JP2014200696A - 給湯装置 - Google Patents

給湯装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014200696A
JP2014200696A JP2013075623A JP2013075623A JP2014200696A JP 2014200696 A JP2014200696 A JP 2014200696A JP 2013075623 A JP2013075623 A JP 2013075623A JP 2013075623 A JP2013075623 A JP 2013075623A JP 2014200696 A JP2014200696 A JP 2014200696A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow rate
scale
hot water
water
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013075623A
Other languages
English (en)
Inventor
大藪 恵子
Keiko Oyabu
恵子 大藪
山田 宗登
Munetaka Yamada
宗登 山田
北西 博
Hiroshi Kitanishi
博 北西
柳澤 忠
Tadashi Yanagisawa
忠 柳澤
裕史 柴田
Yuji Shibata
裕史 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2013075623A priority Critical patent/JP2014200696A/ja
Publication of JP2014200696A publication Critical patent/JP2014200696A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Fluid Heaters (AREA)
  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Abstract

【課題】スケール抑制剤のメンテナンスの必要性を適切に判断してスケールの堆積を予防する給湯装置を提供すること。【解決手段】貯湯槽57から入水管路64を介して送られた水を加熱する加熱装置55と、水を加熱装置55に圧送する循環ポンプ63と、加熱装置55で加熱された水を貯湯槽57へ導入する出湯管路65と、加熱装置55に圧送される水に、スケール抑制剤67を添加するスケール抑制装置68と、スケール抑制装置68を流れる水の流量を検出する流量検出装置73と、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を判断する制御装置70と、メンテナンスの必要性を表示する報知装置72と、を備え、制御装置70は、流量検出装置73で検出された流量に基づき、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を判断するので、適切な時期にスケール抑制装置68のメンテナンスを行ってスケールの堆積を予防することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、スケール抑制装置を備えた給湯装置に関するものである。
従来、この種の給湯装置として、貯湯槽に溜めた高温の湯を用いて給湯を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
図15は、特許文献1に記載された従来の給湯装置を示すものである。図15に示すように、この給湯装置は、ガスクーラ(給湯熱交換器)1を有するヒートポンプユニット2と、ガスクーラ1において加熱された湯水が貯留される貯湯タンク3を有する貯湯ユニット4と、を備えている。
また、ヒートポンプユニット2の冷媒循環路は、圧縮機5、ガスクーラ1、膨張弁(減圧装置)6、蒸発器7が冷媒配管で環状に接続されて構成されている。また、水回路は、循環ポンプ8、ガスクーラ1、貯湯槽3が水配管で環状に接続されて構成されている。
この給湯装置は、ガスクーラ1において、圧縮機5によって圧縮された高温高圧のガス冷媒と貯湯槽3に蓄えられた水とを熱交換させて湯を生成する。
また、この給湯装置は、貯湯槽3からガスクーラ1に至るまでの水循環路に、添加器(スケール抑制装置)9を備えている。添加器9は、スケールの生成を抑制する抑制剤を、ガスクーラ1に流入する水へと供給する。この構成によって、添加器9の内部に水が流れることで、ガスクーラ1に流入する前の水に添加剤が添加される。よって、水回路におけるスケールの生成が抑制されるので、水回路がスケールによって閉塞されることを防ぐことができる。
また、特許文献1には、循環ポンプ8の回転数が所定値以上になったときに、添加剤の交換を報知する構成が開示されている。
特開2011−69572号公報
しかしながら、前記従来の技術では、循環ポンプの回転数が所定値以上になった場合に、添加剤の交換を報知するものである。よって、添加剤の交換を報知する時点で、すでにスケール抑制剤が減少または枯渇して、スケールが堆積している場合がある。これにより、ガスクーラ1での熱交換効率が大きく低下してしまうという課題を有していた。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、適切な時期にスケール抑制剤のメンテナンスの必要性を判断してスケールの堆積を予防することが可能な給湯装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の給湯装置は、湯を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽の下部から入水管路を介して送られた水を加熱する加熱装置と、前記入水管路に配設
され、前記貯湯槽の下部の水を前記加熱装置に圧送する循環ポンプと、前記加熱装置で加熱された水を前記貯湯槽の上部へと導入する出湯管路と、前記加熱装置に圧送される水に、スケールの生成を抑制するスケール抑制剤を添加するスケール抑制装置と、前記スケール抑制装置を流れる水の流量を検出する流量検出装置と、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断する制御装置と、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を表示する報知装置と、を備え、前記制御装置は、前記流量検出装置で検出された流量に基づいて、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断することを特徴とするものである。
これにより、スケール抑制剤の減少および枯渇を推定して、適切な時期にスケール抑制剤のメンテナンスの必要性を判断することができる。
本発明によれば、適切な時期にスケール抑制剤のメンテナンスの必要性を判断することで、スケールの堆積を予防することができる。
本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図 水の温度とスケール成分の溶解度との関係を説明する説明図 本発明の実施の形態1における給湯装置の水の加熱温度と加熱流量との関係を説明する説明図 同給湯装置の水の加熱温度とスケール抑制剤濃度との関係を示す特性図 同給湯装置の水の加熱温度とスケール抑制剤濃度との他の関係を示す特性図 同給湯装置の報知装置の正面図 スケール抑制装置を流れる水の流量とスケール抑制剤の濃度およびスケール抑制剤の消費量との関係を示すグラフ 本発明の実施の形態2における給湯装置の構成図 同給湯装置の外気温度に応じた運転条件を示すグラフ 本発明の実施の形態3における給湯装置の構成図 (a)同給湯装置において流量が小さいときの流量とスケール抑制剤の濃度との関係を説明する説明図(b)同給湯装置において流量が大きいときの流量とスケール抑制剤の濃度との関係を説明する説明図 (a)同給湯装置の分流比率を設定する流量調節部の一例を示す構成図(b)同給湯装置の分流比率を設定する流量調節部の他の一例を示す構成図 本発明の実施の形態3における給湯装置の構成図 本発明の実施の形態4における給湯装置の構成図 従来の給湯装置の構成図
第1の発明は、湯を貯える貯湯槽と、前記貯湯槽の下部から入水管路を介して送られた水を加熱する加熱装置と、前記入水管路に配設され、前記貯湯槽の下部の水を前記加熱装置に圧送する循環ポンプと、前記加熱装置で加熱された水を前記貯湯槽の上部へと導入する出湯管路と、前記加熱装置に圧送される水に、スケールの生成を抑制するスケール抑制剤を添加するスケール抑制装置と、前記スケール抑制装置を流れる水の流量を検出する流量検出装置と、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断する制御装置と、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を表示する報知装置と、を備え、前記制御装置は、前記流量検出装置で検出された流量に基づいて、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断することを特徴とする給湯装置である。
これにより、スケール抑制剤の消費量が、流量検出装置で検出された流量から推定され
る。また、報知装置でスケール抑制剤のメンテナンスの必要性を報知する。よって、スケール抑制剤が減少または枯渇してスケールが生成されることで生じる熱交換効率の低下や配管の閉塞が発生するよりも前に、スケール抑制装置のメンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤の消費量が少なく、スケール抑制剤が未使用で多く残存している状態でメンテナンスが行われることを防止する。
その結果、適切な時期にメンテナンスが行われるので、維持コストが低減して、使用者の使用性が向上する。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記制御装置は、前記スケール抑制装置を流れる水の流量が異なる複数の運転を実行するとともに、前記制御装置は、複数の前記運転のうち、前記流量が大きい運転を実行した場合の方が、前記流量が小さい運転を実行した場合よりも、短い前記循環ポンプの運転時間で、前記スケール抑制装置のメンテナンスが必要であると判断することを特徴とするものである。
