが、この期間はこれに限定されるものではなく、配管洗浄サービスの実施までに充分な余裕をみて適宜設定すれば良い。また、サービス要員等の事情を考慮して、地域毎に設定しても良い。また、予測されたスケール詰まり時期の日付を使用者に報知することに変えて、予測されたスケール詰まりまでの残り日数を使用者に報知しても良い。
上記メッセージをリモコン21の表示部に表示した後、何らかの理由で、使用者が配管洗浄サービスを利用できなかった場合、スケールの付着堆積が進むことで、最終的にはスケール詰まりが発生してしまう。このような事態を未然に防ぐため、本実施の形態1では、制御部50は、予測されたスケール詰まり時期より前に、以下のようにして加熱運転の実施を禁止する。制御部50は、前述したスケール詰まりの閾値よりやや小さい値(例えばスケール詰まりの閾値の90%の値)を第二の閾値として予め記憶している。図3に示すように、制御部50は、測定圧力が第二の閾値に到達した場合には、それ以降の加熱運転の実施を禁止するとともに、配管洗浄を行うように強く促すメッセージをリモコン21の表示部に常時表示する。このようにすることで、洗浄してもスケールが除去できないほどにスケールが付着してしまうことを確実に防止できるので、加熱用熱交換器5の交換、または加熱用熱交換器5を含むヒートポンプユニット2全体の交換が必要になることを確実に防止できる。
上述した本実施の形態1の報知手段は、リモコン21の表示部から使用者に報知する構成としたが、本発明における報知手段はこれに限定されるものではなく、例えばリモコン21のスピーカから音声により報知する構成としても良い。また、本発明では、ヒートポンプ式給湯機1の販売店または保守管理会社などのコンピュータと、制御部50との間で通信可能に構成し、予測されたスケール詰まり時期に関する情報を制御部50が販売店または保守管理会社などのコンピュータに送信するように構成しても良い。このように構成することで、スケール詰まりが発生する前に、販売店または保守管理会社などから使用者へ配管洗浄サービスの実施を促すことができる。
実施の形態2.
次に、図4及び図5を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一部分または相当部分は同一符号を付し説明を省略する。
図4は、本発明の実施の形態2のヒートポンプ式給湯機1が備えるヒートポンプユニット2の構成図である。図4に示すように、本実施の形態2のヒートポンプ式給湯機1は、実施の形態1の圧力検知手段20に代えて、圧力検知手段26を備える。圧力検知手段26は、加熱用熱交換器5の水入口側の圧力と、加熱用熱交換器5の水出口側の圧力との差圧を検知する。圧力検知手段26は、往き配管11及び戻り配管12にそれぞれ接続されている。
本実施の形態2では、制御部50は、圧力検知手段26で検知される圧力(差圧)に基づいて、以下のようにしてスケール詰まり時期を予測する。制御部50は、圧力検知手段26で検知される差圧と、流量検知手段23で検知される流量とに基づいて、スケールで狭窄した部分の水流路(以下、「狭窄部」と称する)の有効内径Dを算出する。狭窄部の有効内径とは、狭窄部の有効断面積(流路断面においてスケールで塞がれていない領域の面積)を円形断面の直径に換算した値である。圧力検知手段26で検知される差圧ΔPは、次式で表される。
ΔP=λ×(L/D)×(ρv/2) ・・・(1)
ここで、ρは水の密度、vは流速、Lは流路の長さ、Dは有効内径、λは流路の摩擦係数である。
流路の摩擦係数λは、次式で表される。
λ=0.3164×Re−1/4=0.3164×(vD/ν)−1/4 ・・・(2)
ここで、Reはレイノルズ数、νは動粘性係数であり、温度によって定まる値である。
制御部50は、上記(1)式及び(2)式を用いて、狭窄部の有効内径を算出し記憶する。
総運転時間が少ない間、すなわちヒートポンプ式給湯機1の設置当初からの期間が短い間は、上記のようにして算出される狭窄部の有効内径の値に変化は見られない。総運転時間が、ある時間を経過すると、スケール付着量の増大に伴って、狭窄部の有効内径の値が徐々に小さくなっていく。このように、狭窄部の有効内径とスケール付着量との間には相関(負の相関)がある。本実施の形態2では、このことを利用して、スケール詰まり時期の予測を行う。