これにより、スケール抑制剤の消費量が、運転の内容によって異なるスケール抑制剤の消費量の違いを考慮して、より精度よく推定される。よって、スケール抑制剤が枯渇してスケールが生成されることで生じる熱交換効率の低下や配管の閉塞が発生するより前に、スケール抑制装置のメンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤の消費量が少なく、スケール抑制剤が未使用で多く残存している状態でメンテナンスが行われることを防止する。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記入水管路の一部を迂回するバイパス回路と、前記入水管路を流れる水の流量と前記バイパス回路を流れる水の流量との比率を変更する流量調節装置と、を備え、前記スケール抑制装置は、前記バイパス回路に配設され、前記制御装置は、前記バイパス回路に流れる流量が大きい場合の方が、前記バイパス回路に流れる流量が小さい場合よりも、短い前記循環ポンプの運転時間で、前記スケール抑制装置のメンテナンスが必要であると判断することを特徴とするものである。
これにより、スケール抑制剤の消費量が、バイパス回路に流れる水の流量によって異なるスケール抑制剤の消費量の違いを考慮して、より精度よく推定される。よって、スケール抑制剤が枯渇してスケールが生成されることで生じる熱交換効率の低下や配管の閉塞が発生するより前に、スケール抑制装置のメンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤の消費量が少なく、スケール抑制剤が未使用で多く残存している状態でメンテナンスが行われることを防止する。
第4の発明は、特に第1〜第3のいずれかの発明において、前記スケール抑制剤は、ポリリン酸塩を主成分とすることを特徴とするものである。
これにより、水に溶解したポリリン酸塩が、スケールの主成分である炭酸カルシウムに対して作用して、炭酸カルシウムの結晶改質を行う。よって、炭酸カルシウムを、通常の大きな菱面体ではなく、小さな球形結晶とすることができる。球形結晶は、菱面体結晶とは異なり結晶の凝集力が弱く、積層が困難なため、点凝集となり結晶の成長を阻害させることができるので、炭酸カルシウムのスケール化を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における給湯装置の構成図である。
図1に示す通り、給湯装置50の熱源である加熱装置55は、ヒートポンプユニットである。ヒートポンプユニットは、圧縮機51、給湯熱交換器52、減圧装置53および大気熱を吸熱する蒸発器54が冷媒配管で環状に接続されたヒートポンプサイクルを備えている。このヒートポンプサイクルには、冷媒として、高圧側の冷媒圧力が臨界圧力以上となる二酸化炭素が循環する。
貯湯ユニット56に収納された貯湯槽57への給水は、貯湯槽57下部に接続された給水管58を介して行われる。また、貯湯槽57上部に貯留された高温の湯は、給湯管路59を通り、給湯混合弁60で給水管から供給される水と混合される。水と混合された湯は、これによって所定の温度となり、給湯配管61を通って給湯端末(蛇口)62から給湯される。
また、貯湯槽57の下部、循環ポンプ63、入水管路64、給湯熱交換器52、出湯管路65、貯湯槽57の上部が順に環状に接続されて沸き上げ回路が構成されている。貯湯槽57の下部から、循環ポンプ63で送られてきた水は、給湯熱交換器52で高温冷媒と熱交換して加熱され、出湯管路65を介して貯湯槽57の上から貯留される。なお、給湯熱交換器52で加熱された湯水の温度は、出湯管路65に配設された温度検出手段66によって検出する。
さらに、入水管路64には、スケール抑制剤67を充填したスケール抑制装置68が設けられている。また、スケール抑制装置68と貯湯槽57との間の入水管路64、すなわち、入水管路64の水の流れ方向に対してスケール抑制装置68の上流側の入水管路64には、スケール抑制装置68に流入する水の流量を検出する流量検出装置73(流量センサ)が設けられている。
そして、給湯装置50の運転を制御する制御装置70と給湯装置50の運転操作や設定を行い、設定状態や各種報知などを行うリモコン72が設けられている。
以上のように構成された給湯装置50について、以下にその動作、作用を説明する。
図1において、貯湯槽57を沸き上げる加熱運転について説明する。いま、制御装置70より貯湯槽57を沸き上げる要求が発せられると、加熱装置55で大気熱を利用した加熱運転を行う。
この場合、圧縮機51から吐出された臨界圧力以上の高温高圧の冷媒が給湯熱交換器52に流入し、ここで貯湯槽57の下部から送られてきた水と熱交換して放熱した後、減圧装置53で減圧し、さらに、蒸発器54で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機51に戻る。
この時、入水管路64を介して給湯熱交換器52に流入する水の流量は、給湯熱交換器52の出口温度(加熱温度)が所望の温度となるように、循環ポンプ63の回転数を制御することによって調節される。これにより、所定の温度の湯が貯湯槽57の上部から流入し貯留される。
このとき、入水管路64にスケール抑制剤67を充填したスケール抑制装置68が配設されているので、循環ポンプ63によって貯湯槽57の下部から送られてきた水は、スケール抑制装置68を備えた回路に流れる。スケール抑制装置68に流入し、スケール抑制剤67が溶解した水は、給湯熱交換器52に流入し、前述のように所定の温度になるように加熱される。
ここで、スケール抑制剤67としてポリリン酸塩を主成分とする粒子をスケール抑制装置68に充填しており、水に溶解したスケール抑制剤67は、給湯熱交換器52中で生成する炭酸カルシウムの結晶の成長を抑制し、スケールの発生を防止する。
ポリリン酸塩としてはトリポリリン酸ナトリウムやヘキサメタリン酸ナトリウムが代表的であるが、その他のポリリン酸塩を用いても良い。
また、本実施の形態ではスケール抑制剤67としてはポリリン酸塩を主成分とする粒子としているが、ホスホン酸やカルボン酸系高分子電解質等の低分子ポリマーを主成分とするものでも構わず、スケール抑制作用を有するものであれば良い。
これにより、水に溶解したポリリン酸塩が、スケールの主成分である炭酸カルシウムの結晶改質を行う。これにより、炭酸カルシウムが通常の大きな菱面体ではなく小さな球形結晶となる。よって、炭酸カルシウムの結晶の凝集力が弱くなるので、結晶の成長が阻害され、炭酸カルシウムがスケールとして析出することを抑制することができる。
次に、スケールの析出と水の温度の関係について説明する。図2は、横軸に水の温度をとり、縦軸にスケール成分の溶解度をとって、水に対するスケール成分の溶解度を説明する説明図である。図2に示すように、水の温度が高くなればなるほど、スケール成分(例えば、炭酸カルシウムなど)の溶解度は小さくなり、結晶化して水に析出する。
貯湯式の給湯装置の場合、主として、一日の給湯負荷に見合う分の湯を電気代の安い深夜電力を利用して、貯湯槽57に貯留する。ここで、給湯負荷は、湯を使用する頻度と使用量が多く、外気温度の低い冬に大きく、逆に、外気温度の高い夏には小さい。
季節ごとに異なる給湯負荷に対しては、貯湯槽57に貯留する湯の加熱温度を変更(例えば、65℃から90℃)して対応する。すなわち、給湯負荷の大きい冬には、例えば85℃(〜90℃)程度に加熱して貯留し、給湯負荷の小さい夏は、冬よりも低い、例えば65℃〜70℃程度の加熱温度にて湯を貯留する。この加熱温度は、中間期には、その中間の温度となる。
よって、特に給湯熱交換器52内の水通路表面などに付着、堆積するスケールは、冬における沸き上げ運転のように、加熱温度が高い状況下で多く生じることとなる。
よって、スケールの析出が生じやすい運転条件、すなわち、加熱温度が高い条件において、水に溶解させるスケール抑制剤67の濃度を大きくすれば、スケールの析出を効果的に抑制することができる。
ここで、貯湯式の給湯装置の場合、一般に、加熱能力は外気温度が変化してもほぼ一定である。また、給湯装置への給水として使用される水道水の温度は、一般に外気温度が低いほど低くなる。
図3は、横軸に加熱温度をとり、縦軸に加熱流量、すなわち、加熱装置55へと流入して加熱される水の流量をとって、加熱温度と加熱流量の関係を示した説明図である。
加熱装置55による加熱能力がほぼ一定であるとすると、図3に示すように、水道から給水される水の加熱温度は、加熱装置55に流入する水の流量(加熱流量)を調節して対応することができる。例えば、加熱流量を小さくすることで、加熱装置55に水が滞留する時間が長くなるので、加熱流量が多い場合と比較して、単位流量あたりの水が高温の冷
媒から得る熱量が多くなる。よって、加熱温度を高くすることができる。
したがって、図3に示すように、制御装置70は、湯を生成する際の加熱温度が低いときよりも高いときの方が、加熱装置55へと流入する水の流量が小さくなるように、循環ポンプ63の回転数を制御する。給湯熱交換器52から流出する水の温度(加熱温度)は、温度検出手段66により検出されて、検出された加熱温度の上方が制御装置70に送られる。これにより、様々な加熱温度に対応することができる。
また、加熱流量を小さくする、すなわち、加熱装置55に流入する水の流量を小さくすると、加熱流量が多い場合と比較して、入水管路64を流れる水がスケール抑制装置68内に滞留する時間が長くなる。
よって、水とスケール抑制剤67が接触する時間が長くなり、スケール抑制剤67の水への溶解量を多くすることができるので、加熱装置55へ流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度を増大させることができる。
以上のように、制御装置70は、スケールが析出しやすい状況、すなわち、加熱温度が高い運転条件において、加熱装置55に流入する水の流量が小さくなるように循環ポンプ63の回転数を制御する。これにより、加熱温度を高くすることができるとともに、スケール抑制装置68において、スケール抑制剤67の単位流量あたりの水への溶解量を多くして、加熱装置55に流入する水に含有するスケール抑制剤67の濃度を増大することができる。
よって、給湯装置の運転条件に応じて、水に溶解するスケール抑制剤の濃度を調整することができるので、スケール抑制剤を浪費することなく、信頼性の高い給湯装置を提供することができる。
なお、加熱温度と、加熱装置55への流入する水のスケール抑制剤濃度との関係は、図4の特性図に示すように、加熱温度が高くなるほどスケール抑制剤の濃度を高くするようにしてもよく、また、図5に示すように、段階的にスケール抑制剤の濃度が高くなるようにしてもよい。また、加熱温度が低いときよりも高いときに、加熱装置55に流入する水のスケール抑制剤67の濃度を大きくすることができるならば、図4、図5の特性図の形態に限定されることはない。
以上のように、スケールが発生しやすい条件である高い加熱温度のときに、加熱装置55に流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度を大きくするので、スケールの生成を抑制することができ、加熱温度によらず安定してスケールの生成を抑制できる。よって給湯熱交換器52などの配管にスケールが付着することを防止して安定的に運転可能な給湯装置50とすることができる。
また、加熱温度に応じて適切にスケール抑制剤67の濃度を調節するので、スケール抑制剤67を過不足なく有効に消費していくことができ、スケール抑制剤67の交換のメンテナンスを減少でき、その維持コストも低減することができる。
次にスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性をリモコン72に表示する方法に関して説明する。
スケール抑制装置68に充填されるスケール抑制剤67の充填量は、給湯装置の一般的な湯の使用量や、給湯熱交換器52で加熱される水の量を想定して、約1年で無くなるように決定される。よって、スケール抑制剤67が無くなった場合、スケール抑制剤67の
補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが必要である。
しかし、使用者によって湯の使用量は大きく異なることから、スケール抑制剤67が1年未満で無くなる場合もあり、一方、1年以上枯渇しない場合もある。
スケール抑制剤67が減少または枯渇した後に給湯装置50の運転が継続されると、給湯熱交換器52がスケール詰まりを起こして故障に至る場合がある。一方、スケール抑制剤67が多く残った状態で、スケール抑制剤67の補充やスケール抑制装置68の交換を行うと、メンテナンスの回数が増大し、給湯装置50の維持コストが増大する。
そこで、給湯装置50は、スケール抑制剤67の消費量を制御装置70にて自動で推定する。さらに、制御装置70は、スケール抑制剤67の残量が少なくなったと判断されると、リモコン(報知装置)72に、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇した状態で給湯装置50が使用され続けることを防止する。また、スケール抑制剤67が多く残った状態でメンテナンスを行われることを防止する。図6は、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を報知する際の、リモコン72における表示部72aの例を示すものである。
スケール抑制剤67の消費量の推定方法は以下のようにしている。
スケール抑制剤67は、水がスケール抑制装置68を流れることで消費される。そこで、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を検出することでスケール抑制剤67の消費量の推定を行う。
ここで、図7に示すように、スケール抑制装置68を流れる水の流量と、その流量の水に溶解するスケール抑制剤67の濃度とは、水の流量が増加するほど濃度が低下する関係にある。これは、水の流量が小さいほうが、水がスケール抑制装置68内に滞留する時間が長くなり、単位流量あたりの水に溶解するスケール抑制剤67の量が多くなるためである。
一方、スケール抑制装置68を流れる水の流量と、その流量の水をスケール抑制装置68に流入させた場合のスケール抑制剤67の消費量とは、水の流量が増加するほど消費量が増加する関係にある。
スケール抑制装置68を流れる水の流量は、スケール抑制装置68と循環ポンプ63との間に配置された流量検出装置73で検出される。制御装置70は、流量検出装置73によって計測された水の流量を積算する。制御装置70は、積算された水の流量(積算流量)があらかじめ決められた所定値を越えると、スケール抑制剤67の残量が少なくなった、または、スケール抑制剤67が枯渇したと判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要性に関する表示部72aを表示する。
また、リモコン72には、積算流量のリセットを行うスイッチ(図示せず)を有している。スケール抑制剤67の充填、または、スケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが行われると、スイッチで積算流量のリセットを行うとともに、リモコン72に表示された表示部72aを消すことができる。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を流量検出装置73によって検出して、流量の積算値(積算流量)、すなわち、スケール抑制装置68に流れた水の量を算出する。制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる流量とスケール抑制剤67の消費量との関係から、スケール抑制剤67の消費量およびスケール抑制剤
67の残量を推定する。これにより、スケール抑制剤67の消費量が的確に推定される。また、制御装置70は、スケール抑制剤67補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇して、スケールの析出による熱交換効率の低下や、スケールによる配管の閉塞が生じる前に、メンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤67が多く残った状態で、メンテナンスを行うことを防止する。よって、メンテナンスの回数が増大して維持コストが増大することを防止する。
また、加熱装置55は圧縮機51、給湯熱交換器52、減圧装置53、蒸発器54とからなるヒートポンプサイクルで構成され、水の加熱は、給湯熱交換器52において圧縮された高温冷媒と水とが熱交換することで行われる。このヒートポンプサイクル中を冷媒が循環して放熱と吸熱を繰り返すことで効率的に水を加熱することができる。よって、給湯装置50の省エネルギー化を図ることができる。
なお、本実施の形態において、スケール抑制装置68に流入する水の流量は、流量センサによって直接的に検出されているが、他の手段を用いてもよい。例えば、流量検出装置73として、循環ポンプ63を使用することができる。この場合、制御装置70は、循環ポンプ63の回転数を検出し、あらかじめ実験的に求められた循環ポンプ63の回転数と流量との関係から、スケール抑制装置68へと流入する水の流量を間接的に検出する。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2における給湯装置の構成図、図9は同実施の形態における加熱温度に対する特性図である。
本実施の形態において、実施の形態1と同一の部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すとおり、給湯装置50の入水管路64には循環ポンプ63が配置されており、貯湯槽57から給湯熱交換器52に流れる水量を調整している。スケール抑制装置68内を流れる水の流量は、循環ポンプ63との間に設けた流量検出装置73で計測される。
また、出湯管路65には、第1管路65aと第2管路65bとに流路を切り換える三方弁81が接続されている。三方弁81の一つの接続口は、貯湯槽57の上部に接続される大1管路65aに接続されている。三方弁81の一つの接続口は、貯湯槽57の下部に接続される管路65bに接続されている。三方弁81の一つ接続口は、給湯熱交換器52に接続される出湯管路65に接続される。
さらに、加熱装置(ヒートポンプユニット)55には、外気温度を測定する外気温センサ80が設けられている。なお、外気温度センサ80は、蒸発器54に流入する空気の温度を検知することができるように、ヒートポンプユニットを構成する蒸発器54に配設され、かつ、蒸発器54に流入する気流に対して最も風上に配設されている。
以上のように構成された給湯装置について、以下にその動作、作用を説明する。
循環ポンプ63の動作は、温度検出手段66の信号を受けた制御装置70による命令によって適宜調整される。ここで、図9に示すように、制御装置70は、加熱温度に応じて入水管路64を流れる水の流量を変更する。流量を変更することでスケール抑制装置68における水の滞留時間が変化するので、水へのスケール抑制剤67の溶解量が変わる。つまり、循環ポンプ63によって、加熱装置55に流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度を調節することが可能となる。
本実施の形態では、図9に示すように、加熱温度が低いときよりも高いときに循環ポンプ63により加熱流量を小さくして、スケール抑制剤67の濃度を大きくしている。
ここで、一般的に給湯装置50が設置されるときの外気温度により、給水管58を介して供給される水の市水(入水)温度は変化する。すなわち、外気温度が高いときは市水(入水)温度も高くなり、外気温度が低い時は市水(入水)温度が低くなる。また、外気温度が高い時よりも低い時のほうが、使用される湯量が多く、また、使用される湯の温度が高いため、加熱温度を高くして、貯湯槽57に高温の湯を多く貯湯する必要がある。
このように、外気温度の高低によって、加熱温度の目標値は変化する。例えば、外気温度が低いとき(外気温度A)は、外気温度が高いとき(外気温度B)よりも、加熱温度を高くする。このとき、加熱装置55にて、高温の冷媒から単位流量あたりの水へと放熱される熱量を大きくするため、図9の外気温度Aの条件に示すように、外気温度Bの条件と比較して流量が小さくなるように循環ポンプ63の回転数を制御する。
また、外気温度センサ80で測定される外気温度が高い時は、加熱温度を低くして、加熱装置55による加熱量を小さくすることができる。よって、図9に示すように、給湯熱交換器52における水の滞留時間を短くするため、循環ポンプ63の回転数を大きくして、加熱装置55へと圧送される水の流量を大きくする。