図5は、本実施の形態2で制御部50がスケール詰まり時期の予測を行う方法を説明するための図である。制御部50は、スケール詰まりの閾値を予め記憶している。スケール詰まりの閾値は、スケール詰まりの状態になった場合に想定される狭窄部の有効内径に相当する値である。図5に示すように、制御部50は、ヒートポンプ式給湯機1の設置当初から現時点までに上記のようにして算出及び記憶された狭窄部の有効内径の値を総運転時間に対してプロットする。そして、制御部50は、そのプロットした曲線を将来へ外挿することで、狭窄部の有効内径がスケール詰まりの閾値に低下するまでの残り時間を計算する。このようにして、制御部50は、スケール詰まり時期を予測できる。
上述した実施の形態2では、総運転時間と狭窄部の有効内径との関係に基づいてスケール詰まり時期を予測するようにしたが、総運転時間と狭窄部の有効断面積F/Vとの関係に基づいてスケール詰まり時期を予測しても良い。すなわち、図5において、狭窄部の有効内径の値をプロットすることに代えて、狭窄部の有効断面積F/Vの値をプロットすることでスケール詰まり時期を予測しても良い。
本実施の形態2は、上述した事項以外は実施の形態1と同様であるので、これ以上の説明を省略する。
1 ヒートポンプ式給湯機、2 ヒートポンプユニット、3 タンクユニット、4 圧縮機、5 加熱用熱交換器、6 膨張弁、7 蒸発器、8 冷媒配管、9 貯湯タンク、10 送水ポンプ、11 往き配管、12 戻り配管、13 給湯配管、14 混合弁、15 蛇口、16 逃がし弁、17 四方弁、18 減圧弁、19 バイパス配管、20 圧力検知手段、21 リモコン、22 温度検知手段、23 流量検知手段、24 上部配管、25 第二バイパス配管、26 圧力検知手段、50 制御部、91 温水導入導出口、92 水戻り口、93 水導入口、94 水導出口

Claims (7)

  1. 水を加熱する加熱用熱交換器と、
    前記加熱用熱交換器に水を流れさせるポンプと、
    前記加熱用熱交換器と前記ポンプとの間の圧力、または前記加熱用熱交換器の入口側の圧力と前記加熱用熱交換器の出口側の圧力との差圧、を検知する圧力検知手段と、
    前記圧力検知手段の検知結果に基づいて、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を予測する予測手段と、
    貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの下部と、前記加熱用熱交換器と、前記貯湯タンクの上部とを順に接続する加熱循環経路と、
    前記貯湯タンクの下部と、前記加熱用熱交換器と、前記貯湯タンクの下部とを順に接続するバイパス循環経路と、
    前記加熱循環経路と前記バイパス循環経路とを切り替える流路切換手段と、
    を備え
    前記予測手段が予測を行うときは前記バイパス循環経路で水を循環させるヒートポンプ式給湯機。
  2. 水を加熱する加熱用熱交換器と、
    前記加熱用熱交換器に水を流れさせるポンプと、
    前記加熱用熱交換器と前記ポンプとの間の圧力、または前記加熱用熱交換器の入口側の圧力と前記加熱用熱交換器の出口側の圧力との差圧、を検知する圧力検知手段と、
    前記圧力検知手段の検知結果に基づいて、水流路にスケールが詰まる時期、または、水流路のスケールの除去が必要になる時期を予測する予測手段と、
    を備え
    前記予測手段で予測された前記時期より前に、前記加熱用熱交換器で水を加熱する加熱運転の実施を禁止するヒートポンプ式給湯機。
  3. 前記予測手段は、前記加熱用熱交換器で水を加熱する加熱運転の総運転時間と、前記圧力検知手段の検知結果との関係に基づいて、前記時期を予測する請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ式給湯機。
  4. 前記予測手段は、前記圧力検知手段の検知結果に基づいて前記水流路の狭窄部の有効内径または有効断面積を算出し、前記加熱用熱交換器で水を加熱する加熱運転の総運転時間と、前記有効内径または前記有効断面積との関係に基づいて、前記時期を予測する請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ式給湯機。
  5. 前記予測手段が予測を行うときは前記加熱用熱交換器で水を加熱しない請求項1から請求項のいずれか一項に記載のヒートポンプ式給湯機。
  6. 前記予測手段の予測結果に関する情報を使用者に報知する報知手段を備える請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒートポンプ式給湯機。
  7. 前記報知手段は、前記予測手段で予測された前記時期の日付または前記時期までの残り日数を使用者に報知する請求項6に記載のヒートポンプ式給湯機。
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