以上のように、外気温度に応じて、循環ポンプ63によって加熱流量を調整することで、加熱温度の高低を調整することができる。
また、外気温度に応じて加熱流量を調整することで、図9に示すように、加熱装置55に流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度を調整することができる。
すなわち、外気温度が高い(外気温度B)条件においては、外気温度が低い(外気温度A)条件と比較して、循環ポンプ63の回転数を多くすることで水の流量を増大させるので、スケール抑制装置68において水の滞留時間が短くなり、スケール抑制剤67の濃度を低くすることができる。
一方、外気温度が低い(外気温度A)条件においては、外気温度が高い(外気温度B)条件と比較して、循環ポンプ63の回転数を小さくすることで水の流量を減少させるので、スケール抑制装置68において水の滞留時間が長くなり、スケール抑制剤67の濃度を高くすることができる。
なお、加熱装置55に流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度の決定は、例えば井戸水などの高硬度水を給水に利用する場合、給水管58に配設され、給水の硬度を検出する硬度検出手段71の検出値に基づいて行ってもよい。給水の硬度が高ければ、それに応じて、スケール生成を抑制できる濃度とするために、制御装置70が循環ポンプ63の回転数を調整する。なお、給水硬度は利用者が直接、制御装置70を備えた給湯装置50のリモコン72に入力する構成としてもよい。
また、給湯熱交換器52内にスケールが付着および生成する主な要因は、給水硬度と貯湯槽57に貯留する貯湯温度(加熱温度)であり、給水硬度が高いとき、また、加熱温度が高いときにスケールが発生しやすい。そこで、給水硬度及び加熱温度とスケール生成を抑制できるスケール抑制剤67の濃度との関係をリモコン72に記憶させておいても良い。
次にスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性をリモコン72に表示する方法に関して説明する。
本実施の形態における給湯装置50は、スケール抑制剤67の消費量を制御装置70にて自動で推定する。さらに、制御装置70は、スケール抑制剤67の残量が少なくなったと判断されると、リモコン72に、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇した状態で給湯装置50が使用され続けることを防止する。また、スケール抑制剤67が多く残った状態でメンテナンスを行われることを防止する。
スケール抑制剤67の消費量の推定方法は以下のようにしている。
スケール抑制剤67は、水がスケール抑制装置68を流れることで消費される。そこで、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を検出することでスケール抑制剤67の消費量の推定を行う。
スケール抑制装置68を流れる水の流量は、スケール抑制装置68と循環ポンプ63との間に配置された流量検出装置73によって検出される。制御装置70は、流量検出装置73によって計測された水の流量を積算する。制御装置70は、積算された水の流量(積算流量)があらかじめ決められた所定値を越えると、スケール抑制剤67の残量が少なくなった、または、枯渇したと判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。
また、リモコン72は、積算流量のリセットを行うスイッチ(図示せず)を有している。スケール抑制剤67の充填、または、スケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが行われると、リモコン72にて積算流量のリセットを行うとともに、リモコン72に表示された、スケール抑制装置68のメンテナンスに関する表示部72aを消す。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を流量検出装置73によって検出して、流量の積算値(積算流量)、すなわち、スケール抑制装置68に流れた水の量を算出する。制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる流量とスケール抑制剤67の消費量との関係から、スケール抑制剤67の消費量およびスケール抑制剤67の残量を推定する。これにより、スケール抑制剤67の消費量が的確に推定される。
また、制御装置70は、スケール抑制剤67補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇して、スケールの析出による熱交換効率の低下や、スケールによる配管の閉塞が生じる前に、メンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤67が多く残った状態で、メンテナンスを行うことを防止することができる。よって、メンテナンスの回数が増大して維持コストが増大することを防止する。
次に入水管路64、出湯管路65、加熱装置55の凍結防止運転と、その時のスケール抑制剤67の交換報知に用いるスケール抑制装置内を流れる水の量の積算方法について説明する。
外気温度が0℃以下になり加熱運転も行われていない状態が継続すると、入水管路64、出湯管路65、加熱装置55の内部に滞留する水が凍結する場合がある。これにより、加熱運転ができなくなってしまう。また、配管や接続部が破損する場合もある。
そこで、制御装置70は、外気温度センサ80の検出値が0℃以下の低い温度を検出し
、かつ、所定時間継続して加熱運転を行っていない場合には凍結予防運転を行う。
制御装置70は、水が管路65bを流れるように三方弁81切り換えて、凍結予防運転を行う。凍結予防運転において、制御装置70は、加熱装置55を停止させたまま循環ポンプ63を動作させる。これにより、貯湯槽57から入水管路64に流出した水が、スケール抑制装置68、給湯熱交換器52、出湯管路65、三方弁81、管路65bを流れ、貯湯槽57の下部に流入する。これにより、配管内に滞留する水の凍結を防止する。
凍結予防運転における水の流量(循環流量)は、配管内での水の凍結を予防できればよいので、給湯運転と比較して少なくてよい。よって、循環ポンプ63の回転数は、給湯運転と比較して小さくてよい。
ここで、加熱装置55は、凍結予防運転時には停止された状態である。よって、加熱装置55による水の加熱が行われないので、スケールは析出しない。したがって、入水管路64にスケール抑制剤67を添加する必要はない。しかしながら、循環ポンプ63が運転されると、水がスケール抑制装置68を流れるので、スケール抑制剤67が水に溶解し消費されてしまう。
ここで、凍結予防運転における水の流量は、加熱運転における水の流量と比較して小さい。したがって、凍結予防運転と加熱運転とを同じ時間行った場合、凍結予防運転のほうがスケール抑制剤67の消費量が少ない。
そこで、制御装置70は、凍結予防運転における水の流量を積算する場合、積算される水の流量が少なくなるように、補正係数(例えば0.5)を掛けて積算を行う。
以上、本実施の形態における給湯装置50は、入水管路64上に循環ポンプ63を設け、外気温度の高低に応じて循環ポンプ63で流量を調節されたスケール抑制装置内を流れる水の量の多少によって、加熱装置55に流入する水に含まれるスケール抑制剤67の濃度を変更するものである。
これにより、加熱流量を大きくすることでスケール抑制装置68における水の滞留時間が短くなるので、スケール抑制剤67の濃度を小さくでき、一方、加熱流量を小さくすることでスケール抑制剤67の濃度を大きくすることが可能となる。
また、加熱流量を大きくすることで給湯熱交換器52における水の滞留時間が短くなるので、加熱温度を低くすることができ、一方、加熱流量を小さくすることで加熱温度を高くすることが可能となる。
つまり、加熱流量を大きくすると、スケール抑制剤67の濃度が小さく、かつ、加熱温度を低くすることができる。一方、加熱流量を小さくすると、スケール抑制剤67の濃度が大きく、かつ、加熱温度を高くすることができる。よって、加熱流量を循環ポンプ63の回転数によって調節し、スケール抑制装置内を流れる水の量を変化させることで、外気温度に応じたスケール抑制剤67の濃度を適宜調整することができる。
また、制御装置70は、凍結予防運転における水の流量を積算する場合、積算される水の流量が少なくなるように、補正係数(例えば0.5)を掛けて積算を行う。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる水の流量が大きい加熱運転を実行した場合と、スケール抑制装置68に流れる水の流量が小さい凍結予防運転を実行した場合とで、水の流量が大きい加熱運転を多く実行した場合の方が、より短い循環ポ
ンプの運転時間で、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。
なお、加熱運転時にも給湯熱交換器52に流入する水の温度(入水温度)や加熱温度によって循環ポンプ63の回転数は異なり、スケール抑制装置68内を流れる水の量が変化する。したがって、制御装置70は、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって様々な補正係数を掛けて、積算流量の計算を行ってもよい。これにより、スケール抑制装置68の消費量をより精度よく推定することができる。
以上のように、給湯装置50の運転条件に応じてスケール生成を抑制することができ、かつ、スケール抑制剤67の浪費を防止した、信頼性に優れた給湯装置50を提供することができる。また、スケール抑制剤67の消費量を精度よく推定することができるので、適切なタイミングで、スケール抑制剤67のメンテナンスの必要性を報知することができる。その結果、メンテナンスの回数を抑制し、維持コストを低減させることができる。
なお、本実施の形態において、スケール抑制装置68に流入する水の流量は、流量センサによって直接的に検出されているが、他の手段を用いてもよい。例えば、流量検出装置73として、循環ポンプ63を使用することができる。この場合、制御装置70は、循環ポンプ63の回転数を検出し、あらかじめ求められた循環ポンプ63の回転数と流量との関係から、スケール抑制装置68へと流入する水の流量を間接的に検出する。
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3における給湯装置の構成図である。本実施の形態において、他の実施の形態と同一の部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10において、給湯装置の熱源である加熱装置55は、圧縮機51、給湯熱交換器52、減圧装置53および大気熱を吸熱する蒸発器54からなるヒートポンプサイクルを構成したヒートポンプユニットである。そして、高圧側の冷媒圧力が臨界圧力以上となる二酸化炭素を冷媒とする。
貯湯ユニット56に収納された貯湯槽57への給水は、貯湯槽57の下部に接続された給水管58を通ってなされ、貯湯槽57上部の高温の湯は給湯管路59を通り給湯混合弁60で給水と混合することによって所定の温度の湯にしてから、給湯配管61を通って蛇口62などの給湯端末から給湯される。
また、貯湯槽57の下部から循環ポンプ63、入水管路64、給湯熱交換器52、出湯管路65、三方弁81、管路65aおよび貯湯槽57の上部を順次接続することによって沸き上げ回路を構成し、入水管路64に配設された循環ポンプ63によって、貯湯槽57から圧送された水は、給湯熱交換器52において高温の冷媒により加熱されて貯湯槽57の上から貯留される。
また、給湯熱交換器52の水側出口に接続された出湯管路65には、加熱装置によって加熱された湯の温度、すなわち加熱温度を検出する温度検出手段66が設けられている。
さらに、入水管路64において、入水管路64の一部を迂回させる別の入水管路であるバイパス回路74を並列に設け、このバイパス回路74上に、スケール抑制剤67を充填したスケール抑制装置68が設けられている。これにより、スケール抑制装置68が設けられていない入水管路64が主回路となり、スケール抑制装置68が配置されたバイパス回路74は、入水管路64の副回路を形成することとなる。
以上のように構成された給湯装置について、以下にその動作、作用を説明する。
図10において、貯湯槽57を沸き上げる加熱運転について説明する。貯湯槽57に蓄えられた水を沸き上げる要求があると、加熱装置55であるヒートポンプユニットで大気熱を利用した加熱運転を行う。この場合、圧縮機51から吐出された臨界圧力以上の高温高圧の冷媒は、給湯熱交換器52へと流入し、ここで貯湯槽57の下部から送られてきた水と熱交換し放熱した後、減圧装置53で減圧され、さらに、蒸発器54で大気から熱を吸熱し、ガス化して圧縮機51に戻る。
このとき、温度検出手段66にて検出される給湯熱交換器52の出口温度(加熱温度)が所定温度となるように循環ポンプ63の回転数を制御することで、給湯熱交換器52にて、貯湯槽57の下部から入水管路64を通って送られてきた水が加熱され、所定の温度の湯となり、貯湯槽57の上部から流入し貯留される。
ここで、スケール抑制剤67を充填したスケール抑制装置68を備えたバイパス回路74が入水管路64に並列に接続されているので、循環ポンプ63によって貯湯槽57の下部から送られてきた水の一部は、接続部Aでスケール抑制装置68を備えたバイパス回路74側に流れ、残りは入水管路64側に流れる。
そして、バイパス回路74側に流れた水は、スケール抑制装置68に流入し、スケール抑制剤67が溶解され、その後、接続部Bで、入水管路64に流れた水と混合する。接続部Bで入水管路64を流れた水と混合され、スケール抑制剤67が溶解した水は、給湯熱交換器52に流入して、所定の温度になるように加熱される。このとき、水に含まれるスケール抑制剤67は、特に給湯熱交換器52中で生成する炭酸カルシウムなどの結晶の成長を抑制し、スケールの発生を防止する。
図2は、横軸に水の温度をとり、縦軸にスケール成分の溶解度をとって、水に対するスケール成分の溶解度を説明する説明図である。図2に示すように、水の温度が高くなればなるほど、スケール成分(例えば、炭酸カルシウムなど)の溶解度は小さくなり、結晶化して水に析出する。
また、前述のように、貯湯式の給湯装置においては、給湯負荷は、湯を使用する頻度と使用量が多く、外気温度の低い冬に大きく、逆に、外気温度の高い夏には小さい。
季節ごとに異なる給湯負荷に対しては、貯湯槽57に貯留する湯の加熱温度を変更して対応する。すなわち、給湯負荷の大きい冬には、給湯負荷の小さい夏よりも高い、例えば85℃(〜90℃)程度の加熱温度にて湯を貯留する。
以上から、特に給湯熱交換器52内の水通路表面などに付着、堆積するスケールは、外気温度が低い冬の加熱運転のように、加熱温度が高い運転条件で多く生じることとなる。
よって、スケールの析出が生じやすい運転条件、すなわち、加熱温度が高い条件において、水に溶解させるスケール抑制剤67の濃度を大きくすれば、スケールの析出を効果的に抑制することができる。
ここで、貯湯式の給湯装置の場合、一般に、加熱能力は外気温度が変化してもほぼ一定である。また、給湯装置への給水として使用される水道水の温度は、一般に外気温度が低いほど低くなる。図3は、横軸に加熱温度をとり、縦軸に加熱流量、つまり、加熱装置55にて加熱される水の流量をとって、加熱装置55による加熱能力が一定の場合の加熱温
度と加熱流量の関係を示した説明図である。
加熱装置55による加熱能力が一定であるとすると、図3に示すように、水道から給水される水の加熱温度は、加熱装置55に流入する水の流量(加熱流量)を調節して対応することができる。例えば、加熱流量を小さくすることで、加熱流量が大きい場合と比較して、加熱装置55に水が滞留する時間が長くなるので、単位流量あたりの水が高温の冷媒から得る熱量が多くなる。よって、加熱温度を高くすることができる。したがって、湯を生成する際の加熱温度の目標値が低いときよりも高いときの方が、加熱装置55へと流入する水の流量が小さくなるように、温度検出手段66の信号を受けた制御装置70による命令によって循環ポンプ63の回転数を制御する。これにより、様々な加熱温度を実現することができる。
以上のように、加熱温度が高い方が、スケールが生成しやすく、給湯熱交換器52の水側流路表面に付着しやすいことになる。よって、スケールの生成と、特に給湯熱交換器52の水側流路表面への付着とを防止するためには、加熱温度が高いときに給湯熱交換器52内へと流入する水に含まれるスケール抑制剤の濃度、すなわち、水の単位質量あたりに含まれるスケール抑制剤の質量を大きくすればよい。
図11は、バイパス回路74と入水管路64を流れる流量とそのときのスケール抑制剤67の濃度を説明する説明図である。図11(a)は加熱流量が小さく、加熱温度が高い場合であり、図11(b)は加熱流量が大きく、加熱温度が低い場合である。
バイパス回路74は、入水管路64の途中にある接続部Aと接続部Bとに接続(接続部AがBよりも上流側)されている。そして、バイパス回路74はスケール抑制剤67を収納したスケール抑制装置68を備えている。
接続部Aで分流した入水管路64側に流れる流量とバイパス回路側に流れる流量を、図11(a)の場合はそれぞれJ1、K1とし、図11(b)の場合はそれぞれJ2、K2とする。また、スケール抑制装置68の出口部Cを出たあとのスケール抑制剤67の濃度を、図11(a)の場合はN1(C)とし、図11(b)の場合はN2(C)とする。
ここで、図11(a)の場合は、図11(b)の場合に比べ流量が小さいので、加熱流量が小さくなるためにスケール抑制装置68内の流速が小さくなる。したがって、スケール抑制装置68内に流入した水とスケール抑制剤67とが接触する時間が長くなり、その結果、スケール抑制装置68を出た後の濃度は図11(a)の方が大きくなる。すなわち、以下の関係となる。
また、接続部Bの下流側のスケール抑制剤67の濃度を、図11(a)の場合はN1(B)とし、図11(b)の場合はN2(B)とすると、以下の関係式が得られる。
さらに、入水管路64側とバイパス回路74側に流れる流量の分流比率を、
とすると、接続部Bの下流側のスケール抑制剤67の濃度とスケール抑制装置68の出口部Cを出たあとのスケール抑制剤67の濃度との関係は次のようになる。
以上の(式1)、(式5)より、給湯熱交換器52に流入する接続部Bの下流側でのスケール抑制剤67の濃度の関係は、以下のようになる。
(式6)からわかるように、流量が小さい方が、給湯熱交換器52に流入するスケール抑制剤67の濃度が大きくなる。流量が小さい方が、加熱温度が高く、スケールが生成され易い条件であるが、スケール抑制剤67の濃度を大きくすることができ、給湯熱交換器52などへのスケール付着を抑制することができる。
よって、図10および図11に示すような、分流比率を設定することが可能なバイパス回路74によって貯湯槽57下部から入水管路64を流れる水を分流することにより、スケール抑制装置68に流入する水の流量を適宜調整することが可能となり、これにより、スケール抑制剤67の水への溶解量を調整することができる。
図12は、バイパス回路74側と入水管路64側とへ流れる水の流量の分流比率を設定する方法を説明する説明図である。
図12(a)は、入水管路64の接続部Aと接続部B間の流路抵抗を、例えば管路断面積をバイパス回路74とは異なるように構成した流量調節部によって変化させ、これにより点AB間の圧力損失を設定して、その差圧に応じて分岐流量の分流比率を決定することができるようにしたものである。
なお、スケール抑制装置68の流路抵抗が大きい場合には、図12(b)に示すように、スケール抑制装置68を備えたバイパス回路74側に流体の動圧がかかる構成とし、点AB間の入水管路64の形状を変更することで、点AB間の圧力損失を設定し、その差圧に応じて分岐流量の分流比率を必要に応じて決定することができる。
以上のように、貯湯槽57下部からの湯水の一部を分岐して、これにスケール抑制剤67を溶解させ、その他の湯水はそのまま給湯熱交換器52に流入するので、スケール抑制剤の浪費を防止することができる。よって、スケール抑制剤の寿命が長くなり、その交換や補充などのメンテナンスや維持コストを低減させるという効果がある。
次にスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性をリモコン72に表示する方法に関して説明する。
スケール抑制装置68を流れる水の流量は、スケール抑制装置68と循環ポンプ63との間の入水管路64に配置された流量検出装置(流量センサ)73によって検出される。なお、流量センサ73は、水の流れ方向に対してスケール抑制装置68の上流側のバイパス回路74に配置されていても良い。
制御装置70は、流量検出装置73によって計測された水の流量を積算する。制御装置70は、積算された水の流量(積算流量)があらかじめ決められた所定値を越えると、スケール抑制剤67の残量が少なくなったと判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。
また、リモコン72には、積算流量のリセットを行うスイッチ(図示せず)を有している。スケール抑制剤67の充填、または、スケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが行われると、リモコン72にて積算流量をリセットし、リモコン72に表示されたメンテナンスの必要性に関する表示部72aを消す。
このように、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を流量検出装置73によって検出して、流量の積算値(積算流量)を算出する。制御装置70は、バイパス回路74に流れる分流比率と積算流量とから、スケール抑制装置68に流れた水の量を算出する。制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる流量とスケール抑制剤67の消費量との関係から、スケール抑制剤67の消費量およびスケール抑制剤67の残量を推定する。これにより、スケール抑制剤67の消費量が的確に推定される。
また、制御装置70は、スケール抑制剤67補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。これにより、スケール抑制剤67が減少または枯渇して、スケールの析出による熱交換効率の低下や、スケールによる配管の閉塞が生じる前に、メンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤67が多く残った状態で、メンテナンスを行うことを防止することができる。よって、メンテナンスの回数が増大して維持コストが増大することを防止する。
また、制御装置70は、加熱運転と比べ、スケール抑制剤68を流れる水の流量が小さく、スケール抑制剤67の消費量が少ない凍結予防運転を実行するとき、積算される水の流量が少なくなるように、補正係数(例えば0.5)を掛けて、積算流量の計算を行う。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる水の流量が大きい加熱運転を実行した場合と、スケール抑制装置68に流れる水の流量が小さい凍結予防運転を実行した場合とで、水の流量が大きい加熱運転を多く実行した場合の方が、より早く、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。
なお、加熱運転時にも入水温度や加熱温度によって循環ポンプ63の回転数は異なり、スケール抑制装置68を流れる水の量が変化する。よって、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって、スケール抑制剤67の消費量は異なる。したがって、制御装置70は、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって様々な補正係数を掛けて、積算流量の計算を行ってもよい。これにより、スケール抑制装置68の消費量をより精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、スケール抑制装置68に流入する水の流量は、流量センサによって直接的に検出されているが、他の手段を用いてもよい。例えば、流量検出装置73として、循環ポンプ63を使用することができる。この場合、制御装置70は、循環ポンプ63の回転数を検出し、あらかじめ求められた循環ポンプ63の回転数と流量との関係から、スケール抑制装置68へと流入する水の流量を間接的に検出する。
(実施の形態4)
図13は、本発明の実施の形態4における給湯装置の構成図である。
本実施の形態において、他の実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態における給湯装置は、図13に示すように、入水管路64の接続部Aと接続部Bの間に流量調節装置69を備えている。制御装置70は、流量調節装置69の動作を制御する。
流量調節装置69としては、例えば、給湯装置で一般に使用されている流量制御弁を用いることができ、ステッピングモータを駆動させることによって、流体が通過する流路断面積を変えることによって流量を調節することができる。
以上のように構成された給湯装置について、以下にその動作、作用を説明する。
図13において、接続部Bの下流におけるスケール抑制剤67の濃度を所定の濃度に変更する場合、流量調節装置69の流路抵抗を変更(例えば、流路断面積を変更)し、接続部Aと接続部Bの間の圧力損失を変更することによって、スケール抑制装置68側に分岐して流れる流量(分岐流量)の比率を変更する。
すなわち、流量調節装置69の流路抵抗を大きく(例えば、弁開度を小さくすることで流路断面積を小さく)すると、接続部Aと接続部Bの間の圧力損失が大きくなるので、分岐流量の比率が大きくなり、逆に、流量調節装置69の流路抵抗を小さく(例えば、流路断面積を大きく)することで、分岐流量比率を小さくすることができ、これによって、流量を調整することができる。
給湯熱交換器52内にスケールが付着、成長する要因としては、貯湯槽57に貯留する温度(加熱温度)がある。加熱温度が高い方がスケールの生成と成長が大きい。
そこで、温度検出手段66によって加熱温度を検出し、加熱装置55への流入する湯水
に含まれるスケール抑制剤67の濃度が、加熱温度に対するスケールの生成と成長が抑制されるような濃度となるように、加熱温度に基づいて分岐流量の比率を設定すればよい。このとき、スケールの生成と成長がない湯水のスケール抑制剤67の濃度と、加熱温度との関係を事前に求めておき、この関係をリモコン72に記憶させるようにしても良い。
なお、分岐流量の比率は流量調節装置69を調節することで行うが、必要な流量は循環ポンプ63の回転数を調整することで得ることができる。
このように、加熱温度に応じて、流量調節装置69を一つ使用するだけで、スケールの生成を抑制することが可能なスケール抑制剤67の濃度を設定できるので、給湯装置の運転条件に応じて、加熱装置55へ流入する水のスケール抑制剤67の濃度を適切に調整することができる。よって、スケールの析出および付着を長期にわたって防止する信頼性に優れた給湯装置を提供することができ、スケール抑制剤67の寿命が長くなり、その交換や補充などのメンテナンスや維持コストを低減することができるという効果がある。
なお、貯湯槽57に貯留される温度(加熱温度)は、一般的に、65〜90℃程度である。そして、加熱温度が高い方が、スケールの生成と成長が大きいが、加熱温度が65℃前後であれば、スケールの生成は小さく、成長もほとんど無い。
よって、このような加熱温度条件に相当する加熱流量のとき、スケール抑制剤67の濃度を最小にするように、制御装置70が流量調節装置69を調整する構成とすればよい。すなわち、流量調節装置69の流路抵抗を最小(流量調節装置69の流体が通過する流路断面積を最大)になるように制御する。
次に、スケール抑制装置68側に分岐して流れる流量(分岐流量)の比率を変更した場合のスケール抑制剤67の交換報知に用いるスケール抑制装置内を流れる水の量の積算方法について説明する。
次にスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性をリモコン72に表示する方法に関して説明する。
スケール抑制装置68を流れる水の流量は、スケール抑制装置68と循環ポンプ63との間の入水管路64に配置された流量検出装置(流量センサ)73によって検出される。なお、流量センサ73は、水の流れ方向に対してスケール抑制装置68の上流側のバイパス回路74に配置されていても良い。
制御装置70は、流量検出装置73によって計測された水の流量を積算する。制御装置70は、積算された水の流量(積算流量)があらかじめ決められた所定値を越えると、スケール抑制剤67の残量が少なくなったと判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。
また、リモコン72には、積算流量のリセットを行うスイッチ(図示せず)を有している。スケール抑制剤67の充填、または、スケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが行われると、リモコン72にて積算流量のリセットを行うとともに、リモコン72に表示された交換報知の表示72aを消す。
このように、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を流量検出装置73によって検出して、流量の積算値(積算流量)を算出する。制御装置70は、流量調節装置69によって調整されたバイパス回路74に流れる分岐流量の比率と、積算流量とから、スケール抑制装置68に流れた水の量を算出する。
制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる流量とスケール抑制剤67の消費量との関係から、スケール抑制剤67の消費量およびスケール抑制剤67の残量を推定する。これにより、スケール抑制剤67の消費量が的確に推定される。
また、制御装置70は、スケール抑制剤67補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇して、スケールの析出による熱交換効率の低下や、スケールによる配管の閉塞が生じる前に、メンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤67が多く残った状態で、メンテナンスを行うことを防止することができる。よって、メンテナンスの回数が増大して維持コストが増大することを防止する。
また、制御装置70は、加熱運転を実行中にスケールの析出がほぼ生じない加熱温度が65℃前後の場合には、流量調節装置69によって接続部Aと接続部Bとの間の流路抵抗を調整することで、スケール抑制装置68側に流れる水の流量を低減させる。これにより、スケール抑制剤67の消費を抑制することができる。また、スケールの生成がない凍結予防運転時には、制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる水の流量を最小にしてかつ、加熱運転と比較して循環ポンプ63の回転数も低くすることで、スケール抑制剤67の消費をさらに抑制する。
よって、制御装置70は、加熱運転と比べ、スケール抑制剤68を流れる水の流量が小さく、スケール抑制剤67の消費量が少ない凍結予防運転を実行するとき、積算される水の流量が少なくなるように、補正係数(例えば0.2)を掛けて、積算流量の計算を行う。さらに、制御装置70は、加熱運転を実行している際の加熱温度によって、水の流量に補正係数を掛けたうえで積算する。例えば、制御装置70は、加熱温度が65℃の加熱運転を実行している場合には補正係数を0.4とする。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる水の流量が大きい加熱運転を実行した場合と、スケール抑制装置68に流れる水の流量が小さい凍結予防運転を実行した場合とで、水の流量が大きい加熱運転を多く実行した場合の方が、より早く、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を表示する。
また、制御装置70は、バイパス回路に流れる流量が大きい運転を多く実行した場合の方が、バイパス回路74に流れる流量が小さい運転を多く実行した場合よりも、より早く、スケール抑制装置68のメンテナンスが必要であると判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を表示する。
なお、加熱運転時にも入水温度や加熱温度によって循環ポンプ63の回転数は異なり、スケール抑制装置68を流れる水の量が変化する。よって、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって、スケール抑制剤67の消費量は異なる。したがって、制御装置70は、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって様々な補正係数を掛けて、積算流量の計算を行ってもよい。これにより、スケール抑制装置68の消費量をより精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、スケール抑制装置68に流入する水の流量は、流量センサによって直接的に検出されているが、他の手段を用いてもよい。例えば、流量検出装置73として、循環ポンプ63を使用することができる。この場合、制御装置70は、循環ポンプ63の回転数を検出し、あらかじめ求められた循環ポンプ63の回転数と流量との関係から、スケール抑制装置68へと流入する水の流量を間接的に検出する。
このように、スケールの生成が小さく、成長もほとんど無いような加熱運転の場合や凍結予防運転の場合には、スケール抑制剤67の濃度を最小に設定できるので、添加剤の寿命を長くすることができるとともに、スケール抑制剤67を未使用で多く余らせることのない適切なタイミングで、スケール抑制剤67の交換報知を行うことができるため、その交換や補充などのメンテナンスや維持コストを小さくできるという効果がある。
(実施の形態5)
図14は、本発明の実施の形態5における給湯装置の構成図である。本実施の形態において、他の実施の形態と同一部分については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図14に示すように、2つの出口側流路の断面積を変えることによって、2つの出口側流路に流れる流量を調節できる流量調節装置69(三方弁)を接続部Aに設ける。すなわち、入口側は貯湯槽57側の入水管路64に接続し、2つの出口側の一方は加熱装置55側の入水管路64側に、他方はバイパス回路74側に接続する。制御装置70は、それぞれの出口側の流量が必要な分流比率となるように、流量調節装置69の動作を制御する。
流量調節装置69としては、例えば、給湯装置で一般に使用されている混合弁を用いることができ、ステッピングモータを駆動させることによって、流体が通過する出口側の流路断面積を変えることによって流量を変更するものである。
以上のように構成された給湯装置について、以下にその動作、作用を説明する。
図14に示す給湯装置において、接続部Bの下流における水のスケール抑制剤67の濃度を所定の濃度に変更する場合、流量調節装置69の流路抵抗を変更(例えば、流路断面積を変更)する。これにより、バイパス回路74側(スケール抑制装置68側)に分岐して流れる流量(分岐流量)と入水管路64を流れる流量(分岐流量)の比率を変更することができる。すなわち、流量調節装置69によって、入水管路64を流れる流量とバイパス回路74を流れる流量の双方を適宜調整する。
給湯熱交換器52内にスケールが付着、成長する要因としては、貯湯槽57に貯留する温度(加熱温度)がある。加熱温度が高い方がスケールの生成と成長が大きい。
そこで、温度検出手段66によって加熱温度を検出し、加熱装置55への流入する湯水に含まれるスケール抑制剤67の濃度が、スケールの生成と成長が抑制される濃度となるように、流量調節装置69によって、加熱温度に基づいて分岐流量の比率を設定すればよい。このとき、スケールの生成と成長が抑制することが可能な水のスケール抑制剤67の濃度と、加熱温度との関係を事前に求めておき、この関係をリモコン72に記憶させるようにしても良い。
また、スケールの生成が全くない凍結予防運転時にはバイパス回路74側(スケール抑制装置68側)に分岐して流れる流量(分岐流量)が全閉となるように流量調節装置69を動作させ、スケール抑制装置68側に流れる流量を0にすることでスケール抑制剤67の消費をなくすこともできる。
なお、分岐流量の比率は流量調節装置69を調節することで行うが、必要な流量は循環ポンプ63の回転数を調整することで得ることができる。
次にスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性をリモコン72に表示する方法に関して説明する。
スケール抑制装置68を流れる水の流量は、スケール抑制装置68と循環ポンプ63との間の入水管路64に配置された流量検出装置(流量センサ)73によって検出される。なお、流量センサ73は、水の流れ方向に対してスケール抑制装置68の上流側のバイパス回路74に配置されていても良い。
制御装置70は、流量検出装置73によって計測された水の流量を積算する。制御装置70は、積算された水の流量(積算流量)があらかじめ決められた所定値を越えると、スケール抑制剤67の残量が少なくなった、または、枯渇したと判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要があることを表示する。
また、リモコン72は、積算流量のリセットを行うスイッチ(図示せず)を有している。スケール抑制剤67の充填、または、スケール抑制装置68の交換などのメンテナンスが行われると、リモコン72で積算流量のリセットを行い、リモコン72に表示されたスケール抑制剤67のメンテナンスの必要性に関する表示部72aを消す。
このように、制御装置70は、スケール抑制装置68を流れる水の流量を流量検出装置73によって検出して、流量の積算値(積算流量)を算出する。制御装置70は、流量調節装置69によって調整されたバイパス回路74に流れる分岐流量の比率と、積算流量とから、スケール抑制装置68に流れた水の量を算出する。制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる流量とスケール抑制剤67の消費量との関係から、スケール抑制剤67の消費量およびスケール抑制剤67の残量を推定する。これにより、スケール抑制剤67の消費量が的確に推定される。
また、制御装置70は、スケール抑制剤67補充やスケール抑制装置68の交換などのメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。これにより、スケール抑制剤67が枯渇して、スケールの析出による熱交換効率の低下や、スケールによる配管の閉塞が生じる前に、メンテナンスを行うことができる。また、スケール抑制剤67が多く残った状態で、メンテナンスを行うことを防止することができる。よって、メンテナンスの回数が増大して維持コストが増大することを防止する。
また、本実施の形態では、スケールの析出がほぼ生じない加熱温度が65℃前後の場合には、制御装置70は、流量調節装置69によって、バイパス回路74に流れる水の流量を調整して、スケール抑制装置68側に流れる水の流量を減少させる。これにより、スケール抑制剤67の消費を抑制することができる。また、制御装置70は、スケールの生成が全くない凍結予防運転を実行中には、スケール抑制装置68に流れる水の流量を0とすることで、スケール抑制剤67を消費しないようにする。
よって、制御装置70は、スケール抑制剤68に水が流入しない凍結予防運転では、積算される水の流量が0となるように、補正係数を0として、積算流量の計算を行う。さらに、制御装置70は、加熱運転を実行している際の加熱温度によって、水の流量に補正係数を掛けたうえで積算する。例えば、制御装置70は、加熱温度が65℃の加熱運転を実行している場合には補正係数を0.4とする。
これにより、制御装置70は、スケール抑制装置68に流れる水の流量が大きい加熱運転を実行した場合と、スケール抑制装置68に水が流れない凍結予防運転を実行した場合とで、水の流量が大きい加熱運転を多く実行した場合の方が、より早く、スケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を、リモコン72に表示する。
また、制御装置70は、バイパス回路に流れる流量が大きい運転を多く実行した場合の
方が、バイパス回路74に流れる流量が小さい運転を多く実行した場合よりも、より早く、スケール抑制装置68のメンテナンスが必要であると判断し、リモコン72にスケール抑制装置68のメンテナンスの必要性を表示する。
なお、加熱運転時にも入水温度や加熱温度によって循環ポンプ63の回転数は異なり、スケール抑制装置68を流れる水の量が変化する。よって、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって、スケール抑制剤67の消費量は異なる。したがって、制御装置70は、給湯装置50の運転中における入水温度や加熱温度によって様々な補正係数を掛けて、積算流量の計算を行ってもよい。これにより、スケール抑制装置68の消費量をより精度よく推定することができる。
なお、本実施の形態において、スケール抑制装置68に流入する水の流量は、流量センサによって直接的に検出されているが、他の手段を用いてもよい。例えば、流量検出装置73として、循環ポンプ63を使用することができる。この場合、制御装置70は、循環ポンプ63の回転数を検出し、あらかじめ求められた循環ポンプ63の回転数と流量との関係から、スケール抑制装置68へと流入する水の流量を間接的に検出する。
以上のように、本発明にかかる給湯装置は、使用者に対して、適切な時期にスケール抑制剤のメンテナンスの必要性を通知して給湯装置の信頼性を向上することができるので、家庭用や業務用の給湯装置に適用することができる。
50 給湯装置
55 加熱装置
57 貯湯槽
63 循環ポンプ
64 入水管路
65 出湯管路
67 スケール抑制剤
68 スケール抑制装置
69 流量調節装置
70 制御装置
72 リモコン(報知装置)
73 流量検出装置
74 バイパス回路

Claims (4)

  1. 湯を貯える貯湯槽と、
    前記貯湯槽の下部から入水管路を介して送られた水を加熱する加熱装置と、
    前記入水管路に配設され、前記貯湯槽の下部の水を前記加熱装置に圧送する循環ポンプと、
    前記加熱装置で加熱された水を前記貯湯槽の上部へと導入する出湯管路と、
    前記加熱装置に圧送される水に、スケールの生成を抑制するスケール抑制剤を添加するスケール抑制装置と、
    前記スケール抑制装置を流れる水の流量を検出する流量検出装置と、
    前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断する制御装置と、
    前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を表示する報知装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記流量検出装置で検出された流量に基づいて、前記スケール抑制装置のメンテナンスの必要性を判断することを特徴とする給湯装置。
  2. 前記制御装置は、前記スケール抑制装置を流れる水の流量が異なる複数の運転を実行するとともに、
    前記制御装置は、複数の前記運転のうち、前記流量が大きい運転を実行した場合の方が、前記流量が小さい運転を実行した場合よりも、短い前記循環ポンプの運転時間で、前記スケール抑制装置のメンテナンスが必要であると判断することを特徴とする、請求項1に記載の給湯装置。
  3. 前記入水管路の一部を迂回するバイパス回路と、
    前記入水管路を流れる水の流量と前記バイパス回路を流れる水の流量との比率を変更する流量調節装置と、を備え、
    前記スケール抑制装置は、前記バイパス回路に配設され、
    前記制御装置は、前記バイパス回路に流れる流量が大きい場合の方が、前記バイパス回路に流れる流量が小さい場合よりも、短い前記循環ポンプの運転時間で、前記スケール抑制装置のメンテナンスが必要であると判断することを特徴とする、請求項1または2に記載の給湯装置。
  4. 前記スケール抑制剤は、ポリリン酸塩を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給湯装置。
JP2013075623A 2013-04-01 2013-04-01 給湯装置 Pending JP2014200696A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075623A JP2014200696A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 給湯装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075623A JP2014200696A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 給湯装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014200696A true JP2014200696A (ja) 2014-10-27

Family

ID=52351655

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075623A Pending JP2014200696A (ja) 2013-04-01 2013-04-01 給湯装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014200696A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168012A1 (ja) * 2017-03-16 2018-09-20 栗田工業株式会社 逆浸透処理方法及び装置
JP2018153799A (ja) * 2018-01-10 2018-10-04 栗田工業株式会社 逆浸透処理方法及び装置
CN110081597A (zh) * 2018-01-25 2019-08-02 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 相变热水器
CN111735208A (zh) * 2020-06-10 2020-10-02 广东万家乐燃气具有限公司 一种电加热器维护方法及电热水器
CN111829183A (zh) * 2020-05-26 2020-10-27 青岛海尔新能源电器有限公司 排污控制方法、装置、存储介质和热水器
US20220178117A1 (en) * 2020-12-07 2022-06-09 Rheem Manufacturing Company Liquid concentrate dosing systems
US20220177338A1 (en) * 2020-12-07 2022-06-09 Rheem Manufacturing Company Scaling treatment systems for water heaters

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018168012A1 (ja) * 2017-03-16 2018-09-20 栗田工業株式会社 逆浸透処理方法及び装置
JP2018153732A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 栗田工業株式会社 逆浸透処理方法及び装置
JP2018153799A (ja) * 2018-01-10 2018-10-04 栗田工業株式会社 逆浸透処理方法及び装置
CN110081597A (zh) * 2018-01-25 2019-08-02 芜湖美的厨卫电器制造有限公司 相变热水器
CN111829183A (zh) * 2020-05-26 2020-10-27 青岛海尔新能源电器有限公司 排污控制方法、装置、存储介质和热水器
CN111829183B (zh) * 2020-05-26 2022-06-14 青岛海尔新能源电器有限公司 排污控制方法、装置、存储介质和热水器
CN111735208A (zh) * 2020-06-10 2020-10-02 广东万家乐燃气具有限公司 一种电加热器维护方法及电热水器
US20220178117A1 (en) * 2020-12-07 2022-06-09 Rheem Manufacturing Company Liquid concentrate dosing systems
US20220177338A1 (en) * 2020-12-07 2022-06-09 Rheem Manufacturing Company Scaling treatment systems for water heaters
WO2022125383A1 (en) * 2020-12-07 2022-06-16 Rheem Manufacturing Company Scaling treatment systems for water heaters
US11866915B2 (en) * 2020-12-07 2024-01-09 Rheem Manufacturing Company Liquid concentrate dosing systems

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014200696A (ja) 給湯装置
JP5444127B2 (ja) ヒートポンプ給湯機
EP2722599B1 (en) Water heater
JP5971149B2 (ja) 給湯機
JP2011252677A (ja) ヒートポンプ給湯機
JP6078787B2 (ja) 給湯装置
EP2722598B1 (en) Water heater
JP2015017761A (ja) ヒートポンプ給湯システム
JP2009019842A (ja) 送水制御システム及び送水制御方法
JP5938573B2 (ja) 給湯装置
JP2009036486A (ja) 給湯装置
JP2014081115A (ja) 給湯装置
JP5450466B2 (ja) 給液装置
CN103154630B (zh) 热泵式热水供给机
JP6212698B2 (ja) 給湯装置
JP2015183727A (ja) ガス充填装置
JP6229589B2 (ja) ヒートポンプ式給湯機
CN111602015B (zh) 制冰系统以及用于该制冰系统的蒸发温度的控制方法
JP5478521B2 (ja) 給液装置
JP5523918B2 (ja) 冷凍システム
EP2944885B1 (en) Hot water supply apparatus
CN104048404A (zh) 供热水装置
JP2014134361A (ja) 冷凍システムおよび熱源システム
JP2019019994A (ja) 給湯システム
JP2012145299A (ja) 給液装置